平成24年度 老人保健健康増進等事業


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調査の背景と目的

本年度調査の背景

  平成23年3月11日に発生した東日本大震災では、岩手、宮城、福島の3県を中心に東日本の広い地域において甚大な被害が発生しました。東日本大震災の被災地では、介護事業者にも多大な被害が発生し、要介護者の受入先や介護職員等の確保が必要となったことから、厚生労働省においても全国の都道府県等に対し、被災地の介護施設等への介護職員等の派遣を依頼し、全国の福祉・介護施設や関係団体等から介護職員等の派遣が行われたほか、被災地における要介護者の介護施設等への受入等も行われました。

 

  一方、被災地で介護サービスに従事していた介護従事者に着目すると、当人が被災者でありながら、ライフラインの途絶など厳しい環境の中で被災直後から要介護者の介護に当たり、その負担が大きかったことが各種メディア等で報道されました。

 

  東日本大震災の発生から1年が経過し、応急対応から復旧・復興への取組が本格化する中、介護サービスの提供においても外部支援を得ながらの応急対応から、被災地における自立的、持続的な介護サービスの提供へと移行していくことが必要です。そのためには、被災地において、いかに介護の担い手を確保し、介護従事者が継続的に就業していける環境を整備するかが重要な課題となります。

 

  とりわけ、被災地において被災直後から介護の現場で活動してきた介護従事者が、被災に伴ってどのような仕事上の問題や悩みを抱えているかを明らかにし、その問題や悩みの解消、さらにはモチベーションの維持向上をいかに図っていくかが今後の重要な課題です。

 

   一方、東日本大震災被災地では、介護事業者(法人)や要介護者(サービス受益者)については様々な支援等の取組が行われているのに対し、介護従事者(個人)については、彼らが被災に伴い仕事上どのような問題や悩みを抱え、彼らに対し、その解消をどう支援していくかについては、必ずしも取組が進んでいるとは言えない状況にあります。

 

  また、平時における介護従事者の就業意識、ストレスやモチベーション等については様々な調査研究が行われているが、東日本大震災のような大規模災害時の介護従事者に着目した調査研究は少ないと考えられます。

本年度調査の目的

  本年度は、上述のような背景を踏まえ、以下の点を目的として調査研究事業を実施いたします。

 

(1)
東日本大震災被災地の介護事業者における介護従事者の確保、確保に関する現状と課題の把握

(2)
東日本大震災被災地における介護従事者の意識(介護に従事する意欲、悩み等)が時間の経過(被災直後・応急対応期→復旧・復興移行期)によってどのように変化しているかを把握

(3)
介護従事者の抱える問題解決やモチベーション維持向上のために必要な支援の検討

(4)
東日本大震災被災地における介護従事者の問題を広く周知するための、介護従事者の生の声を記録した記録集及び介護従事者を支援する先進事例をまとめた事例集の作成



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