平成22年度老人保健健康増進等事業


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調査の背景と目的

調査の背景

 近年、介護事業、とりわけ在宅の要支援・要介護者に対してサービスを提供する在宅介護サービス事業者(以下、事業者)における収益性(収支差)の低さが大きな問題となっている。
今後、さらなる高齢化の進展とそれに伴う要支援・要介護者の増大が予測される中で、仮に収益性の低さに起因する事業者数の伸び悩み(あるいは減少)が生じれば、在宅介護サービスの円滑な提供に支障が生じる恐れがある。そのため、現段階において事業者の経営改善を図ることは喫緊の課題と言える。

 また、事業者の経営改善に向けては、介護報酬の改定が財源確保などの理由から容易ではないと推察されることから、事業者自身による経営マネジメントの向上への取り組みが必須と考えられる。
経営学的な観点から言えば、すぐれた経営マネジメントや卓越した組織パフォーマンスは、経営理念や経営者の能力、立地(地域性やマーケット規模、地域機関とのかかわり方など)、人的資源などの組織内外に存在する様々な要因間の「相互作用」や日々の業務における試行錯誤からの「学習(組織学習)」といったものの積み重ねの上に顕在化したものと捉えられる。そのため、こうした経営マネジメントの構築プロセスについて情報を収集し、事例分析を行い、事業者に対して情報提供を進めていくことは、各事業者が自身のマネジメントのあり方を検討する際の参考資料として大いに役立つものと考えられる。

 しかし、現状の経営マネジメントに関する研究を見ると、人材の確保・育成や業務効率化などマネジメントの一側面にのみ焦点を当てた内容のものが多く、前述した組織内外の相互作用や試行錯誤を通じた組織学習の状況等に着目しながら、すぐれた経営マネジメントが構築されるプロセスを詳細に記述した研究は少ない。

調査の目的

 そこで、(1)「人材育成や業務効率化等のマネジメントにおける一側面のみならず、先進的な事業所における経営マネジメントがどのよう構築され、それがどのように事業所の業績に結びついているかという点について把握」し、その上で、(2)「(1)で明らかにした点について詳細な事例集を作成する」ことを大きな目的として、本年度の調査研究事業を実施する。



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