| 1.
| 1990年代前半まで拡大が続いた国内のコンテンツ市場規模は、90年代後半以降横ばいで推移している。内訳をみると、映像については拡大傾向が続く一方、音楽、ゲーム、出版は90年代半ばをピークとして縮小している。 |
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| コンテンツ市場伸び悩みの主因として、若年人口の減少があげられる。ゲームについてみると、主要なユーザーである15~19歳の人口が大幅に減少しており、加えて20~39歳では多忙などを理由に「ゲーム離れ」が進んでいる。 |
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| 一方で、90年代後半からは、携帯電話やインターネットといった急速に普及した情報インフラを用いたコンテンツの活用が広がっている。携帯電話向けでは、着メロなど音楽サービスの市場規模が2003年時点で907億円と2000年の5倍以上に伸びている。インターネット関連でも、オンラインゲームの市場規模が2000年の9億円から2003年に198億円になるなど拡大している。 |
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| コンテンツは商品であると同時に文化財としての一面があり、質的な面から評価をされることも多い。特に近年では、日本のアニメやゲームといった分野において国際的に評価が高まっている。こうしたコンテンツを支える消費者として注目を集めているのがいわゆる「オタク」である。オタクはゲームやアニメなどついて「強いこだわり」を持った熱心なファンであり、90年代以降インターネットの普及によって潜在層が一気に顕在化したとみられる。 |
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| 5.
| 一部の企業ではこうしたオタクによる需要の取り組みを積極的に進めており、「萌え」関連にみられるように、メイド喫茶などコンテンツにとどまらないケースも出てきている。このように消費者心理や行動を十分に把握し、ニッチな市場において潜在的な需要を掘り起こすことは、今後人口(特に若年層)が減少局面を迎え規模を追求するマーケティングが難しくなるなかで、企業が消費者のニーズをとらえる方法のひとつとして有用と考えられる。 |