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「今後一段の拡大が見込まれる県内オフィス床面積の需給ギャップ 」

執筆者:調査部 湯口 勉
2003年5月29日発表

 要 旨 
1. 問題意識
 神奈川県内の賃貸オフィス市場ではこのところ市況が悪化する傾向にある。最近はとくに、2003年に東京都心部で大型オフィスビルのオープンが相次ぐ「2003年問題」と、団塊世代の定年退職により2010年を前にオフィス需要が減少する「2010年問題」に対する懸念が高まっていることろでもあり、県内においても今後の行方が注目される。ただ、オフィス市場の動向について考えるためには、その前段階として、自社ビル分も含めたオフィス床面積の需給状況を把握しておく必要がある。
2. 神奈川県内におけるオフィス床面積供給量(当社推計)
 そこで、まず、床面積ベースでみた県内オフィス供給量を当社で推計してみたところ、2002年1月時点で2,447万平方mになるという結果になった。県内では1990年代半ばからの長期にわたってオフィス供給のストック調整が続いており、とくに1996年以降はオフィス床面積の増加率が年平均0.7%とほぼ横ばいで推移している。
3. 神奈川県内におけるオフィス床面積需要量(当社推計)
 一方、需要面についてはオフィスワーカー数の減少と歩調を合わせて縮小する方向にある。県内オフィスワーカー数の変化をみると、(1)企業が人件費を抑制するために雇用調整を行ったこと、(2)企業がオフィス機能を統合する際に、統合の場所として東京都心部が選択される傾向が強まったこと、などを背景に90年代後半から減少傾向となっている。そこで、オフィスワーカー1人あたりの床面積が一定という前提のもとで県内オフィス需要量を推計してみると、96年時点で2,217万平方m、2001年時点には2,042万平方mとなる。
4. 県内オフィス床面積の需給ギャップおよび今後の見通し
 以上の結果、県内のオフィス余裕率は96年の6.1%から2001年には16.6%へと10%ポイント以上上昇したとみられる。また、「2003年問題」や「2010年問題」が今後の県内オフィス床面積の需給バランスにどの程度の影響を及ぼし得るかについて簡略的に試算してみると、それぞれが県内オフィス余裕率を3〜4%程度押し上げる可能性があるという結果が得られる。このように、県内では90年代後半以降にオフィス床面積の需給ギャップが大幅に拡大した。また、今後についても需給は軟化傾向をたどると予想される。
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