地域経済レポート■2018年3月

「少ない自由時間のなかで活動的に余暇を過ごす神奈川県民」
-将来は県民の年齢構成の変化により余暇の過ごし方が変わる可能性も-

執筆者:調査部 小泉 司
「かながわ経済情報」2018年3月号収録

 要 旨 
1.  平成28年社会生活基本調査によると、神奈川県民は通勤時間が長いことなどの影響で仕事や家事に関連する義務的な性格の強い活動に費やす時間が長く、自由になる時間が少ない。ただし、限られた自由時間のなかで趣味やスポーツ活動に積極的に参加し、自己啓発などにも前向きに取り組んでいる。
2.  自由時間に行う様々な活動に参加した人の割合(行動者率)をみると、年齢の違いにより差が大きくなった。趣味・娯楽活動では、映画鑑賞や音楽鑑賞などは若年層の行動者率が高いものの、高年層では低くなる傾向がみられた。その一方で、園芸などは高年層の行動者率が高くなった。スポーツ活動では、ボウリングやジョギングは若年層の行動者率が高いものの、高年層では参加率が大幅に低下している。反対に、ウォーキングの行動者率は若年層よりも高年層が高くなった。学習・自己啓発・訓練活動では、若年層や中年層は英語やパソコンなどのビジネス関連の行動者率が高くなる一方、高年層では芸術や家事関連が高くなった。
3.   この先の神奈川県民全体でみた自由時間の使い方は、人々の年齢、すなわち県民の年齢構成の変化に最も影響を受ける可能性が高い。今後、神奈川県においても高齢化のテンポが加速していくことから、県民の余暇の過ごし方やそれに関連するマーケットも変わっていくことが避けられないだろう。

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