地域経済レポート■2018年10月

「緩やかな回復基調を維持する神奈川県内景気」
-輸出の増勢は弱まるも設備投資や公共投資が景気を支える-

執筆者:調査部 遠藤 裕基、田口 恵理子
「かながわ経済情報」2018年10月号収録

 要 旨 
1.  2018年度前半の神奈川県内景気は、一部に弱めの動きがみられたものの、総じてみれば緩やかな回復を続けた。すなわち、企業部門では、輸出の増勢が鈍化し、生産活動も浮揚感を欠く展開となった。ただ、その一方で堅調な企業収益などが支えとなり、設備投資は増加基調で推移した。また、家計部門をみると、雇用・所得情勢の改善に支えられて、個人消費が持ち直した。加えて、公共投資も市町村関連を中心に活発化した。
2.  3か月程度先の神奈川県内景気も緩やかな回復基調で推移すると見込まれる。すなわち、高水準で推移する企業収益や省力化投資ニーズの高まりが支えとなり、設備投資が増加を続けると考えられる。また、海外経済が回復する中で輸出も再び持ち直しの動きが明確になると見込まれる。加えて、人手不足を背景に雇用・所得情勢の改善も続こう。ただ、その一方で個人消費については、夏場の猛暑などで生鮮食品の価格が高止まっていることが重荷となり、持ち直しの動きが鈍る恐れがある。

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