1.
| コミュニティビジネスは、介護や子育て、リサイクル、まちづくりなど、生活に関わる身近な問題を解決するために、地域の住民が主体となって継続的に行っていく事業である。それは、地域社会への貢献を目的として、行政機関や民間企業が手がけないような事業に取り組むことから、公と私の中間にある「共益」を担う存在と位置づけられる。 |
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2.
| 近年、コミュニティビジネスが様々な分野で広がっている要因として、(1)社会環境の急激な変化によって日々の暮らしにおいても従来の枠組みでは解決できない問題が生じ、それへの対応が求められるようになっていること、(2)他方で、個人の意識やライフスタイルの変化から、地域の問題に関心を持ち地域に根ざした活動を支える人々が増加傾向にあることなどがあげられる。そのため、地域住民や行政機関などを中心に、コミュニティビジネスを通じて住民同士の結びつきや地域密着型の生活サービスが生まれ、それらが地域の活性化につながることを期待する向きが増えている。 |
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3.
| コミュニティビジネスの実態をみると、事業は高齢者や障害者への生活支援、子育て支援、不用品のリサイクルなど、生活関連分野を中心に多岐にわたる。また、組織形態はNPO法人(特定非営利活動法人)をはじめ、株式会社や有限会社、任意団体などの形で運営され、事業規模も年間数億円に達する団体から100万円程度のところまであるなど、多様性に富んでいる。 |
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4.
| 今後、コミュニティビジネスが地域に浸透していくには、事業者への信頼の確立、担い手となる人材や安定的な資金源の確保といった点がカギとなる。最近では、コミュニティビジネスが認知されるのに伴い行政や経済団体などによる支援の動きが広がりつつあり、こうした支援は単に個々の事業者の育成にとどまらず、地域内でヒト、モノ、カネ、サービスが循環する仕組みを育成する一助ともなろう。 |
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5.
| 企業の視点から見た場合、コミュニティビジネスの事業スタイルは、地域社会への配慮など社会的責任を意識した経営を実践する際の参考にもなり得る。また、その事業のなかには消費者ニーズが潜んでいる可能性も高く、企業経営者にとって、新たな着眼点を提示するものとなるだろう。 |