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1996-04-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報1996年4月号 新たな発展の道を模索する神奈川の電気機械産業
- 要約
- 1.神奈川県の電機産業は製造業の中心的存在であり、県経済のけん引役を果たしてきた。
2.県内電機産業の特徴として、(1)大規模工場が多いこと、(2)産業用電子機器、電子部品部門に特化していることがあげられる。
3.県内電機産業は、すでに明治時代にはその発展の基礎が築かれたが、高度成長期における民生用電子機器の成長、オイルショック後のマイクロエレクトロニクス化をテコにした産業用電子機器、電子部品の成長を軸にその後も、順調な発展を遂げた。この間、工場の集積は県臨海部から内陸部へと漸次シフトしていった。ただ、近年バブルの崩壊に伴う内需の減退や円高の進展による国際競争力の低下といった環境変化のもとで、県内生産拠点の見直しが進んでおり、その結果空洞化懸念が高まっている。
4.最近では、半導体や情報通信関連機器を中心に電機製造企業の業況が回復しつつあるが、県内での生産は、海外生産の進捗もあって頭打ちとなっている。
5.今後の県内電機産業の方向として、(1)生産拠点から研究・技術開発拠点への機能転換、(2)情報通信サービス業との事業の融合化が見込まれる。
- 1.神奈川県の電機産業は製造業の中心的存在であり、県経済のけん引役を果たしてきた。
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1996-05-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報1996年5月号 神奈川県内住宅建設の今後の見通し
- 要約
- 1.神奈川県内の住宅建設は、バブル期に貸家を中心として大きく伸長したが、90年代に入ってからは鈍化傾向にある。これは、東京圏全域でいえることであるが、主として同圏の雇用吸収力が弱まった結果、社会流入人口が先細りとなり、住宅需要が減少していることによる。
2.バブル期の住宅建設は、狭く、遠く、借家が多いという従来からあった県内の住宅ストックの特徴をより鮮明にした。
3.貸家市場のストック調整は、特に東京圏で深刻化している。そうしたなかで、立地条件や建物のグレードの良い物件とそうでないもので市場の二極化の様相が出てきた。
4.地価や建築費、金利の低下などを背景に活況を続けている分譲マンション市場では、分譲価格の低下と同時に、一戸当たり面積の拡大や立地条件の改善が進展している。
5.今後の県内住宅着工は、分譲マンションこそブームの反動などで伸びが鈍化するものの、根強い建て替え需要と貸家の回復により、96~98年には年平均11万戸と緩やかながら回復過程をたどる。そうしたなかで、高齢化対応などの需要サイドのニーズ多様化に応えるかたちで、住まいの質の改善が一層進展するとみられる。
- 1.神奈川県内の住宅建設は、バブル期に貸家を中心として大きく伸長したが、90年代に入ってからは鈍化傾向にある。これは、東京圏全域でいえることであるが、主として同圏の雇用吸収力が弱まった結果、社会流入人口が先細りとなり、住宅需要が減少していることによる。
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1996-06-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報1996年6月号 成長期に入ったCATV事業
- 要約
- 1.CATVは、規制緩和、技術革新、サービスへの需要の高まりなどに支えられ成長期を迎えている。その事業規模はコードレス電話、テレビデオなどに匹敵する1,000億円(全国ベース)に達した模様である。
2.93年12月以降の(1)地元事業者要件の廃止、(2)外資規制の緩和、(3)通信事業への参入促進とともに事業者が急増している。県内でも一地域複数事業者、MSO(多施設事業者)の許可などにより全国有数の激戦区となっている。
3.CATVが直面している問題点としては、出資母体の性格などにより設備投資能力の面などで格差が拡大していること、およびISDN(統合デジタルサービス網)など他の有力メディアと競合状態にあることなどがあげられる。
4.CATVは、ホームショッピングやインターネット接続などの新サービスを取り込んでおり、また今後は通信インフラビジネスへの比重を高めよう。
5.県内では、大手であるMSOによる中小事業者の吸収や地元企業と協力した新サービスの提供など注目すべき動きがみられる。他方公共的な利用も模索されているが、出資母体、自治体などのスタンスの違いによりサービスのあり方が一様でない、という状況が続きそうである。
- 1.CATVは、規制緩和、技術革新、サービスへの需要の高まりなどに支えられ成長期を迎えている。その事業規模はコードレス電話、テレビデオなどに匹敵する1,000億円(全国ベース)に達した模様である。
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1996-07-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報1996年7月号 神奈川の自動車産業
- 要約
- 1.神奈川の自動車産業は、電機産業とともに県内製造業の中心的存在である。その出荷額は製造業全体の5分の1を占め、都道府県間比較では、愛知に次ぐ全国第2位の規模である。
2.県内自動車産業は1927年のフォードの進出に始まる古い歴史を有する。工場進出が最も盛んだったのは高度成長下の60年代で、オイルショック後の70年代における輸出主導の成長の基礎が形づくられた。
3.貿易摩擦の激化や円高の進展により、輸出環境が大きく悪化したかたわらで、80年代後半の好況下では内需の主導で発展を続けた。しかしながら、平成不況以降のバブル崩壊と円高の一段の進展により、自動車産業の業績は大きく悪化し、生産拠点の国内外への移転等リストラの推進が急務となった。
4.足下では、円高修正やリストラの進展、国内販売の持ち直しなどから、上場各社の業績は改善傾向にあり、部品メーカーの業績も底打ち感が出てきた。
5.ただ将来的には、国内市場の成熟化が確実視されるなか、県内自動車産業各社は、本業である自動車分野の収益力強化と、非自動車分野への事業多角化といった生き残りのための諸施策を推し進めている。
- 1.神奈川の自動車産業は、電機産業とともに県内製造業の中心的存在である。その出荷額は製造業全体の5分の1を占め、都道府県間比較では、愛知に次ぐ全国第2位の規模である。
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1996-08-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報1996年8月号 出店急増で競争激化が見込まれる神奈川県内の大型小売店業界
- 要約
- 1.県内小売業における大規模店のシェアは、近年着実に上昇してきた。
2.とくに足もとでは、大店法緩和や景気の回復などを背景に、大規模小売店の出店数が急速に増加しており、95年度の67件から、96年度には106件にまで達するとみられる。
3.出店ラッシュは地域別にみても小売業間の競争を激化させており、こうした新規出店の陰で閉鎖店も多くみられる。
4.今後、購買力の大きな伸びが期待できないなかでの大型店の出店競争は小売業界全体でみれば効率性を低下させる。今後の生き残りのためには、他社以上に売上を伸ばすか、効率性の低下を補うだけの利益体質の強化が必要となってくる。いずれにせよ、大規模小売店の出店急増による競争の激化が、小売業の整理淘汰を促進していくものとみられる。
- 1.県内小売業における大規模店のシェアは、近年着実に上昇してきた。
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1996-09-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報1996年9月号 神奈川の港湾
- 要約
- 1.神奈川では、横浜港、川崎港、横須賀港の3港が外国貿易の窓口となっている。その規模は大阪湾主要港や伊勢湾主要港の貿易額にも匹敵する。
2.近年県内の3港からの輸出の伸び悩みが続いている。これは、航空輸送の集荷力が上がっていることや、いわゆる輸出産業が内需への傾斜を強めていることによるものである。
3.また、1980年代からアジア諸国の港湾が、コンテナ化と同地域での高い経済成長力を背景に急速に発展している。一方、県内を代表する横浜港をはじめわが国の港湾では、中継貿易能力の低さや割高な寄港費用が目立ち、寄港が敬遠される動きがみられる。
4.わが国の港湾の貨物取扱能力は、オショック以降過剰気味で推移してきた。今後も地方港湾を中心に整備が進展し、コンテナ取扱能力が高まるため、過剰感が強まるとみられる。
5.今後の発展のための港湾整備の課題として、(1)重点投資、採算重視の姿勢、(2)岸壁水深、コンテナターミナル面積、情報化などの港湾機能の充実、(3)競争力強化の一法としてのネットワーク型の港湾機能強化があげられる。
- 1.神奈川では、横浜港、川崎港、横須賀港の3港が外国貿易の窓口となっている。その規模は大阪湾主要港や伊勢湾主要港の貿易額にも匹敵する。
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1996-10-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報1996年10月号 90年代以降停滞局面にある神奈川の工業
- 要約
- 1.神奈川の製造業は、生産効率が他の工業県と比べて非常に高く、全国でもトップクラスの「工業立県」である。また、大規模工場の集積が高いことや加工組立型業種のウエイトが高いことなどが大きな特徴となっている。
2.しかし、90年代以降は平成不況の長期化など製造業をとりまく環境が激変し、停滞局面にある。なかでも、業種別には主力の加工組立型業種、地域別には横浜、川崎地域における落ち込みが顕著である。
3.神奈川の製造業は現在大きな変革期を迎えているが、新しい環境に柔軟に対応し、今後も成長力を維持していくことが県経済にとって非常に重要である。
- 1.神奈川の製造業は、生産効率が他の工業県と比べて非常に高く、全国でもトップクラスの「工業立県」である。また、大規模工場の集積が高いことや加工組立型業種のウエイトが高いことなどが大きな特徴となっている。
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1996-11-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報1996年11月号 神奈川の宿泊観光とホテル業界
- 要約
- 1.神奈川県では、宿泊観光客数のすう勢的な増大に対応して、ホテル、旅館を合わせた宿泊施設の総客室数も増加基調にある。
2.宿泊施設の数を旅館とホテルの別にみると、旅館軒数が年々減少する一方で、ホテル軒数は増加が続いており、このことが1施設あたりの平均客室数の増勢ともあいまって、ホテル化率(ホテル、旅館の合計客室数に対するホテルの客室数の割合)の上昇につながっている。
3.都市観光ブームにのって、90年以降、横浜では大型ホテルの開業が相次ぐなかで、宿泊客数に比べて収容能力としての客室数は過剰気味となっており、ホテル間の料金引き下げ競争が顕在化している。横浜の都市イメージ等、種々の条件から市内ホテルは他地域に比べてなお高めの料金設定が可能となっているとはいえ、さらなる大型ホテルの増加で先行き一段の競争の激化が見込まれる。そうしたなかで、各ホテルはサービスの多様化に力を注いでいる。
4.全国有数の観光地である箱根のリゾートホテルにおいても、宿泊料金の低価格化が進んでおり、年間を通じた稼働率の引き上げや日帰り客の取り込みなど、集客力強化の重要性が増している。
- 1.神奈川県では、宿泊観光客数のすう勢的な増大に対応して、ホテル、旅館を合わせた宿泊施設の総客室数も増加基調にある。
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1996-12-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報1996年12月号 消費者嗜好の多様化など環境変化への対応を急ぐ食品工業
- 要約
- 1.神奈川の食品工業は、出荷額でみて全国で4番目の規模を誇っている。県内では油脂、精穀・製粉などのプラント型業種やパン・菓子など最終消費に近い高付加価値型業種の集積度が高いが、長い目でみると後者への傾斜が明らかである。
2.食品工業は個人消費への依存度が高いため、総じて業況の変動が小さい産業である。しかし平成不況以降、国内市場の成熟化や輸入自由化、内外価格差解消の動きなどにより、内外メーカーに流通業が加わって、競争が厳しい。
3.県内主要メーカーは、「食」のトレンドの追及や多角化と同時に海外進出を進めているほか、情報・物流面でのシステム化の向上に取り組んでいる。ただ、情報・物流面での対応は、一部の大手企業を除いて、スーパーやコンビニなど川下主導によるものである。
- 1.神奈川の食品工業は、出荷額でみて全国で4番目の規模を誇っている。県内では油脂、精穀・製粉などのプラント型業種やパン・菓子など最終消費に近い高付加価値型業種の集積度が高いが、長い目でみると後者への傾斜が明らかである。
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1997-01-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報1997年1月号 1997年度の神奈川経済の見通し
- 要約
- 1.97年度上期の県内景気は、住宅投資や設備投資の駆け込み重要の反動が避けられないうえ、消費税引き上げなどが個人消費にブレーキをかけるため減速する。
2.しかし、下期に入ると、高水準の収益を背景として企業活動が積極化すると期待され、民間需要が持ち直してくることなどから、景気の浮揚感が明らかになってこよう。
3.実質県内総支出の伸びは、95年度に前年度比+1.6%、96年度に同+2.1%となった後、97年度は同+0.9%に鈍化する。
- 1.97年度上期の県内景気は、住宅投資や設備投資の駆け込み重要の反動が避けられないうえ、消費税引き上げなどが個人消費にブレーキをかけるため減速する。
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1997-02-01
神奈川・地域経済調査
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かながわ経済情報 : かながわ経済情報1997年2月号 神奈川の一般機械製造業
- 要約
- 1.一般機械製造業は各種の資本財や生産財の供給を通じて日本経済の発展を支えながら着実に成長してきた。円高が進展したにもかかわらず、現在でも工作機械などの製品分野においては世界トップクラスの競争力を維持している。
2.神奈川は一般機械の製造においても、全国有数の集積を誇っている。たとえば都道府県別の出荷額をみると、神奈川は愛知に次いで全国第2位である。品目別には、化学機械やポンプなどの一般産業用機械やコピー機などの事務用機械の出荷額が大きくなっている。
3.一般機械製造業の特徴としては、中小企業の占める割合が高いことや民間投資依存度が高いため業績変動の振れ幅が大きいことなどが挙げられる。
4.県内の一般機械製造業の業績は、民間設備投資の回復による受注の持ち直しなどから、94年度下期以降回復基調にある。ただ、ユーザーからの価格引き下げ要請の強まりなどにより価格が低下傾向にあることなどから回復力は力強さに欠ける。
また景気回復のもたつきから足下の業況はやや悪化している。
5.県内に工場を置く大手メーカーの一部は、主力製品の高付加価値化を進める一方で、環境関連分野など新規分野の開拓にも動いている。一般機械製造業がさらなる成長を遂げるためには、新たな需要に対し主体的に対応していくことが重要となろう。
- 1.一般機械製造業は各種の資本財や生産財の供給を通じて日本経済の発展を支えながら着実に成長してきた。円高が進展したにもかかわらず、現在でも工作機械などの製品分野においては世界トップクラスの競争力を維持している。
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1997-03-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報1997年3月号 C.I.(景気総合指数)からみた神奈川県内景気の現況
- 要約
- 1.総合的な景気指標として、D.I.(景気動向指数)が一般によく知られている。ただ、D.I.は景気が拡張局面にあるのか、後退局面にあるのかを判断する際には有効であるが、景気の絶対的な水準を測定することはできない。
2.一方、C.I.(景気総合指数)は計算過程が複雑なこともあり、D.I.に比べて一般へのなじみは薄いが、景気の水準や変化の大きさを測定することのできる有用な総合景気指標である。
3.全国のC.I.の動きをみると、今回の景気拡張局面の特徴として(1)景気の水準の低さ、(2)回復テンポの遅さ、(3)拡張期間の長期化の3点をあげることができる。
4.地域版のC.I.である地域景況インデックスによって各地域の景気水準を比較すると、関東をはじめとする大都市圏で平成不況における景気の落ち込みが大きく、またその後の回復が地方圏よりも遅れていることがわかる。
5.今回、当社が独自に作成した神奈川C.I.によって、神奈川の景気回復が全国に遅れをとっていることが裏付けられる。しかし、96年以降県内景気は比較的早いペースで回復してきており、その回復テンポは全国、首都圏他地域を上回っている。
- 1.総合的な景気指標として、D.I.(景気動向指数)が一般によく知られている。ただ、D.I.は景気が拡張局面にあるのか、後退局面にあるのかを判断する際には有効であるが、景気の絶対的な水準を測定することはできない。
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1997-04-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報1997年4月号 神奈川の情報サービス業
- 要約
- 1.わが国の情報サービス産業は、平成不況期には後退局面を迎えたものの、95年以降は情報化投資の復調などを背景に再び成長軌道に戻っている。
2.日本の情報サービス産業の特色としては、受注ソフトウェアの比率が高いことや、ゲームソフトを除けばほとんど国際競争力を持っていないことなどが挙げられる。
3.神奈川の情報サービス業は、事業所数と従業者数で全国第3位、売上高では第2位と全国有数の集積を誇っている。
そして県内事業所の75%が横浜市と川崎市に集中している。
4.神奈川の情報サービス業の特色として、(1)従業員1人当たりの売上高が全国トップであることや、(2)コンピューターメーカーからの受注依存度が高いこと、(3)ソフト開発過程で川下を受け持つプログラマーの比率が高いことなどが挙げられる。
5.95年に底入れした業況は、パソコンブームや企業の情報化投資の活発化などを背景に96年以降も回復色を強めている。
価格の低下から利益回復のピッチは鈍いものの、業務の量感を表す実質売上高は91年のピーク水準を超えており、人手不足が顕在化している。
6.情報化の一層の進展が見込まれるなかで、市場の拡大が今後も見込まれるものの、厳しい競争に勝ち残っていくためには、激しい環境変化に対応しつつ、他社との差別化を図る工夫の重要性が増してこよう。
- 1.わが国の情報サービス産業は、平成不況期には後退局面を迎えたものの、95年以降は情報化投資の復調などを背景に再び成長軌道に戻っている。
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1997-05-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報1997年5月号 神奈川の化学工業
- 要約
- 1.神奈川の化学工業は機械工業と同様、県内の有力産業のひとつである。1995年の出荷規模は県内製造業のなかで第4位の位置を占め、47都道府県の化学工業出荷額の中では第1位となっている。製品別には、写真感光材料や医薬品、化粧品などの加工型製品が主力となっている。
2.化学工業の県内における立地をみると、川崎地域と平塚市、藤沢市などの湘南地域に多くが集積している。これらの地域に立地している大手化学企業の多くは、わが国の化学工業が発展を始める1960年代に進出している。
3.足下の県内化学工業の生産は、アジア向け輸出や化粧品などの国内販売が好調なことを背景に高水準で推移している。これをうけて業績も回復基調にあるが、原材料コストの上昇などから収益環境が悪化しているため、回復テンポは先行き鈍化するとみられる。
4.今後も県内化学工業がさらなる成長を遂げていくためには、充実している研究開発機能をこれまで以上に活かして、生産効率の向上と新製品の開発に注力する必要がある。
- 1.神奈川の化学工業は機械工業と同様、県内の有力産業のひとつである。1995年の出荷規模は県内製造業のなかで第4位の位置を占め、47都道府県の化学工業出荷額の中では第1位となっている。製品別には、写真感光材料や医薬品、化粧品などの加工型製品が主力となっている。
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1997-06-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報1997年6月号 神奈川のバス、タクシー業界
- 要約
- 1.神奈川は全国のなかでもバス、タクシーの利用度が高い地域である。とくに乗合バスの県民1人あたりの年間利用回数は全国トップである。
2.乗合バスの輸送人員は、長期的にはマイカーの普及や道路混雑による利便性の低下などから緩やかな減少傾向をたどってきているが、80年代後半には(1)県郊外への人口の転入増、(2)新設・移転による県内の大学の増加に伴う通学者の増加から大幅な伸びを示した。
3.しかしながら、92年度以降は景気低迷による雇用者数の減少などから、輸送人員は減少テンポを強めている。このため県内の各バス会社は、バス専用レーンの設置による定時走行の確保や車両、停留所の設備改善など客離れを防ぐための努力をしている。また、全国で初めてバスカードを導入するなど神奈川はバス活性化に対して先駆的な試みも多い。
4.貸切バスについては、冠婚葬祭で利用されることが多い小型車に対する需要が増加しているが、主力の大型観光バスの利用は減少している。こうしたなか、県内のバス事業者では貸切バス部門を分社化する動きが出てきている。
5.県内タクシー業界では、実車率(走行距離のうち客を乗せて走った比率)が景気の低迷から横浜、川崎を中心に低下している。一方でドライバーの充足状況を表す実働率は上昇傾向にあり、タクシーの供給過剰が顕在化している。
6.規制緩和によってタクシー業界における競争は今後一段の激化が見込まれる。各タクシー会社が競争に生き残り、マーケットシェアを確保していくためには車両運行管理のシステム化といった輸送効率の改善やサービス水準の向上、および新しいサービスの開発が不可欠である。この点すでに県内業者の一部では、GPS(衛星通信を利用した運行車両の管理システム)の導入、ドライバーの接客マナーの徹底、救援事業への参入などの取り組みを始めている。
- 1.神奈川は全国のなかでもバス、タクシーの利用度が高い地域である。とくに乗合バスの県民1人あたりの年間利用回数は全国トップである。
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1997-07-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報1997年7月号 神奈川の雇用情勢と変化する就業構造
- 要約
- 1.平成不況後における神奈川の有効求人倍率は過去に比べ水準が極めて低く、また、改善テンポも緩慢である。求人数の増加は非製造業から製造業へ、またパートから正社員へと徐々に広がりをみせているものの、景気回復に伴う求職者数の増加を吸収するほどではなく、足下の有効求人倍率は横ばいで推移している。
2.労働力の需要サイドでは、産業ごとの就業者数シェアにおける上位九位業種が製造業からサービス業や商業・飲食業へと移行し、産業構造が大きく変貌していることを示している。また、製造業においても生産関係職業の割合が低下する一方、技術関係職業のウェイトが高まっている。
3.他方、労働力の供給側では、90年から95年にかけて完全失業率が男子高年齢層と男女の若年齢層で特に高まっている。男子高年齢層では製造業における就業者の大幅減少が、また、若年齢層では厳しい新卒採用環境が、それぞれ失業率を押し上げたとみられる。
加えて、県外労働力需要の弱さや女子の就業意欲の高まりも要因として考えられる。
4.産業構造の急速な変化により、企業内部でも労働者に求められるスキルは変化している。他方、労働力供給が増加しているため、求められるスキルの変化への対応が困難な男子高年齢層を中心にしわ寄せが現れている。そうしたミスマッチの解消には、円滑な転職を可能にする労働市場の整備、企業内部での労働力のスムーズな移動、企業の求めるスキルに応じた労働者の能力アップなどが一層求められる。
- 1.平成不況後における神奈川の有効求人倍率は過去に比べ水準が極めて低く、また、改善テンポも緩慢である。求人数の増加は非製造業から製造業へ、またパートから正社員へと徐々に広がりをみせているものの、景気回復に伴う求職者数の増加を吸収するほどではなく、足下の有効求人倍率は横ばいで推移している。
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1997-08-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報1997年8月号 神奈川の農業
- 要約
- 1.わが国の農業は戦後、機械の導入と化学肥料の増加により生産能力を高め、増え続ける農産物消費に応えるかたちで着実に生産規模を拡大してきた。しかし、80年代以降になって、消費量が飽和状態となったうえ、農産物の輸入が増加してきたことなどから減少傾向で推移している。
2.一方、県内農業の生産規模は、工業化や都市化の進展により農耕地や農業就業者数が減少してきたことから、既に70年代から減少傾向にあり、直近の95年はピークである68年の約6割の水準となっている。しかし、だいこんやキャベツ、えだまめなど特定の野菜の生産規模は、首都圏への野菜供給地となっているため、全国でも上位に位置している。
3.こうした県内農業の高い野菜生産力は、耕地の高度利用による単位面積当たり生産高の引き上げによりもたらされている。この背景には、輪作や大量作付などの栽培技術の利用と環境制御機器が整備された園芸施設の活用がある。しかし、これらは同時に生産コストの上昇を招く結果となっている。
4.輸入品の増加による野菜の市場環境の変化をうけて、端境期をなくすなどの国産品の競争力向上へ向けた努力が払われている。そうしたなかで、高コスト体質の県内農業が生き残るには、より付加価値の高い品種を開発・供給するなどして食材供給機能を高めることが重要である。
5.併せて、農業の存在がもたらす効用を地域全体が再認識することも大切なことである。
- 1.わが国の農業は戦後、機械の導入と化学肥料の増加により生産能力を高め、増え続ける農産物消費に応えるかたちで着実に生産規模を拡大してきた。しかし、80年代以降になって、消費量が飽和状態となったうえ、農産物の輸入が増加してきたことなどから減少傾向で推移している。
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1997-09-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報1997年9月号 神奈川の個人・中小企業金融取引の現状と銀行の店舗展開等
- 要約
- 1.金融取引は経済活動や情報の集積が進む三大都市圏に集中している。東京圏の一角を構成する神奈川も預金や貸出取引において東京、大阪、愛知に次ぐ大きな金融マーケットである。
2.県内の家計の金融行動をみると、所得や貯蓄率が全国平均を上回って上昇しているだけでなく、貯蓄残高、負債残高も他地域の水準を上回っており、金融機関が県内でリテール戦略を展開していくうえで魅力的な市場を形成している。
3.金融リテール市場としての神奈川の預金、貸出の動きをみると、預金については全国と比べても個人のウエイトが高い。一方貸出については全国銀行(都市銀行、地方銀行、第二地方銀行、信託銀行、長期信用銀行)を中心にリテール分野へのシフトが加速しているが、近年では景気の低迷などから中小企業への貸出が伸び悩んでいる。
4.県内金融機関の店舗展開をみると、有人店舗の増加率は低下傾向にある。その一方で、リテール取引を拡充するためのCD(現金自動支払機)やATM(現金自動預払機)といった無人店舗が都銀を中心に急増しており、その増加テンポは全国や近隣の千葉、埼玉を大きく上回っている。さらに最近ではエレクトロニック・バンキングと呼ばれる店舗を必要としない新しい金融サービスの導入が各金融機関で活発化している。
5.主成分分析によって最近(95年)の各都道府県の金融市場を類型化してみると、他地域と比較した神奈川の金融市場の特徴として、(1)集積度が高い、(2)リテール特化度が高い、(3)成長性が高い、という3点をあげることができる。また、10年前の85年と比較してみるといずれの地域においてもリテール特化度が大きく高まっている。
- 1.金融取引は経済活動や情報の集積が進む三大都市圏に集中している。東京圏の一角を構成する神奈川も預金や貸出取引において東京、大阪、愛知に次ぐ大きな金融マーケットである。
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1997-10-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報1997年10月号 業態内外との競合激化が予想されるコンビニエンス・ストア─神奈川の事例を中心に─
- 要約
- 1.わが国のコンビニエンス・ストア(CVS)は、1960年代後半の誕生以来、小売業界のなかで突出した成長を遂げてきた。その要因としては、(1)高い利便性の提供が消費者の幅広い支持を得たこと、(2)店舗経営のシステムとしてフランチャイズチェーン方式が採用されたこと、などがあげられる。
2.もっとも、90年代に入るとCVSの高成長は曲がり角を迎えている。店舗数の増加によりCVSを取り巻く経営環境は厳しさを増しており、情報システムや商品開発力などに劣る単独店は80年代末頃から減少を続けている。
3.CVSの密集する大都市圏において経営環境の厳しさは特に際立っている。業界では店舗支持人口2千人程度が1店舗あたり売上高の飽和点といわれており、大都市圏のCVSは店舗支持人口からみて飽和状態を迎えている。
4.神奈川においてもCVSは高い成長を遂げてきたが、CVSの密集度合いは東京、大阪に次いで全国で3番目に高いことなどから、県内でもCVSの競合が激しくなっているとみられる。地域別には、平塚市や相模原市などで相対的にCVSの経営環境が厳しくなっている。
5.神奈川では今後も大手チェーンの新規出店意欲が強いことなどから、業態内外との競合が一段と激化するとみられる。
そうした競合に勝ち残るためには、CVSの特性である利便性をさらに高めることによる他業態とのすみ分けが重要である。また、業態内での競合に関しては、(1)店舗立地の優位性、(2)本部と加盟店の連携強化、(3)他チェーンとの差別化、がポイントとなろう。
- 1.わが国のコンビニエンス・ストア(CVS)は、1960年代後半の誕生以来、小売業界のなかで突出した成長を遂げてきた。その要因としては、(1)高い利便性の提供が消費者の幅広い支持を得たこと、(2)店舗経営のシステムとしてフランチャイズチェーン方式が採用されたこと、などがあげられる。
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1997-11-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報1997年11月号 神奈川の建設投資と業界の動向
- 要約
- 1.神奈川県下の建設投資は、80年代後半から90年代初頭にかけて急拡大したが、91年度をピークに減少に転じた後は低迷が続いている。96年度には公共投資の底支えや民間住宅建設の持ち直しにより出来高ベースで5年ぶりに前年水準を上回ったものの、オフィスビルを中心とした民間非住宅建設の低迷を主因に、依然ピーク時の8割に満たない水準にとどまっている。
2.こうした建設投資の落ち込みを背景に、県下の建設業者の業況も著しく悪化している。とりわけ、規模別にみると経営体力の劣る中小零細企業で、また業種別には公共事業への依存度の低い建築工事業や設備工事業で、採算性の低下が目立つ。
3.業績の低迷が続くなか、県下の建設企業のバランスシート上では、バブル崩壊後の地価下落などから資産内容が大きく悪化する一方、過大投資のツケとして多大な有利子負債が残されている。このため、今後調達金利が上昇に転じた場合、利払い負担の増加という形で収益の足を引っ張る可能性が高い。
4.今後、財政再建の本格化にともない公共事業の削減が不可避であることや、より競争促進的な方向へと制度面の改正が進められることなど、建設業を取り巻く環境は一層厳しさを増してこよう。こうしたなか県下の建設企業が早急に取り組むべき課題としては、本格的な競争時代を生き抜くために経営基盤を整備・強化することが重要である。その際には、(1)財務リストラを進めると同時に徹底したコストダウンを図ること、(2)公共工事の代わりとなる安定収益源を民間工事の中で確保していくこと、(3)自社の得意分野を生かし、非価格競争力を一層強化すること、などがポイントとなろう
- 1.神奈川県下の建設投資は、80年代後半から90年代初頭にかけて急拡大したが、91年度をピークに減少に転じた後は低迷が続いている。96年度には公共投資の底支えや民間住宅建設の持ち直しにより出来高ベースで5年ぶりに前年水準を上回ったものの、オフィスビルを中心とした民間非住宅建設の低迷を主因に、依然ピーク時の8割に満たない水準にとどまっている。
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1997-12-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報1997年12月号 神奈川の自動車部品製造業
- 要約
- 1.国内自動車販売市場の成熟化や海外生産シフトに伴って、完成車メーカーのコスト意識が今まで以上に強まる中で、自動車部品メーカーの経営環境は厳しさを増している。
2.工業立県である神奈川の一翼を担ってきた自動車部品製造業は、90年代に入って事業所数や従業者数、出荷額ともに減少傾向にある。そうした中で神奈川の部品メーカーの付加価値率が高まっているのは、低付加価値製品を海外や県外の拠点に生産シフトする一方で、県内拠点を高付加価値製品の生産拠点として位置づけてきたことや、新たなニーズに対応して部品機能の高度化を図り製品の付加価値を高めてきたためである。
3.県内上場自動車部品メーカーの決算状況は、94年度以降製造原価低減などによるコスト削減により減収を続けながらも増益基調をたどってきた。96年度後半からは輸出増などで増収増益に転じたために一息ついた感があるが、今後は再び厳しさを増すとみられる。
4.そうした中で、今後の自動車部品製造業にとっては開発力の強化を通じて、部品の高機能化に的確に対応していくことや生産効率の向上方策を図っていくこと、さらに今まで培った技術を活かして非自動車部門へ新規収益源を求めることなどが急がれよう。
- 1.国内自動車販売市場の成熟化や海外生産シフトに伴って、完成車メーカーのコスト意識が今まで以上に強まる中で、自動車部品メーカーの経営環境は厳しさを増している。
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1998-01-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報1998年1月号 98年度の神奈川県経済の見通し
- 要約
- 1.98年度の神奈川県経済は、回復のけん引役が不在となるなかで低成長を余儀なくされよう。
2.新年度を展望すると、(1)アジアの経済不安などから輸出の勢いが弱まること、(2)公共投資の削減により建設業を中心に雇用調整圧力が強まること、(3)生産活動の停滞から雇用・所得環境の改善が足踏みとなること、などが県内景気の回復の足かせとなろう。そうしたなかで、雇用不安など将来に対する不透明感が根強く残って県民の消費マインドを萎縮させるため、景気回復のカギを握る家計部門の回復力は弱いものとなる。
3.実質県内総支出の伸びは96年度の+1.8%(県速報値)から、97年度は-0.3%とマイナス成長に転じ、98年度も+1.0%の低成長にとどまろう。
- 1.98年度の神奈川県経済は、回復のけん引役が不在となるなかで低成長を余儀なくされよう。
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1998-02-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報1998年2月号 神奈川の自動車貨物運送業
- 要約
- 1.高度成長期に高い伸びを続けた国内貨物全体の輸送量は、1970年代に入ると産業構造の変化などから増勢が鈍化し、以降は極めて緩やかな増加傾向をたどっている。そうしたなかで、機動性に優れた自動車による貨物輸送は、多頻度小口輸送が求められるようになったこともあり、重要性が高まってきた。
2.95年度に神奈川を発着した貨物の自動車輸送量は、ともに全国で第6位の規模となっている。品目別には県内の産業構造を反映し、金属・機械工業品の割合が大きい。ただし、景気の長期低迷や県内生産拠点の県外移転などから90年度と比べると神奈川発着の貨物輸送量は減少している。
3.一方、貨物輸送を業とする自動車運送業者についてみると、県内においても企業のアウトソーシングの動きなどから重要度が高まっている。特に96年度には、消費税率引き上げを前にした個人消費や住宅投資の拡大、生産活動の活発化などを背景に、県内の自動車運送業者による重量ベースの貨物輸送量は6年ぶりに回復に転じた。こうしたなかで、運送企業の収益は最悪期を脱しているが、運賃の引き下げ圧力が強いなど経営環境は厳しいことから収益性は低水準にとどまっており、廃業率も高まっている。
4.今後も、荷主企業の輸送コスト削減の動きや運送業界における規制緩和、地球環境意識の高まりなどから、運送業者の経営環境は厳しい状況が続くとみられる。運送業者には、荷主企業の物流効率化ニーズへの積極的な対応と自らの収益体質の強化が課題となろう。
- 1.高度成長期に高い伸びを続けた国内貨物全体の輸送量は、1970年代に入ると産業構造の変化などから増勢が鈍化し、以降は極めて緩やかな増加傾向をたどっている。そうしたなかで、機動性に優れた自動車による貨物輸送は、多頻度小口輸送が求められるようになったこともあり、重要性が高まってきた。
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1998-03-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報1998年3月号 就業人口からみた県内各地域における産業構造と生産所得の変化
- 要約
- 1.神奈川ではこれまで、県内で働く就業者の伸びを上回るテンポで他県への通勤者が増え続け、東京のベッドタウンとしての性格を次第に色濃くしてきた。ところが90~95年の5年間には、神奈川県内における就業機会が他県との比較で相対的に拡大した。
2.もっとも県内市区町村別には、横浜市中区や川崎市川崎区など7地域で就業人口が減少するなど、地域によるばらつきもみられた。また、横浜市で伸びが高い反面、川崎市などその他の地域では総じて低調な伸びにとどまり、神奈川県の内部では横浜へ就業者が集中する傾向がうかがわれる。
3.就業人口の動向をもとに、県内60市区町村別の域内総生産を試算した結果によると、90~95年の間に12地域でマイナス成長となる一方、14地域で10%を超える高成長を遂げた。こうしたばらつきが生じた背景には地域ごとの基盤産業の浮沈があり、とりわけ製造業への依存度が高くそれに替わる目立った産業が現れなかった地域では大幅なマイナス成長となった。
4.東京通勤圏の拡大傾向に限界がみられるなか、神奈川が今後とも繁栄を続けていくためには、就業者の供給源としてベッドタウンの役割を果たすだけでなく、地域で自ら雇用を創出することがこれまで以上に重要になってこよう。そのためには主力となる産業の育成や高付加価値化を推し進めることなどを通じて、地域経済の活力を維持・向上させていくことが求められよう。
- 1.神奈川ではこれまで、県内で働く就業者の伸びを上回るテンポで他県への通勤者が増え続け、東京のベッドタウンとしての性格を次第に色濃くしてきた。ところが90~95年の5年間には、神奈川県内における就業機会が他県との比較で相対的に拡大した。
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1998-04-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報1998年4月号 神奈川の学習塾と結婚式場業
- 要約
- 1.「団塊ジュニア」は「団塊の世代」とともに、人口構成の上で大きなボリュームを持つ世代である。神奈川は全国のなかでも団塊ジュニアの層が厚い地域で、彼らのライフステージの移行は各産業のマーケットに影響を及ぼす。近年では、学習塾や結婚式場業などでこの影響が大きいとみられる。
2.県内の学習塾業界のマーケットは、団塊ジュニアが学齢期を過ぎたことから縮小傾向にある。生徒数確保のために大手を中心に各社ともきめ細かい教室展開を図っているが、生徒が集まり売上高の拡大が続く塾がある一方、生徒数の減少で売上高が停滞する塾も増えており、業績の二極分化が明確となっている。
3.今後、少子化の進展に伴い学習塾業界のマーケットはさらに縮小し、経営環境は一段と厳しくなることが予想される。このため、県内の各学習塾は対象年齢の拡大や授業内容の多様化、通信教育への参入など競争に生き残るための様々な対応を模索している。
4.一方、結婚式場業のマーケットは、団塊ジュニアが結婚適齢期に差し掛っていることから拡大基調にある。県内の結婚式場業のマーケットは他地域に比べて大きく、96年の売上高は全国第4位の規模である。
5.しかし、ホテル数の急増などから最近では県内結婚式場間の競争は激化しており、多くの式場が低価格戦略を打ち出して利用客の増加に努めている。
6.西暦2000年をピークに結婚式場業のマーケットは縮小に向かうが、県内の各式場が将来的に顧客を獲得し、競争に生き残っていくためには、顧客のオリジナル婚志向に柔軟に対応できる体制を整えるほか、再婚マーケットなど新規市場の開拓に積極的に取り組んでいくことが不可欠である。
- 1.「団塊ジュニア」は「団塊の世代」とともに、人口構成の上で大きなボリュームを持つ世代である。神奈川は全国のなかでも団塊ジュニアの層が厚い地域で、彼らのライフステージの移行は各産業のマーケットに影響を及ぼす。近年では、学習塾や結婚式場業などでこの影響が大きいとみられる。
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1998-05-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報1998年5月号 神奈川の対事業所サービス業-広告・ビルメンテナンス・人材派遣業の動向を中心に
- 要約
- 1.わが国経済のサービス化が進展している。ただ、サービス化の進展はすべての地域で一様ではなく、地方圏に比べて大都市圏で進展のテンポが速い。その背景の一つとして、大都市圏における対事業所サービス業の高成長がある。
2.技術革新や消費者ニーズの多様化、企業のコスト削減意識の高まりなどから神奈川でも対事業所サービス業は高成長を遂げてきた。県内対事業所サービス業の特徴には、(1)全国でも上位の高集積、(2)製造業との関係が強い、(3)情報サービス業の成長が著しい、(4)東京への需要流出がみられる、などがある。
3.もっとも、90年代に入ると景気の長期低迷を背景に県内対事業所サービス業の成長ペースは鈍化している。近年の動向を個別業種ごとにみると、まず、県内広告業は地域の商業や不動産業の業績不振から90年代前半の落ち込みが全国に比べ大きく、現状も厳しいとみられる。県内広告業には地域の発注元企業のニーズに的確に対応していくことが一層求められる。
4.次に、ビルメンテナンス業については、継続受注物件の契約額が更新前に比べて減少するなど県内企業の経営環境は厳しさを増している。今後も民間、公共とも新規のビル建築に多くを期待できないなかで、売上高に対して約7割の比率に達するといわれる人件費の抑制が急務となっている。
5.最後に、人材派遣業は、企業のコスト削減ニーズや専門的な知識・技術を有する人材の必要性が高まっていることから、平成不況下の落ち込みを脱して成長過程に戻っている。県内では事務要員はもとより、ソフトウェア開発や機械設計など高度なニーズに対応するための人材の確保と育成が課題である。
- 1.わが国経済のサービス化が進展している。ただ、サービス化の進展はすべての地域で一様ではなく、地方圏に比べて大都市圏で進展のテンポが速い。その背景の一つとして、大都市圏における対事業所サービス業の高成長がある。
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1998-06-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報1998年6月号 競争激化への備えが急がれるドラッグストア業界
- 要約
- 1.消費不況の下、小売業の業態間格差が広がるなかで、ドラッグストアの急成長が続いている。ドラッグストアの成功要因は、健康や美容への関心の高まりといった消費者ニーズの変化に応える新しい小売業態として、売り方や品ぞろえなどに様々な工夫を凝らしたという点に集約できる。
2.そうした戦略を可能にした制度的な背景としては、90年代に入って進められた一連の規制緩和があげられる。具体的には大店法の緩和措置により出店が機動的に行えるような環境が整ったこと、医薬品販売に関する自由化の進展などによって低価格と品ぞろえの拡充が実現したことである。
3.神奈川県内においてもドラッグストアの出店が近年急増している。店舗の分布状況をみると、横浜市郊外や県央で多く、県西や三浦半島では少ない。そこで、医薬品・化粧品関連需要の地域内における充足度合いなどを目安に、県内市区町村別に出店余地を探ったところ、横浜市保土ヶ谷区、川崎市麻生区などで新規出店の余地が残されているという結果が得られた。
4.ドラッグストア業界の今後を展望した場合、業態内外からの参入が活発化することや、利幅の厚い医薬品に依存した現状の収益構造の維持が困難になることなど、事業環境はこれまで以上に厳しさを増すものと予想される。
5.そうしたなかドラッグストアは、集客力アップを狙った店舗の大型化・複合化、調剤部門の拡充などにより、競争激化への備えを急いでいる。各店が個性を失い、価格競争の消耗戦に陥らないためには、業容拡大をあせることなく、地域特性に合わせた出店で着実に成功店舗を積み重ねていくことが重要となろう。
- 1.消費不況の下、小売業の業態間格差が広がるなかで、ドラッグストアの急成長が続いている。ドラッグストアの成功要因は、健康や美容への関心の高まりといった消費者ニーズの変化に応える新しい小売業態として、売り方や品ぞろえなどに様々な工夫を凝らしたという点に集約できる。
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1998-07-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報1998年7月号 神奈川県民のスポーツ活動の実態と県内スポーツ施設産業の動向
- 要約
- 1.神奈川は全国のなかでも県民のスポーツ活動が活発な地域である。県民のスポーツ活動の特色は、(1)健康維持を目的として中高年齢層の参加率が高いこと、(2)主婦層を中心に休日だけでなく平日の活動も活発なこと、(3)余暇時間を有効に使って多種多様な種目に参加していることである。
2.主成分分析によって各都道府県民のスポーツ活動を類型化すると、神奈川は東京や大阪などとともにエアロビクスやジャズダンス、テニスといった都市型のスポーツに特化した地域として特徴づけられる。
3.ゴルフ練習場、テニスクラブ、フィットネスクラブ、ボウリング場といったバブル期に急成長したスポーツ施設産業は、神奈川県内ではいずれも他地域に比べて大きなマーケットを形成している。しかし、バブル崩壊後は厳しい経営環境に直面しており、以下の
4業界の動きにみるように施設間の競争は激化傾向にある。
【ゴルフ練習場業界】
利用客数の伸び悩みで閉鎖や業態転換する施設が相次いでいる。ただ、一方で新たに練習場を開設する動きも広がっており、新規施設は既存施設の利用客を吸収する形で業容を拡大している。
【テニスクラブ業界】
全国第1位の集積であるが、公共施設との競争が激化しており、料金の大幅引き下げによる利用客の確保に努めている。【フィットネスクラブ業界】バブル崩壊以後停滞しており、各クラブとも料金の値下げや、付帯施設の拡充により会員数の増強を図っている。
【ボウリング業界】
ハイテク設備の導入もあって競技人口が拡大したためバブル崩壊後もしばらくは高成長を続けた。90年代に入り施設数も増加傾向にあるが、景気低迷の長期化から足下の業況は悪化しつつある。
4.スポーツ施設が今後の競争に生き残るためには、業界が一体となってマーケットを拡大していくと同時に、ハード、ソフトの両面でサービスを充実させ他施設との差別化を図っていくことが重要である。
- 1.神奈川は全国のなかでも県民のスポーツ活動が活発な地域である。県民のスポーツ活動の特色は、(1)健康維持を目的として中高年齢層の参加率が高いこと、(2)主婦層を中心に休日だけでなく平日の活動も活発なこと、(3)余暇時間を有効に使って多種多様な種目に参加していることである。
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1998-08-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報1998年8月号 神奈川のガソリンスタンド業界
- 要約
- 1.近年の規制緩和によって、消費者がメリットを享受する一方で、規制緩和の実施された業界では企業間の競争が激化している。ガソリンスタンド業界においても、80年代を通して横ばいとなっていたガソリンスタンド数が規制緩和を背景に90年代前半に増加したことから競争が激化し、その結果近年ではガソリン小売価格の下落が続いている。
2.県内ガソリンスタンド業界の経営環境をみると、(1)ガソリンスタンド1か所あたりの販売量が大きい、(2)ガソリンスタンドの密集度合いが高い、(3)ガソリン小売価格が全国平均に比べて安価である、などが特徴となっている。
3.県内ガソリンスタンドは、需要に恵まれる反面、価格競争が厳しく、さらに人件費や金融費用などの固定費負担が大きいことから、ガソリンスタンドを経営する企業の収益の悪化が全国以上に著しい。県内企業の1社あたりの経常利益は95、96年度と2年連続で赤字に陥っている。
4.企業収益の悪化に加え、石油元売り各社は系列のガソリンスタンド数を削減する方針を打ち出しており、今後ガソリンスタンド業界は本格的な淘汰の時期を迎えるとみられる。そうしたなかで、ガソリンスタンドを経営する企業の対応策としては、立地とターゲットとする顧客の特性を見極めたうえで、(1)セルフ方式などによる量販の徹底、(2)自動車関連商品やサービスの充実、(3)経営の多角化、などを図ることがあげられよう。
- 1.近年の規制緩和によって、消費者がメリットを享受する一方で、規制緩和の実施された業界では企業間の競争が激化している。ガソリンスタンド業界においても、80年代を通して横ばいとなっていたガソリンスタンド数が規制緩和を背景に90年代前半に増加したことから競争が激化し、その結果近年ではガソリン小売価格の下落が続いている。
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1998-09-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報1998年9月号 21世紀初めにかけて年率2~3%の潜在成長が見込まれる乗用車市場
- 要約
- 1.97年4月以降、乗用車販売の不振が長引いている。販売不振をもたらした要因としてはまず駆け込み需要の反動減があげられるが、97年度下期以降については雇用不安を背景とした消費マインドの悪化による買い控えの影響が大きい。また、所得が伸び悩むなか乗用車の価格が相対的に高止まっていること、耐久性の向上や車検制度の改正により買い替えサイクルが延びていることも、新車販売を抑制する一因となっている。
2.平成不況後における消費者のクルマに対するニーズは、個性化・多様化の傾向がより鮮明となっている。その変化を象徴的に表しているのがRVブームであり、最近では新車販売台数のおよそ半数がRV系車種によって占められている。そうした背景には、クルマに関するステイタス意識の崩壊など消費者の価値観が変化していることに加え、セダンやクーペといった伝統的なスタイルの車種に対して飽きが生じてきていることを指摘できよう。
3.全国および神奈川における新車販売台数の中期需要予測を試みた結果によると、雇用環境や消費マインドの安定を前提とした潜在的な市場の伸びは、全国においては98~2000年度に年率3.3%、2001~05年度には同2.1%の成長、県内においてはそれぞれ2.9%、2.2%の成長が見込まれよう。全国、神奈川ともに新規・買い増し需要は減退し、買い替え需要への依存度がさらに高まっていく見通しである。
4.かつてのような量的拡大が見込めない状況下で、売り手側のカーディーラーにとっては、拡大志向に基づく新規開拓中心の戦略を、既存顧客の満足度を高める囲い込み戦略へと転換する必要性が高まっており、販売台数が伸びないなかでも利益が出せる経営体質に早期に変革していくことが課題となっている。カーディーラーを流通業としてとらえてみると、生き残りのためには、(1)ストアコンセプトを明確にしてクルマ関連の商品・サービスを拡充する業態化、(2)複数メーカーの車種を取り扱うマルチディーラー化、(3)もっぱら価格訴求力を高めるカテゴリーキラー化といった発展方向が考えられる。
- 1.97年4月以降、乗用車販売の不振が長引いている。販売不振をもたらした要因としてはまず駆け込み需要の反動減があげられるが、97年度下期以降については雇用不安を背景とした消費マインドの悪化による買い控えの影響が大きい。また、所得が伸び悩むなか乗用車の価格が相対的に高止まっていること、耐久性の向上や車検制度の改正により買い替えサイクルが延びていることも、新車販売を抑制する一因となっている。
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1998-10-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報1998年10月号 わが国工業生産における地域間格差の諸実態
- 要約
- 1.90年代に入って大都市圏と地方圏間で工業生産力の格差が明確に現れてきた。製造業の工場数、従業者数は両地域ともバブル崩壊以降減少傾向にあるが、落ち込み幅は小規模工場を中心に大都市圏のほうが大きくなっている。
2.製造品出荷額も大都市圏では91年のピークから大幅に減少した。地方圏は全体としては落ち込んでいるが、減少幅は大都市圏に比べて軽微であり、東北や九州など増勢が続く地域もある。出荷額の動きに地域的な差異が生じた理由としては、バブル期に製造業の地方展開が活発化したことが挙げられる。
3.中小企業の生産活動は全国的に不振であるが、大都市圏と地方圏ではその性格を異にする。すなわち、加工組立型業種が集中する大都市圏では、親企業の海外進出に伴う受注減少から下請企業の経営が不振となっているのに対して、地場産業が多く集積する地方圏では景気低迷による需要の減退が中小企業の経営悪化につながっている。
4.工業活力の地域的な差異は国の産業立地政策によってももたらされた。政策的に都市圏から地方圏への工場分散を促進した結果、三大都市圏の工場数や出荷額の対全国シェアは50%を下回るようになり、敷地面積もマイナスの伸びとなるなど、モノ造りという面で大都市圏域の工業は転機に立っている。
5.生産機能が大都市圏から地方圏へシフトするなか、大都市圏、とくに東京圏の製造業では地方圏に先駆けて研究開発機能への特化が進んだ。
6.大都市圏における工業活力の低迷を受け、国は地方圏重視の産業立地政策を見直し、都市部への立地容認や地域の自主性を重視する政策に転換し始めた。そうしたなか、各自治体は独自色のある企業誘致策や支援策を打ち出すことが求められている。
7.各製造企業が将来的に発展していくためには、行政の支援にも増して自助努力が不可欠である。大都市圏の企業においては、垂直的分業からの脱却により経営基盤を固めるとともに、大学など研究機関との連携により技術力・研究開発能力を高めていくことが肝要である。
- 1.90年代に入って大都市圏と地方圏間で工業生産力の格差が明確に現れてきた。製造業の工場数、従業者数は両地域ともバブル崩壊以降減少傾向にあるが、落ち込み幅は小規模工場を中心に大都市圏のほうが大きくなっている。
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1998-11-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報1998年11月号 情報化の進展により急成長を遂げたわが国の通信関連産業
- 要約
- 1.近年、わが国において情報化のテンポが速まっている。その背景には、携帯電話などの移動体通信とインターネットを核とするデータ通信の利用が急激に拡大したことがあるが、それらの普及を通信技術の発達と通信手段の多様化という側面から支えてきたのが通信関連産業である。
2.通信関連産業のうち通信機器製造業をみると、通信機器の生産額は80年代には有線通信機器を、90年代に入ると携帯電話などの無線通信機器を中心に好調に推移してきた。特に近年においては移動体通信機器の生産額の急伸によって通信機器製造企業の売上高は大きく増加し、収益性も高水準となった。
3.通信サービスを提供する通信業についても、第1種電気通信事業者では携帯電話などの移動体通信サービスを、第2種電気通信事業者においてはインターネットへの接続サービスを中心に市場規模が急拡大した。ただ、ここへきて事業者間の競争は厳しさを増しており、その結果として携帯電話会社によるPHS事業の吸収、プロバイダーの撤退など再編の動きもみられる。
4.移動体通信やデータ通信は急速な普及段階を終えつつあり、これらを中心とした通信関連産業の急成長は当面鈍化していく可能性が高い。しかし、国民生活の利便性や企業の生産性の向上を支える通信関連産業の今後の成長に対する期待は大きいと考えられ、その観点からは、通信インフラ整備における政策的な後押しが必要であろう。また、ユーザーのニーズに合った製品やサービスを低コストで提供するための企業努力が一層求められる。
- 1.近年、わが国において情報化のテンポが速まっている。その背景には、携帯電話などの移動体通信とインターネットを核とするデータ通信の利用が急激に拡大したことがあるが、それらの普及を通信技術の発達と通信手段の多様化という側面から支えてきたのが通信関連産業である。
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1998-12-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報1998年12月号 全国の情報化をリードする神奈川の通信関連産業
- 要約
- 1.神奈川は、家庭でパソコンを楽しむ人の割合が全国で最も高く、また、1企業あたりのパソコン台数や自治体における業務の電算化率も全国で上位にあるなど、情報化の先進地域であるといえる。特に民間部門における情報化の進展度合いは、所得水準の高さや都市型のライフスタイル、大規模事業所を中心とした積極的な情報化投資、などを背景に全国トップクラスにある。
2.県内の通信関連産業は、(1)通信機器製造業が全国最大の生産拠点を形成していること、(2)先端製品・高付加価値品の生産が中心であること、(3)通信分野の研究開発拠点の集積も厚いこと、の3点で全国の情報化をリードしている。
3.現在、県内では新たな情報通信基盤の整備や情報通信技術の活用への取り組みが進められている。具体的には、県が市区町村や民間企業とともにCATVを利用した情報通信基盤の整備について検討を始めているほか、民間企業などが業務の効率化や新ビジネスに情報通信技術を利用する例もみられる。
4.通信関連産業や研究開発拠点の高集積、情報通信基盤の整備や情報通信技術の活用への取り組みなどにより、今後も神奈川は全国の情報化のリード役を担うことが期待される。ただ、情報化の目的である生活の利便性や企業の生産性向上などを実現するためには、誰もが恩恵を享受できる形で情報化を進めることが必要である。通信関連産業にとっては、より使いやすく利便性の高い製品やサービスの提供によってユーザー・インターフェース(使い勝手)を高めていくことが今後の課題となろう。
- 1.神奈川は、家庭でパソコンを楽しむ人の割合が全国で最も高く、また、1企業あたりのパソコン台数や自治体における業務の電算化率も全国で上位にあるなど、情報化の先進地域であるといえる。特に民間部門における情報化の進展度合いは、所得水準の高さや都市型のライフスタイル、大規模事業所を中心とした積極的な情報化投資、などを背景に全国トップクラスにある。
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1999-01-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報1999年1月号 99年度の神奈川県内経済の見通し
- 要約
- 1.98年度の神奈川県経済は、個人消費や住宅投資の低迷が続いたことに加えて設備投資、輸出の減少傾向が鮮明になったことから前年度に比べて不況色が一段と強まった。
2.99年度を展望すると、減税や公共投資の政策効果が年度前半を中心に県内景気を下支えするが、(1)公共投資については地方財政の悪化を背景に単独事業が十分に執行されないため、国の補助事業の効果が薄れる年度後半から前年比マイナスに転じること、(2)製造業を中心に企業の生産・雇用調整が続くこと、などが全国と比べて県内景気の回復力を弱めることになる。(3)こうしたなかで、2000年度に向けて県内景気が自律的に回復していくためには企業や家計のマインドが改善に向かうことが不可欠である。
3.実質県内総支出の伸びは97年度の-0.9%(県速報値)から、98年度は-3.3%と減少幅が拡大し、99年度は-1.0%と3年連続のマイナス成長となる。
- 1.98年度の神奈川県経済は、個人消費や住宅投資の低迷が続いたことに加えて設備投資、輸出の減少傾向が鮮明になったことから前年度に比べて不況色が一段と強まった。
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1999-02-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報1999年2月号 深刻化する大都市圏自治体の財政難
- 要約
- 1.地方財政の悪化が顕著となっている。その要因としては、歳入面では景気低迷を背景とした税収の落ち込み、歳出面では経済対策に伴い拡大した単独事業の高止まりがあげられる。
2.ただ、財政悪化の程度は地方圏の自治体よりも大都市圏の自治体で著しい。大都市圏では法人関連を中心に歳入の柱である税収が大幅に減少しているが、現行の地域間財源調整の仕組みの下ではそうした歳入不足を国からの補てんによって埋め合わせることができないためである。
3.近い将来に予想される少子・高齢化の進展が地方財政に及ぼす影響に関して試算を行ったところ、現在の歳入・歳出の構造を変更しないという前提の下では財政状況の一層の悪化は避けられず、とりわけ大都市圏自治体への打撃が大きいという結果が得られた。
4.これは、大都市圏から地方圏への財源シフトの仕組みを今後とも維持していくことが困難になることを示唆しており、国と地方の役割分担の見直しとそれに伴う財源配分の再構成が急務であると考えられる。
5.とはいえ、地域間の財源配分は国全体の政策に関わる問題であり、その見直しを進めていくには住民を巻き込んだ議論が必要となろう。各自治体としては、そのための手段としてまずは財政等に関する情報公開を積極的に進め、地域住民への説明責任を果たすことが大切である。
- 1.地方財政の悪化が顕著となっている。その要因としては、歳入面では景気低迷を背景とした税収の落ち込み、歳出面では経済対策に伴い拡大した単独事業の高止まりがあげられる。
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1999-03-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報1999年3月号 90年代に転機を迎えたファミリーレストラン・ファストフード業界
- 要約
- 1.1970年代に誕生したファミリーレストランとファストフードは、気軽に利用できる店舗を展開し、手ごろな価格で多様なメニューの食事を提供したことなどから急速に成長してきた。この結果、97年には両者で外食産業全体の年間販売額の2割程度を占めているとみられる。
2.神奈川は全国のなかでもファミリーレストランとファストフードの店舗数が多い地域である。また、年間販売額でみても97年における県内外食産業に占める構成比は両者の合計で2割強にのぼるとみられ、これらの業態が県内外食市場の拡大に果たした役割は全国に比べて大きかったことがうかがわれる。
3.もっとも、90年代に入ってからはファミリーレストランやファストフードにおける既存店の売上高が減少傾向を続けており、これらを経営する企業の収益性も低迷している。その要因としては、景気の長期低迷に加えて、外食産業内の競合および中食産業との競合の激化があげられる。
4.そうした厳しい経営環境下でも良好な収益性を維持している企業では、1店舗あたり売上高や客単価の落ち込みが小さく、また、新規の店舗展開を既存店の集積が厚い地域に集中している、などの特徴がみられる。
5.中長期的に外食市場を展望する場合、注目されるのが人口の高齢化の影響である。高年齢層は若い世代と比べて外食の利用頻度が少ないため、高齢化は外食市場の規模に対してマイナスの要因となる。したがって、今後高年齢層に移る世代の外食頻度の低下をくい止め、高年齢者のマーケットを取り込むための対応を図ることも、ファミリーレストランやファストフードをはじめ外食産業全体にとって重要な戦略といえよう。
- 1.1970年代に誕生したファミリーレストランとファストフードは、気軽に利用できる店舗を展開し、手ごろな価格で多様なメニューの食事を提供したことなどから急速に成長してきた。この結果、97年には両者で外食産業全体の年間販売額の2割程度を占めているとみられる。
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1999-04-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報1999年4月号 神奈川における90年代の工業生産力の変化とその背景
- 要約
- 1.県内製造業の生産活動は90年代に入ってから著しく低迷している。90年を基準とする鉱工業生産指数でみると、全国に比べて神奈川は落ち込み幅が大きく、かつ低下した期間が長期にわたった。この結果、97年時点の水準は全国で最も低いレベルとなった。また、90~97年の間に県内製造業の出荷額の減少幅は3兆円を超え、従業者数も約13万人、工場数も約4千か所それぞれ減少した。こうした落ち込みは特に加工組立型業種において顕著である。
2.このように県内製造業が全国に比べても著しく低迷しているのは、円高の進展を契機に大企業を中心として県内生産拠点を海外や県外に移転する動きが強まり、その背後で中小企業を中心に廃業率が急上昇したためである。
3.一方、県内の生産拠点は高付加価値製品に軸足を移してきており、80年代に比べて90年代の県内従業者1人あたりの付加価値額は急増している。
90年代における県内生産品目の変化を考慮すると、神奈川は90年からの生産の落ち込みに構造変化が大きく影響した地域と結論づけられる。
4.県内製造品の付加価値が高まった背景として、神奈川においては90年代に拠点数が倍増するなど研究開発機能の集積が進んでいることや、それをサポートするサービス業の集積が厚いことなどがあげられる。
すなわち、県内製造業の拠点はモノ造りから研究開発などチエづくり分野へと機能をシフトしてきている。
5.このように神奈川においては製造業の構造変化が著しいが、そうしたなかでの行政の対応としては、モノ造りからチエ造りへと製造業の高度化を促進する一方で、サービス業の振興を広く図るなど、今後の産業構造の変化を見据えた先見性のある施策が望まれる。
- 1.県内製造業の生産活動は90年代に入ってから著しく低迷している。90年を基準とする鉱工業生産指数でみると、全国に比べて神奈川は落ち込み幅が大きく、かつ低下した期間が長期にわたった。この結果、97年時点の水準は全国で最も低いレベルとなった。また、90~97年の間に県内製造業の出荷額の減少幅は3兆円を超え、従業者数も約13万人、工場数も約4千か所それぞれ減少した。こうした落ち込みは特に加工組立型業種において顕著である。
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1999-05-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報1999年5月号 低価格志向と購入数量の絞り込みが目立つ最近の家計消費
- 要約
- 1.90年代前半における「価格破壊」の進展時に強まった消費者の低価格志向は、90年代後半に入っても依然として強い。このことは、最近におけるヒット商品の特性のひとつに「低価格」があることからも推察される。
2.価格破壊の進展時には価格が低下するなかで家計による商品の購入数量が増加したが、90年代後半の局面では購入数量が伸び悩んでおり、消費者は低価格を重視するとともに、量的に支出を抑制する姿勢を強めている。このため、90年代前半に業容を拡大したディスカウントストアなどの業態でも、最近は販売数量の伸び悩みから売上高の増勢が鈍化し、収益性も低下している。
3.しかしながらその一方で、百円ショップやアウトレットモールのように急成長する小売業態もある。これらの業態が好調な要因としては、低価格に買い物の楽しさを付加した売り方が消費者に支持されていることがあげられる。
4.多くの商品で低価格販売が浸透している現状を考えると、小売業者が競争に打ち勝っていくためには、単に価格を引き下げるばかりでなく、売り方の工夫によって集客力を高める努力が必要となる。具体的には、百円ショップやアウトレットモールにみるエンターテイメント性のほか、利便性、商品そのものの価値、付随サービスなどを高めていく戦略がより重要となろう。
- 1.90年代前半における「価格破壊」の進展時に強まった消費者の低価格志向は、90年代後半に入っても依然として強い。このことは、最近におけるヒット商品の特性のひとつに「低価格」があることからも推察される。
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1999-06-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報1999年6月号 不況下でも伸長著しい深夜ビジネス
- 要約
- 1.消費不況のもとで小売りやサービス関連企業の多くが業績悪化に苦しむなか、夜間も昼間と同じように商品・サービスを提供する深夜ビジネスが活況を呈し、関連する企業の好業績が目立っている。
2.深夜ビジネスの潮流は、バブル期の「レジャー志向型」から最近では日常生活に密接に関連した「生活シーン充実型」へと方向転換している。同じく深夜時間帯に日常的な商品・サービスを提供する業態としてはコンビニエンス・ストアがよく知られているが、最近の深夜ビジネスはコンビニと比べ品揃ぞろえやサービスのメニューが豊富かつ専門的なことが強みとなっている。
3.深夜ビジネス伸長の背景には、需要側である消費者行動の変化として、残業時間の減少などにより夜間における自由時間が増えていることがある。一方、供給側である企業の意図としては、市場が飽和状態にあるなかで事業機会の拡大を深夜営業に求めたことなどがあげられよう。
4.ただ、深夜ビジネスが成功するか否かは事業ごとのコスト構造の違いに大きく左右される。すなわち、洗濯業や理容・美容業といった総費用に占める直接人件費の割合が大きい労働集約的な事業では、営業時間延長によるコスト増を抑制し難いため、深夜ビジネスで採算を確保することが困難となる。一方、小売業全般や、レンタルビデオ店などの物品賃貸業、駐車場業などは直接人件費の割合が小さいため深夜ビジネスに向いているといえる。
5.消費者の生活パターンが一段と夜型となるなかで、今後も消費者ニーズに対応した様々な深夜ビジネスの登場が予想される。また、近年導入の機運が高まっているサマータイム制度は新たな深夜マーケット誕生のきっかけとなり得よう。ただ、深夜ビジネスに取り組むにあたっては、事業のコスト構造の特性を考慮するとともに、期間限定で深夜営業を行うなどの試験的運用により本格展開の前にその適否を検討することが必要である。
- 1.消費不況のもとで小売りやサービス関連企業の多くが業績悪化に苦しむなか、夜間も昼間と同じように商品・サービスを提供する深夜ビジネスが活況を呈し、関連する企業の好業績が目立っている。
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1999-07-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報1999年7月号 公的介護保険制度の導入を契機に成長が期待される介護関連ビジネス
- 要約
- 1.わが国には、介護を要する高齢者に対して公的に介護サービスを供給する福祉の制度(措置制度)が従来から用意されている。ただ、利用のしにくさや供給力の不足などから実態としては家族による介護が大きな役割を担っている。
2.2000年4月に導入される予定の公的介護保険制度は、措置制度に代わる介護サービス供給の枠組みである。公的介護保険制度が導入される運びとなったのは、措置制度や家族介護では今後も続くとみられる介護需要の増加と家族の介護能力の低下に対応することが困難であり、需要量に見合った供給力を確保するための新たな仕組みが不可欠となったからである。
3.公的介護保険制度の下では、自由に介護サービスの種類や提供事業者を選択できるようになるため利用者の利便性が高まることが期待される。同時に、民間営利事業者にとっては在宅介護サービス事業の展開が従来に比べて容易になる。このため制度の導入前から、すでに介護ビジネスを手がけている企業が事業を拡大していることに加え、異業種からの参入も本業との相乗効果が期待できる分野を中心に活発化している。
4.在宅介護サービス市場の拡大は今後本格化し、介護関連ビジネスの展開もさらに活発化するとみられる。ただ、介護関連ビジネスは総じて労働集約的であることから高い収益性は期待しがたい。一方、公的介護保険制度の導入当初は需要量が供給力を上回る可能性が高いため、サービス水準の低下が懸念されている。このため、企業には収益性を確保すると同時に、公共性・公益性の認識を持ってサービス水準の維持・向上に努めることが求められる。
- 1.わが国には、介護を要する高齢者に対して公的に介護サービスを供給する福祉の制度(措置制度)が従来から用意されている。ただ、利用のしにくさや供給力の不足などから実態としては家族による介護が大きな役割を担っている。
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1999-08-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報1999年8月号 消費者の選別眼が強まるなかで競争が激化する県内マンション市場
- 要約
- 1.わが国では、90年代半ば以降、新設住宅建築に占める持家系住宅の比重が大きくなっている。とくに3大都市圏では、持家系住宅のなかでもマンション建築の増加が顕著であり、住宅市場におけるマンション市場のウエイトが目にみえて大きくなっている。
2.92年秋以降は、バブル崩壊後に相次いで打ち出された経済対策に呼応するかたちで首都圏のマンション市場が大きく拡大した。この背景には、住宅取得促進政策の後押しやマンション価格の下落によって、首都圏ではマンションの取得がかなり容易となったことがある。なお、都県別にみると、マンション供給の増加は東京都と神奈川県で顕著となっている。
3.最近の神奈川県内におけるマンション供給状況をみると、価格低下が続くなかで(1)専有面積の拡大、(2)郊外地域での大規模マンションの増加、(3)利便性の高い好立地物件の増加、といった特徴がみられる。こうした品質面の向上によって最近県内で供給されるマンションは購入者にとってかなり割安となっている。
4.最近は、販売面の持ち直しなどから首都圏の不動産業者の業況感が徐々に改善してきているが、一方では、物件に対する消費者の選別眼が強まるなかで低価格物件を中心に供給が増加しているため、販売が難しくなっている。今後については、当面は一次取得者を中心に需要が好調に推移するとみられるものの、所得の先行きに対する期待の薄まりもあって消費者の行動がますます慎重化する可能性が高く、不動産業界では販売競争が一段と激しくなると考えられる。
- 1.わが国では、90年代半ば以降、新設住宅建築に占める持家系住宅の比重が大きくなっている。とくに3大都市圏では、持家系住宅のなかでもマンション建築の増加が顕著であり、住宅市場におけるマンション市場のウエイトが目にみえて大きくなっている。
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1999-09-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報1999年9月号 少子化の逆風のなか底堅く推移する90年代の子供向け市場
- 要約
- 1.少子化傾向が続くなか、対象人口の大幅減という事態に直面することとなった子供向け市場は、90年代に入りそれまでの拡大基調から縮小に転じている。ただ、新規需要の拡大などにより子供1人にかける支出額が増えていることから、子供数の減少テンポに比べて子供向け市場の縮小は緩やかなものにとどまっている。
2.家計の支出面をみると、少子化を反映して親の関心や期待が少数の子供に集中していることなどから、消費全体に占める子供向け支出の割合は上昇を続けている。また、この傾向はとりわけ乳幼児を持つ世帯で顕著であり、その要因としては、(1)ベビー用品を中心に従来はなかった利便性の高い商品が次々と登場し、母親の購買意欲を刺激したことに加え、(2)祖父母からの資金的な援助が子供向け支出をかさ上げしていること、などが考えられる。
3.乳幼児向け市場において近年伸びが著しい商品分野の代表例として、紙おむつなどのトイレタリー関連、ベビーフードなどの食関連、さらにチャイルドシートなどがあげられる。仕事を持つ母親の増加を背景とした家事の簡便化ニーズや、衛生面など商品の安全性への関心の高まりに対して、企業側が的確に消費者に訴求する商品を開発し、新しい需要を創出したことが伸長の要因といえる。
4.今後の子供向け市場を展望すると、子供数の減少テンポがこれまでに比べ緩やかになるため、21世紀初頭には拡大に転じると予想される。ただ、消費全体の低い伸びを前提とする限り、子供向け市場も急成長は期待できない。企業としては、子供1人あたりの支出額をいかにして高めるかが子供向け市場で生き残っていくカギとなるため、ニーズを的確にとらえたきめの細かいマーケティングの重要性がますます高まってこよう。
- 1.少子化傾向が続くなか、対象人口の大幅減という事態に直面することとなった子供向け市場は、90年代に入りそれまでの拡大基調から縮小に転じている。ただ、新規需要の拡大などにより子供1人にかける支出額が増えていることから、子供数の減少テンポに比べて子供向け市場の縮小は緩やかなものにとどまっている。
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1999-10-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報1999年10月号 大規模展示場の開設と情報通信技術の活用が進む最近の中古車販売業界
- 要約
- 1.わが国の中古乗用車販売は90年代後半に入って不振が続いている。その要因としては、(1)所得の伸び悩み、(2)良質な中古車の減少、(3)新車の低価格化に伴う中古車購買層の新車購入へのシフト、などが考えられる。
2.こうした販売不振にもかかわらず、中古乗用車の販売を手がける店舗の数は増加している。とりわけ最近では新車ディーラーや中古車の買い取り専門店などの自動車関連企業が中古車の小売り販売に注力していることに加え、情報通信技術を活用して異業種から中古車販売に参入する例も目立っている。
3.神奈川の中古車販売業界には、(1)市場規模が大きいこと、(2)潜在的な需要に恵まれており経営環境が良好であること、などの特徴がある。こうしたマーケットとしての魅力を背景に、神奈川の中古車販売店は全国のなかでも厚い集積を誇っている。また、近年では新車ディーラーなどが中古車を扱うケースが著しく増加している。
4.今後については、自動車市場全体がすでに成熟段階にあるため中古車市場も急速な伸びは期待しがたい。その一方で新規参入の動きが活発なことなどから中古車販売業界における競合はさらに激しさを増すと考えられる。このため個々の販売業者には、(1)収益性の向上、(2)販売機会の拡大、(3)良質な中古車の確保、を実現することがこれまで以上に求められており、その具体的な手段として最近進んでいる展示場の大規模化と情報通信技術の活用が一段と進展するとみられる。そうした動きのなかで、今後の中古車流通は、中古車の買い取りから販売までを一貫して手がけたり、中古車の売り手と買い手をより迅速にかつ効率よく結びつける方向へと徐々に変容していくであろう。
- 1.わが国の中古乗用車販売は90年代後半に入って不振が続いている。その要因としては、(1)所得の伸び悩み、(2)良質な中古車の減少、(3)新車の低価格化に伴う中古車購買層の新車購入へのシフト、などが考えられる。
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1999-11-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報1999年11月号 緩慢な改善がみこまれる今後の県内雇用情勢
- 要約
- 1.90年代に入って、東京圏における雇用情勢の悪化が際立っている。この背景には、経済成長の鈍化などから東京圏の産業が労働力人口の増加ペースを上回るだけの就業機会を提供できなかったことがある。とくに神奈川県内の産業においては、雇用の過剰度合いが全国と比べ大きかったために、企業の雇用吸収力が一層弱まったと考えられる。
2.そうしたなかで、就業構造も大きく変化しており、(1)サービス化の一段の進展、(2)規制緩和の恩恵を受けた分野での雇用拡大、(3)企業による非正規の職員・従業員の活用の活発化、の3つの潮流がみられる。とくに県内においては、製造業における専門・技術職の増大やサービス業における「自然科学研究所」従業者の増加など、より専門的な分野での雇用拡大が目立つ。
3.ただ、そうした就業構造の変化の裏側で、東京圏の労働市場では90年代の後半から需給のミスマッチが拡大し、雇用情勢を一層悪化させる要因となった。神奈川県においても、年齢層別にみた需給の緩和度合いの差が広がるなど、ミスマッチが拡大した。
4.最近時においては県内の雇用関連指標に底入れの兆しが見え始めており、県内の雇用情勢は悪化一辺倒という状況から徐々に落ち着きを取り戻してきている。しかしながら、企業の雇用過剰度合いが依然として大きいことや、ミスマッチの解消にはある程度の時間が必要なことなどを踏まえると、今後の雇用情勢の改善はきわめて緩やかになることが予想される。
- 1.90年代に入って、東京圏における雇用情勢の悪化が際立っている。この背景には、経済成長の鈍化などから東京圏の産業が労働力人口の増加ペースを上回るだけの就業機会を提供できなかったことがある。とくに神奈川県内の産業においては、雇用の過剰度合いが全国と比べ大きかったために、企業の雇用吸収力が一層弱まったと考えられる。
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1999-12-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報1999年12月号 資本ストックからみた県内製造業における過剰設備の現状
- 要約
- 1.1997年春に景気が後退局面に入って以降、全国、神奈川ともに設備投資の不振が際立っている。これは、現実の生産量に比べて生産能力が大幅に上回っているためであり、とりわけ製造業において生産設備の過剰度合いがかつてない水準に高まっている。
2.県内製造業の設備投資が全国と比べて振るわなくなったのは円高不況以降であり、その間、生産能力の調整が全国に先んじて進展した。近年における資本ストックの動きからみると、(1)90年代初頭をピークに減少を続けている、(2)電気機械や輸送機械といった主要業種での落ち込みが顕著である、(3)工場閉鎖にみられるように生産設備を除却する割合が高まっている、などの特徴がある。
3.この間、県内製造業では生産品目の高付加価値化を進めたことなどから資本効率の悪化は全国に比べて小さく、したがって生産設備の過剰度合いについても全国ほどには深刻化していないと考えられる。
4.一方で、近年では県内設備投資に占める非製造業の割合が一段と高まり、約75%に達している。非製造業の中でも、資本の生産効率の高低と設備投資の活発さという点では、サービス業、運輸・通信業、卸売・小売業の成長性が高く、今後の県経済のリード役となることが期待される。
5.神奈川県経済が今後も成長を持続していくためにはこうした成長期待の大きい分野に対して政策面から後押しをする必要があるとともに、生産能力の調整過程にある製造業に対しても事業転換や用地転用などが円滑に進むよう支援していくことが重要である。
- 1.1997年春に景気が後退局面に入って以降、全国、神奈川ともに設備投資の不振が際立っている。これは、現実の生産量に比べて生産能力が大幅に上回っているためであり、とりわけ製造業において生産設備の過剰度合いがかつてない水準に高まっている。
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2000-01-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2000年1月号 2000年度の神奈川県内経済の見通し
- 要約
- 1.1999年度の県内景気は、財政・金融両面からの政策効果により公共投資と住宅投資が拡大に転じるとともに、消費者心理の好転に伴い個人消費が一部で明るさを取り戻すなど県内需要の落ち込みに歯止めがかかったことから、春から夏にかけて下げ止まりの様相をみせた。もっとも、夏場以降については、経済活動の水準が総じて低位にとどまり、浮揚感を欠く展開が続いている。
2.2000年度を展望すると、上期中は住宅ローン控除制度の期限延長による住宅投資拡大の持続といった政策効果が景気を下支えする展開が予想されるが、企業による設備面や雇用面の調整が継続されるため、民間需要の回復力はぜい弱なものにとどまろう。ただ一方で、企業部門においてはこれまでのリストラ効果によって収益性の改善にある程度目途が立ちつつあり、新たな事業展開のための下地づくりが着実に進展している。このため、年度下期には成長分野を中心に姿勢を前向きに転じる企業が増えるとみられ、企業部門の調整に伴う県内景気へのデフレ圧力は次第に弱まっていこう。
3.実質県内総生産の成長率は、99年度は-0.6%とマイナス成長ながらも98年度の-1.7%(県速報値)に比べ減少幅は縮小する。そして2000年度には+0.2%と4年ぶりにプラス成長に転じる見通しである。
- 1.1999年度の県内景気は、財政・金融両面からの政策効果により公共投資と住宅投資が拡大に転じるとともに、消費者心理の好転に伴い個人消費が一部で明るさを取り戻すなど県内需要の落ち込みに歯止めがかかったことから、春から夏にかけて下げ止まりの様相をみせた。もっとも、夏場以降については、経済活動の水準が総じて低位にとどまり、浮揚感を欠く展開が続いている。
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2000-02-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2000年2月号 市場の伸びが頭打ちとなるなかで新たな拡販方策を模索する書店業界
- 要約
- 1.わが国の書籍・雑誌販売額は97年に減少に転じて以来、低迷が続いている。これは、不況により消費全般が低迷しているうえ、娯楽の多様化により消費者の読書離れが進んでいるためである。こうしたなか、従来から他の小売業に比べて利益率の低かった書店の事業採算性は近年急速に悪化している。
2.80年代以降の書店業界は異業種との競合と店舗の大型化の波にさらされてきた。すなわち、雑誌販売におけるコンビニエンス・ストアの伸長と郊外を中心とした大型店舗の出店増加である。このため、両者のはざまに立った小規模な書店を中心に書店数は減少に転じている。もっとも大規模書店においても、店舗の大型化は固定費負担の増大につながり、売上高が伸びない状況下では採算性を圧迫する要因になっている。
3.県内の書店業界をみると、異業種との競合や店舗の大型化が進展したことは全国と同様である。ただ、全国と比べると神奈川は、(1)大規模化の進展度合いが比較的小さいこと、(2)1店舗あたり売上高が高いなどの点で市場に恵まれていること、(3)売場面積あたりの販売効率が大きいこと、などの点で特徴的である。このため、まだ大型店の出店余地があるとみられ、今後出店がさらに増えて競争が激化する可能性もある。
4.書店の経営環境が厳しさを増すなかで、近年は業界内外の変化がさらに激しくなっている。なかでもインターネット書店の急増が注目を集めている。書店と消費者の双方にとってメリットの大きいインターネット書店は、日本においても書籍や雑誌の販売チャネルとして定着する可能性が高い。今後も市場規模の大幅な伸びが期待できないなか、インターネット書店を含めた書店間競争がさらに激しくなると考えられ、書店にとっては生き残りをかけた販売、流通面での工夫が重要性を増してきている。
- 1.わが国の書籍・雑誌販売額は97年に減少に転じて以来、低迷が続いている。これは、不況により消費全般が低迷しているうえ、娯楽の多様化により消費者の読書離れが進んでいるためである。こうしたなか、従来から他の小売業に比べて利益率の低かった書店の事業採算性は近年急速に悪化している。
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2000-03-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2000年3月号 90年代後半に厳しさを増した県内家電量販店業界の経営環境
- 要約
- 1.90年代に入ってわが国の家電販売額全体が伸び悩むなか、家電量販店の販売額は増加を続けている。こうした背景には、豊富な品ぞろえや安値による販売という特質が多様化、低価格志向の強まりといった消費者のし好の変化に合致したことのほか、大店法の運用弾力化を受けて家電量販店各社が新規出店や既存店の増床といった積極的な店舗戦略を採ったことがある。
2.神奈川県内においても、90年代の半ばから家電量販店による積極的な店舗展開が行われた。ただその結果、最近では同一商圏内における量販店同士の競合が一段と激しくなっている。
3.また、県内の家電量販店の経営環境がひときわ厳しくなっているのは、90年代に急伸したパソコンなど情報関連機器の販売額の増勢が県内において比較的鈍かったためとみられる。事実、東京圏における購買力の流出入の動向をみると、県内に居住する世帯の情報関連機器に対する購買力の一部が県外へ流出している。
4.今後については、調理家電や家事家電、AV機器などの分野において買い換え需要が一巡することなどから、家電全体の販売額は当面伸び悩みが予想される。もっとも、なかには今後の販売増を見込める品目も少なくなく、とくにデジタル家電やインターネット家電、情報家電などと呼ばれている新分野に対する期待は大きい。したがって、これらの新規分野にどれだけ機敏に対応できるかが県内家電量販店各社の明暗を分ける重要なポイントになる。
- 1.90年代に入ってわが国の家電販売額全体が伸び悩むなか、家電量販店の販売額は増加を続けている。こうした背景には、豊富な品ぞろえや安値による販売という特質が多様化、低価格志向の強まりといった消費者のし好の変化に合致したことのほか、大店法の運用弾力化を受けて家電量販店各社が新規出店や既存店の増床といった積極的な店舗戦略を採ったことがある。
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2000-04-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2000年4月号 近年急ピッチで整備が進む国や自治体のベンチャー支援体制
- 要約
- 1.90年代半ば以降、国や地方自治体はベンチャー企業の支援、とりわけ創業支援の体制整備を急ピッチで進めている。そうした背景には、従来のリーディング産業の不振や、創業活動の停滞とそれを反映した雇用創出力の低減など、わが国経済の活力が減退していることへの危機意識があると考えられる。
2.実際、かつてわが国経済のけん引役であった自動車や家電製品などの生産量は、90年代に入り頭打ち傾向が鮮明となっている。また、開業率の低下が顕著となるとともに、それを反映して比較的小規模な事業所の新設による雇用増加のテンポも大幅に鈍化している。
3.そうしたなか、近年相次いで打ち出された支援策としては、中小企業創造活動促進法、新事業創出促進法などがある。一連の施策は中小企業を一律に弱者とみなして、大企業との格差是正を目的とした従来の施策と異なり、研究開発に意欲的な企業や創業活動の支援に主眼を置いている点が特徴といえる。
4.わが国でも起業家や投資家などベンチャー企業に関与する層のすそ野が広がりつつある。今後は民間のベンチャー支援ビジネスと公的な支援体制との相乗効果が生まれることによりベンチャー企業の活動および創業が一段と活発化し、ひいてはわが国および県内経済が活力を取り戻すことが期待されよう。
- 1.90年代半ば以降、国や地方自治体はベンチャー企業の支援、とりわけ創業支援の体制整備を急ピッチで進めている。そうした背景には、従来のリーディング産業の不振や、創業活動の停滞とそれを反映した雇用創出力の低減など、わが国経済の活力が減退していることへの危機意識があると考えられる。
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2000-05-01
神奈川・地域経済調査
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かながわ経済情報 : かながわ経済情報2000年5月号 産業連関表からみた90年代前半の県内産業構造の変化
- 要約
- 1.先頃発表された95年神奈川県産業連関表によれば、90年代前半の県経済の特徴は製造業の低迷とサービス経済化の進展に集約されることが、諸側面から確認できる。まず、生産面からは、全産業の名目県内生産額は90年に比べて0.6%増とほぼ横ばいとなったが、そのうち第2次産業は同13.9%減と大幅に落ち込んだの対し、第3次産業は同21.6%増となった。
2.需要構造面からは、第3次産業との関わりが比較的深い消費支出が増加したのに対して、第2次産業と密接な民間投資や県外需要が大きく落ち込んだため、需要全体は90年に比べ3.8%落ち込んだ。また、投入構造をみると、中間投入比率が低下する中で研究開発費などサービス業からの投入ウエイトが高まる傾向にあり、そうしたなかで全産業の粗付加価値率は上昇している。
3.県際取引面からも、電気機械や輸送機械といった業種において移輸出の大幅な減少から黒字幅が縮小する反面、対事業所サービスなどのサービス業では赤字幅が縮小傾向にあることが明らかになった。
4.このような諸側面をまとめて、90年代前半の生産額の増減を需要要因と構造要因に分けて他府県と比較すると、大都市圏に属する府県においては、製造業の構造要因による生産額の減少額が大きい一方、非製造業の構造要因による生産増加額が大きい傾向がある。製造業と非製造業をあわせてみると、神奈川の場合は構造要因による生産押し上げ効果の方が押し下げ効果より大きく、かつ押し上げ額も他府県に比べて大きいことから、構造変化は県経済を前進させる方向に作用しているとみられる。
- 1.先頃発表された95年神奈川県産業連関表によれば、90年代前半の県経済の特徴は製造業の低迷とサービス経済化の進展に集約されることが、諸側面から確認できる。まず、生産面からは、全産業の名目県内生産額は90年に比べて0.6%増とほぼ横ばいとなったが、そのうち第2次産業は同13.9%減と大幅に落ち込んだの対し、第3次産業は同21.6%増となった。
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2000-06-01
神奈川・地域経済調査
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かながわ経済情報 : かながわ経済情報2000年6月号 景気低迷下でも成長する県内ベンチャーのプロフィール
- 要約
- 1.中小企業創造活動促進法の認定企業などから抽出した県内ベンチャー企業328社について従業員数や売上高などの基本属性を分析した結果、平均像として社歴23年、従業員数25人、資本金30百万円の中小企業が、6.4億円の売上高で7百万円の当期純利益を計上しているという姿が浮かび上がった。
2.ただ、企業ごとにみると、成長ステージの違いなどに起因する業績のばらつきが大きい。たとえば、会社設立年別に成長性や収益性を比較してみると、設立から5~15年程度の急成長期、同5年程度までのスタートアップ期の若い企業では、成長性は高いものの、初期投資に伴う償却負担などから収益性については必ずしも高くないという特徴がみられる。
3.また、近年急成長を遂げている企業の顔ぶれをみると、ハイテク分野に強みを持つ製造企業やソフトウェアの開発企業が名を連ねている。なお、売上高など企業規模の点では、十分に株式公開の実力を備えた県内ベンチャー企業も相当数に上っている。
4.成長企業を伸ばしていくことこそが地域経済・産業を活性化させ、雇用を創出する切り札である。そのためには官民が一体となって成長企業の発掘に努め、それらを積極的に支援していくことが求められよう。神奈川県経済の将来を展望するうえでも、成長企業を育んでいくための土壌づくりを地道に行っていくという視点が大切である。
- 1.中小企業創造活動促進法の認定企業などから抽出した県内ベンチャー企業328社について従業員数や売上高などの基本属性を分析した結果、平均像として社歴23年、従業員数25人、資本金30百万円の中小企業が、6.4億円の売上高で7百万円の当期純利益を計上しているという姿が浮かび上がった。
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2000-07-01
神奈川・地域経済調査
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かながわ経済情報 : かながわ経済情報2000年7月号 にぎわいの創出に役立つ地域イベント
- 要約
- 1.地域イベントは地域のにぎわいを生み出すための重要な取り組みの一つである。県内には、わずか数日間の開催期間で10万人以上の観客を集める地域イベントが35もあり、これらのイベントは地域活力の源となっている。
2.集客面からみた地域イベントの特徴は、景気の変動に左右されず安定した集客が見込めること、主要なイベントは新設商業施設などに匹敵する集客力をもつことの2点に集約できる。
3.こうした地域イベントの効果は、客観的に把握しやすい金額に換算して計られることが多い。そこで、集客数10万人のイベントを想定してその経済波及効果を試算するとおよそ2億円に達する。茅ヶ崎市の4つのイベントについての実際の調査結果(当社実施)をみてもほぼ同水準の結果が得られている。この金額は県内の平均的な大型小売店の1か月分の販売額に近い規模である。
4.加えて、数量的にとらえにくいものの、地域イベントは住民の地域への愛着を強めたり、観光客に開催地に対する良好なイメージを生み出すなど、無視し得ない効果をもつ。
5.そうした開催効果をより高めていくためには、地域イベントのコンセプトを明確にしていくことや、地域づくり全体のなかでイベントの開催を考えていくという視点がとくに重要となる。また、イベントのテーマや構成、運営方法等を継続的に見直し、必要に応じて改良を加え、その効果を観察していくことも有効である。見方を変えると、そのようなPLANDOSEE(プラン・ドゥ・シー)の繰り返しが可能であることが、地域イベントの強みであるといえよう。
- 1.地域イベントは地域のにぎわいを生み出すための重要な取り組みの一つである。県内には、わずか数日間の開催期間で10万人以上の観客を集める地域イベントが35もあり、これらのイベントは地域活力の源となっている。
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2000-08-01
神奈川・地域経済調査
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かながわ経済情報 : かながわ経済情報2000年8月号 連結ベースでみた県内上場製造企業の2000年3月期決算
- 要約
- 1.神奈川県内の上場製造企業58社について、新しい会計基準の下で発表された2000年3月期の連結決算を集計した結果によると、減収傾向が続くなかで3年ぶりの経常増益に転じたことが確認できた。また、経常増益率が単独ベースの数字を上回るなど、親会社の業績が回復するとともに子会社など連結対象企業についてもグループ全体の収益増加に貢献していることがわかった。
2.ただ、2000年度から適用が始まる退職給付会計など新会計基準への対応を多くの企業が前倒しで実施したために特別損失が大きく膨らんだ結果、経常増益にもかかわらず当期純利益は赤字幅が拡大している。
3.減収ながら経常増益となった要因として、(1)損益分岐点分析によって、既往リストラによる固定費削減の効果が確認されたほか、(2)セグメント情報から海外の連結対象企業が増益に寄与したことを把握できた。また、(3)個社別にみると、IT関連企業の好調が続くとともに、不振企業の業績悪化に歯止めがかかり、58社全体の利益を底上げしたことが明らかとなった。
4.各社の2000年度業績見通しを集計した結果によると、3年ぶりに増収に転じるとともに、経常利益の増加傾向も続く見通しとなっている。損益分岐点分析を用いて行ったラフな試算によれば、58社合計で固定費の削減がなくても増益を達成できる見通しとなっており、全体としてみればリストラの動きはすでに峠を越したと考えられる。ただ、自動車・同部品を中心に収益見通しの達成に向けてさらに固定費削減が必要な企業もあるなど、一部でリストラ圧力はなお残存するとみられる。
- 1.神奈川県内の上場製造企業58社について、新しい会計基準の下で発表された2000年3月期の連結決算を集計した結果によると、減収傾向が続くなかで3年ぶりの経常増益に転じたことが確認できた。また、経常増益率が単独ベースの数字を上回るなど、親会社の業績が回復するとともに子会社など連結対象企業についてもグループ全体の収益増加に貢献していることがわかった。
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2000-09-01
神奈川・地域経済調査
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かながわ経済情報 : かながわ経済情報2000年9月号 今後10年間で倍増が見込まれる県内の住宅リフォーム市場
- 要約
- 1.わが国の住宅リフォーム市場は90年代を通じて拡大傾向をたどった。その背景には、70年代に大量に建築された住宅が築後20年を経てリフォームを必要とする時期を迎えたことなどがある。神奈川県内においても市場は拡大トレンドで推移しており、99年度時点の市場規模は約3千億円と住宅関連市場全体の15.7%を占めている。
2.そうした住宅リフォーム市場への企業の参入は70年代後半から始まったが、とりわけ90年代においてはフランチャイズ展開などのかたちで企業の取り組みが一段と積極化した。県内でも、過去10年間において企業の事業展開が最も目立った市場の一つとなっている。ただ、その裏返しとして最近では企業間の受注競争が激化している模様であり、事業の採算は一段と厳しくなっている。
3.今後10年程度の県内住宅リフォーム市場を展望すると、世帯数の増加ペースが鈍化することなどから新設住宅市場が縮小し、リフォームの対象となる住宅ストックの増加ペースも緩やかになる。しかし一方で、バブル期に大量供給され、これからリフォーム適齢期を迎える住宅が住宅ストックのなかで大きなウエイトを占めてくることなどから、リフォームを実施する住宅の割合は高まろう。その結果、県内の住宅リフォーム市場は2010年度に約7千億円と99年度の2.3倍に膨らむと見込まれる。
4.こうした市場の拡大を自社の業績に結びつけていくためには、地域の特性を把握し、そのうえで自社の強みが発揮できる分野を積極的にアピールしていくなどの営業展開を図っていくことが一層重要となる。とりわけ県内の場合には、マンションリフォームやバリアフリーなどの分野で市場の大幅な拡大が期待できるだけに、そうした工事の発生が見込まれる世帯への働きかけが有効であろう。
- 1.わが国の住宅リフォーム市場は90年代を通じて拡大傾向をたどった。その背景には、70年代に大量に建築された住宅が築後20年を経てリフォームを必要とする時期を迎えたことなどがある。神奈川県内においても市場は拡大トレンドで推移しており、99年度時点の市場規模は約3千億円と住宅関連市場全体の15.7%を占めている。
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2000-10-01
神奈川・地域経済調査
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かながわ経済情報 : かながわ経済情報2000年10月号 大店立地法施行がもたらした県内大型小売店の出店戦略への影響
- 要約
- 1.2000年6月1日、従来の大店法に代わり、新たに大店立地法が施行された。大店立地法は、大店法のように大規模小売店舗の出店を抑制したり、店舗面積の大きさなどに需給調整的な制限を課すものではなく、大型店の出店を前提にしたうえで周辺地域の生活環境を保持することに主眼が置かれている。
2.大店立地法で審査事項となる交通、騒音、廃棄物に関する数値基準を満たすことは、出店に伴う諸コストを引き上げる方向に働くと考えられる。小売業者は大店立地法下で見込まれるコストの上昇と手続きの煩わしさを避けるため、大店法下での出店を急ぎ、計画を前倒したとみられる。
3.そうした駆け込み出店の反動と小売業者の様子見が重なり、神奈川県内においても大店立地法の下での出店申請は施行後3か月を経た8月末時点でわずか2件にとどまっている。したがって、経過措置が終了する2001年2月以降、少なくとも1年近い出店空白期間が生じることが予想される。
4.新規出店に空白期間が生じることによる影響としては、既存店の販売不振を補ってきた新規開店効果がはく落することがあげられる。近年の大型店開店による販売額押し上げ効果は、県内の場合、年間で大型店販売額全体の4~6%程度、金額にして1~1.5千億円と推計される。これは県内でも有数の百貨店1店舗分の売上高が毎年増えている計算である。
5.県内の小売業界では当面、新規オープンといった話題もなく、盛り上がりを欠いた展開にとどまることが予想される。そうしたなかで、効果的なリニューアルなど既存店のテコ入れがより重要性を増してこよう。
- 1.2000年6月1日、従来の大店法に代わり、新たに大店立地法が施行された。大店立地法は、大店法のように大規模小売店舗の出店を抑制したり、店舗面積の大きさなどに需給調整的な制限を課すものではなく、大型店の出店を前提にしたうえで周辺地域の生活環境を保持することに主眼が置かれている。
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2000-11-01
神奈川・地域経済調査
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かながわ経済情報 : かながわ経済情報2000年11月号 拠点再編やリストラなど構造変化が進んだ90年代後半の県内製造業
- 要約
- 1.先頃まとまった事業所・企業統計調査の結果によれば、99年央時点での県内事業所数は30万6,258か所と前回調査(96年央)比年平均-1.5%となり、初めての減少となった。製造業の事業所(本社と工場の合計)が同-3.0%と90年代入り後減少傾向にあるうえ、増加を続けてきた非製造業も同-1.4%とマイナスに転じたためである。従業者数についても製造業で同-4.3%と大幅に減少し、非製造業も同-1.3%と減少に転じた。そして製造業での減少幅が非製造業のそれを上回った結果、全従業者に占める製造業のウエイトは20.8%と全国平均の21.3%を初めて下回った。
2.こうした背景には90年代後半の県内製造業を取り巻く環境が非常に厳しかったことがあげられよう。すなわち95年に急激に進展した円高を契機に生産拠点の海外移転が加速したほか、景気の低迷が長期化したなかで生産設備・雇用者数・債務の過剰が大きな負担となり、生き残りをかけたリストラが果断に行われたことを色濃く反映したものとみられる。たとえば、神奈川においては99年までの3年間で中小規模の事業所や本社以外の工場での廃業率が高かったほか、閉鎖に至らない事業所においても従業者数を47都道府県中最も大幅に削減している。
3.しかしながら一方で、神奈川においては製造業の事業所開業率が全国2番目の高さとなったことなど、明るさもみられる。また、民生用電気機械や電子計算機関連、光学機械、測定器などで開業率が高めであったことが、最近のIT関連主導の生産回復の素地となったと推察される。
4.今後も、県内製造業事業所の生産機能の縮小傾向は続くとみられる。ただ、すでに厚い集積を誇る研究開発拠点が効果的に機能するためには、試作などのモノづくりの先端を支える基盤が失われてはならない。苦しい状況を乗り越えてきた企業の活力発揮が期待されるとともに、近年充実してきた各種支援策などの実効性が今後の県内製造業の役割をより高めることにつながろう。
- 1.先頃まとまった事業所・企業統計調査の結果によれば、99年央時点での県内事業所数は30万6,258か所と前回調査(96年央)比年平均-1.5%となり、初めての減少となった。製造業の事業所(本社と工場の合計)が同-3.0%と90年代入り後減少傾向にあるうえ、増加を続けてきた非製造業も同-1.4%とマイナスに転じたためである。従業者数についても製造業で同-4.3%と大幅に減少し、非製造業も同-1.3%と減少に転じた。そして製造業での減少幅が非製造業のそれを上回った結果、全従業者に占める製造業のウエイトは20.8%と全国平均の21.3%を初めて下回った。
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2000-12-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2000年12月号 景気低迷の影響で拡大が止まった90年代終盤の県内サービス業
- 要約
- 1.総務庁「平成11年事業所・企業統計」によると、神奈川県内における非製造業の事業所数と従業者数はともに前回(96年)調査比年平均1.4%減と初めての減少となった。産業別にみると、建設業の事業所数と従業者数が前回調査の大幅増から減少に転じたほか、運輸・通信業や商業では事業所数がそれまでの横ばいから減少に転じ、前回調査で急増した従業者数も今回は減少した。また、今回の調査ではサービス業も事業所数と従業者数が初めて減少している。
2.サービス業の事業所数の動きについて業種をさらに細かくみると、対個人サービス業では生活関連や趣味・娯楽関連、子供向け教育ビジネスなどの業種で減少が目立つ反面、医療や福祉関連の業種では増加している。生活関連などの業種で事業所数が減少した背景には、家計や企業のサービス支出が減少したことや、少子化の進展があると考えられる。一方、医療や福祉関連の業種で増加がみられた背景には、高齢化の進展や消費者の「健康」や「癒し」に対する欲求の高まりがある。
3.一方の対事業所サービス業では、土木建築サービス業などで事業所数が減少する反面で、アウトソーシング関連の業種やソフトウェア業などでは事業所数が増加を続けている。土木建築サービス業で減少がみられたのは建設投資が低迷しているためであり、また、アウトソーシング関連やソフトウェア業で増加がみられたのは企業が企業外の労働力を一層活用するようになっていることや情報化投資が再び盛り上がったためであると考えられる。
4.以上をまとめると、90年代終盤に県内サービス業の拡大が止まったのは、家計などの支出の減少や建設投資の低迷といった景気悪化によるマイナス要因が、消費形態の多様化や社会経済の構造変化によって新たなニーズが生まれるというプラス要因を上回って現れたためであると考えられる。この点、景気低迷下においても医療・福祉関連やソフトウェア業などの業種が拡大を続けていることが注目される。今後、県経済が発展していくためには、消費ニーズの多様化やビジネスニーズの高度化に対応したニュービジネスの活力により、サービス業が発展することが不可欠である。
- 1.総務庁「平成11年事業所・企業統計」によると、神奈川県内における非製造業の事業所数と従業者数はともに前回(96年)調査比年平均1.4%減と初めての減少となった。産業別にみると、建設業の事業所数と従業者数が前回調査の大幅増から減少に転じたほか、運輸・通信業や商業では事業所数がそれまでの横ばいから減少に転じ、前回調査で急増した従業者数も今回は減少した。また、今回の調査ではサービス業も事業所数と従業者数が初めて減少している。
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2001-01-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2001年1月号 神奈川県内経済の見通し2001年度
- 要約
- 1.2000年度の神奈川県内景気は、アジア向け輸出の拡大などを背景に製造業の生産活動の水準が高まるとともに、リストラ効果により企業収益の回復が鮮明となるなど、企業部門を中心とした回復の姿が定着した。ただ、夏場以降は需要拡大のテンポが鈍り、回復の動きはやや足踏みとなっている。
2.2001年度を展望すると、県内民需の回復力が総じてぜい弱なものにとどまり、成長率の低下は避けられないとみられる。もっとも、IT関連財に対する需要の堅調な伸びが引き続き期待できること、雇用・所得環境が企業収益の回復継続によって改善に向かうことなどから、自律回復の動きは持続すると考えられる。
3.2000年度の実質県内総生産の成長率は+2.2%と、99年度の+1.7%(県速報値)と比べて伸びが高まり、2年連続のプラス成長を果たす。また、2001年度には+1.8%と幾分伸びが鈍化するものの、年度下期には再び巡航速度に戻ると予想される。21世紀初めの年において、県内経済はどうやらプラス成長でスタートを切ることができそうである。
- 1.2000年度の神奈川県内景気は、アジア向け輸出の拡大などを背景に製造業の生産活動の水準が高まるとともに、リストラ効果により企業収益の回復が鮮明となるなど、企業部門を中心とした回復の姿が定着した。ただ、夏場以降は需要拡大のテンポが鈍り、回復の動きはやや足踏みとなっている。
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2001-02-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2001年2月号 姿が見えてきた京浜臨海部の活性化策
- 要約
- 1.神奈川県の京浜臨海部は、工場数、従業者数が県全体の1割強、また工場敷地面積は3分の1のシェアを占めるなど、素材、エネルギー、機械関連を中心に厚い工業集積がみられる。
2.ただ長い目でみると、臨海部の工業集積は減退基調にある。その背景には、サービス化といった経済・産業構造の変容や円高の進展など製造業を取り巻く外部経済環境の変化に伴って生産機能見直しが進んだ一方、都市圏工業地帯に関わる工業制限諸規制が企業の事業再編への取り組みに対する重荷となったことがある。とくに90年代に入ると、不況の長期化もあいまって、立地産業の土地生産性が低下しており、遊休地の発生懸念が高まっている。
3.そうしたなか、近年では、工業等制限法の緩和が進むなど京浜臨海部の再編整備は、都市圏工業地域の活性化といういわば国家的プロジェクトとして位置づけられており、臨海部活性化は新たな段階に入ったとみられる。また、県や横浜・川崎両市の主導する事業の一部の具体化が進むなど京浜臨海部活性化の姿が目にみえるかたちで明らかになってきた。
4.京浜臨海部活性化の方向は、大きく産業機能の再編と雇用の創出、まちづくりの整備にわかれ、前者では研究開発や物流機能を重視した拠点型開発、また後者では東海道貨物支線の貨客併用化等の交通基盤の整備やファクトリーパークの建設などによる住工共生をめざした街づくりが指向されている。
5.今後の臨海部活性化を促進するうえでは、(1)民間企業の土地利用を促す国家的見地からのインセンティブの付与、(2)グローバルな視点からの再開発計画の策定、(3)地域の住民に愛される地域づくり、といった観点が重要となろう。
- 1.神奈川県の京浜臨海部は、工場数、従業者数が県全体の1割強、また工場敷地面積は3分の1のシェアを占めるなど、素材、エネルギー、機械関連を中心に厚い工業集積がみられる。
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2001-03-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2001年3月号 住宅ローンの増大が重荷となり低迷を続けた90年代の県内家計消費
- 要約
- 1.今後の神奈川県内景気を展望するうえで家計消費の持ち直しが待望される。しかし、最近の状況をみると、家計消費の足どりは依然として鈍い。この背景には厳しい雇用・所得環境が続いているうえ、90年代以降に県内家計の平均消費性向が大幅に低下したことがある。
2.家計全体としてとらえた平均消費性向が低下した原因としては、(1)相対的に平均消費性向が低い世帯主年齢50歳代以上の世帯ウエイトが高まったことと、(2)40歳代以下の世帯の平均消費性向が低下したことの2つがあげられる。このうち(1)の世帯ウエイトの変化については、神奈川の場合、全国とは違って50歳代前半で平均消費性向が下がらないため、90年代はむしろ家計全体の平均消費性向を押し上げる方向に影響した。
3.一方、(2)の要因については、県内家計全体の平均消費性向を大幅に押し下げている。40歳代以下の世帯の平均消費性向が低下したのは、この年齢層ではバブル崩壊後に多額の住宅ローンを抱える世帯が増えたことを背景に、住宅ローン返済負担が増大したり、貯蓄不足感が高まるなど、経済的な面でのゆとりがなくなってきたためと考えられる。
4.今後10年程度を展望すると、(1)相対的に平均消費性向が高い若年層のウエイトが低くなることや、(2)多額の住宅ローンを抱えた世帯では長期間にわたって平均消費性向が回復しないことなどから、県内家計全体の平均消費性向が一段と低下すると予想される。今後は経済的ゆとりがなくなった世帯の将来不安を少しでも取り除くべく、家計収入を中長期的に安定させるための取り組みを急ぐ必要があろう。
- 1.今後の神奈川県内景気を展望するうえで家計消費の持ち直しが待望される。しかし、最近の状況をみると、家計消費の足どりは依然として鈍い。この背景には厳しい雇用・所得環境が続いているうえ、90年代以降に県内家計の平均消費性向が大幅に低下したことがある。
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2001-04-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2001年4月号 産業構造の大幅な転換に直面する近郊工業都市・藤沢
- 要約
- 1.藤沢市は東京からおよそ50kmに位置し、製造業を基盤産業とする代表的な近郊工業都市である。同市の2000年における市内総生産は1兆6千億円(当社推定)に上っており、経済規模では神奈川県下19市の中で4番目に大きい。大都市近郊の工業都市に共通した現象として、円高不況に見舞われた80年代半ば以降90年代にかけて製造業の空洞化が顕著にみられたが、藤沢市は同期間中の産業構造の変化が県内で最も大きかった。
2.藤沢市の産業構造が大きく変化するなかでみられた特徴的な動きとしては、(1)工業生産力のすう勢的な減退、(2)新設着工における持家系住宅の比重の高まり、(3)生活関連産業の充足の3点があげられる。まず、(1)については、従来の量産工場を研究開発機能に特化させたり、物流拠点として再生させるなど生産機能を縮小する方向でその役割を見直していることが背景にある。
3.(2)については、企業のリストラに伴い放出された事業用地がマンション建設用地の供給源となったことなどを背景に市内の住宅建設が活発化するなかで、従来よりも定住志向の強い住民が増加していることを示唆する。また、(3)については、市内北部を中心に人口流入が続いていることに対応する格好で生活関連産業の集積が進んだことを示している。
4.そうしたなか、自治体の産業振興策も従来の生産者向きのものから生活者サイドに立ったものへと軸足が移ってきた。また、企業経営の立場からみると、住民の定住志向の強まりに対応して、これまで以上に地域に根差したマーケティング活動が重要であり、具体的な方策としては顧客の囲い込み戦略が有効かつ生き残りのカギとなろう。
- 1.藤沢市は東京からおよそ50kmに位置し、製造業を基盤産業とする代表的な近郊工業都市である。同市の2000年における市内総生産は1兆6千億円(当社推定)に上っており、経済規模では神奈川県下19市の中で4番目に大きい。大都市近郊の工業都市に共通した現象として、円高不況に見舞われた80年代半ば以降90年代にかけて製造業の空洞化が顕著にみられたが、藤沢市は同期間中の産業構造の変化が県内で最も大きかった。
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2001-05-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2001年5月号 制度改革が進展するなかで変革を迫られる病院経営
- 要約
- 1.低成長下にもかかわらずわが国の医療費は増加傾向を続けており、98年度の国民医療費は前年比2.6%増加して29.8兆円となった。当社の試算によれば同年の神奈川県民医療費は1.6兆円となり、その規模は現状の医療制度を前提とすれば高齢化の進展を背景に今後も着実に増加し、2010年には2.5兆円、2020年には3.4兆円に達する。その半面で国や各種保険組合の負担は増加しており、これまで有効に機能してきたわが国の医療制度は改革を迫られている。
2.このように医療費が増加を続けているにもかかわらず、病院の経営状況は人件費や設備費負担が重いことなどから総じて厳しい。(1)1日あたりの患者数が多い半面、(2)病床利用率が低く、(3)病床あたり医師数や事務職員数が多いなどの特徴をもつ神奈川の病院経営も総じて苦しいと推察される。そうしたなか、医薬分業や業務の外部委託、各種制度の変更への対応など、病院経営をめぐる新たな動きが県内においても盛んにみられるようになっている。
3.今後については、医療制度改革が進展するなかで病院の経営環境はこれまで以上に厳しさを増してこよう。そうしたなか、医療サービスを利用者が納得して購入する体制づくりという視点が病院に求められるところであり、そのためにも、明確な経営ビジョンの策定や、質とコストを重視した医療サービス提供体制の整備などが必要である。
- 1.低成長下にもかかわらずわが国の医療費は増加傾向を続けており、98年度の国民医療費は前年比2.6%増加して29.8兆円となった。当社の試算によれば同年の神奈川県民医療費は1.6兆円となり、その規模は現状の医療制度を前提とすれば高齢化の進展を背景に今後も着実に増加し、2010年には2.5兆円、2020年には3.4兆円に達する。その半面で国や各種保険組合の負担は増加しており、これまで有効に機能してきたわが国の医療制度は改革を迫られている。
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2001-06-01
神奈川・地域経済調査
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かながわ経済情報 : かながわ経済情報2001年6月号 循環型社会の形成に向けて成長が期待される県内の静脈産業
- 要約
- 1.環境問題に対する関心や意識が高まるなか、その克服に向けての取り組みが活発化している。わが国では昨年から今年にかけて、経済社会のあり方を「循環型」へと転換していくための法律が相次いで施行された。これらの法律では、生産から廃棄に至る経済活動のあらゆる段階にわたって企業や消費者に環境負荷の低減に向けた役割分担を求めている。
2.こうしたなか、企業の対応も活発になっている。神奈川においても、自社の廃棄物や使用後の自社製品の再生・再資源化を進める動きが盛んになっている。他方で、それとともに資源の再生・再資源化自体を業とする静脈産業の業容も拡大しているとみられ、また最近では、新たな環境関連法の導入に合わせて静脈産業に新規参入する企業も目立ってきている。
3.県内において静脈産業が着実に育ちつつある背景としては、(1)静脈産業に携わる企業が効率的に多くの廃棄物を集めることができる、(2)同産業が事業用地や人員を確保するうえで、地元企業や自治体との調整が進みやすい環境がある、という2点において神奈川が恵まれた地域であることがあげられる。
4.このような地域の特徴を活かし、今後の県内静脈産業の成長を図るには、事業者や消費者によるリサイクルの達成状況に関する監視体制を強めることや、動脈産業にも目を配った産業振興策を展開することなどが課題となろう。
- 1.環境問題に対する関心や意識が高まるなか、その克服に向けての取り組みが活発化している。わが国では昨年から今年にかけて、経済社会のあり方を「循環型」へと転換していくための法律が相次いで施行された。これらの法律では、生産から廃棄に至る経済活動のあらゆる段階にわたって企業や消費者に環境負荷の低減に向けた役割分担を求めている。
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2001-07-01
神奈川・地域経済調査
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かながわ経済情報 : かながわ経済情報2001年7月号 開発プロジェクトをテコに産業の活性化を図る中核市・横須賀
- 要約
- 1.横須賀市は、東京から50㎞圏、横浜からは20㎞圏の三浦半島にある人口約43万人、面積約100k㎡の都市である。同市の市内総生産は1兆5千億円(当社推定、2000年)と、県下19市の中で5番目に大きい。また、産業構造上の特徴としては、造船や自動車といった製造業のイメージが強い地域であるが、県内の他都市と比べてそのシェアは必ずしも大きくなく、むしろサービス業や卸・小売業など第3次産業のシェアが大きい点があげられる。
2.横須賀の工業については、(1)工業製品出荷額が少数の大規模工場に集中している、(2)自動車を中心とした輸送機械が圧倒的なシェアを占める、という特徴がある。ただ、ここにきて関東自動車工業の深浦工場、日産自動車の久里浜工場と、市内メーカーでは生産拠点の閉鎖・再編の動きが相次いでいる。
3.他方、市内小売業の特徴としては、(1)1店舗あたりの規模が小さい、(2)設立年の古い店舗が多い、(3)市内中心部に商業集積が偏っている、(4)郊外部で大型店のシェアが高まっている、の4点をあげられる。この先、小売業者が生き残りを図るには、拡大する高齢者世帯の消費市場に焦点を合わせていくとともに、地理的な制約から商圏が狭いことを逆手にとってドミナント戦略を徹底するなど、売り方の点でも柔軟に工夫を凝らすことが重要であろう。
4.競争環境のグローバル化に伴い量産機能の首都圏立地がますます難しくなるなか、横須賀においては特定の企業に過度に依存した産業構造からの転換が急務である。そのためにも、造船、自動車に次ぐ新たな基幹産業を模索する動きは当面続くとみられる。この点、横須賀リサーチパークに代表されるような研究開発型企業の集積、ひいては、そうしたプロジェクトをテコにした市内企業の活性化効果に期待がかかっている。
- 1.横須賀市は、東京から50㎞圏、横浜からは20㎞圏の三浦半島にある人口約43万人、面積約100k㎡の都市である。同市の市内総生産は1兆5千億円(当社推定、2000年)と、県下19市の中で5番目に大きい。また、産業構造上の特徴としては、造船や自動車といった製造業のイメージが強い地域であるが、県内の他都市と比べてそのシェアは必ずしも大きくなく、むしろサービス業や卸・小売業など第3次産業のシェアが大きい点があげられる。
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2001-08-01
神奈川・地域経済調査
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かながわ経済情報 : かながわ経済情報2001年8月号 ブロードバンドの普及を契機にさらなる拡大が期待されるIT関連産業
- 要約
- 1.インターネットの利用人口が急増するとともに、DSLなどのブロードバンド接続が急速に普及するなどデータ伝送速度の高速化もめざましく、その結果やりとりされる情報量は飛躍的に増えている。神奈川においても情報化の進展は著しく、家庭関連の情報化指標をもとに都道府県別の情報化度を試算したところ、神奈川は東京に次いで2番目の先進県であるとの結果を得た。
2.情報化の進展を支えるIT関連市場も拡大しており、2000年にはパソコンなどのプロダクツ市場が前年比+39.7%、ネットワークサービスなどのサービス市場が同+26.7%、家庭用ゲームソフトやDVDソフトなどのコンテンツ市場が同+8.4%となり、あわせてほぼ10兆円の市場規模となった。
3.県内におけるそれぞれの市場動向をみると、コンテンツ企業の集積は薄いものの、プロダクツ市場は2000年に急拡大し、サービス市場もCATVインターネットやDSL加入者数の急増により急速に拡大している。ただ、2001年には米国経済の減速を背景にIT生産は頭打ちとなり、サービス市場も低価格化による競争の激化がみられはじめた。
4.ブロードバンドの普及によりインターネットを用いた映像配信などが実用化されつつあり、当面はコンテンツ配信を巡るビジネスモデルの構築に向けた試行錯誤が続くとみられる。高品質な魅力あるコンテンツほど容量が大きくなるだけに、伝送速度のさらなる高速化を実現するサービスや機器の生産が不可欠であり、3つの市場の三位一体となった拡大が期待される。
- 1.インターネットの利用人口が急増するとともに、DSLなどのブロードバンド接続が急速に普及するなどデータ伝送速度の高速化もめざましく、その結果やりとりされる情報量は飛躍的に増えている。神奈川においても情報化の進展は著しく、家庭関連の情報化指標をもとに都道府県別の情報化度を試算したところ、神奈川は東京に次いで2番目の先進県であるとの結果を得た。
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2001-09-01
神奈川・地域経済調査
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かながわ経済情報 : かながわ経済情報2001年9月号 成長会計からみたバブル崩壊以降の製造業低迷の背景
- 要約
- 1.製造業の中長期的な付加価値の成長は、最も基本的な生産要素である労働、資本の投入量の増加、そしてイノベーションなどによる生産性の向上によってもたらされる。80年代まではこれら3つの要因がいずれも高い伸びで推移し、製造業の高成長を支えてきた。
2.しかし90年代に入ると、労働投入量は、海外への生産拠点シフトなどを背景に国内で過剰雇用が発生したため減少傾向をたどるようになった。また、資本ストック投入量も、バブル期の過剰投資で積み上がった設備の調整が長引きマイナスの伸びに転じている。
3.生産要素投入の現象が続くなかで、製造業の持続的な成長を可能にするのは生産性の上昇である。成長会計の手法により生産性を表すTFPを計測したところ、その伸びは90年代に入って鈍化していることが分かった。
4.製造業全体では生産性が伸び悩んでいるものの、業種別・地域別にTFPを計測すると、業種別には情報化投資が活発化している電気機械、地域別には大都市圏に比べて新規投資がおう盛な九州や東北などの地方圏において90年代に入ってからもTFP上昇率が高まっていることが確認できた。
5.こうしたTFPの計測結果から判断すると、製造業が生産性上昇率を高めるには、質の高い新規投資を積極的に実施していくことが有効である。ただし、生産性上昇によって生産能力を拡大しても、需要が同時に拡大しても、需要が同時に拡大しなければ、受給ギャップが開き業績がさらに悪化することにもなりかねない。需要の拡大を伴いながら生産応力を高めるには、生産性の上昇を生産工程の効率化によって実現するとともに、需要を喚起するような付加価値の高い新製品の開発によって達成することが望ましい。
- 1.製造業の中長期的な付加価値の成長は、最も基本的な生産要素である労働、資本の投入量の増加、そしてイノベーションなどによる生産性の向上によってもたらされる。80年代まではこれら3つの要因がいずれも高い伸びで推移し、製造業の高成長を支えてきた。
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2001-10-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2001年10月号 ファミリー・高齢者向け供給の促進が望まれる今後の県内賃貸住宅市場
- 要約
- 1.これまで神奈川県内の賃貸住宅市場は、人口の社会増の増減による影響を強く受けてきた。しかし、80年代終盤から90年代序盤にかけての期間は県内への人口流入が急減する一方で貸家建築が高水準で推移したため、90年代中盤に県内賃貸住宅市場は供給過剰状態に陥った。その後、県内の貸家建築は大幅に抑制されたが、供給過剰状態は最近になっても払しょくされていない。
2.また、県内において賃貸住宅市場の供給過剰状態が長期化している背景として、90年代半ば以降に持家系住宅への住宅需要のシフトが進んだこともあげられる。20歳前後人口の減少などを背景に親元から賃貸住宅に住み替える動きが鈍る一方で、バブル崩壊以降、価格などの面で持家系住宅の取得環境が大幅に改善したことから、賃貸居住世帯による住宅取得の動きが強まった。
3.今後を展望すると、県内の賃貸住宅需要は当面拡大を続けると見込まれる。ただし、ファミリー層や高齢者層の需要拡大が見込まれるなど賃貸住宅に入居する世帯の属性が大きく変化することが予想され、賃貸オーナーをはじめとする供給サイドがそうした需要構造の変化に対応していくことが重要となる。
4.最近では、定期借家権制度が導入されたり高齢者の賃貸入居を支援する制度が設けられるなど政策面においても様々な対応がとられてきている。今後、賃貸オーナーなどがこうした制度を積極的に利用することにより、ファミリー向けや高齢者向けの賃貸住宅供給が一層促進されることが望まれる
- 1.これまで神奈川県内の賃貸住宅市場は、人口の社会増の増減による影響を強く受けてきた。しかし、80年代終盤から90年代序盤にかけての期間は県内への人口流入が急減する一方で貸家建築が高水準で推移したため、90年代中盤に県内賃貸住宅市場は供給過剰状態に陥った。その後、県内の貸家建築は大幅に抑制されたが、供給過剰状態は最近になっても払しょくされていない。
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2001-11-01
神奈川・地域経済調査
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かながわ経済情報 : かながわ経済情報2001年11月号 東京大都市圏における周辺都市の比較(前編)
- 要約
- 1.近隣の市町村に対して就業機会を提供する都市を中心市と定義したうえで、特別区部を除く一都三県の都市の中から抽出を試みたところ、神奈川8、東京3、埼玉7、千葉9の合計27都市が選ばれた。これらの中心市には、業務核都市の大半が含まれており、その多くが特別区部の10%通勤圏でもある。
2.また、90年から95年にかけての一都三県における就業機会の創出に寄与したのは、特別区部における就業人口の増加が目立った80年代とは一変して、上であげた中心市である。もっとも、都市の機能別に中心市の就業人口をとらえると、業務機能、商業・サービス機能に関わる就業人口は引き続き増加しているものの、生産機能についてはわずかながら減少に転じている。
3.生産機能という側面から中心市の特徴をみると、1.製造品出荷額等の上位を神奈川県内の都市が占める、2.神奈川の工業都市が大企業立地型である、3.素材型業種が多い臨海部で従業者数の減少が顕著である半面、加工組立型の集積が厚い内陸部で比較的堅調である、の3点を指摘できる。
4.80年代半ばの円高不況以来、製造業における就業人口の減少傾向は続いているものの、職業別に内訳をみると、技能工が減るかたわらで専門的職種が増えている都市もあり、この間、製造業内部での機能転換が進展した状況がうかがえる。また、そうした傾向が色濃い都市の顔ぶれをみると、幸区や中原区、相模原市など神奈川県内の都市が目立っている。すなわち、生産拠点の役割を見直す際に、機能転換を進める動きが神奈川に立地する製造企業において顕著であったことを示していよう。
- 1.近隣の市町村に対して就業機会を提供する都市を中心市と定義したうえで、特別区部を除く一都三県の都市の中から抽出を試みたところ、神奈川8、東京3、埼玉7、千葉9の合計27都市が選ばれた。これらの中心市には、業務核都市の大半が含まれており、その多くが特別区部の10%通勤圏でもある。
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2001-12-01
神奈川・地域経済調査
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かながわ経済情報 : かながわ経済情報2001年12月号 東京大都市圏における周辺都市の比較(後編)
- 要約
- 1.1990年代入り後の東京大都市圏において、就業機会創出の主役が変化している。すなわち、地域別には東京の都心エリアからその周辺に位置する中心市へ、また、都市機能別には生産機能から業務機能や商業・サービス機能へと重心が移っている。ただ、神奈川の中心市においては、すでにそうした機能の集積が進んでいることなどから、変化のスピードという点で他県と比べて緩やかである。
2.そうした結果、東京都心部への一極集中傾向には歯止めがかかっている。しかしながら、なお都心エリアに業務機能が集中していることを反映して、中心市の多くは業務機能と比べて商業・サービス機能の比重が大きい。神奈川の場合、他県に比べ業務系の集積が厚く、またその中でも事務職や管理職ではなく、研究者などを含む専門・技術職の比重が大きいという特色がある。
3.次に、商業機能について中心市の別にみると、横浜市は小売販売額の規模、売場効率、拠点性いずれの面においても高水準であり、中心市の中でも商業集積の厚さが際立っている。このほか柏市、立川市、藤沢市、さいたま市など大手百貨店の立地する都市では総じて商業機能が高い。なお、川崎市や横須賀市は売場効率が高いうえ、規模も大きいものの、特別区部や横浜市と競合するため、拠点性が低位にとどまっている。
4.周辺の市町村から多くの就業人口を引き寄せているのは、中心市の中でもとくに横浜市やさいたま市、千葉市の県庁所在市である。これらは、業務など諸機能の集積がすでに厚い都市であるうえに、業務核都市としての政策的な後押しもあってさらに集積が進展しており、東京大都市圏の周辺都市における新たな一極集中問題という見方もできよう。
- 1.1990年代入り後の東京大都市圏において、就業機会創出の主役が変化している。すなわち、地域別には東京の都心エリアからその周辺に位置する中心市へ、また、都市機能別には生産機能から業務機能や商業・サービス機能へと重心が移っている。ただ、神奈川の中心市においては、すでにそうした機能の集積が進んでいることなどから、変化のスピードという点で他県と比べて緩やかである。
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2002-01-01
神奈川・地域経済調査
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かながわ経済情報 : かながわ経済情報2002年1月号 2002年度の神奈川県内経済の見通し
- 要約
- 1.2001年の神奈川県内景気は、年央まで浮揚感が残った結果、下降局面入りは全国に比べ若干遅れたが、夏場以降は全国の後を追って減退基調が明瞭になった。生産の抑制が進んだ結果、現状、企業が感じる在庫の過剰感にも天井感が出てきたが、他方で求職者数の増勢が強まるなど労働需給の緩和が目立ち始めており、景気の局面は在庫調整から雇用調整へと進んでいる。
2.2002年度の神奈川県経済は、構造改革の進展下で厳しい雇用・所得環境が続くことから、家計消費は低調に推移するとみられる。また近時の企業業績の悪化を反映して設備投資も落ち込むなど県内の最終需要は減退基調をたどろう。年度末にむけて、米国経済の底入れを受けた輸出の持ち直しを契機に明るい兆しが見え始めるものの、景気の回復軌道が明瞭になるのは翌年度になると見込まれる。
3.以上のような県内経済の勢いを県内総支出の伸びで示すと、2001年度が前年比-2.2%、2002年度も同-1.0%とマイナス成長が続くと予測した。マクロベースのパフォーマンスはこのように厳しいものの、近年では、ミクロレベルでの新技術や新事業への取り組みが徐々に成果をあげている例も目立ってきている。景気拡張局面への転換はそうした供給サイドの諸々の事業革新が呼び水になることが期待され、新年度はそうした取り組みが一段と進む、新しい成長に向けた地固めの年となろう。
- 1.2001年の神奈川県内景気は、年央まで浮揚感が残った結果、下降局面入りは全国に比べ若干遅れたが、夏場以降は全国の後を追って減退基調が明瞭になった。生産の抑制が進んだ結果、現状、企業が感じる在庫の過剰感にも天井感が出てきたが、他方で求職者数の増勢が強まるなど労働需給の緩和が目立ち始めており、景気の局面は在庫調整から雇用調整へと進んでいる。
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2002-02-01
神奈川・地域経済調査
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かながわ経済情報 : かながわ経済情報2002年2月号 一部に明るさが見え始めた百貨店業界
- 要約
- 1.個人消費の低調が続くなかで、総じて小売業の業況は厳しい。なかでも百貨店の苦戦は際立っており、2001年の年間売上高は9.6兆円と88年依頼の10兆円割れとなり、ピークであった91年に比べ2割以上減少した。神奈川の百貨店については90年代に集積の厚みを増すなかで、東京への購買力流出に歯止めがかかってきたものの、売上高は減少傾向にあり、2001年は7,058億円とピーク比(91年)11.1%低下している。
2.しかしながら、これまでの売場改革への取り組みが奏功し、2001年には売上高に持ち直しの動きがみられるようになった。商品別にはブランド品販売の好調なバッグや靴、アクセサリーを含む身の回り品や、「デパ地下」といわれる食料品売り場のにぎわいに象徴されるようように食料品が売上高を伸ばしている。実際、2001年に増収となった首都圏の店舗を見ると、海外有名ブランドの強化や食品売り場の改装等により集客力を増した例が多く見受けられる。
3.加えて、人件費や物流費などのコスト削減効果により利益面も持ち直してきた。上場および店頭公開している百貨店(18社、単独ベース)の営業利益は、2000年度に前年比20.4%増となったのに続き2001年度も増益となる見込みである。
4.このように百貨店の業況に持ち直しがみられる背後で、激しい店舗間競争の結果、閉店に追い込まれる店舗が増加している。すなわち、「復活した」百貨店はこれまでの競争に勝ち残った百貨店といえよう。今後を展望すると、首都圏における百貨店売上高の拡大が見込めないことや、他業態との競争もさらに厳しさを増すことが想定されるため、各店にはこれまで以上に独自性が求められるほか、売場改革やコスト削減を進めることが必要だ。
- 1.個人消費の低調が続くなかで、総じて小売業の業況は厳しい。なかでも百貨店の苦戦は際立っており、2001年の年間売上高は9.6兆円と88年依頼の10兆円割れとなり、ピークであった91年に比べ2割以上減少した。神奈川の百貨店については90年代に集積の厚みを増すなかで、東京への購買力流出に歯止めがかかってきたものの、売上高は減少傾向にあり、2001年は7,058億円とピーク比(91年)11.1%低下している。
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2002-03-01
神奈川・地域経済調査
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かながわ経済情報 : かながわ経済情報2002年3月号 起業支援により活力維持を目指す業務核都市・相模原
- 要約
- 1.相模原市は高度成長期以降に急成長した新興の工業都市である。市内総生産は2兆1千億円(当社推計、2000年)と、県下19市の中では横浜、川崎に次いで3番目に大きい。同市は県下でも都市化の波が比較的後になって訪れた地域であり、市民の平均年齢は2000年10月時点で38.3歳と、厚木市の37.8歳に次いで県下で2番目に若いという特徴がある。
2.同市の産業構造をみると、製造業が今なお重要な地位を占めている。その特徴として、(1)業種構成の点で電気機械、一般機械のシェアが大きいものの、比較的偏りが小さいこと、(2)県内他都市と比べて90年代入り後の出荷額の落ち込みが小さいこと、(3)中小・零細規模の工場群が厚みをもって集積していること、を指摘できる。
3.他方、市内小売業については、(1)核となる突出した商業集積地がないものの、(2)90年代入り後国道16号線沿いのロードサイドを中心に進出した大型店が目立っている。ただ、(3)1店舗あたりの売場面積が大型化するかたわらで売場面積あたりの販売額で示される売場効率には改善がみられない。
4.相模原においては、開業率の高さに象徴されるように市域企業の若さも特徴のひとつであり、さらに、自治体と地元企業とが一丸となって起業支援に力を注いでいる。地域経済・産業が活力を維持し、今後とも成長を遂げるためには、そうした若い力が源泉となることが期待されよう。
- 1.相模原市は高度成長期以降に急成長した新興の工業都市である。市内総生産は2兆1千億円(当社推計、2000年)と、県下19市の中では横浜、川崎に次いで3番目に大きい。同市は県下でも都市化の波が比較的後になって訪れた地域であり、市民の平均年齢は2000年10月時点で38.3歳と、厚木市の37.8歳に次いで県下で2番目に若いという特徴がある。
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2002-04-01
神奈川・地域経済調査
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かながわ経済情報 : かながわ経済情報2002年4月号 競争力維持のため生産機能のアジア移転を加速する電気機械産業
- 要約
- 1.わが国の電気機械産業は、80年代後半以降、厳しい国際競争に直面しており、AVやIT(情報技術)関連分野では製品価格の下落基調が鮮明となっている。各メーカーは価格が急低下するなかでも利益を出せるようにするため、80年代後半以降、生産拠点を生産コストの安い海外へとシフトしてきた。
2.生産拠点の海外移転は人件費負担の重いAV製品から始まったが、90年代後半以降は、市場シェアの確保をめぐってIT製品の価格競争が激化したことなどから同製品や部品の製造拠点も海外へのシフトが進むようになった。地域別には、人件費などの生産コストが国際的に割安なアジア地域への進出が圧倒的に多い。近年では、アジア地域のなかでもより安価な労働コストを求めてASEAN地域から中国へ拠点を移すメーカーが増えている。
3.製造拠点の海外シフトが進む傍ら、国内生産拠点の国際競争力は急速に弱まりつつある。労働コストの面から各国電機メーカーの相対的な競争力を比較すると、わが国では90年代以降、賃金の上昇や円高の進展が生産性の上昇を打ち消したことから、コスト競争力が大幅に低下している。
4.電気機械産業の生産拠点を国内に残すためには、生産性の改善により労働コストを大幅に引き下げる必要がある。1.為替レートが現状水準で推移、2.賃金上昇率も過去5年間の平均で推移するとの前提をおいたうえ、2010年までに85年当時のコスト競争力を回復するために必要な生産性上昇率を計算すると年率10.4%となる。今後、高度成長期に匹敵する高さの労働生産性上昇率を実現するには、研究・開発などにより一層の力を注ぎ、国内において生産する品目をより付加価値の高い分野にシフトしていくことが肝要である。
- 1.わが国の電気機械産業は、80年代後半以降、厳しい国際競争に直面しており、AVやIT(情報技術)関連分野では製品価格の下落基調が鮮明となっている。各メーカーは価格が急低下するなかでも利益を出せるようにするため、80年代後半以降、生産拠点を生産コストの安い海外へとシフトしてきた。
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2002-05-01
神奈川・地域経済調査
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かながわ経済情報 : かながわ経済情報2002年5月号 2000年国勢調査が示す神奈川の人口や就業状態の変化
- 要約
- 1.2000年に実施された国勢調査の結果が順次発表され、次のような神奈川県の人口や就業状態の概要が明らかになってきた。
2.まず、神奈川県の人口総数は、全国の6.7%にあたる849.0万人となった。95年調査と比べた増加率は3.0%となり、その前の5年間と比べて増勢は鈍ったものの、全都道府県中では3番目に高い成長となった。この間、横浜市都筑区や川崎市宮前区などでは、東京圏の他地域との比較においても高率の人口増がみられ、「人口の都心回帰」が県北東部で鮮明になっている。
3.人口の年齢構成という点からは、働き手世代である生産年齢人口(15~64歳)の伸び率が前回調査比+0.4%にとどまると同時に、65歳以上の老年人口が全国で2番目の高い伸び(+28.7%)となるなど、他の都市圏域と同様、地域の特性であった神奈川の「若さ」も急速に熟年化の度合いを増している。
4.就業状態に目を向けると、県民のうち働く意思を持つ労働力人口は、前回調査比で0.4%減となった。男女別には、男性で減少する一方、女性で増加と両者間の動きが相反するなかで、女性労働力率のM字カーブのフラット化が進んだ。また県民のうちで職に就いている就業者の数は、95年から2000年の間に0.7%減と労働力人口の減少率を上回った。製造業、建設業の減少が目立つ一方、サービス業での増勢が続くという業種別の増減格差に対応して、男性就業者数の減少、女性就業者数の増加という性別の方向感の違いが明らかになった。
5.最後に昼夜間の人口比をみると、90.1と5年前調査から0.7ポイント上昇した。これは、人口規模が大きい団塊ジュニア世代が就業する年齢となったため他都県への通学者が減少したことが主な上昇要因となった。一般的に昼夜間人口比の変動に大きな影響を与えることが多い就業者はほとんど変化がなかった。
- 1.2000年に実施された国勢調査の結果が順次発表され、次のような神奈川県の人口や就業状態の概要が明らかになってきた。
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2002-06-01
神奈川・地域経済調査
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かながわ経済情報 : かながわ経済情報2002年6月号 少子高齢化の進むなか2015年頃にピークを打つ神奈川の人口
- 要約
- 1.国立社会保障・人口問題研究所の予測によると、わが国の人口は2006年をピークに減少過程に入る。神奈川においてもピークの時期は2015年頃と後にずれるものの、2010年代後半には人口減少局面を迎える。
2.県内人口を年代別に予測したところ、高齢者が急ピッチで増加するほか、団塊ジュニア世代の比重が大きいという特色を反映して、今後10年程度は40代人口が急増し、またその子供に当たる10代人口もこれまでの急減から微増に転じるという結果を得た。
3.県内世帯数については、高齢者夫婦や高齢者単身世帯が急増することから、今後20年程度は増勢を維持し、2020年には373万世帯に達する。ただ世帯の小家族化が進むため、県内家計消費総額は緩やかな増勢から2010年代には頭打ちとなろう。内訳をみると、少子化の進展を背景に教育費の減少が続く反面、世帯数の増加を映じて教養娯楽費や住居費などは増勢を維持する。
4.このように今後の県内家計消費は頭打ちから減勢が明らかになるものの、拡大するビジネスチャンスも想定できる。たとえば、今後10年を経ずに団塊世代が定年退職を迎えることなどから、日中に自宅付近で過ごす人の数は2000年からの10年間で3割増加する。今後、わが国経済が成熟度合いを増すなかで、個人向け製品やサービスを供給する事業者にとって、人口構成の変化への対応を先取りすることが新たな市場開拓のカギとなろう。
- 1.国立社会保障・人口問題研究所の予測によると、わが国の人口は2006年をピークに減少過程に入る。神奈川においてもピークの時期は2015年頃と後にずれるものの、2010年代後半には人口減少局面を迎える。
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2002-07-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2002年7月号 厳しさが続く神奈川県下の雇用情勢
- 要約
- 1.神奈川県下の雇用情勢は2001年度下期以降急ピッチで悪化した。悪化の内容を子細にみると、(1)製造業からの離職者が急増している、(2)性別には男性、年齢階級別には若年層と中高年層で増えているという特徴がある。ただ、(3)若年層では自己都合、中高年層では事業主都合による離職者がそれぞれ多いという違いがある。
2.また、(1)年齢、(2)職種、(3)賃金の3つの側面においてミスマッチが発生していることから、この先景気が順調に回復軌道をたどったとしても、雇用情勢の改善テンポは緩やかなものにとどまらざるを得ないと考えられる。
3.そうした状況下、政府はセーフティネットを中心とした雇用対策を矢継ぎ早に打ち出している。2001年度の第1次補正予算では緊急地域雇用創出特別交付金として3,500億円が計上され、これを振り分けられた地方自治体が緊急かつ臨時的な雇用創出を目的に、地域の実情に応じた事業を年明けから開始している。
4.もっとも、いかに眼前の状況が厳しくとも、中長期的に雇用創出を図るための取り組みを怠ってはならない。それぞれの自治体としては公共職業安定所や商工会議所などと協力して、まずは各地の雇用情勢の実態を的確に把握することが肝要であろう。そのうえで、具体的な雇用創出計画の策定を視野に入れつつ、人材育成と産業振興を着実に進めることが必要である。
- 1.神奈川県下の雇用情勢は2001年度下期以降急ピッチで悪化した。悪化の内容を子細にみると、(1)製造業からの離職者が急増している、(2)性別には男性、年齢階級別には若年層と中高年層で増えているという特徴がある。ただ、(3)若年層では自己都合、中高年層では事業主都合による離職者がそれぞれ多いという違いがある。
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2002-08-01
神奈川・地域経済調査
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かながわ経済情報 : かながわ経済情報2002年8月号 脱DRAMへの動きを加速し始めた国内半導体メーカー
- 要約
- 1.世界の半導体出荷額は持ち直しの動きが続いている。米国半導体工業会(SIA)によると、2002年1~3月期は7四半期ぶりに前期を上回り、4、5月もそれぞれ前月を上回る伸びが続いている。ただ、こうした動きは主に在庫調整の進展によるもので、大口需要先であるパソコン等の需要は依然として低迷していることから、回復力が乏しい状態となっている。
2.世界市場をリードしてきた日本の半導体メーカーは、90年代半ば以降低コストなどを武器に攻勢をかけるアジア企業にシェアを奪われている。加えて、2001年度決算においてDRAMの価格低迷などから大幅な赤字に陥ったことから、大手メーカーは抜本的な事業再編に取り組み始めた。
3.その一端がメモリー依存からの脱却を目指したMCU(マイクロコントローラ)への注力である。MCUは家電など広い分野で使われており、パソコンや通信関連への依存度が高いメモリーに比べて、安定的な収益を見込むことができる。
4.なかでも、注目を集めているのが自動車向け半導体である。自動車への電子部品の搭載拡大に加えて、ITS(高度道路交通システム)の普及により、これまで以上に高性能な半導体の需要増が見込めることなどがその理由であり、今後の市場拡大が期待されている。
- 1.世界の半導体出荷額は持ち直しの動きが続いている。米国半導体工業会(SIA)によると、2002年1~3月期は7四半期ぶりに前期を上回り、4、5月もそれぞれ前月を上回る伸びが続いている。ただ、こうした動きは主に在庫調整の進展によるもので、大口需要先であるパソコン等の需要は依然として低迷していることから、回復力が乏しい状態となっている。
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2002-09-01
神奈川・地域経済調査
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かながわ経済情報 : かながわ経済情報2002年9月号 規制緩和と企業のリストラ指向を追い風に成長する人材派遣業
- 要約
- 1.わが国の人材派遣業は、1986年の「労働者派遣法」施行以来、順調な拡大を遂げている。多くの企業のリストラ指向の下で非正規雇用が浸透するとともに、漸進的に派遣可能業種を拡げる形で規制緩和が進んできたことがその背景にある。厚生労働省のまとめによると、2000年度の人材派遣業の事業所数は1万か所、派遣労働者の総数は1,386千人、売上高は1兆7千億円に達している。
2.業界の調査によると、2001年以降、前年のITブームの反動で景気が冷え込む下で、短期派遣を中心に派遣労働者数は伸び率が大幅に鈍化した。また、競合激化の下で、派遣料金の下落傾向が目立ち始めた。
3.人材派遣業は売上高に占める利益率の割合が低く、安定した派遣者数の拡大が利益の確保のためには不可欠であり、その点、派遣業務の多様化による業容の拡大が期待されている。そうした多様化の方向性の一つは「新卒派遣」、「中高年派遣」といった年齢別の派遣業務であり、いま一つは「紹介予定派遣」に代表される人材派遣と人材紹介が複合した派遣サービスである。今後の人材派遣業界は、そうした2つの業務の方向性を軸に総合化と専門化の二極化が進むと考えられる。
- 1.わが国の人材派遣業は、1986年の「労働者派遣法」施行以来、順調な拡大を遂げている。多くの企業のリストラ指向の下で非正規雇用が浸透するとともに、漸進的に派遣可能業種を拡げる形で規制緩和が進んできたことがその背景にある。厚生労働省のまとめによると、2000年度の人材派遣業の事業所数は1万か所、派遣労働者の総数は1,386千人、売上高は1兆7千億円に達している。
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2002-10-01
神奈川・地域経済調査
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かながわ経済情報 : かながわ経済情報2002年10月号 近年における神奈川県内事業所数・従業員数の動向
- 要約
- 1.総務省「事業所・企業統計調査」の2001年調査結果(速報)が発表された。神奈川県内の事業所数、従業者数はともに47都道府県中4番目の規模であった。可住地面積あたりの事業所数は全国で3番目に高く、一方、居住人口比でみた従業者数は他の都市圏都府県と比べて見劣りしている。
2.今回調査で注目されるのは、47都道府県全てで事業所数が前回96年のレベルを下回ったことである。従業者数も前回調査比プラスであったのは、沖縄、滋賀の2県にとどまった。80年代に入ってから全国に比べ高めの伸びが続いた県内事業所数、従業者数も今回調査で減少に転じた。
3.県内産業別にみて、事業所数の減少に対するマイナスの寄与度が最も大きかったのは、卸売・小売業、飲食店で、従業者数においては製造業の減少寄与度が最大であった。他方、サービス業が主な産業で唯一増加したが、総数を押し上げるまでには至らなかった。
4.県内地域別には、サービス業立地の進んだ横浜市都筑区、川崎市麻生区など政令2市の北西部での増加が目立った。卸売・小売業、飲食店や製造業の減少が進んだ横浜市中区、南区といった地域で逆に事業所数、従業者数の減少が大きかった。
5.産業構成の上でサービス業の存在感は一段と高まった。従業者数の構成比でみて、サービス業は31.7%と最も大きな割合を占めるに至った。他方で製造業のウエイトは17.5%と20%を切った。
6.事業所数や従業者数の変動を法人関連取引推進の観点からみると、産業別、地域別の変化に即した営業戦略が重要さを増すと同時に、多様で小規模なサービス企業の増加を意識した効率的なアプローチが求められているといえる。
- 1.総務省「事業所・企業統計調査」の2001年調査結果(速報)が発表された。神奈川県内の事業所数、従業者数はともに47都道府県中4番目の規模であった。可住地面積あたりの事業所数は全国で3番目に高く、一方、居住人口比でみた従業者数は他の都市圏都府県と比べて見劣りしている。
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2002-11-01
神奈川・地域経済調査
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かながわ経済情報 : かながわ経済情報2002年11月号 スポーツを中心に停滞した近年の神奈川県民の余暇活動
- 要約
- 1.わが国余暇市場は1996年をピークに縮小が続いており、2001年も前年比2.3%減の83.1兆円とピーク時と比べて8.6%減少している。90年代後半における余暇市場縮小の主因は参加人口の減少と1回あたり平均費用の低下である。総じていえば、参加人口が増えている余暇種目ではプラス成長を維持している反面、参加人口が減少に転じた種目ではマイナス成長に転じたうえ、平均費用の低下が市場の縮小に拍車をかけたとみられる。
2.神奈川県においても余暇市場は90年代後半に縮小に転じている。96~2001年における余暇参加人口の動きをみると、(1)若者のスポーツ離れが目立つ、(2)ゴルフなど職場の人とのつきあい的色彩が濃い余暇活動の低下が顕著である、(3)高齢者の余暇活動は活発化しているなどの特徴がみられた。
3.2001年の余暇行動パターンを前提にして、2011年までの県内余暇参加人口を予測したところ、人口の増勢鈍化と少子高齢化の進展するなか、園芸・庭いじりや読書などの趣味娯楽や国内旅行などの旅行・行楽への参加人口は総じて堅調に推移する一方で、ボウリングやスキー・スノーボードなどスポーツ参加人口の減少が見込まれるとの結果を得た。ただ、マイナス成長が見込まれる種目であっても、マーケットの構造変化に対応した参加率アップ方策によりプラス成長に復することは十分可能である。潜在需要を掘り起こすためにはマーケットの変化を先取りする努力と創意工夫が今後一層重要となろう。
- 1.わが国余暇市場は1996年をピークに縮小が続いており、2001年も前年比2.3%減の83.1兆円とピーク時と比べて8.6%減少している。90年代後半における余暇市場縮小の主因は参加人口の減少と1回あたり平均費用の低下である。総じていえば、参加人口が増えている余暇種目ではプラス成長を維持している反面、参加人口が減少に転じた種目ではマイナス成長に転じたうえ、平均費用の低下が市場の縮小に拍車をかけたとみられる。
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2002-12-01
神奈川・地域経済調査
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かながわ経済情報 : かながわ経済情報2002年12月号 持家系住宅市場の落ち込みを加速する需要前倒しの反動
- 要約
- 1.昨年の終盤から神奈川県内における持家系住宅市場の冷え込みが鮮明となっている。この背景として、(1)県内世帯数の増勢鈍化により、県内の住宅需要に中長期的な縮小圧力がかかり続けていることと、(2)ここ1~2年は金融面や政策面において持家の建築や購入を後押しする力が弱まっていることのほか、(3)これまでの政府による住宅取得促進策を受けて、県内世帯が持家の建築や購入を前倒しで進めたことの反動が現れはじめていることが考えられる。
2.実際、県内世帯の持家率は1998年から2000年にかけて大幅に上昇しており、住宅取得促進税制が拡充されたこの間に県内世帯による持家の取得が急速に進んだことを示している。もっとも、持家率の変化をみるうえでは高齢化の進展や世代間の持家志向の違いがもたらす影響を取り除いてみる必要があり、そのための手段としてコウホート分析が考えられる。
3.そこで、持家率のデータにコウホート分析を施してみたところ、神奈川県の場合、時勢の変化による影響を示す「時代効果」は98年から2000年の間においても上昇を続けていたことがわかった。また、その「時代効果」を用いて住宅取得促進税制の拡充による需要前倒し分を試算したところ、99年と2000年の2年間で着工戸数の2.2か月分に相当する1万3千戸という結果を得た。
4.以上の試算結果を踏まえると、県内持家系住宅市場は今後しばらく厳しい展開が続くと予想される。とりわけ、需要が中長期的な縮小局面にあるなかでは、需要前倒しの反動減によるインパクトはひときわ大きなものとなる。このため、住宅の建築や販売を行っている企業には品質や価格面で競争力のある商品を提供していくことが一層強く求められることになろう。
- 1.昨年の終盤から神奈川県内における持家系住宅市場の冷え込みが鮮明となっている。この背景として、(1)県内世帯数の増勢鈍化により、県内の住宅需要に中長期的な縮小圧力がかかり続けていることと、(2)ここ1~2年は金融面や政策面において持家の建築や購入を後押しする力が弱まっていることのほか、(3)これまでの政府による住宅取得促進策を受けて、県内世帯が持家の建築や購入を前倒しで進めたことの反動が現れはじめていることが考えられる。
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2002-12-01
神奈川・地域経済調査
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かながわ経済情報 : かながわ経済情報2002年12月号 成長パターンの転換を迫られる県央の拠点都市・厚木
- 要約
- 1.厚木市は、生産や流通といった諸機能が集積する首都圏における拠点都市のひとつである。2000年時点の就従比は128.2%と、昼間の就業人口が夜間のそれを大きく上回っている。市内総生産は1兆1千億円(当社推計、2000年)に上り、人口では県内8位にとどまるものの、経済規模においては就従比の高さを反映して6位にまで浮上する。
2.同市の産業を概観すると、工業製品出荷額において首都圏有数の規模を誇る製造業だけでなく、大消費地に向けた流通基地としても重要な役割を担っているほか、研究開発拠点の一大集積地となっている。また、企業のこれまでの設備投資行動からは、量産から研究開発へと市内拠点の機能転換が図られた結果、空洞化の影響は軽微にとどまっている様子がうかがえる。
3.厚木における小売業の特徴としては、(1)周辺都市から購買力を吸収している、(2)設立年の新しい店舗が多い、(3)売場面積の小さい店舗の販売額シェアが比較的高い、の3点をあげることができる。近年の新規出店はロードサイドが主流であり、他方、本厚木駅周辺では大型店の撤退が相次いでいる。そのうえ、商店街もとくに駅から離れたところでは空き店舗が目立つなど、中心市街地の再生はまさに喫緊の課題となっている。
4.近年の人口の都心回帰現象によって人口流入のテンポが鈍化しており、従来の成長パターンが崩れ始めた。この先、高齢化のスピードが一気に加速する公算も大きく、その際には住民ニーズも大幅に変化することが予想される。企業も行政もそうした変化にいち早く対応することが肝要であろう。
- 1.厚木市は、生産や流通といった諸機能が集積する首都圏における拠点都市のひとつである。2000年時点の就従比は128.2%と、昼間の就業人口が夜間のそれを大きく上回っている。市内総生産は1兆1千億円(当社推計、2000年)に上り、人口では県内8位にとどまるものの、経済規模においては就従比の高さを反映して6位にまで浮上する。
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2003-01-01
神奈川・地域経済調査
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かながわ経済情報 : かながわ経済情報2003年1月号 2003年度の神奈川県内経済見通し
- 要約
- 1.2002年の神奈川県経済は、米国、アジア経済が輸出をけん引するとともに、工業生産に下げ止まり感が明らかになるなど、年初から緩やかな持ち直し傾向となった。もっとも、夏場以降は、米国経済の減速とともに輸出の増勢が鈍化し、また株価下落が続くなかで企業や家計の心理に陰りがみられるなど、横ばいから弱含み基調となっている。
2.2003年度の県内経済は、所得・雇用環境の一段の悪化が見込まれる下で、構造改革の推進に伴う先行き不透明感が消費マインドを湿らせることから、個人消費が減速し、年度初めは調整色が強まろう。もっとも、年度の下期に入ると、企業収益の改善を受けて設備投資が増加に転じるうえ、米国経済の回復とともに輸出も再び増勢となるなど、企業部門の活況が広がる形で緩やかな持ち直しに向かうとみられる。
3.以上の動きを県内総支出の伸び率で示すと、2001年度の実質県内総支出(実績見込み)は前年比-1.3%、続く2002年度(予測)は同+0.1%とわずかなプラス成長に転じるとみられる。さらに2003年度には、年度後半に改善方向に向かうとはいえ、年度始めの景気の出足が悪いことが響いて成長率は0.3%のマイナスと前年を若干下回る着地となると予測した。
- 1.2002年の神奈川県経済は、米国、アジア経済が輸出をけん引するとともに、工業生産に下げ止まり感が明らかになるなど、年初から緩やかな持ち直し傾向となった。もっとも、夏場以降は、米国経済の減速とともに輸出の増勢が鈍化し、また株価下落が続くなかで企業や家計の心理に陰りがみられるなど、横ばいから弱含み基調となっている。
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2003-02-01
神奈川・地域経済調査
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かながわ経済情報 : かながわ経済情報2003年2月号 所得が減少するなかで底堅く推移した家計部門の消費支出
- 要約
- 1.雇用・所得情勢が厳しさを増している。税務統計によると、2001年におけるわが国の給与所得者数は53百万人と前年より0.4%増加したものの、1人あたり平均給与が同1.5%減少した結果、給与総額は同1.2%減となった。続く2002年は給与所得者数が再び減少に転じたうえ、平均給与も減少が続いたとみられることから給与総額は5年連続でのマイナスとなった模様である。
2.それにもかかわらず、2002年の家計消費全体は堅調に推移した。たとえば、同年における世帯の消費水準は前年を上回ったとみられ、また品目別にも一部の奢侈品に動きが見られる。
3.このように家計消費が底堅かった要因としては(1)所得の伸びが低下するなかで消費水準を維持しようとする力(ラチェット効果)が働いたこと、(2)世帯数が増加を続けていること、(3)世帯全体のなかでウエイトを増している高齢者世帯の消費が堅調であったこと、があげられる。神奈川を含む大都市圏ではこうした要因の影響が国内他地域と比べて、比較的強かったと考えられる。
4.今後については、雇用・所得環境の悪化が見込まれることなどから勤労世帯の消費活動は弱含むものの、高齢者消費が下支えすることが期待される。しかしながら、中期的には高齢者層の資産分布の2極化が見込まれることや、社会保障制度などの改革が進むことなどから、足下では堅調な高齢者消費も抑制的な方向に進む可能性がある。
- 1.雇用・所得情勢が厳しさを増している。税務統計によると、2001年におけるわが国の給与所得者数は53百万人と前年より0.4%増加したものの、1人あたり平均給与が同1.5%減少した結果、給与総額は同1.2%減となった。続く2002年は給与所得者数が再び減少に転じたうえ、平均給与も減少が続いたとみられることから給与総額は5年連続でのマイナスとなった模様である。
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2003-03-01
神奈川・地域経済調査
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かながわ経済情報 : かながわ経済情報2003年3月号 1990年代後半に急上昇した一都三県における民営事業所の廃業率
- 要約
- 1.神奈川県を含む一都三県では、1990年代半ば以降、新規に開業する事業所の数が伸び悩むかたわらで廃業する事業所が急増している。そうした過程において、(1)店舗や工場が減少し、他方で専用施設が増加している、(2)本社等は開業がほとんどなく、一方的に廃業が増えている、(3)従業者について正社員を非正社員へ代替する動きが進んでいる、などの構造変化を伴いつつ就業機会は全体として縮小した。
2.事業所の形態別にとらえると、店舗等、事務所、工場等では事業所数・従業者数がともに純減となるなかで、病院や学校などの専用施設のみが増加に寄与したことがわかる。なお、工場等の男性従業者の減少がとりわけ神奈川県において顕著であることは特筆できよう。
3.事業所数・従業者数のいずれについても本社等の減少が目立ち、結果、雇用の受け皿として支店等の重要性が高まっている。また、正社員以外の就業形態をとる従業者が増えており、とくに女性の場合、一都三県全体で半数近くがパートタイマーなどの非正社員である。業種別には、小売業や飲食店、道路貨物運送業などを中心に正社員から非正社員への代替が進んでいる。
4.このようないくつかの構造変化は各地域の状況を直ちに一変するわけではないものの、かなりの確度の高さで先行きの方向性について示しているといえる。従来の延長線上から離れて、各地域の将来像を考えていくためには、じっくりと腰を据えて、そうした変化をとらえ直す取り組みが必要ではなかろうか。
- 1.神奈川県を含む一都三県では、1990年代半ば以降、新規に開業する事業所の数が伸び悩むかたわらで廃業する事業所が急増している。そうした過程において、(1)店舗や工場が減少し、他方で専用施設が増加している、(2)本社等は開業がほとんどなく、一方的に廃業が増えている、(3)従業者について正社員を非正社員へ代替する動きが進んでいる、などの構造変化を伴いつつ就業機会は全体として縮小した。
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2003-04-01
神奈川・地域経済調査
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かながわ経済情報 : かながわ経済情報2003年4月号 設備投資の長期低迷下で多様な業務への進出を急ぐリース業界
- 要約
- 1.1963年にわが国初のリース会社が誕生して以降、リース市場は飛躍的に拡大してきた。しかしバブル崩壊以降、設備投資が低迷していることなどを背景に、リース市場は90年代初頭以降、低調な動きとなっている。経済産業省の「特定サービス産業実態調査」によると2001年のリース年間契約高は2年連続で増加しているもののピーク時の水準には依然として到達していない。
2.近年、リースの取扱件数は増加傾向にある反面、取扱額の動きは一進一退となっている。ITの進展で情報関連機器のリース利用が高まる一方、製造業の空洞化などで産業機械や工作機械など1件当たりの金額の高い機器の利用が減少しつつあることがそうした二面性の背景にある。
3.そのようななか、リースに関連する投資税制の新設といった外的環境や競争激化による企業間のM&A、リース手段の多様化といった業界内の変化が注目されている。
- 1.1963年にわが国初のリース会社が誕生して以降、リース市場は飛躍的に拡大してきた。しかしバブル崩壊以降、設備投資が低迷していることなどを背景に、リース市場は90年代初頭以降、低調な動きとなっている。経済産業省の「特定サービス産業実態調査」によると2001年のリース年間契約高は2年連続で増加しているもののピーク時の水準には依然として到達していない。
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2003-05-01
神奈川・地域経済調査
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かながわ経済情報 : かながわ経済情報2003年5月号 今後一段の拡大が見込まれる県内オフィス床面積の需給ギャップ
- 要約
- 1.神奈川県内の賃貸オフィス市場ではこのところ市況が悪化する傾向にある。今年はとくに、2003年に東京都心部で大型オフィスビルのオープンが相次ぐ「2003年問題」と、団塊世代の定年退職により2010年を前にオフィス需要が減少する「2010年問題」に対する懸念が高まっていることもあり、今後の行方が注目される。
2.オフィス市場の動向について考えるためには、その前段階としてオフィス床面積の需給状況を把握しておく必要がある。そこで、まず、自社ビル分も含めた県内オフィス床面積を当社で推計してみたところ、県内では1990年代後半からの長期にわたってストック調整が続いており、2002年1月時点の供給量は2,447万平方メートルになるという結果になった。
3.一方、需要面についてはオフィスワーカー数の減少と歩調を合わせて縮小する方向にある。県内オフィスワーカー数の変化をみると、(1)企業が人件費を抑制するために雇用調整を行ったこと、(2)企業がオフィス機能を統合する際に、統合の場所として東京都心部が選択される傾向が強まったこと、などを背景に90年代後半から減少傾向となっている。そこで、オフィスワーカー1人あたりの床面積が一定という前提のもとで県内のオフィス需要量を推計してみると、96年時点で2,217万平方メートル、2001年時点には2,042万平方メートルとなる。
4.以上の結果、県内のオフィス余裕率は96年の6.1%から2001年には16.6%へと10%ポイント以上上昇したとみられる。また、それらのことを踏まえたうえで「2003年問題」や「2010年問題」が今後の県内オフィス床面積の需給バランスにどの程度の影響を及ぼし得るかについて試算してみると、それぞれが県内オフィス余裕率を3~4%程度押し上げる可能性があるという結果が得られた。このことから、県内のオフィス床面積の需給は今後さらに軟化すると予想される。
- 1.神奈川県内の賃貸オフィス市場ではこのところ市況が悪化する傾向にある。今年はとくに、2003年に東京都心部で大型オフィスビルのオープンが相次ぐ「2003年問題」と、団塊世代の定年退職により2010年を前にオフィス需要が減少する「2010年問題」に対する懸念が高まっていることもあり、今後の行方が注目される。
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2003-06-01
神奈川・地域経済調査
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かながわ経済情報 : かながわ経済情報2003年6月号 シルバー層の力を活かして県内観光の活性化を
- 要約
- 1.わが国の国内観光は、バブル期に大きく拡大したのち停滞している。また団体・グループ中心の観光から家族中心の観光へと変質している。さらに最近は観光関連消費の節約傾向が顕著となり、あまりお金をかけずに身近で気軽に楽しむ傾向も表れている。また観光活動では「温泉浴」「自然の風景を見る」「動植物園・郷土資料館等の見物」「季節の花見」など、癒しと教養や体験などの目的志向が強まった。
2.神奈川県では、新しいエリアの整備や新規施設の開業効果などを背景に段階的に観光客を増やしてきた横浜を除いて、バブル期以降は観光客数の低迷傾向が続いている。地域により持ち直しの兆しもみられるものの、特に団体旅行や法人需要の減少で箱根・湯河原の低迷が目立った。横浜を中心にホテルの増加と大型化が進み、箱根・湯河原地域を除いてホテル化の傾向が著しい。
3.県内で発生する観光消費に伴う経済波及効果は、およそ1兆9千億円、雇用誘発効果は22.6万人と推計された。
4.60歳以上のシルバー層は、高齢化の進展に伴って観光への参加人口の大幅な増加が見込まれ、また観光関連消費が盛んであり、かつ観光活動への参加意欲が高い。
5.神奈川県を訪れる外国人旅行者は、全国で4番目のおよそ80万人で、アジアからの旅行者が6割弱を占める。アジア中心とした外国人旅行者を増やすことは、経済振興の意味もあるが、国際的な相互理解を深める面からも大切である。
6.今後の観光振興はシルバー需要の取り込みがカギであり、一方でその経験や知識を生かして雇用面でも活用をしていく必要がある。また、永続性のある観光振興のため、地域として差別化できる魅力を見直し発掘し、また観光の大きな力であるホスピタリティを地域全体でも発揮できるよう、地域内で連携しながら地道に取り組むことも大切である。
- 1.わが国の国内観光は、バブル期に大きく拡大したのち停滞している。また団体・グループ中心の観光から家族中心の観光へと変質している。さらに最近は観光関連消費の節約傾向が顕著となり、あまりお金をかけずに身近で気軽に楽しむ傾向も表れている。また観光活動では「温泉浴」「自然の風景を見る」「動植物園・郷土資料館等の見物」「季節の花見」など、癒しと教養や体験などの目的志向が強まった。
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2003-07-01
神奈川・地域経済調査
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かながわ経済情報 : かながわ経済情報2003年7月号 潜在需要の取り込みにより成長が期待される神奈川のホテル業
- 要約
- 1.わが国のホテル数は増加を続けている。1980年代までの高成長に比べれば、増勢は鈍化したものの、90年代後半も年率3%増加して、2002年3月には8,363軒、客室数は63.8万室となった。今後も東京で高級・中堅ホテルや低料金の宿泊特化型ホテルが開業ラッシュを迎えることなどからホテル数は増加を続け、ホテルは宿泊施設としての重みを増そう。
2.法人企業統計によれば、ホテル業の業績は売上高が伸び悩むなかで業界全体として経常赤字が続いたバブル崩壊後から立ち直りつつある。利益を圧迫した固定費のうちウエイトが高い人件費を中心に経費節減に努め、2001年度には経常黒字を確保した。
3.2001年度の個別ホテルデータを当社で集計したところ、次のような特徴がみられた。まず、客室部門については平均客室料金が低下したものの、宿泊客数が増加したため、客室売上高は前年比0.9%増加した。ホテル間の競争激化などを背景に、東京で客室料金の落ち込みが大きかった一方、人気テーマパークの集客が好調であった関西や千葉では宿泊客数が大きく伸びている。神奈川においては、宿泊客数がわずかに減少したものの、客室料金の上昇により前年比0.3%の増収となった。消費者や企業の根強い低価格志向や、インターネットを通じた予約システムの普及などを背景に今後も客室料金は低下が続くとみられることから、価格引き下げに見合った宿泊客数を確保できるかどうかが業績回復のためのカギとなろう。
4.ホテル業界の今後を展望すると、シルバーマーケットの拡大やアジア諸国の経済成長を背景とした海外観光客の増加などから、宿泊需要が増加することが期待される。国や自治体が注力する観光施策を実効あるものとし、さらに自社に取り込むためには、インターネットを通じて有効にホテルや観光スポットの魅力をアピールするなど、潜在需要を掘り起こすためのマーケティング戦略の重要性が今後いっそう増してくるだろう。
- 1.わが国のホテル数は増加を続けている。1980年代までの高成長に比べれば、増勢は鈍化したものの、90年代後半も年率3%増加して、2002年3月には8,363軒、客室数は63.8万室となった。今後も東京で高級・中堅ホテルや低料金の宿泊特化型ホテルが開業ラッシュを迎えることなどからホテル数は増加を続け、ホテルは宿泊施設としての重みを増そう。
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2003-08-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2003年8月号 商業統計からみた近年の神奈川県内小売業の動向
- 要約
- 1.経済産業省「商業統計調査」の2002年調査速報によると、神奈川県内小売業の商店数は61,943店、売場面積は7,128千平方m、従業者数は484千人であった。また年間の商品販売額は8兆4,644億円に達した。商店数、売場面積は47都道府県中4番目、従業者数、年間商品販売額は同3番目の規模である。
2.1商店あたり従業者数は7.8人で全国平均6.1人の1.27倍、また1商店あたり年間商品販売額は1億3千7百万円で同1.31倍と、県内小売業の特徴である平均的な事業規模の大きさがみてとれる。
3.商店数はすう勢的な減少傾向にあり、逆に売場面積は拡大が続いている。年間商品販売額は90年代の終盤から減退している。91年を100.0とすると、商店数は79.9と約2割、年間商品販売額は91.4と約1割いずれも低いレベルである。他方で売場面積は126.9と91年当時の約1.3倍に達している。
4.商店数の減少を産業小分類の別にみると前回調査以降、28業種のうち25業種で減少した。前回調査比でプラスとなった3業種はドラッグストアなど新業態の伸長が増加に寄与している。また今回減少した業種のなかにも、ホームセンターといった業態では商店数の増加をみている。
5.県内では、県央や横浜市の内陸部で大規模小売店・商業施設の開業が相次ぎ、売場面積を押し上げた。そうした大規模店等の進出の結果、たとえば横浜市では都筑区など郊外部の集客力が上がる一方で、西区や中区といった広域的商業中心部の集客力が下がるなど地域間の商勢に変化がみられる。
6.売場面積が拡大を続けるなか、年間販売額が減少傾向にあることで、売場面積あたり販売額といった効率性指標は低下が続いている。もっとも、都道府県間で比較すると、神奈川県の場合は売場面積シェアに比べて販売額シェアがなお大きく、今後も大型商業施設の進出と競合の一段の激化が予想される。
- 1.経済産業省「商業統計調査」の2002年調査速報によると、神奈川県内小売業の商店数は61,943店、売場面積は7,128千平方m、従業者数は484千人であった。また年間の商品販売額は8兆4,644億円に達した。商店数、売場面積は47都道府県中4番目、従業者数、年間商品販売額は同3番目の規模である。
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2003-09-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2003年9月号 進むオフィス需要の“都心”一極集中
- 要約
- 1.本誌2003年5月号で指摘したように、1990年代終盤以降の神奈川県内ではオフィス需要の縮小によりオフィス床面積の需給ギャップが急拡大している。県内オフィス需要の縮小には企業が県内のオフィス機能を東京都心部に集約する傾向にあることが強く影響しているとみられるが、こうした都心部へのオフィス需要の流出は、言うなれば、東京一極集中の様相が“東京圏”一極集中から“都心”一極集中に変わり始めたことの一端とみることができよう。
2.オフィス需要が都心に集中するのは、都市の集積メカニズムを源とする都心の強大な企業吸引力と立地コストの高さによる他地域への移転圧力の差が拡大したためと解釈できる。実際に、都道府県別のオフィスワーカー数を立地コストの水準や従業者の集積密度、市場規模の大きさといった3要因により説明する関数を推計すると、90年代終盤以降は主に他地域との市場規模格差の拡大により東京の企業吸引力が相対的に強まったことが確認できる。
3.以上を認識したうえで今後を展望すると、県内オフィス需要全体としては都心への流出傾向が続き、縮小傾向をたどる可能性が高い。しかしながら、部分的には、都心ではなく神奈川において需要の拡大が見込まれる分野もあると考えられる。したがって、今後の対応を考えるうえでは、オフィス需要を業種や職種、企業の成長段階などの多面的な切り口で分類し、神奈川ではどのような分野で強みを発揮できるのかを見極める必要がある。
4.その際に重要なのは、各分野のオフィス需要にどの程度の成長性が見込めるかという視点と、それぞれの分野のオフィス需要に対して各地域がどの程度の吸引力を持っているかという視点である。たとえば、試みにそれらの2要因を判断軸として業種別のオフィス需要動向を分析してみると、県内ではメーカー系企業の需要が有望との結果が出る。そうした手法を参考にオフィス需要動向についての多面的な分析を進めて行けば、今後の県内オフィス床面積の需給ギャップの拡大に対応するための手がかりが見出せると考えられる。
- 1.本誌2003年5月号で指摘したように、1990年代終盤以降の神奈川県内ではオフィス需要の縮小によりオフィス床面積の需給ギャップが急拡大している。県内オフィス需要の縮小には企業が県内のオフィス機能を東京都心部に集約する傾向にあることが強く影響しているとみられるが、こうした都心部へのオフィス需要の流出は、言うなれば、東京一極集中の様相が“東京圏”一極集中から“都心”一極集中に変わり始めたことの一端とみることができよう。
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2003-10-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2003年10月号 新たなけん引役を模索して構造調整を推し進める神奈川の製造業
- 要約
- 1.県内製造業の生産活動は2001年以降、大きく落ち込んでいる。工業統計によると、県内製造業の製造品出荷額は2000~2002年の間に年平均9.2%減と3.8兆円減少した。この落ち込み幅は90年代前半における5年分の減少額に匹敵する。一方、従業者数も6.6万人、工場数も2.4千か所それぞれ減少している。
2.また、他の都道府県と比較しても出荷額の減少額が全都道府県中で最大となるなど、神奈川の生産活動の落ち込みは目立っている。県内地域別には臨海部よりも内陸部で、業種別には加工組立型業種、なかでも電気機械の落ち込みが大きい点が近年の特徴としてあげられよう。
3.国内製造業の生産活動が大きく落ち込む反面で、海外生産比率は急上昇している。県内企業においても海外生産拠点は90年代に急増し、2002年には308に達している。近年は国際的な生産ネットワークの構築や日本への逆輸入を生産拠点の設置目的とする企業が増加している。
4.一方、1人あたり付加価値額が低下するなど県内製造拠点の製品高付加価値化に向けた動きは停滞しているとみられる。さらに県内製造業における高い生産性、大規模性などの特徴も突出した優位性は陰を潜めつつある。しかし、神奈川の製造業は化学製品や電気機械製品を中心に47都道府県中でトップシェアにある生産品目を多く擁しているほか、県内製造業の高い製品開発力を示唆する品目も多くあげられる。
5.わが国景気の回復とともに県内の生産活動もほどなく底を打つことが期待される。しかし、今後も量産品を中心に生産機能の海外移転が続くとみられるため、長期的には神奈川の生産機能は減勢をたどることが避けがたい。今後の県内製造業は、技術開発を通じた国内立地製造業の競争力強化に向けて重要な役割を果たしていくことが期待される。
- 1.県内製造業の生産活動は2001年以降、大きく落ち込んでいる。工業統計によると、県内製造業の製造品出荷額は2000~2002年の間に年平均9.2%減と3.8兆円減少した。この落ち込み幅は90年代前半における5年分の減少額に匹敵する。一方、従業者数も6.6万人、工場数も2.4千か所それぞれ減少している。
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2003-10-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2003年10月号 テレビジョン放送の利便性が大きく向上する地上デジタル放送
- 要約
- 1.これまでアナログ放送のみだった地上テレビジョン放送では、本年12月から3大都市圏の一部でデジタル放送が開始される。現在のスケジュールでは、2006年末までに全国で放送が開始された後、2011年にアナログ放送が停波となり、デジタル放送に一本化される予定となっている。
2.地上デジタル放送では、A.映像・音声の高品質化、B.データ放送の充実、C.移動体通信端末向け放送、などが可能となり、地上アナログ放送に比べてテレビの利便性が向上すると期待される。
3.地上デジタル放送開始による消費への影響をみると、対応機器の新規需要が考えられる。神奈川県について対応チューナーの需要を試算すると1,024億円となる。加えて、好調が続いているプラズマディスプレイ(PDP)テレビなど高級テレビの普及への追い風となる。
4.設備投資については、1999年以降民放事業者によるデジタル化関連投資が増加傾向にある。加えて、CATV事業者については光ファイバー化などケーブル関連の投資も必要となっており、今後地上デジタル放送の放送地域拡大に伴い設備投資が拡大するとみられる。
- 1.これまでアナログ放送のみだった地上テレビジョン放送では、本年12月から3大都市圏の一部でデジタル放送が開始される。現在のスケジュールでは、2006年末までに全国で放送が開始された後、2011年にアナログ放送が停波となり、デジタル放送に一本化される予定となっている。
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2003-11-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2003年11月号 官民あげて動き始めた若年雇用問題への取り組み
- 要約
- 1.若年層の雇用問題は、新卒市場の冷え込み、若年離職者の増大、いわゆるフリーターの増加と、その実相は多岐にわたっている。若年雇用に関しては、これまで中高年と比べて原因究明や解決に向けた取り組みが後回しにされてきたきらいもあるが、最近になり企業が既往のリストラでかなり身軽になってきたこともあって、政府や産業界をはじめ広範な関心を集めている。
2.新卒市場の冷え込みは若年層に対する労働需要減退の象徴である。その背景には中高年雇用者の過剰感があるが、今後中高年のリストラが一巡しても、直ちに若年雇用が拡大するわけではないと考えられる。すなわち、企業の人材ニーズは新しい産業分野に対応した新たな職種を中心に高まると予想され、求職者が希望する職種とはギャップが生じるためである。
3.また、求人と求職の間には、年齢その他の採用条件においても様々なミスマッチが存在する。インターネットハローワークから入手した求人データ等を用いて分析した結果によると、たとえば、システムエンジニアといった専門・技術職に関しては、企業が採用にあたって業務経験と若さを同時に求める傾向があり、そのことが労働市場で条件に合った人材を見つけにくくしている可能性が高い。ただ、ミスマッチ発生の要因は職種によって違いが大きいため、その解消に特効薬はなく、職種ごとのきめ細かい対応が必要となろう。
4.今年に入り政府・産業界は相次いで若年者に関する雇用対策を打ち出しており、官民あげた取り組みがようやく動き始めることになった。企業ひいてはわが国経済が持続的な成長を遂げるために次代を担う人材の育成が絶えず必要となることに関して異論はなかろう。国および地方公共団体には、基礎的な職業能力の育成という点でこれまで以上に効果的な施策展開を期待したい。
5.とはいえ、人材育成に関してその役割を全うできるのは、やはり長年ノウハウを蓄積してきた民間企業をおいて他にない。景気動向に落ち着きがみられる今こそ、そうした責務をあらためて認識し、インターンシップやトライアル雇用の受け入れ等、可能なものから即実行に移すことが求められる。
- 1.若年層の雇用問題は、新卒市場の冷え込み、若年離職者の増大、いわゆるフリーターの増加と、その実相は多岐にわたっている。若年雇用に関しては、これまで中高年と比べて原因究明や解決に向けた取り組みが後回しにされてきたきらいもあるが、最近になり企業が既往のリストラでかなり身軽になってきたこともあって、政府や産業界をはじめ広範な関心を集めている。
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2003-12-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2003年12月号 物流の構造変化と物流産業の動向
- 要約
- 1.産業空洞化の進展により、国内の企業から出入荷される貨物の物流重量は、90年代以降特に製造業で減少し、全体でも出荷量は90年代前半から、入荷量は90年代後半から減少に転じた。
2.国内の貨物輸送量は、重量では96年以降減少傾向にあり、取り扱う貨物量が減少している。また輸送距離の長距離化もあり、仕事量を表す輸送トンキロでは増加ないしは横ばい傾向にある。
3.自動車貨物輸送は重量でみて国内貨物輸送の9割を担っている。しかし、貨物量減少による競争激化や荷主企業のコスト削減要求が強いため、トラックによる一般貨物運送料金の低下傾向が続いており、事業者の売上や収益の圧迫要因になっている。
4.大手(上場)の陸運企業は人員削減を中心に収益を確保し、総合的な物流サービスの提供で売上の落ち込みにも歯止めがかかりつつある。しかし、設備活用の効率低下で生産性はあまり上昇していない。中小が主体のトラック貨物運送事業者は、売上減少および収益率低下の傾向が続いている。人員と設備削減は進めているものの、料金低下と取扱量の減少で生産性が低下している。
5.神奈川県は全国的にみても物流量が多いが、90年代以降に本格化した生産機能の流出で製造業の出入荷量の落ち込みが大きく、卸売業でも卸売を介さない取引の増加や東京へのシフトで減少した。また製造業、卸売業では、貨物出荷の小口化が大きく進んだ。
6.神奈川県のトラック貨物輸送は、出入荷量の減少を反映し輸送重量は減少傾向にある。しかし、自家用から営業用へのシフトが全国以上に大きく進んだことと、輸送距離の長距離化もあり、輸送トンキロはあまり落ち込んでいない。
7.神奈川県のトラックが主体の道路貨物運送業は、全国や1都3県と比べると従業者でみた規模は比較的大きいのが特徴である。また道路貨物運送事業所は、91~96年に規制緩和の影響もあり増加したものの、厳しい環境を反映して96~2001年には廃業率が大幅に高まり、事業所数も減少に転じた。
8.国内の物流事業者は、荷主の発展に貢献できる付加価値の高い総合的な物流サービスの提供が求められている。また、リサイクルなど新たな分野の需要創出への取り組みも、今後の発展のために必要となるだろう。
- 1.産業空洞化の進展により、国内の企業から出入荷される貨物の物流重量は、90年代以降特に製造業で減少し、全体でも出荷量は90年代前半から、入荷量は90年代後半から減少に転じた。
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2004-01-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2004年1月号 2004年度の神奈川県内経済見通し
- 要約
- 1.2003年の神奈川県経済はイラク戦争などによる世界景気の減速や冷夏の影響などから夏場にかけて踊り場的局面を迎えたものの、戦争などの終結に伴って輸出が増勢に転じるとともに生産活動に底打ちの兆しがみられるなど、秋口以降は企業部門を中心に景気の持ち直しに向けた動きが明らかになった。
2.2004年度の県内経済は企業部門が主導するかたちの景気回復が持続すると考えられる。輸出の増勢が続くなか、企業収益の急回復を受けて設備投資が増勢を維持する。一方で、家計の税・社会保険料負担の増加を背景に個人消費は増勢の鈍化が見込まれる。また、厳しい財政情勢を受けて公共投資の減少が続くとともに、住宅投資も調整が続くと考えられる。
3.県内経済の勢いを県内総支出の伸び率で示すと、2003年度が前年比+0.6%、続く2004年度も同+1.0%となる。神奈川の場合、生産拠点の再編など経済の構造調整圧力が他地域より強めに作用していることから成長率は低めにとどまることになろう。しかしながら、3年続けてプラス成長となることで県経済にも徐々にではあるが明るさが広がっていくことが期待される。
- 1.2003年の神奈川県経済はイラク戦争などによる世界景気の減速や冷夏の影響などから夏場にかけて踊り場的局面を迎えたものの、戦争などの終結に伴って輸出が増勢に転じるとともに生産活動に底打ちの兆しがみられるなど、秋口以降は企業部門を中心に景気の持ち直しに向けた動きが明らかになった。
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2004-02-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2004年2月号 近年における神奈川県内の建設投資の動向と2004年度の見通し
- 要約
- 1.国土交通省「建設総合統計」によると、神奈川県内で行われる建設投資は1991年度をピークに減少傾向となり、90年代半ばまでは全国を上回るペースで落ち込んだ。しかしながら、90年代終盤から2002年度までの期間については縮小ペースが比較的緩やかにとどまった。これは、マイホーム需要の増大や鉄道関連工事の増加などを背景に民間投資が底堅く推移したためである。
2.2003年度に入ってからの状況をみると、県内建設投資は再び縮小のペースを速めているように見受けられる。実際に、民間投資については、県内新設住宅着工戸数が分譲マンションの在庫調整が進められたことなどから上期を中心に急速な落ち込みを示しているほか、住宅投資以外においても、事業用建築物の着工工事費予定額などが夏場まで前年実績を下回って推移した。さらに、公共投資についても建設業の公共機関からの受注金額が減少傾向にある。
3.さらに2004年度についても、県内建設投資は縮小を続けるとみられる。すなわち、持家や分譲一戸建ての建築が2003年度の駆け込み的な需要増の反動から冷え込むと予想されるなど、住宅投資は減少を続ける可能性が高く、また、公共投資についても、厳しい財政事情から政府・自治体は投資的経費を抑制せざるを得ない状況にある。ただ、民間の非住宅投資については、企業業績の改善を背景に緩やかな増加が続くと予想される。
4.以上をまとめると、県内建設投資は2003年度が前年比7.9%減の3兆2千億円強の見込み、2004年度が同3.4%減の3兆1千億円強の予想となる。建設投資の規模は概ね80年代前半の水準に、また、減少ペースはバブル崩壊から90年代半ばまでに近いスピードとなる。もっとも、そうした厳しい環境下においても、リフォーム・リニューアル市場などのように部分的には長期的な成長が望める分野がある。今後はそうした新分野を開拓していけるかどうかが県内建設業の発展の重要なカギとなろう。
- 1.国土交通省「建設総合統計」によると、神奈川県内で行われる建設投資は1991年度をピークに減少傾向となり、90年代半ばまでは全国を上回るペースで落ち込んだ。しかしながら、90年代終盤から2002年度までの期間については縮小ペースが比較的緩やかにとどまった。これは、マイホーム需要の増大や鉄道関連工事の増加などを背景に民間投資が底堅く推移したためである。
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2004-03-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2004年3月号 神奈川消費総合指数からみた県内消費の現況
- 要約
- 1.神奈川の景気は企業部門を中心とした回復が続いている。一方で個人消費は依然として低調であり、その持ち直しが今後の景気拡大の力強さを考えるうえでポイントとなることから、消費動向を迅速かつ正確に把握する重要性が高まっている。
2.神奈川において利用可能な消費関連統計をみると、以下のような問題点があった。すなわち、(1)GDP統計は四半期ベースで発表が遅い、(2)各販売統計ではサービス関連支出の捕捉ができない、(3)家計調査では総額ベースの消費額の変化が把握できない、といったことである。
3.そこで、本稿では地域における消費動向を総合的かつ迅速に捉えることを目的とした神奈川消費総合指数の作成を行った。当指数では、(1)月次で推計を行っている、(2)財に加えてサービス関連消費も含んでいる、(3)世帯数を考慮することで県内消費を規模として捉えることができる、といった点が利点としてあげられる。
4.神奈川消費総合指数の推移をみると、近年の県内消費は、2002年において保健・医療や通信、自動車購入費などにより押し上げられたことから上向きの動きとなったものの、2003年入り以降は一進一退の動きが続いている。
- 1.神奈川の景気は企業部門を中心とした回復が続いている。一方で個人消費は依然として低調であり、その持ち直しが今後の景気拡大の力強さを考えるうえでポイントとなることから、消費動向を迅速かつ正確に把握する重要性が高まっている。
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*本稿に関するプレスリリースはこちらです。
2004-04-01
神奈川・地域経済調査
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かながわ経済情報 : かながわ経済情報2004年4月号 身近な生活領域を中心に広がりを見せるコミュニティビジネス
- 要約
- 1.コミュニティビジネスは、介護や子育て、リサイクル、まちづくりなど、生活に関わる身近な問題を解決するために、地域の住民が主体となって継続的に行っていく事業である。それは、地域社会への貢献を目的として、行政機関や民間企業が手がけないような事業に取り組むことから、公と私の中間にある「共益」を担う存在と位置づけられる。
2.近年、コミュニティビジネスが様々な分野で広がっている要因として、(1)社会環境の急激な変化によって日々の暮らしにおいても従来の枠組みでは解決できない問題が生じ、それへの対応が求められるようになっていること、(2)他方で、個人の意識やライフスタイルの変化から、地域の問題に関心を持ち地域に根ざした活動を支える人々が増加傾向にあることなどがあげられる。そのため、地域住民や行政機関などを中心に、コミュニティビジネスを通じて住民同士の結びつきや地域密着型の生活サービスが生まれ、それらが地域の活性化につながることを期待する向きが増えている。
3.コミュニティビジネスの実態をみると、事業は高齢者や障害者への生活支援、子育て支援、不用品のリサイクルなど、生活関連分野を中心に多岐にわたる。また、組織形態はNPO法人(特定非営利活動法人)をはじめ、株式会社や有限会社、任意団体などの形で運営され、事業規模も年間数億円に達する団体から100万円程度のところまであるなど、多様性に富んでいる。
4.今後、コミュニティビジネスが地域に浸透していくには、事業者への信頼の確立、担い手となる人材や安定的な資金源の確保といった点がカギとなる。最近では、コミュニティビジネスが認知されるのに伴い行政や経済団体などによる支援の動きが広がりつつあり、こうした支援は単に個々の事業者の育成にとどまらず、地域内でヒト、モノ、カネ、サービスが循環する仕組みを育成する一助ともなろう。
5.企業の視点から見た場合、コミュニティビジネスの事業スタイルは、地域社会への配慮など社会的責任を意識した経営を実践する際の参考にもなり得る。また、その事業のなかには消費者ニーズが潜んでいる可能性も高く、企業経営者にとって、新たな着眼点を提示するものとなるだろう。
- 1.コミュニティビジネスは、介護や子育て、リサイクル、まちづくりなど、生活に関わる身近な問題を解決するために、地域の住民が主体となって継続的に行っていく事業である。それは、地域社会への貢献を目的として、行政機関や民間企業が手がけないような事業に取り組むことから、公と私の中間にある「共益」を担う存在と位置づけられる。
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2004-05-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2004年5月号 回復の動きが広がりつつある神奈川県内景気
- 要約
- 1.年明け以降の神奈川県内景気は、好調な企業部門に続いて、これまで低調に推移してきた家計部門でも持ち直しの動きがみられるようになっており、総じてみると回復の裾野が広がりつつある。
2.すなわち企業部門では輸出の増勢が続き、製造業の生産水準が高まるともに、企業収益も改善し、さらには設備投資の増勢も明らかとなっている。また、家計部門も住宅投資が急回復しているとともに、株価の回復や雇用不安の後退を背景とした消費マインドの改善にともなって個人消費も持ち直しに転じつつある。
3.先行きについては、企業のリストラ意欲が根強いことなどを背景に個人消費の回復は緩やかにとどまると考えられる。一方、鋼材などの原材料価格の高騰によって生じた企業収益への悪影響は売上高の伸びや一段のコスト削減努力により緩和されるとみられ、企業部門は引き続き堅調な回復が見込まれる。
- 1.年明け以降の神奈川県内景気は、好調な企業部門に続いて、これまで低調に推移してきた家計部門でも持ち直しの動きがみられるようになっており、総じてみると回復の裾野が広がりつつある。
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2004-06-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2004年6月号 何が東京圏の転入超過幅の拡大をもたらしたのか
- 要約
- 1.近年の東京圏における転入超過幅の拡大は、非東京圏からの転入の増加というよりは、非東京圏への転出の減少によるところが大きい。転入は1995年に増加に転じたが、転入の中心となる非東京圏の若年人口が減少を続けたことから増勢は緩やかにとどまった。一方で転出は93年にピークをつけて以降、減少を続けている。これは主に、これまでの転入の長期的な水準の低下を反映して、Uターン移動が減少しているためと考えられる。
2.転入と転出の推移を男女別にみると、90年代以降は相対的に女性の移動が堅調となっている。これは、進学や就職に際しての女性の移動が従来よりも広域的に行われるようになったためと考えられる。
3.また、年齢階級別にみると、近年の転入の増加は20~40歳代前半の年齢層で顕著であり、一方の転出の減少は10代後半~20歳代の年齢層を中心に起きている。この背景を探るためにライフステージの変化ごとの移動状況をみてみると、まず、高校卒業後の進学や就職に伴う移動では、少子化の影響を受けて転入と転出がともに減少傾向をたどっている。また、転出の減少については、80年代の中ごろから強まる傾向にあった進学先や就職先としての非東京圏の吸引力が90年代終盤以降に弱まり始めたことも一因になっている。
4.次に、大学卒業後の就職に伴う移動では、東京圏の転出超過幅の縮小が確認される。他方で東京圏の大学を卒業した非東京圏出身者が増加傾向にあることを考え合わせると、この転出超過幅の縮小はどちらかといえば転入の増加による部分が大きいと思われる。
5.さらに90年代以降は、東京圏に本社を置く企業が非東京圏にある支社の人員を減らす一方で東京圏の本社人員を増強する動きが観察される。こうした企業行動の変化は転勤に伴う人口移動に影響を与え、20~40歳代の広範な年齢層における転入の増加と転出の減少をもたらした可能性が高い。
- 1.近年の東京圏における転入超過幅の拡大は、非東京圏からの転入の増加というよりは、非東京圏への転出の減少によるところが大きい。転入は1995年に増加に転じたが、転入の中心となる非東京圏の若年人口が減少を続けたことから増勢は緩やかにとどまった。一方で転出は93年にピークをつけて以降、減少を続けている。これは主に、これまでの転入の長期的な水準の低下を反映して、Uターン移動が減少しているためと考えられる。
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2004-07-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2004年7月号 コスト削減と増収により大幅増益となった県内上場企業の2003年度決算
- 要約
- 1.2003年度の神奈川県内上場企業にある決算を集計したところ、売上高が前年比5.3%増、経常利益が同61.9%増と、2年連続の「増収増益」になった。また、増収増益であった企業数は集計対象85社中50社と半数以上にのぼった。
2.2003年度決算の特徴は、従来のコスト削減に代わって売上高の増加が経常利益の増加を支える最大の要因になったことである。売上高は国内の民間設備投資の拡大を受けて工作機械メーカーやトラックメーカーなどで拡大し、アジア向けを中心に海外売上高も順調に伸びた。加えて、固定費などのコストも引き続き厳しく削減されたため、経常利益の回復幅は過去10年間で最も高い水準となっている。
3.こうした増収効果やコスト削減効果に伴い、企業の収益体質は安定感を増している。県内上場企業全体について損益分岐点比率を算出したところ、2003年度は73.6%と前年度の81.4%から大幅に低下した。
4.2004年度について各社の業績見通しを集計すると、売上高が前年比4.3%増、経常利益についても同20.8%増と引き続き「増収増益」が見込まれている。そこで、それらの見通し等を前提に2004年度の損益分岐点比率を計算すると71.9%となる。また、この比率を用いることにより試算を行うと、2004年度の売上高見通し等を前提とすれば、固定費を2003年度比で3%増加させても2004年度の県内上場企業全体の経常利益は増益になるという結果になる。
- 1.2003年度の神奈川県内上場企業にある決算を集計したところ、売上高が前年比5.3%増、経常利益が同61.9%増と、2年連続の「増収増益」になった。また、増収増益であった企業数は集計対象85社中50社と半数以上にのぼった。
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2004-08-01
神奈川・地域経済調査
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かながわ経済情報 : かながわ経済情報2004年8月号 価格の低下が続く一方で数量は堅調に増加した近年の神奈川3港輸出
- 要約
- 1.神奈川県内の貿易港を通じた輸出金額は2002年以降増加に転じている。当社が独自に作成した神奈川3港の貿易指数によれば、輸出価格は小幅な低下が続いているものの、輸出数量が堅調に増加していることが明らかになった。
2.輸出数量の伸び(2001~2003年)を地域別にみると、米国やEU向けに比べて、アジア向けは高い伸びとなっている。なかでも、中国向けについては消費需要と設備投資の拡大を背景に2年間で約1.5倍と高伸した。
3.品目別には輸送用機械や非鉄金属、一般機械などの輸出数量が大幅に増加した一方で、電気機器や精密機器類は大きく減少している。2002年以降の増加が堅調な輸送用機械の内訳をみると、主力の乗用車に加えて、貨物自動車や自動車の部分品についても上向きの動きが続いている。
4.一方、電気機器においては、県内における生産拠点が減少していることや空輸の拡大によって輸出数量は減少傾向となっている。ただ、映像機器など一部の品目において、従来の主力商品から、高付加価値品へのシフトの動きも出てきている。
- 1.神奈川県内の貿易港を通じた輸出金額は2002年以降増加に転じている。当社が独自に作成した神奈川3港の貿易指数によれば、輸出価格は小幅な低下が続いているものの、輸出数量が堅調に増加していることが明らかになった。
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2004-09-01
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かながわ経済情報 : かながわ経済情報2004年9月号 2004年度・2005年度の神奈川県内経済見通し(2004年9月改訂)
- 要約
- 1.2004年前半の神奈川県経済は、輸出の増加などを背景に生産活動の持ち直しが明らかとなるとともに、好調な企業収益を受けて設備投資が増加するなど企業部門が主導するかたちで景気の回復が続いた。また厳しさの残る雇用・所得情勢を背景にこれまで出遅れてきた個人消費も好天に恵まれたゴールデンウィークやアテネ五輪開催に伴うデジタル家電ブームなどを受けて堅調となるなど、年前半の県景気は明るさの目立つ展開となった。
2.2004年度の県内景気は年度後半に軽微な調整局面を迎えると考えられる。これは海外景気の減速を受けて輸出の伸びが鈍化するとともに、現下の景気の原動力となっている企業部門の勢いが鈍るためである。加えて秋口以降は、家計の租税・社会保険料負担が増すなかで、好調であった上半期の反動もあって個人消費の増勢鈍化が見込まれる。続く2005年度は個人消費の弱含みが続くほか、住宅投資の調整や公共投資の減少が続くものの、年度の後半には海外景気の持ち直しとともに輸出が勢いを取り戻すと考えられる。加えて、既往リストラにより企業の収益体質が強化されていることから、企業収益の回復と設備投資の増勢は持続することが見込まれる。
3.県内経済の勢いを県内総支出の伸び率で示すと、2004年度が前年比+1.3%(前回1月予測の+1.0%を上方修正)、続く2005年度も同+1.7%となる。神奈川の場合、国内外における設備投資の振幅の影響が大きめに受けることや、将来の生き残りをかけた研究開発などの設備投資活動が今後の県内では勢いを増してくると見込まれることから、2004年度の成長率は低めにとどまるものの、2005年度は前年度を上回る経済成長をとげることになろう。
- 1.2004年前半の神奈川県経済は、輸出の増加などを背景に生産活動の持ち直しが明らかとなるとともに、好調な企業収益を受けて設備投資が増加するなど企業部門が主導するかたちで景気の回復が続いた。また厳しさの残る雇用・所得情勢を背景にこれまで出遅れてきた個人消費も好天に恵まれたゴールデンウィークやアテネ五輪開催に伴うデジタル家電ブームなどを受けて堅調となるなど、年前半の県景気は明るさの目立つ展開となった。
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2004-10-01
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かながわ経済情報 : かながわ経済情報2004年10月号 移動の短距離化と都心回帰現象が並行した東京圏内の人口移動
- 要約
- 1.近年の東京圏の内部では80年代後半に比べ活発な人口移動が行われている。この背景としては、人口規模の大きい1960年代後半生まれや1970年代前半生まれの世代がライフステージの変化が起こりやすい20歳代後半~30歳代前半に達したことや、30歳代や40歳代の持家取得が盛んになったことなどがあげられる。
2.また、近年の東京圏内部における人口移動の変化を空間的に捉えた場合、(1)市区町村の内部での移動が活発化している、(2)市区町村界を越えるような移動では、東京都心部をはじめとする中核地から周辺部への移動の動きが弱まる一方で周辺部から中核地への移動の動きが強まる傾向が東京圏全体で観察される(都心回帰現象)、という2つの特徴がみてとれる。
3.このうち、市区町村の内部での人口移動が活発になった背景としては、地価の地域間格差の縮小等によって他地域への転出のメリットが薄まり、他地域への転出を抑制するサンクコストの存在感が移動先の選択において相対的に高まったことが考えられる。
4.また、都心回帰現象の背景としては、(1)中核地から周辺部への転出が市区町村内移動の増加に振り替わったという側面、(2)東京圏内の中核地での住宅供給がマンションを中心に大量に行われ、職住近接を望む消費者の支持を集めた、(3)それ以前の人口の郊外化によって、若年層を中心に中核地と周辺部との間の人口分布格差が広がっていた、(4)東京都と神奈川県の間の人口移動に関しては、東京都の企業の拠点集約も影響した、という4点が考えられる。
- 1.近年の東京圏の内部では80年代後半に比べ活発な人口移動が行われている。この背景としては、人口規模の大きい1960年代後半生まれや1970年代前半生まれの世代がライフステージの変化が起こりやすい20歳代後半~30歳代前半に達したことや、30歳代や40歳代の持家取得が盛んになったことなどがあげられる。
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2004-11-01
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かながわ経済情報 : かながわ経済情報2004年11月号 企業部門主導の回復が続いた2004年度上半期の神奈川県内景気
- 要約
- 1.2004年度上半期の神奈川県内景気を概観すると、企業部門をけん引役とする回復が続いている。すなわち、企業部門では輸出の増勢が続き、製造業の生産水準が引き続き高まるとともに、企業収益の改善を受けて設備投資も活発化している。一方の家計部門についても、足下の住宅投資が駆け込み需要などから増加し、個人消費も雇用・所得情勢の改善とともにアテネ五輪開催に伴ったデジタル家電需要が盛り上がるなど、総じて底堅く推移した。
2.先行きについては、雇用・所得環境の大幅な改善が期待できないなかで家計の税・社会保障費負担が増してくることから個人消費の回復は緩やかにとどまるであろう。一方、海外景気の減速に伴い輸出に増勢鈍化の兆しがみられることや、原油や鋼材など原材料価格の高騰が長期化するなど、景気の減速懸念が徐々に広がり始めている。しかしながら、既往リストラにより強固となった県内企業の収益体質などを反映して、企業収益や設備投資は増勢を維持すると考えられる。したがって、今後の県内景気は一時的に調整局面を迎えるものの、大幅に落ち込む可能性は低いといえよう。
- 1.2004年度上半期の神奈川県内景気を概観すると、企業部門をけん引役とする回復が続いている。すなわち、企業部門では輸出の増勢が続き、製造業の生産水準が引き続き高まるとともに、企業収益の改善を受けて設備投資も活発化している。一方の家計部門についても、足下の住宅投資が駆け込み需要などから増加し、個人消費も雇用・所得情勢の改善とともにアテネ五輪開催に伴ったデジタル家電需要が盛り上がるなど、総じて底堅く推移した。
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2004-12-01
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かながわ経済情報 : かながわ経済情報2004年12月号 乗用車の輸入減少や県内生産の低迷から低調に推移した神奈川3港輸入
- 要約
- 1.1996年から2003年における神奈川3港の輸入額は、全国ベースで上向きの動きとなるなかで低調に推移した。財別にみると、神奈川3港では工業用原料や食料品が増加したものの、資本財や非耐久消費財、耐久消費財は減少している。
2.当社で独自に作成した神奈川3港の輸入貿易指数を用いて財別の輸入額の動きをみると、工業用原料では市況要因などにより輸入価格が大幅に上昇したことが輸入額の増加に寄与する一方、食料品では、食品輸入に対する規制緩和などを背景とした輸入数量の増加が輸入額を押し上げている。
3.一方、輸入額が減少した耐久消費財、非耐久消費財、資本財では、いずれも価格が低下するなかで、数量面の動きに違いがみられた。まず、耐久消費財は、主要内訳品目である乗用車の輸入数量が大幅に減少したことが輸入額を大きく押し下げた。また、非耐久消費財をみると、輸入数量に増加の動きがみられたものの、輸入価格の低下から金額ベースでは減少した。一方、資本財では、事務用機器などで輸入価格が低下するなか、県内製造業生産の低迷を背景とした輸入数量の伸び悩みが輸入額の減少につながった。
- 1.1996年から2003年における神奈川3港の輸入額は、全国ベースで上向きの動きとなるなかで低調に推移した。財別にみると、神奈川3港では工業用原料や食料品が増加したものの、資本財や非耐久消費財、耐久消費財は減少している。
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2005-01-01
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かながわ経済情報 : かながわ経済情報2005年1月号 2005年度の神奈川県内経済見通し
- 要約
- 1.2004年の神奈川県経済は、年初から半ばにかけて輸出の増加を背景に生産活動の持ち直しが明確化し、好調な企業収益を反映して設備投資が増加するなど企業部門主導の景気回復が続いた。ただ秋口以降は海外景気減速に伴う輸出の増勢鈍化や、天候不順などを背景に底堅く推移してきた個人消費も弱めの動きとなるなど、景気の減速感が次第に強まってきた。
2.2005年度の県内経済は、年度前半に景気の調整色が一時的に強まる可能性があるものの、後半になると踊り場的局面を脱して持ち直しに向かうと考えられる。これは海外景気が再び上向くにつれて、輸出増に伴う生産活動の持ち直しが徐々に明らかとなるためである。一方で家計の税・社会保険料負担の増加を背景に個人消費は増勢が鈍化し、住宅投資もマイナスに転じるものの、設備投資は企業収益の回復が続くことから増勢を維持すると考えられる。
3.県内経済の勢いを県内総生産の伸び率で示すと、2004年度が前年比+2.0%、続く2005年度も同+1.5%となる。神奈川の場合、県内自治体の誘致政策の奏功などを背景に大型投資が進捗することから設備投資が成長率を底上げし、前年度に比べて成長は鈍化するものの、3年続けてのプラス成長となる。
- 1.2004年の神奈川県経済は、年初から半ばにかけて輸出の増加を背景に生産活動の持ち直しが明確化し、好調な企業収益を反映して設備投資が増加するなど企業部門主導の景気回復が続いた。ただ秋口以降は海外景気減速に伴う輸出の増勢鈍化や、天候不順などを背景に底堅く推移してきた個人消費も弱めの動きとなるなど、景気の減速感が次第に強まってきた。
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2005-02-01
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かながわ経済情報 : かながわ経済情報2005年2月号 近年見直され始めた製造業の都市圏立地
- 要約
- 1.近年わが国の製造業では、国内とくに都市圏への立地を見直す機運にある。2003年の工場立地件数は前年比24.6%増の1,052件と、前年の844件から2年ぶりに1千件台を回復した。地域別にみると、三大都市圏(556件)が地方圏(496件)を高度成長期以来、事実上初めて上回った。
2.工場建設の動きでとくに目立つのは、シャープの大型液晶パネル(三重県亀山市)などデジタル家電関連で、1件あたりの投資額が軒並み500億円を上回っている。神奈川県内でも、日産自動車が横浜工場でエンジンの生産能力を増強するなど、「工場は出ていく一方で再び戻ることはない」という近年の“常識”を覆す動きがみられている。
3.こうした背景には、研究開発と製造の密接な関わり合いが求められる、いわゆる“摺り合わせ型”の製品分野への需要増に対応した設備投資が拡大していることなどに加えて、地方公共団体による積極的な誘致活動が功を奏したことも見逃せない点であろう。
4.立地選択を企業の競争戦略の観点からとらえると、これまで最も障害となってきた高地価の問題が解消に向かったため、人材確保、支援産業の存在など都市圏有利となる方向に条件が整ってきた。そうした状況下で、補助金や税優遇などの助成措置がインセンティブとして効果を発揮したものと考えられる。実際、90年代半ば以降の47都道府県別の工場立地件数を賃金、地価などを説明変数とした関数推計を行ったところ、地方自治体による助成・あっせんが工場立地を増加させるうえで効果ありとの結果が得られた。
5.政策サイドからみると、既存の産業集積と関連の深い企業の誘致は地域経済を活性化するための起爆剤としてたいへん効果的である。需要が存在しないところでは、基盤技術を有した中小企業であっても衰退を免れず、また有力なベンチャー企業も育たない。金融支援から企業誘致に至るまでのポリシーミックスを効果的かつ継続的に遂行していくことが肝要であろう。
- 1.近年わが国の製造業では、国内とくに都市圏への立地を見直す機運にある。2003年の工場立地件数は前年比24.6%増の1,052件と、前年の844件から2年ぶりに1千件台を回復した。地域別にみると、三大都市圏(556件)が地方圏(496件)を高度成長期以来、事実上初めて上回った。
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2005-02-01
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かながわ経済情報 : かながわ経済情報2005年2月号 2005年度の神奈川県内建設投資の見通し
- 要約
- 1.神奈川県内の建設投資は2000年度から2002年度までの3年間、底入れをうかがう動きが続いていた。しかし、昨年11月に発表された2003年度の建設投資は前年比11.2%減と大きく落ち込む格好になっている。
2.もっとも、2004年度に入ってからの県内の建設活動をみると、公共投資が引き続き減少傾向となっているものの、民間の住宅建築は分譲住宅の好調などにより増加基調となっている。また、企業業績の改善などを背景に企業の設備投資関連についても持ち直す傾向にある。当社が建築着工統計等の先行指標を用いて推計したところ、2004年度の県内建設投資は前年比0.1%減と、前年度とほぼ同水準になる見込みになった。
3.2005年度を展望すると、民間の住宅建築は持家系住宅に対する需要の冷え込みなどから再び減少に転じると考えられる。また、公共投資についても厳しい財政事情のもと引き続き減少すると見込まれる。一方、企業の設備投資関連については企業業績の改善が続くと想定され、今後も堅調に推移する可能性が高いとみられる。
4.それらの結果、2005年度の県内建設投資は前年比1.6%減になると予測した。公共投資が同4.7%減と減少ペースを緩めながらも引き続き前年を下回り、民間の居住用投資も同3.3%減と再び減少する。一方で、非居住用の民間投資が同3.4%増と回復傾向を維持する。県内の建設投資は2003年度以降、3年連続で減少するものの、2004年度から2005年度にかけての減少の勢いは比較的緩やかなものにとどまろう。
- 1.神奈川県内の建設投資は2000年度から2002年度までの3年間、底入れをうかがう動きが続いていた。しかし、昨年11月に発表された2003年度の建設投資は前年比11.2%減と大きく落ち込む格好になっている。
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2005-03-01
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かながわ経済情報 : かながわ経済情報2005年3月号 少子化などにより伸び悩むなか新しい動きがみられるコンテンツ市場
- 要約
- 1.1990年代前半まで拡大が続いた国内のコンテンツ市場規模は、90年代後半以降横ばいで推移している。内訳をみると、映像については拡大傾向が続く一方、音楽、ゲーム、出版は90年代半ばをピークとして縮小している。
2.コンテンツ市場伸び悩みの主因として、若年人口の減少があげられる。ゲームについてみると、主要なユーザーである15~19歳の人口が大幅に減少しており、加えて20~39歳では多忙などを理由に「ゲーム離れ」が進んでいる。
3.一方で、90年代後半からは、携帯電話やインターネットといった急速に普及した情報インフラを用いたコンテンツの活用が広がっている。携帯電話向けでは、着メロなど音楽サービスの市場規模が2003年時点で907億円と2000年の5倍以上に伸びている。インターネット関連でも、オンラインゲームの市場規模が2000年の9億円から2003年に198億円になるなど拡大している。
4.コンテンツは商品であると同時に文化財としての一面があり、質的な面から評価をされることも多い。特に近年では、日本のアニメやゲームといった分野において国際的に評価が高まっている。こうしたコンテンツを支える消費者として注目を集めているのがいわゆる「オタク」である。オタクはゲームやアニメなどついて「強いこだわり」を持った熱心なファンであり、90年代以降インターネットの普及によって潜在層が一気に顕在化したとみられる。
5.一部の企業ではこうしたオタクによる需要の取り組みを積極的に進めており、「萌え」関連にみられるように、メイド喫茶などコンテンツにとどまらないケースも出てきている。このように消費者心理や行動を十分に把握し、ニッチな市場において潜在的な需要を掘り起こすことは、今後人口(特に若年層)が減少局面を迎え規模を追求するマーケティングが難しくなるなかで、企業が消費者のニーズをとらえる方法のひとつとして有用と考えられる。
- 1.1990年代前半まで拡大が続いた国内のコンテンツ市場規模は、90年代後半以降横ばいで推移している。内訳をみると、映像については拡大傾向が続く一方、音楽、ゲーム、出版は90年代半ばをピークとして縮小している。
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2005-04-01
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かながわ経済情報 : かながわ経済情報2005年4月号 2期連続で低下した神奈川県内中堅・中小企業の業況判断
- 要約
- 1.業況判断
神奈川県内中堅・中小企業の2005年3月末時点の業況判断D.I.は全産業ベースで▲18と前回12月調査の▲16に比べて2ポイント悪化した。製造業は競争激化に伴う販売価格の低下などを背景に、一般機械や電気機械が悪化したことなどから前回調査の▲7から今回▲16へと9ポイント低下した。一方の非製造業はサービスや建設の改善により▲24から▲20へと4ポイント上昇した。なお、3か月先の予想については▲17とわずかな改善が見込まれている。
2.企業業績等
1~3月の企業業績は売上・損益ともに悪化した。続く4~6月はそれぞれ「悪化」超幅が縮小する見通しになっている。また製造業の受注及び在庫動向も今後は改善に向かう見通しになっている。価格動向については、1~3月に仕入価格動向D.I.の「上昇」超幅が前四半期に比べて縮小した一方で、販売価格D.I.は「低下」超幅が拡大している。
3.設備投資
2005年度の設備投資計画は「実施する」とした企業がほぼ半数を占めている。投資額を前年度より増額する企業は4割強、逆に減額する企業は2割弱にとどまっている。
- 1.業況判断
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2005-05-01
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かながわ経済情報 : かながわ経済情報2005年5月号 変容を迫られる中国における拠点機能
- 要約
- 1.中国経済は高成長が続いている。2004年は経済の引き締めが図られたにもかかわらず実質経済成長率は9.5%となった。設備投資や輸出の好調が続いているほか、個人消費が勢いを増している。高成長をけん引する外資企業のウエイトは大きく、工業生産の3割、輸出入額の半分以上を占めている。
2.わが国企業の事業活動という点でも中国のウエイトは高まっている。2004年度におけるわが国製造業の中国での現地生産比率は11.6%に達したとみられる。県内企業の中国拠点も急増しており、2004年には218か所と2000年比5割増加した。また神奈川3港の対中輸出入額は2004年度も前年に比べて約1割増加しており、神奈川においても中国との経済関係は緊密さを増している。
3.そうしたなか、安価で豊富な労働力に着目した輸出生産拠点としての中国におけるビジネスのあり方は変わりつつある。県内企業の中国拠点に対するヒアリング調査を行ったところ、地域差はみられるものの人件費の高騰と人手の確保がこれまでよりも困難となったとの声が聞かれた。
4.現地市場への拡販や現地調達率のアップなど真の意味での「現地化」を進めるためには、人事や労務、購買など中国拠点の企業体としての陣容の充実を図り、中国経済の激しい変化に適切に対応していくことが重要となろう。
- 1.中国経済は高成長が続いている。2004年は経済の引き締めが図られたにもかかわらず実質経済成長率は9.5%となった。設備投資や輸出の好調が続いているほか、個人消費が勢いを増している。高成長をけん引する外資企業のウエイトは大きく、工業生産の3割、輸出入額の半分以上を占めている。
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2005-06-01
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かながわ経済情報 : かながわ経済情報2005年6月号 趣味的消費の担い手として注目される30歳代未婚の単独世帯
- 要約
- 1.2000年から2005年にかけて、一都三県では30歳代の未婚・単独世帯の増加傾向が続いている。その要因は、第2次ベビーブーマーが30歳代に入ったことに加えて、男女とも30歳代の未婚率上昇が続いていることがあげられる。
2.東京および神奈川において、30歳代人口に占める未婚・単独世帯の割合が高い地域をみると、女性については渋谷区、中野区、杉並区など東京への集中が目立つ。他方、男性は、東京都区部に加えて、県内でも川崎市中原区、同多摩区、横浜市西区、さらに厚木市など県央地域にも同割合が高い地域が広がっている。
3.消費支出のうち交際費など裁量のはたらく余地の大きい「趣味的消費」について、一都三県における30歳代未婚・単独世帯の支出規模を推計した結果によると、2005年時点で7,476億円に上る。ひとつひとつは小さいものの、全体では名目個人消費の1%を占める規模であり、また自由度の高い購買力としても注目に値する。
4.市区別に趣味的消費の規模をみると、神奈川県内では相模原市、横浜市港北区など未婚・単独世帯が多い地域が上位を占める。もっとも、趣味的消費の相当部分が東京に漏出している可能性が高く、企業のマーケティングや地方自治体による地域活性化を考えるうえで、こうした地元購買力をいかにして取り込んでいくかが重要なポイントのひとつとなろう。
- 1.2000年から2005年にかけて、一都三県では30歳代の未婚・単独世帯の増加傾向が続いている。その要因は、第2次ベビーブーマーが30歳代に入ったことに加えて、男女とも30歳代の未婚率上昇が続いていることがあげられる。
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2005-07-01
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かながわ経済情報 : かながわ経済情報2005年7月号 購買力流出に歯止めがかかる近年の神奈川県内小売業
- 要約
- 1.経済産業省「平成16年商業統計調査(速報)」によると、一都三県の小売業では2002年以降2004年にかけて、商店数、従業者数のすう勢的な減少が続くかたわら、売場面積は引き続き増加した。商品販売額については東京都と神奈川県で増加に転じた結果、一都三県計でもおおむね下げ止まった。
2.神奈川県に関して業態別に商品販売額の動向をみると、百貨店の不振が続く一方、総合スーパーや食料品専門店など食料品ウエイトの高い業態では増加に転じた。また、ドラッグストアやホームセンターといった"新業態"では低迷が目立つ結果となった。
3.神奈川県では全60市区町村のうち、2002年から2004年の間に売場面積が増加した地域は29、反対に減少した地域は31と、減少地域が増加地域を上回った。増加した地域の中では、藤沢市の増加面積が最も大きく、次いで横浜市西区、川崎市高津区と続く。反対に、減少した地域では厚木市の減少面積が最も大きく、次いで茅ヶ崎市、相模原市と続いている。
4.商業販売力の地理的な勢力分布の変化としては、神奈川県内の主要な拠点地域で小売吸引力係数が低下する一方で、従来購買力流出の著しかった地域において同係数が上昇するという現象がみられた。当面の見通しとして、ベビーブーマー世代の定年退職者の大量発生、いわゆる2007年問題を商機ととらえ、そうした新規需要を積極的に取り込んでいくことが地域商業の発展のために肝要である。
- 1.経済産業省「平成16年商業統計調査(速報)」によると、一都三県の小売業では2002年以降2004年にかけて、商店数、従業者数のすう勢的な減少が続くかたわら、売場面積は引き続き増加した。商品販売額については東京都と神奈川県で増加に転じた結果、一都三県計でもおおむね下げ止まった。
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2005-08-01
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かながわ経済情報 : かながわ経済情報2005年8月号 2005年度・2006年度の神奈川県内経済見通し(2005年8月改訂)
- 要約
- 1.2005年前半の神奈川県内景気は回復の踊り場的局面が続いた。これは、輸出が弱含む中で企業の生産活動も横ばい圏内で推移するなど、外需を起点とする企業部門のけん引力が弱まったためである。一方で堅調な企業収益の伸びを背景に設備投資の回復が続いたほか、雇用・所得環境の改善を背景に個人消費が2004年終盤の落ち込みから持ち直すなど、県内需要は総じて底堅く推移した。
2.2005年度の県内景気は年度後半に海外景気が上向いて企業部門のけん引力が再び勢いを増してくることから、踊り場的局面から脱却すると考えられる。県内自治体による誘致策の奏功などを背景に設備投資は力強さを増す反面で、家計部門は租税・社会保障費負担が増す中で前年度に比べて個人消費の増勢が鈍化することになろう。続く2006年度は雇用・所得情勢は改善が続くものの定率減税の規模縮小など租税等の負担が増大することから、個人消費の伸びはさらに鈍化するとみられる。ただ、輸出の増加とともに企業部門を中心に回復の動きが広がることから、県内景気は緩やかな回復を持続すると予測した。
3.県内経済の勢いを県内総生産の伸び率で示すと、2005年度が前年比+1.0%(前回1月予測の+1.5%を下方修正)、続く2006年度も同+1.6%となる。神奈川の場合、大型投資の進捗を背景に設備投資の伸びは高めとなる一方で、輸出低迷のマイナスの影響が大きめに出ることから2005年度の成長率は低めにとどまる。続く2006年度は輸出の持ち直しとともに前年度を上回る経済成長をとげ、4年連続のプラス成長となろう。
- 1.2005年前半の神奈川県内景気は回復の踊り場的局面が続いた。これは、輸出が弱含む中で企業の生産活動も横ばい圏内で推移するなど、外需を起点とする企業部門のけん引力が弱まったためである。一方で堅調な企業収益の伸びを背景に設備投資の回復が続いたほか、雇用・所得環境の改善を背景に個人消費が2004年終盤の落ち込みから持ち直すなど、県内需要は総じて底堅く推移した。
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2005-09-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2005年9月号 中小製造業の創造的ネットワークの形成に向けて(前編)
- 要約
- 1.1980年代半ば以降、わが国中小製造業の経営基盤を成してきた系列取引のネットワーク(いわゆる下請・系列関係)は大きく変容してきた。また、その一方で、近年では、中小企業が系列関係にない他企業や大学・研究機関などとの連携によって新技術・新製品開発や新分野進出などに取り組む事例がみられるようになっている。下請・系列関係の変容を中小製造業を取り巻く縦方向のネットワークの変容とすれば、他企業等との連携により新分野進出などに取り組む動きは横方向のネットワークの変容ととらえることができる。
2.横浜市が平成16年度に実施した調査の結果から、縦・横両方向のネットワークの変容を横浜市内の中小製造業についてみると、まず、縦方向の変容に関しては、系列外のメーカーに向けた取引がますます活発になるといった変化、すなわち専属的な関係から開放的な関係への変化が確認される。また、それ以外にも、中小製造業が大手メーカーの示した仕様に改善案を提案したり、あるいは複数の製造業者をコーディネートして効率的な生産体制を企画し、大手メーカーに提案したりする、役割分担の変化、すなわち従属的・下請型の関係から自立的・企画提案型の関係への変化も生じている。
3.一方、横方向のネットワークの変容に関しては、過去5年間に新製品・新技術開発や新分野進出に取り組んだ市内中小製造業のうちの4割強が取組にあたって「親会社・関連会社以外のメーカー」との連携を実施しており、また、社外との連携を実施した企業の4分の1強が「商社などの卸売業」から連携相手の紹介や仲介を受けているなどの動きが確認できる。さらに、市内企業同士の連携が少ない一方で、連携相手の紹介や仲介では主に市内のネットワークが活用されていることなど、横方向のネットワーク活用の広域的な促進策を考えるうえで興味深い事象も観察されている。
※本稿は、横浜市が平成16年度に弊社に委託して実施した「創造的ネットワーク形成のための新たな産業支援システム検討調査」の報告書の一部を再編集したものである。同調査結果の本誌への掲載をご了承いただいた横浜市に感謝申し上げる。
- 1.1980年代半ば以降、わが国中小製造業の経営基盤を成してきた系列取引のネットワーク(いわゆる下請・系列関係)は大きく変容してきた。また、その一方で、近年では、中小企業が系列関係にない他企業や大学・研究機関などとの連携によって新技術・新製品開発や新分野進出などに取り組む事例がみられるようになっている。下請・系列関係の変容を中小製造業を取り巻く縦方向のネットワークの変容とすれば、他企業等との連携により新分野進出などに取り組む動きは横方向のネットワークの変容ととらえることができる。
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2005-10-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2005年10月号 年末に向けて改善が見込まれる神奈川県内中堅・中小企業の景況感
- 要約
- 1.業況判断神奈川県内中堅・中小企業の2005年9月末時点の業況判断D.I.は全産業ベースで前回調査比横ばいの▲18となった。製造業では、一般機械や電気機械が悪化する一方で鉄鋼・非鉄などで改善して、全体では前回と同水準の▲6となった。一方の非製造業は卸・小売の悪化などから▲27から▲29へとわずかに低下した。なお、3か月先の予想については受注や売上高が上向いてくることなどから全産業ベースで▲12と改善が見込まれている。
2.企業業績等7~9月期の企業業績は売上高が改善したものの、損益は小幅に悪化した。続く10~12月期にはそれぞれ改善し、売上高は「増加」超、損益も「好転」超に転じる見通しである。また10~12月期には製造業受注が「増加」超に転じ、在庫調整も引き続き進展する見通しになっている。
3.価格動向7~9月期には仕入価格動向D.I.の「上昇」超幅が前の四半期に比べて拡大する一方で、販売価格D.I.は「低下」超幅が縮小した。なお、仕入れ価格上昇による損益の下振れリスクは売上高や生産の持ち直しとともに低下する見通しとなっている。
4.トピック来春の新卒採用を予定している企業の割合は55%と前年調査に比べて上昇した。なお、中小企業においてもほぼ半分が新卒採用を予定している。
- 1.業況判断神奈川県内中堅・中小企業の2005年9月末時点の業況判断D.I.は全産業ベースで前回調査比横ばいの▲18となった。製造業では、一般機械や電気機械が悪化する一方で鉄鋼・非鉄などで改善して、全体では前回と同水準の▲6となった。一方の非製造業は卸・小売の悪化などから▲27から▲29へとわずかに低下した。なお、3か月先の予想については受注や売上高が上向いてくることなどから全産業ベースで▲12と改善が見込まれている。
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2005-11-01
神奈川・地域経済調査
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かながわ経済情報 : かながわ経済情報2005年11月号 中小製造業の創造的ネットワークの形成に向けて(後編)
- 要約
- 1.横浜市が平成16年度に実施した調査によれば、過去5年間に新製品・新技術開発や新分野進出に取り組んだ企業の取り組み成果に対する評価は、他企業等との連携を行った企業の方が行わなかった企業よりも高くなる傾向にある。また、連携を行った企業のなかでも、第三者による連携相手の紹介や仲介を受けた企業の方が受けなかった企業に比べて成果に対する評価が高い。これらの事実から、連携や紹介・仲介など横方向のネットワークの活用が新分野進出等の取り組みに一定の効果を持つことが確認できる。
2.また、ネットワークの活用パターンによる連携効果の違いに関わる分析結果からは以下のような示唆が得られる。すなわち、(1)連携相手の知識や能力などについての情報を事前に入手できるようになれば、連携による新分野進出等の取り組みが成果をあげやすくなる。(2)連携を効果的なものにするためには、連携相手と「お互いの技術レベルや仕事の進め方等について良く知っている」ような関係を築くことが重要である。また、そのような関係を構築するうえでも、事前に連携相手の知識や能力などについての情報を入手することが有効である。(3)連携相手の知識や能力などに関する中小製造業の希望を把握する力に長けた者が連携相手の紹介・仲介者となる場合に、連携による取り組みが成果をあげやすい、などである。
3.これらを踏まえると、中小製造業による横方向のネットワークの活用を促進していくうえで最も必要とされるのは、技術や知識、能力などに関する企業間の信頼関係を強化していく取り組みである。そうした信頼関係を基盤に、中小製造業同士、または中小製造業とそれ以外の多様な主体との結びつきが広がっていけば、地域の企業集積が創造的ネットワークとして成熟し、地域経済の発展に寄与することになろう。
※本稿は、横浜市が平成16年度に弊社に委託して実施した「創造的ネットワーク形成のための新たな産業支援システム検討調査」の報告書の一部を再編集したものである。同調査結果の本誌への掲載をご了承いただいた横浜市に感謝申し上げる。
- 1.横浜市が平成16年度に実施した調査によれば、過去5年間に新製品・新技術開発や新分野進出に取り組んだ企業の取り組み成果に対する評価は、他企業等との連携を行った企業の方が行わなかった企業よりも高くなる傾向にある。また、連携を行った企業のなかでも、第三者による連携相手の紹介や仲介を受けた企業の方が受けなかった企業に比べて成果に対する評価が高い。これらの事実から、連携や紹介・仲介など横方向のネットワークの活用が新分野進出等の取り組みに一定の効果を持つことが確認できる。
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2005-12-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2005年12月号 中国経済の現状と展望
- 要約
- 1.2005年7~9月期の実質GDP成長率が前年比+9.4%となるなど、中国景気は好調に推移している。雇用・所得環境やセンチメントの改善、農村減税の効果などによって個人消費が堅調さを増しているほか、企業の投資活動も高水準を維持している。金融引き締め下にあっても、投資の過熱感が払拭されないのは、中央政府の管轄が及ばない地方プロジェクトが拡大していることや非正規ルートの資金調達が増えていることなどによる。7月下旬に通貨人民元が対ドルで2%切り上げられたが、その影響は限定的なものにとどまり、輸出にスローダウンの兆しは出ていない。2005年10~12月期も内・外需がそろって高い伸びを示すとみられ、2005年通年の実質GDPは前年比+9.4%と3年連続で9%台の高成長を達成しよう。
2.2006年の中国経済を展望すると、景気過熱を抑制するための金融引き締め政策が継続されるが、2008年開催の北京オリンピックや2010年開催の上海万博に向けてインフラ整備などが加速するため、企業の投資は高い伸びで推移すると見込まれる。また、個人消費についても雇用・所得環境が引き続き良好となるなか、10%を超える成長が期待できる。一方、中国当局は人民元改革の一貫として、2006年内に人民元を対ドルで2~4%程度切り上げるとみられ、この影響で輸出の伸びは鈍化し、外需の成長への寄与は低下する公算が大きい。外需の伸びは鈍化するものの内需が高い伸びを示すことから、実質経済成長率は前年比+9.1%と高成長路線が続く見通しだ。
3.もっとも、中国景気の先行きに対するリスク要因も決して少なくない。2006年の中国経済を見通すにあたっては、(1)鳥インフルエンザ流行の影響や、(2)金融引き締め強化による新たな不良債権の増加、(3)人件費上昇に伴う直接投資の減少といったリスクに十分な注意を払っておく必要がある。
※本稿はBRICs経済研究所代表の門倉貴史氏に寄稿していただいたものである。
- 1.2005年7~9月期の実質GDP成長率が前年比+9.4%となるなど、中国景気は好調に推移している。雇用・所得環境やセンチメントの改善、農村減税の効果などによって個人消費が堅調さを増しているほか、企業の投資活動も高水準を維持している。金融引き締め下にあっても、投資の過熱感が払拭されないのは、中央政府の管轄が及ばない地方プロジェクトが拡大していることや非正規ルートの資金調達が増えていることなどによる。7月下旬に通貨人民元が対ドルで2%切り上げられたが、その影響は限定的なものにとどまり、輸出にスローダウンの兆しは出ていない。2005年10~12月期も内・外需がそろって高い伸びを示すとみられ、2005年通年の実質GDPは前年比+9.4%と3年連続で9%台の高成長を達成しよう。
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2006-01-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2006年1月号 2006年度の神奈川県内経済見通し
- 要約
- 1.2005年の神奈川県内景気は、秋口まで回復の踊り場的局面が続いたものの、終盤になってようやく上向いた。これは、年後半から中国や米国向け輸出が増勢に復し、外需を起点とする企業部門の回復力が持ち直してきたためである。また、神奈川県の「インベスト神奈川」など自治体による企業誘致策を呼び水として設備投資の増勢が続いたほか、雇用・所得環境の改善などを背景に個人消費も持ち直すなど、県内需要は総じて底堅く推移した。
2.2006年度の県内景気は民間需要がけん引する自律的な回復を遂げると予測する。海外景気の拡大を背景に輸出の増勢が強まるとともに、県内製造業の生産活動や企業収益も上向きとなろう。そうしたなか、公共投資は減少が続き、住宅投資も高水準となった2005年度を下回るとみられるものの、設備投資は堅調な伸びを持続する。個人消費も定率減税の規模縮小など租税等の負担が増加するなかで、雇用・所得情勢の改善が進むことから底堅く推移しよう。
3.県内経済の勢いを県内総生産の伸び率で示すと、2005年度が前年比+1.5%、続く2006年度も同+2.5%となる。神奈川の場合、大型投資の進捗を背景に設備投資の伸びが高めとなり、生産能力の拡充に伴って移輸出も増加に転じると考えられる。この結果、2006年度の成長率は前年度を上回る経済成長をとげ、4年連続のプラス成長となろう。
- 1.2005年の神奈川県内景気は、秋口まで回復の踊り場的局面が続いたものの、終盤になってようやく上向いた。これは、年後半から中国や米国向け輸出が増勢に復し、外需を起点とする企業部門の回復力が持ち直してきたためである。また、神奈川県の「インベスト神奈川」など自治体による企業誘致策を呼び水として設備投資の増勢が続いたほか、雇用・所得環境の改善などを背景に個人消費も持ち直すなど、県内需要は総じて底堅く推移した。
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2006-02-01
神奈川・地域経済調査
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かながわ経済情報 : かながわ経済情報2006年2月号 神奈川県経済の持続的発展のために何をすべきか
- 要約
- 1.神奈川をはじめとした大都市圏経済は、戦後復興期から高度成長期を経て近年に至るまで、人口の集中と資本の大量投入を背景に地方圏と比べて高成長を遂げてきた。都市と地方の間には効率性格差が存在し、規模の経済性や範囲の経済性が大都市圏の成長率を高める方向に作用してきたと考えられる。
2.今後、神奈川県経済が持続的に発展するためには、10年以上の長期にわたって進展が予想される次の3つの環境変化に正面から向き合わなければならない。すなわち、(1)総人口の本格的減少局面の到来と東京圏拡大の終焉、(2)いっそうのグローバル化の進展に伴う競争条件激化、(3)人々の価値観やライフスタイルの緩慢ながら不可逆的な変化のそれぞれに対し、いち早く察知し、適切な対応をとることが企業および地域の将来を左右するカギとなろう。
3.地域経済のパフォーマンスを測るうえで目標とすべき政策変数は、人口減少が不可避な状況にあって“県内総生産”から“1人あたり県民所得”へと移行せざるを得ない。1人あたり県民所得を増加させるためには、(1)労働力率の上昇、(2)失業率の低下、(3)雇用者所得の拡大、(4)企業所得の拡大、(5)財産所得の拡大の5つをバランス良く達成する必要がある。
4.上記の各変数をコントロールするための具体的な施策としては、(1)女性や高齢者の就労支援、(2)生活関連サービス産業の振興、(3)新リーディング産業の誘致、(4)産業人材の育成、(5)生活インフラの整備・維持をあげることができる。目先の損得勘定に振り回されることなく、長期かつ総合的な視点から一貫した政策と、腰を据えて真摯に取り組む姿勢が今求められている。
- 1.神奈川をはじめとした大都市圏経済は、戦後復興期から高度成長期を経て近年に至るまで、人口の集中と資本の大量投入を背景に地方圏と比べて高成長を遂げてきた。都市と地方の間には効率性格差が存在し、規模の経済性や範囲の経済性が大都市圏の成長率を高める方向に作用してきたと考えられる。
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2006-03-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2006年3月号 拡大する県内住宅地の地価格差
- 要約
- 1.近年の神奈川県内では、住宅地価が下げ止まりに向かって着実に歩を進めている。しかしその一方で、2000年ごろを境に地域間や地点間の地価格差が拡大する傾向にある。これは、それぞれの土地の利用価値に応じて地価が決まるという、市場メカニズムの下での合理的な地価形成が進んでいることの現れである。また、そのような土地市場の構造変化の結果として、地域間の住宅地価動向の差には各地域の住宅地市場の勢いが鮮明に反映されるようになっている。
2.県内の基準地別の地価動向を分析した結果によれば、各地の地価動向の差につながった利用価値の具体的な評価軸の一つとして、交通利便性の違いがあることは間違いないといえる。また、それ以外では、指定容積率の高さといった各地の開発可能性の違いや、住環境の違いも近年の住宅地価の格差拡大に影響を及ぼしたと考えられる。
3.これらのことが示唆するのは、第1に、今後も、それぞれの地域が住まいを構える場所としてどれだけ多くの人々から支持されるかが、各地の住宅地価動向を左右するということである。また第2に、そのようないわば、地域の魅力に対する市場の評価は、交通利便性などの外生的な要因のみによって決まるのではなく、住環境の整備状況などの内生的な要因によっても異なることである。さらに第3として、今後は、住宅地価の地域間格差が各地の地域経営のあり方を考える上での貴重な情報をもたらし得るということである。
- 1.近年の神奈川県内では、住宅地価が下げ止まりに向かって着実に歩を進めている。しかしその一方で、2000年ごろを境に地域間や地点間の地価格差が拡大する傾向にある。これは、それぞれの土地の利用価値に応じて地価が決まるという、市場メカニズムの下での合理的な地価形成が進んでいることの現れである。また、そのような土地市場の構造変化の結果として、地域間の住宅地価動向の差には各地域の住宅地市場の勢いが鮮明に反映されるようになっている。
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2006-04-01
神奈川・地域経済調査
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かながわ経済情報 : かながわ経済情報2006年4月号 高付加価値分野の地方展開を進める“ポスト空洞化”時代の工場立地
- 要約
- 1.東京や大阪などの大都市近郊に集積していた製造業の生産拠点は、バブル期を挟んだ1980年代半ばから90年代半ばにかけて北関東や東北、九州などの地方圏へ、90年代半ば以降は東アジアを中心とした海外諸国へと、時期的なズレを伴いつつ量産機能の移管を進めてきた。近年は逆に国内立地を見直す動きが広まっており、地方自治体の企業誘致合戦も次第に熱を帯びてきた。
2.『付加価値』と『雇用』という2つの評価軸の高低に基づき、都道府県別に製造業業種を“高付加価値”-“大雇用”のA格付けから、“低付加価値”-“小雇用”のD格付けまでの4グループに分類したところ、東北など地方圏の県では大半の業種が“低付加価値”に該当するという結果が得られた。すなわち、工場の地方分散は雇用面にのみ効果が現れており、半面、大都市圏には高付加価値分野がなお残存していることを示している。
3.業種別にみた構造転換の震源は電気機械(旧業種分類)である。旧電機に着目すると、かつて隆盛を誇った大都市近郊の府県で、とりわけ近年、付加価値と雇用両面において力の衰えが目立つ。そのかたわら、地方圏に目を転じると、九州では長崎、熊本、大分で“高付加価値化”の進展が確認できるほか、鳥取、徳島、富山などでも大手メーカーの進出によって“突然変異”を遂げており、高付加価値分野の地方展開を志向する動きが目立ってきた。
4.神奈川県では、化学、石油製品、輸送機械、一般機械が2004年時点でA格付けである。2001年まで不動のAであった旧電機は2002年以降、“低付加価値”-“大雇用”のCへ転落している。県内市区町村ごとに、同様の方法で業種格付けを行うと、たとえば輸送機械なら横須賀市、平塚市、寒川町、愛川町、化学なら川崎市、平塚市、鎌倉市、小田原市と、各業種の集積地域を一覧できる。
5.およそ四半世紀にも及ぶグローバルなレベルでの最適生産体制構築の動きは21世紀に入って一巡した感がある。そうした“ポスト空洞化”時代にあって、地域ごとにきめ細かい施策を展開するためには現状の正確な把握が欠かせず、その際、こうした手法による業種格付けが今後の産業政策を考えるうえでの有用な羅針盤となろう。
- 1.東京や大阪などの大都市近郊に集積していた製造業の生産拠点は、バブル期を挟んだ1980年代半ばから90年代半ばにかけて北関東や東北、九州などの地方圏へ、90年代半ば以降は東アジアを中心とした海外諸国へと、時期的なズレを伴いつつ量産機能の移管を進めてきた。近年は逆に国内立地を見直す動きが広まっており、地方自治体の企業誘致合戦も次第に熱を帯びてきた。
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2006-05-01
神奈川・地域経済調査
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かながわ経済情報 : かながわ経済情報2006年5月号 改善が続く神奈川県内中堅・中小企業の景況感
- 要約
- 1.業況判断神奈川県内中堅・中小企業の2006年3月末時点の業況判断D.I.は全産業ベースで▲8と前回調査比2ポイント改善した。製造業では、輸送機械や金属製品などの景況感の悪化から、全体で同5ポイント低下の▲4となった。一方の非製造業は、サービスや建設などが改善し、8ポイント上昇の▲11となった。なお、3か月先の予想については全産業ベースで▲10と小幅な悪化が見込まれている。
2.企業業績等2006年1~3月期の企業業績は売上高、損益などがおしなべて悪化した。続く4~6月期は売上高が「増加」超に転じ、損益も「好転」超に転じるなど改善が見込まれている。価格動向については、1~3月期に仕入価格D.I.の「上昇」超幅が拡大した一方で、販売価格D.I.の「低下」超幅は縮小した。
3.設備投資2006年度の設備投資計画は「実施する」と回答した企業が半数を超えた。投資額を前年度より増額する企業は半数弱、逆に減額する企業は1割強にとどまっている。
- 1.業況判断神奈川県内中堅・中小企業の2006年3月末時点の業況判断D.I.は全産業ベースで▲8と前回調査比2ポイント改善した。製造業では、輸送機械や金属製品などの景況感の悪化から、全体で同5ポイント低下の▲4となった。一方の非製造業は、サービスや建設などが改善し、8ポイント上昇の▲11となった。なお、3か月先の予想については全産業ベースで▲10と小幅な悪化が見込まれている。
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2006-06-01
神奈川・地域経済調査
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かながわ経済情報 : かながわ経済情報2006年6月号 消費喚起のカギを握るシニア世帯の需要掘り起こし
- 要約
- 1.少子高齢化の進展は、ライフステージによって世帯の人員構成が変化することを反映して、マクロの消費動向にも影響を及ぼす。神奈川の場合、総人口がピークアウトする2020年以降も、(1)高齢の夫婦のみ世帯及び単身世帯を中心に世帯数の増加が続くこと、(2)相対的に潤沢な金融資産を有する高齢世帯のウエイト拡大に伴い購入単価の上昇が見込まれることから、県内個人消費の規模は2005年の水準を上回って推移すると予想される。
2.消費市場における主役の座が従来のようなヤングやミドルのファミリー世帯から子育てを終えたシニアの夫婦のみ世帯及び単身世帯に移行するに連れて、消費費目にも変化が表れる。たとえば、相対的にシニア世帯の支出ウエイトが大きい「保健医療」や、世帯属性による差異が小さい「食料品」などでは増加傾向が続くかたわらで、「教育」や「交通・通信」の減少が際立つ。
3.ただし、減少見込みの「交通・通信」のうち「自動車等関係費」に着目して精査したところ、シニアドライバーの動向如何によっては過去の消費パターンを単純に当てはめた推計結果ほどには減少しない可能性もある。すなわち、クルマの「購入費」そのものは少子化による新規取得層の縮小などが押し下げ要因となるものの、ガソリン代などの「維持費」については、今後シニア層における運転免許保有者数の拡大が下支え要因として無視できないだけの影響力を持っている。
4.彼らシニアが新規需要層に転じれば、メンテナンスなどの維持費のみならず、購入費、すなわち販売台数の押し上げ要因にもなり得るだろう。そのためには高齢者でも安全に運転できるクルマやそれをサポートする運行システムなど、自動車メーカー及び関連業界にはそうした技術開発に関して不断の努力が求められる。自動車関連市場に限らず全体のパイ縮小が不可避な状況下にあって、個人消費を喚起させるにはやはりシニア世帯の需要掘り起こしが重要なカギとなろう。
- 1.少子高齢化の進展は、ライフステージによって世帯の人員構成が変化することを反映して、マクロの消費動向にも影響を及ぼす。神奈川の場合、総人口がピークアウトする2020年以降も、(1)高齢の夫婦のみ世帯及び単身世帯を中心に世帯数の増加が続くこと、(2)相対的に潤沢な金融資産を有する高齢世帯のウエイト拡大に伴い購入単価の上昇が見込まれることから、県内個人消費の規模は2005年の水準を上回って推移すると予想される。
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2006-07-01
神奈川・地域経済調査
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かながわ経済情報 : かながわ経済情報2006年7月号 一時的に悪化した神奈川県内中堅・中小企業の景況感
- 要約
- 1.業況判断2006年6月末時点の神奈川県内中堅・中小企業の業況判断D.I.(全産業ベース、業況が「良い」-「悪い」、回答社数構成比、%)は前回3月調査を4ポイント下回る▲12となった。製造業では、輸送機械などの低下から、前回調査比2ポイント低下の▲6となった。非製造業についても、運輸・倉庫を除く3業種が悪化して、6ポイント低下の▲17となった。なお、3か月先の予想については、全産業ベースで▲10と改善する見込みであり、景況感の悪化は一時的なものにとどまると考えられる。
2.企業業績等4~6月期の企業業績は売上高・損益ともに改善した。続く7~9月期には、売上高が「増加」超に転じるとともに、損益も「好転」超に転じる見通しである。また、7~9月期の受注については、製造業では「増加」超に転じる一方で、建設業は「減少」超幅が拡大する見込みとなっている。
3.価格動向4~6月期の原材料(製商品)仕入価格D.I.は前回調査に比べて「上昇」超幅が拡大する一方、販売価格D.I.は「低下」超幅が縮小している。仕入価格の上昇を見込む企業の割合が高まるなかで、販売価格への転嫁を進める動きが広まっている。
- 1.業況判断2006年6月末時点の神奈川県内中堅・中小企業の業況判断D.I.(全産業ベース、業況が「良い」-「悪い」、回答社数構成比、%)は前回3月調査を4ポイント下回る▲12となった。製造業では、輸送機械などの低下から、前回調査比2ポイント低下の▲6となった。非製造業についても、運輸・倉庫を除く3業種が悪化して、6ポイント低下の▲17となった。なお、3か月先の予想については、全産業ベースで▲10と改善する見込みであり、景況感の悪化は一時的なものにとどまると考えられる。
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2006-08-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2006年8月号 今後一層の強化が見込まれる政府の中古住宅市場活性化策-神奈川の中古住宅取引は活性化するのか(前編)
- 要約
- 1.戦後のわが国では、現在にいたるまで、持家取得のほとんどが新規の住宅建築や新築住宅の購入によって行われ、中古住宅市場が十分に発達してこなかった。右肩上がりの経済成長や地価の上昇が持続していくなかでは、新築による持家の取得が合理的であったからである。
2.しかしながら、わが国の新築志向を支えた経済環境は、ここ10数年で大きく変化した。また、今後は老後の生活資金確保などのために住宅資産を活用したいというニーズが高まってくると予想される。そうなると、これからは、一旦住宅を取得したとしても生活状況の変化に応じて柔軟に住み替えることができ、利用しない住宅は流通させて生活の糧とすることができるような社会環境の方が望ましいことになり、そのような社会環境を実現していくためには中古住宅市場の発達が必要不可欠となる。
3.ただし重要なことは、経済環境上の理由以外にも、わが国には中古住宅市場の発達を阻害する要因があった点である。その一つはこれまでの住宅税制であり、もう一つは、中古住宅の品質や性能等に関する情報の流通など、市場機能を支えるインフラが未整備なことである。
4.この点、近年の政策サイドではこれらの阻害要因を取り除くことを意図した取り組みが行われるようになっており、今後もさらに強化される見込みである。一方で、実際に中古住宅の取引が活性化するか否かは、時々の長期金利の水準や人々が抱く住宅資産価格の上昇に対する期待の大きさによって影響されると考えられ、今後の市場動向を見通すうえでは、そのような金利水準や住宅価格の変動にも注意する必要がある。
- 1.戦後のわが国では、現在にいたるまで、持家取得のほとんどが新規の住宅建築や新築住宅の購入によって行われ、中古住宅市場が十分に発達してこなかった。右肩上がりの経済成長や地価の上昇が持続していくなかでは、新築による持家の取得が合理的であったからである。
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2006-09-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2006年9月号 長期金利や住宅価格の変化が中古住宅市場に及ぼす影響について-神奈川の中古住宅取引は活性化するのか(後編)
- 要約
- 1.神奈川県は中古住宅取引が活発な県である。1999年~2003年9月までの期間における神奈川の中古住宅取引比率(全持家取引数に占める中古住宅取引数の割合)は23.3%と47都道府県中で7番目に高い。神奈川の中古住宅取引比率が高い背景としては、まず、(1)神奈川では間取りなどの仕様が標準化された持家ストックの割合が高いと考えられることがあげられる。また、90年代終盤から2000年代初頭の期間についてはそれとは別に、(2)神奈川県内の住宅地価の下落ペースが比較的速かったために、住宅価格の先行きに対する人々の見方が他地域よりも厳しめであったことも影響したと考えられる。
2.神奈川県の中古住宅市場の時系列的な推移をみると、取引数が増加しつつあるうえに取引価格も上昇し始めており、近年は市場が拡大傾向にある。しかし中古住宅取引比率をみると、90年代後半から2003年にかけての期間はそれ以前に比べて低迷しており、持家取得市場全体の拡大による影響を除いた実質的な意味においては神奈川の中古住宅取引が停滞する傾向にあったことがわかる。同比率が90年代後半以降に低下したのは、長期金利の低下を受けて持家取得市場では中古から新築への需要シフトが起こるとともに、中古住宅の供給が抑制されたためであると考えられる。
3.以上のような県内の中古住宅取引状況に関する考察からもわかるように、長期金利の低下は実質的な中古住宅取引の活性化度合いに対してマイナスの影響を及ぼし、住宅価格の上昇期待の冷え込みはプラスの効果をもたらす。このことを踏まえたうえで今後を展望すると、県内では住宅価格の緩やかな上昇が想定されるものの、一方で長期金利が上昇傾向をたどると見込まれることから神奈川県の中古住宅取引比率は上向いていくと予想される。ただし、持家取得市場全体が伸び悩むなかで中古住宅市場が量的に拡大を続けるかは微妙な情勢であり、その意味においても政策サイドの取り組みの着実な進展が望まれる。
- 1.神奈川県は中古住宅取引が活発な県である。1999年~2003年9月までの期間における神奈川の中古住宅取引比率(全持家取引数に占める中古住宅取引数の割合)は23.3%と47都道府県中で7番目に高い。神奈川の中古住宅取引比率が高い背景としては、まず、(1)神奈川では間取りなどの仕様が標準化された持家ストックの割合が高いと考えられることがあげられる。また、90年代終盤から2000年代初頭の期間についてはそれとは別に、(2)神奈川県内の住宅地価の下落ペースが比較的速かったために、住宅価格の先行きに対する人々の見方が他地域よりも厳しめであったことも影響したと考えられる。
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2006-10-01
神奈川・地域経済調査
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かながわ経済情報 : かながわ経済情報2006年10月号 メガネブームの背景にある価格破壊とデザイン性の向上
- 要約
- 1.若者を中心にメガネがブームとなっており、低価格でかつデザイン性に優れた商品を扱う新しいスタイルのメガネ小売店の新規出店が盛んである。そうした新業態では、買い回り品という既成概念を打破した最寄り品としての販売戦略が奏功し、新たな市場開拓につながったものと評価できる。
2.メガネ小売業界は、大手チェーンによる積極的な店舗展開を背景に、90年代以降、小売業全体と比べて堅調に推移してきた。メガネは視力矯正を目的とした実用品という商品特性から需要動向が比較的安定しており、価格も高めに設定することが可能であった。しかし、新業態の登場を機に競争が激化するとともに、輸入品の浸透から価格低下が鮮明となっている。
3.神奈川県は全国の中でもメガネ市場の競争が激しい地域である。ただ、その立地は商業集積地域に偏在している。潜在的なメガネ市場規模と実際の販売額との差を求めたところ、メガネ需要の流出は神奈川県全体で131億円に上るとの結果が得られた。市区別にみると、相模原市、川崎市宮前区、横浜市保土ヶ谷区など郊外部で流出が大きい。郊外部は新業態にとって未開拓なエリアであり、出店余地を残していると考えられる。
4.低価格が当然視されるポストデフレ経済の下では、消費者の購買意欲を刺激するファッション性や魅力的なデザインなど、プラスアルファの付加価値が不可欠となる。メガネ市場を巡る小売店の攻防劇の中には、飽和市場における販売戦略を考えるうえでのヒントが隠されているといえよう。
- 1.若者を中心にメガネがブームとなっており、低価格でかつデザイン性に優れた商品を扱う新しいスタイルのメガネ小売店の新規出店が盛んである。そうした新業態では、買い回り品という既成概念を打破した最寄り品としての販売戦略が奏功し、新たな市場開拓につながったものと評価できる。
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2006-11-01
神奈川・地域経済調査
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かながわ経済情報 : かながわ経済情報2006年11月号 年末に向けて緩やかな改善が見込まれる神奈川県内中堅・中小企業の景況感
- 要約
- 1.業況判断
2006年9月末時点の神奈川県内中堅・中小企業の業況判断D.I.(全産業ベース、業況が「良い」-「悪い」の回答社数構成比、%)は前回6月調査比横ばいの▲12となった。3か月先の予想については、全産業ベースで▲9と改善する見込みである。
2.仕入価格
7~9月期の仕入価格判断D.I.(前の四半期に比べて仕入価格が「上昇」-「低下」の回答社数構成比、季調済、%)は、製造業において大幅な上昇となったことから、前回調査時点から10ポイント上昇の+50となった。ただ、10~12月期については+39と11ポイント低下する見込みである。
3.借入金利
7~9月期の借入金利水準判断D.I.(前の四半期に比べて借入金利の水準が「上昇」-「下落」の回答社数構成比、%)は+53と、前回調査時点の+15から38ポイントの大幅な上昇となった。10~12月期については+39と14ポイント低下する見込みである。
4.トピック
2007年春の新卒採用計画については、非製造業の中堅・中小企業で採用数が大幅に伸びたことから、全産業の採用予定者数は2006年春を15.0%上回った。中堅、中小企業に分けてみると、中小企業の増加率が中堅企業を大幅に上回っており、中小企業においても雇用拡大の意欲が強まっているとみられる。
- 1.業況判断
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2006-12-01
神奈川・地域経済調査
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かながわ経済情報 : かながわ経済情報2006年12月号 2006年冬の神奈川県民ボーナスの見通し
- 要約
- 1.神奈川県経済は、家計部門の動きにもたつきがみられるものの、企業部門を主体に息の長い景気拡大が続いている。すなわち、企業部門では堅調な輸出を背景に生産が拡大するとともに、設備投資も活発化しており、直近の決算動向でも製造業を中心に多くの企業が好調を維持している。ボーナス支給額を左右する雇用・賃金を取り巻く環境は着実に改善が進んでいる。
2.そうしたなか、当社が推計した今冬の神奈川県民の民間1人あたりボーナス支給額は前年比4.9%増の59.2万円と4年連続で前年実績を上回る見通しである。雇用者数の増加と支給者割合の上昇を見込んだ結果、民間ボーナスの支給総額は同6.9%増の1兆7,466億円と2年連続で前年実績を上回る見通しとなった。
3.ボーナスの支給総額が2年連続で前年実績を上回る見通しとなったことは、「いざなぎ」を超える戦後最長の景気拡大局面の下で回復の実感を欠いたままじっと耐えてきた家計部門にもようやく企業部門の好調さの恩恵が及んできた様子を示している。雇用情勢の改善とも相まって、当面の消費動向を下支えする効果を発揮することが期待される。
- 1.神奈川県経済は、家計部門の動きにもたつきがみられるものの、企業部門を主体に息の長い景気拡大が続いている。すなわち、企業部門では堅調な輸出を背景に生産が拡大するとともに、設備投資も活発化しており、直近の決算動向でも製造業を中心に多くの企業が好調を維持している。ボーナス支給額を左右する雇用・賃金を取り巻く環境は着実に改善が進んでいる。
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2007-01-01
神奈川・地域経済調査
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かながわ経済情報 : かながわ経済情報2007年1月号 2007年度の神奈川県内経済見通し
- 要約
- 1.2006年の神奈川県経済は、県内需要が主導するかたちでの景気回復が続いた。すなわち、個人消費が雇用・所得情勢の改善を背景に底堅く推移し、設備投資も自治体の企業誘致策を追い風に増勢が続くなど、総じて県内の需要は堅調に増加した。ただ、回復の原動力である企業部門では夏場までの輸出の伸びの鈍化や原油など原材料価格の高騰を背景に、年初に比べると回復ピッチが弱まった。
2.2007年度の県内景気は民間需要がけん引する自律的な回復が続くと予測する。海外景気の減速を背景に、輸出を起点とする企業部門の回復力はスローダウンするものの、A.県内企業の収益回復が続くこと、B.設備投資が増勢を維持すること、C.企業の根強い人手不足感を背景に雇用・所得情勢の改善が続くなか、個人消費の底堅い推移が見込まれること、などから緩やかな回復が続くことになるだろう。
3.県内経済の勢いを実質県内総生産の伸び率で示すと、2006年度が前年比+2.0%、続く2007年度も同+1.5%となる。神奈川の場合、大型投資の進捗を背景に設備投資の伸びが高めとなるものの、輸出の減速によって県外需要が成長率を抑制すると考えられる。この結果、2007年度の成長率は前年度を下回るものの、6年連続のプラス成長を遂げることになろう。
- 1.2006年の神奈川県経済は、県内需要が主導するかたちでの景気回復が続いた。すなわち、個人消費が雇用・所得情勢の改善を背景に底堅く推移し、設備投資も自治体の企業誘致策を追い風に増勢が続くなど、総じて県内の需要は堅調に増加した。ただ、回復の原動力である企業部門では夏場までの輸出の伸びの鈍化や原油など原材料価格の高騰を背景に、年初に比べると回復ピッチが弱まった。
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2007-02-01
神奈川・地域経済調査
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かながわ経済情報 : かながわ経済情報2007年2月号 2007年度の神奈川県内建設投資の見通し
- 要約
- 1.神奈川県内の建設投資は2005年度に前年比5.5%増と3年ぶりに増加した。公共投資は減少が続いたものの、民間居住用の建設投資が堅調に増加したうえ、設備投資の活発化を反映して民間の非居住用建設投資も回復・急伸した。5.5%増という前年比増減率はバブル崩壊以降では最も高い値である。
2.2006年度に入ってからの県内の建設活動をみると、民間住宅建築はこれまでのところ堅調さを保っているものの、先行き住宅取得環境悪化の影響が現れる懸念が生じてきている。また、企業の設備投資関連についても水準としては好調を維持しているものの、増勢が鈍化している。一方、公共投資については、この1年余り、従来よりも底堅い動きがみられるようになった。当社が各種の先行指標を用いて推計したところ、2006年度の県内建設投資は前年比2.3%増と増勢が鈍化するものの、2年連続で拡大する見込みとなった。
3.2007年度の県内建設投資については前年比3.4%減と減少を予測した。自治体の財政事情が厳しいなかで公共投資が同3.6%減と減少ペースを緩めながらも引き続き前年を下回る。民間住宅建築についても住宅取得環境悪化の影響が顕在化することなどにより減少が続くとみられる。企業の設備投資関連については、企業の設備投資意欲は旺盛な状態で推移するとみられるものの、大型商業施設の建設活動がピークアウトする見込みであることなどもあって2006年度並の水準にとどまる。
- 1.神奈川県内の建設投資は2005年度に前年比5.5%増と3年ぶりに増加した。公共投資は減少が続いたものの、民間居住用の建設投資が堅調に増加したうえ、設備投資の活発化を反映して民間の非居住用建設投資も回復・急伸した。5.5%増という前年比増減率はバブル崩壊以降では最も高い値である。
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2007-03-01
神奈川・地域経済調査
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かながわ経済情報 : かながわ経済情報2007年3月号 改正まちづくり三法に死角はないか?
- 要約
- 1.中心市街地の衰退が著しい。背景には、ライフスタイルの変化に加えて、モータリゼーションの進展に伴う都市機能の郊外化の影響が大きい。そうした『郊外化』と『荒廃化』は、道路等社会インフラの維持管理コストの増大やコミュニティの崩壊など、地域社会に様々な弊害を引き起こしている。
2.都市の無秩序な肥大化に歯止めをかけ、中心市街地を再活性化することを目的として1998年にまちづくり三法が相次いで制定・改正されたが、うち、中心市街地活性化法と都市計画法が2006年に改正された。郊外ほど規制の網がかかりにくくなる都市計画法の不備が改められることで、延べ床面積1万平方メートル以上の大規模集客施設は今後、商業、近隣商業、準工業の3つの用途地域でのみ出店が可能となる。ただし、三大都市圏では既成市街地および近郊整備地域の「準工」が適用除外(特別用途地区の指定をしなくても中心市街地活性化基本計画が認定を受けられる)となり、郊外出店の余地が残った。つまり、地方圏では郊外の開発抑制と中心市街地の活性化を一体で進められるのに対し、都市圏では郊外と中心市街地を同時に開発・支援するケースも想定され、両者が矛盾しないように調整が必要となる。
3.三大都市圏で「準工」が適用除外とされた理由は、市域全体で都市化が進んでいるためであるが、実際には都市によるばらつきは小さくない。一都三県の141市町村について、DID(人口集中地区)と非DIDの人口増減(2000~05年)の組み合わせによって、都市化の段階を分類したところ、東京都と神奈川県では大半の都市でDIDに人口が集中しつつ、全体の人口が増加する『都市化』段階にあることが確認できた。半面、埼玉県と千葉県では人口が減少しているにもかかわらず、非DIDに人口が分散する『逆都市化』段階にある都市も散見された。そのうち、人口1人あたりの売場面積が一都三県平均の水準を上回る小売供給力が過大な都市では、むしろ規制強化すら必要な状況といえる。
4.こうした状況を鑑みると、とりわけ都市圏におけるこれからのまちづくりでは、都市化の段階によって都心の再活性化と郊外の開発抑制とのバランスをとりつつ推進していくことが求められる。ただ、一連の法改正は規制緩和の潮流に逆行する動きでもあり、規制を適用する際には利害関係者間の便益の帰着先を慎重に考慮したうえで、全体の厚生が高まるか否かを十分に検討することが肝要であろう。
- 1.中心市街地の衰退が著しい。背景には、ライフスタイルの変化に加えて、モータリゼーションの進展に伴う都市機能の郊外化の影響が大きい。そうした『郊外化』と『荒廃化』は、道路等社会インフラの維持管理コストの増大やコミュニティの崩壊など、地域社会に様々な弊害を引き起こしている。
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2007-04-01
神奈川・地域経済調査
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かながわ経済情報 : かながわ経済情報2007年4月号 わずかに悪化した神奈川県内中堅・中小企業の景況感
- 要約
- 1.業況判断
2007年3月末時点の神奈川県内中堅・中小企業の業況判断D.I.(全産業ベース、業況が「良い」-「悪い」の回答社数構成比、%)は▲8と、前回2006年12月調査の▲7から1ポイント低下した。3か月先の予想については、全産業ベースで▲13と5ポイント低下する見込みである。
2.価格動向
1~3月期の仕入価格動向D.I.(前の四半期に比べて価格が「上昇」-「低下」の回答社数構成比、季調済、%)は、前回調査時点から7ポイント上昇の+38となった。一方、販売価格動向D.I.(同)については前回調査時点から5ポイント低下の▲9となった。
3.借入金利
3月末時点の借入金利水準判断D.I.(3か月前に比べて借入金利の水準が「上昇」-「下落」の回答社数構成比、%)は+50と、前回調査時点の+27から23ポイントの大幅な上昇となった。6月末時点についても+51とさらに1ポイント上昇する見込みである。
4.トピック
2007年度の設備投資計画について、「実施する」と回答した企業の割合は全回答企業の38.8%だった。「実施する」と回答した企業のうち、前年度と比べて「増加する」と回答した企業の割合は42.3%、「減少する」と回答した企業の割合は13.0%だった。
- 1.業況判断
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2007-05-01
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かながわ経済情報 : かながわ経済情報2007年5月号 着実に薄れつつある神奈川県のベッドタウン的性格
- 要約
- 1.総務省「国勢調査」の最新の調査結果によると、2005年時点における神奈川県の昼夜間人口比率は90.3%と、前回の2000年調査に続く上昇となった。これは主に退職により非就業人口化した人の割合が高齢化の進展とともに高まったためである。
2.他方、1995年以降の神奈川県では、常住する就業・通学人口の歩留まりを示す自県内従業・通学割合がほとんど上昇することなく推移した。東京などに通学する人口の割合は低下したものの、反面で世代交代などを背景に県内に住む就業者の県外流出傾向が強まったためである。ブルーカラー的な職業に就く人の割合が高く、県内で従業する傾向が強かった戦中生まれ世代が順次退職したことにより、ホワイトカラー的職業に就き、東京に通勤する人が多い高度成長期以降生まれの世代の特徴が神奈川に住む就業者全体の特徴として一層前面に現れるようになってきている。
3.以上のことを踏まえれば、近年の神奈川県における昼夜間人口比率の上昇は必ずしも神奈川県の中心性の回復を意味するものではないと考えられる。ただしその一方で、結果的にではあれ、神奈川県のベッドタウン的性格は着実に薄れつつある。また、そうした傾向は、今後、退職者が増加していくなかでますます強まっていくと予想される。
- 1.総務省「国勢調査」の最新の調査結果によると、2005年時点における神奈川県の昼夜間人口比率は90.3%と、前回の2000年調査に続く上昇となった。これは主に退職により非就業人口化した人の割合が高齢化の進展とともに高まったためである。
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2007-06-01
神奈川・地域経済調査
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かながわ経済情報 : かながわ経済情報2007年6月号 2010年代以降にずれ込む神奈川の退職者の急増時期
- 要約
- 1.2007~09年にかけて人口ボリュームが大きい「団塊世代」が60歳の定年退職期を迎える。団塊世代の退職については、これまで主に企業サイドから「2007年問題」として注目を集めてきたが、一方で今後の彼らの生活の場となる地域社会の側からみると、“第二の人生”をスタートする人々に地域のなかでどのように活躍してもらうかという問題がクローズアップされる。
2.神奈川における今後の退職者数を予測すると、企業の継続雇用制度によって団塊世代の雇用者が非就業者となる時期が5年程度先送りされることなどから、退職者数が大幅に増加する時期は2010年代以降にずれ込むと見込まれる。また、退職者数の増加は県内における60歳以上の非就業人口を押し上げ、2020年には非就業人口が193.6万人と2005年に比べて34.3%増加する。
3.こうした退職者数の推移を市区町村別にみると、団塊世代の厚みがある県央地域や湘南地域に加えて、都筑区や青葉区などこれまでは60歳以上非就業者の割合が比較的低かった地域においても県平均を大きく上回る増加が見込まれる。これまで東京のベッドタウン的性格が強かったこれらの地域では、今後は退職して地域に戻る人が急増することになる。
4.退職者のなかには、就業経験や知識を生かして地域に貢献したいとする人々が少なからずいるが、地域における結びつきが不足しがちなことなどを背景に、現状ではこうした活動に参加している高齢者はわずかにとどまっている。今後、退職して地域に戻ってくる人たちが地域貢献活動に参加しやすいようにするためには、NPOなどの地域活動団体が退職者の地域内における人的ネットワーク不足の問題へのフォローに一層気を配っていく必要があろう。
- 1.2007~09年にかけて人口ボリュームが大きい「団塊世代」が60歳の定年退職期を迎える。団塊世代の退職については、これまで主に企業サイドから「2007年問題」として注目を集めてきたが、一方で今後の彼らの生活の場となる地域社会の側からみると、“第二の人生”をスタートする人々に地域のなかでどのように活躍してもらうかという問題がクローズアップされる。
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2007-07-01
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かながわ経済情報 : かながわ経済情報2007年7月号 2四半期続けて悪化した神奈川県内中堅・中小企業の景況感
- 要約
- 1.業況判断
神奈川県内中堅・中小企業の2007年6月末時点の業況判断D.I.は全産業ベースで▲6となり、前回調査比5ポイント低下した。製造業が▲4と1ポイント低下し、一方の非製造業も▲7と7ポイント低下した。なお、3か月先の予想については全産業ベースで▲3と改善が見込まれている。
2.企業業績等
2007年4~6月期の企業業績は売上高が改善した反面で、損益は小幅に悪化した。続く7~9月期は売上高、損益ともに改善する見通しである。ただ、2007年度上期に設備投資の実施を計画する企業の割合は38.8%と前年同期の54.1%に比べて大幅に低下している。
3.価格動向
4~6月期の仕入価格D.I.は前回調査比5ポイント上昇の+48となり、第2次石油危機時の1979年12月以来28年ぶりの高水準となった。一方の販売価格D.I.も同6ポイント上昇の+1と1991年12月以来16年ぶりに「上昇」超となった。
4.2007年問題の影響
回答企業745社のうち定年制を導入している企業は9割、今後3年程度のうちに定年を迎える社員がいる企業が7割で正社員数の5.4%を占めることが明らかになった。2007年問題の悪影響があるとする企業は回答企業全体の3割となり、対応策として、継続雇用制度の活用や新規雇用による補充を図る企業が多くを占めた。
- 1.業況判断
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2007-08-01
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かながわ経済情報 : かながわ経済情報2007年8月号 増収と効率化により増益となった2006年度の神奈川県内上場企業決算
- 要約
- 1.国内外の景気拡大が続くなかで、県内上場企業の収益は回復を続けている。神奈川県内上場企業91社の2006年度連結決算を集計したところ、売上高が前年比4.6%増加、経常利益も同17.1%増加と増収増益になっている。
2.2006年度決算の特徴は、(1)海外景気や設備投資をけん引役として売上高が増加したこと、(2)原材料価格の高騰を増収や生産効率上昇などで克服して経常利益も増加したこと、の2点に集約できる。その結果として、県内上場企業の経常利益水準は過去最高を更新し、内部留保も厚みを増すなど企業のリスク許容度は高まっている。
3.2007年度も県内上場企業の業績は増収増益基調を維持すると考える。企業による業績予想を損益分岐点分析によって検証した結果、リスク要因のひとつである原材料価格が今後さらに上昇したとしても増益を確保するという結論が得られた。企業収益の回復が続くなかで、今後の県内景気も拡大基調を維持することになろう。
- 1.国内外の景気拡大が続くなかで、県内上場企業の収益は回復を続けている。神奈川県内上場企業91社の2006年度連結決算を集計したところ、売上高が前年比4.6%増加、経常利益も同17.1%増加と増収増益になっている。
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2007-09-01
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かながわ経済情報 : かながわ経済情報2007年9月号 民間需要主導の回復が続く神奈川県経済
- 要約
- 1.2007年前半の神奈川県内景気は緩やかな回復が続いた。企業部門では自動車関連の回復がもたつくなど一部に弱い動きが残るものの、総じてみれば収益の回復傾向が続くなかで投資活動が堅調に推移した。一方で家計部門も、個人消費が税負担増や天候不順を映じて一時的に弱含んだものの、雇用・所得面の改善を背景に底堅く推移した。
2.2007年度後半の県内景気も、底堅い県内需要に支えられて着実な回復が続くと予測する。ただ、自治体の誘致策の奏功から増勢を強めてきた設備投資の勢いが鈍り、住宅投資も地価の上昇など住宅取得環境の悪化から弱含みが見込まれる。反面で、個人消費は堅調さを取り戻し、政府消費も退職金の支払い増から増勢を増すとみられる。続く2008年度も設備投資が高い伸びを維持し、雇用・所得情勢の改善が続くなかで個人消費も引き続き堅調に推移することから県内景気は回復基調を維持すると考えられる。
3.県内経済の勢いを県内総生産の伸び率で示すと、2007年度が前年比+1.8%、続く2008年度は同+2.3%となる。神奈川の場合、大型投資の進ちょくを背景に設備投資の伸びは高めとなるものの、増勢は鈍化する。反面で、個人消費が勢いを取り戻してくることから民間需要が主導するかたちでの自律的な回復が続くことになるだろう。
- 1.2007年前半の神奈川県内景気は緩やかな回復が続いた。企業部門では自動車関連の回復がもたつくなど一部に弱い動きが残るものの、総じてみれば収益の回復傾向が続くなかで投資活動が堅調に推移した。一方で家計部門も、個人消費が税負担増や天候不順を映じて一時的に弱含んだものの、雇用・所得面の改善を背景に底堅く推移した。
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2007-10-01
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かながわ経済情報 : かながわ経済情報2007年10月号 底打ちはしたが回復に勢いがみられない近年の神奈川県工業
- 要約
- 1.長期にわたって縮小傾向をたどってきた神奈川県工業に近年底打ちの動きがみられるようになっている。経済産業省「工業統計表」によると、神奈川県の製造品出荷額等や付加価値額は素材型業種と加工組立型業種の一部がけん引するかたちで、2002年以降、増加傾向をたどっている。また従業者数も最新の統計である2005年には15年ぶりの増加を記録した。
2.もっとも、近年の神奈川県の製造品出荷額等や従業者数などの増勢を全国と比較すると、神奈川の持ち直しの勢いは全国に比べ見劣りする。また、わが国工業全体に占める神奈川県のシェアも低下傾向にあり、工業県としての神奈川のポジションは後退を続けた。さらに、神奈川県のポジション後退はそのような量的な側面にとどまらず、労働生産性の伸び悩みなど質的な側面においても進んでいる。なお、神奈川県工業のシェア低下の一因にはそのような労働生産性の伸び悩みがあると考えられる。
3.神奈川県工業の労働生産性が伸び悩んでいるのは、とくに1990年代中盤以降において、神奈川県の工業が相対的に厳しい交易条件にさらされ続けたためと考えられる。事実、交易条件悪化の影響を取り除いた実質ベースでの神奈川県工業の労働生産性は、90年代中盤以降も全国との差を保ちながら上昇を続けている。このことは、神奈川県内の製造現場における効率化や高付加価値化の成果が交易条件の悪化によって減殺されていたことを示している。
4.もとより、神奈川県工業を取り巻く交易条件の厳しさは、グローバルな経済環境の変化と県内工業の構造的な性質によってもたらされたものであり、短期間で改善される性格のものではない。そうなると、神奈川県内の工業が再び勢いを取り戻すためには、やはり、今後も生産活動の効率化や製品の高付加価値化への取り組みを地道に行い、県内工業の実質労働生産性を一層引き上げていくことが重要である。また、そのような県内工業の活動を支援していくために、最近の相次ぐ企業の進出によって生まれた新たな集積と既存の工業集積の結びつきを強化していくことが求められる。
- 1.長期にわたって縮小傾向をたどってきた神奈川県工業に近年底打ちの動きがみられるようになっている。経済産業省「工業統計表」によると、神奈川県の製造品出荷額等や付加価値額は素材型業種と加工組立型業種の一部がけん引するかたちで、2002年以降、増加傾向をたどっている。また従業者数も最新の統計である2005年には15年ぶりの増加を記録した。
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2007-11-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2007年11月号 3四半期連続で悪化した神奈川県内中堅・中小企業の景況感
- 要約
- 1.業況判断
神奈川県内中堅・中小企業の2007年9月末時点の業況判断D.I.は全産業ベースで▲9となり、前回調査比3ポイント低下した。製造業が▲4と前回調査と同水準になった一方で、非製造業は▲12と5ポイント低下した。なお、3か月先の予想については全産業ベースで▲5と改善が見込まれている。
2.企業業績等
2007年7~9月期の企業業績は売上高、損益ともに悪化したものの、続く10~12月期にはともに改善に転じる見通しである。また、2007年度下期に設備投資の実施を計画する企業の割合は37.2%と前年同期の43.3%に比べて大幅に低下している。
3.価格動向
7~9月期の仕入価格D.I.は+39と前回調査比9ポイント低下したものの、2004年6月以降大幅な「上昇」超が続いている。一方の販売価格D.I.は▲2と前回調査の+1から3ポイント低下し「低下」超に転じた。
4.2008年春の新卒採用計画
2008年春の新卒採用計画については、全産業の採用予定者数が2007年春の採用者数を17.4%上回った。ただ、4割近い企業が採用予定者数を確保できないと見込んでいる。
- 1.業況判断
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2007-12-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2007年12月号 中国経済の現状と展望
- 要約
- 1.2007年7~9月期の実質GDP成長率が前年比+11.5%を記録するなど、中国経済は高成長が持続している。景気が過熱するなか国内物価も急上昇するようになってきた。中国政府は2007年のインフレ率の目標を前年比+3.0%と設定しているが、実際のインフレ率は4%台後半に達する公算が大きい。
2.中国人民銀行は、すでに2007年に入ってから預金準備率を9回、貸出基準金利を5回引き上げている。今後も、投資の過熱感とインフレを抑制するために利上げや預金準備率の引き上げなど、金融引き締め政策をさらに強化してくることが予想される。インフレ圧力を緩和するために、通貨人民元の対ドル為替レートの上昇を、ある程度容認することも考えられる。
3.2008年は、景気過熱を抑制するための金融引き締め政策が継続されるため、企業の投資活動は若干減速するとみられる。ただ、北京オリンピック・上海万博関連のインフラ投資、第11次5ヵ年計画に沿った環境関連投資が増えるため、投資の減速幅は小さなものにとどまろう。中国では、2001年にオリンピック開催が決定してからこれまでの間、すでに競技場や高速道路、国際空港の建設など様々なインフラ整備が進められ、景気が押し上げられてきた。2008年は、そうしたインフラ整備に加えて、観光収入や個人消費の増加という経路からも経済成長率の押し上げ効果が期待できる。外需と投資は減速するが、北京オリンピック特需などによって消費が高い伸びになるため、実質経済成長率は前年比+10.8%と10%を超える高成長を維持する見通しだ。
4.景気のリスク要因としては、(1)サブプライム問題による米国経済減速の影響、(2)金融引き締めの強化、(3)中国で頻発する暴動と反政府デモ、などを挙げることができる。高成長を続ける中国経済がこうしたリスクを抱えていることには十分な注意が必要だろう。
※本稿はBRICs経済研究所代表の門倉貴史氏に寄稿していただいたものである。
- 1.2007年7~9月期の実質GDP成長率が前年比+11.5%を記録するなど、中国経済は高成長が持続している。景気が過熱するなか国内物価も急上昇するようになってきた。中国政府は2007年のインフレ率の目標を前年比+3.0%と設定しているが、実際のインフレ率は4%台後半に達する公算が大きい。
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2008-01-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2008年1月号 2008年度の神奈川県内経済見通し
- 要約
- 1.2007年の神奈川県内景気は緩やかな回復が続いた。企業部門は、輸出の増加を背景に生産活動が堅調に推移し、総じてみれば収益の回復傾向が持続するなかで設備投資の増加が続いた。一方の家計部門は弱含みの展開となった。個人消費は所得の伸び悩みや税負担増、原油高などを通じたマインド悪化などから弱含みに転じた。また、住宅着工も建築基準法改正の影響によって年半ばから急速に水準を落とした。
2.2008年度の県内景気は緩やかながら着実に回復を続けると予測する。海外景気の拡大が持続するなかで、輸出を起点とする企業部門の回復力が設備投資の増加などを通じて、引き続き景気をけん引する。また、住宅投資も反動増が予想される。さらに個人消費も、雇用情勢の改善が続くなかで底堅い推移が見込まれる。
3.県内経済の勢いを県内総生産の伸び率で示すと、2007年度が前年比+1.6%、続く2008年度は同+2.2%となる。神奈川の場合、大型投資の進ちょくなどを背景に設備投資の伸びは高めとなる。県外需要が減速する反面で、反動増などから住宅投資や個人消費が勢いを取り戻すことから、新年度は民間需要が主導するかたちでの自律的な回復が続くことになるだろう。
- 1.2007年の神奈川県内景気は緩やかな回復が続いた。企業部門は、輸出の増加を背景に生産活動が堅調に推移し、総じてみれば収益の回復傾向が持続するなかで設備投資の増加が続いた。一方の家計部門は弱含みの展開となった。個人消費は所得の伸び悩みや税負担増、原油高などを通じたマインド悪化などから弱含みに転じた。また、住宅着工も建築基準法改正の影響によって年半ばから急速に水準を落とした。
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2008-02-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2008年2月号 2008年度の神奈川県内建設投資の見通し
- 要約
- 1.神奈川県内の建設投資は、2005年度、2006年度と、民間投資をけん引役として回復傾向をたどってきた。しかし、2007年度に入ってからの県内建設活動をみると全般に極めて低調な動きとなっている。この背景として、第1に改正建築基準法の施行に伴う建築確認手続きの混乱があげられる。また、それ以外にも住宅取得環境の悪化などにより住宅取得需要が減退したことや、中小企業の設備投資が冷え込んだことも県内建設活動を下押したとみられる。
2.最近の神奈川県内における建築確認動向をみる限り、改正建築基準法の施行に伴う混乱は2007年末までに概ね終息してきたと考えられる。ただ、「構造計算適合性判定」については未だ手続きの遅れが十分に解消されていないとみられ、「適判」審査を義務づけられているマンションやオフィスビル等については、混乱の終息に今しばらくの時間を要すると考えられる。
3.以上を踏まえて推計すると、2007年度の県内建設投資は前年比7.4%減と2004年度以来の減少に転じることが見込まれる。2007年度は公共投資の減少が続くほか、民間の建設投資が居住用、非居住用ともに前年を下回ることになろう。
4.続く2008年度については前年比4.7%の増加が見込まれる。公共投資が引き続き減少するものの、民間の建設投資が改正建築基準法の影響がはく落するとともに再び増加する。ただし、そのうちの民間居住用建設投資については、住宅取得環境の悪化継続や分譲マンションの在庫調整を背景に盛り上がりを欠いた展開になると予想され、その結果、県内建設投資全体としても2008年度は浮揚感に乏しい展開が見込まれる。
- 1.神奈川県内の建設投資は、2005年度、2006年度と、民間投資をけん引役として回復傾向をたどってきた。しかし、2007年度に入ってからの県内建設活動をみると全般に極めて低調な動きとなっている。この背景として、第1に改正建築基準法の施行に伴う建築確認手続きの混乱があげられる。また、それ以外にも住宅取得環境の悪化などにより住宅取得需要が減退したことや、中小企業の設備投資が冷え込んだことも県内建設活動を下押したとみられる。
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2008-03-01
神奈川・地域経済調査
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かながわ経済情報 : かながわ経済情報2008年3月号 資源国向けの急増から10兆円を超えた神奈川3港からの輸出
- 要約
- 1.神奈川県経済は輸出を起点とする緩やかな景気回復が続いている。2007年の神奈川3港からの輸出金額は前年比10.5%増加の10兆4,878億円と初めて10兆円を超えた。輸出仕向け地別にみると、北米向けが同9.0%減と4年ぶりに前年割れとなった一方で、中国などのアジア向けや西欧向けは堅調な増加が続いている。
2.そうしたなか、輸出相手先として近年ウエイトを増しているのは中東や中南米、アフリカなどの地域である。神奈川3港の輸出額に占める欧米や東アジア向けを除いた地域の割合は、2005年までは20%前後で推移してきたが、2007年は26.5%にまで上昇した。この背景としては、近年の資源価格高を反映した資源国の購買力増大があげられる。品目別には乗用車やトラック、工作機械などの輸出増加が目立つ。
3.2008年も中東や中南米、アフリカなどの経済は高成長が続くと見込まれる。それは、資源高を反映して先進国からの所得移転が続くうえ、資源供給力の増大を図るインフラ整備などが持続するためである。そうしたなか、輸送用機器や一般機械を主体として神奈川からの輸出も堅調な伸びが期待される。
- 1.神奈川県経済は輸出を起点とする緩やかな景気回復が続いている。2007年の神奈川3港からの輸出金額は前年比10.5%増加の10兆4,878億円と初めて10兆円を超えた。輸出仕向け地別にみると、北米向けが同9.0%減と4年ぶりに前年割れとなった一方で、中国などのアジア向けや西欧向けは堅調な増加が続いている。
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2008-04-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2008年4月号 悪化が続く神奈川県内中堅・中小企業の景況感
- 要約
- 1.業況判断
神奈川県内中堅・中小企業の2008年3月末時点の業況判断D.I.は全産業ベースで▲15となり、前回調査比4ポイント低下した。景況感の悪化は5四半期続いており、先行きについても引き続き悪化が見込まれている。
2.企業業績等
2008年1~3月期の企業業績は売上高が減少するとともに、損益も悪化した。続く4~6月期はともに改善が見込まれている。また、2007年度下期に設備投資を実施した企業の割合は42.9%と前年同期の43.3%に比べ低下している。
3.価格動向
1~3月期の仕入価格D.I.は+65と前回調査比10ポイント上昇して、28年ぶりの高水準となった。一方の販売価格D.I.は0と前回調査の▲1から1ポイント上昇し、先行きは「上昇」超に転じる予想となっている。
4.原材料価格上昇の業績への影響
原材料価格上昇の影響については、業績に「マイナスの影響がある」とした企業の割合は85%に達した。また、販売価格への転嫁状況は、「ほとんどできていない」とする企業が半数以上を占めた。
5.今春の賃上げ状況
2008年春の賃上げ状況については、賃上げを「(一部)実施する」をする企業の割合が6割を超えた。また、賃上げ幅は「前年並み」とする企業が約7割を占めた。
- 1.業況判断
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2008-05-01
神奈川・地域経済調査
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かながわ経済情報 : かながわ経済情報2008年5月号 横浜の賃貸オフィス市場は新規供給ラッシュを乗り切れるか
- 要約
- 1.横浜で賃貸オフィスの新規供給ラッシュが始まった。当社の集計では、2007年の新規供給(貸室面積ベース)は約1万8千坪とバブル期の余韻が残った1990年代前半に匹敵する水準となっている。今後もさらに新規供給ラッシュが加速する見込みであり、そのボリュームは2008年~10年には年間3万~4万坪、11年には7万坪超にのぼるとみられる。
2.横浜の賃貸オフィス市場は、長期の景気拡大に支えられて、2006年半ばにバブル崩壊以降では初の本格的な回復局面を迎えた。ただ、2007年夏以降は賃料の上昇が続くなかで空室率が反転して上昇傾向となっており、市場の局面は回復段階から成熟段階へと移行した。その背景として、賃料の上昇期待の高まりのほか、オフィスの新規オープンによる供給可能面積拡大があげられる。
3.今後の新規供給が横浜賃貸オフィス市場に及ぼすインパクトを試算したところ、2008年から2009年までの新規供給についてはオフィス稼働面積を2.6%増加させる効果があることがわかった。ただ、その一方で賃料に対しては9.3%の下落圧力が、また、空室率に対しては7.6%ポイントの上昇圧力が生じる。もっとも、景気動向次第で市況の悪化は限定的になる可能性があり、仮に県内経済が2%成長を続けた場合には、同期間の賃料の下落幅は5.2%、空室率の上昇幅は3.1%ポイントにとどまる予想である。
4.なお、景気の回復が続いたとしても、既存のオフィスビルのなかには一時的に厳しい経営環境にさらされるビルが出てくる可能性は否定できない。そういう意味では、横浜の賃貸オフィス市場が今後の新規供給ラッシュを乗り切れるかどうかは、一面では既存ビルの環境変化への対応力がカギを握っているということもできよう。
- 1.横浜で賃貸オフィスの新規供給ラッシュが始まった。当社の集計では、2007年の新規供給(貸室面積ベース)は約1万8千坪とバブル期の余韻が残った1990年代前半に匹敵する水準となっている。今後もさらに新規供給ラッシュが加速する見込みであり、そのボリュームは2008年~10年には年間3万~4万坪、11年には7万坪超にのぼるとみられる。
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2008-06-01
神奈川・地域経済調査
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かながわ経済情報 : かながわ経済情報2008年6月号 2008年夏の神奈川県民ボーナスの見通し
- 要約
- 1.神奈川県経済は、2007年中は民需の拡大に支えられた自律的な回復が続いた。しかし、2008年の年明け以降は米国経済の減速傾向の強まりや原油など一次産品価格の一段の上昇などを背景に景気の回復傾向に変調の兆しがみられるようになっている。また、そうした状況下、県内の企業収益の増益ペースが鈍化し、企業が賃金引き上げに消極的な姿勢を示すようになるなど、ボーナスを取り巻く環境は厳しくなっている。
2.当社の予測では、今夏の神奈川県民の民間1人あたりのボーナス支給額は前年比2.1%減の55.5万円と2年連続で減少する見込みである。また、雇用者数の増加を受けて支給対象者数は前年実績を上回るものの、1人あたり支給額の落ち込みから民間のボーナス支給総額も同1.5%減の1兆7,191億円と、昨年に続いて前年を下回る見通しである。
3.ボーナス支給が前年割れとなる見込みであることから、当面、所得面からの個人消費の押し上げは期待しにくい。もっとも、今夏のボーナス商戦を巡っては、雇用情勢の改善持続や4月以降の株価持ち直し、北京オリンピック開催といった明るい材料も一部にみられる。それらがボーナス商戦を盛り上げて、今夏の県内個人消費を下支えすることに期待したい。
- 1.神奈川県経済は、2007年中は民需の拡大に支えられた自律的な回復が続いた。しかし、2008年の年明け以降は米国経済の減速傾向の強まりや原油など一次産品価格の一段の上昇などを背景に景気の回復傾向に変調の兆しがみられるようになっている。また、そうした状況下、県内の企業収益の増益ペースが鈍化し、企業が賃金引き上げに消極的な姿勢を示すようになるなど、ボーナスを取り巻く環境は厳しくなっている。
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2008-07-01
神奈川・地域経済調査
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かながわ経済情報 : かながわ経済情報2008年7月号 大きく悪化した神奈川県内中堅・中小企業の景況感
- 要約
- 1.業況判断
神奈川県内中堅・中小企業の2008年6月末時点の業況判断D.I.は全産業ベースで▲23となり、前回調査比8ポイントの低下と大きく悪化した。景況感の悪化は6四半期続いており、先行きについても引き続き悪化が見込まれている。
2.企業業績等
2008年4~6月期の企業業績は売上動向D.I.が前回調査比横ばいとなり、損益動向D.I.はわずかに上昇した。続く7~9月期はともに改善が見込まれている。また、2008年度上期に設備投資を実施する計画の企業の割合は36.0%と前年同期の38.8%に比べてわずかに低下している。
3.価格動向
4~6月期の仕入価格D.I.は前回調査比横ばいとなったものの、水準は+65と28年ぶりの高さが続いている。一方の販売価格D.I.は前回調査比8ポイント上昇の+8となり、16年半ぶりに「上昇」超に転じた。
4.改正パート労働法の影響
改正パート労働法の影響については、経営に「影響はない」とした企業が最も多く、その割合は7割を超えた。理由としては「自社にパートがいない」が半数以上を占め、次いで「パートが正社員化を望まない」が約3割となった。一方で「マイナスの影響」をあげる企業も2割を占め、内容としては「人件費の増加」をあげる企業が最も多かった。
- 1.業況判断
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2008-08-01
神奈川・地域経済調査
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かながわ経済情報 : かながわ経済情報2008年8月号 2007年商業統計(速報)からみた近年の神奈川県内小売業の動向
- 要約
- 1.今年4月に経済産業省が公表した「平成19年商業統計速報」によると、2007年6月1日時点における神奈川県内の小売商店数は前回調査(3年前の簡易調査)時に比べ8.0%減少した。しかしその一方で、売場面積が同8.1%増加したほか、年間商品販売額も同2.1%増加しており、県内小売業の間に業勢持ち直しの動きが広がったことが確認された。
2.県内の小売商店数のすう勢的な減少が続いたのは零細個人商店の廃業が引き続き多くみられたためと考えられる。また、近年の商店数の業種別変化からは、コンビニエンス・ストア数が店舗の過剰感などから減少を続けたことや、大型ショッピングセンターの開業によって衣料品関連の商店数が増加に転じたことなどの、県内小売業のトピック的な変化も垣間(かいま)見られる。
3.一方、売場面積についてはここにきて拡大テンポが上がったかたちであるが、これは県内における大規模店の開業動向の変化によるものと考えられる。近年は、比較的『小ぶり』なサイズの大規模店の開業が増える一方で、超大型商業施設のオープンも相次いでおり、結果として、県内における大規模店の開業数が増加しただけでなく、開業1件当たりの店舗面積も拡大した。
4.ただし、神奈川県の場合には、そうした大規模店の開業が年間商品販売額の増加に十分に反映されていないという面がある。県内小売業の年間商品販売額はほぼ10年ぶりに増加に転じたが、その回復力は東京圏のなかでは相対的に弱かった。また、人口の堅調な増加が続くなかで、小売吸引力指数は低下した。就業者の県外流出傾向の強まりがその一因と考えられる。
- 1.今年4月に経済産業省が公表した「平成19年商業統計速報」によると、2007年6月1日時点における神奈川県内の小売商店数は前回調査(3年前の簡易調査)時に比べ8.0%減少した。しかしその一方で、売場面積が同8.1%増加したほか、年間商品販売額も同2.1%増加しており、県内小売業の間に業勢持ち直しの動きが広がったことが確認された。
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2008-09-01
神奈川・地域経済調査
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かながわ経済情報 : かながわ経済情報2008年9月号 2008年度・2009年度の神奈川県内経済見通し
- 要約
- 1.2008年前半の神奈川県内景気は弱含みに転じた。企業部門では輸出の増勢が鈍化するとともに、生産活動が低下に転じ、原材料価格の高騰も相まって企業収益が悪化に転じた。一方の家計部門も雇用・所得情勢の改善ピッチが鈍るなかで、物価上昇に伴って消費マインドが悪化したことなどから、個人消費が弱含みに転じた。住宅投資も建築基準法改正の影響から脱却した後は弱い動きとなっている。
2.今後の神奈川県景気は、海外景気の減速と原材料価格が高止まりするなかで、企業収益の悪化が続くことなどから、弱い動きが続くと見込まれる。県内景気に上向きの動きが広がり始めるのは、米国景気が持ち直して輸出が回復に向かう2009年度後半となろう。家計部門も、2009年度には物価上昇率の鈍化や賃上げなどを通じて、実質所得の目減りが緩和するとともにマインド面も改善に向かうことから、個人消費は底堅い推移が予想される。ただ、住宅投資は厳しい住宅取得環境下で弱い動きが続き、公共投資も減少が続くと見込まれる。
3.以上のような県内経済の勢いを県内総生産の伸び率で示すと、2008年度が前年比+0.8%、続く2009年度は同+1.5%となる。神奈川の場合には、自治体の誘致策の奏功等によって設備投資が増勢を維持することなどから、企業部門の落ち込みは小幅にとどまり、成長率は全国をわずかに上回ることになる。
- 1.2008年前半の神奈川県内景気は弱含みに転じた。企業部門では輸出の増勢が鈍化するとともに、生産活動が低下に転じ、原材料価格の高騰も相まって企業収益が悪化に転じた。一方の家計部門も雇用・所得情勢の改善ピッチが鈍るなかで、物価上昇に伴って消費マインドが悪化したことなどから、個人消費が弱含みに転じた。住宅投資も建築基準法改正の影響から脱却した後は弱い動きとなっている。
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2008-10-01
神奈川・地域経済調査
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かながわ経済情報 : かながわ経済情報2008年10月号 年末に向けて引き続き悪化が見込まれる神奈川県内中堅・中小企業の景況感
- 要約
- 1.業況判断
神奈川県内中堅・中小企業の2008年9月末時点の業況判断D.I.(全産業)は▲29となり、前回調査比6ポイント低下した。景況感の悪化は7四半期連続となり、先行きについても悪化が続くと見込まれている。
2.企業業績等
2008年7~9月期の企業業績は売上動向および損益動向ともに大きく悪化した。続く10~12月期はともに改善が見込まれている。また、2008年度下期に設備投資を実施する計画の企業の割合は33.3%と前年同期の37.2%に比べて低下している。
3.価格動向
仕入価格の高騰が続く反面で、販売価格の引き上げは進んでいない。7~9月期の仕入価格D.I.は前回調査比横ばいとなったものの、水準は+65と28年ぶりの高さが続いている。一方の販売価格D.I.は3四半期ぶりの「低下」超に転じた。
4.2009年春の新卒採用計画
2009年春の新卒採用計画については、全産業の採用予定者数が2008年春の採用者数を6.5%上回った。足下の人手不足感は緩和しているものの、若返りや退職者の補充を企図して、県内中堅中小企業の新卒採用意欲は依然として根強い。
- 1.業況判断
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2008-11-01
神奈川・地域経済調査
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かながわ経済情報 : かながわ経済情報2008年11月号 2008年都道府県地価調査に見る神奈川県内地価の動向(前編)
- 要約
- 1.わが国の地価は、地方では全体として下落ペースが緩やかになる傾向が続いているものの、先行して上昇してきた大都市地域では、昨年後半以降、地価の動きに陰りがみられるようになっている。神奈川県においても、2008年の都道府県地価調査では商業地と住宅地の平均変動率がともに低下に転じており、地価上昇の勢いに減速感が現れ始めた。
2.最近の大都市地域を中心とする地価の変調は、基本的にはファンダメンタルズの変化を反映したものである。すなわち、それまでの不動産価格の上昇や景気の後退局面入り等を背景とする不動産実需の減退を受けて、消費者や投資家などの間に不動産価格の先行きを軟調に予想する向きが強まっている。なお、世界的な金融不安の広がりなどを背景に、わが国の不動産に向かう投融資資金が細ってきていることも不動産市場を冷え込ませたとみられる。
3.ただし、神奈川県の住宅地については、比較的多数の地点で順調な地価の持ち直しが続いた結果、平均変動率の低下幅が東京や埼玉、千葉に比べ小幅にとどまった。この背景には、主として、賃貸マンションの賃料が首都圏の他の地域と比較しても安定的に推移するなど、最近の住宅市場における需給悪化ペースが相対的には緩やかであったことがあると考えられる。
4.なお、最近の神奈川県内における住宅需給の悪化が相対的に緩やかにとどまった要因の一つには、首都圏での人口の都心回帰現象が弱まっていることがあるとみられる。この背景には、東京都心の住宅価格が先行して上昇した結果、郊外の住宅価格の相対的な割安感が高まったことがあると考えられ、この点は当面の県内住宅地価動向を見通すうえでの重要なポイントとなる。今後、東京都心の地価の弱含み傾向が強まれば、再び住宅需要の重心が都心方向にシフトする可能性があり、その場合には、神奈川県を含む周辺3県の住宅地価に東京都心以上に強い下落圧力が働く恐れがある。
- 1.わが国の地価は、地方では全体として下落ペースが緩やかになる傾向が続いているものの、先行して上昇してきた大都市地域では、昨年後半以降、地価の動きに陰りがみられるようになっている。神奈川県においても、2008年の都道府県地価調査では商業地と住宅地の平均変動率がともに低下に転じており、地価上昇の勢いに減速感が現れ始めた。
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2008-12-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2008年12月号 2008年都道府県地価調査に見る神奈川県内地価の動向(後編)
- 要約
- 1.2008年の都道府県地価調査の結果を神奈川県内の市区町村別にみると、横浜市や川崎市ではほとんどの区において住宅地価の平均変動率が低下している。なかでも、前年までの地価上昇が急であった横浜市北部や川崎市内の区における変動率の低下が目立つ格好となっており、このことは、08年半ばまでの神奈川県内における地価の変調が、それまでの地価急伸の調整という色彩が濃いものであることを示している。
2.一方、横浜市や川崎市を除く市町村においては概ね平均変動率が改善しており、08年半ばまでは順調な地価の持ち直しが続いていたことがわかる。ただし、県内の地域別の住宅需給動向をみると、最近では横浜・川崎以外の地域における緩和度合いが相対的に強くなっている。したがって、08年地価調査で示された横浜・川崎以外の地域における順調な地価持ち直しには、ここ数年の地価回復局面の余韻が含まれている可能性が高い。
3.なお、08年地価調査の結果を地点別にみると、住宅地価の動向に変調がみられた地域が横浜市や川崎市に集中していることがはっきりとみてとれる。また、今回の地価調査では、横浜市の市営地下鉄グリーンライン沿線や、鎌倉市、藤沢市、茅ヶ崎市などの海岸側において比較的高めの上昇率を記録した地点が多いことも確認できる。前者については新線開通の効果が、また、後者については人気の住宅地としてのブランド力が地価の伸びの相対的な高さにつながったとみられる。
- 1.2008年の都道府県地価調査の結果を神奈川県内の市区町村別にみると、横浜市や川崎市ではほとんどの区において住宅地価の平均変動率が低下している。なかでも、前年までの地価上昇が急であった横浜市北部や川崎市内の区における変動率の低下が目立つ格好となっており、このことは、08年半ばまでの神奈川県内における地価の変調が、それまでの地価急伸の調整という色彩が濃いものであることを示している。
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2009-01-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2009年1月号 2009年度の神奈川県内経済見通し
- 要約
- 1.2008年の神奈川県内景気は秋口から悪化の度合いを強めた。年前半に原材料価格の高騰や輸出の増勢鈍化などの影響から回復ピッチが鈍化していたところに、米サブプライム住宅ローン問題を発端とする世界的な金融危機の影響が加わったためである。世界景気の急減速とともに円高が急伸したことから輸出が大幅な減少に転じ、製造業を中心に企業業績は大きく悪化した。一方で、家計部門では物価の上昇や株価急落などを背景に消費者マインドが冷え込み、年終盤にはボーナス減や雇用不安などが広がるなかで、家計の節約志向が一段と強まって個人消費は弱い動きとなった。
2.2009年度の県内景気は厳しい情勢が続くと予測する。企業部門では、米国など海外景気の低迷が続くなかで、輸出の減少が続くとともに、企業収益も悪化が続く。また、これまで堅調に推移してきた設備投資も7年ぶりの減少に転じる。一方の家計部門も、雇用・所得情勢が厳しさを増すなかで、個人消費や住宅投資は弱含みの展開が想定される。ただ、物価の上昇圧力が和らぐとともに、企業の交易条件の好転や家計の実質所得底上げなどが景気を下支えするだろう。
3.県内経済の勢いを県内総生産の伸び率で示すと、2008年度は前年比+0.4%とプラス成長を維持するが、続く2009年度は同▲1.4%と2001年度以来のマイナス成長になる。神奈川の場合、輸送機械や一般機械など主要産業の外需依存度が高いだけに、輸出の減退が成長率に大きく影響する。県内景気に明るさがみられるようになるのは、米国景気が上向き、電気自動車など次世代の成長を担う製品群の本格的な生産開始が見込まれる2010年度以降となろう。
- 1.2008年の神奈川県内景気は秋口から悪化の度合いを強めた。年前半に原材料価格の高騰や輸出の増勢鈍化などの影響から回復ピッチが鈍化していたところに、米サブプライム住宅ローン問題を発端とする世界的な金融危機の影響が加わったためである。世界景気の急減速とともに円高が急伸したことから輸出が大幅な減少に転じ、製造業を中心に企業業績は大きく悪化した。一方で、家計部門では物価の上昇や株価急落などを背景に消費者マインドが冷え込み、年終盤にはボーナス減や雇用不安などが広がるなかで、家計の節約志向が一段と強まって個人消費は弱い動きとなった。
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2009-02-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2009年2月号 2009年度の神奈川県内建設投資の見通し
- 要約
- 1.最近の神奈川県内における建設活動状況をみると、住宅建築については住宅取得の様子見ムードが広がっていることなどを背景に持家系住宅の着工戸数が減少傾向となっており、全体としても失速感を強めている。また、企業の設備投資関連については、これまでのところ着工や受注のペースが高水準を維持しているものの、2008年半ば頃からは企業の設備投資姿勢に陰りがみられるようになっている。公共工事についても、08年前半は国関連の工事の増加により受注額が盛り上がったものの、年後半以降は再び低水準での推移に戻っている。
2.以上を踏まえて2008年度の県内建設投資を推計すると、全体では前年比4.2%増の3兆2千億円弱になるとみられる。07年度の県内建設投資が建築基準法改正の影響で大きく落ち込んでいたことから08年度の前年比増減率はプラスとなる。ただし、住宅建築が低迷することなどから08年度の建設投資の水準は、バブル崩壊以降では07年度や公共工事が大幅に減少した04年度に次ぐ3番目の低さとなる可能性が高い。前年水準を上回るとはいえ、県内建設活動は浮揚感を欠いた、停滞色の強い結果に終わることになる。
3.続く2009年度の建設投資については、前年比3.3%減の3兆1千億円弱と予測した。これは、住宅建築が分譲マンションの在庫調整等により低調に推移すると見込まれるほか、企業の設備投資関連についても、景気の悪化を受けた設備投資姿勢の慎重化により、高水準ながら前年水準を割り込むとみられるためである。また、公共投資についても、厳しい財政事情の下で小幅ながらも引き続き前年を下回ると予想される。予測通りに進めば09年度の県内建設投資は総額で04年度や07年度に一層近づくことになり、県内の建設活動は厳しい展開を余儀なくされよう。
- 1.最近の神奈川県内における建設活動状況をみると、住宅建築については住宅取得の様子見ムードが広がっていることなどを背景に持家系住宅の着工戸数が減少傾向となっており、全体としても失速感を強めている。また、企業の設備投資関連については、これまでのところ着工や受注のペースが高水準を維持しているものの、2008年半ば頃からは企業の設備投資姿勢に陰りがみられるようになっている。公共工事についても、08年前半は国関連の工事の増加により受注額が盛り上がったものの、年後半以降は再び低水準での推移に戻っている。
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2009-03-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2009年3月号 自動車や一般機械を主体に急減に転じた神奈川3港からの輸出
- 要約
- 1.海外景気の急減速や円高の急伸を反映して、わが国の輸出は2008年終盤から急減している。神奈川3港からの輸出についても、2008年10~12月は輸出金額が前年比20.5%減と大幅な減少に転じた。
2.神奈川からの輸出は輸送用機器と一般機械を主体に減少している。輸送用機器の輸出は米国での自動車販売不振の影響が大きく出ており、乗用車、トラック、自動車部品の主力3品目で北米向けの落ち込みが最大となっている。また、一般機械は世界的な設備投資の減退を映じて減少しており、西欧やロシア向け油圧ショベルや、欧米や中国向けの金属加工機械の落ち込みが大きくなっている。また、化学製品や原料別製品についてはアジア向けを主体に減少しており、アジア諸国における工業製品の生産減少や素原材料価格の急低下がその背景としてあげられよう。
3.2009年も輸出は引き続き低調な推移が見込まれる。それは、先進国を中心に世界経済の成長が大きく落ち込むと予想されるためである。この影響は国内対地域と比べても、神奈川の輸出をひときわ大きく減少させ、神奈川県の経済活動を強く下押すことが懸念される。
- 1.海外景気の急減速や円高の急伸を反映して、わが国の輸出は2008年終盤から急減している。神奈川3港からの輸出についても、2008年10~12月は輸出金額が前年比20.5%減と大幅な減少に転じた。
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2009-04-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2009年4月号 いよいよ開幕!横浜『開国博Y150』
- 要約
- 1.2009年横浜開港150周年記念事業のコアイベント、『開国博Y150』がいよいよ開幕する。開催期間5か月、目標入場者数500万人と、本年国内最大規模という呼び声が高いイベントである。また『開国博Y150』は、(1)メッセージ性や話題性に富んだ催しが目白押しである、(2)365万人の横浜市民パワーが発揮される機会が豊富にある、(3)従来の博覧会イベントとは異なり、イベントの賑わいが街全体に広がるような試みがなされている、という特徴を有しており、内容面でも前評判の高さに劣らない充実度を備えている。
2.開幕を目前に控え、『開国博Y150』に対する世間の注目度も急速に高まってきた。同時に、イベントの開催が地元経済にもたらす効果、なかでも来場者の消費活動などが地域の経済活動を一時的に刺激する経済波及効果への期待が非常に大きくなっている。当社は昨年3月に総額548億円という経済波及効果の試算結果を発表しており、試算通りの効果が実現すれば、横浜経済全体に少なからぬ規模の、瞬間風速的なインパクトを与えると見込まれる。
3.しかし、最近の情勢をみると、景気が急速に悪化するなかで国民のレジャー行動は強い逆風にさらされている。もっとも過去の例からはレジャー環境が厳しくなる年には人々のレジャー行動が安・近・短傾向を強めることが確認でき、今回の『開国博Y150』の経済波及効果に関しても、景気悪化による下押し圧力が安・近・短傾向によって相当程度緩和される可能性が高い。
4.加えて今回のイベントの特徴を鑑みれば、(1)来場者に将来の横浜の方向性をイメージさせる、(2)その将来のイメージが、今の横浜にある魅力を出発点とする連続的なものとして印象づけられる、(3)人づくりの面で成果が上がるとともに、市民が様々なネットワークを形成する機会となる、ことなども考えられ、『開国博Y150』の中長期的な経済効果にも期待が持てそうである。
- 1.2009年横浜開港150周年記念事業のコアイベント、『開国博Y150』がいよいよ開幕する。開催期間5か月、目標入場者数500万人と、本年国内最大規模という呼び声が高いイベントである。また『開国博Y150』は、(1)メッセージ性や話題性に富んだ催しが目白押しである、(2)365万人の横浜市民パワーが発揮される機会が豊富にある、(3)従来の博覧会イベントとは異なり、イベントの賑わいが街全体に広がるような試みがなされている、という特徴を有しており、内容面でも前評判の高さに劣らない充実度を備えている。
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2009-05-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2009年5月号 急速な悪化が続く神奈川県内中堅・中小企業の景況感
- 要約
- 1.業況判断
神奈川県内中堅・中小企業の2009年3月末時点の業況判断D.I.(全産業)は▲59となり、前回調査比15ポイント低下した。景況感の悪化は9四半期続いており、今回の低下幅は前回調査と並んでバブル崩壊以降で5番目の大きさとなった。また、D.I.値の水準も約10年ぶりの低さとなった。先行きについても悪化が続くと見込まれており、県内中堅・中小企業の経営状況もかつてないほどの厳しい状況になっている。
2.企業業績等
2009年1~3月期の企業業績は売上動向および損益動向ともに引き続き大幅な悪化となった。続く4~6月期にはともに改善に転じると予想されている。なお、2009年度上期に設備投資を実施する計画の企業の割合は23.2%と前年同期比13.7%ポイントの低下と大きく落ち込んだ。
3.雇用人員判断
2009年3月末時点の雇用人員判断は製造業を中心に雇用過剰感が大きく強まった。D.I.値の前回調査比上昇幅はバブル崩壊後では最大となった。6月末の予想については製造業で雇用過剰感がやわらぐものの、逆に非製造業では強まるかたちとなっている。
4.価格動向
仕入価格、販売価格ともに低下傾向が鮮明となった。1~3月期の仕入価格D.I.は前回調査比39ポイント低下の▲5と約5年ぶりの「低下」超となり、販売価格D.I.も▲34と同20ポイント低下して3四半期連続で「低下」超となった。
- 1.業況判断
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2009-06-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2009年6月号 2008年終盤から急速に悪化した神奈川の雇用情勢
- 要約
- 1.国内外の景気が急速に悪化するなかで、県内製造業の生産活動など企業活動は2008年終盤から大幅に落ち込んでいる。そうしたなか、雇用過剰感の急速な高まりを反映して、神奈川の雇用市場は悪化度合いを大幅に強めている。神奈川の有効求人倍率は、求職活動の長期化などを映じた有効求職者数の増加が続いていることや企業の求人が急減したことから、2009年入り後低下ピッチが強まっており、直近の4月は約9年ぶりの低水準となった。
2.また、県内の雇用者数(雇用保険被保険者数)も2008年終盤から減少に転じた。業種別には輸送用機械や電気機械などの製造業が雇用調整実施企業の増加から減少ピッチを強めており、また医療・福祉や情報通信を中心に増勢を維持してきた非製造業も09年4月に減少に転じている。
3.今後についても神奈川の雇用情勢は厳しい展開が予想される。当社の実施したアンケートによると、2009年度上期に正規労働者の削減を計画する企業は08年度下期に比べて増加する。雇用調整助成金の拡充など雇用のセーフティーネットの整備が進み、国や自治体の景気対策が動き出しているものの、内外景気の先行き不透明感が払拭されない状況下では、雇用情勢の改善には時間を要すると考えられる。
- 1.国内外の景気が急速に悪化するなかで、県内製造業の生産活動など企業活動は2008年終盤から大幅に落ち込んでいる。そうしたなか、雇用過剰感の急速な高まりを反映して、神奈川の雇用市場は悪化度合いを大幅に強めている。神奈川の有効求人倍率は、求職活動の長期化などを映じた有効求職者数の増加が続いていることや企業の求人が急減したことから、2009年入り後低下ピッチが強まっており、直近の4月は約9年ぶりの低水準となった。
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2009-07-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2009年7月号 グリーン・ニューディール政策下で注目を浴びる太陽光発電
- 要約
- 1.2008年秋口からの世界同時不況への対応の一環として、各国政府はグリーン・ニューディール政策を打ち出した。この政策では多くの国々が太陽光発電の導入促進を柱の一つに掲げており、太陽光発電に注目が集まっている。
2.世界の太陽光発電の需要は、2004年以降に急増し、今後についてもグリーン・ニューディール政策の実施による拡大が見込まれている。わが国においても、住宅向け太陽光発電への助成の復活や発電電力の買い取り価格の引き上げなどにより需要は拡大見込みであり、たとえばEPIA(欧州太陽光発電産業協会)の報告によると、2013年時点の日本の需要は2007年時に比べ、少なくとも5.2倍に拡大するとされている。
3.そうしたなか、神奈川県内でも需要の拡大が期待され、当社の試算によると、政策的な後押しにより、県内の住宅向け需要は政策実施前の8倍以上と、全国を上回るペースでの拡大見込みとなる。
4.一方、太陽光発電業界では生産が順調な増加を続けるなかで川上部門、川下部門ともに企業の参入が相次ぎ、大競争時代の様相を呈し始めている。わが国を上回るスピードでの需要拡大が見込まれる神奈川においても、今後はそうした動きがいっそう強まると予想される。
- 1.2008年秋口からの世界同時不況への対応の一環として、各国政府はグリーン・ニューディール政策を打ち出した。この政策では多くの国々が太陽光発電の導入促進を柱の一つに掲げており、太陽光発電に注目が集まっている。
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2009-07-20
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2009年7月号 神奈川県内上場企業の2009年3月期決算の集計結果
- 要約
- 1.神奈川県内上場企業の2008年度決算を当社で集計したところ、売上高が前年比12.2%減少し、経常利益も同62.8%減となったことが明らかになった。2008年度の県内上場企業の収益は、年度後半における国内外景気の急減速を背景に、最高益を更新した2007年度から一転して大幅な減益に転じた。
2.売上高は2001年度以来7年ぶりの減少となった。業種別にはプラント建設や自動車・同部品、電気機械が大幅な減収となった。国内外別には、海外売上高の落ち込みが大きく、国内売上高も減少に転じた。こうした大幅な減収に加えて仕入価格が上昇したことから、経常利益も大きく落ち込んだ。業種別には電気機械が赤字に転じるなど製造業の落ち込みが目立ち、非製造業では商業が大幅減益となった。
3.2009年度も企業業績は低調が続くと見込まれる。各社の業績予想を集計したところ、売上高が前年比11.5%減と大幅な落ち込みが続く一方で、経常利益も同5.7%減少するという結果が得られた。半期ベースでは、上期は大幅な減収が続く中で、89社の経常利益額合計が赤字となる。続く下期には売上高の持ち直しを見込む企業が増えるとともに、経常赤字は脱すると見込まれているものの、県内企業の業績は総じて厳しい状況が続くと予想される。
- 1.神奈川県内上場企業の2008年度決算を当社で集計したところ、売上高が前年比12.2%減少し、経常利益も同62.8%減となったことが明らかになった。2008年度の県内上場企業の収益は、年度後半における国内外景気の急減速を背景に、最高益を更新した2007年度から一転して大幅な減益に転じた。
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2009-08-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2009年8月号 先行きの改善を見込む神奈川県内中堅・中小企業の景況感
- 要約
- 1.業況判断
神奈川県内中堅・中小企業の2009年6月末時点の業況判断D.I.(全産業)は▲66と前回調査比7ポイントの低下となった。景況感は10四半期連続で悪化しており、D.I.値の水準も1998年9月以来の低さとなった。ただ、先行きについては6ポイントの上昇が見込まれているなど、県内中堅・中小企業の経営状況にも改善の兆しがみられるようになっている
2.企業業績等
2009年4~6月期の企業業績は売上動向および損益動向ともに、依然として水面下ながらD.I.値は大きく上昇した。続く7~9月期についても、ともに改善が続くと予想されており、県内企業の業績は最悪期を脱しつつあると考えられる。
3.設備投資計画
2008年度下期に設備投資を実施した企業の割合は33.2%と同年上期の水準よりも大幅に低下して、2000年度以降で最も低くなった。2009年度上期も25.6%とさらに低下が見込まれているが、前回3月調査時点と比べればわずかに持ち直している。
4.雇用人員判断
2009年6月末時点の雇用人員判断は非製造業を中心に雇用過剰感が引き続き強まった。D.I.値の水準は1999年3月調査以来、ほぼ10年ぶりの高さとなっている。9月末の予想については「過剰」超幅の縮小が見込まれている。
- 1.業況判断
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2009-09-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2009年9月号 2009・2010年度の神奈川県内経済見通し(2009年9月改訂)
- 要約
- 1.2009年前半の神奈川県内景気は、一部に上向きの動きがみられるようになったものの、総じてみれば低調な動きとなった。輸出と生産の急激な落ち込みは春先に歯止めがかかってその後は持ち直している。しかしながら、企業収益は大幅な悪化が続いており、これまで堅調な伸びを続けてきた設備投資も減少に転じるなど、企業部門は依然として厳しい状況が続いている。一方の家計部門も雇用・所得情勢の急速な悪化とともに、個人消費や住宅投資は基調として弱い動きが続いている。
2.今後の神奈川県景気は、厳しい状況が続くと見込まれる。世界景気の持ち直しを反映して、輸出や生産については上向きの動きが持続すると予想される。しかしながら、利益水準が低位にとどまるため、企業は収益確保に向けたコスト削減に引き続き注力せざるをえず、人件費や新規投資は抑制基調となる。このため、雇用・所得環境の悪化が長引き、個人消費など家計部門の需要が弱い動きから脱却するには時間を要する。また、2010年度には公共投資の増額や定額給付金、エコカー減税など景気対策の押し上げ効果もはく落する。これらを背景に、今後の県内景気の回復ピッチはきわめて弱めにとどまろう。内需の自律的回復に向けた動きが徐々に明らかになるのは、輸出や生産の水準が回復し、企業収益が上向く2010年度後半となろう。
3.以上のような景気の姿を、県内総生産の伸び率で示すと、2009年度は前年比▲4.2%と大きく落ち込むものの、続く2010年度は同+0.7%と3年ぶりのプラス成長となる。神奈川県経済は、設備投資と関わりが深い産業のウエイトが大きいことから、全国に比べて低めの成長にとどまると予測した。
- 1.2009年前半の神奈川県内景気は、一部に上向きの動きがみられるようになったものの、総じてみれば低調な動きとなった。輸出と生産の急激な落ち込みは春先に歯止めがかかってその後は持ち直している。しかしながら、企業収益は大幅な悪化が続いており、これまで堅調な伸びを続けてきた設備投資も減少に転じるなど、企業部門は依然として厳しい状況が続いている。一方の家計部門も雇用・所得情勢の急速な悪化とともに、個人消費や住宅投資は基調として弱い動きが続いている。
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2009-10-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2009年10月号 神奈川県内の新設住宅着工戸数のベースラインはどこにあるのか
- 要約
- 1.神奈川県内の新設住宅着工戸数は、住宅取得需要の低迷や賃貸住宅投資に対する投資家の慎重姿勢、マンションなど分譲住宅の在庫調整等を背景に2009年に入ってから一段と減少し、足下では記録的な低水準に落ち込んでいる。この先はそれらの要因が徐々に薄れることにより、県内住宅着工戸数は回復に向かうと見込まれる。ただ、回復後の住宅着工の水準がどの程度になるかを見通すためには、長期的なトレンドで表される県内住宅着工戸数のベースラインが今後、どのように推移するかを見極める必要がある。
2.県内新設住宅着工戸数の長期的な推移をみると、県内住宅着工のベースラインはこれまで低下傾向をたどってきたことがわかる。この背景には、(1)1990年代中盤以降に住宅除却戸数が落ち込んだことが示すように、県内では住宅の長寿命化を背景に建て替えが行われにくくなっていること、(2)90年代終盤以降に空き家の増勢が鈍化したことにみられるように、県内では主に賃貸住宅市場においてストック調整が進んでいること、(3)2000年代中盤以降は社会増の縮小もあって県人口の増勢が再び鈍化し始めており、それとともに世帯数の増加ピッチも鈍る傾向にあること、があるとみられる。
3.簡便的な方法により2013年までの県内住宅着工戸数の年平均水準を試算したところ、世帯数の増加ピッチが一段と鈍ることなどにより着工のベースラインは9万戸を割り込むという結果になった。県内新設住宅着工戸数は最近の不振を脱却しても、2007年の建築基準法改正以前の水準には戻らないと予想される。
- 1.神奈川県内の新設住宅着工戸数は、住宅取得需要の低迷や賃貸住宅投資に対する投資家の慎重姿勢、マンションなど分譲住宅の在庫調整等を背景に2009年に入ってから一段と減少し、足下では記録的な低水準に落ち込んでいる。この先はそれらの要因が徐々に薄れることにより、県内住宅着工戸数は回復に向かうと見込まれる。ただ、回復後の住宅着工の水準がどの程度になるかを見通すためには、長期的なトレンドで表される県内住宅着工戸数のベースラインが今後、どのように推移するかを見極める必要がある。
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2009-11-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2009年11月号 2年9か月ぶりに上向いた神奈川県内中堅・中小企業の景況感
- 要約
- 1.業況判断
神奈川県内中堅・中小企業の景況感は2年9か月ぶりに上向いた。2009年9月末時点の業況判断D.I.は▲60と前回調査比6ポイント上昇した。また、先行きについても7ポイントの上昇が見込まれており、県内中堅・中小企業の企業マインドは最悪期を脱して持ち直してきている。
2.企業業績等
企業業績面は上向きの動きが続いている。7~9月期は売上動向及び損益動向ともに引き続き上昇した。10~12月期も、改善ピッチは鈍化するものの業績改善が続くと予想されている。
3.価格動向
仕入価格、販売価格ともにD.I.値は上昇に転じた。7~9月期の価格D.I.は仕入・販売ともに依然として水面下ながら5四半期ぶりに上向いた。先行きも引き続き上昇が見込まれており、仕入価格D.I.は1年ぶりの「上昇」超が予想されている。
4.設備投資計画
設備投資は減退基調が強まっている。2009年度上期に設備投資を実施した企業の割合は26.7%と前年度下期よりも6.5%ポイント低下して、2000年度以降で最低水準となった。2009年度下期も22.8%とさらに低下が見込まれている。
5.雇用人員判断
雇用過剰感はやや和らいでいる。9月末時点の雇用人員判断D.I.は7四半期ぶりの低下となった。雇用人員を過剰とする企業の割合も前回の34%から今回は28%へと低下したものの、依然として「過剰」超状態にある。先行きも「過剰」超幅の縮小が予想されており、一部業種では「不足」超が見込まれている。
- 1.業況判断
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2009-12-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2009年12月号 全国に比してNPO法人の活動が活発な神奈川
- 要約
- 1.鳩山首相の2009年10月の所信表明演説で、利益の追求よりも社会への貢献を重視する民間組織といわれるNPO(民間非営利組織)支援の重要性が言及されるなど、NPOが再び注目を集めている。
2.わが国全体のNPO法人(法人格を持つNPO)は増加を続け、2007年度の活動量(総収入額)を試算したところ6,444億円にのぼる。もっともNPO法人の新規設立数は、政府や自治体による支援制度の整備が一巡した2000年代中盤以降は減少傾向となった。このNPO法人数の増勢鈍化などにともない、わが国のNPO法人の活動水準は、総じてみると成長期から成熟期に徐々に向かいつつあるとみられる。
3.一方、神奈川においてもNPO法人は増加を続け、2007年度の活動量(総収入額)は467億円と試算された。これを人口あたりでみると5,261円、GDPに対する構成比は0.15%と、いずれも全国(それぞれ5,043円、0.12%)を上回り、神奈川のNPO法人の活動水準は全国よりも高いと考えられる。
4.このNPO法人の活発な活動を支える要因として、神奈川では全国に比して、(1)豊富なボランティア労働力によりNPO法人の労働供給面での制約が小さいこと、(2)まとまった需要を背景としてNPO法人が効率的にサービスを提供していること、の2点が挙げられ、神奈川はNPO法人が活動しやすい地域であると考えられる。
5.加えて最近では、神奈川のNPO法人は多様な収入源のなかで、使途制約のない自主事業収入のさらなる増加を図り、一部団体では企業と連携した取り組みがみられる。今後は、ここ数年で自立に向かうNPO法人の活動を支援する方向で行政と企業が協調し、神奈川をあげてNPO法人の活動量をさらに増やし、社会経済全体を活性化していくことが求められよう。
- 1.鳩山首相の2009年10月の所信表明演説で、利益の追求よりも社会への貢献を重視する民間組織といわれるNPO(民間非営利組織)支援の重要性が言及されるなど、NPOが再び注目を集めている。
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2010-01-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2010年1月号 2010年度の神奈川県内経済見通し
- 要約
- 1.2009年の神奈川県内景気は、夏場までに底を打って上向きに転じたものの、個人消費や設備投資の弱い動きが続き、総じてみれば低調な動きとなった。生産などの経済活動が上向いたにもかかわらず景気が低迷したのは、活動水準の低さに起因する。すなわち売上高が低水準にとどまるなかで、企業は売上高確保の価格競争や、利益確保に向けた人件費や外注費などの固定費削減を余儀なくされた。この点が企業部門発のデフレ圧力となって、輸出の増加や経済対策の効果を起点とする回復力を削いで、県内景気の停滞感を強めた。
2.今後の神奈川県内景気は停滞感が残る展開が続くものの、2010年度後半には明るさが広がるものと見込まれる。新興国を中心とした世界景気の持ち直しを反映して、輸出を起点とする上向きの動きが続くものの、その水準は低位にとどまることから企業部門発のデフレ圧力が根強く残り、県内民間需要全般の基調は弱めにとどまることになる。公共投資も大幅な減退が見込まれる一方、家計需要は子ども手当など政府の経済対策の効果で底堅い推移が見込まれる。夏場には在庫調整の進展などから住宅投資が回復に向かい、米国景気が復調する年度後半には、輸出の増加とともに企業業績回復の道筋も明らかになって、県景気も自律回復に向けて動き出すと考えられる。
3.以上のような景気の姿を、県内総生産の伸び率で示すと、2009年度は前年比▲4.4%と大きく落ち込み、続く2010年度には同+0.4%と3年ぶりのプラス成長となる。神奈川県経済は、電気自動車などの環境関連中心に成長が期待される分野があるものの、設備投資と関わりが深い産業のウエイトが大きいことから、2010年度は全国に比べて低めの成長にとどまると予測した。
- 1.2009年の神奈川県内景気は、夏場までに底を打って上向きに転じたものの、個人消費や設備投資の弱い動きが続き、総じてみれば低調な動きとなった。生産などの経済活動が上向いたにもかかわらず景気が低迷したのは、活動水準の低さに起因する。すなわち売上高が低水準にとどまるなかで、企業は売上高確保の価格競争や、利益確保に向けた人件費や外注費などの固定費削減を余儀なくされた。この点が企業部門発のデフレ圧力となって、輸出の増加や経済対策の効果を起点とする回復力を削いで、県内景気の停滞感を強めた。
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2010-02-01
神奈川・地域経済調査
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かながわ経済情報 : かながわ経済情報2010年2月号 2010年度の神奈川県内建設投資の見通し
- 要約
- 1.最近の神奈川県内における建設活動状況をみると、民間の住宅建築については持家や分譲一戸建てといった持家系一戸建て住宅を中心に着工ペースが持ち直し始めているものの、全体でみた着工水準は依然として低く、極端な不振が続いている。また、企業の設備投資関連については投資マインドが冷え込むなかで着工や受注のペースが大幅に落ち込んでいる。その一方で、公共工事は景気対策の実施等を背景に増加基調が鮮明となっている
2.以上のような最近の状況に工事の進ちょくなどを加味して2009年度の県内建設投資を推計すると、全体では前年比7.4%減の2兆8千億円弱になると見込まれる。公共投資が08年度に続いて増加する一方、民間投資が居住用、非居住用ともに大幅に落ち込む。県内建設投資が3兆円台を割り込むのは1984年度以来のことであり、1991年度のピークと比べると、県内建設投資は半分以下に落ち込む。
3.続く2010年度については、県内建設投資は前年比11.2%減の2兆5千億円弱と、1979年度以来の低水準になると予測した。民間の居住用建設投資は回復方向で推移するものの、そのペースが緩やかにとどまることから年度を通じれば09年度を下回る結果となる。また、民間の非居住用建設投資は企業の設備投資抑制姿勢が続くなかで09年度を大きく下回る。さらに公共投資についても、10年度は政府・自治体の厳しい財政事情を反映して減少に転じる。県内の建設活動は10年度も浮揚感に乏しい、厳しい展開が続くことになろう。
- 1.最近の神奈川県内における建設活動状況をみると、民間の住宅建築については持家や分譲一戸建てといった持家系一戸建て住宅を中心に着工ペースが持ち直し始めているものの、全体でみた着工水準は依然として低く、極端な不振が続いている。また、企業の設備投資関連については投資マインドが冷え込むなかで着工や受注のペースが大幅に落ち込んでいる。その一方で、公共工事は景気対策の実施等を背景に増加基調が鮮明となっている
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2010-03-01
神奈川・地域経済調査
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かながわ経済情報 : かながわ経済情報2010年3月号 増加を続ける神奈川の家庭部門のエネルギー需要量
- 要約
- 1.政府が家庭部門の温室効果ガス削減に積極的に取り組む姿勢をみせている。これは、家庭部門のエネルギー需要量の拡大がこれまでのわが国全体の需要量を大きく押し上げてきたためである。わが国の家庭部門のエネルギー需要量は長期的な増加傾向にあり、神奈川においても2007年時点で1990年比36.3%増加した。この背景には、(1)電化製品の保有台数の増加と(2)電化製品の使用時間の増大を通じた家庭の電化製品の利用増があると考えられる。
2.わが国の家庭の電化製品保有台数は、世帯数の増加や複数保有世帯の増加を背景に1990年以降も増加を続けてきた。神奈川においても保有台数は、世帯数の増勢の強さを反映して、全国を上回るペースで増加したとみられる。
3.一方、わが国の家庭の電化製品使用時間については、人々の在宅時間が高齢化の進展等により長くなった分だけ増えていると考えられる。また、神奈川では人々の在宅時間が全国以上に長くなっており、電化製品の使用時間についても全国よりも増えたと見込まれる。
4.そこで、エアコン、冷蔵庫、テレビ、照明の4品目を対象に電化製品保有台数の増加と使用時間の増大がこれまでのエネルギー需要量の増加にどの程度の影響を及ぼしていたかを試算したところ、電化製品の保有台数増によるインパクトが圧倒的に大きかったことがわかった。ただし、神奈川と全国を比べた場合には、神奈川は全国よりも使用時間増によるインパクトが大きいという点も見逃せない。
5.今後における神奈川の家庭部門のエネルギー需要量については、世帯数の増加や高齢化の急進展などにより、全国を上回るペースでの増加が予想される。このため、今後の神奈川では、これまで以上にエネルギー需要の削減に向けた対策の強化が求められよう。なお、最近の政府の取り組みは、家庭部門に経済的なインセンティブを与えることにより電化製品の機器効率の向上や使用時間の短縮を促し、その一方で省エネルギー関連製品等の需要を喚起する方向へシフトしている。今後、エネルギー需要抑制策が強化されていく過程では、神奈川の省エネルギービジネスチャンスの広がりが期待できる。
- 1.政府が家庭部門の温室効果ガス削減に積極的に取り組む姿勢をみせている。これは、家庭部門のエネルギー需要量の拡大がこれまでのわが国全体の需要量を大きく押し上げてきたためである。わが国の家庭部門のエネルギー需要量は長期的な増加傾向にあり、神奈川においても2007年時点で1990年比36.3%増加した。この背景には、(1)電化製品の保有台数の増加と(2)電化製品の使用時間の増大を通じた家庭の電化製品の利用増があると考えられる。
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2010-04-01
神奈川・地域経済調査
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かながわ経済情報 : かながわ経済情報2010年4月号 大幅に改善した神奈川県内中堅・中小企業の景況感
- 要約
- 1.業況判断
神奈川県内中堅・中小企業の景況感は大幅に改善した。2010年3月末時点の業況判断D.I.は▲47と前回調査比10ポイント上昇し、上昇幅はバブル崩壊後で4番目の大きさとなった。ただ、先行きはD.I.値の低下が見込まれており、見通しは慎重である。また、業況が厳しいと考える企業が依然として多く、県内景気が自律的な回復過程に戻るには、なお時間を要するだろう。
2.企業業績等
企業業績面も大きく改善した。売上動向及び損益動向D.I.は1~3月期に急上昇した。ただ、先行きについては小幅な悪化が予想されている。
3.価格動向
価格面での収益環境は厳しさを増している。1~3月期は仕入価格D.I.の「上昇」超幅が拡大し、一方の販売価格D.I.も9ポイント上昇の▲25となったものの、依然として大幅な「低下」超で推移している。
4.設備投資計画
設備投資は減退傾向が続くなかで、下げ止まりの兆しが出てきた。2009年度下期に設備投資を実施した企業の割合は30.6%と同年度上期実績と概ね同水準となった。2010年度上期は28.1%と低下が見込まれているものの、前年同期調査における計画値(23.2%)と比べると実施企業割合が高まっている。
5.雇用人員判断
雇用過剰感は改善が続いているものの、そのピッチは鈍い。3月末時点の雇用人員判断D.I.は3四半期続けて低下した。雇用人員を過剰とする企業割合は低下が続いているものの、依然として「過剰」超状態にある。先行きも雇用過剰感の高止まりが見込まれている。
- 1.業況判断
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2010-05-01
神奈川・地域経済調査
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かながわ経済情報 : かながわ経済情報2010年5月号 宿泊旅行統計調査からみた神奈川県の宿泊者数の特徴
- 要約
- 1.観光庁「宿泊旅行統計調査」によると、神奈川県内の宿泊施設(従業者10人以上)を利用した宿泊者数は2007年から2009年の平均で年間延べ1,059万人泊であった。これは47都道府県中7番目の多さである。神奈川県は宿泊旅行に限ってみても大勢の人数が訪れる全国屈指の県と言える。
2.宿泊者の構成面からみた神奈川県の特徴を整理すると、第1に、観光客とビジネス客をバランス良く集客している点があげられる。もっとも神奈川県内の産業集積度合いから考えると、このバランスの良さは現時点における神奈川県のビジネス客の集客力の弱さを反映した結果とみることも可能である。
3.また第2に、神奈川県では季節による宿泊者数の変動が比較的小さいことがあげられる。なかでも観光目的の宿泊者数の季節変動が小さく、都市、歴史、文化、温泉、海などといったバラエティーに富む観光資源の存在が季節による偏りの少ない宿泊客の獲得につながっている様子がうかがえる。
4.さらに第3として、観光目的の宿泊者数の多くを、自県を含めた南関東からの集客に依存していることがあげられる。神奈川県は、人口規模の大きい東京都に隣接しているうえ、近隣から集客する傾向が相対的にも強い。なお、近隣からの集客に依存していることは、神奈川県の宿泊者の平均宿泊数の短さの一因にもなっている。
5.加えて第4として、外国人宿泊者については中国や欧米からの集客に強みがあることがあげられる。ただし、神奈川県を訪れる外国人旅行者の宿泊需要の一部は東京都や千葉県に流出している可能性が高い。
6.「宿泊旅行統計調査」という全国統一の基準で調査された統計によって観光分野でも以上のような特徴がようやく客観的に把握できるようになった。今後、県内の観光振興を戦略的に進めていくうえでは、これらの特徴がこの先どのように変化していくのかを継続的に確認していくことが重要である。また、日帰り客の動向や地域内・地域間の周遊状況などに関する観光統計を官民の協力によりさらに充実させていくことも必要であろう。
- 1.観光庁「宿泊旅行統計調査」によると、神奈川県内の宿泊施設(従業者10人以上)を利用した宿泊者数は2007年から2009年の平均で年間延べ1,059万人泊であった。これは47都道府県中7番目の多さである。神奈川県は宿泊旅行に限ってみても大勢の人数が訪れる全国屈指の県と言える。
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2010-06-01
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かながわ経済情報 : かながわ経済情報2010年6月号 神奈川県内上場企業の2010年3月期決算の集計結果
- 要約
- 1.神奈川県内上場企業の2009年度決算を当社で集計したところ、売上高が前年比14.2%減少した一方で、経常利益は同1.5%の減少にとどまった。四半期ベースでは2010年1~3月期から増収増益に転じており、県内上場企業の収益が持ち直していることが確認された。
2.売上高は2年連続で大きく落ち込んだ。一般機械が3割近い減収となるなど製造業はすべての業種が2ケタ減となり、非製造業もプラント建設や情報・通信の低迷が続くなど、すべての業種が減収となった。国内外別には、前年度に続いて海外売上高が落ち込み、国内売上高も減少が続いた。こうした大幅な減収にもかかわらず、経常利益は微減にとどまった。業種別には売り上げが落ち込んだ一般機械が赤字に転じ、プラント建設や情報・通信も落ち込んだ反面で、自動車・同部品が増益に転じたほか、電気機械も赤字額が縮小した。総じてみれば、人件費など固定費の削減効果などが奏功して、経常利益は下げ止まった。
3.2010年度の企業業績は急回復が見込まれる。各社の業績予想を集計したところ、売上高が前年度比6.5%増、経常利益も同57.0%増と3年ぶりの増収増益に転じるという結果が得られた。国内外の景気回復を反映して、すべての業種で増収が見込まれており、これまでのコスト削減効果と相まって、県内上場企業の収益は大幅な増益が予想される。
- 1.神奈川県内上場企業の2009年度決算を当社で集計したところ、売上高が前年比14.2%減少した一方で、経常利益は同1.5%の減少にとどまった。四半期ベースでは2010年1~3月期から増収増益に転じており、県内上場企業の収益が持ち直していることが確認された。
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2010-07-01
神奈川・地域経済調査
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かながわ経済情報 : かながわ経済情報2010年7月号 通塾者数の減少のなかで価格競争が激化する学習塾業界
- 要約
- 1.児童・生徒数が減少傾向をたどるなか、わが国の学習塾業界では対象学年層の拡大、事業展開エリアの拡大、提供メニューの多様化といったサービスの拡充による需要の掘り起こしが進められてきた。その結果、全国の学習塾の市場規模は2000年代中盤まで拡大傾向で推移してきた。
2.しかしその後、2000年代終盤には学習塾の市場規模は急激に縮小したとみられる。この背景として、(1)私立大学におけるAO入試の広がりやゆとり教育への懸念の弱まりなどによる通塾者数の減少圧力の強まり、(2)学習塾間の価格競争の激化による1世帯あたり学習塾費の低下、が挙げられる。
3.従来の地盤を越えて事業展開エリアを拡大する動きが活発化し、学習塾間の通塾者の囲い込みや価格競争が激しさを増すなかで、最近の学習塾業界ではとう汰の動きが進みつつある。なお、地盤を越えた事業展開エリアの拡大は市場規模が相対的に大きい大都市を中心に行われてきたため、価格競争やとう汰の圧力は大都市でいっそう強くなっているとみられる。
4.大都市の性格を強く持つ神奈川においても、学習塾間の通塾者の囲い込みや価格競争は全国以上に激しいと考えられる。今後、学習塾市場が全国的に縮小を続けるとみられるなかで、神奈川では児童・生徒数の減少が相対的に緩やかにとどまると予想されるため、県内の学習塾市場の全国のなかでの存在感が一段と高まると見込まれる。しかし、その分、他地域からの参入も活発になることが想定されるため、県内の学習塾業界の競争がますます激しさを増してくると予想される。
- 1.児童・生徒数が減少傾向をたどるなか、わが国の学習塾業界では対象学年層の拡大、事業展開エリアの拡大、提供メニューの多様化といったサービスの拡充による需要の掘り起こしが進められてきた。その結果、全国の学習塾の市場規模は2000年代中盤まで拡大傾向で推移してきた。
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2010-08-01
神奈川・地域経済調査
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かながわ経済情報 : かながわ経済情報2010年8月号 大幅な改善が続く神奈川県内中堅・中小企業の景況感
- 要約
- 1.業況判断
神奈川県内中堅・中小企業の景況感は前回3月調査に引き続き大幅な改善となった。2010年6月末時点の業況判断D.I.は▲35と前回調査比12ポイント上昇し、上昇幅はバブル崩壊後で2番目の大きさとなった。また、先行きのD.I.値も3四半期ぶりの上昇が見込まれてているほか、D.I.値の水準もリーマンショック前に戻りつつあるなど、明るさが広がっている。
2.企業業績等
企業業績面は改善に一服感がみられた。売上動向D.I.は実績、予想ともに小幅な悪化となった。損益動向D.I.は足下で横ばいとなったが、先行きは改善が予想されている。
3.価格動向
価格面は落ち着いた動きとなった。今回調査では仕入価格及び販売価格D.I.は実績、予想ともに横ばい圏内で推移している。ただ、仕入価格は「上昇」超、販売価格は「低下」超が続いている。
4.設備投資計画
設備投資は緩やかながら上向きに転じたとみられる。2009年度下期に設備投資を実施した企業の割合は33.0%と同年度上期実績を上回った。2010年度上期の計画値は32.3%が予想されているものの、前回3月調査に比べれば上方修正されている。
5.雇用人員判断
雇用過剰感は着実な改善が続いている。6月末時点の雇用人員判断D.I.は4四半期続けての低下となった。雇用人員を過剰とする企業の割合はこの1年間でほぼ半減した。先行きも雇用過剰感は一段の改善が見込まれている。
- 1.業況判断
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2010-09-01
神奈川・地域経済調査
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かながわ経済情報 : かながわ経済情報2010年9月号 2010年度・2011年度の神奈川県内経済見通し(2010年9月改訂)
- 要約
- 1.2010年前半の神奈川県内景気は、総じてみれば持ち直しの動きが続いた。輸出の増加やエコカー補助金など政策効果を反映して、県内の企業活動は上向きの動きが続き、企業収益は回復した。ただ、企業の先行きに対する見方は慎重で、雇用や投資の改善ピッチは緩やかにとどまった。また家計部門も、個人消費が耐久財消費のけん引により上向いたものの、住宅建設は浮揚感に欠ける展開が続いた。さらに、公共投資も厳しい財政事情を映じて弱い動きが強まったほか、景気回復の起点となってきた輸出も2010年半ばには海外景気の減速や円高の進展などを背景に増加ピッチが鈍ってきた。
2.今後の神奈川県景気は、外需が弱含むものの緩やかな回復を維持すると見込まれる。当面の外需は円高の影響などを反映して弱含み、2010年秋からはエコカー補助金の期限切れに伴って乗用車販売の落ち込みが見込まれるなど、2010年度中の県景気は推進力が弱まって踊り場的な様相を呈しよう。ただし、住宅投資が低迷を脱して上向くほか、設備投資も下げ止まりに向かうなど、民間需要の下支えにより、景気は回復基調を維持するだろう。
3.続く2011年度も民需を下支え役とする緩やかな回復が続くと予想する。年度前半は個人消費の増勢が消費刺激策の反動減から大幅に鈍化し、輸出のけん引力が弱めにとどまると予想されるものの、一方で住宅投資が復調し、設備投資も企業収益の回復を映じてようやく増加に転じると見込まれる。年度後半になると、米国経済の復調を映じて輸出や生産の水準が持ち直すことから、神奈川県景気の自律的回復に向けた動きが徐々に明らかになってくるだろう。
4.以上のような景気の姿を、県内総生産の伸び率で示すと、2010年度は前年比+1.0%と3年ぶりのプラス成長となり、続く2011年度も同+1.5%と伸び率が高まる。神奈川経済は、輸出や設備投資との関わりが深い産業のウエイトが大きいことから、全国に比べて低めの成長率にとどまると予測した。
- 1.2010年前半の神奈川県内景気は、総じてみれば持ち直しの動きが続いた。輸出の増加やエコカー補助金など政策効果を反映して、県内の企業活動は上向きの動きが続き、企業収益は回復した。ただ、企業の先行きに対する見方は慎重で、雇用や投資の改善ピッチは緩やかにとどまった。また家計部門も、個人消費が耐久財消費のけん引により上向いたものの、住宅建設は浮揚感に欠ける展開が続いた。さらに、公共投資も厳しい財政事情を映じて弱い動きが強まったほか、景気回復の起点となってきた輸出も2010年半ばには海外景気の減速や円高の進展などを背景に増加ピッチが鈍ってきた。
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2010-10-01
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かながわ経済情報 : かながわ経済情報2010年10月号 APEC参加国・地域と深く結びつく神奈川県経済
- 要約
- 1.2010年11月の横浜でのAPEC開催が近づいてきた。APECは太平洋を取り巻くアジア太平洋地域の国・地域による世界最大規模の経済協力の枠組みである。APEC参加国・地域のGDP合計は世界のGDPの約半分に達し、また、人口と貿易額についても世界シェアはそれぞれ4割超にのぼる。
2.2010年はボゴール目標の達成年というAPECにとっての節目の年であり、今年のAPECの会議ではこれまでの取組に対する評価とともに、今後のAPECの新たな方向性が提示される見込みである。実際に、既に始まっている閣僚レベルや実務者レベルの会議では、APEC成長戦略の内容などについての協議が続けられており、11月の横浜での会議が、それらのとりまとめに向けた最終調整と合意の場になる。
3.APEC参加国・地域は日本経済のみならず、神奈川県経済にとっても大きな存在である。事実、(1)APEC参加国・地域との貿易取引は、神奈川3港輸出の4分の3、輸入の6割超を占めており、いずれも最近、その割合を高めつつある、(2)県内企業の海外現地法人の75%はAPEC参加国・地域へ進出したものであり、県内外資系企業の半分弱がAPEC参加国・地域に親企業を持つ企業である、など、神奈川県経済はAPEC参加国・地域と深く結びついている。貿易や投資等、APEC参加国・地域との交流を一段と深めていくことが今後の神奈川県経済にとっても極めて重要である。
- 1.2010年11月の横浜でのAPEC開催が近づいてきた。APECは太平洋を取り巻くアジア太平洋地域の国・地域による世界最大規模の経済協力の枠組みである。APEC参加国・地域のGDP合計は世界のGDPの約半分に達し、また、人口と貿易額についても世界シェアはそれぞれ4割超にのぼる。
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2010-11-01
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かながわ経済情報 : かながわ経済情報2010年11月号 年末に向けて悪化が見込まれる神奈川県内中堅・中小企業の景況感
- 要約
- 1.業況判断
神奈川県内中堅・中小企業の景況感は5期連続で改善したものの、年末に向けて悪化が見込まれている。2010年9月末時点の業況判断D.I.は▲28と前回調査比7ポイント上昇した。ただ、先行きについては8ポイントの低下が見込まれており、県内中堅・中小企業の企業マインドは先行き不透明感が強まっている。
2.企業業績等
企業業績面は下向きに転じつつある。7~9月期は売上動向が悪化するなかで、損益動向は横ばいを維持したものの、続く10~12月期には損益も悪化に転じると予想されている。
3.設備投資計画
設備投資は底打ちしたものの、先行きは依然慎重である。2010年度上期に設備投資を実施した企業の割合は34.7%と2半期連続で上昇したものの、下期は28.0%への低下が見込まれている。
4.雇用人員判断
雇用過剰感は引き続き緩和している。9月末時点の雇用人員判断D.I.は5四半期連続で低下し+4となり、概ね適正水準に近づいた。一部業種ではすでに「不足」超に転じているものの、改善ピッチは鈍化しており、先行きも足踏みが見込まれている。
- 1.業況判断
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2010-12-01
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かながわ経済情報 : かながわ経済情報2010年12月号 本格的な立ち上げ期を迎えつつあるわが国の排出量取引市場
- 要約
- 1.排出量取引制度とは、国や企業が温室効果ガスの削減目標に対する排出実績の超過・不足分を経済的な取引によって調整する仕組みのことである。この制度を導入する意義として、社会全体としてみた場合の温室効果ガスの削減コストが低下することが考えられる。
2.排出量取引制度の導入は2000年代中盤から世界的に進みつつあり、それに伴って世界の排出量取引市場における取引量も拡大が続いてきた。一方、わが国においては、現時点では国内全体をカバーする排出量取引制度が導入されていないものの、政府はこの先の制度の導入に備えて2000年代中盤から自主参加型排出量取引制度などの試験的な取り組みを実施してきた。
3.こうしたなか、東京都は政府に先駆けて2010年4月に、各国制度と同様に大企業を対象とする排出量取引制度を開始した。この東京都制度にもとづく取引量は最大で政府が試験的に実施している自主参加型排出量取引制度の20倍程度の規模になる可能性がある。また、埼玉県も2011年4月から東京都と同様の制度を開始することを決めたため、今後、わが国の排出量取引市場は本格的な立ち上げ期を迎えるとみられる。
4.一方、神奈川について考えると、県内自治体が独自の排出量取引制度を早期に導入することは困難とみられるうえ、国内全体をカバーするような制度の実現にはまだ時間を要するとみられることから、当面は県内企業が排出量取引制度への対応を迫られるような状況にはならないと推察される。もっとも、将来、わが国においても排出量取引制度が導入される可能性は高いと考えられることなどから、県内企業についても政府の試験的な取り組みへの参加や、自らが実施する事業の温室効果ガス排出量を把握するノウハウの蓄積など制度導入への備えを進めていくことが望まれる。
- 1.排出量取引制度とは、国や企業が温室効果ガスの削減目標に対する排出実績の超過・不足分を経済的な取引によって調整する仕組みのことである。この制度を導入する意義として、社会全体としてみた場合の温室効果ガスの削減コストが低下することが考えられる。
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2011-01-01
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かながわ経済情報 : かながわ経済情報2011年1月号 2011年度の神奈川県内経済見通し
- 要約
- 1.2010年の神奈川県内景気は、夏場まで上向きの動きが続いたものの秋口から回復の踊り場的な局面に入った。年半ばまでの景気を支えたのは中国などアジア向け輸出の増加である。加えて、エコカー補助金などの政策効果で乗用車や薄型テレビなどの販売が急増したことも県景気を押し上げた。秋口になると政策効果の反動がみられ始め、さらに海外景気の減速に円高の急伸が加わって輸出が弱含みに転じた。企業収益は急回復したものの、先行き不透明感を背景に設備投資の抑制基調が続き、雇用増の勢いも緩やかにとどまった。
2.神奈川県内景気は2011年半ばには踊り場的な局面を脱して上向くと見込まれる。新興国の需要増が企業業績の回復を牽引すると考えられるものの、これまでの円高傾向に対応して生産拠点の海外移転が進んでいることから、輸出増を起点とする景気の回復力は弱めにとどまる。個人消費は底堅い推移が見込まれるものの、政策効果の剥落によって伸びは大きく鈍化しよう。一方、企業の抱く先行き不透明感が薄れるとともに、設備投資も増加に転じ、雇用や所得も改善傾向が続く。公共部門の需要は抑制基調が続く反面で、住宅投資は金利や住宅価格の先高観が広がって、大幅な増加が見込まれる。米国景気が復調する年度後半には、輸出の増加ピッチが強まって、県景気も自律回復の動きを明らかにすると予測する。
3.以上のような景気の姿を、実質県内総生産の伸び率で示すと、2010年度は前年比+2.5%と3年ぶりのプラス成長となり、続く2011年度は同+1.0%とプラス成長は維持するものの伸びは鈍化する。神奈川県経済は、電気自動車などの環境関連中心に成長が期待される分野があるものの、輸出の景気押し上げ効果が弱めとなることから、成長率は低めにとどまると予測した。
- 1.2010年の神奈川県内景気は、夏場まで上向きの動きが続いたものの秋口から回復の踊り場的な局面に入った。年半ばまでの景気を支えたのは中国などアジア向け輸出の増加である。加えて、エコカー補助金などの政策効果で乗用車や薄型テレビなどの販売が急増したことも県景気を押し上げた。秋口になると政策効果の反動がみられ始め、さらに海外景気の減速に円高の急伸が加わって輸出が弱含みに転じた。企業収益は急回復したものの、先行き不透明感を背景に設備投資の抑制基調が続き、雇用増の勢いも緩やかにとどまった。
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2011-02-01
神奈川・地域経済調査
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かながわ経済情報 : かながわ経済情報2011年2月号 2011年度の神奈川県内建設投資の見通し
- 要約
- 1.神奈川県内の建設投資は2010年度に入ってからも「底冷え」の状態が続いている。もっとも、着工や受注の段階で捉えた最近の建設活動状況をみると、県内では2010年後半以降、民間住宅建築の持ち直しが鮮明となっているほか、企業の設備投資関連においても冷え込み緩和の兆しがうかがえるようになっている。また、公共工事受注額も増加が続いており、この先は県内建設投資が徐々に上向いていく可能性が高いといえる。
2.以上のような最近の建設活動状況に工事の進捗などを加味して2010年度の県内建設投資を推計すると、全体では前年比5.5%減と2009年度に比べ減少ペースが和らぐものの、その水準は2兆6千億円強と1980年度以来の低さになると見込まれる。公共投資の増加が続く一方で、投資額の大半を占める民間投資が居住用、非居住用ともに通年では引き続き前年を割り込む。
3.続く2011年度については、県内建設投資は前年比10.3%増と5年ぶりに増加し、2兆9千億円強になると予測した。厳しい財政事情を反映して公共投資が減少に転じる反面で、住宅取得需要の拡大が続くことや企業収益の回復傾向が持続することなどを背景に、民間投資が居住用、非居住用ともに増加する。2011年度は県内建設投資が引き続き3兆円を下回る水準となるものの、県内の建設活動は年間を通じて回復基調で推移し、県内建設業の景況感も上向きの動きを強めていくことになろう。
- 1.神奈川県内の建設投資は2010年度に入ってからも「底冷え」の状態が続いている。もっとも、着工や受注の段階で捉えた最近の建設活動状況をみると、県内では2010年後半以降、民間住宅建築の持ち直しが鮮明となっているほか、企業の設備投資関連においても冷え込み緩和の兆しがうかがえるようになっている。また、公共工事受注額も増加が続いており、この先は県内建設投資が徐々に上向いていく可能性が高いといえる。
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2011-03-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2011年3月号 省エネルギーニーズが高まるなかで成長が期待されるESCOサービス
- 要約
- 1.ESCOサービスとは省エネルギー技術を企業に対して一括で提供することで、光熱費の削減を保証するビジネスである。このサービスの普及は、国や地域全体でみた省エネルギーの推進に役立つと期待されていることから、世界各国で政府支援が行われるようになった。
2.わが国では1996年にESCOサービスに対する政府支援が開始され、それとともにESCOサービスの市場が立ち上がってきた。また、省エネルギー法の数度の改正やPFI法の施行を背景に、2002年以降はESCOサービスを導入する施設の種類も広がってきた。
3.一方、ESCOサービスの市場拡大に伴って、独立系、機器メーカー系、エネルギー供給系、エンジニアリング系といった多様な分野の企業もESCOサービスの提供を手がけるようになってきた。ただし、プロジェクトの規模が大きくなければサービスの提供が難しいという課題や、受注実績を積めば積むほどESCO事業者の財務リスクが大きくなるという課題も次第に鮮明になってきた様子である。そのため、最近では比較的資金力のあるESCO事業者の存在感が高まってきている。
4.今後を展望すると、わが国のESCOサービスの導入件数はこの先も増加傾向をたどると考えられることや、ここ数年は海外からの受注獲得に取り組むESCO事業者の動きが目立ってきていることから、ESCO事業者の活動は今後ますます活発になっていくと考えられる。神奈川においても新たにESCOサービスに乗り出そうとする動きが今後広がってくる可能性があるものの、資金力の問題から中堅・中小企業が単独でESCOサービスを提供していくのは難しく、優れた省エネルギー技術を持つ県内企業が資金力のある企業と連携してESCOサービスに関わっていくという展開が想定される。
- 1.ESCOサービスとは省エネルギー技術を企業に対して一括で提供することで、光熱費の削減を保証するビジネスである。このサービスの普及は、国や地域全体でみた省エネルギーの推進に役立つと期待されていることから、世界各国で政府支援が行われるようになった。
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2011-04-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2011年4月号 この先は悪化が懸念される神奈川県内中堅・中小企業の景況感
- 要約
- 1.業況判断
神奈川県内中堅・中小企業の景況感は今回調査で上向いたものの、先行きは小幅な悪化が見込まれている。2011年3月末時点の業況判断D.I.は▲27と前回調査比5ポイントの上昇となった。先行きについては1ポイントの低下が見込まれているものの、今回調査が実質的に終了した後に発生した東北地方太平洋沖地震及びその後の電力や燃料不足などの影響で、先行きは不透明感が増している。3月後半における経済活動は大きく落ち込み、企業のマインドも急速に冷え込んでいるものと推察される。
2.企業業績等
企業業績面は改善に転じた。1~3月期は売上動向D.I.が9ポイント上昇し、損益動向D.I.も5ポイント上昇した。続く4~6月期も引き続き改善が予想されている。
3.設備投資計画
設備投資は緩やかな改善が続くものの、先行きは依然慎重である。2010年度下期に設備投資を実施した企業の割合は36.0%と3半期連続で上昇したものの、11年度上期は31.5%への低下が見込まれている。
4.雇用人員判断
雇用過剰感は全産業ベースで解消している。3月末時点の雇用人員判断D.I.は前回調査に続いて0となった。ただ、先行きについては再び「過剰」超が見込まれている。
- 1.業況判断
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2011-05-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2011年5月号 東日本大震災の影響により急激な下押し圧力を受ける神奈川県経済
- 要約
- 1.3月11日に発生した東日本大震災は、サプライチェーンの途絶や電力不足による生産面の制約と、自粛ムードの広がりや消費マインドの悪化等による需要面の制約を生み出し、神奈川県経済にも多大な影響を及ぼし始めている。先行きについても、復興需要やサプライチェーン補完のための代替生産需要による生産増が見込まれる反面で、上述のような制約要因が当面残り続けるとみられることに加えて、財政負担増大の影響や、一時的な需給逼迫による物価上昇の影響、企業収益悪化による雇用・所得情勢への影響等も懸念され、この先の景気展開は不透明感が極めて強い状況となっている。
2.そこで当面の景気への悪影響がどの程度になるかがとくに懸念されているサプライチェーンの途絶と電力不足の問題について、県経済へのインパクトを試算してみた。その結果によると、サプライチェーンの途絶の影響については県内GDPを0.2%下押す程度とマクロ的にみれば影響は限定的にとどまると見込まれるものの、一方の電力不足による影響については県内GDPの4.0%と大幅な下押し圧力を生む恐れがあるという結果を得た。
3.以上の試算はいくつかの大胆な前提を設けたうえでのものであるため、その結果はある程度の幅を持ってみる必要がある。とはいえ、試算されたサプライチェーンの途絶による影響と電力不足の影響を単純に合計すると、今年度の県経済成長率への下押し圧力は4%超となる。実際の影響がどの程度になるかは今後の政府自治体や企業、消費者の対応如何によるが、いずれにしてもこの先の県経済は潜在的に相当大きな下押し圧力を抱えることになる。
- 1.3月11日に発生した東日本大震災は、サプライチェーンの途絶や電力不足による生産面の制約と、自粛ムードの広がりや消費マインドの悪化等による需要面の制約を生み出し、神奈川県経済にも多大な影響を及ぼし始めている。先行きについても、復興需要やサプライチェーン補完のための代替生産需要による生産増が見込まれる反面で、上述のような制約要因が当面残り続けるとみられることに加えて、財政負担増大の影響や、一時的な需給逼迫による物価上昇の影響、企業収益悪化による雇用・所得情勢への影響等も懸念され、この先の景気展開は不透明感が極めて強い状況となっている。
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2011-06-01
神奈川・地域経済調査
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かながわ経済情報 : かながわ経済情報2011年6月号 神奈川県内上場企業の2011年3月期決算の集計結果
- 要約
- 1.神奈川県内上場企業89社の2010年度決算を当社で集計したところ、売上高が前年比8.2%増加し、経常利益も前年の2.1倍となった。県内上場企業の業績はリーマンショック後の落ち込みから脱して、3年ぶりの増収増益を達成したことが明らかになった。
2.売上高は2年連続の2ケタ減から脱して3年ぶりの増加となった。業種別には自動車・同部品や一般機械が大幅増収となるなど、加工型製造業での回復が顕著となった。こうした増収効果にコスト削減効果が加わって、経常利益も大きく持ち直した。業種別には自動車・同部品や素材型、プラント建設などが大幅増益となったほか、一般機械と電気機械が黒字に転じるなど、すべての業種で収益が改善した。
3.ただ、四半期ベースでは東日本大震災の影響が影を落とした。2011年1~3月期の売上高は前年比1.2%の増加にとどまった。サプライチェーン(供給網)途絶の影響で自動車・同部品や電気機械などが減収に転じて、製造業全体の売上高は前年割れとなった。なお、特別損失として災害による損失を計上した企業は44社にのぼったものの、期中損失額の合計は147億円にとどまった。
4.足元の企業業績は不透明感を増しているものの、回復基調を維持すると見込まれる。各社の業績予想を集計したところ、売上高が前年比5.5%増、経常利益も同10.8%増加するという結果が得られた。ただ、現時点で89社中20社が通期の業績予想を明らかにしていない。この先、夏場の電力不足への対応など、業績の下押し要因が根強く残ることから、上期の業績悪化は避け難いとみられるものの、サプライチェーンの復旧とともに下期には回復基調に戻り、2011年度通期では緩やかな増収増益を維持するものと予想される。
- 1.神奈川県内上場企業89社の2010年度決算を当社で集計したところ、売上高が前年比8.2%増加し、経常利益も前年の2.1倍となった。県内上場企業の業績はリーマンショック後の落ち込みから脱して、3年ぶりの増収増益を達成したことが明らかになった。
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(本稿における業績数値は執筆時点で集計しているため、プレスリリースの数値とは一部で異なります。)
2011-07-01
神奈川・地域経済調査
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かながわ経済情報 : かながわ経済情報2011年7月号 コスト面からみた今後の電力供給についての論点整理
- 要約
- 1.わが国の電力供給を原子力発電から原子力以外の発電方式にシフトする場合、その代表的な方向性として再生可能エネルギーの拡大策と火力発電への代替策の2つが考えられる。このうち、再生可能エネルギーの拡大策については、そのメリットとして温暖化ガスの排出量が少ないことが挙げられるが、反面で発電にかかるコストが高いことと電力供給が不安定になるという問題がある。また、火力発電については、安定した電力供給が得られることがメリットとして挙げられるが、その一方で発電単価の高さと温暖化ガス排出量の多さというデメリットがある。そのため、発電コストと電力供給の安定化にかかる制御・調整コスト、温暖化への対応コストをあわせた電力供給コストは、再生可能エネルギーの拡大策と火力発電への代替策のいずれの場合においてもこれまでよりも増加すると考えられる。
2.そこで、発電方式ごとの発電単価と二酸化炭素排出原単位を現在の水準から不変と仮定したうえで、上記の2対策を進めた場合の神奈川における電力供給コストの増加額を試算したところ、再生可能エネルギーの拡大ケースでは4,412億円、火力発電への代替ケースでは1,831億円という結果となった。この結果を一見すると火力発電への代替策の方が再生可能エネルギーの拡大策よりも電力供給コストが安く抑えられそうであるが、この先、燃料価格と二酸化炭素取引価格が上昇した場合には、火力発電への代替策を中心に電力供給コストが増大するため、両対策間のコスト差は縮まることになる。したがって、2対策のうちどちらが有利なのかを現時点で判断することは難しいが、少なくとも神奈川においては数千億円単位の経済的負担の発生が避けられないといえそうである。
3.こうしたなか、わが国政府は発送電分離策の検討を進めている。これは同策の導入により、電力供給コストの低減が期待できるためである。ただし、発送電分離策が進められた場合、発電事業者と送電事業者との間の電力取引にかかるコストが新たに発生するほか、電力供給の安定化にかかる制御・調整コストも増加する可能性があることにも注意が必要である。
- 1.わが国の電力供給を原子力発電から原子力以外の発電方式にシフトする場合、その代表的な方向性として再生可能エネルギーの拡大策と火力発電への代替策の2つが考えられる。このうち、再生可能エネルギーの拡大策については、そのメリットとして温暖化ガスの排出量が少ないことが挙げられるが、反面で発電にかかるコストが高いことと電力供給が不安定になるという問題がある。また、火力発電については、安定した電力供給が得られることがメリットとして挙げられるが、その一方で発電単価の高さと温暖化ガス排出量の多さというデメリットがある。そのため、発電コストと電力供給の安定化にかかる制御・調整コスト、温暖化への対応コストをあわせた電力供給コストは、再生可能エネルギーの拡大策と火力発電への代替策のいずれの場合においてもこれまでよりも増加すると考えられる。
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2011-08-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2011年8月号 大震災の影響で大きく悪化した神奈川県内中堅・中小企業の景況感
- 要約
- 1.業況判断
神奈川県内中堅・中小企業の景況感は東日本大震災の影響を反映して前回3月調査に比べ大幅に悪化した。2011年6月末時点の業況判断D.I.は▲41と前回調査比14ポイント低下した。なお、9月末までの見通しは9ポイントの上昇と、2010年12月時点の水準まで持ち直す見込みとなっている。
2.企業業績
企業業績面も大幅に悪化した。2011年4~6月期のD.I.値は売上、損益ともに急低下した。ただ、先行きは回復に転じて震災前の3月調査を上回ると予想されている。
3.設備投資計画
設備投資は緩やかな回復傾向が一服した。2010年度下期に設備投資を実施した企業の割合は35.8%と同年度上期実績と同水準となった。2011年度上期の計画値は32.0%が予想されているものの、前回3月調査に比べればわずかに上方修正された。
4.雇用人員判断
3四半期ぶりに「過剰」超となった。6月末時点の雇用人員判断D.I.は前回調査の0から+4へと上昇した。9月末の予想は0と雇用過剰感の解消が見込まれている。
5.震災の影響
回答企業579社のうち、東日本大震災が業績に影響した企業は7割を超えた。ただ、業績は震災直後の1か月を底に持ち直しに転じている。全産業ベースの企業業績は震災直後の1か月時点に震災前比約2割落ち込んだものの、その後は持ち直しに転じ、この先も緩やかな回復が続く見込みである。ただ、9月末時点でも震災前に比べて1割低い水準にとどまることになる。
- 1.業況判断
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2011-09-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2011年9月号 円高の影響などから成長率が低めにとどまる神奈川県経済
- 要約
- 1.2011年前半の神奈川県内景気は、東日本大震災の影響で大きく落ち込んだ後は、上向きに転じている。県内景気は大震災の直後に企業活動や消費活動が大きく落ち込むなど、大幅に悪化した。しかしその後は、サプライチェーンの復旧や消費マインドの回復が進むにつれて上向きに転じ、夏場までには多くの経済指標が震災前の水準を上回る状況となっている。懸念された夏場の電力不足も企業や家計の節電努力で乗り切ったものの、一方で最近では円高の進展や海外景気の減速などの要因が景気の先行き不透明感を増大させている。
2.今後の神奈川県景気は、外需が弱含むものの緩やかな回復を維持すると見込まれる。輸出は円高の影響などを反映してこの先は弱含み、景気のけん引力は弱めにとどまるだろう。また、個人消費も引き続き緩やかな回復が見込まれるものの、年度を通じてみれば前年の政策効果の反動から3年ぶりの前年割れが予想される。反面で、企業収益の回復を映じて設備投資が増加に転じるほか、住宅投資や公共投資も増加が見込まれるが、2011年度通年では大震災による落ち込みや円高などが響いて、県経済は再びマイナス成長となろう。
3.続く2012年度は民需を下支え役とする緩やかな回復を予想する。わが国経済が復興投資の進捗により成長率を高める一方で、県経済は円高傾向の定着を背景に輸出のけん引力が弱めにとどまることから、成長率が低めとなる。ただ、企業収益が回復基調を維持することから設備投資は増勢を維持する。また雇用・所得情勢も緩やかな回復が見込まれるため、個人消費も持ち直しに転じるなど、神奈川県景気は緩やかながら自律的回復を持続すると予測する。
4.以上のような景気の姿を、県内総生産の伸び率で示すと、2011年度は前年比▲0.9%となり、続く2012年度には同+1.0%とプラス成長に転じる。神奈川経済は、円高を背景に輸出の回復力が弱くなると見込まれることから、全国に比べて低めの成長率を予測した。
- 1.2011年前半の神奈川県内景気は、東日本大震災の影響で大きく落ち込んだ後は、上向きに転じている。県内景気は大震災の直後に企業活動や消費活動が大きく落ち込むなど、大幅に悪化した。しかしその後は、サプライチェーンの復旧や消費マインドの回復が進むにつれて上向きに転じ、夏場までには多くの経済指標が震災前の水準を上回る状況となっている。懸念された夏場の電力不足も企業や家計の節電努力で乗り切ったものの、一方で最近では円高の進展や海外景気の減速などの要因が景気の先行き不透明感を増大させている。
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2011-10-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2011年10月号 大幅に持ち直した神奈川県内中堅・中小企業の景況感
- 要約
- 1.業況判断
神奈川県内中堅・中小企業の景況感は大幅に持ち直した。2011年9月末時点の業況判断D.I.は▲29と前回調査比12ポイント上昇し、上昇幅はバブル崩壊後で2番目の大きさとなった。また、先行きのD.I.値も引き続き改善が見込まれている。
2.企業業績
企業業績面も大幅な改善に転じた。売上動向D.I.は前回調査比16ポイント上昇し、損益動向D.I.も同22ポイントの上昇とこれまでで最大の伸びとなった。先行きについても売上、損益ともに改善が続くと予想されている。
3.価格動向
企業業績面も大幅な改善に転じた。売上動向D.I.は前回調査比16ポイント上昇し、損益動向D.I.も同22ポイントの上昇とこれまでで最大の伸びとなった。先行きについても売上、損益ともに改善が続くと予想されている。
4.設備投資計画
設備投資は弱含んでいる。2011年度上期に設備投資を実施した企業の割合は35.5%と前年度下期実績から横ばいとなった。2011年度下期の計画値は30.8%と弱含む予想となっており、円高などによる景気の先行き不透明感を反映したものとなった。
5.雇用人員判断
雇用判断は約3年ぶりに「不足」超となった。9月末時点の雇用人員判断D.I.は6月末から低下して、製造業が0、非製造業は▲3となった。先行きも雇用不足感の拡大が見込まれている。
- 1.業況判断
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2011-11-01
神奈川・地域経済調査
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かながわ経済情報 : かながわ経済情報2011年11月号 経済センサスからみた神奈川県の民営事業所・企業の姿
- 要約
- 1.今回初めて公表された「経済センサス基礎調査」によると、2009年7月1日時点の神奈川県の民営事業所数(事業内容等不詳を含む)は33万5,961か所、民営事業所の従業者数は346万7,98人と、それぞれ全国4位の規模である。ただ、2006年時点と比べると、県内の民営事業所数は減少したとみられる。
2.事業所数、従業者数の産業別構成比をみると、神奈川県では個人向けに事業を行う業種や専門的なサービスを提供する業種のウエートが高い。また、より詳細な産業分類を用いてみた場合には、加工組立型製造業などの構成比の高さも目立つ。これらの業種のウエートの高さが神奈川の特徴と言える。
3.また、神奈川県は支所の配置面で東京都と強く結びついている。県内支所を本所所在地別にみると、約半数が県外企業の支所であり、そのほとんどは東京都の企業の支所である。一方で、県内企業も東京都を支所の配置先として選択する傾向が強い。なお東京以外では、埼玉、千葉、山梨、静岡といった近県のほか、福島や茨城、栃木などとの支所配置面での結びつきが強い。
4.加えて神奈川県は事業所の新設が他地域に比べて活発であるという特徴もある。神奈川県の新設事業所割合は11.9%と東京都、沖縄県に次ぐ高さとなっている。回帰分析の結果からは、県内市場の成長力が高く、専門性や技術力に優れた人材を豊富に抱えていると目されていることが神奈川県における事業所集積の原動力となっていると考えられる。
- 1.今回初めて公表された「経済センサス基礎調査」によると、2009年7月1日時点の神奈川県の民営事業所数(事業内容等不詳を含む)は33万5,961か所、民営事業所の従業者数は346万7,98人と、それぞれ全国4位の規模である。ただ、2006年時点と比べると、県内の民営事業所数は減少したとみられる。
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2011-12-01
神奈川・地域経済調査
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かながわ経済情報 : かながわ経済情報2011年12月号 神奈川県内上場企業の2011年度上半期決算の集計結果
- 要約
- 1.神奈川県内上場企業89社の2011年度上半期決算を当社で集計したところ、売上高が前年比0.4%増となり、経常利益も同15.8%増加した。県内上場企業の業績は大震災の影響や円高の急伸にもかかわらず増収増益を維持したことが明らかになった。
2.売上高は製造業が減収に転じたものの全産業ベースでは増収を維持した。業種別には、自動車・同部品が大幅に減少するなど加工型製造業が落ち込んだ反面で、プラント建設など非製造業では増収が続いた。一方の経常利益も非製造業が牽引するかたちで増益となった。自動車・同部品などで大幅な減益となったものの、総じて利益面はコスト削減効果などから堅調な推移となった。
3.ただ、四半期ベースでは円高の影響などから収益の回復基調が足踏み状態となった。2011年7~9月期の売上高及び経常利益はわずかながら前年水準を下回った。個社別にみても半数以上の企業が減益となった。なお、為替差損計上企業は49社、差損益合計額は114億円の差損にのぼり、経常損益の前年比減少額を上回った。
4.2011年度を通じた企業業績は回復基調を維持すると見込まれる。各社の業績予想を集計したところ、売上高が前年比3.1%増となる一方で、経常利益も同2.6%増と2年連続で増収増益となるという結果が得られた。上半期の経常利益が第1四半期決算時点の予想を上回った企業は7割弱にのぼったものの、通期予想額を上方修正した企業は2割強にとどまるなど、企業の先行きに対する慎重姿勢は依然として根強い。下期は、円高傾向などを背景にした輸出の減速やタイの大洪水の影響など、景気の先行き不透明感が強まっているものの、国内外の景気が回復基調を維持する中で、県内上場企業の業績も年度を通じてみれば前年水準を上回ることになろう。
- 1.神奈川県内上場企業89社の2011年度上半期決算を当社で集計したところ、売上高が前年比0.4%増となり、経常利益も同15.8%増加した。県内上場企業の業績は大震災の影響や円高の急伸にもかかわらず増収増益を維持したことが明らかになった。
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(本稿における業績数値は執筆時点で集計しているため、プレスリリースの数値とは一部で異なります。 )
2012-01-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2012年1月号 2012年度の神奈川県内経済見通し
- 要約
- 1.2011年の神奈川県内景気は、東日本大震災の影響で大きく落ち込んだ後、サプライチェーンの復旧とともに夏場にかけて急速に持ち直した。ただ、電力不足への対応や円高の進展などを反映して夏場以降の回復ピッチは鈍化しており、年度を通じればマイナス成長にとどまると見込まれる。
2.2012年度の神奈川経済は民需が下支えするかたちでプラス成長が見込まれる。新興国の需要増が企業業績の回復を支えると考えられる反面で、これまでの円高傾向に対応して生産拠点の海外移転が進んでいるとみられることから、輸出増を起点とする景気の回復力は弱めにとどまる。また、全国の景気を押し上げる復興需要についても、誘発される県内生産の増加は小幅にとどまるであろう。一方、民需は個人消費が政策効果の剥落によって落ち込んだ前年度から伸び率を高めると考えられる反面で、設備投資の伸びは弱めにとどまり、住宅建設も下半期には政策効果の剥落によって弱含みの展開が想定される。
3.以上のような景気の姿を、実質県内総生産の伸び率で示すと、2011年度は前年比▲1.2%とマイナス成長となり、続く2012年度は同+0.8%とプラス成長に戻る。神奈川県経済は、復興需要による押し上げがほとんど見込めないうえに、円高によって輸出の景気押し上げ効果が弱めとなることから、成長率は低めにとどまると予測した。
- 1.2011年の神奈川県内景気は、東日本大震災の影響で大きく落ち込んだ後、サプライチェーンの復旧とともに夏場にかけて急速に持ち直した。ただ、電力不足への対応や円高の進展などを反映して夏場以降の回復ピッチは鈍化しており、年度を通じればマイナス成長にとどまると見込まれる。
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2012-02-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2012年2月号 家計状況からみた子育て世帯のゆとり感
- 要約
- 1.わが国全体の子育て世帯における家計の状況をみると、収入面では、専業主婦世帯割合の高さなどを映じて子育て世帯の収入が少ないという傾向にある。一方で支出面をみると、子育て世帯の1か月あたりの平均支出額の合計は夫婦のみ世帯を上回っている。これは、子育て世帯が子育てをする過程で教育費など様々な支出を増やす必要に迫られるためである。
2.このため、子育て世帯では夫婦それぞれが自分のための支出を切り詰めたり、月々の貯蓄を少なくするなどの対応を余儀なくされている。子育て世帯の多くに生活のゆとりの乏しさを感じさせている背景には、子育て世帯の家計のこのような実態がある。
3.神奈川県内の状況をみると、神奈川においても子育て世帯の家計は相対的にゆとりに乏しい状況にあるとみられる。とくに注目されるのは、子育て世帯と夫婦のみ世帯の収入面、支出面、貯蓄面の差が神奈川では全国以上に大きいことであり、神奈川の場合は、相対的に生活のゆとりに乏しいと感じる子育て世帯の割合が全国よりも高くなると推察される。神奈川では夫婦共働きの子育て世帯が少ないことや教育費が高いことなどがその理由として挙げられる。
4.今後の子育て世帯の家計状況について展望してみると、2012年6月より年少扶養控除の廃止に伴う住民税分の負担増があることから、子育て世帯の生活のゆとり感は再び薄まることが見込まれる。この先は、子育て世帯に対する支援制度をより強化する、また、子育て世帯の配偶者の収入増につながる環境整備を加速させるなど、子育て世帯の生活のゆとり感を濃くし、出生率の低迷を食い止めていくことが望まれよう。
- 1.わが国全体の子育て世帯における家計の状況をみると、収入面では、専業主婦世帯割合の高さなどを映じて子育て世帯の収入が少ないという傾向にある。一方で支出面をみると、子育て世帯の1か月あたりの平均支出額の合計は夫婦のみ世帯を上回っている。これは、子育て世帯が子育てをする過程で教育費など様々な支出を増やす必要に迫られるためである。
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2012-03-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2012年3月号 2012年度の神奈川県内建設投資の見通し
- 要約
- 1.神奈川県内の建設投資は2011年度に入ってから一段と冷え込んだ。東日本大震災の発生を受けて国の公共工事予算の執行が一部留保されたことなどから、県内の公共工事受注額が急激に落ち込んだことが主因である。また、震災後の経営環境の急変を受けて製造業を中心に企業の投資姿勢が慎重化し、設備投資関連の工事が総じて浮揚感に乏しい展開になったことなども県内建設投資の低迷につながった。
2.以上のような最近の建設活動状況に工事の進捗などを加味して推計すると、2011年度の県内建設投資は前年比4.3%減と引き続き前年を割り込むと見込まれる。これまでの住宅着工戸数の回復傾向を反映して民間居住用の建設投資が5年ぶりの増加に転じるものの、民間非居住用の建設投資は前年水準を下回り、また、公共投資は前年比20.3%減と大きく落ち込む。
3.続く2012年度の県内建設投資については前年比10.5%増と6年ぶりの増加を予測する。2011年秋に国の公共工事予算の執行留保が解除されたことから県内公共工事受注額は既に持ち直しに転じており、この先もしばらくは回復傾向をたどると見込まれる。また、民間の住宅建築についても、年度後半に持家系の住宅着工が弱含むと予想されるものの、貸家の着工増に下支えされて全体としては前年を上回る着工戸数が確保される予想である。さらに、企業の設備投資関連についても、景気回復の持続ともに企業の慎重姿勢が次第に弱まり、年度後半には増勢を強めていくとみられる。2012年度は民間の居住用と非居住用、公共投資の全てが前年を上回る結果となろう。
- 1.神奈川県内の建設投資は2011年度に入ってから一段と冷え込んだ。東日本大震災の発生を受けて国の公共工事予算の執行が一部留保されたことなどから、県内の公共工事受注額が急激に落ち込んだことが主因である。また、震災後の経営環境の急変を受けて製造業を中心に企業の投資姿勢が慎重化し、設備投資関連の工事が総じて浮揚感に乏しい展開になったことなども県内建設投資の低迷につながった。
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2012-04-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2012年4月号 東京電力管内における昨夏の電力需給の振り返りと今夏の見通し
- 要約
- 1.昨夏の東京電力管内の電力需給状況を振り返ると、電力供給力は夏場を通じて5千万kW(キロワット)以上の水準が確保されていた。一方のピーク電力需要は夏場を通じて3~5千万kWの間で推移し、平日の平均でみると前年の2010年を1千万kW程度下回る水準に抑制された。この背景として、(1)昨夏の気温が前年を下回って推移したこと、(2)企業活動が低水準にとどまったこと、(3)積極的な節電行動が実施されたこと、の3つの要因が挙げられる。
2.そこで、昨夏の節電行動によるピーク電力抑制量を試算したところ、夏場を通じた平日の平均で6百万kW強となった。このことと、昨夏のピーク電力需要が前年と比べて1千万kW程度低かったことを考え合わせると、昨夏は気温や企業活動の水準低下の影響よりも節電行動の方がピーク電力需要の抑制に大きく寄与した可能性が高いといえよう。
3.今夏の東京電力管内の電力需給状況を考えると、電力供給力は5.6~5.7千万kWの水準での確保が見込まれている。一方のピーク電力需要は、昨夏並みの節電行動が実施されるという前提を置いて計算すれば、夏場最大で4.8~5.2千万kWと見込まれる。これらのことから昨夏並みの節電行動が実施されれば、今夏も電力不足を乗り切れる公算は大きいと考えられる。ただし、発電設備の不慮の事故や故障により電力供給力が大幅に失われたりする場合や今夏の節電意識が昨夏に比べて極端に弱まるような場合の電力需給状況には注意を要し、今後は社会全体でより効率的な節電行動が模索されることが期待される。
- 1.昨夏の東京電力管内の電力需給状況を振り返ると、電力供給力は夏場を通じて5千万kW(キロワット)以上の水準が確保されていた。一方のピーク電力需要は夏場を通じて3~5千万kWの間で推移し、平日の平均でみると前年の2010年を1千万kW程度下回る水準に抑制された。この背景として、(1)昨夏の気温が前年を下回って推移したこと、(2)企業活動が低水準にとどまったこと、(3)積極的な節電行動が実施されたこと、の3つの要因が挙げられる。
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2012-05-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2012年5月号 わずかながら上向いた神奈川県内中堅・中小企業の景況感
- 要約
- 1.業況判断
神奈川県内中堅・中小企業の景況感はわずかに上向いた。2012年3月末時点の業況判断D.I.は▲26と前回調査比3ポイント上昇した。ただ、先行きのD.I.値は低下が見込まれており、依然として残る先行き不透明感を反映して回復は足踏み状態にある。
2.企業業績
企業業績面も一進一退状態にあり、改善が足踏みしている。1~3月期は売上動向D.I.が前回調査比7ポイント低下し、損益動向D.I.も同7ポイントの低下となった。なお、先行きについては売上、損益ともに改善が予想されている。
3.価格動向
価格D.I.は横ばい圏内で推移している。1~3月期は仕入価格D.I.が前回調査比横ばい、販売価格D.I.は同1ポイントの低下にとどまった。先行きは、両者ともにD.I.値の低下が見込まれている。
4.設備投資計画
設備投資は緩やかな改善が続いている。2011年度下期に設備投資を実施した企業の割合は39.2%と2009年度上期を底にきわめて緩やかな上昇が続いている。ただ、2012年度上期は32.9%と、景気の先行き不透明感を映じて弱めの計画となっている。
5.雇用人員判断
雇用判断は3四半期連続での「不足」超となった。3月末時点の雇用人員判断D.I.は前回調査から1ポイント上昇して▲2となった。先行きはわずかながら「過剰」超が見込まれている。
- 1.業況判断
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2012-06-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2012年6月号 神奈川県内上場企業の2012年3月期決算の集計結果
- 要約
- 1.神奈川県内上場企業87社の2011年度決算は、売上高が前年比2.6%増加し、経常利益も同11.2%の増加となった。県内上場企業の業績は東日本大震災や円高の急伸、タイ大洪水などの影響で下押されたものの、年度を通じてみれば2年連続で増収増益を達成したことが明らかになった。
2.売上高は2年連続での増収を維持した。業種別には一般機械やプラント建設が大幅増収となるなど、電気機械を除くすべての業種が増収となった。こうした増収効果に加えてコスト増加を抑制したことから、経常利益は2桁の増益となった。業種別には、一般機械とプラント建設に加えて、運輸・倉庫や情報・通信も前年比2割増を超える大幅増益を達成した。
3.なお、昨年来相次いだ災害の業績への影響は限定的にとどまった。特別損失に災害による損失を計上した企業数は87社中29社、損失額合計は170億円にのぼったものの、経常利益額に占める割合は3.8%にとどまった。こうしたなか、87社の税引き前当期純利益は前年比28.3%の増加となった。
4.2012年度の企業業績も回復基調が続くと見込まれる。各社の業績予想を集計したところ、売上高が前年比8.7%増、経常利益も同12.6%増加するという結果が得られた。また、増益を見込む企業数も7割を超えることから、2012年度は設備投資や人件費増加に対する企業の慎重姿勢も一段の緩和に向かうことが期待される。この先、欧州債務危機を背景とする円高の急伸リスクや電力料金の上昇など、業績の下押し要因は残るとみられるものの、国内外の景気が総じて回復基調を維持する中で、2012年度通期における県内上場企業の業績も増収増益が続くと予想される。
- 1.神奈川県内上場企業87社の2011年度決算は、売上高が前年比2.6%増加し、経常利益も同11.2%の増加となった。県内上場企業の業績は東日本大震災や円高の急伸、タイ大洪水などの影響で下押されたものの、年度を通じてみれば2年連続で増収増益を達成したことが明らかになった。
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2012-07-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2012年7月号 電力料金負担の軽減策として注目を集める新電力の活用
- 要約
- 1.電力料金の負担増がこの先の企業活動を下押すことが懸念されるなか、負担軽減策のひとつとして電力会社に代えて新電力から電力の提供を受けるサービスに注目が集まっている。企業は新電力の活用により、電力を調達する手段を柔軟に組み替えて、割安な料金で電力を購入することができる。しかもその際、企業は電力会社の設備を利用して電力の提供を受けることから、電力会社が提供するものと同質な安定した電力を手に入れることができる。
2.この新電力による電力販売サービスを導入している企業はまだ少ないものの、そうした企業は2000年度以降、着実に増加してきた。この背景には、政府の法改正により新電力の市場が大規模施設から中小規模施設へと広げられてきたことと、それに伴って新電力の市場に多様な分野の企業が参入してきたことがある。
3.ただ、東日本大震災以降、企業は新電力を活用することが難しくなっているとみられる。この背景には、電力需給状況が大きく変容したなか、(1)新電力が他社からの仕入れ量を減らさざるを得なくなったこと、(2)火力発電設備の稼働率の大幅な上昇により新電力が低価格で電力を仕入れることが難しくなったことがある。
4.もっとも、今後、新電力は企業の電力調達先として存在感が高まると予想される。この理由として、(1)電力会社の発電能力の持ち直しに伴って新電力が仕入れ量を次第に増加させてくると見込まれること、(2)再生可能エネルギー特別措置法の施行を背景に新電力の方がより安く電力を仕入れることができるようになることが挙げられる。
5.神奈川においても電力料金の負担増がこの先の企業活動を大きく下押すことが懸念されている。当社の試算では、県内企業の電力料金負担の増加は、直接的な影響のみを考慮した場合でも、今後数年は少なくとも年間総額で数百億円規模の大きさになるとみられる。電力料金の負担増は、国内設備投資の減少や海外への生産シフトなどを考慮に入れるとさらに大きな規模の影響を経済活動にもたらす可能性がある。そこで、この先は、新電力の活用を広げることよって、企業活動の負担を軽減していくことが必要である。
- 1.電力料金の負担増がこの先の企業活動を下押すことが懸念されるなか、負担軽減策のひとつとして電力会社に代えて新電力から電力の提供を受けるサービスに注目が集まっている。企業は新電力の活用により、電力を調達する手段を柔軟に組み替えて、割安な料金で電力を購入することができる。しかもその際、企業は電力会社の設備を利用して電力の提供を受けることから、電力会社が提供するものと同質な安定した電力を手に入れることができる。
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2012-08-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2012年8月号 緩やかな改善が続く神奈川県内中堅・中小企業の景況感
- 要約
- 1.業況判断
神奈川県内中堅・中小企業の景況感は緩やかな改善が続いている。2012年6月末時点の業況判断D.I.は▲25と前回調査比1ポイント上昇と2期連続で改善した。また、先行きのD.I.値も3ポイントの上昇と3期ぶりの改善が見込まれている。
2.価格動向
価格D.I.は仕入価格の「上昇」超幅が大きく縮小した。4~6月期は仕入価格D.I.が前回調査比17ポイント低下した。一方の販売価格D.I.は同2ポイントの低下にとどまり、企業の交易条件は大きく改善したとみられる。先行きについては、仕入価格、販売価格ともにD.I.値の横ばい推移が見込まれている。
3.企業業績
業績面も足元で改善に転じた。4~6月期は売上動向D.I.が前回調査比5ポイント上昇し、損益動向D.I.も同1ポイントの上昇となった。なお、先行きについては売上が製造業を中心に再び悪化に転じるものの、損益面は改善が続くと予想されている。
4.設備投資計画
設備投資は緩やかな改善が続いている。2011年度下期に設備投資を実施した企業の割合は39.3%と2009年度上期を底に緩やかな上昇が続いている。2012年度上期計画は37.4%とやや低下するものの、前回3月調査時点の32.9%から上方修正された。
5.雇用人員判断
雇用判断は4四半期連続での「不足」超となった。6月末時点の雇用人員判断D.I.は前回調査から1ポイント低下して▲3となった。先行きはさらに「不足」超幅の拡大が見込まれている。
- 1.業況判断
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2012-09-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2012年9月号 2012年度~14年度の神奈川県内住宅着工の見通し
- 要約
- 1.神奈川県内の住宅着工戸数には2012年半ばに入ってから持ち直しの兆しが見られ始めている。県内マンション取得需要が引き続き堅調に推移していることから、分譲マンションの着工が上向き始めたことが主因である。その一方で、分譲一戸建ては建売住宅販売市場の供給過剰感の高まりから2012年4月以降弱い動きとなっており、持家の着工も地価の下落などを背景に依然低迷している。また、貸家の着工に関しても、東京圏外からの人口転入が落ち込むなか、単身向けを中心に不振が続いている。
2.今後1~2年程度の県内住宅着工動向を見通すうえでは、2014年4月と2015年10月に予定されている消費税率の引き上げに伴いどの程度の駆け込み需要が発生するのかを見極めることが重要である。当社が今後の県内家計の住宅取得環境や賃貸住宅投資環境等の想定を行ったうえで推計してみたところ、2014年4月の税率引き上げ前には1.1万戸弱、2015年10月の引き上げ前には5千戸弱の駆け込み需要が見込まれるという結果になった。
3.この先の県内住宅着工戸数を見通すと、まず2012年度中については、県内のマンション販売が引き続き堅調に推移するとみられることから、分譲マンションの着工戸数も増加傾向を維持すると見込まれ、県内住宅着工全体としても持ち直しの動きが続くと予想される。2013年度に入ると、2014年4月の消費税率引き上げを念頭にした駆け込み需要がみられると想定されることなどから、県内住宅着工戸数は年度上期を中心に全ての利用関係で増加しよう。続く2014年度については、まず上期には駆け込み需要の反動の影響が住宅着工を下押すと見込まれる。また下期には、2015年10月の消費税率引き上げを念頭にした駆け込み需要の影響が現れるため県内住宅着工が再び持ち直すが、その水準は2013年度上期に比べ低いものにとどまろう。県内住宅着工戸数は2012年度が前年比3.0%減の7.0万戸、2013年度が同13.1%増の7.9万戸、2014年度が同12.1%減の6.9万戸になると予測する。
- 1.神奈川県内の住宅着工戸数には2012年半ばに入ってから持ち直しの兆しが見られ始めている。県内マンション取得需要が引き続き堅調に推移していることから、分譲マンションの着工が上向き始めたことが主因である。その一方で、分譲一戸建ては建売住宅販売市場の供給過剰感の高まりから2012年4月以降弱い動きとなっており、持家の着工も地価の下落などを背景に依然低迷している。また、貸家の着工に関しても、東京圏外からの人口転入が落ち込むなか、単身向けを中心に不振が続いている。
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2012-10-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2012年10月号 スマートフォン市場拡大の恩恵を受ける電子部品業界
- 要約
- 1.クラウドコンピューティングの進展に伴い、最低限の機能だけを組み込んだスマートフォンが、「持ち運べる気軽なモバイルコンピュータ」として、現在、世界中で支持を集めている。調査会社Gartnerによれば、2016年までの5年間の販売台数は、年率+26%と飛躍的な成長が予想されている。
2.スマートフォン市場が加速度的に拡大している背景には、ソフト面とハード面のプラットフォームの存在を挙げることができる。ソフト面ではクラウドコンピューティングの進展やフリーOS(基本ソフト)であるAndroidの存在が、ハード面では、部品のモジュール化やCPU(中央演算処理装置)の共通化、EMS(電子機器受託製造サービス)の活用が、開発期間の短縮や投資負担の軽減を可能にしている。これらは端末メーカーサイドだけではなく、ユーザーサイドにも有効なものとして機能しており、ユーザーは多様化するニーズを満たすモバイル端末を、低価格で入手できるようになった。
3.スマートフォンに使用される電子部品は数百にも及び、その収益環境は部品によって様々である。部品の収益状況は、(1)スマートフォン市場の拡大によって部品がどの程度の数量効果を享受できるのか、(2)端末の高機能化によって、どの程度の高付加価値化を図れるのか、(3)部品ごとの競争環境はどのようになっているのか、の3点によって左右され、当該部品が置かれている事業環境によって、その収益状況が一様ではないことには注意が必要だろう。
4.また、端末メーカーの二極化が進展している現在、電子部品メーカーがスマートフォン市場の拡大による「直接的」な恩恵を受けるためには、勝ち組の端末メーカーに採用されることがポイントとなる。技術力は勿論、短納期や低価格への対応、供給体制が整っていることが、採用の条件として考えられる。しかし、膨大な数を生産する勝ち組メーカーへの供給は、多大な設備投資を伴うため、リスクも高い。一方、そのような「直接的」な恩恵とは別に、端末の製造機械やサーバー向け、スマートフォンと通信できるテレビや自動車等への部品供給といった「間接的」な恩恵も多く存在する。スマートフォン市場の拡大の影響は、端末用部品以外の部品にも広がっている。
- 1.クラウドコンピューティングの進展に伴い、最低限の機能だけを組み込んだスマートフォンが、「持ち運べる気軽なモバイルコンピュータ」として、現在、世界中で支持を集めている。調査会社Gartnerによれば、2016年までの5年間の販売台数は、年率+26%と飛躍的な成長が予想されている。
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2012-11-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2012年11月号 システム価格の低下とともに導入が進む太陽光発電
- 要約
- 1.太陽光発電をめぐる昨年までの状況をみると、世界における太陽光発電の導入量は、固定価格買取制度を持つ欧州各国の牽引により2008年から急拡大してきた。わが国においても余剰電力買取制度が開始されたことにより、2009年以降に太陽光発電の導入量が急拡大している。それに伴い、わが国の太陽光発電業界では海外メーカーや国内大手企業の参入が相次いできた。
2.2012年のわが国の状況をみると、同年7月開始の固定価格買取制度の内容が確定されたことにより、太陽光発電の導入拡大ペースが再加速した。また、太陽光発電システムの販売価格の低下も4月以降に目立ってきた。これは、太陽光発電業界において太陽光発電システムの販売と運転・保守を一括で受託する発電事業を中心にさらなる企業参入が続き、企業間の競争がより厳しくなったためである。
3.今後については、わが国の太陽光発電導入量の急拡大が見込まれることから、太陽光発電業界では海外メーカーの一段の参入増など企業間競争に拍車がかかり、太陽光発電システムの販売価格はいっそう低下することが見込まれる。このため、太陽光発電業界に関わる企業は製品・サービスの差別化に努め、厳しさを増す企業間競争に立ち向かっていく必要がある。
4.一方、太陽光発電を導入しようとする企業は、太陽光発電システムを今後より安く購入できるようになると考えられる。神奈川における2013年の太陽光発電の導入量を試算した結果、2011年比倍増となり、県内においても導入量の急拡大が続く見込みである。加えて、最近では太陽光発電を複数の施設にまとめて導入しようとする動きがみられることから、県内企業は太陽光発電の導入を今後多様な施設に広げ、電力供給コストの大幅な増加に備えていくことが期待される。
- 1.太陽光発電をめぐる昨年までの状況をみると、世界における太陽光発電の導入量は、固定価格買取制度を持つ欧州各国の牽引により2008年から急拡大してきた。わが国においても余剰電力買取制度が開始されたことにより、2009年以降に太陽光発電の導入量が急拡大している。それに伴い、わが国の太陽光発電業界では海外メーカーや国内大手企業の参入が相次いできた。
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2012-12-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2012年12月号 『食の外部化率』の上昇は今後も続くか
- 要約
- 1.わが国の「食の外部化率」は、短期的には景気変動の影響を受けつつも、長期的にはほぼ一貫して上昇してきた。これは、少子高齢化の進展が食の外部化率の下押し要因として働く一方で、所得水準の上昇のほか、単身世帯や夫婦共働き世帯の増加、外食産業および中食産業の発展などが押上げ要因として強く寄与したためである。もっとも、食の外部化市場については、過去15年弱は食の外部化率が上昇を続けているにも関わらず拡大が止まっている。これは外食や中食をますます頻繁に利用するようになってはいるものの、その一方で所得が伸び悩むなかで家計が食事1回あたりの費用を節約し続けたためと考えられる。
2.関東大都市圏は全国に比べて食の外部化率が安定的に高い水準にある。その背景として、(1)外食や中食の店舗集積度が高いこと、(2)外食や中食を活発に利用する若い世帯の割合が高いこと、(3)所得水準が高いことがあげられる。また、関東大都市圏の食の外部化市場は全国のおよそ4分の1弱を占めると推測される。
3.今後のわが国の食の外部化率ならびに外部化市場を展望すると、先行き家計所得の低迷が続けば、2000年以降に下向きに転じた「時代効果」が引き続き下押し要因になるとともに、「世代効果」による押上げも小さくなっていくと推察され、食の外部化率の上昇がストップすると同時に外部化市場の縮小傾向に拍車がかかることが懸念される。これらを払拭するには、家計所得の上昇といったマクロ経済環境の改善とともに、外食産業や中食産業による生産、流通、調理などのあらゆる側面における革新的な取り組みを通じた需要サイドへの積極的な働きかけが、潜在需要の開拓につながっていくことが期待される。
- 1.わが国の「食の外部化率」は、短期的には景気変動の影響を受けつつも、長期的にはほぼ一貫して上昇してきた。これは、少子高齢化の進展が食の外部化率の下押し要因として働く一方で、所得水準の上昇のほか、単身世帯や夫婦共働き世帯の増加、外食産業および中食産業の発展などが押上げ要因として強く寄与したためである。もっとも、食の外部化市場については、過去15年弱は食の外部化率が上昇を続けているにも関わらず拡大が止まっている。これは外食や中食をますます頻繁に利用するようになってはいるものの、その一方で所得が伸び悩むなかで家計が食事1回あたりの費用を節約し続けたためと考えられる。
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2013-01-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2013年1月号 2013年度の神奈川県内経済見通し
- 要約
- 1.2012年の神奈川県内景気は、春先までは政策効果や輸出の増加などにより堅調な回復を遂げたものの、夏場から急速に落ち込んだ。これは海外経済の成長鈍化や生産拠点の県外移転などを背景に、輸出や生産が大きく落ち込んだことによる。また、企業や消費者のマインドも下向きに転じるとともに、設備投資は先送り色が強まり、個人消費も弱含んだことから2012年度を通じれば前年度に続くマイナス成長になると見込まれる。
2.2013年度の神奈川経済は下期に外需が持ち直すとともに、個人消費が勢いを増すことからプラス成長に戻ると予測する。夏場までの景気は外需や生産の急減は止まるものの弱い動きが続くことから、全体として浮揚感に欠けた展開が続くと想定される。年半ばには、米国や中国など海外景気の回復を反映して、輸出や生産が持ち直すと見込まれる。さらに年度後半になると、消費税率引き上げ前の駆け込み的な需要により個人消費が勢いを増し、設備投資も増勢を強めることから、回復の動きが広がると考えられる。
3.以上のような景気の姿を、実質県内総生産の伸び率で示すと、2012年度は前年比▲0.2%とマイナス成長となり、続く2013年度は同+0.8%とプラス成長に戻る。神奈川県経済は、これまでの円高の影響で生産拠点の県外流出が進展したことなどから輸出の景気押し上げ効果が弱めとなり、成長率は低めにとどまると予測した。
- 1.2012年の神奈川県内景気は、春先までは政策効果や輸出の増加などにより堅調な回復を遂げたものの、夏場から急速に落ち込んだ。これは海外経済の成長鈍化や生産拠点の県外移転などを背景に、輸出や生産が大きく落ち込んだことによる。また、企業や消費者のマインドも下向きに転じるとともに、設備投資は先送り色が強まり、個人消費も弱含んだことから2012年度を通じれば前年度に続くマイナス成長になると見込まれる。
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2013-02-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2013年2月号 2013年度の神奈川県内建設投資の見通し
- 要約
- 1.神奈川県内の建設投資は2012年度に入ってから底ばい状態で推移した。民間非居住用の建設投資や公共投資が持ち直す一方で、民間居住用の建設投資が2011年後半から2012年春にかけての住宅着工の落ち込みを反映して減少傾向となったことが建設投資全体の回復力を削いだとみられる。ただし、県内の住宅着工戸数が2012年夏場以降に再び持ち直すなど、建設投資に先行する各種の建設統計は先行きの県内建設投資の持ち直しを示唆している。
2.以上のようなこれまでの県内建設投資の推移に最近の県内の建設活動の状況を加味して推計すると、2012年度の県内建設投資は前年比0.5%増と2011年度とほぼ同水準になると見込まれる。民間居住用建設投資は年度前半の低迷が響いて前年を下回るものの、民間非居住用の建設投資と公共投資が増加に転じることで、長らく続いた県内建設投資の落ち込みに歯止めがかかる。
3.続く2013年度の県内建設投資については前年比7.2%増を予測する。2013年度は民間居住用の建設投資が消費税率引き上げ前の駆け込み需要の影響もあって再び増加する。また、民間非居住用の建設投資についても、企業収益の回復傾向継続を受けて企業の設備投資マインドが上向くと予想されることから、年度終盤に向けて次第に増勢を強める展開となる。さらに、公共投資についても、政府の緊急経済対策等を受けて高速道路建設や港湾関連工事、鉄道延伸、公共建築物や道路等の改修などが着実に進められると予想されることから、年度を通してみれば引き続き増加すると見込まれる。
- 1.神奈川県内の建設投資は2012年度に入ってから底ばい状態で推移した。民間非居住用の建設投資や公共投資が持ち直す一方で、民間居住用の建設投資が2011年後半から2012年春にかけての住宅着工の落ち込みを反映して減少傾向となったことが建設投資全体の回復力を削いだとみられる。ただし、県内の住宅着工戸数が2012年夏場以降に再び持ち直すなど、建設投資に先行する各種の建設統計は先行きの県内建設投資の持ち直しを示唆している。
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2013-03-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2013年3月号 今後の拡大が期待される企業のエネルギー需要の管理
- 要約
- 1.近年、わが国では低炭素社会の実現に向けて、企業部門におけるエネルギー需要の抑制が期待されている。こうした期待の高まりを受けて、エネルギー需要の管理に関する動きが活発化しており、それを支援しているのがEMS(環境管理システム)とBEMS(企業向けのエネルギー管理システム)の2つの仕組みである。
2.前者のEMSは企業活動に様々なエネルギー需要の抑制策をとり込む仕組みであり、これには国際標準化機構が発行したISO14001と、国内機関が策定した簡易版EMSの2種類がある。国際的な環境規制の強化を背景に、これらのEMSを導入する組織数は増加の一途をたどっており、なかでも特に2000年代中盤からは簡易版EMSを導入している組織数が急増している点が目立つ。これは、簡易版EMSでは、(1)ガイドラインの内容が比較的平易であり、また、(2)仕組みの構築手順が広く公表されていることから、その導入コストがISO14001に比べて安いためである。
3.一方、後者のBEMSは、企業における機器・設備関連のエネルギー需要抑制策を可視化する仕組みであり、そのシステムはエネルギー需要を計測するセンサーや、需要を管理・制御するソフトウェアなどによって構成されている。BEMSの導入施設数は、度重なる省エネルギー法の改正を受けて着実に増加しており、さらに2012年4月以降は政府の導入支援の本格化もあって、導入施設数が急増している。
4.今後、(1)温暖化ガスの削減に関する議論が再び活発化すると見込まれることや、(2)大企業が取引先への環境対策要請を強めると予想されることから、比較的規模の小さい企業においても、エネルギー需要の管理に対する関心が高まると考えられる。また、足元で円高是正に伴う輸入燃料価格の上昇が懸念されるなか、当面電力料金の低下が見込みにくいことから、光熱費抑制の観点からも企業のエネルギー需要管理の必要性が高まろう。この先は、より多くの企業がエネルギー需要の管理を実施することによって、低炭素社会の実現を引き寄せていくことが期待される。
- 1.近年、わが国では低炭素社会の実現に向けて、企業部門におけるエネルギー需要の抑制が期待されている。こうした期待の高まりを受けて、エネルギー需要の管理に関する動きが活発化しており、それを支援しているのがEMS(環境管理システム)とBEMS(企業向けのエネルギー管理システム)の2つの仕組みである。
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2013-04-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2013年4月号 急拡大する個人向け食事宅配サービス事業
- 要約
- 1.ここ3~4年余りの間、弁当(定食)形式の食事を個人宅に毎日配達する個人向け食事宅配サービス事業が急拡大している。この事業は、「不特定多数(個人)」に対して「継続的」に食事を提供するものであり、集団給食等のサービスの提供先を集団から個人に変更したもの、もしくは、飲食店の出前等を継続的に提供できるようにしたものと位置づけられる。
2.個人向け食事宅配サービス事業が急拡大している要因を需要者側からみると、長寿命化の進展とともに食の外部依存傾向が強い後期高齢者人口が増加していることがあると考えられる。一方、供給者側からみた要因としては、わが国の食の外部化市場の停滞感が強まる中で、外食事業者や中食事業者の間に新たな市場を開拓しなければならないとの危機感が強まっていることがあると考えられる。その取り組みの一つとして、それまで店舗外での食事提供サービスにおける空白地帯であった個人向けの継続的な食事提供分野への参入が行われ、膨らんでいた潜在需要を顕在化させた。
3.神奈川県は後期高齢者人口、とりわけ、単身や夫婦のみで暮らす後期高齢者が高密度に集積しているため、全国でも個人向け食事宅配サービス事業のポテンシャルが高い地域の一つであるといえる。ただし、神奈川県内のポテンシャルは古くから人口集積が進んでいた横浜市の南区、西区、磯子区や、川崎市幸区、逗子市、鎌倉市など、県東部の市区に偏在する傾向が強い。
4.今後についても、後期高齢者人口の増加にともなう潜在需要のさらなる高まりを背景に、個人向け食事宅配サービス事業は拡大傾向をたどる可能性が高いと考えられる。ただし、潜在需要の高まりは、今後、新規参入の増加や後期高齢者を主たる顧客とする類似サービスや外食サービス、中食販売などの開発等をますます活発化させると推察されるため、事業者間の競争に一段と弾みをつける要因にもなる。このため、既に一部の個人向け食事宅配サービス事業者は今後の競争激化を見据えた新たな取り組みを始めている。
- 1.ここ3~4年余りの間、弁当(定食)形式の食事を個人宅に毎日配達する個人向け食事宅配サービス事業が急拡大している。この事業は、「不特定多数(個人)」に対して「継続的」に食事を提供するものであり、集団給食等のサービスの提供先を集団から個人に変更したもの、もしくは、飲食店の出前等を継続的に提供できるようにしたものと位置づけられる。
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2013-05-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2013年5月号 高まる車載用電子部品・デバイスの成長ポテンシャル
- 要約
- 1.各国における環境規制や安全規制の強化などを背景に、自動車のエレクトロニクス化が急速に進展している。エンジンの電子制御化の進展や、アイドリングストップシステムなどの搭載率上昇などによって、車両1台あたりに使用される電子部品・デバイスは増加傾向にある。また、HV(ハイブリッド車)やEV(電気自動車)といったエコカーには、多くの電子部品・デバイスが搭載されており、車載用電子部品・デバイス市場(以下、車載市場)の成長ポテンシャルは確実に高まってきている。
2.浜銀総合研究所が実施した神奈川県の電機関連メーカーへのアンケート調査によると、2012年度に車載市場の売上高が最も高いと答えた企業は、全体の1割にも満たなかった。しかし、3~5年後に向けては、全体の約3割の企業が車載市場に注力すると回答しており、車載市場への取り組みは、県内においても拡大が見込まれる。
3.一方、車載市場の特性としては、製品の開発期間や投資の回収期間が民生エレクトロニクス(以下、民エレ)市場と比較して長期にわたる点が挙げられる。また、需要の変動は相対的に小幅で、投資の規模やタイミングによる機会損失や投資回収に対するリスクは民エレと比較して小さい。加えて、製品のライフサイクルが長く、電子部品・デバイスのコモディティ化の進展速度も比較的緩やかであり、電子部品・デバイスメーカーにとっては、安定的な収益源となる可能性を持った市場であると考えられる。
4.長年、日系電子部品・デバイスメーカーにとっての成長ドライバーを担ってきた民エレ市場では、海外勢との競争が激化している。車載用電子部品・デバイスは高い耐久性と安定性が担保されている必要があり、高品質を武器とする日系電子部品メーカーが強みを発揮できる分野である。日系電子部品・デバイスメーカーが自動車の発展を支える重要なプレイヤーとして果たす役割は大きく、収益の柱の一つとして更なる強化を図っていくべき市場であると言えよう。
- 1.各国における環境規制や安全規制の強化などを背景に、自動車のエレクトロニクス化が急速に進展している。エンジンの電子制御化の進展や、アイドリングストップシステムなどの搭載率上昇などによって、車両1台あたりに使用される電子部品・デバイスは増加傾向にある。また、HV(ハイブリッド車)やEV(電気自動車)といったエコカーには、多くの電子部品・デバイスが搭載されており、車載用電子部品・デバイス市場(以下、車載市場)の成長ポテンシャルは確実に高まってきている。
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2013-06-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2013年6月号 再資源化の進展とともに拡大する廃棄物処理業
- 要約
- 1.わが国においては2000年代前半に環境負荷の低減に向けて環境に関わる法律が相次いで施行された。これにより、廃棄物の再資源化が急速に進むとともに、廃棄物処理業の市場規模(総売上高)は急拡大した。
2.また、同時に環境関連法の施行や改正に合わせて廃棄物処理業への新規参入が急増した。廃棄物処理業にとって神奈川は、(1)狭い範囲でより多くの廃棄物を収集しやすい、(2)収集した廃棄物の輸送距離を短縮しやすいという特徴を持つことから、業者が廃棄物の収集・運搬を効率的に行いやすい地域と推察される。
3.こうした新規参入の増加によって企業間競争が激化しており、市場規模の拡大にも関わらず、最近では廃棄物処理業者の収益は伸び悩む傾向にある。また、燃料価格の高騰による輸送コストの増加なども、廃棄物処理業者の収益を左右する要因となっている。
4.今後も環境関連法のさらなる改正が予定されていることから、廃棄物の再資源化はいっそう進展する公算が大きい。もっとも、法改正は新規参入のさらなる増加につながる可能性が高いことから、廃棄物処理を手がける企業は今後の競争に備えて、事業効率をより高めていく必要があると考えられる。
- 1.わが国においては2000年代前半に環境負荷の低減に向けて環境に関わる法律が相次いで施行された。これにより、廃棄物の再資源化が急速に進むとともに、廃棄物処理業の市場規模(総売上高)は急拡大した。
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2013-07-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2013年7月号 神奈川県内上場企業の2013年3月期決算の集計結果
- 要約
- 1.神奈川県内上場企業131社の2012年度決算は、売上高が前年比4.1%増加し、経常利益も同2.8%の増加となった。県内上場企業の業績は海外景気の減速などを映じて2012年終盤に落ち込んだものの、その後の円高修正による収益押し上げなどから、年度を通じてみれば3年連続で増収増益となった。
2.売上高は3年連続で増加した。業種別にはプラント建設が大幅増収となるなど、電気機械と運輸・倉庫を除くすべての業種が増収となった。また、経常損益は増収を確保した。原材料価格の高騰や販管費増によってコストが増加したものの、増収効果に加えて円高修正による為替差損益の大幅改善が利益を押し上げた。業種別には、製造業では素材型や一般機械、その他加工型、非製造業では情報・通信や運輸・倉庫などで経常利益が堅調に増加した。
3.2013年度の企業業績も回復基調が続くと見込まれる。各社の業績予想等を集計したところ、売上高が前年比7.1%増、経常利益も同7.6%増加するという結果が得られた。収益の回復が続いていることを反映して、県内上場企業においては既に連結ベースの設備投資が大幅に増加しており、単体ベースの従業員数や平均年収も緩やかな増加を続けている。国内景気の回復期待が高まる中で、神奈川県経済も企業収益の回復を起点とする自律的回復の動きが明らかになると見込まれる。
- 1.神奈川県内上場企業131社の2012年度決算は、売上高が前年比4.1%増加し、経常利益も同2.8%の増加となった。県内上場企業の業績は海外景気の減速などを映じて2012年終盤に落ち込んだものの、その後の円高修正による収益押し上げなどから、年度を通じてみれば3年連続で増収増益となった。
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2013-08-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2013年8月号 先行きは大幅な改善を見込む神奈川県内中堅・中小企業の景況感
- 要約
- 1.業況判断
神奈川県内中堅・中小企業における景況感は3四半期ぶりに上向いたものの、改善幅は小幅にとどまった。2013年6月末時点の業況判断D.I.は▲28と前回調査比2ポイント上昇した。ただ、先行きのD.I.値は10ポイントの上昇と大幅な改善が見込まれている。
2.企業業績
業績面も足元で上向いた。4~6月期は売上動向D.I.が前回調査比7ポイント上昇し、損益動向D.I.も同3ポイントの上昇となった。先行きについては売上で5年半ぶりの「増加」超が見込まれており、損益面も引き続き改善が予想されている。
3.価格動向
価格D.I.は仕入価格の「上昇」超幅の拡大が続く一方で、販売価格もD.I.値が上昇した。4~6月期は仕入価格、販売価格ともにD.I.値が前回調査比2ポイント上昇した。先行きも、仕入価格、販売価格ともにD.I.値の上昇が続くと見込まれている。
4.雇用人員判断
雇用判断は8四半期連続で「不足」超となった。6月末時点の雇用人員判断D.I.は前回調査比横ばいの▲5となった。先行きは「不足」超幅の拡大が見込まれている。
5.設備投資計画
2013年度上期に設備投資を計画する企業の割合は38.6%と前年調査時点における2012年度上期計画の37.4%に比べて1.2%ポイント上昇した。業種別には鉄鋼・非鉄や食料品、飲食店・宿泊、運輸・倉庫などで設備投資を計画する企業の割合が高くなった。
- 1.業況判断
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2013-09-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2013年9月号 人口減少局面入り後の神奈川県内住宅需要の展望
- 要約
- 1.今年(2013年)3月に国立社会保障・人口問題研究所が発表した「日本の地域別将来推計人口(平成25年3月推計)」によると、神奈川県の人口は2015年に914万8千人となった後に減少傾向に転じる。また、この先も年齢別人口の構成が変化し、とくに2015年からの10年間は45歳未満の人口が減少する一方で、45歳以上の中高年人口が増加する傾向が顕著になっていく。
2.以上のような将来人口推計を基にして、住宅の利用単位である「主世帯」の数について神奈川県における今後の推移を推計したところ、主世帯数の増加ペースは1990年代後半から2000年代後半までの年平均+1.5%超から2010年代前半には同+1.1%へと低下し、さらに2010年代後半以降には同+1.0%を下回るという結果になった。ストック面でみた神奈川県内の住宅需要はこの先も増加が続くものの、その増勢は急速に鈍化していくと想定される。
3.また、主世帯数の増勢鈍化により、今後の神奈川県内では新設住宅に対する需要が落ち込むと見込まれる。今回行った試算によれば、2020年代前半の県内新設住宅着工戸数の平均的な水準(ベースライン)は、厳しめにみた場合に年間4万5千戸弱と2000年代後半(同8万2千戸強)比で4割以上低下する。ただし、(1)人口社会増のペースが2010年代後半以降は2000年代後半程度まで持ち直す、(2)資産家やディベロッパー等の住宅供給に対する慎重姿勢が緩和する、といった条件で試算し直すと、2020年代前半のベースラインは5万6千戸弱まで上昇し、2000年代後半からの低下幅は3割程度まで縮小する。
4.以上のように、今後の人口社会増の状況や資産家やディベロッパーの供給スタンスなどによって程度に差が生じ得るものの、今後の神奈川県ではストック面での住宅需要の増勢鈍化と新設住宅需要水準の一段の低下が避けられない。したがってこの先は、事業者間の顧客獲得競争がさらに激化していくことが予想される。こうしたなか、県内においても既存事業分野の需要縮小に直面する住宅建築業者やディベロッパー等を中心に、海外進出を含む事業エリアの拡大や、隣接事業分野への進出、あるいはストックビジネスへの参入など、新たな収益の柱を模索する動きが一層強まっていくとみられる。
- 1.今年(2013年)3月に国立社会保障・人口問題研究所が発表した「日本の地域別将来推計人口(平成25年3月推計)」によると、神奈川県の人口は2015年に914万8千人となった後に減少傾向に転じる。また、この先も年齢別人口の構成が変化し、とくに2015年からの10年間は45歳未満の人口が減少する一方で、45歳以上の中高年人口が増加する傾向が顕著になっていく。
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2013-10-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2013年10月号 改善傾向が強まる神奈川県内中堅・中小企業の景況感
- 要約
- 1.業況判断
神奈川県内中堅・中小企業の景況感は改善の動きが強まっている。2013年9月末の業況判断D.I.は▲22と前回調査比6ポイント上昇し、上昇幅は前回調査に比べて拡大した。先行きのD.I.値も10ポイントの大幅上昇が見込まれている。
2.価格動向
仕入価格D.I.は大幅な「上昇」超が続く。7~9月期が+30と前回調査比6ポイント上昇し、先行きも+33を見込む。一方、販売価格D.I.は「上昇」超に転じる動きが現れた。7~9月期は▲6と「下落」超が続いたものの、10~12月期の見通しは+5と、5年半ぶりの「上昇」超を見込む。
3.企業業績
業績面は改善している。7~9月期は売上動向、損益動向ともにD.I.値が上昇した。10~12月期は売上動向D.I.が6年ぶりの「増加」超に、損益動向D.Iが6年9か月ぶりの「好転」超に、それぞれ転じる見込みになっている。
4.雇用人員判断
雇用人員の不足感が強まっている。9月末時点の雇用人員判断D.I.は前回調査から2ポイント低下して▲7になった。先行きはさらに「不足」超幅が拡大する見込み。
5.設備投資計画
2013年度上期に設備投資を実施した(実績見込)企業の割合は38.7%と、6月調査の計画(38.6%)とほぼ同水準になった。業種別には、鉄鋼・非鉄や電子部品・デバイス、食料品、飲食店・宿泊などで設備投資の実施企業割合が高水準になった。
- 1.業況判断
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2013-11-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2013年11月号 今後再び活発化することが見込まれる企業の研究開発活動
- 要約
- 1.安倍政権が2013年6月に今後の成長戦略を公表したこともあり、企業の研究開発力の向上に対する期待が高まっている。研究開発力の向上は、付加価値の高い製品やサービスの創出により個々の企業の競争力を高めるとともに、生産性の高まりを通じてわが国の経済成長を促進する。
2.すう勢的な増加が続くわが国の研究開発投資は2000年代半ばに増勢が加速した。これは、企業間の技術競争激化や製品寿命の短命化が進む中で、企業が大学との共同研究件数を急増させるとともに、特許登録件数を増加させるなどして、自社の技術力強化を図る動きが広がったためである。
3.2008年のリーマン・ショックを契機とした企業収益の急激な悪化を反映して、企業の研究開発投資は大幅削減を余儀なくされ、その後は徐々に水準を戻しているものの、総じて停滞している。最近では一部の企業で、競合他社との共同開発や未利用特許の活用を通じて自社の技術力強化を図る動きが目立つ。
4.今後について、企業収益の改善と政府支援策の拡充により、企業の研究開発活動は再び活発化することが見込まれる。中・長期的には国内の人口減少を背景に労働力人口の減少ペースが加速し、また、国内資本ストックの伸びが緩やかにとどまると見込まれるため、成長率確保の観点から経済活動における企業の研究開発の果たす役割はこれまで以上に重要性を増すと考えられる。この先は、企業努力と政策的な支えの両輪により、研究開発活動が再び活発化し、経済成長が一段と高まることが期待される。
- 1.安倍政権が2013年6月に今後の成長戦略を公表したこともあり、企業の研究開発力の向上に対する期待が高まっている。研究開発力の向上は、付加価値の高い製品やサービスの創出により個々の企業の競争力を高めるとともに、生産性の高まりを通じてわが国の経済成長を促進する。
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2013-12-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2013年12月号 神奈川県内上場企業の2013年度上半期決算の集計結果
- 要約
- 1.神奈川県内上場企業128社の2013年度上半期決算を当社で集計したところ、売上高が前年比6.2%増となり、経常利益も同3.2%増加した。県内上場企業の業績は12年度下半期に回復が足踏みしたものの、国内景気の回復や円高修正の効果を背景に、13年度上半期には増収増益に転じた。
2.売上高は堅調に増加した。業種別には、素材型や一般機械、商業、プラント建設などで増収率が高めとなった。一方の経常利益は製造業が減益となった反面、非製造業の押し上げにより全産業ベースでは増益となった。総じてみれば販管費増加や原材料費上昇などのコスト増を、増収効果と為替差損益の改善がカバーするかたちで経常利益額は前年水準を上回った。
3.2013年度を通じた企業業績は回復基調を維持すると見込まれる。各社の業績予想を集計したところ、売上高が前年比7.2%増となる一方で、経常利益も同3.8%増と3年連続で増収増益となるという結果が得られた。収益持ち直しを反映して、連結ベースの設備投資は増勢を再び強めており、雇用や所得についても改善に転じつつある。この先の神奈川県経済は、企業収益の回復を起点とする自律的回復に向けて動き出すと考えられる。
- 1.神奈川県内上場企業128社の2013年度上半期決算を当社で集計したところ、売上高が前年比6.2%増となり、経常利益も同3.2%増加した。県内上場企業の業績は12年度下半期に回復が足踏みしたものの、国内景気の回復や円高修正の効果を背景に、13年度上半期には増収増益に転じた。
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2014-01-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2014年1月号 2014年度の神奈川県内経済見通し
- 要約
- 1.2013年の神奈川県内景気は、夏場以降に回復の動きが弱まる局面がみられたものの、総じてみれば持ち直しの動きが続いた。年前半には円高修正の効果などで輸出や生産が回復し、また株価上昇の影響などにより個人消費にも明るい動きが広がった。夏場以降には輸出や生産が弱含み、個人消費が弱い動きになる局面がみられたものの、年末近くになると株価上昇や消費増税前の駆け込み需要の押し上げなどにより個人消費が再び上向いた模様である。この先についても、個人消費が駆け込み需要の押し上げにより増勢を強めることから、2013年度の神奈川経済は高めの成長になると見込まれる。
2.2014年度の県内経済は、年度前半には駆け込み需要の反動減により個人消費が大きく落ち込む影響で景気はいったん弱含むだろう。もっとも、海外景気の持ち直しなどに支えられて輸出が増加するほか、設備投資も増加傾向をたどるとみられる。また公共投資も高い水準で推移するため、景気の腰折れは避けられるだろう。夏場以降には反動減の影響が一巡して個人消費が上向き始め、企業業績や雇用情勢などの改善傾向が次第に強まってくることから、年度後半になると、県内景気は再び持ち直してくると予想される。
3.以上のような景気の姿を実質県内総生産の伸び率で示すと、2013年度は前年比+2.8%と2006年度(同+3.9%)以来の高成長になると見込んだ。2014年度については同+0.5%とプラス成長を維持するものの、消費増税後の景気落ち込みの影響により小幅な伸びになると予測した。
- 1.2013年の神奈川県内景気は、夏場以降に回復の動きが弱まる局面がみられたものの、総じてみれば持ち直しの動きが続いた。年前半には円高修正の効果などで輸出や生産が回復し、また株価上昇の影響などにより個人消費にも明るい動きが広がった。夏場以降には輸出や生産が弱含み、個人消費が弱い動きになる局面がみられたものの、年末近くになると株価上昇や消費増税前の駆け込み需要の押し上げなどにより個人消費が再び上向いた模様である。この先についても、個人消費が駆け込み需要の押し上げにより増勢を強めることから、2013年度の神奈川経済は高めの成長になると見込まれる。
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2014-02-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2014年2月号 農業を成長産業へ
- 要約
- 1.TPPへの参加や食の安全志向の高まり、地域経済の活性化などの観点から、農業への注目が集まってきている。しかし、農業を取り巻く事業環境は明るいとは言い難く、耕地面積や農業就業人口の減少、高齢化の進展が大きな課題となっている。
2.一方、神奈川県農業の特徴としては、小規模農地であるものの、野菜や果物の栽培による高い土地生産性が挙げられる。ただし、年間の農業産出額が100万円未満である農業生産者の割合は5割にもおよび、農業のみで生計をたてるのは困難な状況にある。
3.こうした中で、農業を成長産業へと導く1つの手段として推進されているのが、農業の「6次産業化」である。6次産業化とは、農業などの1次産業を、加工や流通といった2次、3次産業へと展開する多角化経営を指す。6次産業化は、農業の雇用確保や就業者の所得向上に加え、地域経済全体の活性化にも貢献すると考えられており、官民あげた取組みが加速している。
4.神奈川県の6次産業化の現状をみると、全国でも取り組みが活発な地域であると言える。また、神奈川県は大量消費地域であり、食品加工業の集積が進んでいるなど、6次産業化の主要形態である「加工」と「直販」を展開するための素地が整っていると考える。
5.6次産業化の課題としては、2次、3次の知見を有している農業生産者が多くないこと、経営の黒字化には一定の期間を要することなどが挙げられる。よって、農業生産者を2次、3次の業者と連携させ、長期間にわたる支援を行うことが重要となってくるだろう。今後6次産業化をさらに推進するためには、直接携わる生産者や企業だけではなく、行政や地域金融機関などの第三者機関による支援体制の構築が必要であると考える。
- 1.TPPへの参加や食の安全志向の高まり、地域経済の活性化などの観点から、農業への注目が集まってきている。しかし、農業を取り巻く事業環境は明るいとは言い難く、耕地面積や農業就業人口の減少、高齢化の進展が大きな課題となっている。
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2014-03-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2014年3月号 2013年に回復ピッチを強めた神奈川の雇用情勢
- 要約
- 1.わが国経済が回復基調をたどるなかで、神奈川でも円高修正などの効果で生産や輸出が持ち直すなど、景気に明るい動きが広がっている。そうしたなか、神奈川の雇用市場も改善が進んでおり、2013年10~12月の失業率は全国を下回る3.8%へ低下した。また、2013年は求職者数の減少ピッチが強まったことから有効求人倍率の改善度合いも徐々に強まっている。
2.また、県内の雇用者数も2013年に増加ピッチを強めており、神奈川の雇用増の勢いは全国で上位に位置している。業種別には、堅調な増加を続ける医療・福祉に加えて情報通信やサービスが増勢を強めるなど非製造業を主体に雇用者数が増えている。県内地域別には、横浜や県北、湘南で増勢が続いているほか、川崎と県央が2013年半ばに増加に転じている。
3.神奈川では2013年に入職動向の改善ピッチが強まっており、事業所等の転入の影響も雇用増を大きく押し上げている。この先も雇用の増勢を維持し、回復の動きを広げていくためには、成長分野を中心とする産業政策の拡充とともに、企業や事業所の誘致政策の重要性が増してくるだろう。
- 1.わが国経済が回復基調をたどるなかで、神奈川でも円高修正などの効果で生産や輸出が持ち直すなど、景気に明るい動きが広がっている。そうしたなか、神奈川の雇用市場も改善が進んでおり、2013年10~12月の失業率は全国を下回る3.8%へ低下した。また、2013年は求職者数の減少ピッチが強まったことから有効求人倍率の改善度合いも徐々に強まっている。
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2014-04-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2014年4月号 4期連続で改善した神奈川県内中堅・中小企業の景況感
- 要約
- 1.業況判断
県内中堅・中小企業の景況感は改善が続く。2014年3月末の業況判断D.I.は▲11と前回調査比1ポイント上昇し、4四半期連続で上昇。ただ、先行きのD.I.値は消費増税後の反動への懸念により16ポイントの低下が見込まれている。
2.価格動向
仕入価格D.I.は大幅な「上昇」超が続くものの、小幅な低下に転じている。2014年1~3月期には+36と前回調査比2ポイント低下し、先行きも2ポイント低下を見込む。一方、販売価格D.I.は1~3月期に0と前回調査比2ポイント低下したものの、4~6月期には+5と再び「上昇」超を見込む。
3.雇用人員判断
雇用人員の不足感は依然として強い。3月末時点の雇用人員判断D.I.は▲21と大幅な「不足」超が続く。ただ、6月末時点には▲11となり「不足」超幅の縮小が予想されている。
4.設備投資計画
2013年度下期に設備投資を実施した(実績見込)企業の割合は47.9%と、昨年12月調査の計画(42.0%)に比べて上昇した。業種別には、鉄鋼・非鉄や食料品、電子部品・デバイス、運輸・倉庫などで設備投資の実施企業割合が高くなった。
5.消費増税の自社の業績に対する影響
消費増税が自社の業績に「マイナスの影響がある」企業の割合は47.3%となった。マイナスの影響がある期間は「半年程度」が18.8%と最も多い。なお、マイナスの影響に対応するための対策としては「営業力・販売力強化による売上拡大」との回答が最も多くなった。
- 1.業況判断
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2014-05-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2014年5月号 近年の神奈川県における新築マンションの供給動向
- 要約
- 1.神奈川県内の新築マンション販売市場は、2010年に入って持ち直しの動きが鮮明となり、それ以降は2012年の踊り場的な状況を挟みながらも回復傾向が持続している。直近では、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の影響も克服しつつある。
2.もっとも、市場が回復傾向に転じてから既に4年強が経過したのにも関わらず、県内の新規のマンション供給戸数は2014年1~3月期の平均でみても年率1万3千戸を下回るペースと、2000年代前半に比べて大幅に低い水準が続いている。これは、(1)マンション開発用地が不足していることのほか、(2)ディベロッパーなどの供給姿勢に慎重さが残っているためと考えられる。
3.また、こうした供給サイドの慎重姿勢は、近年の神奈川県におけるマンションの供給内容に変化をもたらしている。具体的には、好立地な場所で、広さや価格の面で中庸なマンションという、言うなれば、『売りやすいマンション』に供給が集中する傾向が強まっている。
4.今後を展望すると、マンション建築費が上昇しているため、価格帯別には次第に高額物件の供給割合が高まってくる展開が想定され、同時に従来以上に立地等を厳選した供給が行われるようになると予想される。神奈川県内の新築マンション販売市場全体としては今まで以上に拡大ペースの鈍い推移となろう。
- 1.神奈川県内の新築マンション販売市場は、2010年に入って持ち直しの動きが鮮明となり、それ以降は2012年の踊り場的な状況を挟みながらも回復傾向が持続している。直近では、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の影響も克服しつつある。
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2014-06-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2014年6月号 神奈川県内上場企業の2014年3月期決算の集計結果
- 要約
- 1.神奈川県内上場企業127社の2013年度決算は、売上高が前年比9.2%増加し、経常利益も同15.0%の増加となった。国内外の景気回復や円高修正による収益押し上げなどを反映して、県内上場企業の業績は急回復した。
2.売上高は4年連続で増加した。業種別には一般機械や自動車・同部品が2ケタの増収となるなど、すべての業種が増収となった。また、経常損益も急回復した。販管費の増加が収益を押し下げたものの、増収効果が利益を大きく押し上げた。業種別には、一般機械や商業などが前年比2割を超える増益となるなど、すべての業種が経常増益となった。
3.2014年度も企業業績は回復基調が続くと見込まれる。各社の業績予想を集計したところ、売上高が前年比4.0%増、経常利益は同1.5%減という結果が得られたものの、業績変動の大きいプラント建設を除けば増益予想となっている。足元の業績は消費増税による駆け込み需要の反動などから弱含んでいるとみられるものの、国内外の景気が総じて回復基調を維持する中で、2014年度を通じた県内上場企業の業績も増収増益が続くと見込まれる。
- 1.神奈川県内上場企業127社の2013年度決算は、売上高が前年比9.2%増加し、経常利益も同15.0%の増加となった。国内外の景気回復や円高修正による収益押し上げなどを反映して、県内上場企業の業績は急回復した。
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(レポートにおける2014年度の業績予想に関わる一部の数値は、集計基準日が異なることなどからプレスリリースとは一致していません)
2014-07-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2014年7月号 予想より小幅な悪化にとどまった神奈川県内中堅・中小企業の景況感
- 要約
- 1.業況判断
県内中堅・中小企業の景況感は一時的に悪化。2014年6月末の業況判断D.I.は消費増税に伴う駆け込み需要の反動の影響で▲17と前回調査比6ポイント低下。ただし、低下幅は前回3月調査の見通し(16ポイント低下)と比べて小幅にとどまった。先行きのD.I.は4ポイントの上昇が見込まれている。
2.企業業績
業績は一時的に悪化。4~6月期は売上動向、損益動向ともにD.I.が低下した。ただし、7~9月期には売上動向D.I.が上昇して再び「増加」超になり、損益動向D.I.の「悪化」超幅も縮小する見通し。
3.価格動向
仕入価格は上昇。仕入価格D.I.は4~6月期に前回調査と同じ+36となり、先行きも+29と大幅な「上昇」超を見込む。販売価格は小幅上昇。販売価格D.I.は4~6月期に+4と「上昇」超になり、先行きも+2と「上昇」超が続く見込み。
4.雇用人員判断
雇用人員の不足感は依然として強い。6月末時点の雇用人員判断D.I.は▲18と大幅な「不足」超が続く。9月末時点も▲19と大幅な「不足」超が続く見込み。
5.設備投資計画
2014年度上期に設備投資を計画する企業の割合は37.1%と前回調査(35.0%)を2.1%ポイント上回った。製造業が47.6%と前回調査(39.4%)から上方修正される一方で、非製造業は30.6%と前回調査(32.2%)を下回った。
- 1.業況判断
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2014-08-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2014年8月号 増加する訪日外国人旅行者
- 要約
- 1.2013年の訪日外国人旅行者数は史上初めて1,000万人を上回った。国・地域別にみると、韓国や台湾などアジア近隣諸国からの旅行者が多く、増加率はタイやシンガポール、マレーシアなど東南アジアが高い。この背景には、(1)アジア主要国の所得水準が上昇していること、(2)2003年に開始した「ビジット・ジャパン・キャンペーン」の効果、(3)円安の影響、などがあると考えられる。なお、神奈川県を訪れた外国人旅行者も2013年は前年に続いて100万人を上回った。全国と比べると、中国からの団体客の比率が高いことや、欧米など先進国からのビジネス客が多いことなどが特徴としてあげられる。
2.訪日外国人旅行者増加の影響は宿泊業などの観光関連産業では無視できない大きさになっている。また、今年4月にはわが国の旅行収支が約44年ぶりに黒字に転じたことで、外貨獲得の手段としても注目が集まっている。もっとも、諸外国と比べると、わが国の国際観光収入額は小さく、経済全体に与える効果も弱い。今後、わが国では人口減少による国内需要の伸び悩みなどが見込まれていることから、訪日外国人旅行者をより多く取り込むことによって、経済成長を支えていくことが求められる。
3.こうしたなかで政府は東京オリンピックの開催される2020年に2,000万人の訪日外国人旅行者を呼び込むために積極的な政策を打ち出している。外国人旅行者の獲得は安倍政権の成長戦略にも取り入れられており、今後も旅行者の拡大が続くと見込まれる。県内においても、神奈川県や横浜市などが外国人旅行者の呼び込みに力を入れており、民間企業にも旅行者を獲得する動きが広がっている。こうした取り組みが続くことで、神奈川県を訪れる外国人旅行者も増加していくことが期待される。
- 1.2013年の訪日外国人旅行者数は史上初めて1,000万人を上回った。国・地域別にみると、韓国や台湾などアジア近隣諸国からの旅行者が多く、増加率はタイやシンガポール、マレーシアなど東南アジアが高い。この背景には、(1)アジア主要国の所得水準が上昇していること、(2)2003年に開始した「ビジット・ジャパン・キャンペーン」の効果、(3)円安の影響、などがあると考えられる。なお、神奈川県を訪れた外国人旅行者も2013年は前年に続いて100万人を上回った。全国と比べると、中国からの団体客の比率が高いことや、欧米など先進国からのビジネス客が多いことなどが特徴としてあげられる。
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2014-09-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2014年9月号 神奈川県内経済見通し2014年度・2015年度
- 要約
- 1.2014年前半の神奈川県経済は1~3月期には消費増税前の駆け込み需要により個人消費が大幅に増加したことなどから景気回復の動きが強まったものの、4月以降は駆け込み需要の反動による個人消費の落ち込みや生産の減少などにより弱い動きになった。もっとも、県内の雇用情勢は改善傾向が続いており、企業マインドも製造業中心に底堅さを維持していることから、景気の回復基調は崩れていないと判断される。
2.この先の2014年度の県内経済は、雇用情勢の改善により消費マインドが持ち直すなかで駆け込み需要の反動が和らぐことから個人消費が緩やかに回復し、また、海外景気の回復を受けて輸出も上向くことから、景気は次第に持ち直してくるだろう。ただ、大型投資の一段落により設備投資の増加が一服し、建設業における人手不足の影響などにより公共投資の伸びは頭打ちになると予想される。
3.2015年度については、10月の消費増税前に駆け込み需要が盛り上がってくることから年度前半に景気回復の動きが強まると予想される。ただ、年度後半には反動減により景気が再び弱含むだろう。もっとも、輸出が緩やかに持ち直すなかで設備投資が増加基調となり、公共投資も高い水準での推移が見込まれることから、県内景気の腰折れは避けられると見込んだ。
4.以上のような景気の姿を実質県内総生産の伸び率で示すと、2014年度は反動減による年度前半の落ち込みの影響で前年比+0.2%と小幅な成長になると見込んだ。2015年度については同+1.4%と伸びが高まると予測した。
- 1.2014年前半の神奈川県経済は1~3月期には消費増税前の駆け込み需要により個人消費が大幅に増加したことなどから景気回復の動きが強まったものの、4月以降は駆け込み需要の反動による個人消費の落ち込みや生産の減少などにより弱い動きになった。もっとも、県内の雇用情勢は改善傾向が続いており、企業マインドも製造業中心に底堅さを維持していることから、景気の回復基調は崩れていないと判断される。
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2014-10-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2014年10月号 予想に反して悪化した神奈川県内中堅・中小企業の景況感
- 要約
- 1.業況判断
県内中堅・中小企業の景況感は2期連続で悪化。2014年9月末の業況判断D.I.は夏場の個人消費が弱含んだ影響などで▲19と前回調査比2ポイントの低下となり、前回6月調査の予想(4ポイント上昇)に反して悪化した。なお、先行きのD.I.は4ポイントの上昇が見込まれている。
2.企業業績
業績は悪化度合いが弱まる。7~9月期は売上動向D.I.の「減少」超幅、損益動向D.I.の「悪化」超幅はともに縮小した。10~12月期も売上動向D.I.の「減少」超幅、損益動向D.I.の「悪化」超幅がともに縮小する見通し。
3.価格動向
仕入価格は上昇。7~9月期の仕入価格D.I.は+34と高い水準で推移、先行きも+30と大幅な「上昇」超を見込む。販売価格は概ね横ばい。7~9月期の販売価格D.I.は0と前回調査比4ポイント低下、先行きは+2と小幅上昇を見込む。
4.雇用人員判断
雇用人員の不足感は依然として強い。9月末時点の雇用人員判断D.I.は▲22と「不足」超幅が拡大、12月末時点も▲21と大幅な「不足」超が続く見込み。
5.設備投資計画
2014年度上期に設備投資を実施した(実績見込)企業の割合は43.7%と、6月調査の計画(37.1%)を上回った。2014年度下期に設備投資を計画する企業の割合は35.4%で、今年3月調査の2014年度上期計画(35.0%)とほぼ同水準。
- 1.業況判断
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2014-11-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2014年11月号 今後の労働力確保の選択肢として注目が集まる外国人材
- 要約
- 1.今後、わが国では構造的に労働供給力が低下していくと懸念されており、労働力確保に向けた選択肢のひとつとして外国人材に注目が集まっている。政府も外国人雇用の拡大に向けて「成長戦略」で具体的な施策を示しており、外国人雇用を取り巻く環境は今後大きく変化していくと見込まれる。
2.2013年10月末時点の神奈川の外国人労働者数は42,141人(全国3位)、外国人雇用事業所数は8,133事業所(同4位)と外国人雇用の規模は全国上位に位置する。在留資格別には「永住者」などの『定住外国人』の比率が高く、国籍別には中国、ASEAN、南米の3つの国・地域が8割超を占める。
3.ここ数年、神奈川では、医療・福祉、建設、運輸・郵便など人手不足感の強い業種を中心に外国人材雇用が拡大してきた。なかには、食料品や卸売・小売など積極的に外国人材を雇用する企業の存在がうかがえる業種もある。一方、情報通信やサービスでは人手不足感が強いなかでも雇用条件を満たす外国人材が少なく、雇用の拡大は限定的である。
4.当社アンケート調査をもとに県内中堅・中小企業における今後の外国人雇用に対する考えを確認すると、わが国の労働力確保に向けて外国人材の「受け入れ拡大が必要」と考える企業は過半数に上る。他方、外国人材の「雇用に前向き」な企業は約3割にとどまり、多くの企業が外国人材を自社における労働力確保の選択肢としては重視していないことが分かった。
5今後、神奈川でも生産年齢人口の減少が加速していくと見込まれることから、外国人材は労働力確保に向けた重要な選択肢のひとつとなろう。ただし、企業の多くが雇用を想定する「高度人材」を十分な人数、持続的に獲得するのは難しいとみられる。一方、業種や規模を問わず経営課題となる可能性が高いのが単純労働力の不足であり、企業は日本語能力や技能習熟度が相対的に低い人材の雇用を想定した環境整備に取り組むことも必要となろう。
- 1.今後、わが国では構造的に労働供給力が低下していくと懸念されており、労働力確保に向けた選択肢のひとつとして外国人材に注目が集まっている。政府も外国人雇用の拡大に向けて「成長戦略」で具体的な施策を示しており、外国人雇用を取り巻く環境は今後大きく変化していくと見込まれる。
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2014-12-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2014年12月号 神奈川県内上場企業の2014年度上半期決算の集計結果
- 要約
- 1.神奈川県内上場企業121社の2014年度上半期決算を当社で集計したところ、売上高が前年比6.7%増となり、経常利益も同6.6%増加した。県内上場企業の業績は、急回復した13年度下半期に比べれば伸びが鈍化したものの、引き続き増収増益となった。
2.売上高は増収が続いた。業種別には、海外事業が牽引した自動車・同部品や一般機械、プラント建設などで増収率が高めとなった反面で、小売や卸売など個人消費関連業種では消費増税の影響などから微増収にとどまった。一方の経常利益は、小売や卸売が大幅減益になった反面で、製造業が増収効果から2ケタ増益を続けたことから、全産業ベースでは増益となった。総じてみれば販管費増加や原材料費上昇などのコスト増を、増収効果がカバーするかたちで経常利益額は前年水準を上回った。なお、四半期ベースでは円安の影響などから収益の回復傾向が鮮明となった。2014年7~9月期は大幅な経常増益に転じ、個社別にみても半数以上の企業が増収増益となった。
3.2014年度を通じた企業業績は回復基調を維持すると見込まれる。各社の業績予想を集計したところ、売上高が前年比4.6%増、経常利益は同3.0%減となった。ただ、上半期の経常利益が期初時点の予想を上回った企業のうち通期の業績予想を上昇修正した企業が2割強にとどまるなど、企業の先行きに対する慎重姿勢が依然として根強いことや、為替相場が企業の想定レートよりも円安水準で推移していることを踏まえると、業績予想は大きく上振れする可能性が高い。この先は国内景気も再びプラス成長に復帰するとみられることから、2014年度を通じた県内上場企業の収益も回復基調が続くと考えられる。
- 1.神奈川県内上場企業121社の2014年度上半期決算を当社で集計したところ、売上高が前年比6.7%増となり、経常利益も同6.6%増加した。県内上場企業の業績は、急回復した13年度下半期に比べれば伸びが鈍化したものの、引き続き増収増益となった。
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2015-01-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2015年1月号 2015年度の神奈川県内経済見通し
- 要約
- 1.2014年の神奈川県経済は春先には駆け込み需要により景気回復の動きが強まる局面がみられたものの、消費増税以降は弱めの動きになった。企業部門をみると、企業の景況感は夏場以降も改善の動きが弱く、設備投資には先送りの動きがみられた。また、生産や輸出も弱めの動きが続いた。一方、家計部門では、個人消費が消費増税以降は耐久財消費の反動減や家計の節約志向の高まりなどにより弱い動きとなり、住宅投資も減少が続いた。ただ足元の動向をみると、個人消費や輸出などに持ち直しの動きが現れている。
2.2015年度の県内経済は緩やかに回復するだろう。家計部門では雇用情勢が改善するなかで消費マインドが次第に上向き、駆け込み需要の反動が和らいでくるため個人消費が緩やかに持ち直すと見込んだ。また、住宅投資も次第に持ち直してくるだろう。一方、企業部門では、海外景気の回復や円安による押し上げ効果で輸出が緩やかに増加すると予想される。個人消費や輸出の持ち直しが支えとなり企業業績も改善することから、設備投資も上向いてくることになろう。他方、政府部門では、高速道路や鉄道などのインフラ関連を中心に公共投資が高水準で推移すると見込まれる。
3.以上のような景気の姿を実質県内総生産で示すと、2014年度は前年比1.0%減と2年ぶりに減少するものの、2015年度については同1.5%増と再びプラス成長になると見込んだ。
- 1.2014年の神奈川県経済は春先には駆け込み需要により景気回復の動きが強まる局面がみられたものの、消費増税以降は弱めの動きになった。企業部門をみると、企業の景況感は夏場以降も改善の動きが弱く、設備投資には先送りの動きがみられた。また、生産や輸出も弱めの動きが続いた。一方、家計部門では、個人消費が消費増税以降は耐久財消費の反動減や家計の節約志向の高まりなどにより弱い動きとなり、住宅投資も減少が続いた。ただ足元の動向をみると、個人消費や輸出などに持ち直しの動きが現れている。
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2015-02-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2015年2月号 今後の成長が見込まれる水素関連産業
- 要約
- 1.政府は2014年4月に新たなエネルギー基本計画を閣議決定し、水素関連機器の普及目標などを踏まえた水素社会実現への道筋を初めて示した。数十年を要する水素社会の実現を目指す最大の目的は、地球温暖化の原因とされる二酸化炭素の排出や将来的な資源枯渇が懸念される化石資源に対する依存度を低減することである。現状では国内の水素供給体制に課題があるが、課題解決を進めることで水素の利用が本格的に拡大していくと見込まれる。
2.今後の水素の利用拡大に向けて、わが国では様々な水素関連のビジネスが立ち上がり始めている。例えば、すでに普及し始めている燃料電池は、一般家庭において全国で約7.7万台が導入されており、今後は産業分野での本格的な導入が見込まれる。また、2014年12月には水素を燃料とする燃料電池車の市販をトヨタ自動車が世界で初めて開始し、その普及を後押しすべく水素ステーションの設置も始まった。さらに、水素価格の低下と安定供給体制の構築を目指して水素を輸入する取り組みが進められているほか、化石資源への依存度が高い発電分野で水素を利用する技術についても実用化に向けた動きが加速している。
3.神奈川でも、県内自治体が水素社会の実現や水素関連産業の振興に向けて動き出している。また、横浜や川崎の臨海部に立地する石油精製や産業用ガス、化学などの企業では、本業で培った水素利用のノウハウや既存の設備を生かして水素関連分野への業容拡大に取り組む動きもみられ始めている。今後、水素関連産業を新たな地域産業として盛り上げていくには、県内自治体や企業による長期的な視点に立った息の長い取り組みの推進が望まれる。
- 1.政府は2014年4月に新たなエネルギー基本計画を閣議決定し、水素関連機器の普及目標などを踏まえた水素社会実現への道筋を初めて示した。数十年を要する水素社会の実現を目指す最大の目的は、地球温暖化の原因とされる二酸化炭素の排出や将来的な資源枯渇が懸念される化石資源に対する依存度を低減することである。現状では国内の水素供給体制に課題があるが、課題解決を進めることで水素の利用が本格的に拡大していくと見込まれる。
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2015-03-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2015年3月号 コモディティ化に打ち勝つ電子部品メーカー
- 要約
- 1.国内の電子産業では部品業界の存在感が強まる傾向にある。また、世界的にみても日系電子部品メーカーの競争力は健在で、好業績を達成している企業も少なくない。しかし、近年エレクトロニクス製品ではコモディティ化の進展が著しく、部品メーカーに対する値下げ圧力も強まる傾向にある。
2.エレクトロニクス製品がコモディティ化する要因のひとつに、「モジュール化」の進展が挙げられる。モジュール化とは、製品を機能的なまとまりのある「モジュール」として要素分割し、各要素間のインターフェース(接続部分)を単純化・ルール化させる動きを指す。モジュール化は企業の参入障壁を低くし、企業が価格競争に陥る原因ともなっている。
3.しかし、モジュール化は、完成品メーカーに(1)部品間の調整コストの低下、(2)システム変更の容易化、(3)モジュールの再利用、(4)分業可能、(5)イノベーションの加速といった大きなメリットをもたらす。また、モジュール化は製品の低価格化と高機能化を実現させるため、消費者にとっても大きなメリットとなる。
4.モジュール化は、現在の日系電子部品メーカーの稼ぎ頭となっているスマートフォンや自動車においても進展している。もはやモジュール化は避けることの出来ない現象となっており、電子部品メーカーはモジュール化の動きを所与とした戦略を採用する必要があるだろう。
5.具体的には、(1)単価下落による影響を数量効果で補う戦略、(2)数量を追わず高付加価値品に特化する戦略、(3)単品部品ではなくモジュール製品を提供する戦略が挙げられよう。戦略の選定には、個々の部品の市場特性や個社の状況を勘案する必要があるものの、中でも(3)モジュール製品の提供は、部品メーカーの事業領域を質的に拡大することを意味し、積極的に取り組むべき戦略だと考える。
- 1.国内の電子産業では部品業界の存在感が強まる傾向にある。また、世界的にみても日系電子部品メーカーの競争力は健在で、好業績を達成している企業も少なくない。しかし、近年エレクトロニクス製品ではコモディティ化の進展が著しく、部品メーカーに対する値下げ圧力も強まる傾向にある。
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2015-04-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2015年4月号 神奈川県内中堅・中小企業の景況感は予想を上回る改善
- 要約
- 1.業況判断
県内中堅・中小企業の景況感は大幅に改善。2015年3月末の業況判断D.I.は輸出や設備投資が持ち直したことなどから▲10と前回調査比9ポイント上昇し、前回2014年12月調査の予想(▲19)を大幅に上回った。なお、先行きのD.I.は7ポイントの低下が見込まれている。
2.企業業績
業績は改善。1~3月期は売上動向D.I.の「減少」超幅、損益動向D.I.の「悪化」超幅がともに縮小した。4~6月期は売上動向D.I.が「増加」超に転じ、損益動向D.I.の「悪化」超幅がさらに縮小する見通し。
3.価格動向
仕入価格は上昇幅が縮小。1~3月期の仕入価格D.I.は「上昇」超幅が縮小、先行きは「上昇」超幅の小幅拡大を見込む。販売価格は小幅低下。1~3月期の販売価格D.I.は▲2と「低下」超になり、先行きは「上昇」超に転じる見込み。
4.雇用人員判断
雇用人員の不足感は強まる。3月末時点の雇用人員判断D.I.は▲31と、1992年3月調査(▲35)以来の大幅な「不足」超になり、先行きは▲24と「不足」超幅がやや縮小する見込み。
5.設備投資計画
2014年度下期に設備投資を実施した(実績見込)企業の割合は43.5%と、昨年12月調査の計画(41.6%)を上回った。2015年度上期に設備投資を計画する企業の割合は36.2%で、昨年9月調査の2014年度下期計画(35.4%)を小幅に上回った。
- 1.業況判断
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2015-05-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2015年5月号 着実な改善が続いた2014年度の神奈川県内雇用情勢
- 要約
- 1.2014年度の県内景気は消費増税の影響などから前半は弱い動きとなったものの、後半になると個人消費や生産活動などが上向きに転じ、景気は回復基調を取り戻した。こうしたなか神奈川の雇用市場も改善を続けた。2014年10~12月の失業率は全国(3.5%)を下回る3.2%にまで低下し、有効求人倍率も緩やかな改善が続いた。
2.また、県内の雇用者数も増加を続けており、2015年3月は前年水準を1.9%上回った。業種別には、製造業は雇用減が続いたものの、サービスや医療・福祉、建設、小売など非製造業がけん引している。県内地域別には、横浜や川崎などの増勢が続く一方、回復が遅れていた三浦半島も2014年度には増加に転じており、雇用者数増加の動きが県内全域に拡大している。
3.神奈川では2014年度に雇用の増勢が弱まったものの、事業所等の転入の影響を除くと雇用増の勢いは逆に強まっている。業種別には、福祉・介護が雇用の増加をけん引し、サービスや建設で雇用の増勢が強まっている。この先も成長分野を中心とする産業の活性化とともに、県内事業所における新規雇用創出の増勢が増していくことが期待される。
- 1.2014年度の県内景気は消費増税の影響などから前半は弱い動きとなったものの、後半になると個人消費や生産活動などが上向きに転じ、景気は回復基調を取り戻した。こうしたなか神奈川の雇用市場も改善を続けた。2014年10~12月の失業率は全国(3.5%)を下回る3.2%にまで低下し、有効求人倍率も緩やかな改善が続いた。
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2015-06-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2015年6月号 神奈川県内上場企業の2015年3月期決算の集計結果
- 要約
- 1.神奈川県内上場企業119社の2014年度決算は、売上高が前年比6.2%増加し、経常利益も同2.2%の増益となった。県内上場企業の業績は、国内外の景気回復や円安による収益押し上げなどを背景に回復を続けて、5年連続の増収増益となった。
2.売上高は堅調な増加が続いた。業種別には一般機械やプラント建設が2桁の増収となるなど、多くの業種で増収となった。また、経常利益も製造業が牽引して増益を維持した。販管費などのコスト増が収益を押し下げたものの、増収効果が利益を大きく押し上げた。業種別には、一般機械や素材型などが2桁の増益となった反面で、業績変動の大きいプラント建設や消費増税の影響が強めに出た卸売、小売などが大幅な減益となった。
3.2015年度も企業業績は回復基調が続くと見込まれる。各社の業績予想を集計したところ、売上高が前年比8.2%増、経常利益は同7.0%増という結果が得られた。国内外の景気が緩やかな回復を続ける中で、2015年度を通じた県内上場企業の業績も引き続き増収増益が見込まれる。
- 1.神奈川県内上場企業119社の2014年度決算は、売上高が前年比6.2%増加し、経常利益も同2.2%の増益となった。県内上場企業の業績は、国内外の景気回復や円安による収益押し上げなどを背景に回復を続けて、5年連続の増収増益となった。
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2015-07-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2015年7月号 神奈川県内中堅・中小企業の景況感は足元で悪化
- 要約
- 1.業況判断
県内中堅・中小企業の景況感は悪化。2015年6月末の業況判断D.I.は▲17と前回調査比7ポイント低下した。製造業では電気機械や一般機械、非製造業ではサービスや建設などの景況感が悪化した。なお、先行きのD.I.は6ポイントの上昇が見込まれている。
2.企業業績
業績はやや悪化。4~6月期は売上動向D.I.の「減少」超幅、損益動向D.I.の「悪化」超幅がともに拡大した。7~9月期は売上動向D.I.が「減少」超から0へと上昇し、また、損益動向D.I.の「悪化」超幅が縮小する見通し。
3.価格動向
仕入価格は小幅上昇。4~6月期の仕入価格D.I.は「上昇」超幅が拡大、先行きも「上昇」超幅の小幅拡大を見込む。販売価格は小幅上昇。4~6月期の販売価格D.I.は「上昇」超に転じ、先行きは「上昇」超幅の小幅拡大を見込む。
4.雇用人員判断
雇用人員の不足感はやや和らぐ。6月末時点の雇用人員判断D.I.は▲20と前回調査(▲31)から「不足」超幅が縮小。先行きは6月末と同じ▲20になる見込み。
5.設備投資計画
2015年度上期に設備投資を計画する企業の割合は41.0%と前回調査(36.2%)を4.8%ポイント上回った。製造業が47.0%と前回調査(42.4%)から4.6%ポイント、非製造業が37.6%と同(32.6%)から5.0%ポイント上方修正された。
- 1.業況判断
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2015-08-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2015年8月号 人口減少・高齢化の進展が見込まれる神奈川県の人口
- 要約
- 1.わが国の人口は2009年をピークに減少傾向に転じ、高齢者比率も急速に高まっている。神奈川県については人口の増加が続いているものの、高齢化が着実に進んでいる。こうした変化はわが国の総需要や生産力を下押し、経済成長にマイナスの影響をもたらす。一方、企業の視点でみると、需要の減少による販売競争の激化や労働力確保の困難化などが懸念される。
2.2030年のわが国の人口は2015年に比べて約1千万人減少する見込みである。年齢別の内訳をみると、75歳以上の高齢者人口が大幅に増加し、医療や介護のニーズが急速に高まると予想される。また、生産年齢人口が減少するため国内における労働供給力が大幅に低下する見込みである。なお、神奈川県の人口もこの先減少に転じ、高齢化も急速に進んでいく見込みである。
3.当社のアンケート調査によると、県内企業の9割近くが人口減少・高齢化の進展を経営課題と認識している。また、労働力確保にマイナスの影響があるとする企業の割合は75.5%で、製造業、非製造業ともに比率が高い。一方、売上げにマイナスの影響を見込む企業は68.1%で、非製造業で割合が高い。対策については、労働力確保では「高齢労働者の活用や拡大」を検討している企業の割合が高く、売上げでは「対策を検討していない」企業が多い。
4.県内の人口構造の見通しは地域ごとに違いがあるため、地域の人口の変化に応じた経営戦略が求められる。今後、人口構造の変化が進むことは確実であり、企業経営への影響も大きいことから、早めの対策が望まれる。
- 1.わが国の人口は2009年をピークに減少傾向に転じ、高齢者比率も急速に高まっている。神奈川県については人口の増加が続いているものの、高齢化が着実に進んでいる。こうした変化はわが国の総需要や生産力を下押し、経済成長にマイナスの影響をもたらす。一方、企業の視点でみると、需要の減少による販売競争の激化や労働力確保の困難化などが懸念される。
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2015-09-01
神奈川・地域経済調査
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かながわ経済情報 : かながわ経済情報2015年9月号 2015年度・2016年度の神奈川県内経済見通し
- 要約
- 1.2015年前半の神奈川県経済は、年明け後には輸出や生産の持ち直しを受けて景気回復の動きが強まったものの、春先以降は中国などアジア向け中心に輸出が弱含んだことから回復の動きが鈍化した。家計部門でも、円安を背景とした生活必需品の値上がりを受けて消費者の節約意識が強まったことから、個人消費が伸び悩んだ。
2.この先の2015年度の県内景気は緩やかに持ち直すだろう。個人消費は所得改善の効果などで堅調に推移すると予想される。今秋から冬にかけてはプレミアム付き商品券を利用した消費も個人消費を押し上げるだろう。一方、今年度の企業の設備投資計画は製造業中心に大幅な増加が見込まれており、県内の設備投資は増加基調での推移が予想される。また、公共投資もインフラ投資などを中心に増加するだろう。ただ、輸出については中国景気鈍化の影響などにより対中輸出中心にアジア向け輸出が弱含むと予想される。
3.2016年度の県内景気は緩やかな持ち直しが続いた後、年度後半に回復の動きが強まるだろう。個人消費は雇用情勢の改善を支えに底堅く推移し、年度後半には消費増税前の駆け込み需要により増勢が強まるだろう。米国など海外経済の持ち直しを受けて輸出が増勢を取り戻してくることから生産も持ち直してくると予想される。輸出や生産の回復を背景に、設備投資も増加が続くだろう。公共投資もインフラ整備関連中心に高水準で推移すると見込んだ。
4.以上のような景気の姿を実質県内総生産の伸び率で示すと、2015年度は前年比+0.8%とプラス成長に転じると見込んだ。2016年度については同+1.8%と伸びが高まると予測した。
- 1.2015年前半の神奈川県経済は、年明け後には輸出や生産の持ち直しを受けて景気回復の動きが強まったものの、春先以降は中国などアジア向け中心に輸出が弱含んだことから回復の動きが鈍化した。家計部門でも、円安を背景とした生活必需品の値上がりを受けて消費者の節約意識が強まったことから、個人消費が伸び悩んだ。
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2015-10-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2015年10月号 改善予想が下振れした神奈川県内中堅・中小企業の景況感
- 要約
- 1.業況判断
県内中堅・中小企業における景況感は横ばい。2015年9月末時点の業況判断D.I.は▲17と前回調査と同水準となった。ただ、先行きのD.I.値は5ポイントの改善が見込まれている。
2.企業業績
業績面は売上が悪化した反面で損益は小幅改善。7~9月期は売上動向D.I.が前回調査比8ポイント低下した一方、損益動向D.I.は同2ポイントの上昇となった。10~12月期は売上・損益ともにD.I.の上昇が予想されている。
3.価格動向
7~9月期の仕入価格D.I.は+15と前回調査比12ポイントの低下となり、先行きも小幅な低下を見込む。一方の販売価格D.I.は7~9月期に▲4と「低下」超に転じた。先行きは▲2と小幅な上昇が見込まれている。
4.雇用人員判断
雇用判断は人手不足感が強まった。9月末時点の雇用人員判断D.I.は前回調査比5ポイント低下の▲25となった。先行きは横ばいながら大幅な「不足」超が続くと見込まれている。
5.設備投資計画
2015年度上期に設備投資を実施した(実績見込)企業の割合は44.7%と、前回6月調査の計画(41.0%)を上回った。業種別には鉄鋼・非鉄や建設、サービス、小売などで設備投資実施企業の割合が前回調査に比べて高まった。
- 1.業況判断
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2015-11-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2015年11月号 経済センサスからみた神奈川県の民営事業所
- 要約
- 1.「平成26年経済センサス-基礎調査」によると、2014年7月1日現在のわが国の民営事業所数は544万か所、従業者数は5,800万人となり、5年前に実施された前回調査の「平成21年経済センサス-基礎調査」の数値を下回った。一方、神奈川県の民営事業所数は29.2万か所となり5年前から減少したものの、従業者数は355.4万人で5年前の水準を上回った。
2.神奈川県の従業者数を業種別(大分類)に5年前の調査と比較すると、建設業や製造業が減少する一方で、医療・福祉が大幅に増加し、また学術研究・専門技術サービス業や情報通信業、卸売・小売業などの業種で従業者数が増加した。全国に比べて幅広い業種で増加する結果になった。
3.神奈川県の従業者数を業種別にみると、医療・福祉は全国トップの増加率になった。郊外のベッドタウンに団塊世代などが比較的多く居住しており、高齢化の急速な進展に対応した動きが現れた模様である。卸売・小売業は若い世代の流入している地域で、大型商業施設が開業したことなどが増加をけん引した。学術研究・専門技術サービス業はアクセスの便利さや自治体の積極的な誘致活動などを背景に大手企業の研究開発機関の集積が進んだ。一方、製造業の従業者数は全国を上回る減少率になった。
4.神奈川県では、(1)景気回復の効果により、本県に優位性のある研究開発事業に対する企業の取り組みが強化されたこと、(2)都心に近い利便性を活かし、魅力ある街づくりを実現したこと、などにより従業者数が増加したと考えられる。従業者数の動向からみれば、全国のなかでも神奈川県は、雇用の維持を図りながら、産業構造の変化を実現している地域であると評価できよう。
- 1.「平成26年経済センサス-基礎調査」によると、2014年7月1日現在のわが国の民営事業所数は544万か所、従業者数は5,800万人となり、5年前に実施された前回調査の「平成21年経済センサス-基礎調査」の数値を下回った。一方、神奈川県の民営事業所数は29.2万か所となり5年前から減少したものの、従業者数は355.4万人で5年前の水準を上回った。
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2015-12-01
神奈川・地域経済調査
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かながわ経済情報 : かながわ経済情報2015年12月号 神奈川県内上場企業の2015年度上期決算の集計結果
- 要約
- 1.神奈川県内上場企業123社の2015年度上期決算を当社で集計したところ、売上高が前年比11.7%増となり、経常利益も同20.3%増加した。県内上場企業の業績は、経常減益となった2014年度下期から大幅な増収増益に転じた。
2.売上高は2桁の増収となった。業種別には、海外事業が牽引した一般機械や自動車・同部品、プラント建設に加えて、M&Aによる業容拡大効果によって商業で増収率が高めとなった。一方の経常利益は、電気機械やプラント建設などが減益になった反面で、一般機械や商業などが増収効果によって大幅な増益となったことから、全産業ベースでは増益となった。総じてみれば人件費など販管費の負担増加を、増収効果がカバーするかたちで経常利益額は前年水準を大きく上回った。なお、四半期ベースでは新興国通貨安の影響などから2015年7~9月期は経常利益の増勢が大きく鈍化した。
3.2015年度を通じた企業業績は回復が続くと見込まれる。各社の業績予想を集計したところ、売上高が前年比7.9%増、経常利益も同8.2%増となった。上期の経常利益が期初時点の予想を上回ったものの、通期の業績予想を据え置くなど、企業の先行きに対する慎重姿勢が依然として根強い。中国経済の成長減速など景気の先行きには懸念材料がみられるものの、国内景気の緩やかな回復が続くとみられることなどから、2015年度を通じた県内上場企業の収益も回復基調が続くと見込まれる。
- 1.神奈川県内上場企業123社の2015年度上期決算を当社で集計したところ、売上高が前年比11.7%増となり、経常利益も同20.3%増加した。県内上場企業の業績は、経常減益となった2014年度下期から大幅な増収増益に転じた。
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2016-01-01
神奈川・地域経済調査
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かながわ経済情報 : かながわ経済情報2016年1月号 2015年の神奈川県経済と2016年度の見通し
- 要約
- 1.2015年の神奈川県景気は鈍い動きになった。家計部門では、雇用・所得情勢が緩やかに改善したものの、生活必需品の値上がりなどにより消費者の節約志向が強まったため個人消費が伸び悩んだ。企業部門では、春先までは輸出や生産が増加したものの、その後は中国景気減速の影響でアジア向け中心に輸出が弱含み、生産も減産基調で推移した。また、企業業績も製造業中心に改善の動きが一服し、設備投資にも先送りの動きがみられた。もっとも、秋口頃からは、個人消費や輸出に持ち直しの動きが少しずつ現れ始めたことから、企業の景況感もやや上向いた。
2.2016年度の県内景気は緩やかな持ち直しが続いた後、年度終盤が近づくにつれて回復の動きが強まるだろう。個人消費は雇用所得情勢の改善などにより緩やかな持ち直しが続き、年度終盤には消費増税前の駆け込み需要により増勢が強まると予想される。個人消費や輸出の増加により企業業績も再び改善傾向が強まり、企業の設備投資意欲も次第に高まってくるだろう。また公共投資についても、インフラ整備を中心に高水準で推移すると見込まれる。
3.以上のような景気の姿を実質県内総生産の伸び率で示すと、2015年度は前年比+0.5%と小幅なプラス成長にとどまると見込んだ。2016年度については同+1.8%と伸びが高まると予測した。
- 1.2015年の神奈川県景気は鈍い動きになった。家計部門では、雇用・所得情勢が緩やかに改善したものの、生活必需品の値上がりなどにより消費者の節約志向が強まったため個人消費が伸び悩んだ。企業部門では、春先までは輸出や生産が増加したものの、その後は中国景気減速の影響でアジア向け中心に輸出が弱含み、生産も減産基調で推移した。また、企業業績も製造業中心に改善の動きが一服し、設備投資にも先送りの動きがみられた。もっとも、秋口頃からは、個人消費や輸出に持ち直しの動きが少しずつ現れ始めたことから、企業の景況感もやや上向いた。
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2016-02-01
神奈川・地域経済調査
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かながわ経済情報 : かながわ経済情報2016年2月号 3四半期ぶりに上向いた神奈川県内中堅・中小企業の景況感
- 要約
- 1.業況判断
県内中堅・中小企業における景況感は小幅改善。2015年12月末時点の業況判断D.I.は▲14と前回調査比3ポイント上昇した。また、先行きのD.I.も5ポイントの改善が見込まれている。
2.企業業績
業績面は売上、損益ともに改善。2015年10~12月期は売上動向D.I.が前回調査比12ポイント上昇し、損益動向D.I.も同6ポイント上昇した。2016年1~3月期の売上はD.I.のわずかな低下が見込まれているものの、損益は改善が予想されている。
3.価格動向
10~12月期の仕入価格D.I.は+13と前回調査比2ポイントの低下となり、先行きもわずかな低下を見込む。一方の販売価格D.I.は10~12月期に▲4と前回調査から横ばいとなったものの、先行きについては▲3とわずかな上昇が見込まれている。
4.雇用人員判断
雇用判断は人手不足感が強まった。12月末時点の雇用人員判断D.I.は前回調査比5ポイント低下の▲30となった。先行きは▲29と引き続き大幅な「不足」超が見込まれている。
5.設備投資計画
2015年度下期に設備投資を計画する企業の割合は42.4%と、前回9月調査の36.2%を上回った。業種別には電気機械や一般機械、建設、サービスなどで設備投資を計画する企業の割合が前回調査に比べて高まった。
- 1.業況判断
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2016-03-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2016年3月号 消費実態調査からみた神奈川県の家計の動向
- 要約
- 1.「平成26年全国消費実態調査」によれば、2014年9~11月における、神奈川県の二人以上の世帯の1か月平均の消費支出は1世帯あたり316,143円で全国3位の多さになった。ただし、消費増税や円安に伴う物価上昇、賃金の伸び悩みなどの影響により5年前の前回調査の消費支出の水準は下回った。なお、家計の収入は全国6位、貯蓄高は東京都に次ぐ全国2位の水準になった。
2.県内の消費支出を世帯主の年齢別にみると、45~54歳と55~64歳で消費支出の水準が高い。子育ての金銭的負担が高まる45~54歳では教育への支出が増加し、55~64歳では交際費などを含むその他の消費支出などが増加している。
3.県内地域別に消費支出の水準をみると、横浜・川崎地域の消費支出が最も多い。若い世帯が多いものの、都心部に近く所得水準が高いため、全体的に消費支出が多くなっている。その後、三浦半島地域、県央地域、湘南地域の順に続き、県西地域の消費水準が最も低くなった。
4.今後の神奈川県の消費支出総額を、世帯主年齢別の消費支出と国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計」に基づいて試算すると、2020年までは県内に居住する世帯の世帯主の年齢構成が変化していくこと(世帯年齢の変化)が、神奈川県の個人消費にとってプラスの要因になった。足元で県内の個人消費は消費増税や円安に伴う物価上昇の影響などにより鈍い動きになっているものの、2020年に向けて世帯年齢の変化が支えとなり、個人消費が持ち直していくと見込まれる。
- 1.「平成26年全国消費実態調査」によれば、2014年9~11月における、神奈川県の二人以上の世帯の1か月平均の消費支出は1世帯あたり316,143円で全国3位の多さになった。ただし、消費増税や円安に伴う物価上昇、賃金の伸び悩みなどの影響により5年前の前回調査の消費支出の水準は下回った。なお、家計の収入は全国6位、貯蓄高は東京都に次ぐ全国2位の水準になった。
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2016-04-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2016年4月号 小幅な改善を維持した神奈川県内中堅・中小企業の景況感
- 要約
- 1.業況判断
県内中堅・中小企業の景況感は小幅な改善が続く。2016年3月末時点の業況判断D.I.は前回調査比1ポイント上昇の▲13となった。また、先行きのD.I.も▲12と改善が見込まれている。
2.企業業績
業績面は売上、損益ともに先行きは改善予想。2016年1~3月期は売上動向D.I.が前回調査比6ポイント低下し、損益動向D.I.も同4ポイント低下した。4~6月期は売上D.I.の改善が見込まれ、一方の損益は「好転」超が予想されている。
3.価格動向
1~3月期は仕入価格D.I.は+3と前回調査比10ポイント低下し、販売価格D.I.も▲8と4ポイント低下した。先行きは両者ともにD.I.のわずかな上昇が見込まれている。
4.雇用人員判断
雇用判断は人手不足感が和らいでいる。3月末時点の雇用人員判断D.I.は前回調査比3ポイント上昇の▲27となった。先行きも▲23と引き続き「不足」超幅の縮小が見込まれている。
5.設備投資計画
2015年度下期に設備投資を実施した(実績見込)企業の割合は47.9%と、昨年12月調査の計画(42.4%)を上回った。また、2016年度上期に設備投資を計画する企業の割合は37.8%となり、3月調査における翌年度上期計画としては2007年以来9年ぶりの高水準となった。
- 1.業況判断
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2016-05-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2016年5月号 2016年度の神奈川県内建設投資の見通し
- 要約
- 1.最近の神奈川県内における建設工事の着手状況をみると、企業の設備投資関連の建設工事が増加トレンドを維持している一方で、住宅建築は2015年の春以降、弱含む傾向にある。また、公共工事も2015年序盤の急増後、同年半ば以降は減少基調となっている。こうしたなか県内の建設投資は、比較的高い水準を維持しつつも、2015年半ば以降は緩やかに下向く展開になっている。
2.以上のような建設工事の着手状況をもとに2015年度通年の県内建設投資を推計すると、前年比7.9%増の2兆7,949億円となる。足元の建設関連統計は弱い動きを示すものが多いが、2014年度の県内建設投資が消費税率引き上げ等の影響で低水準にとどまっていた分、2015年度は年度を通せば民間住宅建築、設備投資関連、公共工事のいずれも前年を上回る結果になったと見込まれる。
3.続く2016年度の県内建設投資については、前年度比6.8%増の2兆9,851億円と、2年連続の増加を予測する。2016年度も民間居住用(住宅建築)、非居住用(設備投資関連)、公共工事の全てが前年度を上回るとみられるが、このうち企業の設備投資関連の建設投資は2015年度よりも増勢を強め、一方で、民間住宅建築と公共工事は増勢を弱める形となろう。
- 1.最近の神奈川県内における建設工事の着手状況をみると、企業の設備投資関連の建設工事が増加トレンドを維持している一方で、住宅建築は2015年の春以降、弱含む傾向にある。また、公共工事も2015年序盤の急増後、同年半ば以降は減少基調となっている。こうしたなか県内の建設投資は、比較的高い水準を維持しつつも、2015年半ば以降は緩やかに下向く展開になっている。
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2016-06-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2016年6月号 神奈川県内の賃金動向と今後の見通し
- 要約
- 1.厚生労働省「賃金構造基本統計調査」によると、2015年(6月)の神奈川県内企業で働く一般労働者1人当たりの所定内給与は前年比0.3%減の33.5万円になった。依然として2001年のピーク(33.7万円)の水準を回復しておらず、2000年代以降、賃金が伸び悩んでいる様子がうかがえる。
2.県内の所定内給与を男女別にみると、女性の給与が増加傾向で推移する一方で、男性の給与が伸び悩んでいる。特に40歳前後の男性の所定内給与はピークに比べて大幅に低下している。労働者数の多い団塊ジュニア世代と、それよりも若い世代の昇給が抑えられた模様である。
3.一方、県内の短時間労働者の賃金は上昇傾向で推移している。少子高齢化による労働力人口の減少やここ数年の景気回復により、相対的に賃金の低いパートやアルバイトなど短時間労働者に対する労働需給のひっ迫度合いが強まり、賃金に上昇圧力が加わったとみられる。
4.今後も県内では労働力の不足感が強い状況が続くとともに、企業の人件費総額は伸び悩むと予想される。こうしたなかで、短時間労働者に対する企業の採用意欲は引き続き強く、賃金にも上昇圧力が加わると見込まれる。また、女性や若手一般労働者の賃金も上昇すると予想される。その一方で、相対的に賃金水準の高い40~50歳代の男性一般労働者の今後の賃金は、労働者数が多く従来どおりの賃上げが難しいため、現在の40~50歳代の労働者に比べて賃金水準が低下することになろう。
- 1.厚生労働省「賃金構造基本統計調査」によると、2015年(6月)の神奈川県内企業で働く一般労働者1人当たりの所定内給与は前年比0.3%減の33.5万円になった。依然として2001年のピーク(33.7万円)の水準を回復しておらず、2000年代以降、賃金が伸び悩んでいる様子がうかがえる。
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2016-07-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2016年7月号 神奈川県内の小売業
- 要約
- 1.神奈川県内の小売業は、事業所数でみて47都道府県中4位、また従業者数も同3位に位置するなど、大きなプレゼンスを有している。
2.神奈川県内の小売業は、事業所数でみて47都道府県中4位、また従業者数も同3位に位置するなど、大きなプレゼンスを有している。
3.県内小売業の事業所数を業態別にみると、コンビニエンスストアや広義ドラッグストアなどの構成比が全国と比べて高く、立地上の特性といえる。
4.神奈川県内の商店街など商業集積の数は558にのぼり、その約7割が横浜、川崎、相模原の政令指定都市に集まっている。
- 1.神奈川県内の小売業は、事業所数でみて47都道府県中4位、また従業者数も同3位に位置するなど、大きなプレゼンスを有している。
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2016-08-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2016年8月号 神奈川県内上場企業の2016年3月期決算の集計結果
- 要約
- 1.神奈川県内上場企業122社の2015年度決算は、売上高が前年比8.8%増加し、経常利益も同6.2%の増益となった。県内上場企業の業績は、円安の収益押し上げ効果が剥落したものの、6年連続で増収増益となった。
2.売上高は全ての業種が前年水準を上回った。業種別には一般機械や素材型など製造業種が堅調な増収となったほか、M&Aの効果によって小売が大幅増収となった。一方の経常利益も増加が続いた。販管費の増加や円高による営業外損益の悪化が収益を押し下げたものの、増収効果の押し上げで経常増益となった。業種別には、一般機械や素材型、小売などが大幅増益となった反面で、電気機械や自動車・同部品、サービスなどは経常減益となった。ただ半期ベースの経常利益は2015年度下半期に製造業が2ケタ減益となったことから全産業でも前年比2.1%減と減益に転じている。
3.2016年度の企業業績はこれまでの回復基調が一服すると見込まれる。各社の業績予想を集計したところ、売上高が前年比1.4%減、経常利益も同4.0%減という結果が得られた。海外景気の減速や不安定な為替相場などを反映して製造業を中心に慎重な業績予想が広がっている。
- 1.神奈川県内上場企業122社の2015年度決算は、売上高が前年比8.8%増加し、経常利益も同6.2%の増益となった。県内上場企業の業績は、円安の収益押し上げ効果が剥落したものの、6年連続で増収増益となった。
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2016-09-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2016年9月号 2016年度・2017年度の神奈川県内経済見通し
- 要約
- 1.2016年前半の神奈川県経済は景気回復の動きが鈍いものになった。中国景気減速や年初以降の円高の影響で輸出が弱含み、生産も弱めの動きになった。ただし、製造業中心に企業業績が悪化したものの、企業の設備投資意欲は旺盛で設備投資は増加した模様である。個人消費については、雇用所得情勢が緩やかに改善するなかで、消費者物価が下落に転じたことも追い風となり4月以降には持ち直しの動きがみられた。
2.2016年度後半の県内景気は緩やかに持ち直すだろう。雇用者数増による家計の総所得増加などにより個人消費は緩やかに増加すると予想される。既往の円高の影響で輸出は鈍い動きになると見込まれるものの、研究開発投資や臨海部の建設投資などの押し上げで設備投資は増加するだろう。また、インフラ投資中心に公共投資も高水準で推移すると見込んだ。
3.2017年度も県内景気は引き続き緩やかに持ち直すと見込んだ。雇用情勢の改善を支えに個人消費は小幅に増加すると見込まれる。企業部門では、為替レートが緩やかな円安傾向で推移するなかで米国向け中心に輸出が上向いてくるだろう。また、企業の旺盛な投資意欲を背景に設備投資は堅調に推移すると予想される。公共投資も引き続き高水準で推移しよう。
4.以上のような景気の姿を実質県内総生産の伸び率で示すと、2016年度は前年比+1.0%と、前年度(同+0.5%)に比べて成長率が高まると見込んだ。2017年度についても同+1.2%と伸びが小幅に上昇すると予測した。
- 1.2016年前半の神奈川県経済は景気回復の動きが鈍いものになった。中国景気減速や年初以降の円高の影響で輸出が弱含み、生産も弱めの動きになった。ただし、製造業中心に企業業績が悪化したものの、企業の設備投資意欲は旺盛で設備投資は増加した模様である。個人消費については、雇用所得情勢が緩やかに改善するなかで、消費者物価が下落に転じたことも追い風となり4月以降には持ち直しの動きがみられた。
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2016-10-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2016年10月号 製造業主体に上向いた神奈川県内中堅・中小企業の景況感
- 要約
- 1.業況判断
県内中堅・中小企業の景況感は上向いた。2016年9月末時点の業況判断D.I.は前回調査比3ポイント上昇して▲20となった。さらに、先行きのD.I.も▲15と改善が続くと見込まれている。
2.企業業績
業績面は売上、損益ともに改善に転じた。2016年7~9月期は売上動向D.I.が前回調査比5ポイント上昇し、損益動向D.I.も同1ポイント上昇した。10~12月期も売上、損益ともに引き続き改善が予想されている。
3.価格動向
7~9月期は仕入価格D.I.が+5と前回調査比5ポイント低下した一方、販売価格D.I.は▲3と4ポイント上昇した。先行きについては両者ともにD.I.の上昇が見込まれている。
4.雇用人員判断
雇用判断は人手不足感が強まった。9月末時点の雇用人員判断D.I.は前回調査比9ポイント低下の▲31となった。先行きも▲33と引き続き「不足」超幅の拡大が見込まれている。
5.設備投資計画
2016年度上期に設備投資を実施した(実績見込)企業の割合は43.9%と、前回6月調査の計画(41.5%)を上回った。業種別には食料品や電気機械、一般機械、運輸・倉庫などで設備投資実施企業の割合が前回調査に比べて高まった。
- 1.業況判断
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2016-11-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2016年11月号 人手不足を深刻化させる恐れがある介護離職問題
- 要約
- 1.来年2017年から団塊の世代が順次70歳に到達するため、これまで以上に介護を必要とする者が増加する見込みである。さらに2025年には団塊の世代の全員が75歳以上となり、年齢が健康寿命(健康上の問題がなく日常生活を送れる期間)を超えるため、介護に関わる問題が深刻化する恐れがある。
2.団塊の世代の介護を担う可能性が大きい団塊ジュニア世代はこれまでの世代に比べて独身者の割合が高く、兄弟姉妹数が少ないため、介護の負担を分散することが困難である。また、政府の方針をみる限り、今後の介護のスタイルは在宅介護が主流となる可能性が高いため、この先、団塊ジュニア世代を中心に介護離職に陥る者が増加すると考えられる。
3.将来の要介護・要支援認定者数の予測値などに基づき機械的に試算すると、2025年には毎年25万人程度の介護離職者が発生すると見込まれる。この先、労働市場改革が進まなければ、これまでの少子化の影響で労働力人口は急減する。こうした中で、年間25万人もの介護離職者が発生すれば、人手不足問題がいっそう深刻化し、わが国の経済成長にも負の影響が及ぶと考えられる。なお、神奈川県を含む1都3県では、2025年にかけて要介護認定者数が急増するとみられるため、それ以外の地域に比べて介護離職者が発生しやすいと考えられる。
4.介護離職問題に備えるためには、単に仕事と介護の両立支援制度を拡充するだけでなく、社員に対して両立支援制度の中身を周知徹底することが重要である。また会社全体で、介護に直面する社員を支えるために、個々の社員の働き方を見直すことも必要となろう。
- 1.来年2017年から団塊の世代が順次70歳に到達するため、これまで以上に介護を必要とする者が増加する見込みである。さらに2025年には団塊の世代の全員が75歳以上となり、年齢が健康寿命(健康上の問題がなく日常生活を送れる期間)を超えるため、介護に関わる問題が深刻化する恐れがある。
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2016-12-01
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2016年12月号 神奈川県内上場企業の2016年度上期決算の集計結果
- 要約
- 1.神奈川県内上場企業120社の2016年度上期決算を当社で集計したところ、売上高が前年比4.8%減となり、経常利益も同31.1%減少した。経常減益は2半期連続、また半期ベースで減収減益となるのは2009年度上期以来7年ぶりのこととなる。県内上場企業の業績は、円高の進展とともに海外事業が低調に転じたことなどから悪化している。
2.売上高は前年割れに転じた。業種別には、海外事業の落ち込みにより一般機械や自動車・同部品など製造業の全業種とプラント建設などで売上高が前年水準を割り込んだ。一方の経常利益は、減収効果に加えて円高による営業外損益の悪化などから大幅減益となった。業種別には製造業で全業種が減益となり、非製造業でもプラント建設と商業などが大幅減益となった。
3.2016年度を通じた企業業績は回復が一服すると見込まれる。各社の業績予想を集計したところ、売上高が前年比3.5%減、経常利益も同18.6%減という結果が得られた。2015年度決算発表以降、約3割の企業が業績予想を下方修正し、業績予想の集計値も下振れた。もっとも、欧州景気の先行きや米国の通商政策など海外事業の先行きには不透明感が増しているものの、4~6月期に比べれば業績の悪化度合いが和らいだ企業が増加しており、足元の為替相場も円安方向に切り返すなど、業績回復に向けた材料もみられるようになっている。この先は国内外の景気持ち直しとともに、県内企業の業績も上向きに転じることが期待される。
- 1.神奈川県内上場企業120社の2016年度上期決算を当社で集計したところ、売上高が前年比4.8%減となり、経常利益も同31.1%減少した。経常減益は2半期連続、また半期ベースで減収減益となるのは2009年度上期以来7年ぶりのこととなる。県内上場企業の業績は、円高の進展とともに海外事業が低調に転じたことなどから悪化している。
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2017-01-20
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2017年1月号 2016年の神奈川県経済と2017年度の見通し
- 要約
- 1.2016年の神奈川県経済は総じてみれば景気回復の動きが鈍いものになった。企業部門では、設備投資が増加傾向で推移したものの、年初来の円高や中国景気減速の影響で輸出や生産が弱い動きになった。一方、家計部門では、円高進行で景気の先行き不透明感が強まったことや、夏場の天候不順の影響などで個人消費が鈍い動きになった。もっとも、11月の米大統領選挙をきっかけに為替レートが円安傾向に転じ、加えて、海外景気に持ち直しの動きが現れたことなどから年末近くになると企業の景況感が改善した。また、株価が上昇傾向に転じたこともあり、消費マインドにも改善の動きがみられた。
2.2017年度の県内景気は輸出や生産が増勢を取り戻すにつれて、次第に持ち直しの動きが強まってくると見込んだ。すなわち、県内からの輸出は米国景気の回復や円安の効果で次第に増勢を取り戻し、生産も増加してくると予想される。製造業を中心とした企業業績の改善やみなとみらい地区などの開発事業の進捗を受けて設備投資も堅調に増加すると見込まれる。企業業績が上向くことで雇用所得情勢の改善テンポもやや強まることから、個人消費は緩やかに増加すると見込んだ。住宅投資は年後半に弱含むと見込まれるものの、公共投資はインフラ投資などを中心に高水準で推移するだろう。
3.以上のような景気の姿を実質県内総生産の伸び率で示すと、2016年度は前年比+0.8%になると見込んだ。2017年度については同+1.2%と伸びが高まると予測した
- 1.2016年の神奈川県経済は総じてみれば景気回復の動きが鈍いものになった。企業部門では、設備投資が増加傾向で推移したものの、年初来の円高や中国景気減速の影響で輸出や生産が弱い動きになった。一方、家計部門では、円高進行で景気の先行き不透明感が強まったことや、夏場の天候不順の影響などで個人消費が鈍い動きになった。もっとも、11月の米大統領選挙をきっかけに為替レートが円安傾向に転じ、加えて、海外景気に持ち直しの動きが現れたことなどから年末近くになると企業の景況感が改善した。また、株価が上昇傾向に転じたこともあり、消費マインドにも改善の動きがみられた。
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2017-02-20
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2017年2月号 子育て世代の女性の就業促進について
- 要約
- 1.これまでの少子化の影響で、この先わが国の労働力人口は急速に減少する見込みである。労働力人口の減少は就業者の減少を通じて経済成長に負の影響を及ぼす。これを回避するためには女性の労働参加を促すことなどにより、わが国の労働力率(労働力人口/15歳以上人口)を高める必要がある。
2.わが国の女性は、結婚や出産を機に一旦離職し、子育てが一段落した後に再び働き出す傾向があるため、子育て期に一時的に労働力率が低下する。近年、こうした傾向は、子供を持つ女性の労働参加が進む中で、徐々に解消に向かいつつある。
3.ただ、都道府県ごとにみると、子育て世代の女性の労働力率には、ばらつきがあり、特に三大都市圏においてはその低さが目立つ。三大都市圏では、各自治体の努力などにより保育所定員数の拡大が急ピッチで進んでいるものの、潜在的な需要規模が大きく、保育サービスの供給が需要を十分に賄いきれていないという背景がある。
4.また、三大都市圏では長時間労働者の割合が高いことも子育て世代の女性の労働参加に負の影響を及ぼしていると考えられる。保育所定員数の拡大が重要であることは言をまたないものの、働き方改革を通じて、子育て世代のワーク・ライフ・バランスを充実させることも必要であろう。
- 1.これまでの少子化の影響で、この先わが国の労働力人口は急速に減少する見込みである。労働力人口の減少は就業者の減少を通じて経済成長に負の影響を及ぼす。これを回避するためには女性の労働参加を促すことなどにより、わが国の労働力率(労働力人口/15歳以上人口)を高める必要がある。
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2017-03-20
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2017年3月号 神奈川県の世帯構造変化が個人消費に与える影響
- 要約
- 1.平成27年国勢調査によると、神奈川県の人口は912.6万人と5年前の調査から7.8万人増加した。また、世帯数も397.9万世帯となり同13.5万世帯増加した。世帯数を類型別にみると、単独世帯が同11.3万世帯増の140.8万世帯となった。団塊世代や団塊ジュニア世代などの世帯数が増加した。また、夫婦のみ世帯も世帯主が団塊世代の世帯などの増加で同3.8万世帯増となった。夫婦と子供世帯は同1.0万世帯減とわずかに減少したが、概ね横ばいで推移した。
2.年齢区分ごとの消費支出を一定として神奈川県の消費支出総額を求めると、単独世帯の支出総額は世帯数増とともに増加している。ただし、消費支出の内訳は、高齢世帯の支出が多い項目で支出総額が大幅に増加する一方、若い世代の支出が多い項目では相対的に小幅な伸びにとどまった。
3.夫婦のみ世帯や夫婦と子供世帯を含む二人以上世帯の消費支出総額は、相対的に支出の少ない夫婦のみ世帯の割合が高まったことから、世帯数の伸びを下回った。支出の内訳をみると、高齢世帯の支出が多い項目で支出総額の伸びが高くなり、授業料等や洋服などの支出総額が減少する結果になった。
4.単独世帯と二人以上世帯を合わせた消費支出総額は増加しており、神奈川県内の世帯構造の変化は消費支出を押し上げる方向に作用してきたと考えられる。また、この先もしばらくの間は、消費支出を押し上げる方向に働くと見込まれる。ただし、県内でもこの先高齢化が一段と進むことで、消費支出に下押し圧力が加わる支出項目が増えてくると見込まれる。
- 1.平成27年国勢調査によると、神奈川県の人口は912.6万人と5年前の調査から7.8万人増加した。また、世帯数も397.9万世帯となり同13.5万世帯増加した。世帯数を類型別にみると、単独世帯が同11.3万世帯増の140.8万世帯となった。団塊世代や団塊ジュニア世代などの世帯数が増加した。また、夫婦のみ世帯も世帯主が団塊世代の世帯などの増加で同3.8万世帯増となった。夫婦と子供世帯は同1.0万世帯減とわずかに減少したが、概ね横ばいで推移した。
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2017-04-20
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2017年4月号 10年ぶりの高水準となった神奈川県内中堅・中小企業の景況感
- 要約
- 1.業況判断
県内中堅・中小企業の景況感は改善が続いた。2017年3月末時点の業況判断D.I.は前回調査比4ポイント上昇の▲9となり、2007年6月調査以来およそ10年ぶりの高水準となった。6月末予想は、先行き不透明感を背景に▲16への悪化が見込まれている。
2.企業業績
業績面は売上が3年ぶりの「増加」超、損益は10年ぶりの「好転」超となった。2017年1~3月期は売上動向D.I.が前回調査比9ポイント上昇し、損益動向D.I.も同6ポイント上昇した。4~6月期は売上、損益ともに悪化が予想されている。
3.価格動向
1~3月期は仕入価格D.I.は+22と前回調査比7ポイント上昇した一方、販売価格D.I.は3ポイント低下の▲3となった。先行きは両者ともに低下が見込まれている。
4.雇用人員判断
雇用判断は人手不足感が約25年ぶりの水準となった。3月末時点の雇用人員判断D.I.は前回調査比5ポイント低下の▲36となった。なお、先行きは「不足」超幅の縮小が見込まれている。
5.設備投資計画
2016年度下期に設備投資を実施した(実績見込)企業の割合は44.8%と、昨年12月調査の計画(40.6%)を上回った。また、2017年度上期に設備投資を計画する企業の割合は38.5%となり、3月調査における翌年度上期計画としては2007年以来10年ぶりの高い水準となった。
- 1.業況判断
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2017-05-20
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2017年5月号 2016年の訪日外国人客別にみた旅行消費額の動向
- 要約
- 1.2013年以降、急激に増加してきたインバウンド(訪日外国人客)消費は、2016年に伸び率を低下させた(2015年:前年比+71.5%→2016年:同+7.8%)。これは一人当たり旅行支出の減少によるところが大きく、円高の影響で訪日外国人客の旅行費用が目減りしたことが背景にあるとみられる。
2.実際に、2016年の「一人当たり旅行支出」は前年の17万6,167円から2万272円減少しており、特に中国や英国、シンガポールなどからの訪日外国人客が旅行支出を大幅に抑えている。また、費目別にみると買物代や宿泊料金、飲食費などの支出が大きく減っており、円高の影響で旅行予算が目減りするなか、訪日外国人はこれらの費目を中心に節約を図ったとみられる。
3.他方、円高にもかかわらず、2016年の「訪日外国人客数」は増加を続けていた。このため中国や韓国、香港、米国、オーストラリアの5か国を中心に、一人当たり旅行支出の減少による押し下げ額を、訪日外国人客数の増加による押し上げ額が大きく上回り、「訪日外国人旅行消費額」は全体として増加基調を維持することができている。
4.神奈川県内への訪日外国人延べ訪問者数(訪日外国人客数×神奈川県内への訪問率)を試算すると、2016年は231万人(前年比7万人増)となる。これを国・地域別にみると、円高環境下においても訪日外国人旅行消費額が大きく伸びた上記5か国のなかで、韓国からの訪問者数だけが減少していることが分かる。韓国からの訪問者は一人当たり旅行支出が他国に比べて極めて少ないという特徴がある。このため、買物代等の節約にも限界があり、その分往復の交通費が安い近場の空港などに訪問者が流れたと推察される。
- 1.2013年以降、急激に増加してきたインバウンド(訪日外国人客)消費は、2016年に伸び率を低下させた(2015年:前年比+71.5%→2016年:同+7.8%)。これは一人当たり旅行支出の減少によるところが大きく、円高の影響で訪日外国人客の旅行費用が目減りしたことが背景にあるとみられる。
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2017-06-19
産業動向調査
マーケット情報
台湾電子関連企業月次売上高 : 台湾電子関連企業月次売上高(2017年5月)
- 要約
- ・全体はプラス成長も、今後の需給逼迫を見越して前倒し発注が入っている部品がある一方で、中国端末メーカーの生産調整や、iPhone製造の端境期の影響を受けている部品もあり動向には大きな差。
・EMSの売上高はHonHaiを除き前年同月比プラス、パソコンや液晶テレビの製造が増加。
・半導体関連企業の増勢は失速、中国端末メーカーの生産調整の影響が大きいとみる。
・電子部品関連企業の売上高が減少した一方で、光学部品関連企業のモメンタムは拡大。
・今後、世界の電子部品・デバイス市場のモメンタムが再び強まるのは7~9月期を予想。
- ・全体はプラス成長も、今後の需給逼迫を見越して前倒し発注が入っている部品がある一方で、中国端末メーカーの生産調整や、iPhone製造の端境期の影響を受けている部品もあり動向には大きな差。
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2017-06-20
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2017年6月号 労働供給の減少が見込まれる神奈川県の労働市場
- 要約
- 1.県内企業の人手不足感は労働力人口の減少などによりリーマン・ショック前の景気拡張局面に比べて強まっている。平成27年国勢調査によると、2015年の神奈川県の労働力人口は429.0万人となり、10年前の調査から27.4万人減少した。団塊世代が60歳代後半となり、労働市場からの退出が本格化した。
2.2015年の労働力人口を年齢区分別にみると、10年前に比べて若い世代が減少した一方、高齢労働者が増加した。男女別には、男性の労働力人口が減少し、女性が増加した。なお、高齢者や女性の労働者は短時間労働に従事するケースが多く、こうしたことも労働力の供給を減少させていると考えられる。業種別の動向をみると、卸売・小売業、製造業などで就業者が減少している。
3.今後の県内の労働力人口を機械的に試算すると、2025年には15年比で17万人減、2035年には同48万人減の結果となった。年齢別には、若い労働者が減少し、高齢労働者の比率がさらに高まる。業種別の就業者を試算すると、卸売・小売業や建設業などで減少幅が大きくなる結果になった。
4.この先、高齢化の進展により神奈川県民の労働供給が一段と減少していくことは避けられない。また、労働者の働き方が多様化することから、企業が今まで同様に労働者を確保し、労働者に働いてもらうことは難しくなろう。そうした状況下、企業はこれまで以上に労働力の確保を重要な経営課題と認識し、労働環境の整備や省力化投資などを進めていくことが求められるだろう。
- 1.県内企業の人手不足感は労働力人口の減少などによりリーマン・ショック前の景気拡張局面に比べて強まっている。平成27年国勢調査によると、2015年の神奈川県の労働力人口は429.0万人となり、10年前の調査から27.4万人減少した。団塊世代が60歳代後半となり、労働市場からの退出が本格化した。
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2017-07-12
産業動向調査
マーケット情報
台湾電子関連企業月次売上高 : 台湾電子関連企業月次売上高(2017年6月)
- 要約
- ・中国スマホの発注が徐々に回復、新型iPhone向け出荷も立ち上がり、市場は再び拡大トレンドへ。
・半導体関連企業の売上が、新型iPhone向けの出荷開始などにより3か月ぶりに増加。
・きょう体やカメラモジュール、タッチパネル企業の業績も、中国スマホメーカーの部品調達再開や新型タブレット向けの需要伸張を受けて大きく拡大。
- ・中国スマホの発注が徐々に回復、新型iPhone向け出荷も立ち上がり、市場は再び拡大トレンドへ。
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2017-07-20
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2017年7月号 改善が一服した神奈川県内中堅・中小企業の景況感
- 要約
- 1.業況判断
県内中堅・中小企業の景況感は改善が一服した。2017年6月末時点の業況判断D.I.は前回調査から横ばいの▲9となった。なお、9月末予想は4ポイント上昇の▲5と2007年9月調査以来約10年ぶりの高い水準が見込まれている。
2.企業業績
業績面は売上、損益ともにD.I.がわずかに低下した。2017年4~6月期は売上動向D.I.が前回調査比2ポイント低下の+3、損益動向D.I.は同2ポイント低下の0となった。7~9月期は売上、損益ともに改善が予想されている。
3.価格動向
4~6月期は仕入価格D.I.が+18と前回調査比3ポイント低下した一方、販売価格D.I.は同1ポイント上昇の▲2となった。先行きは両者ともに上昇が見込まれている。
4.雇用人員判断
雇用判断は人手不足感がわずかに和らいだ。6月末時点の雇用人員判断D.I.は前回調査比2ポイント上昇して▲34となった。なお、先行きも「不足」超幅の縮小が見込まれている。
5.設備投資計画
2016年度下期に設備投資を実施した企業の割合は46.0%となり、前回3月調査の実績見込(44.5%)を上回った。また、17年度上期に設備投資を計画する企業の割合も前回調査から上方修正されて40.3%となった。なお、製造業の6月調査における年度上期計画企業の割合は2006年調査以来の高い水準となった。
- 1.業況判断
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2017-08-20
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2017年8月号 業績が持ち直しに転じる2017年度の神奈川県内上場企業
- 要約
- 1.神奈川県内上場企業123社の2016年度決算は、売上高が前年比2.2%減となり、経常利益も同15.4%の減益となった。県内上場企業の業績は、上期の円高進展に加えて円ベースでみた海外事業の業績が低調となったことなどから、これまでの回復が一服して、2009年度以来7年ぶりの減収減益となった。
2.売上高は前年水準を下回った。業種別には、国内販売が持ち直した自動車・同部品を除く製造業の全業種に加えてプラント建設などが、海外事業の落ち込みを主因に減収となった。一方の経常利益は、減収と円高などによる採算性の悪化から減益に転じた。製造業は下期の持ち直しによって増益を維持したものの、非製造業は海外事業の採算悪化によりプラント建設が大幅減益となったことなどから経常減益に転じた。
3.2017年度の企業業績は持ち直しに転じると見込まれる。通期の業績予想を公表した117社の数値を集計したところ、売上高が前年比1.8%増、経常利益も同13.9%増という結果が得られた。県内上場企業の業績は、すでに四半期ベースでは2017年1~3月期に増収増益に転じている。この先も、国内外の景気回復を背景に業績は回復基調をたどると見込まれる。
- 1.神奈川県内上場企業123社の2016年度決算は、売上高が前年比2.2%減となり、経常利益も同15.4%の減益となった。県内上場企業の業績は、上期の円高進展に加えて円ベースでみた海外事業の業績が低調となったことなどから、これまでの回復が一服して、2009年度以来7年ぶりの減収減益となった。
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2017-09-20
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2017年9月号 2017年度・2018年度の神奈川県内経済見通し
- 要約
- 1.2017年前半の神奈川県経済は総じてみれば回復傾向をたどった。輸出の回復や為替円安により企業業績が持ち直し、設備投資も高水準で推移した。雇用情勢が改善するなかで、株高により消費マインドも改善したことから個人消費も増加した。もっとも、足元では輸出の増勢には一服感がみられ、夏場の天候不順の影響で個人消費も弱含んでいる模様である。
2.この先の2017年度の県内景気は、個人消費が天候不順の影響でしばらくの間弱含むものの、雇用所得情勢の改善を背景に次第に上向いてくるだろう。また、世界的な半導体需要の拡大などを背景に輸出も増勢を取り戻すと見込まれる。一方、住宅投資や設備投資、公共投資は高水準で推移するため、次第に景気は持ち直しの動きがはっきりしてくると予測した。
3.2018年度については、県内景気は緩やかな持ち直し傾向を維持すると予測した。企業の人手不足を背景に雇用所得情勢が改善し個人消費は小幅に増加するだろう。企業部門では、半導体関連需要の拡大などを背景に輸出が増勢を維持し、みなとみらい地区など臨海部の再開発などの押し上げで設備投資も増加すると予想される。また、インフラ投資を中心に公共投資も高水準で推移すると見込んだ。
4.以上のような景気の姿を実質県内総生産の伸び率で示すと、2017年度は年度当初に景気が好調に推移したため前年比+1.8%と高めの成長になると見込んだ。2018年度についても同+1.3%と回復の動きが続くと予測した。
- 1.2017年前半の神奈川県経済は総じてみれば回復傾向をたどった。輸出の回復や為替円安により企業業績が持ち直し、設備投資も高水準で推移した。雇用情勢が改善するなかで、株高により消費マインドも改善したことから個人消費も増加した。もっとも、足元では輸出の増勢には一服感がみられ、夏場の天候不順の影響で個人消費も弱含んでいる模様である。
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2017-10-20
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2017年10月号 神奈川県内中堅・中小企業の景況感は2007年3月以来の高水準
- 要約
- 1.業況判断
県内中堅・中小企業の景況感は改善。2017年9月末の業況判断D.I.は▲5と前回調査比5ポイント上昇し、2007年3月以来の高水準となった。製造業では電気機械や輸送機械、非製造業では卸売やサービスなどの景況感が改善した。なお、12月末予想も5ポイント上昇の0と引き続き改善が見込まれている。
2.企業業績
業績面は売上が改善、損益は悪化。7~9月期は売上動向D.I.の「増加」超幅が拡大した一方、損益動向D.I.は「悪化」超に転じた。10~12月期は売上動向D.I.が「増加」超から0へと低下し、損益動向D.I.は「悪化」超幅が拡大する見通し。
3.価格動向
7~9月期の仕入価格D.I.は「上昇」超幅が前回調査比6ポイント上昇した。また販売価格は前回調査から「上昇」超に転じた。先行きについてはいずれもD.I.の低下を見込む。
4.雇用人員判断
雇用人員の不足感はやや強まった。9月末時点の雇用人員判断D.I.は▲36と前回調査(▲34)から「不足」超幅が拡大した。先行きは▲35と今回調査から「不足」超幅がやや縮小する見込みである。
5.設備投資計画
2017年度上期に設備投資を実施した(実績見込)企業の割合は44.7%と、前回調査の計画(40.2%)を上回った。製造業が53.3%と前回調査から1.5%ポイント、非製造業が38.5%と前回調査から6.0%ポイントそれぞれ上方修正された。
- 1.業況判断
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2017-11-20
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2017年11月号 長時間労働の是正は家計の所得にどのような影響を及ぼすのか
- 要約
- 1.わが国の労働時間の動向を確認すると、1人当たり年間総実労働時間は1980年代後半以降、減少傾向で推移している。しかしながら、わが国において長時間労働の是正は依然として大きな問題となっている。統計上で総実労働時間が減少した最大の理由は、相対的に労働時間の短いパートタイム労働者が増加したことである。一方で、一般労働者(正社員)の労働時間はほとんど減少しておらず、この点が長時間労働の是正を巡る議論の盛り上がりの背景にあると考えられる。
2.長時間労働の基準を月間60時間超の残業と定義した上で、業種別に長時間労働の状況をみると、運輸業,郵便業や建設業、宿泊業,飲食サービス業で月間60時間超の残業を行っている就業者の割合が高いことが分かった。こうした業種の就業者割合の高さから単純に類推すると、大都市を有する地域及び東北地方、さらには観光産業が盛んな地域で、残業時間の上限規制導入の際に、対応を迫られる企業が多くなると予想される。
3.次に、長時間労働の是正が神奈川県内の所得にどのような影響を及ぼすのかを試算すると、月間60時間超分の残業時間の削減により、県全体で年間の残業代総額は7,200億円程度減少するとの結果が得られた。これは神奈川県民の名目雇用者報酬の3~4%に相当する額であり、県内個人消費への負の影響が懸念される。
4.このように長時間労働の是正は、短期的には雇用者報酬の減少を通じて家計に負の影響を及ぼすと考えられるものの、中長期の視点では、労働生産性の向上を図ることで1人当たりの基本給を引き上げることが望ましい。また長時間労働の是正によって、女性の労働参加(共働き)の可能性が高まれば、家計の世帯収入も増加すると考えられる。加えて、家計にとっては、子育てや余暇に割く時間が増えるといったメリットもある。長時間労働の是正を議論する際には、こうした中長期的なメリットも十分に踏まえた上で、議論を進めていくことが大事であろう。
- 1.わが国の労働時間の動向を確認すると、1人当たり年間総実労働時間は1980年代後半以降、減少傾向で推移している。しかしながら、わが国において長時間労働の是正は依然として大きな問題となっている。統計上で総実労働時間が減少した最大の理由は、相対的に労働時間の短いパートタイム労働者が増加したことである。一方で、一般労働者(正社員)の労働時間はほとんど減少しておらず、この点が長時間労働の是正を巡る議論の盛り上がりの背景にあると考えられる。
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2017-12-20
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2017年12月号神奈川県内上場企業の2017年度上期決算の集計結果
- 要約
- 1.神奈川県内上場企業119社の2017年度上期決算を当社で集計したところ、売上高が前年比6.0%増となり、経常利益も同33.5%増加した。半期ベースで増収増益となるのは2015年度上期以来2年ぶりのこととなる。県内上場企業の業績は、国内外の景気回復や円安などを反映して持ち直しに転じた。
2.売上高は3半期ぶりに前年水準を上回った。業種別には、国内事業が牽引した自動車・同部品や海外部門が持ち直した一般機械など製造業の全業種と、電子部品需要の拡大を映じて大幅増収となった卸売など、多くの業種で売上高が前年水準を上回った。一方の経常利益は、増収効果を主因に大幅な増益となった。業種別には製造業で全業種が2桁の増益となり、非製造業でもプラント建設や卸売、小売などが大幅な増益となった。
3.2017年度を通じた企業業績は増収増益が見込まれる。各社の業績予想を集計したところ、売上高が前年比3.7%増、経常利益も同14.9%増という結果が得られた。この先も国内外の景気持ち直しとともに、県内企業の業績も回復を続けるだろう。さらに設備投資など企業活動の活発化が引き続き見込まれることから、2017年度は神奈川県経済における自律的回復の動きが明瞭化すると予想される。
- 1.神奈川県内上場企業119社の2017年度上期決算を当社で集計したところ、売上高が前年比6.0%増となり、経常利益も同33.5%増加した。半期ベースで増収増益となるのは2015年度上期以来2年ぶりのこととなる。県内上場企業の業績は、国内外の景気回復や円安などを反映して持ち直しに転じた。
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2018-01-20
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2018年1月号2017年の神奈川県経済と2018年度の見通し
- 要約
- 1.2017年の神奈川県経済は総じてみれば回復傾向をたどった。企業部門では、海外経済の回復により輸出が増加し、企業業績が改善するなかで設備投資は高水準で推移した。また、企業の景況感も改善の動きが明確になった。一方、家計部門では、消費マインドの改善などを背景に個人消費に持ち直しの動きがみられた。ただし、長雨や台風の影響などで夏場以降の消費は伸び悩んだ。住宅投資は貸家の着工減などにより年後半にやや弱い動きになった。公的部門では、公共投資が高水準で推移した。
2.2018年度の県内経済は回復基調で推移するだろう。家計部門では、雇用所得情勢の改善などにより個人消費が緩やかに増加すると予想される。住宅投資は貸家の着工低迷などにより減少に転じる見込みである。企業部門では、中国の旺盛な設備投資ニーズや減税による米国の景気拡大などの効果で輸出が増加するだろう。輸出が堅調に推移するなかで製造業の設備投資が増加し、非製造業でも臨海部で建設投資が活発化する見込みである。公的部門では、インフラ関連投資などを中心に公共投資の増勢が強まるだろう。
3.以上のような景気の姿を実質県内総生産で示すと、2017年度は前年比1.8%増と高めの成長になると見込んだ。2018年度についても同1.4%増と回復の動きが続くと予測した。
- 1.2017年の神奈川県経済は総じてみれば回復傾向をたどった。企業部門では、海外経済の回復により輸出が増加し、企業業績が改善するなかで設備投資は高水準で推移した。また、企業の景況感も改善の動きが明確になった。一方、家計部門では、消費マインドの改善などを背景に個人消費に持ち直しの動きがみられた。ただし、長雨や台風の影響などで夏場以降の消費は伸び悩んだ。住宅投資は貸家の着工減などにより年後半にやや弱い動きになった。公的部門では、公共投資が高水準で推移した。
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2018-02-01
産業動向調査マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
国内新車販売統計 : 国内新車販売統計(2018年1月)
- 要約
- ・国内販売台数(季調値)は3か月ぶりの減少。軽自動車販売は好調で、「軽高登低」が鮮明。
・新車乗用車輸出は増加。米国向けを中心に海外市場の新車需要に減速感あり、先行きは楽観できず。
・乗用車在庫に過剰感あり。内外需の減速リスクがあり、生産への下方圧力が強まろう。
- ・国内販売台数(季調値)は3か月ぶりの減少。軽自動車販売は好調で、「軽高登低」が鮮明。
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2018-02-16
産業動向調査
マーケット情報
メキシコ自動車市場 : メキシコ自動車市場(2018年1月)
- 要約
- ・1月メキシコ自動車生産台数(季調値)は大きく減少。国内販売と輸出が共に失速したことが背景。
・米国新車市場の減速が続いており、メキシコ産輸出車両への下押し圧力は収まることはない。
・米国法人減税によりメキシコへの投資妙味減退。NAFTA再交渉が不透明で、大統領選の動向も気掛かり。
- ・1月メキシコ自動車生産台数(季調値)は大きく減少。国内販売と輸出が共に失速したことが背景。
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2018-02-20
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2018年2月号 高齢化と人口減少が都道府県の個人消費に与える影響
- 要約
- 1.わが国で進む高齢化と人口減少を都道府県単位でみると、その進展速度に少なからず差があることが分かる。鹿児島県や山形県などでは人口が大幅に減少する一方で、高齢化率の上昇スピードは全国平均と比べて遅い。逆に神奈川県や埼玉県、千葉県などでは人口が増加する反面、高齢化率の上昇スピードは速い。こうした格差は主として大学進学や転勤等による人口移動の影響によるものといえよう。
2.このような都道府県別の格差は、需要面では各都道府県の個人消費に与える影響の違いとなって現れてくる。例えば1人当たり消費支出の用途別割合をみると、「食料(食材費や飲料品、外食費など)」のウエートが高いことから、人口減少ペースの速い地域ではこうした用途の支出が減少しやすく、それを供給する企業への影響も大きくなる。
3.また世帯主が65歳以上の世帯と65歳未満の世帯の1人当たり消費支出を比較すると、65歳以上の世帯では「その他の消費支出」や「保健医療」などの支出割合が相対的に高い。高齢化率の上昇ピッチが速い地域では、こうしたニーズ拡大に合わせた対応が必要になってくるだろう。
4.さらに65歳以上の世帯の消費行動を勤労者世帯と非勤労者世帯に分けてみると、収入のある勤労者世帯の方が非勤労者世帯よりも世帯当たりの消費支出が約1.2倍大きい。高齢者が働きやすい環境や制度を整備することは足元の労働力不足の解消という供給面からだけでなく、個人消費の押し上げという需要面からも日本経済を支える重要な取り組みといえよう。
- 1.わが国で進む高齢化と人口減少を都道府県単位でみると、その進展速度に少なからず差があることが分かる。鹿児島県や山形県などでは人口が大幅に減少する一方で、高齢化率の上昇スピードは全国平均と比べて遅い。逆に神奈川県や埼玉県、千葉県などでは人口が増加する反面、高齢化率の上昇スピードは速い。こうした格差は主として大学進学や転勤等による人口移動の影響によるものといえよう。
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2018-03-01
産業動向調査マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
国内新車販売統計 : 国内新車販売統計(2018年2月)
- 要約
- ・2月の国内販売台数(季調値)は増加したが、足元の新車需要は前年を下回る水準で勢いに欠ける。
・米国向け中心に新車乗用車輸出が失速。海外新車需要に下振れリスク残り、先行きは楽観できない。
・乗用車在庫に過剰感あり。内外需の減速リスクがあり、追加減産の必要性がある。
- ・2月の国内販売台数(季調値)は増加したが、足元の新車需要は前年を下回る水準で勢いに欠ける。
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2018-03-01
産業動向調査
マーケット情報
中古車輸出月次統計 : 中古車輸出月次統計(2018年1月)
- 要約
- ・18年1月の中古車輸出台数(季調値)は減少。乗用車、商用車ともに市況軟化。
・関税引き上げによりパキスタン向けが大失速したのが主因。スリランカ向けは好調続く。
・1月電動中古車シェアは台数・金額ベースともに前年を上回る。ハイブリッド中古車の輸出が大幅増。
- ・18年1月の中古車輸出台数(季調値)は減少。乗用車、商用車ともに市況軟化。
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2018-03-13
産業動向調査
マーケット情報
メキシコ自動車市場 : メキシコ自動車市場(2018年2月)
- 要約
- ・2月メキシコ自動車生産台数(季調値)は増加。国内販売と輸出が共に増加したことが背景。
・米国新車市場の減速が続いており、今後もこの点がメキシコ産輸出車両への逆風となろう。
・NAFTA再交渉の行方が依然不透明で、メキシコビジネスへの投資に積極的になるのが難しい状況。
- ・2月メキシコ自動車生産台数(季調値)は増加。国内販売と輸出が共に増加したことが背景。
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2018-03-20
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2018年3月号少ない自由時間のなかで活動的に余暇を過ごす神奈川県民
- 要約
- 1.平成28年社会生活基本調査によると、神奈川県民は通勤時間が長いことなどの影響で仕事や家事に関連する義務的な性格の強い活動に費やす時間が長く、自由になる時間が少ない。ただし、限られた自由時間のなかで趣味やスポーツ活動に積極的に参加し、自己啓発などにも前向きに取り組んでいる。
2.自由時間に行う様々な活動に参加した人の割合(行動者率)をみると、年齢の違いにより差が大きくなった。趣味・娯楽活動では、映画鑑賞や音楽鑑賞などは若年層の行動者率が高いものの、高年層では低くなる傾向がみられた。その一方で、園芸などは高年層の行動者率が高くなった。スポーツ活動では、ボウリングやジョギングは若年層の行動者率が高いものの、高年層では参加率が大幅に低下している。反対に、ウォーキングの行動者率は若年層よりも高年層が高くなった。学習・自己啓発・訓練活動では、若年層や中年層は英語やパソコンなどのビジネス関連の行動者率が高くなる一方、高年層では芸術や家事関連が高くなった。
3.この先の神奈川県民全体でみた自由時間の使い方は、人々の年齢、すなわち県民の年齢構成の変化に最も影響を受ける可能性が高い。今後、神奈川県においても高齢化のテンポが加速していくことから、県民の余暇の過ごし方やそれに関連するマーケットも変わっていくことが避けられないだろう。
- 1.平成28年社会生活基本調査によると、神奈川県民は通勤時間が長いことなどの影響で仕事や家事に関連する義務的な性格の強い活動に費やす時間が長く、自由になる時間が少ない。ただし、限られた自由時間のなかで趣味やスポーツ活動に積極的に参加し、自己啓発などにも前向きに取り組んでいる。
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2018-03-28
産業動向調査
マーケット情報
タイ自動車市場 : タイ自動車市場(2018年2月)
- 要約
- ・2月生産台数(季調値)は前月比3.7%増の204万台。内需拡大が増産の主因。
・輸出台数(季調値)は同0.5%増の117万台と横ばい推移。17年実績を上回っており、今のところ堅調。
・国内販売(季調値)は同6.9%増の97万台。年率90万台超えが続いている。
- ・2月生産台数(季調値)は前月比3.7%増の204万台。内需拡大が増産の主因。
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2018-04-20
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2018年4月号 神奈川県内中堅・中小企業の景況感は2四半期連続のプラス
- 要約
- 1.業況判断
県内中堅・中小企業の景況感は改善。2018年3月末の業況判断D.I.は+6と前回調査比5ポイント上昇し、2四半期連続でプラスとなった。製造業では電子部品・デバイスや一般機械、非製造業ではサービスや小売などの景況感が改善した。なお、6月末予想は5ポイント低下の+1と悪化が見込まれている。
2.設備投資計画
2017年度下期に設備投資を実施した(実績見込)企業の割合は49.1%と、前回調査の計画(43.8%)を上回った。製造業が60.5%と前回調査から6.0%ポイント、非製造業が41.0%と前回調査から4.7%ポイントそれぞれ上方修正された。
- 1.業況判断
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2018-05-16
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
GDP速報 : GDP速報(2018年1~3月)
- 要約
- ・2018年1~3月期の実質GDPは前期比-0.2%(同年率-0.6%)と9四半期ぶりのマイナス成長。
・個人消費と設備投資が小幅な減少に転じ、輸出も増加幅を縮小。
・2018年4~6月期も、個人消費など内需が持ち直し、再び緩やかなプラス成長に復する見通し。
- ・2018年1~3月期の実質GDPは前期比-0.2%(同年率-0.6%)と9四半期ぶりのマイナス成長。
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2018-05-20
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2018年5月号実質ベースでみると2年連続で減少した神奈川3港輸出
- 要約
- 1.神奈川3港の名目輸出(輸出金額)は2017年に小幅ながらも増加に転じた。しかし為替の動きなどを含む価格変動の影響を除いた実質ベースでみると、神奈川3港の輸出は2016年、2017年と2年連続での減少となった。
2.神奈川3港の実質輸出を財別にみると、2016年には自動車関連と資本財の輸出が減少し、2017年には自動車関連の輸出が大きく落ち込んだことが確認できる。2016年については、新興国、資源国経済の減速などを受けて自動車関連と資本財の輸出が減少したと考えられる。他方で、2017年については完成車の積出港変更で米国向けの乗用車輸出が大幅に落ち込んだことが自動車関連輸出急減の背景にあると推察される。
3.ただ、こうした中で2017年に資本財輸出が増加に転じている点は明るい材料である。これは中国で液晶パネルの生産が拡大していることなどを受けて、神奈川3港からの同国向けFPD(フラットパネルディスプレイ)製造装置などの輸出が増加したためである。今後もこうした要因が神奈川3港の実質輸出を支えよう。
- 1.神奈川3港の名目輸出(輸出金額)は2017年に小幅ながらも増加に転じた。しかし為替の動きなどを含む価格変動の影響を除いた実質ベースでみると、神奈川3港の輸出は2016年、2017年と2年連続での減少となった。
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2018-05-22
マクロ経済・金融市場調査
研究員コラム
中国経済の見通し : 2018年・2019年の中国景気の見通し(2018年5月改訂)
- 要約
- 2018年1~3月期の中国の実質GDP(国内総生産)は前年比+6.8%と、3四半期連続
で同じ伸び率となった。個人消費が中小企業の業績悪化に伴う雇用情勢の軟化や住宅
ローンの返済負担増加による住宅購入者の生活支出抑制を受けて伸び悩んだものの、世
界景気の回復を背景に輸出が5年ぶりの高い伸びを記録し、固定資産投資も中小都市に
おける住宅購入支援の推進による住宅投資の復調で伸びが高まった。一方、足元の月次
指標をみると、4月の住宅販売額が弱含むなど、景気は一部で鈍化の動きがみられる。・・・
- 2018年1~3月期の中国の実質GDP(国内総生産)は前年比+6.8%と、3四半期連続
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2018-06-20
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2018年6月号2期連続での増収増益を予想する2018年度の神奈川県内上場企業
- 要約
- 1.神奈川県内上場企業115社の2017年度決算は、売上高が前年比3.3%増となり、経常利益も同14.6%の増益となった。県内上場企業の業績は、2016年度に回復が一服したものの、2017年度は国内外の景気回復を反映して持ち直しに転じ、回復基調に復帰した。
2.売上高は堅調に増加した。業種別には、プラント建設を除く全業種が増収となった。なかでも、海外部門が牽引した一般機械や介護ニーズの高まりなどを反映したサービスが高めの伸びとなった。一方の経常利益は、増収効果の押し上げによって大幅な増益となった。大手自動車メーカーの国内向け出荷停止の影響などから、自動車・同部品とその他加工型は減益となったものの、その他のすべての業種が前年の経常利益水準を上回った。
3.2018年度の企業業績は2期連続での増収増益が見込まれる。各社の業績予想を集計したところ、売上高が前年比1.9%増、経常利益も同6.9%増という結果が得られた。為替や原油相場の動向などの懸念材料があるものの、この先も、国内外の景気回復を反映して県内上場企業の業績は回復が続くと見込まれる。
- 1.神奈川県内上場企業115社の2017年度決算は、売上高が前年比3.3%増となり、経常利益も同14.6%の増益となった。県内上場企業の業績は、2016年度に回復が一服したものの、2017年度は国内外の景気回復を反映して持ち直しに転じ、回復基調に復帰した。
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2018-07-02
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
日銀短観 : 日銀短観(2018年6月調査)
- 要約
- ・大企業・製造業の業況判断DIは2期連続で低下。資源価格高騰や米中貿易摩擦激化などが原因。
・2018年度の設備投資計画は大幅上方修正。ここ数年の中で最も高い計画に。
・先行き中小企業を中心に人手不足感がより一段と強まる見通し。
- ・大企業・製造業の業況判断DIは2期連続で低下。資源価格高騰や米中貿易摩擦激化などが原因。
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2018-07-20
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2018年7月号2018、19年度の神奈川県経済の見通し
- 要約
- 1.2018年前半の神奈川県内景気は回復傾向をたどったものの、一部には回復の動きが鈍る様子もみられた。すなわち、輸出が持ち直す中で設備投資は高水準で推移し、企業の景況感も春先には大幅に改善した。一方、個人消費は大雪による食料品の値上がりの影響などで弱含む様子がみられた。
2.2018年後半の県内景気は再び持ち直してくるだろう。海外経済が堅調に推移する中で輸出が増加し、企業の設備投資意欲も旺盛な状況が続く見込みである。公共投資もインフラ関連投資中心に増加しよう。こうした中で雇用所得情勢の改善などにより個人消費も上向いてくる見込みである。2018年度の実質県内総生産を前年比1.2%増と予測した。
3.2019年度の県内景気は回復の動きが続くものの、消費増税の影響により年度後半には回復の動きが弱まるだろう。家計部門において、個人消費や住宅投資で増税前の駆け込みとその反動減が予想される。一方、企業部門では、海外景気の拡大を背景に輸出の増加が続き、設備投資も増加すると見込んだ。公共投資も引き続きインフラ投資が高水準で推移するだろう。2019年度の実質県内総生産を同1.0%増と予測した。
- 1.2018年前半の神奈川県内景気は回復傾向をたどったものの、一部には回復の動きが鈍る様子もみられた。すなわち、輸出が持ち直す中で設備投資は高水準で推移し、企業の景況感も春先には大幅に改善した。一方、個人消費は大雪による食料品の値上がりの影響などで弱含む様子がみられた。
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2018-08-10
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
GDP速報 : GDP速報(2018年4~6月)
- 要約
- ・2018年4~6月期の実質GDPは前期比+0.5%(同年率+1.9%)と再びプラス成長。
・個人消費が持ち直し、堅調な設備投資が成長をけん引。
・2018年7~9月期も、設備投資などがけん引し、緩やかなプラス成長を維持する見通し。
- ・2018年4~6月期の実質GDPは前期比+0.5%(同年率+1.9%)と再びプラス成長。
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2018-08-20
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2018年8月号人口減や高齢化の地域差拡大が見込まれる神奈川県
- 要約
- 1.わが国の人口は減少が続いているものの、神奈川県では県外からの転入者が転出者を上回っており人口増が続いている。また全国で高齢化が着実に進むなか、本県は相対的に高齢者比率が低く、働く世代の多い地域である。ただし、県内でも地域によって人口増減や高齢化の状況には大きな違いがある。
2.国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、この先は神奈川県も人口減に転じ、高齢化が進む見込みである。また、県内における人口減少や高齢化の地域差も拡大していく。すなわち、川崎市や横浜市の一部の区では、2045年時点の人口が15年時点を上回る一方、県西地域や三浦半島地域では人口がほぼ半減し、75歳以上比率が3割を上回る自治体もみられる。もっとも、過去の人口推計では、再開発により人口の実績が推計値を大きく上回ったケースもあるため、今後の再開発動向などを注意してみてくことが必要である。
3.人口減少や高齢化の進展は県内経済にも大きな影響を与える。まず、勤労世代の減少により県内経済の成長力に下押し圧力が加わる。企業では女性や高齢者などの労働参加率を高める取り組みのほか、設備投資や業務の効率化が必要となろう。また、行政サービスの維持なども困難になる可能性がある。社会生活への影響も大きくなると予想されるため、早めの対策が望まれる。
- 1.わが国の人口は減少が続いているものの、神奈川県では県外からの転入者が転出者を上回っており人口増が続いている。また全国で高齢化が着実に進むなか、本県は相対的に高齢者比率が低く、働く世代の多い地域である。ただし、県内でも地域によって人口増減や高齢化の状況には大きな違いがある。
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2018-09-20
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2018年9月号 2045年までの神奈川県内の医療需要の見通し
- 要約
- 1.2045年までの医療需要の推計を行った結果、神奈川県の入院医療需要は、全国では2030年前後にピークを迎えるのに対し、2045年まで増加が続く見通しである。医療圏別にみると、9地域中6地域で2045年まで増加が続く一方、「横須賀・三浦」では2025年前後にピークアウトし、2045年の患者数が2015年の水準を下回るなど、地域によって状況に大きな差が生じる。加えて、長期的に入院医療の受療率が低下傾向にあることを踏まえ、受療率の低下を考慮した推計を行ったところ、県全体の2045年時点の患者数は、現状投影の場合に比べ減少するものの、2015年比で10%増加する結果となった。
2.外来医療需要は、全国では2025年前後にピークを迎えるのに対し、神奈川県では2030年前後にピークを迎える。医療圏別では、9地域中3地域で2045年まで増加が続く一方、2地域では2025年よりも早くピークが到来する。
3.以上の結果を踏まえると、神奈川県内では、2025年以降も医療需要の増加が続き、病床の整備や従事者の確保が課題になる地域と、2025年前後に需要のピークが到来し、病床の縮小や事業内容の見直しなどの対応が必要になる地域が出てくると予想される。地域・医療機関ごとに、将来の見通しを踏まえた対応を計画的に進めて行くことが求められよう。
- 1.2045年までの医療需要の推計を行った結果、神奈川県の入院医療需要は、全国では2030年前後にピークを迎えるのに対し、2045年まで増加が続く見通しである。医療圏別にみると、9地域中6地域で2045年まで増加が続く一方、「横須賀・三浦」では2025年前後にピークアウトし、2045年の患者数が2015年の水準を下回るなど、地域によって状況に大きな差が生じる。加えて、長期的に入院医療の受療率が低下傾向にあることを踏まえ、受療率の低下を考慮した推計を行ったところ、県全体の2045年時点の患者数は、現状投影の場合に比べ減少するものの、2015年比で10%増加する結果となった。
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2018-10-20
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2018年10月号緩やかな回復基調を維持する神奈川県内景気
- 要約
- 1.2018年度前半の神奈川県内景気は、一部に弱めの動きがみられたものの、総じてみれば緩やかな回復を続けた。すなわち、企業部門では、輸出の増勢が鈍化し、生産活動も浮揚感を欠く展開となった。ただ、その一方で堅調な企業収益などが支えとなり、設備投資は増加基調で推移した。また、家計部門をみると、雇用・所得情勢の改善に支えられて、個人消費が持ち直した。加えて、公共投資も市町村関連を中心に活発化した。
2.3か月程度先の神奈川県内景気も緩やかな回復基調で推移すると見込まれる。すなわち、高水準で推移する企業収益や省力化投資ニーズの高まりが支えとなり、設備投資が増加を続けると考えられる。また、海外経済が回復する中で輸出も再び持ち直しの動きが明確になると見込まれる。加えて、人手不足を背景に雇用・所得情勢の改善も続こう。ただ、その一方で個人消費については、夏場の猛暑などで生鮮食品の価格が高止まっていることが重荷となり、持ち直しの動きが鈍る恐れがある。
- 1.2018年度前半の神奈川県内景気は、一部に弱めの動きがみられたものの、総じてみれば緩やかな回復を続けた。すなわち、企業部門では、輸出の増勢が鈍化し、生産活動も浮揚感を欠く展開となった。ただ、その一方で堅調な企業収益などが支えとなり、設備投資は増加基調で推移した。また、家計部門をみると、雇用・所得情勢の改善に支えられて、個人消費が持ち直した。加えて、公共投資も市町村関連を中心に活発化した。
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2018-11-13
マクロ経済・金融市場調査
研究員コラム
中国経済の見通し : 2019年の中国景気の見通し(2018年11月改訂)
- 要約
- 2018年7~9月期の中国の実質GDP(国内総生産)は前年比+6.5%と、成長率が2四半期連続で低下した。7~9月期には米政府による大規模な対中制裁関税の発動を前に駆け込み的な輸出増がみられたものの、中国政府による財政支出の抑制を背景に固定資産投資が約19年ぶりの低い伸びとなり、個人消費も雇用情勢の軟化を受けて伸び悩んだ。なお、足元では住宅市場に弱含みの動きが現れており、製造業の景況感にも弱い動きが現れ始めている。・・・
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2018-11-15
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
GDP速報 : GDP速報(2018年7~9月)
- 要約
- ・2018年7~9月期の実質GDPは前期比-0.3%(同年率-1.2%)と再びマイナス成長。
・個人消費は2四半期ぶりに、設備投資は8四半期ぶりに、輸出は5四半期ぶりにそれぞれ減少。
・2018年10~12月期には、自然災害の影響が解消し、挽回生産も期待できることから再びプラス成長へ。
- ・2018年7~9月期の実質GDPは前期比-0.3%(同年率-1.2%)と再びマイナス成長。
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2018-11-15
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
日銀短観 : 日銀短観(2018年9月調査)
- 要約
- ・2018年7~9月期の実質GDPは前期比-0.3%(同年率-1.2%)と再びマイナス成長。
・個人消費は2四半期ぶりに、設備投資は8四半期ぶりに、輸出は5四半期ぶりにそれぞれ減少。
・2018年10~12月期には、自然災害の影響が解消し、挽回生産も期待できることから再びプラス成長へ。
- ・2018年7~9月期の実質GDPは前期比-0.3%(同年率-1.2%)と再びマイナス成長。
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2018-11-20
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2018年11月号 工業統計からみた神奈川における近年の製造業の動向
- 要約
- 1.2016年工業統計によると、神奈川では事業所数の減少基調が続いているものの従業者数は下げ止まった。ただ、当時の原油価格下落を主たる要因として出荷額は落ち込み、付加価値額も2年ぶりの減少となった。
2.人手不足問題が深刻化するなかで労働生産性の向上が経営課題として重要性を増している。県内製造業の労働生産性は全国を上回っているものの、2010年代は一進一退状態にある。近年は労働生産性の構成要素のうち、付加価値率と労働装備率が上向いている。従業者数でみた集積が厚い素材型や加工組立型では労働生産性が上昇している。県内地域別には、こうした業種の集積が厚い川崎臨海や西湘などを主体に先行きは労働生産性向上の動きが広がっていくと考えられる。
- 1.2016年工業統計によると、神奈川では事業所数の減少基調が続いているものの従業者数は下げ止まった。ただ、当時の原油価格下落を主たる要因として出荷額は落ち込み、付加価値額も2年ぶりの減少となった。
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2018-11-20
神奈川・地域経済調査
研究員コラム
県民ボーナスの見通し : 2018年冬の県民ボーナスの見通し
- 要約
- 民間企業に勤める神奈川県民1人あたりの今冬のボーナスは、企業業績の改善などを反映して前年比2.4%増の48.1万円になると予測した。また、雇用者数が増加するとともに、ボーナス支給対象者の割合も上昇すると見込んだ。この結果、民間のボーナス総支給額は同3.5%増になると予測した。・・・
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2018-12-04
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
法人企業統計 : 法人企業統計(2018年7月~9月)
- 要約
- ・経常利益は9四半期連続で増益を確保したものの、自然災害の影響などから増勢が大幅に鈍化。
・設備投資も同様に、8四半期連続で前年水準を上回るも、前期比では大きく減少。
・12月10日に公表されるGDP2次速報の設備投資は1次速報から大幅に下方修正されると予測。
- ・経常利益は9四半期連続で増益を確保したものの、自然災害の影響などから増勢が大幅に鈍化。
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2018-12-14
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
日銀短観 : 日銀短観(2018年12月調査)
- 要約
- ・大企業・製造業の業況判断DIは、自然災害による悪影響の剥落などから4四半期ぶりに下げ止まり。
・原油価格の急落から素材業種の業況が改善する一方で、中国需要の減退などから加工業種は悪化。
・2018年度の設備投資計画は上方修正され、引き続き高水準。特に非製造業は過去最高水準の計画。
- ・大企業・製造業の業況判断DIは、自然災害による悪影響の剥落などから4四半期ぶりに下げ止まり。
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2018-12-20
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2018年12月号 「モビリティ2.0」が地域経済の活性化を促す
- 要約
- 1.「モビリティ」は従来、「人・モノ」を運ぶものとして捉えられていたが、デジタル化の波が自動車産業にも流れ込んだことで、「データ」を運ぶものとしての新しい意味が生まれている。モビリティは都市のデータを資源とするエコシステムの重要な媒体へと進化した。
2.このエコシステムは、社会、時代、世代の3つのメガトレンドの変化が生み出したものである。世界的な脱炭素への動きが自動車の電動化(脱エンジン)を加速させ、デジタル技術の進展が、自動運転技術の向上とライドシェアリングを中心とした共有型経済の構築を促す。結果、共有型の自動運転EV(電気自動車)がロボットタクシーや自律走行バス・シャトルを実現させ、これらが都市における人・モノ・データの移動を活発化させる。
3.日本が世界に誇るモビリティのキラーコンテンツは「交通弱者」へのラストマイルソリューション(LastMileSolution)である。高齢者や訪日観光客といった交通弱者向けにラストマイルソリューションを提供し、デジタルプラットフォームの上にモビリティ体験を載せることで、人とモノの輸送における利便性と効率性を向上させる。そして、移動以外の体験にまつわるコンテンツをデジタルでつなげることで、モビリティを中心とした経済圏を拡げることができるのである。
4.神奈川でも、高齢者の多い団地や訪日観光客など、交通弱者向けのラストマイルソリューションを追求することができる。高齢化社会へのラストマイルソリューションは、世界に誇れるキラーコンテンツであり、これから海外が求める日本の有力な「輸出商材」となる。高齢者こそデジタル技術に高い親和性を示すというエビデンス(根拠)を獲得し、それを基に、海外の高齢化社会で次世代モビリティのエコシステムを構築する。その際には、日本のモビリティ企業が海外で活躍できるフィールドが拡がる。
5.少子高齢化に直面する日本では、デジタル経済の構築が急務であるが、その中心には常にモビリティがある。デジタル技術がもたらす価値を理解すれば、モビリティをベースにした数多くの地域活性化策を生みだすことができる。
- 1.「モビリティ」は従来、「人・モノ」を運ぶものとして捉えられていたが、デジタル化の波が自動車産業にも流れ込んだことで、「データ」を運ぶものとしての新しい意味が生まれている。モビリティは都市のデータを資源とするエコシステムの重要な媒体へと進化した。
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2019-01-04
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
労働力調査・一般職業紹介状況 : 労働力調査・一般職業紹介状況(2018年11月)
- 要約
- ・失業率は2か月連続で上昇も、極めて低水準かつ上昇要因もポジティブ。
・有効求人倍率は再び上昇し、高水準をキープ。有効求人数の伸び悩みはやや気がかり。
- ・失業率は2か月連続で上昇も、極めて低水準かつ上昇要因もポジティブ。
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2019-01-08
神奈川・地域経済調査
景気観測
Economic View(神奈川・地域) : No.10 神奈川県内の病院建て替えの見通しと2つの課題
- 要約
- 1960年代から80年代にかけて、神奈川県内では急速に病院の開設や病床の整備が進んだ。病院
は築30~40年程度で建て替えを行うことが一般的であるため、これから建て替えが必要となる病
院も多いと予想される。県内の100床以上の病院の建て替えの動向を、浜銀総研で独自に整理し
たところ、2015~19年の5年間に13病院・4,000床以上の建て替えが完了済みまたは進行中であ
り、2020年代には11病院・4,500床以上の建て替えが行われる予定であることがわかった。加え
て、現在建て替えを検討中の病院も複数あることや、今後は80年代後半に整備された病院も建て
替え時期を迎えることを考慮すると、2020年代に建て替えを行う病院はさらに増えることが予想
される。・・・
- 1960年代から80年代にかけて、神奈川県内では急速に病院の開設や病床の整備が進んだ。病院
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2019-01-15
神奈川・地域経済調査
研究員コラム
神奈川県内経済見通し : 2019年度神奈川県内経済見通し
- 要約
- 2018年の神奈川県内景気は総じて回復の動きが続いた。企業部門では、海外景気の回復などを受けて、北米向けや中国向けなどを中心に輸出が増加基調で推移した。また設備投資も、企業業績の改善や省力化投資のニーズ増などが後押しとなり増加した。一方の家計部門では、労働需給がひっ迫する中で雇用情勢の改善が続いた。ただ、年初の大雪や夏場の酷暑など天候不順が重荷となり、県内の個人消費は盛り上がりを欠いた。・・・
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2019-01-20
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2019年1月号 2018年の神奈川県経済と2019年度の見通し
- 要約
- 1.2018年の神奈川県景気は総じて回復の動きが続いた。企業部門では、海外景気の回復など受けて、北米向けや中国向けなどを中心に輸出が増加基調で推移した。また設備投資も、企業業績の改善や省力化投資のニーズ増などが後押しとなり増加した。一方の家計部門では、労働需給がひっ迫する中で雇用情勢の改善が続いた。ただ、年初の大雪や夏場の酷暑など天候不順が重荷となり、県内の個人消費は盛り上がりを欠いた。
2.2019年度の県内経済も回復基調を維持しよう。まず家計部門では、労働需給のひっ迫により、雇用・所得情勢の改善が続くと予想される。こうした雇用・所得情勢の改善が家計の消費活動を支えよう。また2019年10月の消費税増税前には駆け込み需要が発生するため、個人消費が大きく増加すると考えられる。ただ増税後は駆け込み需要の反動で個人消費が落ち込むため、年末の景気はやや調整色が強まる見通しである。次に、企業部門では、中国経済の減速を背景に輸出の増勢が鈍ると予想される。その一方で、設備投資は2020年東京五輪に向けた関連投資の増加を背景に高水準で推移すると予想される。
3.以上のような景気の姿を実質県内総生産で示すと、2018年度は前年比1.0%増になると見込んだ。2019年度についても同0.9%増と消費税増税のかく乱はあるもののプラス成長が続くと予測した。
- 1.2018年の神奈川県景気は総じて回復の動きが続いた。企業部門では、海外景気の回復など受けて、北米向けや中国向けなどを中心に輸出が増加基調で推移した。また設備投資も、企業業績の改善や省力化投資のニーズ増などが後押しとなり増加した。一方の家計部門では、労働需給がひっ迫する中で雇用情勢の改善が続いた。ただ、年初の大雪や夏場の酷暑など天候不順が重荷となり、県内の個人消費は盛り上がりを欠いた。
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2019-02-01
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
労働力調査・一般職業紹介状況 : 労働力調査・一般職業紹介状況(2018年12月)
- 要約
- ・12月の失業率は低下するも、労働参加率の低下が主因であり、雇用情勢の改善が進んだとはいえない。
・雇用者数に先行する傾向がある求人数の増勢に、18年入りから頭打ち感がみられる点には注意。
- ・12月の失業率は低下するも、労働参加率の低下が主因であり、雇用情勢の改善が進んだとはいえない。
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2019-02-15
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
GDP速報 : GDP速報(2018年10~12月)
- 要約
- ・2018年10~12月期の実質GDPは前期比+0.3%とプラス成長に復帰したものの、戻り幅は限定的。
・個人消費と設備投資は前期の反動から大きく増加するも、輸出は前期の落ち込みを取り戻せていない。
・2019年1~3月期はプラス成長を維持するが、輸出の減速から緩やかな景気回復にとどまると予想。
- ・2018年10~12月期の実質GDPは前期比+0.3%とプラス成長に復帰したものの、戻り幅は限定的。
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2019-02-18
神奈川・地域経済調査
テーマレポート
神奈川県内上場企業の決算集計結果 : 神奈川県内上場企業の2018年10~12月期決算の集計結果
- 要約
- 神奈川県内上場企業117社の2018年10~12月期決算(2018年度第3四半期、連結ベース)を当社で集計したところ、全産業の売上高が2兆9,639億円と前年比4.0%増加した。一方で経常利益は同7.8%減の1,454億円となった。県内上場企業の業績は、中国景気減速の影響や人件費などコスト負担増の影響などから減速したものの、回復基調は維持しているとみられる。
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2019-02-19
マクロ経済・金融市場調査
景気観測
Economic View(マクロ) : No.11 人手不足に拍車をかける「新卒採用の2021年問題」
- 要約
- 企業の人手不足感が年々強まっている。こうした人手不足感が2022年以降一段と強まる恐れがある。これは大学を卒業し、新たに企業で働き始める(いわゆる新卒)人口が2022年度以降、再び減少傾向に転じると見込まれるためである。企業側では、この2022年3月卒の就職活動時期となる2021年頃から徐々に採用内定者を確保しにくくなっていくと考えられる。これを「新卒採用の2021年問題」と定義したい。・・・
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2019-02-20
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2019年2月号 訪日外国人による国内地域間流動の概観
- 要約
- 1.国交省「FF-Data(訪日外国人流動データ)」の2017年表を使って、訪日外国人の国内地域間の移動状況をまとめてみると次の様な姿が明らかになった。
2.わが国の34の空港・海港のうち、訪日外客27,176千人の入国時の最大の玄関口となったのは成田で、外客全体の約3割に相当する7,285千人が利用した。次いで関西空港、羽田空港の利用者が多かった。
3.最初の訪問地として神奈川県に流入する訪日外客は、成田か羽田のいずれかの空港を利用して入国している。成田から入国した訪日客総数のうち本県を最初の訪問地に選ぶ人数は東京、千葉に次いで3番目に多い。また羽田からの入国者の場合は東京に次いで2番目に多くなっている。
4.わが国の47都道府県を16の地域に統合して、訪日外国人の地域間の流動状況をみると、南関東や近畿といった大都市圏や、北海道、北九州、沖縄の日本の北・南を代表する観光資源の豊富な地域において、出発地と到着地がともに自地域内となる同一地域内での大きな流れがみられた。同時に、南関東から東海、南関東から近畿内陸といった様に、いわゆる「ゴールデンルート」に沿った異地域間での多数の流動も観察された。
5.さらに47都道府県間の流動状況をまとめてみた場合、南関東や近畿での同一地域内流動の主流が東京と千葉、東京と神奈川の間の流動であることや、大阪と京都の間の流動であることなどが分かった。
6.神奈川県と他都道府県の流動状況については、東京都との流出・流入の流れが最大となっているほか、遠隔地である京都、大阪への流動もみられた。
- 1.国交省「FF-Data(訪日外国人流動データ)」の2017年表を使って、訪日外国人の国内地域間の移動状況をまとめてみると次の様な姿が明らかになった。
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2019-02-20
マクロ経済・金融市場調査
研究員コラム
わが国経済の見通し : 2019年度・2020年度の景気予測(2019年2月改訂)
- 要約
- 2018年10~12月期の実質GDP(国内総生産、1次速報)は、前期比+0.3%(同年率+1.4%)と、7~9月期(前期比-0.7%)から再びプラス成長に転じた。内訳をみると、個人消費(同+0.6%)や設備投資(同+2.4%)が、自然災害による悪影響が解消されたことなどから高い伸びとなった。一方で、輸出は同+0.9%と増加に転じたものの、海外経済減速の影響を受けて、前期(同-1.4%)の落ち込みを取り戻せていない。・・・
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2019-03-01
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
労働力調査・一般職業紹介状況 : 労働力調査・一般職業紹介状況(2019年1月)
- 要約
- ・1月の失業率は2.5%と前月(2.4%)から上昇。変動要因からも雇用情勢の改善に足踏みがみられる。
・1月の有効求人数は減少も、新規求人数は増加。2月以降の各求人数の動向に引き続き要注目。
- ・1月の失業率は2.5%と前月(2.4%)から上昇。変動要因からも雇用情勢の改善に足踏みがみられる。
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2019-03-04
マクロ経済・金融市場調査
景気観測
Economic View(マクロ) : No.12 消費税増税が各年齢層の消費に与える効果の違い
- 要約
- 2019年10月に消費税率が8%から10%に引き上げられる予定である。消費税増税がもたらす個人消費への影響には、(1)駆け込み需要の発生やその反動減による一時的な効果(代替効果)と、(2)物価が消費税増税に伴う転嫁分だけ上昇することで家計の購買力(実質所得)が低下し、消費水準が下押しされる効果(所得効果)の2つがあると考えられる。・・・
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2019-03-04
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
法人企業統計 : 法人企業統計(2018年10月~12月)
- 要約
- ・18年10~12月期の経常利益は、10四半期ぶりに前年比で減益。原油高など変動費の増加が利益を圧迫。
・同期の設備投資は、製造業がけん引し、9四半期連続で前年比増加。前期比でも2期ぶりに増加。
・3月8日に公表されるGDP2次速報の設備投資は1次速報から上方修正されると予測。
- ・18年10~12月期の経常利益は、10四半期ぶりに前年比で減益。原油高など変動費の増加が利益を圧迫。
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2019-03-07
神奈川・地域経済調査
景気観測
Economic View(神奈川・地域) : No.13 活発化する神奈川県内のホテル建設
- 要約
- 近年、神奈川県内においてホテルの建設が活発化している。神奈川県内の宿泊施設設備の動向をみると、2017年度の宿泊業用建築着工床面積は約17万㎡と前年度の3.4倍に膨らんでいる。地域別には、特に横浜市と箱根町においてホテルの建設が集中している。横浜市では、みなとみらい地区を中心に2020年前後にホテルの開業ラッシュを迎える。一方、箱根町では、2017年をピークに、ホテルの新設などが相次いでおり、2020年前半までに多くのホテルが開業する予定である。・・・
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2019-03-11
マクロ経済・金融市場調査
研究員コラム
わが国経済の見通し : 2018年度・2019年度の景気予測(2018年10~12月期2次QE後改訂)
- 要約
- 3月8日に、内閣府より公表された2018年10~12月期の実質GDP(国内総生産)の2次速報値(2次QE)は前期比+0.5%(前期比年率+1.9%)と、1次速報値(1次QE)の前期比+0.3%(前期比年率+1.4%)から上方修正された。内訳をみると、3月1日に財務省から公表された2018年10~12月期の「法人企業統計」の結果などを受けて、在庫投資(1次QE:前期比寄与度-0.2%ポイント→2次QE:同+0.0%ポイント)や、設備投資(前期比+2.4%→同+2.7%)が上方修正された。その一方で、個人消費(同+0.6%→同+0.4%)や公共投資(同-1.2%→同-1.7%)が下方修正された。・・・
- 3月8日に、内閣府より公表された2018年10~12月期の実質GDP(国内総生産)の2次速報値(2次QE)は前期比+0.5%(前期比年率+1.9%)と、1次速報値(1次QE)の前期比+0.3%(前期比年率+1.4%)から上方修正された。内訳をみると、3月1日に財務省から公表された2018年10~12月期の「法人企業統計」の結果などを受けて、在庫投資(1次QE:前期比寄与度-0.2%ポイント→2次QE:同+0.0%ポイント)や、設備投資(前期比+2.4%→同+2.7%)が上方修正された。その一方で、個人消費(同+0.6%→同+0.4%)や公共投資(同-1.2%→同-1.7%)が下方修正された。・・・
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2019-03-14
産業動向調査
マーケット情報
外食需要動向 : 外食需要動向(2019年1月)
- 要約
- ・2019年1月の家計の実質外食支出金額は前月比横ばいであった。
・1月の外食産業売上高(名目値)は前年同月比1.4%増と29か月連続で前年同月の水準を上回った。
・当月は客単価(前年同月比0.8%増)と客数(同0.6%増)の両方が売上高を押し上げた。
- ・2019年1月の家計の実質外食支出金額は前月比横ばいであった。
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2019-03-15
神奈川・地域経済調査
テーマレポート
企業経営予測調査 : 企業経営予測調査(2019年3月調査)
- 要約
- 神奈川県内中堅・中小企業の2019年3月末時点における業況判断D.I.(全産業ベース、業況が「良い」-「悪い」、回答社数構成比、%)は▲7と前回12月調査から7ポイント下落した。業況判断D.I.は、2018年3月に+6となった後、6月に▲4まで低下したが、12月には0まで回復していた。今回の業況判断D.I.の低下は、12月調査後の3か月間の製造業を中心とした景況感の悪化が顕在化したものとみられよう。...
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2019-03-20
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2019年3月号 経済センサスからみた神奈川における事業所の開業動向
- 要約
- 1.2016年の経済センサスによると、神奈川の民営事業所数は28.8万か所と前回調査の2014年比で年平均2.0%減となった。事業所数が減少したのは、廃業率の上昇が続く一方で開業率が直近調査で弱含んだためである。業種別には、高い開業率を背景に医療・福祉の事業所数が引き続き増加した反面で、開業率の低い製造業や建設業などでは減少している。
2.経営組織別には、個人経営事業所の減少が続き、法人も直近調査では開業率の低下を主因に事業所数は減少に転じた。また、単独・本所・支所別には開業率の大幅な低下によって本所の事業所数が減少に転じた一方で、支所については開業率が高水準を維持したことから増勢を維持している。
3.県内市区別には、再開発が進む横浜市西区と海老名市で開業率の高さが際立つ。業種別には、高齢化の全国を上回る急進を背景に医療・福祉の開業率が県内44市区中30市区で全国平均を上回った。また、交通網の拡充を反映して、愛川町や海老名市、厚木市では運輸・郵便業の開業率が高くなった。労働力人口の減少などを勘案すると事業所数の増加は難しいものの、地域経済の新陳代謝と活性化を図るべく開業率の引き上げが期待される。
- 1.2016年の経済センサスによると、神奈川の民営事業所数は28.8万か所と前回調査の2014年比で年平均2.0%減となった。事業所数が減少したのは、廃業率の上昇が続く一方で開業率が直近調査で弱含んだためである。業種別には、高い開業率を背景に医療・福祉の事業所数が引き続き増加した反面で、開業率の低い製造業や建設業などでは減少している。
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2019-03-26
マクロ経済・金融市場調査
景気観測
Economic View(マクロ) : No.14 欧州がカギを握る今後の新興国通貨安リスク
- 要約
- 昨年8月に発生したトルコショックがきっかけとなり、新興国は大幅な通貨安に見舞われた。もっとも足元では震源地となったトルコリラを始め、多くの新興国通貨がショック以前の水準にまで回復してきている。さらに今年に入ってFRB(米連邦準備理事会)が金融正常化の方針を見直す姿勢を示していることは、新興国通貨の下落に歯止めをかける要因となろう。・・・
- 昨年8月に発生したトルコショックがきっかけとなり、新興国は大幅な通貨安に見舞われた。もっとも足元では震源地となったトルコリラを始め、多くの新興国通貨がショック以前の水準にまで回復してきている。さらに今年に入ってFRB(米連邦準備理事会)が金融正常化の方針を見直す姿勢を示していることは、新興国通貨の下落に歯止めをかける要因となろう。・・・
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2019-03-28
産業動向調査
マーケット情報
外食需要動向 : 外食需要動向(2018年12月)
- 要約
- ・2018年12月の家計の実質外食支出金額は前月比4.6%増となり、前月の落ち込みから反発した。ただし、3か月後方移動平均で見たトレンドは足踏み状態である。
・12月の外食産業売上高(名目値)は前年同月比2.1%増と28か月連続で前年同月の水準を上回った。客単価(同0.9%増)と客数(同1.2%増)が売上高を押し上げた。
- ・2018年12月の家計の実質外食支出金額は前月比4.6%増となり、前月の落ち込みから反発した。ただし、3か月後方移動平均で見たトレンドは足踏み状態である。
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2019-04-01
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
労働力調査・一般職業紹介状況 : 労働力調査・一般職業紹介状況(2019年2月)
- 要約
- ・2月の失業率は2.3%と前月(2.5%)から低下。2018年以降でみれば2%台前半での動き。
・2月の有効求人倍率は4か月連続で横ばい。正社員の同倍率は過去最高。
- ・2月の失業率は2.3%と前月(2.5%)から低下。2018年以降でみれば2%台前半での動き。
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2019-04-03
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
日銀短観 : 日銀短観(2019年3月調査)
- 要約
- ・大企業・製造業の業況判断DIは、海外経済の減速懸念などから大幅に悪化。
・2018年度の経常利益実績見込は下方修正。続く2019年度計画はここ数年ではやや高めのスタート。
・設備投資は足元でも底堅い動きが続く。省力化投資が今後も設備投資を下支え。
- ・大企業・製造業の業況判断DIは、海外経済の減速懸念などから大幅に悪化。
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2019-04-05
神奈川・地域経済調査
テーマレポート
企業経営予測調査 : 企業経営予測調査(2019年3月特別)
- 要約
- 【中堅・中小企業における賃上げの動きは続いている】
神奈川県内の中堅・中小企業の2019年春の賃上げ状況について集計したところ、「賃上げを予定する」企業の割合は66.8%となった。この割合は、前年調査に比べ1.2ポイント上昇しており、この調査を開始した2010年以降で最も高い水準である。・・・
- 【中堅・中小企業における賃上げの動きは続いている】
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2019-04-11
産業動向調査
マーケット情報
外食需要動向 : 外食需要動向(2019年2月)
- 要約
- ・2019年2月の家計の実質外食支出金額は前月比3.2%増と、1月の同横ばいから増加に転じた。
・2月の外食産業売上高(名目値)は前年同月比1.9%増と30か月連続で前年同月の水準を上回った。
・客単価(前年同月比1.6%増)は高い伸びとなったが、客数(同0.3%増)は小幅な伸びに留まった。
- ・2019年2月の家計の実質外食支出金額は前月比3.2%増と、1月の同横ばいから増加に転じた。
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2019-04-12
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2019年4月 回復の動きが弱まる神奈川県内景気
- 要約
- 1.当社の「企業経営予測調査」によると、2019年3月の業況判断D.I.(全産業)は▲6と前回調査から6ポイントの大幅な低下となった。米中貿易摩擦による中国景気減速の影響などで製造業のD.I.が大幅に低下した。非製造業のD.I.は小幅な低下にとどまったものの、低下傾向が続いている。労働力の確保難が非製造業の景況感の足かせになっている模様である。
2.日銀短観(神奈川県分)によると、企業業績の改善の動きも弱まっている。ただし、県内ではみなとみらい21地区などで開発事業が活発化しており、高速道路や鉄道などの建設投資も高水準で推移している。こうした建設投資が足元の県内景気の回復を支えている。
3.他方、景気の先行き不透明感などにより消費マインドが弱含んでおり、年明け後は個人消費も鈍い動きになっている。この先、19年夏場頃までは消費税率引き上げ前の駆け込み需要により消費の底上げが期待されるものの、米中貿易摩擦や中国景気の動向に県内景気の行方が大きく左右される可能性がある。今後の米中の通商政策を注意深くみていく必要があろう。
- 1.当社の「企業経営予測調査」によると、2019年3月の業況判断D.I.(全産業)は▲6と前回調査から6ポイントの大幅な低下となった。米中貿易摩擦による中国景気減速の影響などで製造業のD.I.が大幅に低下した。非製造業のD.I.は小幅な低下にとどまったものの、低下傾向が続いている。労働力の確保難が非製造業の景況感の足かせになっている模様である。
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2019-04-26
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
労働力調査・一般職業紹介状況 : 労働力調査・一般職業紹介状況(2019年3月)
- 要約
- ・3月の失業率は2.5%と再び上昇。雇用者数は6,000万人が目前に迫る。
・3月の有効求人倍率は5か月連続で横ばい。有効求職者数は1993年8月以来の170万人割れ。
- ・3月の失業率は2.5%と再び上昇。雇用者数は6,000万人が目前に迫る。
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2019-05-13
産業動向調査
マーケット情報
外食需要動向 : 外食需要動向(2019年3月)
- 要約
- ・2019年3月の家計の実質外食支出金額は前月比1.0%減となったが、3か月後方移動平均でみたトレンドは増加基調を維持している。
・3月の外食産業売上高(名目値)は前年同月比2.8%増と31か月連続で前年の水準を上回った。
・外食産業売上高の内訳をみると、客数(前年同月比0.7%減)が前年の水準を下回る一方で、客単価(同3.5%増)が高い伸びとなり売上高を押し上げた。
- ・2019年3月の家計の実質外食支出金額は前月比1.0%減となったが、3か月後方移動平均でみたトレンドは増加基調を維持している。
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2019-05-20
神奈川・地域経済調査
テーマレポート
神奈川県内上場企業の決算集計結果 : 神奈川県内上場企業の2019年3月期決算の集計結果
- 要約
- 1. 神奈川県内上場企業(連結ベース、製造業71社、非製造業43社の計114社)の2019年3月期決算(2018年度)を当社で集計したところ、全産業の売上高は11兆1,740億円で前年比0.6%増となった。一方で経常利益は同24.4%減の4,404億円と2年ぶりの減益となった。
2. 売上高は増収を維持した。まず製造業は前年比4.8%増となった。業種別には、すべての業種が増収となった。なかでもアジアなど海外部門が牽引した一般機械(同11.4%増)や素材型(同6.2%増)は高めの伸びとなった。一方の非製造業は同4.2%の減収となった。業種別には海外案件の進捗遅延などからプラント建設(同16.4%減)が大幅な減収となり、卸売(同0.0%減)もわずかながら前年割れとなった反面で、サービス(同4.6%増)や情報・通信(同4.4%増)などの業種は引き続き増収となった。・・・
- 1. 神奈川県内上場企業(連結ベース、製造業71社、非製造業43社の計114社)の2019年3月期決算(2018年度)を当社で集計したところ、全産業の売上高は11兆1,740億円で前年比0.6%増となった。一方で経常利益は同24.4%減の4,404億円と2年ぶりの減益となった。
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2019-05-20
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : かながわ経済情報2019年5月 県内スーパーの消費税増税に伴うキャッシュレス対応の状況
- 要約
- 1.昨年(2018年)4月に経済産業省が公表した「キャッシュレス・ビジョン」によれば、我が国のキャッシュレス決済比率は18.4%に留まり、主要国の中ではドイツと並んで低位にとどまっている。ラグビーワールドカップや東京オリンピック・パラリンピックの開催を控え、訪日外国人が増加すると期待される中で、キャッシュレス決済対応の促進は重要な政策課題となっている。
2.今年(2019年)10月に予定されている消費税増税に対応した消費者へのポイント還元や、事業者に対するPOSシステム更新のための補助金も、キャッシュレス決済化を促す手段として注目される。Eコマースにおける決済の必要性などから消費者のクレジットカード決済に対する抵抗感は薄れつつあり、定期券や乗車券として交通系電子マネーの保有が進んでいることも、キャッシュレス決済の普及を後押しすることになろう。
3.浜銀総合研究所が神奈川県下で店舗展開する複数の地域密着型のスーパーにインタビューしたところ、インタビュー対象先のすべての企業において、クレジットカード決済が導入されていた。ここ数年で、消費者からのニーズが強まったことに加え、同業他社における導入の動きもあり、各社とも対応を進めたことが背景にある。他方、電子マネーへの対応は一部に留まっており、QRコード決済への対応は始まっていない。
4.キャッシュレス決済の導入は、富裕層や比較的若い世帯が住む地域でニーズが強く、客単価を押し上げる例も見られた。他方、店舗にとっては加盟店手数料の負担が重く、現状での収益貢献は限定的である。今後はこれらの問題に対応が図られるとともに、情報通信技術と連携して外国人を含む旅行客の利便性を向上させるなど、社会課題の解決に結びつけることが重要となろう。
- 1.昨年(2018年)4月に経済産業省が公表した「キャッシュレス・ビジョン」によれば、我が国のキャッシュレス決済比率は18.4%に留まり、主要国の中ではドイツと並んで低位にとどまっている。ラグビーワールドカップや東京オリンピック・パラリンピックの開催を控え、訪日外国人が増加すると期待される中で、キャッシュレス決済対応の促進は重要な政策課題となっている。
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2019-05-21
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
GDP速報 : GDP速報(2019年1~3月)
- 要約
- ・1~3月期の実質GDPは前期比+0.5%と2期連続のプラス成長となったものの、内容は良くない。
・個人消費は暖冬が、輸出と設備投資は米中貿易摩擦がそれぞれ下押し要因となった。
・4~6月期は「令和」への改元に伴う祝賀ムードの高まりで、個人消費が押し上げられると見込む。
- ・1~3月期の実質GDPは前期比+0.5%と2期連続のプラス成長となったものの、内容は良くない。
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2019-05-23
マクロ経済・金融市場調査
研究員コラム
わが国経済の見通し : 2019年度・2020年度の景気予測(2019年5月改訂)
- 要約
- ・2019年1~3月期の実質GDP(国内総生産、1次速報)は、前期比+0.5%(同年率+2.1%)と2四半期連続のプラス成長となった。もっとも、GDPの控除項目である輸入(前期比-4.6%)の大幅な落ち込みが成長率全体の押し上げに寄与する一方で、個人消費(同-0.1%)や輸出(同-2.4%)、設備投資(同-0.3%)といった主要な需要項目が軒並み弱い結果となったことを踏まえると、成長率の数値が示すほどの良い内容だったとは言えない。
・先行きを展望すると、2019・2020年度の日本経済は緩慢な回復が続くと見込まれる。すなわち、輸出ではIT関連財の在庫調整が進むものの、米中貿易摩擦の激化を受けた世界貿易の停滞や、中国経済の減速が重荷となるため弱含むとみている。一方、設備投資では人手不足に起因する省力化投資などが今後も下支え役となろう。ただ、建設業では深刻な人手不足による供給制約が発生している可能性が高く、設備投資や公共投資、住宅投資の伸びを抑えることにつながろう。また、個人消費では引き続き雇用・所得情勢の改善が追い風となる半面、税金や社会保険料の負担増による可処分所得の伸び悩みが足かせとなろう。一方、2019年10月に予定されている消費税率の引き上げ(8%→10%)については、前回2014年と比べ引き上げ幅が小さいことや、負担軽減策が複数予定されていることなどから、個人消費の腰折れは回避されると見込む。ただし、2020年4~6月期には負担軽減策の一部が終了し、翌7~9月期には東京オリンピックが閉幕することから、個人消費は一時的に弱含む可能性もある。こうした点を踏まえて、2019年度の実質GDP成長率を+0.8%、2020年度を+0.6%と予測した。
・かかる状況下、日本経済における最大のリスク要因は「米中貿易摩擦の激化」である。米中両国による関税引き上げの応酬がさらに激化するようであれば、日本経済にとっても、(1)円高・株安を通じた家計・企業マインドの悪化や、(2)世界経済の減速を通じた輸出の減少という経路でさらなる悪影響が及ぶことになろう。
- ・2019年1~3月期の実質GDP(国内総生産、1次速報)は、前期比+0.5%(同年率+2.1%)と2四半期連続のプラス成長となった。もっとも、GDPの控除項目である輸入(前期比-4.6%)の大幅な落ち込みが成長率全体の押し上げに寄与する一方で、個人消費(同-0.1%)や輸出(同-2.4%)、設備投資(同-0.3%)といった主要な需要項目が軒並み弱い結果となったことを踏まえると、成長率の数値が示すほどの良い内容だったとは言えない。
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2019-05-24
神奈川・地域経済調査
研究員コラム
県民ボーナスの見通し : 2019年夏の県民ボーナスの見通し
- 要約
- ・民間企業に勤める神奈川県民1人あたりの今夏のボーナスは、企業業績の改善などを反映して前年比0.3%増の46.4万円になると予測した。また、ボーナス支給対象者の割合が横ばいにとどまる一方、雇用者数は前年を上回ると見込まれることから、民間のボーナス総支給額は同1.2%増になると予測した。
・公務員の1人あたり支給額は、昨年10月の神奈川県人事委員会の給与勧告において今年度の6月期の期末・勤勉手当の支給月数が0.10か月引き上げられたことなどから前年比4.9%増を見込む。民間と公務員とを合わせた官民計の1人あたり支給額は同0.8%増、官民計の支給総額は同1.6%増になる見通しである。
・足元の県内消費は、消費マインドの弱含みなどから増勢が鈍っているとみられる。こうした中で、今夏のボーナス支給額が小幅ながら前年比プラスを確保する見通しであることは朗報と言えよう。ただ、ボーナスの増加幅は縮小傾向にあり、個人消費の押し上げに多くを期待することは難しいとみられる。
- ・民間企業に勤める神奈川県民1人あたりの今夏のボーナスは、企業業績の改善などを反映して前年比0.3%増の46.4万円になると予測した。また、ボーナス支給対象者の割合が横ばいにとどまる一方、雇用者数は前年を上回ると見込まれることから、民間のボーナス総支給額は同1.2%増になると予測した。
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2019-06-03
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
労働力調査・一般職業紹介状況 : 労働力調査・一般職業紹介状況(2019年4月)
- 要約
- ・4月の失業率は2.4%と再び低下も、2018年以降は横ばい圏内での動き。
・4月の有効求人倍率は6か月連続で横ばい。正社員の同倍率(1.16倍)は過去最高水準を維持。
- ・4月の失業率は2.4%と再び低下も、2018年以降は横ばい圏内での動き。
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2019-06-04
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
法人企業統計 : 法人企業統計(2019年1月~3月)
- 要約
- ・19年1~3月期は、米中貿易摩擦激化などの影響を受けて製造業の収益が弱含み。
・同期の設備投資は、人手不足に起因する省力化投資などが後押しとなり、非製造業で伸び率が高まる。
・6月10日に公表されるGDP2次速報の設備投資は1次速報から上方修正されると予測。
- ・19年1~3月期は、米中貿易摩擦激化などの影響を受けて製造業の収益が弱含み。
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2019-06-10
マクロ経済・金融市場調査
研究員コラム
わが国経済の見通し : 2019年度・2020年度の景気予測(2019年1~3月期2次QE後改訂)
- 要約
- ・6月10日に、内閣府より公表された2019年1~3月期の実質GDP(国内総生産)の1~3月期の「法人企業統計」の結果などを受けて、設備投資(1次QE:前期比-0.3%ポイント→2次QE:同+0.3%ポイント)が上方修正された。その一方で、公共投資(同+1.5%→同+1.2%)や住宅投資(同+1.1%→同+0.6%)が下方修正された。
・浜銀総合研究所では、今回の2次QEや足元の経済情勢などを踏まえて、前回5月に発表した景気予測を見直した。その結果、2019年度の実質GDP成長率を+0.9%に小幅上方修正、2019年度は+0.6%と前回予測を維持した。なお、2019年度の成長率の上方修正の主因は、1~3月期のGDP実績値の上方修正に伴うものである。
景気予測に関わる基本的なシナリオについては、前回予測の内容から変更は無い。すなわち、2019・2020年度の日本経済は緩慢な回復が続くと見込まれる。輸出に関してはIT関連財の在庫調整が進むものの、米中貿易摩擦の激化を受けた世界貿易の停滞や、中国経済の減速が重荷となるため弱含むとみている。一方、設備投資では人手不足に起因する省力化投資などが今後も下支え役となろう。ただ、建設業では深刻な人手不足による供給制約が発生している可能性が高く、設備投資や公共投資、住宅投資の伸びを抑えることにつながろう。また、個人消費では引き続き雇用・所得情勢の改善が追い風となる半面、税金や社会保険料の負担増による可処分所得の伸び悩みが足かせとなろう。一方、2019年10月に予定されている消費税率の引き上げ(8%→10%)については、前回2014年と比べ引き上げ幅が小さいことや、負担軽減策が複数予定されていることなどから、個人消費の腰折れは回避されると見込む。ただし、2020年4~6月期には負担軽減策の一部が終了し、翌7~9月期には東京オリンピックが閉幕することから、個人消費は一時的に弱含む可能性もある。
- ・6月10日に、内閣府より公表された2019年1~3月期の実質GDP(国内総生産)の1~3月期の「法人企業統計」の結果などを受けて、設備投資(1次QE:前期比-0.3%ポイント→2次QE:同+0.3%ポイント)が上方修正された。その一方で、公共投資(同+1.5%→同+1.2%)や住宅投資(同+1.1%→同+0.6%)が下方修正された。
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2019-06-12
産業動向調査
マーケット情報
外食需要動向 : 外食需要動向(2019年4月)
- 要約
- ・2019年4月の全国の1世帯あたり実質外食支出は前月比4.9%増(前年同月比5.6%増)と高い伸びになった。品目別に外食支出金額の前年同月比寄与度の変化をみると、宅配ピザや宅配寿司が含まれる「他の主食的外食」の寄与が大きくなっており、外食の宅配サービスの利用増加などが家計の外食支出全体を押し上げた可能性が考えられる。
・4月の外食産業売上高(名目値)は前年同月比1.7%増となり、32か月連続で前年の水準を上回った。
・外食産業売上高の内訳をみると、客単価の伸びが売上高を押し上げた一方、客数が2か月連続で前年の水準を下回った。
- ・2019年4月の全国の1世帯あたり実質外食支出は前月比4.9%増(前年同月比5.6%増)と高い伸びになった。品目別に外食支出金額の前年同月比寄与度の変化をみると、宅配ピザや宅配寿司が含まれる「他の主食的外食」の寄与が大きくなっており、外食の宅配サービスの利用増加などが家計の外食支出全体を押し上げた可能性が考えられる。
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2019-06-14
神奈川・地域経済調査
景気観測
Economic View(神奈川・地域) : No.15 介護需要の長期推計に基づく神奈川県内の介護事業の見通しと課題
- 要約
- 浜銀総研では、神奈川県における介護事業を取り巻く環境を長期的な視点から確認するために、2045年までの介護需要(要支援・要介護認定者数)と必要介護職員数の推計を行った。その結果を踏まえると、自治体や事業者は、以下のような課題や影響に留意する必要がある。
(1)神奈川県では他の地域と比べてサービスの受け皿の整備を早いペースで進める必要がある。
(2)事業者においては他地域からの参入による競争環境の激化に注意する必要がある。
(3)生産年齢人口が減少する中で介護需要が急増するため、介護職員の不足が深刻化することが予想される。
(4)県内の一部地域では、長期の事業計画の策定において需要の減少を織り込む必要がある。
(5)需給状況の地域差を踏まえた施設整備の広域的な調整が求められる。
- 浜銀総研では、神奈川県における介護事業を取り巻く環境を長期的な視点から確認するために、2045年までの介護需要(要支援・要介護認定者数)と必要介護職員数の推計を行った。その結果を踏まえると、自治体や事業者は、以下のような課題や影響に留意する必要がある。
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2019-06-17
神奈川・地域経済調査
テーマレポート
企業経営予測調査 : 企業経営予測調査(2019年6月調査)
- 要約
- 神奈川県内中堅・中小企業の2019年6月末時点における業況判断D.I.(全産業ベース、業況が「良い」-「悪い」、回答社数構成比、%)は▲11と前回3月調査から5ポイント下落した。当社は、前回調査で景況感のピークアウトの可能性を指摘したが、今回調査では業況判断D.I.の更なる低下が、輸出加工型製造業から内需型製造業にも波及しつつあり、総じて景況感の悪化が前回よりも鮮明になっている。
内訳は、製造業が▲14と前回調査から10ポイントの大幅な低下となったのに対し、非製造業は▲10と同2ポイントの低下にとどまった。製造業では、電気機械、電子部品・デバイスなどの輸出加工型産業の低下に加えて、食料品や鉄鋼・非鉄など内需型製造業でも業況判断D.I.の低下が見られた。また非製造業においても、運輸・倉庫などで製造業の景況感の悪化に影響を受けたと見られる業況判断D.I.の低下が現れた。ただ、その一方で不動産では10月の消費税増税に向けた駆け込み需要の影響とみられる業況判断D.I.の上昇があり、非製造業全体の業況判断D.I.を下支えした。
3か月先(2019年9月末)の予想の業況判断D.I.は、全産業ベースで▲11と6月末実績から変化しない見込みとなった。製造業で▲10と4ポイント上昇する一方で、非製造業では▲11と1ポイント低下すると予想されている。
- 神奈川県内中堅・中小企業の2019年6月末時点における業況判断D.I.(全産業ベース、業況が「良い」-「悪い」、回答社数構成比、%)は▲11と前回3月調査から5ポイント下落した。当社は、前回調査で景況感のピークアウトの可能性を指摘したが、今回調査では業況判断D.I.の更なる低下が、輸出加工型製造業から内需型製造業にも波及しつつあり、総じて景況感の悪化が前回よりも鮮明になっている。
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2019-06-20
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : 人手不足に拍車をかける「新卒採用の2021年問題」
- 要約
- 1.企業の人手不足感が年々強まっている。こうした人手不足感が2022年以降、一段と強まる恐れがある。これは大学を卒業し、新たに企業で働き始める(いわゆる新卒)人口が2022年度以降、再び減少傾向に転じると見込まれるためである。企業側では、この2022年3月卒の就職活動時期となる2021年頃から徐々に採用内定者を確保しにくくなっていくと考えられる。これを「新卒採用の2021年問題」と定義したい。
2.リクルートキャリア「就職白書2018」で、学生が内定を辞退した理由をみると、「業種が志望と合わなかった」などと並んで「勤務時間・休暇が志望と合わなかった」が上位に挙がる。今年2019年4月より働き方改革関連法が施行され、残業時間の上限規制などが導入された。こうした流れの中で、生産性の向上を通じて、長時間労働の是正や働きやすい労働環境の整備を進められた企業が、ワーク・ライフ・バランスを実現できている企業として学生に認知され、人材確保の点で有利になると考えられる。
3.実際に生産性を向上させ、労働時間の削減に成功している神奈川県下の企業をみると、「改善活動の仕組み化」と「徹底的な標準化」を通じた継続的な仕事の見直しを行っているという特徴が浮かび上がってくる。「改善活動の仕組み化」とは、問題の発見とその改善が自然と実施されるような仕組みを日々の仕事の中に埋め込むことである。また、「徹底的な標準化」とは、一見細かすぎるとも思えるマニュアルを整備することで、1つ1つの業務上の動作を効率化させることである。この2つが実施されることで、日々の仕事の中に潜む無駄が排除され、生産性を引き上げつつ、労働時間を短縮することが可能となる。
4.働き方改革が進む中で、時間外労働を減らすための制度化やルール化に熱心に取り組んでいる企業は比較的多いものの、仕事の進め方まで踏み込んで改善を行っている企業は必ずしも多くない。継続的な仕事の見直しを通じて、生産性を向上させ、その結果として労働時間が短くなるのが本来の働き方改革の姿と言えるだろう。
- 1.企業の人手不足感が年々強まっている。こうした人手不足感が2022年以降、一段と強まる恐れがある。これは大学を卒業し、新たに企業で働き始める(いわゆる新卒)人口が2022年度以降、再び減少傾向に転じると見込まれるためである。企業側では、この2022年3月卒の就職活動時期となる2021年頃から徐々に採用内定者を確保しにくくなっていくと考えられる。これを「新卒採用の2021年問題」と定義したい。
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2019-07-05
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
労働力調査・一般職業紹介状況 : 労働力調査・一般職業紹介状況(2019年5月)
- 要約
- ・5月の失業率は2.4%と前月から横ばい。雇用者数の増加基調は続く。
・5月の正社員の有効求人倍率は小幅ながら9年半ぶりに低下し、やや頭打ち感がみられる。
- ・5月の失業率は2.4%と前月から横ばい。雇用者数の増加基調は続く。
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2019-07-05
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
日銀短観 : 日銀短観(2019年6月調査)
- 要約
- ・大企業・製造業の業況判断DIが悪化する一方で、非製造業の同DIは底堅い動き。
・2019年度の経常利益計画と設備投資計画は6月調査としてはまずまずの結果。
・今回調査の景況感は消費増税前の駆け込み需要で嵩上げされている可能性も。
- ・大企業・製造業の業況判断DIが悪化する一方で、非製造業の同DIは底堅い動き。
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2019-07-08
神奈川・地域経済調査
テーマレポート
企業経営予測調査 : 企業経営予測調査(2019年6月特別)
- 要約
- 昨年度(2018年度)に設備投資を実施した県内中堅・中小企業の割合は57.8%となり、同様の調査を行っている過去4年間で最も高くなった。設備投資の目的(複数回答)は、「更新・維持補修」(82.8%)が大勢を占めるが、「合理化・省力化」(50.2%)の回答割合も増えている。他方、設備投資を実施しなかった理由は「現状施設で十分」(67.5%)との回答が最も多いものの、「景気の先行き不透明」(40.8%)や「業界の需要減退」(15.9%)など、景況感の悪化を反映した回答の割合も増加した。
今年度(2019年度)に設備投資を「実施する」予定の企業の割合は49.1%となり、昨年の調査時点(50.8%)を下回る。また、設備投資を「実施する」とした企業の投資予定額の回答は「昨年並み」(41.1%)の割合が最も高く、投資規模を拡大する企業は少なくなっていると見られる。なお、設備投資を実施する理由は、2018年度の実績と同様に「更新・維持補修」(86.7%)が最も多く、次いで「合理化・省力化」(51.5%)となった。人手不足への対応や業務の効率化に向けた投資が増えていると考えられる。半面で、能力増強を目的とした「増産・拡販」(27.6%)の割合は低下した。・・・
- 昨年度(2018年度)に設備投資を実施した県内中堅・中小企業の割合は57.8%となり、同様の調査を行っている過去4年間で最も高くなった。設備投資の目的(複数回答)は、「更新・維持補修」(82.8%)が大勢を占めるが、「合理化・省力化」(50.2%)の回答割合も増えている。他方、設備投資を実施しなかった理由は「現状施設で十分」(67.5%)との回答が最も多いものの、「景気の先行き不透明」(40.8%)や「業界の需要減退」(15.9%)など、景況感の悪化を反映した回答の割合も増加した。
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2019-07-16
産業動向調査
マーケット情報
外食需要動向 : 外食需要動向(2019年5月)
- 要約
- ・2019年月の全国の1世帯あたり実質外食支出は前月比4.6%減(前年同月比6.4%増)となった。前月(4月)が前月比4.9%増と突出した伸びであったことから、当月はその反動が生じた可能性が考えられる。
・5月の外食産業売上高(名目値)は前年同月比3.1%増となり、33か月連続で前年の水準を上回った。
・外食産業売上高の内訳をみると、客単価の伸びに加え、当月は客数が3か月ぶりに前年の水準を上回り、売上高を押し上げる要因となった。
- ・2019年月の全国の1世帯あたり実質外食支出は前月比4.6%減(前年同月比6.4%増)となった。前月(4月)が前月比4.9%増と突出した伸びであったことから、当月はその反動が生じた可能性が考えられる。
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2019-07-19
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : 3年ぶりの減収減益を見込む神奈川県内上場企業の2019年度業績予想
- 要約
- 1.神奈川県内上場企業112社の2018年度決算は、売上高が前年比2.3%増となり、経常利益も同6.9%の増益となった。県内上場企業の業績は、2017年度に引き続いて増収増益となり、回復基調を維持した。
2.売上高は堅調に増加した。業種別には製造業の全業種が増収となるなど、多くの業種が増収となった。なかでも、海外部門が牽引した一般機械や介護ニーズの高まりなどを反映したサービスが高めの伸びとなった。一方の経常利益は、増収効果の押し上げや原価率の低下などから増益を維持した。業績の回復が続くなかで、2018年度は単体ベースの従業員数と1人あたり平均年収の増加ピッチが強まり、連結ベースの設備投資と研究開発費が引き続き増加するなど、県内上場企業の企業活動は活発化した。
3.2019年度の企業業績は回復の一服が見込まれる。各社の業績予想を集計したところ、売上高が前年比0.7%減、経常利益も同7.0%減という結果が得られた。期初時点での減収減益予想は3年ぶりのこととなる。米中貿易摩擦の激化懸念などを契機とする海外景気の変調懸念や、国内景気の先行き不安などが、製造業を主体とする企業の慎重な業績予想の背景にあると考えられる。
- 1.神奈川県内上場企業112社の2018年度決算は、売上高が前年比2.3%増となり、経常利益も同6.9%の増益となった。県内上場企業の業績は、2017年度に引き続いて増収増益となり、回復基調を維持した。
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2019-07-31
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
労働力調査・一般職業紹介状況 : 労働力調査・一般職業紹介状況(2019年6月)
- 要約
- ・6月の失業率は2.3%と前月から小幅低下。雇用者数が6,000万人の大台に初めて到達。
・6月の有効求人倍率は1.61倍と2か月連続で低下。水準こそ高いものの、頭打ち感がみられる。
- ・6月の失業率は2.3%と前月から小幅低下。雇用者数が6,000万人の大台に初めて到達。
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2019-08-08
マクロ経済・金融市場調査
景気観測
Economic View(マクロ) : No.16 長期化に向かう米中貿易戦争
- 要約
- 6月29日、米中首脳会談が開催され、両首脳は貿易協議を再開することで合意した。トランプ大統領は第4弾となる制裁関税を課すことを当面見送り、米中両国が全面的な貿易戦争に突入する事態は、回避された。しかし、貿易戦争の休戦はわずか1か月で終了した。7月末に上海で開催された米中閣僚級協議で目立った成果がなかったことを受け、8月1日に、トランプ大統領は第4弾の制裁関税を9月1日から発動する意向を表明した。その後、中国政府は米農産品の購入を一時停止する対抗措置を公表、米国は前後して中国を為替操作国と指定し、米中間の対立は泥沼化の様相を呈している。...
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2019-08-09
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
GDP速報 : GDP速報(2019年4~6月)
- 要約
- ・4~6月期の実質GDPは前期比+0.4%と、改元に伴う消費押し上げ効果などで3期連続の増加。
・ただ、消費者心理の悪化や所得情勢の弱含みなどを踏まえると、個人消費の基調はやや低下傾向。
・7~9月期は増税前の駆け込み需要でプラス成長も、リスク要因は確実に増え深刻度を増している。
- ・4~6月期の実質GDPは前期比+0.4%と、改元に伴う消費押し上げ効果などで3期連続の増加。
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2019-08-14
マクロ経済・金融市場調査
景気観測
Economic View(マクロ) : No.17 岐路に立つ終身雇用
- 要約
- このところ経営者側から終身雇用の限界に関する発言がみられる。終身雇用は、年功賃金、企業別労働組合とともに日本型雇用慣行の1つに数えられる概念である。終身雇用は年功賃金と密接な関係があり、年功賃金が維持しにくくなっていることが、終身雇用の限界につながっていると考えられる。年功賃金とは、若年期(20、30歳代)に貢献度より低い賃金で働き、その差を中高年期(40、50歳代)に受け取る「後払い型の賃金」と解釈することができる。・・・
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2019-08-15
産業動向調査
マーケット情報
外食需要動向 : 外食需要動向(2019年6月)
- 要約
- ・2019年6月の全国の1世帯あたり実質外食支出は前月比0.4%増(前年同月比3.7%増)となった。4月、5月にみられた急激な増減の動きが収束し、2018年後半からの増加トレンドに戻りつつあるとみられる。
・6月の外食産業売上高(名目値)は前年同月比3.4%増となり、34か月連続で前年の水準を上回った。
・外食産業売上高の内訳をみると、客単価(同1.2%増)の増勢がやや鈍化した一方、客数(同2.1%増)は高い伸びとなった。
- ・2019年6月の全国の1世帯あたり実質外食支出は前月比0.4%増(前年同月比3.7%増)となった。4月、5月にみられた急激な増減の動きが収束し、2018年後半からの増加トレンドに戻りつつあるとみられる。
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2019-08-16
マクロ経済・金融市場調査
研究員コラム
わが国経済の見通し : 2019年度・2020年度の景気予測(2019年8月改訂)
- 要約
- 2019年4~6月期の実質GDP(国内総生産、1次速報)は、前期比+0.4%(同年率+1.8%)と、3四半期連続のプラス成長となった。輸出(前期比-0.1%)が弱い動きを続ける一方で、個人消費(同+0.6%)の伸び率が高まったことなどが成長率全体を押し上げた。ただ、令和への改元に伴う消費押し上げ効果など一時的な要因がGDP成長率をかさ上げしたことを踏まえれば、数字が示すほど日本経済が堅調に推移しているわけではないと考えられる。・・・
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2019-08-19
神奈川・地域経済調査
テーマレポート
神奈川県内上場企業の決算集計結果 : 神奈川県内上場企業の2019年4~6月期決算の集計結果
- 要約
- 神奈川県内上場企業117社の2019年4~6月期決算(2019年度第1四半期、連結ベース)を当社で集計したところ、全産業の売上高は前年比3.4%減の2兆5,932億円、経常利益も同22.2%減の1,048億円となった。前1~3月期に続く2四半期連続の減収減益となっており、米中貿易摩擦の影響などを背景に、県内上場企業の業績が悪化していることが確認された。
売上高は2四半期連続の減収となった。まず製造業は前年比4.2%減となった。業種別には、国内・海外ともに販売低調となったことから自動車・同部品が同13.1%減と大きく落ち込んだほか、一般機械もアジアなど海外部門の落ち込みによって同1.6%減と10四半期ぶりに前年水準を割り込んだ。一方の非製造業は同2.4%減と4四半期連続の減収となった。業種別には、プラント建設が同12.2%減と大幅な減収が続き、卸売も半導体商社の取扱高減少などを反映して同4.0%減と減収が続いた。反面で情報・通信がIT投資需要の増加を背景に同2.3%増と増収に転じ、サービスも介護需要や人材派遣ニーズの増加を反映して同6.6%増と堅調な増加が続いた。・・・
- 神奈川県内上場企業117社の2019年4~6月期決算(2019年度第1四半期、連結ベース)を当社で集計したところ、全産業の売上高は前年比3.4%減の2兆5,932億円、経常利益も同22.2%減の1,048億円となった。前1~3月期に続く2四半期連続の減収減益となっており、米中貿易摩擦の影響などを背景に、県内上場企業の業績が悪化していることが確認された。
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2019-08-20
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : 2045年までの神奈川県内の介護需要の見通し
- 要約
- 1.自治体や介護事業者が事業経営を行うにあたっては長期の需要見通しを踏まえる必要があることから、2045年までの介護需要(要支援・要介護認定者数)の推計を行った。その結果、神奈川県の介護需要は2045年まで増加が続き、2017年と比較した伸び率は全国を大きく上回る結果となった。県内を高齢者保健福祉圏域別にみると、2045年まで需要の増加が続く地域と、2035年又は40年頃をピークに需要が減少に向かう地域に分かれ、2017年から2045年までの伸び率も地域によって大きな差が見られた。
2.介護需要の伸びに応じて必要となる介護職員数(必要介護職員数)を推計したところ、神奈川県の2045年の必要介護職員数は2017年比1.77倍の22.9万人となり、単純計算で生産年齢人口に占める介護職員の比率を2倍以上に引き上げる必要があるという結果となった。
3.神奈川県の介護需要は継続的に大きく増加することから、サービスの受け皿の確保が中長期的な課題となる。また、生産年齢人口が減少する中、介護職員の確保がこれまで以上に難航することが予想される。
4.他方、需要の伸び方には地域差があり、一部地域では2045年よりも前に需要が頭打ちになることも予想されることから、長期の事業計画を策定する際には、地域の特性を踏まえた対応が必要である。
- 1.自治体や介護事業者が事業経営を行うにあたっては長期の需要見通しを踏まえる必要があることから、2045年までの介護需要(要支援・要介護認定者数)の推計を行った。その結果、神奈川県の介護需要は2045年まで増加が続き、2017年と比較した伸び率は全国を大きく上回る結果となった。県内を高齢者保健福祉圏域別にみると、2045年まで需要の増加が続く地域と、2035年又は40年頃をピークに需要が減少に向かう地域に分かれ、2017年から2045年までの伸び率も地域によって大きな差が見られた。
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2019-09-05
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
労働力調査・一般職業紹介状況 : 労働力調査・一般職業紹介状況(2019年7月)
- 要約
- ・7月の失業率は2.2%と前月から小幅に低下。雇用者数は6,000万人の大台を2か月連続で上回る。
・7月の有効求人倍率は1.59倍と3か月連続で低下。米中貿易摩擦の激化もあり新規求人数が弱含み。
- ・7月の失業率は2.2%と前月から小幅に低下。雇用者数は6,000万人の大台を2か月連続で上回る。
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2019-09-09
産業動向調査
マーケット情報
外食需要動向 : 外食需要動向(2019年7月)
- 要約
- ・2019年7月の全国の1世帯あたり実質外食支出は前月比0.6%減(前年同月比2.3%増)となった。平年に比べて梅雨明けが遅れたことなどにより、家計が外出を抑制したことが要因と推察される。
・7月の外食産業売上高(名目値)は前年同月比0.5%減となり、35か月ぶりに前年の水準を下回った。
・外食産業売上高の内訳をみると、客単価(同1.3%増)は上昇傾向が続いているものの、客数(同1.7%減)が前年同月の水準を下回り、売上高を押し下げる要因となった。
- ・2019年7月の全国の1世帯あたり実質外食支出は前月比0.6%減(前年同月比2.3%増)となった。平年に比べて梅雨明けが遅れたことなどにより、家計が外出を抑制したことが要因と推察される。
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2019-09-11
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
法人企業統計 : 法人企業統計(2019年4~6月)
- 要約
- ・19年4~6月期は、米中貿易摩擦の影響などを受け製造業が減収減益。非製造業にも悪影響が波及。
・業種別にみても、製造業の多くの業種が米中摩擦の影響から減収減益となった。
・同期の設備投資も、製造業の設備投資が前年比で急減。8四半期ぶりの減少。
- ・19年4~6月期は、米中貿易摩擦の影響などを受け製造業が減収減益。非製造業にも悪影響が波及。
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2019-09-11
マクロ経済・金融市場調査
研究員コラム
わが国経済の見通し : 2019年度・2020年度の景気予測(2019年4~6月期2次QE後改訂)
- 要約
- ・9月9日に、内閣府より公表された2019年4~6月期の実質GDP(国内総生産)の2次速報値(2次QE)は前期比+0.3%(前期比年率+1.3%)と、1次速報値(1次QE)の同+0.4%(同年率+1.8%)から小幅に下方修正された。内訳をみると、9月2日に財務省から公表された2019年4~6月期の「法人企業統計」の結果などを受けて、設備投資(1次QE:前期比+1.5%ポイント→2次QE:同+0.2%ポイント)が大幅に下方修正された。その他、住宅投資(同+0.2%→同+0.1%)が下方修正される一方で、公共投資(同+1.0%→同+1.8%)などは上方修正された。・・・
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2019-09-13
神奈川・地域経済調査
研究員コラム
神奈川県内経済見通し : 2019年度・2020年度の神奈川県内経済見通し
- 要約
- 1.2019年度前半の神奈川県内景気は、年初には回復の勢いが弱まったものの、春先以降は回復基調となった。企業部門では、米中通商問題の影響などで昨年末から年初にかけて輸出が大幅に減少し、企業には設備投資を先送りする動きもみられた。しかし、4~6月期には輸出が持ち直しに転じ、設備投資も建設投資などを中心に高水準で推移した。家計部門では、1~3月期には景気の先行き不透明感が強く個人消費が弱含んだものの、その後はGWの10連休効果や消費増税を控えた耐久財消費の増加などにより次第に堅調な動きとなった。また、住宅投資でも、消費増税を控え、持家や分譲住宅などに駆け込み需要がみられた。
2.この先の県内景気は緩やかな回復が続くと見込まれる。2019年度後半については、個人消費や住宅投資が消費増税前の駆け込み需要の反動などで弱含み、輸出も米中通商問題の影響で鈍い動きになるものの、東京五輪を控えて都市開発関連の設備投資やインフラ関連の公共投資が好調に推移し、景気をけん引すると見込む。2020年度になると、設備投資や公共投資のけん引力が弱まるものの、年度前半には東京五輪の開催で個人消費が盛り上がると予想される。また、2020年11月の米大統領選挙を前に米中通商問題も解決に向けた機運が高まり、輸出も次第に回復すると期待される。このため東京五輪後となる年度後半の県内景気は減速しながらも腰折れは避けられると見込んだ。
3.以上のような景気の姿を実質県内総生産で示すと、2019年度が前年比0.7%増、2020年度が同0.4%増とプラス成長が続くと予測した。
- 1.2019年度前半の神奈川県内景気は、年初には回復の勢いが弱まったものの、春先以降は回復基調となった。企業部門では、米中通商問題の影響などで昨年末から年初にかけて輸出が大幅に減少し、企業には設備投資を先送りする動きもみられた。しかし、4~6月期には輸出が持ち直しに転じ、設備投資も建設投資などを中心に高水準で推移した。家計部門では、1~3月期には景気の先行き不透明感が強く個人消費が弱含んだものの、その後はGWの10連休効果や消費増税を控えた耐久財消費の増加などにより次第に堅調な動きとなった。また、住宅投資でも、消費増税を控え、持家や分譲住宅などに駆け込み需要がみられた。
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2019-09-13
産業動向調査
マーケット情報
台湾電子関連企業月次売上高 : 台湾電子関連企業月次売上高(2019年8月)
- 要約
- ・台湾企業65社の8月売上高は、前年同月比0.9%減。6か月ぶりにマイナス成長に転じる。
・新型iPhone向けの出荷が本格化してきたことにより、関係企業の売上は伸びたが、それ以外の企業では、前年同月比で減収、もしくは増収率の幅が縮小。
・「対中制裁第4弾」の発動を控え、完成品メーカーによる在庫の積み上げには、慎重な姿勢が見られる。春先以降、緩やかに回復していた台湾企業の売上高だが、今後は弱含む可能性がある。
- ・台湾企業65社の8月売上高は、前年同月比0.9%減。6か月ぶりにマイナス成長に転じる。
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2019-09-17
神奈川・地域経済調査
テーマレポート
企業経営予測調査 : 企業経営予測調査(2019年9月調査)
- 要約
- 神奈川県内中堅・中小企業の2019年9月末時点における業況判断D.I.(全産業ベース、業況が「良い」-「悪い」、回答社数構成比、%)は▲15と前回6月調査から4ポイント下落した。業況判断D.I.は、2018年3月調査の+6をピークに高水準を保っていたものの、2019年に入り3四半期連続して低下している。神奈川県内の中堅・中小企業の景況感は、緩やかな悪化が続いていると見られる。
内訳は、製造業が▲22と前回調査から7ポイントの低下となったのに対し、非製造業は▲10と同1ポイントの低下にとどまった。製造業では、金属製品や輸送機械で業況判断D.I.が大きく低下しており、海外需要の減速から、素材産業、加工産業を問わず景況感が悪化していると見られる。また、非製造業においては、不動産や飲食店・宿泊などで業況判断D.I.が低下した。新築分譲マンションの販売が減速していることや、夏場の天候が不順であったことの影響なども考えられる。
- 神奈川県内中堅・中小企業の2019年9月末時点における業況判断D.I.(全産業ベース、業況が「良い」-「悪い」、回答社数構成比、%)は▲15と前回6月調査から4ポイント下落した。業況判断D.I.は、2018年3月調査の+6をピークに高水準を保っていたものの、2019年に入り3四半期連続して低下している。神奈川県内の中堅・中小企業の景況感は、緩やかな悪化が続いていると見られる。
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2019-09-19
産業動向調査
景気観測
Economic View(産業) : No.18 堅調な伸びが続く訪日外国人の飲食支出
- 要約
- 観光庁「訪日外国人消費動向調査」によると、2018年の訪日外国人旅行者による飲食費は前年比10.5%増の9,783億円(推計値)となり、旅行消費額全体(4兆5,189億円、推計値)の約2割を占める。訪日外国人旅行者による飲食費は2011年の調査開始以来、増加基調をたどっている。
訪日外国人旅行者の飲食費の6割超は、中国、韓国、台湾、香港の東アジア4か国・地域からの旅行者によるものである。訪日外国人旅行者による飲食費を(1)平均泊数、(2)1人1泊当たり飲食費、(3)旅行者数に分解すると、東アジア4か国・地域からの旅行者は相対的に、(1)平均泊数は短いが、(2)1人1泊当たり飲食費の水準が高く、(3)旅行者数も多いという特徴を有する。・・・
- 観光庁「訪日外国人消費動向調査」によると、2018年の訪日外国人旅行者による飲食費は前年比10.5%増の9,783億円(推計値)となり、旅行消費額全体(4兆5,189億円、推計値)の約2割を占める。訪日外国人旅行者による飲食費は2011年の調査開始以来、増加基調をたどっている。
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2019-09-20
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : 図表でみる神奈川県人口の諸相
- 要約
- 1.神奈川県人口は、2010年代に入って安定した成長を続け、2019年8月1日現在、9,199千人となった。全国人口に対するシェアは徐々に上昇し7.3%となっている。
2.2015年の国勢調査以降、県人口は2010年から5年間(国勢調査間)の伸びをわずかに上回る伸び率を示している。県内を6地域に分けて人口増減率をみると、川崎市域での増勢が高いことが地域的特徴である。
3.県人口の変動を人口の自然増減と社会増減に分けてみると、2014年以降、自然増減はマイナスが続いており、近年の増加はもっぱら人口の社会増加に負うこととなっている。
4.県内44の市区を自然増減と社会増減それぞれの+、-で4つのグループに分けてみると、「自然増加・社会増加」の人口成長の流れが強い地域には、川崎市と横浜市の区部からなる6地域が該当した。
5.人口密度を県内市区町村別にみると、横浜、川崎両市の25の区のうち、川崎市川崎区を除いた全ての区で、県平均(6,254人/平方km)を上回っている。
6.人口性比(女性100人に対する男性の数)を県内の市区町村別にみると、高齢化の影響を除いたベース(生産年齢人口性比(男/女))では、製造業の産業ウェイトが大きい県央や湘南地域で相対的に高くなる傾向がみられる。
7.合計特殊出生率が県内市区町村で最も高いのは開成町である。また平均寿命が最も長いのは、男性で横浜市青葉区(83.3歳)、女性は川崎市麻生区(88.6歳)である。
8.県内市区町村別に昼夜間人口比率をみると、横浜市の西区や中区、川崎市川崎区といった都心部のほか、箱根町、中井町、厚木市といった自地域内で通勤・通学している住民の割合が高い地域が上位となっている。
9.神奈川県の外国人数は213千人と県人口の2.3%を占める。地域別には横浜、川崎、相模原の政令三市に72.5%が集まる。国籍・出身地別には中国、韓国、フィリピンで55.9%のシェアとなる。
10. 国立社会保障人口問題研究所の将来推計によると、県の総人口は現在からほぼ四半世紀後の2045年には8,313千人と、現在の99割ほどの水準まで緩やかに減少することが見込まれている。
- 1.神奈川県人口は、2010年代に入って安定した成長を続け、2019年8月1日現在、9,199千人となった。全国人口に対するシェアは徐々に上昇し7.3%となっている。
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2019-10-02
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
日銀短観 : 日銀短観(2019年9月調査)
- 要約
- ・全規模・全産業の業況判断DIは悪化が続くも、消費増税前の駆け込み需要などで大幅な悪化は回避。
・米中貿易摩擦の影響などから、企業は2019年度の経常利益計画に対する慎重姿勢を強める。
・2019年度の設備投資計画も弱含み。製造業で人手不足による省力化投資需要が弱まっている可能性も。
- ・全規模・全産業の業況判断DIは悪化が続くも、消費増税前の駆け込み需要などで大幅な悪化は回避。
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2019-10-03
神奈川・地域経済調査
テーマレポート
企業経営予測調査 : 企業経営予測調査(2019年9月特別)
- 要約
- 【来春の新卒採用の計画人数は高い伸びを示すが、採用なしとする企業も増加】
神奈川県内中堅・中小企業の2020年春の新卒採用は、今春(2019年)の新卒採用人数からさらに23.9%増加する計画(回答企業367社、全産業ベース)となっており、比較可能な2007年調査以降でもっと高い伸びとなった。しかし一方で、採用予定なしとする企業の割合は50.8%と3年ぶりに過半となり、採用予定はあるものの予定者数は「減少」とする企業の割合も増加した。
【新卒採用の人数を確保できない企業が増加し、中途採用で補充】
採用予定者数の確保の見通しについては、「確保できない」とする企業の割合が44.3%となり、2007年調査以降で最も高い水準が続いている。新卒採用が困難な県内の中堅・中小企業においては、中途採用を実施するほか、高齢者雇用やパート・アルバイトや派遣社員も活用することで、活路を見出そうとしている。
【今冬のボーナスでは支給総額が増加する企業の割合は低下する】
今冬のボーナス支給の状況については、「支給する」企業の割合が昨年冬の88.6%から86.1%に低下する見込みとなっている。その中でも支給総額を「増加」すると回答した企業の割合は12.9%と昨年12月調査の29.0%から大きく低下した。
- 【来春の新卒採用の計画人数は高い伸びを示すが、採用なしとする企業も増加】
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2019-10-03
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
労働力調査・一般職業紹介状況 : 労働力調査・一般職業紹介状況(2019年8月)
- 要約
- ・8月の失業率は2.2%と前月から横ばい。中身は雇用情勢の改善を示す内容。
・8月の有効求人倍率も1.59倍と前月から横ばい。米中貿易摩擦等の影響で新規求人数の弱含みが続く。
- ・8月の失業率は2.2%と前月から横ばい。中身は雇用情勢の改善を示す内容。
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2019-10-09
産業動向調査
マーケット情報
外食需要動向 : 外食需要動向(2019年8月)
- 要約
- ・2019年8月の全国の1世帯あたり実質外食支出は前月比1.0%増(前年同月比2.3%増)となった。東日本では前月の梅雨寒から一転、平年を上回る気温となったことなどから、総じて家計の外出が活発になり、外食機会が増加したと推察される。
・8月の外食産業売上高(名目値)は前年同月比3.4%増となり、前月の落ち込みから回復した。
・外食産業売上高の内訳をみると、客単価(同2.2%増)の上昇傾向が続いていることに加え、当月は客数(同1.2%増)も前年同月の水準を上回り、売上高を押し上げる要因となった。
- ・2019年8月の全国の1世帯あたり実質外食支出は前月比1.0%増(前年同月比2.3%増)となった。東日本では前月の梅雨寒から一転、平年を上回る気温となったことなどから、総じて家計の外出が活発になり、外食機会が増加したと推察される。
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2019-10-16
産業動向調査
マーケット情報
台湾電子関連企業月次売上高 : 台湾電子関連企業月次売上高(2019年9月)
- 要約
- ・台湾電子関連企業65社の9月売上高は、iPhone関連企業の好調により前年同月比2.4%増。
・ただし、個社別には全体の約4割の企業の売上高が前年割れをしており、全体が回復に転じたと判断するには時期尚早。
・今後も、回復をiPhoneに頼る構造は変化しないと予想する。また、ノートパソコンやスマホ関連企業の売上高には、米国による対中関税引き上げ前の前倒し発注も含まれる可能性がある点に留意が必要。
- ・台湾電子関連企業65社の9月売上高は、iPhone関連企業の好調により前年同月比2.4%増。
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2019-10-20
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : 製造業を中心に顕在化する米中摩擦激化の影響
- 要約
- ・「日銀短観」2019年9月調査(全国)によると、大企業・製造業の業況判断DIは前回6月調査比2ポイント低下の5と、3四半期連続で悪化した。米中貿易摩擦の長期化・深刻化や、それに伴う海外経済の減速などを受けて景況感の悪化が鮮明となっている。一方、大企業・非製造業のDIは同2ポイント低下の21と、高水準を維持しながらも2期ぶりに悪化した。5月の10連休特需の反動や7月の天候不順などの影響が現れた。
・2019年度の設備投資計画(全規模・全産業、全国)は前年比+2.4%と、前回調査(同+2.3%)とほぼ同じ伸び率となった。今回、例年の9月調査に比べて上方修正の幅が極めて小幅に留まっている点を踏まえると、企業の設備投資意欲がここに来て慎重になっている可能性が高いと考えられる。
- ・「日銀短観」2019年9月調査(全国)によると、大企業・製造業の業況判断DIは前回6月調査比2ポイント低下の5と、3四半期連続で悪化した。米中貿易摩擦の長期化・深刻化や、それに伴う海外経済の減速などを受けて景況感の悪化が鮮明となっている。一方、大企業・非製造業のDIは同2ポイント低下の21と、高水準を維持しながらも2期ぶりに悪化した。5月の10連休特需の反動や7月の天候不順などの影響が現れた。
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2019-10-20
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : 県内企業の景況感は基調としては悪化の方向
- 要約
- ・足元の県内企業の景況感は消費増税前の駆け込み需要により一時的に押し上げられたものの、基調としては悪化が続いていると考えられる。
・浜銀総研「企業経営予測調査」の2019年9月調査では、県内企業の景況感は3四半期連続で悪化した。業種別には、製造業の景況感が大きく悪化した。米中貿易摩擦を背景とした世界景気の先行き懸念などが景況感を悪化させた。一方、非製造業の景況感は小幅な悪化にとどまった。消費増税前の駆け込み需要が、消費関連企業などの景況感を支えた模様である。
・今回の消費増税では食料品の購入に軽減税率が導入されるなど、個人消費の落ち込みに対する各種の対策が講じられている。しかし、米中貿易摩擦が一段と長引けば企業業績の悪化などを通じて消費マインドが予想以上に冷え込む可能性がある。この先の消費動向と世界経済の行方には注意が必要である。
- ・足元の県内企業の景況感は消費増税前の駆け込み需要により一時的に押し上げられたものの、基調としては悪化が続いていると考えられる。
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2019-11-01
マクロ経済・金融市場調査
景気観測
Economic View(マクロ) : No.19 米国制裁が強まる中での中国経済の行方
- 要約
- 2019年7~9月期の中国の実質GDP(国内総生産)は前年比+6.0%(前期は同+6.2%)と、成長率が2四半期連続で低下した。米国の対中制裁関税発動がその背景にある。こうした中で、習近平体制は新LPR(最優遇貸出金利)制度の適用と預金準備率の引き下げや、消費活性化措置、地方債の発行加速など景気下支え策に取り組んでいる。その結果、直近の9月に公共インフラ投資や鉱工業生産の伸びが高まるなど、足元の景気には一部で持ち直しの動きがみられ始めた。今後、中国の経済成長が過度に減速する事態は回避されよう。・・・
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2019-11-07
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
労働力調査・一般職業紹介状況 : 労働力調査・一般職業紹介状況(2019年9月)
- 要約
- ・9月の失業率は2.4%と前月(2.2%)から上昇。変動要因も雇用情勢の悪化を示す内容。
・9月の有効求人倍率は1.57倍と低下(悪化)が続く。製造業の業績不安が非製造業にも徐々に波及。
- ・9月の失業率は2.4%と前月(2.2%)から上昇。変動要因も雇用情勢の悪化を示す内容。
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2019-11-12
産業動向調査
マーケット情報
外食需要動向 : 外食需要動向(2019年9月)
- 要約
- ・2019年9月の1世帯あたり実質外食支出は全国が前月比0.9%増(前年同月比4.0%増)、関東地方は同2.6%減(同6.2%増)となった。
・9月の外食産業売上高(名目値)は前年同月比4.0%増となり、増加基調を維持した。
・外食産業売上高の内訳をみると、客単価(同0.7%増)は小幅な伸びに留まったが、客数の伸び(同3.3%増)が売上高を押し上げる要因となった。
- ・2019年9月の1世帯あたり実質外食支出は全国が前月比0.9%増(前年同月比4.0%増)、関東地方は同2.6%減(同6.2%増)となった。
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2019-11-13
産業動向調査
マーケット情報
台湾電子関連企業月次売上高 : 台湾電子関連企業月次売上高(2019年10月)
- 要約
- ・台湾電子関連企業65社の10月売上高は、前年同月比3.2%減となった。一部のEMSで9月に前倒しの出荷があり、その反動減があったことが影響した。
・個社別の動向には大きな変化はない。iPhone11関連企業等の売上が好調な一方で、5G対応端末を除くスマートフォンや液晶テレビ、産業機器などの従来製品向けの部品を手掛ける企業の売上は低迷、もしくは小幅な回復に留まっている。
・回復モメンタムは弱い。在庫調整は一巡しており、売上高にもう一段階の下落はないと見込むものの、米国による対中関税引き上げ前の前倒し発注効果が剥落する可能性には、引き続き留意したい。
- ・台湾電子関連企業65社の10月売上高は、前年同月比3.2%減となった。一部のEMSで9月に前倒しの出荷があり、その反動減があったことが影響した。
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2019-11-15
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
GDP速報 : GDP速報(2019年7~9月)
- 要約
- ・7~9月期の実質GDPは前期比+0.1%と4四半期連続で増加。内需が増加する一方で、輸出が減少。
・個人消費は前期比+0.4%と、前回の消費増税前の伸び(同+2.0%)を大幅に下回った。
・各種負担軽減策の効果はあるものの、10~12月期は駆け込み需要の反動で大幅なマイナス成長へ。
- ・7~9月期の実質GDPは前期比+0.1%と4四半期連続で増加。内需が増加する一方で、輸出が減少。
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2019-11-19
神奈川・地域経済調査
テーマレポート
神奈川県内上場企業の決算集計結果 : 神奈川県内上場企業の2019年7~9月期決算の集計結果
- 要約
- 神奈川県内上場企業118社の2019年7~9月期決算(2019年度第2四半期、連結ベース)を当社で集計したところ、全産業の売上高は2兆8,976億円で前年比横ばいとなった一方、経常利益は1,620億円と同81.4%の増益となった。大幅な増益となったのは、米国プラント工事の採算悪化で前年に749億円の経常赤字となったプラント建設が178億円の黒字になったためである。こうした業績変動の大きなプラント建設を除くベースでは、売上高が同0.8%減、経常利益も同12.2%減と2四半期連続での減収減益となったものの、4~6月期と比べればマイナス幅が縮小した。・・・
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2019-11-20
神奈川・地域経済調査
研究員コラム
県民ボーナスの見通し : 2019年冬の県民ボーナスの見通し
- 要約
- ・民間企業に勤める神奈川県民1人あたりの今冬のボーナスは、企業業績の悪化などを反映して前年比1.0%減の47.3万円になると予測した。一方、ボーナス支給対象者の割合は横ばいにとどまるものの、雇用者数が前年を上回ると見込まれることから、民間のボーナス総支給額は同0.1%増になると予測した。
・公務員の1人あたり支給額は、2019年10月の神奈川県人事委員会の給与勧告において今冬の期末・勤勉手当の支給月数が0.05か月引き下げられたことなどから、前年比2.0%減を見込む。民間と公務員とを合わせた官民計の1人あたり支給額は同1.2%減、官民計の支給総額は同0.1%減になる見通しである。
・消費増税による負担増に加え、今冬のボーナス支給額の減少が、年末の県内個人消費の重荷となるだろう。
- ・民間企業に勤める神奈川県民1人あたりの今冬のボーナスは、企業業績の悪化などを反映して前年比1.0%減の47.3万円になると予測した。一方、ボーナス支給対象者の割合は横ばいにとどまるものの、雇用者数が前年を上回ると見込まれることから、民間のボーナス総支給額は同0.1%増になると予測した。
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2019-11-20
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : 緩やかな市場縮小へ向かうわが国の乗用車販売
- 要約
- ・2019年度上半期のわが国乗用車販売台数(軽乗用車を含む)は新型車投入効果などから季調済前期比5.1%増の459.8万台と堅調に増加した。
・少子・高齢化を伴う人口の減少などを踏まえると、この先の乗用車に対する国内需要は緩やかな縮小に向かうと考えられる。
・2020~25年の国内乗用車販売台数は世帯数が減少に転じることなどから年平均1.8%減、2025~30年は同0.2%減と緩やかな市場縮小を予測する。
- ・2019年度上半期のわが国乗用車販売台数(軽乗用車を含む)は新型車投入効果などから季調済前期比5.1%増の459.8万台と堅調に増加した。
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2019-11-20
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : 前年割れに転じた神奈川の乗用車保有台数
- 要約
- ・2019年3月末時点の神奈川の乗用車保有台数は前年比0.2%減と秋田や東京とともに前年割れに転じた。
・神奈川の乗用車保有台数が減少に転じたのは、30歳代以下の男性単独世帯の大幅な減少や、買い替えサイクルの長い高齢者世帯が増加していることなど、世帯構造の変化による下押し圧力が全国よりも強いことなどが要因としてあげられよう。
・2020~25年の県内乗用車販売台数は2人以上の世帯数が減少に転じることなどから年平均2.0%減、2025~30年は同0.9%減と予測する。神奈川では世帯構成の変化による乗用車販売の下押し要因が強めに働くことから全国と比べて市場縮小ピッチが大きくなるだろう。
- ・2019年3月末時点の神奈川の乗用車保有台数は前年比0.2%減と秋田や東京とともに前年割れに転じた。
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2019-11-26
マクロ経済・金融市場調査
研究員コラム
わが国経済の見通し : 2019年度~2021年度の景気予測(2019年11月改訂)
- 要約
- ・2019年7~9月期の実質GDP(国内総生産、1次速報)は、前期比+0.1%と4四半期連続のプラス成長となったものの、4~6月期の同+0.4%から大きく減速した。輸出(同-0.7%)が成長率を押し下げる一方で、個人消費(同+0.4%)や設備投資(同+0.9%)などの内需は底堅く推移した。ただし、個人消費については、消費税率引き上げ前の駆け込み需要により2四半期連続の増加となったものの、前回2014年の増税時に比べると小幅な伸びにとどまった。・・・
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2019-12-06
産業動向調査
マーケット情報
外食需要動向 : 外食需要動向(2019年10月)
- 要約
- ・2019年10月の1世帯あたり実質外食支出は全国が前月比8.7%減(前年同月比10.2%減)、関東地方も同8.4%減(同8.2%減)となった。
・10月の外食産業売上高(名目値)は前年同月比2.4%減少となった。
・外食産業売上高の内訳をみると、客単価(前年同月比3.2%増)は上昇したが、客数の伸び(同5.4%減)の減少が売上高を押し下げる要因となった。
- ・2019年10月の1世帯あたり実質外食支出は全国が前月比8.7%減(前年同月比10.2%減)、関東地方も同8.4%減(同8.2%減)となった。
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2019-12-11
マクロ経済・金融市場調査
研究員コラム
わが国経済の見通し : 2019年度~2021年度の景気予測(2019年7~9月期2次QE後改訂)
- 要約
- ・12月9日に、内閣府より公表された2019年7~9月期の実質GDP(国内総生産)の2次速報値(2次QE)は前期比+0.4%(前期比年率+1.8%)と、1次速報値(1次QE)の同+0.1%(同年率+0.2%)から上方修正された。内訳をみると、12月2日に財務省から公表された2019年7~9月期の「法人企業統計」の結果などを受けて、設備投資(1次QE:前期比+0.9%→2次QE:同+1.8%)が大幅に上方修正された。その他、個人消費(同+0.4%→同+0.5%)や住宅投資(同+1.4%→同+1.6%)、公共投資(同+0.8%→同+0.9%)なども上方修正された。・・・
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2019-12-11
神奈川・地域経済調査
テーマレポート
企業経営予測調査 : 企業経営予測調査(2019年12月調査)
- 要約
- 神奈川県内中堅・中小企業の2019年12月末時点における業況判断D.I.(全産業ベース、業況が「良い」-「悪い」、回答社数構成比、%)は▲21と前回9月調査から5ポイント低下した。業況判断D.I.は、2018年12月調査の0から4四半期連続して低下している。神奈川県内の中堅・中小企業の景況感は、悪化の傾向が続いている。・・・
- 神奈川県内中堅・中小企業の2019年12月末時点における業況判断D.I.(全産業ベース、業況が「良い」-「悪い」、回答社数構成比、%)は▲21と前回9月調査から5ポイント低下した。業況判断D.I.は、2018年12月調査の0から4四半期連続して低下している。神奈川県内の中堅・中小企業の景況感は、悪化の傾向が続いている。・・・
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2019-12-20
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : 米国の制裁関税が続く中での中国経済の行方
- 要約
- ・2019年7~9月期の中国の実質GDP(国内総生産)は前年比+6.0%と、成長率が2四半期連続で低下した。米国の対中制裁関税発動などがその背景にある。こうした状況下、習近平体制は貸出金利の実質的な引き下げや、預金準備率の引き下げなどに踏み切り、景気下支え策を強化している。その結果、足元の企業マインドなどには持ち直しの兆しが現れている。
・2020年を展望すると、米国の対中貿易制裁の影響が続くことなどから、中国経済は減速するものの、各種景気下支え策の効果によって大幅な成長鈍化は回避される。2020年の成長率は+5.9%へと緩やかに低下しよう。
・こうした中国経済の減速は、日本から中国への輸出の減少や、中国現地における日本企業の収益悪化などといった経路で、日本経済の成長にも悪影響を及ぼしている。また、多くの神奈川県内企業が中国関連ビジネスを展開していることを踏まえると、今後、米国の対中制裁の影響が県内経済により強く現れてくる可能性がある。
- ・2019年7~9月期の中国の実質GDP(国内総生産)は前年比+6.0%と、成長率が2四半期連続で低下した。米国の対中制裁関税発動などがその背景にある。こうした状況下、習近平体制は貸出金利の実質的な引き下げや、預金準備率の引き下げなどに踏み切り、景気下支え策を強化している。その結果、足元の企業マインドなどには持ち直しの兆しが現れている。
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2019-12-20
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : 米中貿易摩擦のエレクトロニクス業界への影響
- 要約
- ・米中貿易摩擦は、エレクトロニクス業界全体に市場縮小という形で悪影響を与えているが、企業・国レベルでみれば、中国に代わる供給先や中国からの生産移管先となることで、プラスの影響を受けている場合もある。
・米国のエレクトロニクス製品の国別輸入額を見ると、2019年1~9月合計の中国のシェアは、前年同期の43.7%から38.5%へと縮小している。
・中国からの輸入を品目別にみると、減少額が大きいのは、パソコンと携帯電話である。パソコンでは台湾が、携帯電話ではベトナムが中国に代わる供給国になっている。
・米国の国別輸入額の増減を各国のGDP比でみた場合、最大の受益国となっているのはベトナムで、台湾、カンボジアと続く。ベトナムなどと同様に移管先として名前が挙がるタイやマレーシアは、米国の輸入額が増加しておらず、現段階では脱中国の受け皿としての恩恵は現れていない。
- ・米中貿易摩擦は、エレクトロニクス業界全体に市場縮小という形で悪影響を与えているが、企業・国レベルでみれば、中国に代わる供給先や中国からの生産移管先となることで、プラスの影響を受けている場合もある。
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2020-01-09
マクロ経済・金融市場調査
景気観測
Economic View(マクロ) : No.20 2020年のドル・円レートの展望
- 要約
- 2019年のドル・円レートは、(1)米中貿易摩擦の激化や、(2)FRBの10年半ぶりの利下げなどを受けて変動したが、その年間変動幅は約8円と過去最少にとどまった。この背景には、投資家のリスク回避姿勢が強まる場面では、相対的に低リスク通貨とされる円が大きく買われると同時に、低リスク通貨としてドルも買われることがあると考えられる。・・・
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2020-01-14
産業動向調査
マーケット情報
外食需要動向 : 外食需要動向(2019年11月)
- 要約
- ・2019年11月の1世帯あたり実質外食支出は全国が前月比7.8%増(前年同月比0.9%増)、関東地方も同10.4%増(同5.0%増)となった。
・2019年11月の外食産業売上高(名目値)は前年同月比2.6%増となった。
・外食産業売上高の内訳をみると、客単価(前年同月比1.7%増)と客数(同0.9%増)がともに売上高を押し上げた。
- ・2019年11月の1世帯あたり実質外食支出は全国が前月比7.8%増(前年同月比0.9%増)、関東地方も同10.4%増(同5.0%増)となった。
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2020-01-15
産業動向調査
マーケット情報
台湾電子関連企業月次売上高 : 台湾電子関連企業月次売上高(2019年12月)
- 要約
- ・台湾電子関連企業65社の12月売上高は、前年同月比4.0%減。11月の同1.8%減からマイナス幅が拡大するも、これは寄与度の高い鴻海精密工業(ホンハイ)の売上が減少したことによる。
・ホンハイを除いた64社の売上高は、同1.9%増と3か月ぶりにプラスに転じた。分野別には、半導体関連企業が引き続き好調なほか、サーバ関連企業や電子部品企業も回復基調にある。
・2020年の回復を牽引するのは5G関連。当面はこの需要の立ち上がりを待つ展開となろう。
- ・台湾電子関連企業65社の12月売上高は、前年同月比4.0%減。11月の同1.8%減からマイナス幅が拡大するも、これは寄与度の高い鴻海精密工業(ホンハイ)の売上が減少したことによる。
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2020-01-20
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : 2020年度の神奈川県内景気の見通し
- 要約
- ・2019年の神奈川県内景気は、総じてみれば緩やかに回復した。米中通商問題の影響で輸出は弱含んだものの、東京五輪に向けて都市開発の動きが活発化したことから設備投資が高水準で推移した。個人消費は消費増税前には購買意欲が高まり堅調に推移したものの、税率引き上げ後には反動減の動きが現れた。公共投資はインフラ関連を中心に増加した。
・2020年の県内景気は東京五輪後に減速するものの、腰折れは避けられると見込んだ。五輪開催に伴い夏場までの個人消費は増加するものの、その後は弱含む。また、五輪関連投資の一巡で設備投資や公共投資も前年水準を下回る公算が大きい。一方、米大統領選挙を控えて、米中通商問題の解決の機運が高まり、輸出が次第に上向いてくると期待される。
・2020年度の県内成長率は鈍化が見込まれるものの、五輪開催の「レガシー」が今後の神奈川県経済の持続的な発展に寄与していくことに期待したい。
- ・2019年の神奈川県内景気は、総じてみれば緩やかに回復した。米中通商問題の影響で輸出は弱含んだものの、東京五輪に向けて都市開発の動きが活発化したことから設備投資が高水準で推移した。個人消費は消費増税前には購買意欲が高まり堅調に推移したものの、税率引き上げ後には反動減の動きが現れた。公共投資はインフラ関連を中心に増加した。
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2020-01-20
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : 県内の中堅・中小企業の景況感は4四半期連続悪化
- 要約
- ・神奈川県内の中堅・中小企業の2019年12月末時点における業況判断D.I.(全産業ベース、業況が「良い」-「悪い」、回答社数構成比、%)は▲20と前回9月調査から4ポイント低下した。
・業種別の業況判断D.I.は、製造業が▲26と前回調査から2ポイントの低下にとどまったのに対し、非製造業では▲17となり前回調査から7ポイントの大幅な低下となった。
・製造業では、電子部品・デバイスなどで業況判断D.I.が大きく低下した。また、非製造業においては、不動産や運輸・倉庫、卸売、小売などで業況判断D.I.が低下した。
・3か月先(2020年3月末)の予想(全産業ベース)業況判断D.I.は▲20と2019年12月末実績比で横ばいを見込む。但し、最近の予想は実績で下振れする傾向があり不透明感は強い。
- ・神奈川県内の中堅・中小企業の2019年12月末時点における業況判断D.I.(全産業ベース、業況が「良い」-「悪い」、回答社数構成比、%)は▲20と前回9月調査から4ポイント低下した。
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2020-02-05
マクロ経済・金融市場調査
景気観測
Economic View(マクロ) : No.21 懸念される中国の新型肺炎の影響
- 要約
- ・新型コロナウイルスによる肺炎は2019年12月8日に中国・武漢市で最初に確認されてから、急速に拡散している。2020年2月5日朝時点で新型肺炎の感染者数は24,537人に膨らみ、2003年に流行したSARS(重症急性呼吸器症候群)の感染者数を大幅に上回った。今回の新型肺炎はSARSに比べて今のところ死亡率が低いものの、潜伏期間(1~14日)中でも人に感染するなど感染力が高い。この点に加えて、中国の春節(旧正月)の連休前から人々の移動が始まったことが、新型肺炎の急速な拡散に繋がったと考えられる。武漢市の市長の発表(1月26日)によると、春節休暇に絡めて約500万人が武漢市を離れたという。・・・
- ・新型コロナウイルスによる肺炎は2019年12月8日に中国・武漢市で最初に確認されてから、急速に拡散している。2020年2月5日朝時点で新型肺炎の感染者数は24,537人に膨らみ、2003年に流行したSARS(重症急性呼吸器症候群)の感染者数を大幅に上回った。今回の新型肺炎はSARSに比べて今のところ死亡率が低いものの、潜伏期間(1~14日)中でも人に感染するなど感染力が高い。この点に加えて、中国の春節(旧正月)の連休前から人々の移動が始まったことが、新型肺炎の急速な拡散に繋がったと考えられる。武漢市の市長の発表(1月26日)によると、春節休暇に絡めて約500万人が武漢市を離れたという。・・・
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2020-02-10
神奈川・地域経済調査
景気観測
Economic View(神奈川・地域) : No.22 2017年に5.9%上昇した神奈川県内製造業の労働生産性
- 要約
- ・2017年工業統計によると、神奈川では事業所数の減少基調が続いている一方、従業者数は上向きに転じた。また、出荷額及び付加価値額についてもともに持ち直して、2009年以降で最も高い水準となった。
・人手不足問題が深刻化するなかで労働生産性の向上が経営課題として重要性を増している。県内製造業の労働生産性は全国を上回っているものの、その優位性が1990年代から薄れて全国平均との格差は縮小傾向にあった。その後2010年代に入ってからも上向きの動きが鈍く、一進一退状態にあったものの、2017年は前年比5.9%上昇の14.8百万円となり、リーマン・ショック前の水準にまで持ち直した。前年に急増した設備投資が出荷増につながったためと考えられる。
・2017年における神奈川の生産性上昇を業種別にみると、石油や非鉄などの素材型の改善幅が大きい。また、加工組立型と消費関連についても、輸送機や飲料などを主体に上向いた。一方、県内地域別にみると、南足柄市や寒川町などの県西部や川崎市などで労働生産性が上昇した。
- ・2017年工業統計によると、神奈川では事業所数の減少基調が続いている一方、従業者数は上向きに転じた。また、出荷額及び付加価値額についてもともに持ち直して、2009年以降で最も高い水準となった。
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2020-02-10
産業動向調査
マーケット情報
外食需要動向 : 外食需要動向(2019年12月)
- 要約
- ・2019年12月の1世帯あたり実質外食支出は全国が前月比0.4%減(前年同月比3.6%減)、関東地方も同5.7%減(同2.9%減)となった。
・2019年12月の外食産業売上高(名目値)は前年同月比1.0%増となった。内訳をみると、客単価(前年同月比0.1%増)はほぼ横ばいとなり、客数(同0.9%増)も増加となった。しかしながら、このうちの客数の増加についてはキャンペーン要因によって押し上げられているとみられ、外食産業売上高の基調は統計が示すほどには強くはないと考えられる。
- ・2019年12月の1世帯あたり実質外食支出は全国が前月比0.4%減(前年同月比3.6%減)、関東地方も同5.7%減(同2.9%減)となった。
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2020-02-17
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
GDP速報 : GDP速報(2019年10~12月)
- 要約
- ・10~12月期の実質GDPは前期比-1.6%と5四半期ぶりに減少。内需と輸出がともに成長率を下押し。
・消費増税前の駆け込み需要の反動減などから、特に個人消費が前期比-2.9%と大幅に落ち込んだ。
・2020年1~3月期は、駆け込み需要の反動一巡などから内需の持ち直しが見込まれるものの、中国の新型肺炎の影響により、GDP成長率が極めて小幅なプラス成長にとどまる可能性がある点に要注意。
- ・10~12月期の実質GDPは前期比-1.6%と5四半期ぶりに減少。内需と輸出がともに成長率を下押し。
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2020-02-20
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : 東京圏における就業構造の変化【現状分析編】
- 要約
- ・全国の有業者(ふだん収入を得ることを目的として仕事をしている者)数は、2002年から2017年にかけて120万人増加し、特に東京圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)での増加が際立っている。
・まず、東京圏の有業者数の増減を性別にみると、女性の増加が目立つ。子育てをしながら働く女性の労働参加が進んだことが背景にある。
・次に、東京圏の有業者数の増減を年齢階級別にみると、高齢者の労働参加が進んでいることが分かる。高年齢者雇用安定法改正などの制度変更により、特に60~64歳の有業率が大きく高まった。
・こうした女性や高齢の有業者が、主に非正規雇用として労働市場へ参入したことを反映して、2002年以降の有業者数の増加を雇用形態別にみると、非正規雇用の増加が大きくなっている。
・多様な属性の働き手に対応した労働環境整備が一段と重要になっている。
- ・全国の有業者(ふだん収入を得ることを目的として仕事をしている者)数は、2002年から2017年にかけて120万人増加し、特に東京圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)での増加が際立っている。
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2020-02-20
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : 東京圏における就業構造の変化【将来予測編】
- 要約
- ・2040年の有業者数は2017年比で大きく減少する見通しである。これを65歳未満と65歳以上に分けると、65歳未満の有業者が大幅減となる一方、65歳以上の有業者数は逆に増加となる。結果、全有業者に占める65歳以上の者の割合は17.6%と2017年(13.0%)から上昇する。
・中でも東京圏では、65歳以上の有業者数が大きく増加する見通しである。これは、都市部に人口規模の大きい団塊ジュニア世代(1971~1974年生まれ、2040年時点で66~69歳)が多く居住しているためである。
・神奈川県内を地域別にみると、川崎・横浜地域で65歳以上の有業者数が最も大きく増加する見込みである。同地域は増加率でみても最も高い伸びを示すと予想され、高齢化に伴う就業構造変化の影響が大きく現れる。
・65歳以上の働き手の活用にいち早く取り組み、成功を収めた企業が、この先、労働力確保の面で有利になると考えられる。
- ・2040年の有業者数は2017年比で大きく減少する見通しである。これを65歳未満と65歳以上に分けると、65歳未満の有業者が大幅減となる一方、65歳以上の有業者数は逆に増加となる。結果、全有業者に占める65歳以上の者の割合は17.6%と2017年(13.0%)から上昇する。
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2020-02-21
マクロ経済・金融市場調査
研究員コラム
わが国経済の見通し : 2020年度・2021年度の景気予測(2020年2月改訂)
- 要約
- ・2019年10~12月期の実質GDP(国内総生産)は前期比-1.6%と5四半期ぶりのマイナス成長となった。消費増税前の駆け込み需要の反動や大型台風の影響などにより、個人消費(同-2.9%)を中心に内需が大きく落ち込んだ。一方、海外景気の減速などを受けて、輸出も同-0.1%と2四半期連続で減少した。
・2020年1~3月期には、駆け込み需要の反動一巡や天候要因の剥落から、個人消費や設備投資などが前期比プラスに転じると見込まれる。しかしその一方で、中国の新型肺炎の影響でインバウンド消費が大幅に落ち込むことなどにより、1~3月期の実質GDPは極めて小幅なプラス成長にとどまる公算が大きい。・・・
- ・2019年10~12月期の実質GDP(国内総生産)は前期比-1.6%と5四半期ぶりのマイナス成長となった。消費増税前の駆け込み需要の反動や大型台風の影響などにより、個人消費(同-2.9%)を中心に内需が大きく落ち込んだ。一方、海外景気の減速などを受けて、輸出も同-0.1%と2四半期連続で減少した。
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2020-02-28
神奈川・地域経済調査
テーマレポート
神奈川県内上場企業の決算集計結果 : 神奈川県内上場企業の2019年10~12月期決算の集計結果
- 要約
- 神奈川県内上場企業114社の2019年10~12月期決算(2019年度第3四半期、連結ベース)を当社で集計したところ、全産業の売上高は2兆7,168億円で前年比8.2%の減収となり、経常利益は1,536億円と同0.5%の減益となった。業績変動の大きなプラント建設を除くベースでは、売上高が同5.9%減、経常利益は同17.3%減と3四半期連続で減収減益となり、7~9月期に比べて落ち込み幅も拡大した。
売上高は前年比8.2%減と比較的大きな減収となった。まず、製造業は同6.6%減と減収幅が拡大した。業種別にみると、一般機械がアジア向けなど海外部門の低迷に加え、国内部門も落ち込んだことから同12.5%減と減収幅が拡大した。米中通商問題などによる景気の先行き不安が企業の投資マインドを悪化させたとみられる。また、自動車・同部品も海外販売が弱含むなかで、今期は消費増税などの影響で国内販売が落ち込み同10.1%の減収となった。加えて、非製造業も同9.9%の減収に転じた。プラント建設が再び減収となったほか、運輸・倉庫と小売が減収に転じた。消費増税に伴う駆け込み需要の反動や秋口の台風上陸などが影響した模様である。・・・
- 神奈川県内上場企業114社の2019年10~12月期決算(2019年度第3四半期、連結ベース)を当社で集計したところ、全産業の売上高は2兆7,168億円で前年比8.2%の減収となり、経常利益は1,536億円と同0.5%の減益となった。業績変動の大きなプラント建設を除くベースでは、売上高が同5.9%減、経常利益は同17.3%減と3四半期連続で減収減益となり、7~9月期に比べて落ち込み幅も拡大した。
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2020-03-10
マクロ経済・金融市場調査
研究員コラム
わが国経済の見通し : 2020年度・2021年度の景気予測(2019年10~12月期2次QE後改訂)
- 要約
- ・3月9日に内閣府より公表された2019年10~12月期の実質GDP(国内総生産)の2次速報値(2次QE)は前期比-1.8%(前期比年率-7.1%)と、1次速報値(1次QE)の同-1.6%(同年率-6.3%)から下方修正された(図表1、2)。内訳をみると、3月2日に財務省から公表された2019年10~12月期の「法人企業統計」の結果などを受けて、設備投資(1次QE:前期比-3.7%→2次QE:同-4.6%)が下方修正された。また個人消費(同-2.9%→同-2.8%)や住宅投資(同-2.7%→同-2.5%)が若干上方修正される一方で、公共投資(同+1.1%→同+0.7%)が下方修正された。・・・
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2020-03-12
産業動向調査
マーケット情報
外食需要動向 : 外食需要動向(2020年1月)
- 要約
- ・2020年1月の1世帯あたり実質外食支出は全国が前月比1.6%増(前年同月比1.0%増)、関東地方も同6.1%増(同2.2%増)となった。
・2020年1月の外食産業売上高(名目値)は前年同月比1.9%増となった。内訳をみると、客単価(前年同月比1.5%増)と客数(同0.4%増)の両方が売上高の押し上げ要因となった。
・新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行による外出控え等の影響は1月末から出始めていたようだが統計上は読み取れない。2月以降、その影響が顕在化する可能性が高いといえよう。
- ・2020年1月の1世帯あたり実質外食支出は全国が前月比1.6%増(前年同月比1.0%増)、関東地方も同6.1%増(同2.2%増)となった。
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2020-03-13
神奈川・地域経済調査
テーマレポート
企業経営予測調査 : 企業経営予測調査(2020年3月調査)
- 要約
- 神奈川県内中堅・中小企業の2020年3月末時点における業況判断D.I.(全産業ベース、業況が「良い」-「悪い」、回答社数構成比、%)は▲25と前回12月調査から5ポイント低下した。業況判断D.I.は、直前ピークの2018年12月から5四半期連続して低下しており、低下の期間、幅ともにリーマンショック時以来の景況感の悪化となった。・・・
- 神奈川県内中堅・中小企業の2020年3月末時点における業況判断D.I.(全産業ベース、業況が「良い」-「悪い」、回答社数構成比、%)は▲25と前回12月調査から5ポイント低下した。業況判断D.I.は、直前ピークの2018年12月から5四半期連続して低下しており、低下の期間、幅ともにリーマンショック時以来の景況感の悪化となった。・・・
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2020-03-18
マクロ経済・金融市場調査
景気観測
Economic View(マクロ) : No.23 日銀のETF買入れのマクロ経済に対する効果を考える
- 要約
- ・日本銀行は、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、3月16日の金融政策決定会合において、(1)一層潤沢な資金供給の実施、(2)企業金融支援のための措置、(3)ETF・J-REITの積極的な買入れなどを決定した。ETF(指数連動型上場投資信託)については、「原則的な買い入れ方針」は年間約6兆円という従来方針を維持しながらも、当面、年間約12兆円に相当する残高増加ペースを上限に積極的な買入れを行うことが打ち出された。・・・
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2020-03-20
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : 2040年までの県内の賃貸住宅需要の試算
- 要約
- ・社会保障・人口問題研究所(社人研)の推計によれば、神奈川県の人口のピークは2020年の914.1万人、一般世帯数のピークは2025年の412.5万世帯となっている。
・浜銀総合研究所では、社人研の推計をベースに、国勢調査のデータを利用して、県内の市区町村別に2040年までの「主世帯数」及び「民間借家世帯数」の試算を行った。
・この結果、神奈川県全体では、主世帯数のピークは2025年の402.4万世帯と試算される。特に、川崎市では2035年前後にピークが到来すると試算され、人口流入による主世帯数の増加が続くことが見込まれる。
・一方、民間借家世帯数は、県全体で2020年に122.8万世帯、2025年に122.9万世帯と試算され、2020年から2025年にかけて高原状態で推移し、その後減少に転じる。但し、地域により差があり、川崎市では2030年前後にピークとなる一方で、県西などでは既に減少に転じている。
・主世帯数とは間借り世帯等を除いた世帯数であるため、戸建住宅やマンションなどの住宅の総需要戸数に相当する。同様に、民間借家世帯数は、賃貸住宅の需要戸数とみることができる。今回試算した2040年までの主世帯数及び民間借家世帯数は、市区町村毎のばらつきが大きく現れる結果となった。今後の県内の住宅需要、特に賃貸住宅の需要を考えるうえでは、地域特性の違いが大きく影響することに注意する必要があろう。
- ・社会保障・人口問題研究所(社人研)の推計によれば、神奈川県の人口のピークは2020年の914.1万人、一般世帯数のピークは2025年の412.5万世帯となっている。
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2020-03-20
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : 相互乗入で今後注目される東急と相鉄の出店動向
- 要約
- ・神奈川県内に路線をもつ大手私鉄5社(東急、小田急、京急、京王、相鉄)が展開するスーパーマーケットの店舗立地をみると、総じて、各社とも「沿線・駅前」への出店が中心であるものの、必ずしもそれだけに限定した出店をしているわけではない。
・5社のうち、東急と相鉄は自社鉄道グループの「沿線内」だけでなく、「沿線外」にも積極的に出店してきたという点において類似している。
・ただし、東急は「沿線外」でも「東急」という高いブランド力を活かし、自社沿線に留まらないグループ全体の事業戦略の一翼を担う形で、沿線から離れたエリアにも積極的に出店をしてきた。
・一方、相鉄は多店舗展開による業績拡大を狙い、高密度に店舗を展開する沿線に隣接したエリアにも出店機会を求め、面の拡大を指向している。
・2019年11月には「相鉄・JR直通線」が開業し、また2022年度下期には「相鉄・東急直通線」が開業予定である。新たな路線の開業を受けて、今後、戦略の異なる東急と相鉄がどのように店舗を展開するか注目される。
- ・神奈川県内に路線をもつ大手私鉄5社(東急、小田急、京急、京王、相鉄)が展開するスーパーマーケットの店舗立地をみると、総じて、各社とも「沿線・駅前」への出店が中心であるものの、必ずしもそれだけに限定した出店をしているわけではない。
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2020-04-02
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
日銀短観 : 日銀短観(2020年3月調査)
- 要約
- ・業況判断DIは新型肺炎の影響で約7年ぶりのマイナスに。先行きは中小企業の悪化が顕著。
・2019年度の経常利益計画は減益幅が拡大。2020年度も減益の見通し。
・設備・人員の不足感が和らぐ。新型肺炎の影響による投資の先送りや雇用環境の悪化が懸念される。
- ・業況判断DIは新型肺炎の影響で約7年ぶりのマイナスに。先行きは中小企業の悪化が顕著。
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2020-04-03
神奈川・地域経済調査
テーマレポート
企業経営予測調査 : 企業経営予測調査(2020年3月特別)
- 要約
- 【中堅・中小企業における賃上げの動きに変調がみられる】
神奈川県内の中堅・中小企業の2020年春の賃上げ状況について集計したところ、「賃上げを予定する」企業の割合は64.5%となった。この割合は、前年調査に比べ2.3ポイント低下した。低下は東日本大震災の翌年である2012年以来のことである。
【賃上げ幅を「縮小する」と回答した企業の割合が増加】
「賃上げを予定する」企業のうち、前年に比べて賃上げ幅を「拡大する」と回答した企業の割合は7.6%であり、反対に「縮小する」とした企業の割合は12.7%となった。前年調査に比べると、「拡大する」とした企業の割合が4.8ポイント低下し、「縮小する」とした企業の割合が3.2ポイント上昇している。約7割(69.3%、前年は68.6%)の企業が前年並みと答えているものの、県内中堅・中小企業における賃金上昇ペースの鈍化が確認される。
【「自社の業績」に対する懸念の強まりが賃上げペースを抑制】
賃上げを検討する際に最も重視する項目は、「自社の業績」が64.4%(前年調査比1.6ポイント上昇)と多く、次いで「雇用の維持・確保」が24.9%(同0.2ポイント低下)となった。企業が重視する項目の割合については、この5年ほどは人手不足感の高まりを背景に、「自社の業績」の割合が低下し、「雇用の維持・確保」の割合が上昇する傾向にあった。しかし、2020年の調査においては、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の蔓延に伴う不透明感が強くなる中、「自社の業績」に対する懸念が強まっており、賃上げの判断に影響を与えていることがうかがわれる。
- 【中堅・中小企業における賃上げの動きに変調がみられる】
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2020-04-14
産業動向調査
マーケット情報
外食需要動向 : 外食需要動向(2020年2月)
- 要約
- ・2020年2月の1世帯あたり実質外食支出は全国が前月比1.4%増(前年同月比0.1%増)、関東地方も前月比3.1%増(前月同月比4.2%増)となった。
・また、2月の外食産業売上高(名目値)は前年同月比4.8%増となり、一見すると新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大の影響が表面化していないような統計数値となっている。
・しかし、業態別の売上高をみると、テイクアウトが可能なファストフード(同9.8%増)が好調である一方、店内飲食を中心とするパブ・居酒屋(同5.5%減)やディナーレストラン(同2.6%減)の落ち込みが顕著になっており、新型コロナウイルス感染症の影響が出ていることが考えられる。
- ・2020年2月の1世帯あたり実質外食支出は全国が前月比1.4%増(前年同月比0.1%増)、関東地方も前月比3.1%増(前月同月比4.2%増)となった。
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2020-04-20
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : 新型コロナウイルスの影響で強まる景気の後退色
- 要約
- ・新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、景気の後退色が強まっている。1~2月の全国ベースの輸出数量指数をみると、中国向けが19年10~12月期比-3.6%と大幅に落ち込んだ。内需についても、各種イベントの中止や外出自粛などの影響で、サービス消費などが急速に冷え込んだ。
・「日銀短観」2020年3月調査(全国)によると、大企業・製造業の業況判断DIは、前回調査比8ポイント低下の-8と5四半期連続で悪化し、2013年3月調査以来の「悪い」超となった。新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受けて、生産用機械や鉄鋼などで大幅に悪化した。また、これまで比較的堅調に推移していた大企業・非製造業のDIも前回調査比12ポイント低下の8と急落した。訪日外客数の急減やサービス消費の冷え込みを受けて、宿泊・飲食サービスや対個人サービスなどが大幅に落ち込んだ。
・日経平均株価が直近ピーク(2020年1月20日の24,083円)から一時7千円以上、水準を切り下げるなど、金融市場はリーマン・ショック時並みに混乱している。金融市場の混乱は景気の下振れリスクに過敏に反応している面もあるが、新型コロナの悪影響が長期化する可能性に警戒を要しよう。
- ・新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、景気の後退色が強まっている。1~2月の全国ベースの輸出数量指数をみると、中国向けが19年10~12月期比-3.6%と大幅に落ち込んだ。内需についても、各種イベントの中止や外出自粛などの影響で、サービス消費などが急速に冷え込んだ。
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2020-04-20
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : 新型コロナの神奈川県経済への影響を考える
- 要約
- ・県内景気は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で後退色を強めている。外出自粛要請などにより消費活動が大きく落ち込んでいるほか、一部の部材の輸入が困難になったことで企業の生産活動にも影響が現れている。
・消費の自粛ムードが広がり、供給制約により企業活動が縮小した東日本大震災後の県内景気と比較すると、震災後の個人消費がⅤ字回復になったのに対し、今回は感染の終息に時間がかかりU字型の回復軌道をたどると予想される。一方、企業部門では、国内のサプライチェーンが寸断した震災時と異なり、海外で供給制約が生じていることや物流関連の混乱、渡航制限などにより、貿易や生産の回復に時間がかかると見込まれる。
・世界的に金融システム不安が広がり、景気が大幅に悪化した2008年のリーマン・ショックに匹敵する景気の落ち込みとなる可能性がある。
- ・県内景気は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で後退色を強めている。外出自粛要請などにより消費活動が大きく落ち込んでいるほか、一部の部材の輸入が困難になったことで企業の生産活動にも影響が現れている。
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2020-05-14
産業動向調査
マーケット情報
外食需要動向 : 外食需要動向(2020年3月)
- 要約
- ・2020年3月の1世帯あたり実質外食支出は全国が前月比34.5%減(前年同月比33.2%減)、関東地方も前月比35.9%減(前月同月比35.0%減)となった。
・また、3月の外食産業売上高(名目値)は前年同月比17.3%減となり、1994年1月の調査開始以来、最大の落ち込みとなった。
・業態別の売上高をみると、店内飲食が中心のパブ・居酒屋(前年同月比43.3%減)やディナーレストラン(同40.5%減)の落ち込みが顕著である一方、テイクアウトが可能なファストフードは同6.9%減に留まった。
- ・2020年3月の1世帯あたり実質外食支出は全国が前月比34.5%減(前年同月比33.2%減)、関東地方も前月比35.9%減(前月同月比35.0%減)となった。
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2020-05-18
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
GDP速報 : GDP速報(2020年1~3月)
- 要約
- ・1~3月期の実質GDPは前期比-0.9%と、前期(同-1.9%)に続いて大幅なマイナス成長となった。
・内訳をみると、新型コロナウイルスのまん延に伴う外出自粛により、サービス消費を中心に個人消費が大幅に減少した。また、世界経済の急激な悪化により輸出も落ち込むなど主要項目が総崩れとなった。
・4~6月期は緊急事態宣言による外出自粛強化により、個人消費を中心に内需は一段と悪化する見込み。主要国で都市封鎖が相次いだことによる世界的な景気後退を受けて、輸出も一段の悪化が不可避。
- ・1~3月期の実質GDPは前期比-0.9%と、前期(同-1.9%)に続いて大幅なマイナス成長となった。
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2020-05-20
神奈川・地域経済調査
研究員コラム
県民ボーナスの見通し : 2020年夏の県民ボーナスの見通し
- 要約
- ・民間企業に勤める神奈川県民1人あたりの今夏のボーナスは、2019年度の企業業績の悪化や新型コロナウイルスの影響などを反映して前年比5.1%減の43.9万円になると予測した。また、雇用者数と支給対象者割合もともに前年を下回ることから、民間のボーナス総支給額は同8.4%減になる見込みである。
・公務員の1人あたり支給額は、2019年10月の神奈川県人事委員会の給与勧告において今夏の期末・勤勉手当の支給月数が0.025か月引き上げられたことなどから、前年比1.2%増を見込む。民間と公務員とを合わせた官民計の1人あたり支給額は同4.2%減、官民計の支給総額は同7.3%減になる見通しである。
・今夏は、1人あたり支給額、支給総額ともに夏のボーナスとしてはリーマン・ショック後の2009年以来の減少率となる見込みである。また、現在の厳しい状況が本格的に織り込まれる今冬のボーナスも大幅減となることが予想され、ボーナス減がコロナ禍からの回復の足かせになることが懸念される。
- ・民間企業に勤める神奈川県民1人あたりの今夏のボーナスは、2019年度の企業業績の悪化や新型コロナウイルスの影響などを反映して前年比5.1%減の43.9万円になると予測した。また、雇用者数と支給対象者割合もともに前年を下回ることから、民間のボーナス総支給額は同8.4%減になる見込みである。
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2020-05-22
マクロ経済・金融市場調査
研究員コラム
わが国経済の見通し : 2020年度・2021年度の景気予測(2020年5月改訂)
- 要約
- 2020年1~3月期の実質GDP(国内総生産)は前期比-0.9%と2四半期連続のマイナス成長となった。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて個人消費が同-0.7%、設備投資が同-0.5%、輸出が同-6.0%と主要項目が総崩れとなった。
今後を展望すると、足元の4~6月期は、リーマン・ショック後の2009年1~3月期(前期比-4.8%)を上回る大幅なマイナス成長になると見込まれる。政府の緊急事態宣言を受けて個人消費が一段と悪化するとともに、企業の設備投資も抑制基調が強まろう。また主要国での都市封鎖による世界的な景気後退やインバウンド需要の急減を受けて輸出も大幅な減少が不可避である。・・・
- 2020年1~3月期の実質GDP(国内総生産)は前期比-0.9%と2四半期連続のマイナス成長となった。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて個人消費が同-0.7%、設備投資が同-0.5%、輸出が同-6.0%と主要項目が総崩れとなった。
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2020-05-22
マクロ経済・金融市場調査
景気観測
Economic View(マクロ) : No.24 2020年度・2021年度の景気予測(2020年5月改訂)
- 要約
- 2020年1~3月期の実質GDP(国内総生産)は前期比-0.9%と2四半期連続のマイナス成長となった。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて個人消費が同-0.7%、設備投資が同-0.5%、輸出が同-6.0%と主要項目が総崩れとなった。
今後を展望すると、足元の4~6月期は、リーマン・ショック後の2009年1~3月期(前期比-4.8%)を上回る大幅なマイナス成長になると見込まれる。政府の緊急事態宣言を受けて個人消費が一段と悪化するとともに、企業の設備投資も抑制基調が強まろう。また主要国での都市封鎖による世界的な景気後退やインバウンド需要の急減を受けて輸出も大幅な減少が不可避である。・・・
- 2020年1~3月期の実質GDP(国内総生産)は前期比-0.9%と2四半期連続のマイナス成長となった。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて個人消費が同-0.7%、設備投資が同-0.5%、輸出が同-6.0%と主要項目が総崩れとなった。
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2020-05-26
マクロ経済・金融市場調査
景気観測
Economic View(マクロ) : No.25 求められる就職氷河期世代への一段の支援
- 要約
- 2000年前後を境に日本の賃金が上昇しにくくなっている。本稿では、その要因の1つとして就職氷河期世代(一般的に1993年から2005年に就職した世代)と呼ばれる人々の賃金の弱さに注目した。就職氷河期世代は学校を卒業して就職するタイミングの雇用環境が悪く、その影響が長期にわたって継続している可能性がある(世代効果)。具体的には、彼ら/彼女らのうち、学卒時に正社員の職を得られなかった者は、キャリア形成の初期において企業から十分な教育訓練を受けることができず、それが賃金上昇を抑制したとみられる。また学卒時に不利な条件で就職した者の一部が、日本型雇用慣行の特性を反映して、その後も転職などを通じて雇用条件を改善することが難しかったことも同世代の賃金の弱さにつながったと考えられる。
就職氷河期世代の多くは三大都市圏に居住しており、こうした地域においては今後、彼ら/彼女らの貧困が大きな社会問題となろう。すでに政府は同世代への支援プログラムを実施しているが、目下新型コロナウイルスの感染拡大による景気悪化で就職氷河期世代が再び苦境に陥る可能性が高まっており、さらなる支援策の実施が必要である。
- 2000年前後を境に日本の賃金が上昇しにくくなっている。本稿では、その要因の1つとして就職氷河期世代(一般的に1993年から2005年に就職した世代)と呼ばれる人々の賃金の弱さに注目した。就職氷河期世代は学校を卒業して就職するタイミングの雇用環境が悪く、その影響が長期にわたって継続している可能性がある(世代効果)。具体的には、彼ら/彼女らのうち、学卒時に正社員の職を得られなかった者は、キャリア形成の初期において企業から十分な教育訓練を受けることができず、それが賃金上昇を抑制したとみられる。また学卒時に不利な条件で就職した者の一部が、日本型雇用慣行の特性を反映して、その後も転職などを通じて雇用条件を改善することが難しかったことも同世代の賃金の弱さにつながったと考えられる。
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2020-05-29
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : 2020年度診療報酬改定のポイント
- 要約
- ・医療機関は、現下の新型コロナウイルス感染症への対応に忙殺される中においても、今後の医療政策の方向性を示す今春の診療報酬改定に対応する必要に迫られている。
・2020年度改定における本体の改定率は、特例的対応分を含めて前回と同じ+0.55%だった。救急医療で中心的な役割を担う医療機関に手厚く財源が配分されたのが特徴である。
・入院医療においては、看護職員配置が最も手厚い急性期一般入院料1(7対1)病床を削減する見直し姿勢が維持された。今回の見直しは救急医療や外科手術に強みを持つ病院には有利に働く一方、認知症高齢者の受入れが多い病院には不利に働くものであり、入院料2への移行を余儀なくされる病院も出てくるだろう。
・地域包括ケア病棟については、急性期後の機能よりも、自宅等で生活する患者の症状悪化に対応する軽度急性期機能を重視する見直しが行われた。
・回復期リハビリテーション病棟では、リハビリ実績に応じた評価が厳格化された。
・慢性期の療養病棟入院料では経過措置が縮小され、重症患者が少ない病床の機能の転換を促している。
・これらの見直しは、医療機関を重症患者の受入れなどの実績に応じて「ふるいにかける」動きであるといえる。医療機関は地域の医療ニーズの動向を踏まえた上で、安定的にとどまることができる適切なポジションを選択することが求められる。
- ・医療機関は、現下の新型コロナウイルス感染症への対応に忙殺される中においても、今後の医療政策の方向性を示す今春の診療報酬改定に対応する必要に迫られている。
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2020-05-29
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : デジタル社会の到来で激変する産業構造
- 要約
- ・あらゆるモノがインターネットに繋がり、その情報が収集・分析される「デジタル社会」が間もなく到来する。デジタル社会を実現させるためのインフラは整いつつあり、安価な費用で最新のデジタル技術を利用できるサービスも続々と登場している。
・デジタル社会を目指す動きは、既にIoTやIndustry4.0、DX(Digital Transformation)などの事象として世界中で確認できる。また、足元では新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために、経済活動のオンライン化がかつてない速度で進められている。コロナ後の世界は、デジタル社会がより具現化した状態になっている可能性が高いだろう。
・デジタル社会が具現化していくにつれ、既存の組織や競争環境、業界構造は激変する。部門間の連携や統合、あるいは分離が進み、業界や産業の垣根を越えた連携も行われていくであろう。また、企業と消費者の関係も密なものとなり、双方向での対話を通じた価値創造が行われるようになる。
・企業の競争力の源泉は、事業の規模や過去の蓄積ではなくなる。中小企業も、大変革が起きるデジタル社会の到来に備えた活動が必要である。
- ・あらゆるモノがインターネットに繋がり、その情報が収集・分析される「デジタル社会」が間もなく到来する。デジタル社会を実現させるためのインフラは整いつつあり、安価な費用で最新のデジタル技術を利用できるサービスも続々と登場している。
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2020-06-05
神奈川・地域経済調査
テーマレポート
神奈川県内上場企業の決算集計結果 : 神奈川県内上場企業の2020年3月期決算の集計結果
- 要約
- 1.神奈川県内上場企業110社(連結ベース、製造業66社、非製造業44社)の2020年3月期決算(2019年度)を当社で集計したところ、全産業の売上高は10兆5,795億円で前年比3.9%の減収となり、経常利益は5,093億円と同22.3%の増益となった。業績変動の大きなプラント建設を除くベースでは、売上高が同3.3%減、経常利益が同19.2%減と減収減益になった。
2.売上高を業種別にみると、製造業(同4.8%減)では、自動車・同部品が海外販売の不振に新型コロナウイルスの感染拡大の影響が加わり同10.4%減となった。また、一般機械が米中貿易摩擦や新型コロナによる設備投資マインドの悪化などにより同9.3%減となった。一方、非製造業(同3.0%減)では、プラント建設(同9.6%減)や運輸・倉庫(同4.7%減)などが前年水準を下回った。・・・
- 1.神奈川県内上場企業110社(連結ベース、製造業66社、非製造業44社)の2020年3月期決算(2019年度)を当社で集計したところ、全産業の売上高は10兆5,795億円で前年比3.9%の減収となり、経常利益は5,093億円と同22.3%の増益となった。業績変動の大きなプラント建設を除くベースでは、売上高が同3.3%減、経常利益が同19.2%減と減収減益になった。
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2020-06-08
マクロ経済・金融市場調査
景気観測
Economic View(マクロ) : No.26 新型コロナの世界的流行下での中国経済の行方
- 要約
- 2020年1~3月期の中国の実質GDP(国内総生産)は前年比-6.8%と、新型コロナウイルスのまん延による大規模な経済停滞を背景に、四半期別成長率の公表を始めた1992年以降で初めてのマイナス成長を記録した。ただ足元では、新型コロナウイルス流行の沈静化を背景に、工場や店舗の再開に加えて従業員の職場復帰が進んでおり、経済活動は改善に向かい始めている。・・・
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2020-06-10
産業動向調査
マーケット情報
外食需要動向 : 外食需要動向(2020年4月)
- 要約
- ・2020年4月の1世帯あたり実質外食支出は全国が前月比45.5%減(前年同月比67.0%減)、関東地方も前月比52.1%減(前月同月比69.0%減)と大幅な落ち込みとなった。
・また、4月の外食産業売上高(名目値)も前年同月比39.6%減となり、調査開始以来、最大の減収率となった。
・業態別の売上高をみると、ハンバーガー等の洋風ファストフードは同2.8%増と、増収を確保した。他方、店内飲食が中心のパブ・居酒屋(前年同月比91.4%減)やディナーレストラン(同84.0%減)は営業時間短縮や休業等の影響により、売上高が激減した。
- ・2020年4月の1世帯あたり実質外食支出は全国が前月比45.5%減(前年同月比67.0%減)、関東地方も前月比52.1%減(前月同月比69.0%減)と大幅な落ち込みとなった。
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2020-06-10
マクロ経済・金融市場調査
研究員コラム
わが国経済の見通し : 2020年度・2021年度の景気予測(2020年1~3月期2次QE後改訂)
- 要約
- 6月8日に内閣府が発表した2020年1~3月期の実質GDP(国内総生産)の2次速報値(2次QE)は前期比-0.6%と、1次速報値(1次QE)の同-0.9%から上方修正された・・・
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2020-06-17
神奈川・地域経済調査
テーマレポート
企業経営予測調査 : 企業経営予測調査(2020年6月調査)
- 要約
- 神奈川県内中堅・中小企業の2020年6月末時点における業況判断D.I.(全産業ベース、業況が「良い」-「悪い」、回答社数構成比、%)は▲61と前回3月調査から36ポイント低下した。前回調査から3か月間の低下幅としては、リーマンショック時やアジア通貨危機時、バブル崩壊時を上回る急激な低下を記録した。また、直前ピークからの低下幅やその期間の長さも、リーマンショック時に迫る幅と長さとなった。・・・
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2020-06-29
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : 厳しい状況に置かれてきた就職氷河期世代
- 要約
- ・本稿では、就職氷河期世代(一般的に1993年から2005年に就職した世代)と呼ばれる人々の賃金上昇の弱さに注目した。就職氷河期世代は学校を卒業して就職するタイミングの雇用環境が悪く、その影響が長期にわたって継続している可能性がある(世代効果)。
・具体的には、彼ら/彼女らのうち、学卒時に正社員の職を得られなかった者は、キャリア形成の初期において企業から十分な教育訓練を受けることができず、それが賃金上昇を抑制したとみられる。また学卒時に不利な条件で就職した者の一部が、日本型雇用慣行の特性から、その後も転職などを通じて雇用条件を改善することが難しかったことも同世代の賃金の弱さにつながったと考えられる。
- ・本稿では、就職氷河期世代(一般的に1993年から2005年に就職した世代)と呼ばれる人々の賃金上昇の弱さに注目した。就職氷河期世代は学校を卒業して就職するタイミングの雇用環境が悪く、その影響が長期にわたって継続している可能性がある(世代効果)。
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2020-06-29
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : 都市部に集中する就職氷河期世代の居住分布
- 要約
- ・就職氷河期世代は東京圏に多く居住している。また、就職氷河期世代の中でも相対的に厳しい状況に置かれているとみられる不本意非正規雇用者(正規の職員・従業員の仕事がないために非正規として働いている者)の数をみると、神奈川県は東京都に次いで全国で2番目の多さとなる。
・こうした地域においては今後、彼ら/彼女らの貧困が大きな社会問題になる恐れがある。同世代(特に団塊ジュニア世代)の貧困を考える時、2025年が重要な年になる。2025年は団塊の世代の全員が75歳以上となり、介護に関わる問題が深刻化していくと考えられる。団塊の世代の子供達である団塊ジュニア世代は、自身の所得に関わる問題だけでなく、親の介護という問題にも直面する可能性が高い。
・すでに政府は同世代への支援プログラムを実施しているが、目下新型コロナウイルスの感染拡大による景気悪化で就職氷河期世代が再び苦境に陥る可能性が高まっており、さらなる支援策の実施が求められる。
- ・就職氷河期世代は東京圏に多く居住している。また、就職氷河期世代の中でも相対的に厳しい状況に置かれているとみられる不本意非正規雇用者(正規の職員・従業員の仕事がないために非正規として働いている者)の数をみると、神奈川県は東京都に次いで全国で2番目の多さとなる。
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2020-07-03
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
日銀短観 : 日銀短観(2020年6月調査)
- 要約
- ・新型コロナの影響で業況判断DIは大幅に低下。先行きは大企業で底打ちの兆しも中小企業は厳しい。
・2020年度の利益計画は製造業・非製造業ともに減益予想。設備投資計画も前回から下方修正された。
・設備・人員の不足感が大きく後退。設備投資の先送り、雇用環境の悪化には引き続き注意を要する。
- ・新型コロナの影響で業況判断DIは大幅に低下。先行きは大企業で底打ちの兆しも中小企業は厳しい。
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2020-07-07
神奈川・地域経済調査
テーマレポート
企業経営予測調査 : 企業経営予測調査(2020年6月特別)
- 要約
- 昨年度(2019年度)に設備投資を実施した県内中堅・中小企業の割合は54.9%となり、昨年の同時期に調査した2018年度の設備投資の実施割合57.9%から3ポイントの低下となった。設備投資の目的(複数回答)は、「更新・維持補修」が大勢を占める。他方、設備投資を実施しなかった理由は「現状施設で十分」との回答が最も多いものの、「景気の先行き不透明」や「業界の需要減退」、「自社の業績悪化」など、景況感の悪化を反映した回答の割合が上昇した。・・・
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2020-07-09
産業動向調査
マーケット情報
外食需要動向 : 外食需要動向(2020年5月)
- 要約
- ・2020年5月の1世帯あたり実質外食支出金額は、全国、関東地方とも、2か月連続で非常に低い水準にとどまった。「緊急事態宣言」は5月中旬以降、全国で順次解除されたものの、全国、関東地方とも、総じて家計の外出自粛の動きは強く、外食控えが続いたと推察される。
・また、5月の外食産業売上高(名目値)も前年同月比32.2%減で、前月(4月、同39.6%減)に比べると減収率は僅かに縮小したが、依然として大幅な減収となった。
・外食産業全体で客単価は前年同月比8.5%増と高い伸びとなった。テイクアウトやデリバリーなど、他人との接触機会を低減する販売が一段と増加したことが一因と推察される。
- ・2020年5月の1世帯あたり実質外食支出金額は、全国、関東地方とも、2か月連続で非常に低い水準にとどまった。「緊急事態宣言」は5月中旬以降、全国で順次解除されたものの、全国、関東地方とも、総じて家計の外出自粛の動きは強く、外食控えが続いたと推察される。
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2020-07-15
神奈川・地域経済調査
研究員コラム
神奈川県内経済見通し : 2020年度の神奈川県内経済見通し
- 要約
- 1.2020年前半の神奈川県経済は新型コロナの感染拡大の影響で大幅に悪化した。2月下旬に政府が新型コロナの対策基本方針を発表し、学校の休校などが要請されると、人々の感染防止に対する意識が急速に強まり、慎重な消費行動をとることになった。また、企業に対して在宅勤務の拡大などが要請され、企業活動が制約を受けることになった。加えて、海外における感染拡大の影響で輸出が落ち込んだこともあり、県内景気は急速に後退色を強めた。新年度に入ると、4月7日に政府が緊急事態宣言を発令し、県内でも百貨店などの商業施設やレジャー施設が臨時休業した。企業に対しては出勤者の最低7割減などが求められ、企業活動が大きく制限されたことから、県内景気は大幅に悪化した。・・・
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2020-07-15
神奈川・地域経済調査
景気観測
Economic View(神奈川・地域) : No.27 2020年度の神奈川県内経済見通し
- 要約
- 1.2020年前半の神奈川県経済は新型コロナの感染拡大の影響で大幅に悪化した。2月下旬に政府が新型コロナの対策基本方針を発表し、学校の休校などが要請されると、人々の感染防止に対する意識が急速に強まり、慎重な消費行動をとることになった。また、企業に対して在宅勤務の拡大などが要請され、企業活動が制約を受けることになった。加えて、海外における感染拡大の影響で輸出が落ち込んだこともあり、県内景気は急速に後退色を強めた。新年度に入ると、4月7日に政府が緊急事態宣言を発令し、県内でも百貨店などの商業施設やレジャー施設が臨時休業した。企業に対しては出勤者の最低7割減などが求められ、企業活動が大きく制限されたことから、県内景気は大幅に悪化した。・・・
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2020-07-22
神奈川・地域経済調査
景気観測
Economic View(神奈川・地域) : No.28 新型コロナの影響で急減した神奈川からの輸出
- 要約
- ・新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて、神奈川の経済活動は大きく落ち込んでいる。緊急事態宣言の解除後は、主要駅の人出が感染拡大前の水準に戻りつつあり、個人消費関連指標も底打ちして上向いている。ただ、神奈川の生産活動への影響度が最も大きい輸出の急減が続いている。神奈川3港からの輸出額(季調済)は3月から減少に転じ、5月は季調済前月比7.8%減の4,607億円となった。2月から3か月間の減少額は1,832億円(減少率は28.5%)とリーマン・ショック時(2008年9~12月、2,952億円)に次ぐ大きさとなっている。・・・
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2020-08-11
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : 2020年度の神奈川県内景気の見通し
- 要約
- ・2020年前半の神奈川県経済は、新型コロナの感染が拡大するにつれて景気の後退色が強まった。4月7日に緊急事態宣言が発令されると、県内でも外出自粛や店舗の休業要請などがなされ、景気が大幅に悪化した。・・・
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2020-08-11
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : 直近3か月間の景況感の悪化幅は過去最大
- 要約
- ・神奈川県内中堅・中小企業の2020年6月末時点における業況判断D.I.(全産業ベース、業況が「良い」-「悪い」、回答社数構成比、%)は▲61と前回3月調査から36ポイント低下した。前回調査から3か月間の低下幅としては、リーマン・ショック時やアジア通貨危機時、バブル崩壊時を上回る急激な低下を記録した。また、直前ピークからの低下幅やその期間の長さも、リーマン・ショック時に迫る幅と長さとなった。・・・
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2020-08-12
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : コロナ禍による外食・小売業界への影響と今後の変化
- 要約
- ・コロナ禍で、外食・小売業では顧客によるモバイルオーダーやデリバリー、ネットショッピング、キャッシュレス決済などの利用が進んだ。
・これらはコロナ禍前から存在していたサービスだが、コロナ禍において外出自粛や他人との接触機会の低減という行動様式の変容が起こり、多くの顧客が新たに利用を開始したり、利用頻度を増やしたりしたことで、その利便性を再認識した。・・・
- ・コロナ禍で、外食・小売業では顧客によるモバイルオーダーやデリバリー、ネットショッピング、キャッシュレス決済などの利用が進んだ。
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2020-08-12
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : With/After コロナではオフィスの在り方が変わる
- 要約
- ・コロナ禍は、個人にも「新しい生活様式」という行動変容を迫り、個人の考え方や価値観を変えるものとなった。個人の考え方や価値観の変化に合わせて、オフィスの在り方も大きく変化する可能性がある。
・政府の緊急事態宣言下で、リモートワークの導入が半ば強制的に急速に拡大した。しかし、このような働き方は「想像もできなかった」ものではなく、徐々に起こる変化と想定されていたことが「時間を圧縮して」顕在化したと言えよう。・・・
- ・コロナ禍は、個人にも「新しい生活様式」という行動変容を迫り、個人の考え方や価値観を変えるものとなった。個人の考え方や価値観の変化に合わせて、オフィスの在り方も大きく変化する可能性がある。
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2020-08-12
神奈川・地域経済調査
マーケット情報
かながわ経済情報 : 2019年 経済構造実態調査 産業大分類別にみた主要産業の事業概要
- 要約
- ・主要産業の中で、売上高が最も大きいのは「卸売業、小売業」497兆9,810億円、付加価値額では「製造業」77兆9,292億円だった。さらに付加価値率をみると最高は「教育・学習支援業」の48.6%だった。
・「卸売業、小売業」は企業等の数も最多となった。売上高階級別の構成比をみると、3,000万円未満の最も小規模なクラスでは「不動産業、物品賃貸業」が最高で、3億円以上の最大規模のクラスでは「電気・ガス・熱供給・水道業」が最高となった。・・・
- ・主要産業の中で、売上高が最も大きいのは「卸売業、小売業」497兆9,810億円、付加価値額では「製造業」77兆9,292億円だった。さらに付加価値率をみると最高は「教育・学習支援業」の48.6%だった。
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2020-08-18
産業動向調査
マーケット情報
外食需要動向 : 外食需要動向(2020年6月)
- 要約
- ・2020年6月の1世帯あたり実質外食支出金額は、全国、関東地方とも2か月連続で前月の水準を上回り底打ちが確認される。ただし、支出金額の水準は前年同月の65%程度に留まっており、戻りは鈍いと考えられる。
・6月の外食産業売上高(名目値)は前年同月比21.9%減と、5月の同32.3%減に比べて減収率が10.3ポイント縮小した。
・客足の戻りは郊外や住宅地域で先行しており、都心部では遅いようだ。コロナ禍によるリモートワークの実施や、宴会や会食等の自粛継続などが、都心部での外食需要の戻りを鈍くしているとみられる。
- ・2020年6月の1世帯あたり実質外食支出金額は、全国、関東地方とも2か月連続で前月の水準を上回り底打ちが確認される。ただし、支出金額の水準は前年同月の65%程度に留まっており、戻りは鈍いと考えられる。
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2020-08-18
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
GDP速報 : GDP速報(2020年4~6月)
- 要約
- ・4~6月期の実質GDPは前期比-7.8%、年率換算で-27.8%と、日本の緊急事態宣言や、欧米の都市封鎖(ロックダウン)などの影響で急減した。内訳をみると、外出自粛強化を受けてサービス消費が激減し、個人消費が大きく落ちこんだ。また、都市封鎖のあった欧米向けを中心に輸出が大幅に減少した。さらに、企業収益の悪化による先行き不透明感が、企業の設備投資の減少にもつながった。
・7~9月期の日本経済は、①世界経済が4~6月期に底打ちしたとみられること、②4~5月に比べて外出自粛が緩和されていること、③経済対策の効果が発現することなどを支えに、輸出や個人消費を中心に前期比プラス成長に転じると見込む。ただし、国内で新型コロナウイルスの感染者数が増加傾向で推移するなか、人々の移動には依然制約が残っていることから、4~6月期の落ち込みと比べると景気の回復ペースは限定的なものとなろう。
- ・4~6月期の実質GDPは前期比-7.8%、年率換算で-27.8%と、日本の緊急事態宣言や、欧米の都市封鎖(ロックダウン)などの影響で急減した。内訳をみると、外出自粛強化を受けてサービス消費が激減し、個人消費が大きく落ちこんだ。また、都市封鎖のあった欧米向けを中心に輸出が大幅に減少した。さらに、企業収益の悪化による先行き不透明感が、企業の設備投資の減少にもつながった。
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2020-08-20
マクロ経済・金融市場調査
景気観測
Economic View(マクロ) : No.29 2020年度・2021年度の景気予測(2020年8月改訂)
- 要約
- 2020年4~6月期の実質GDP(国内総生産)は前期比-7.8%(同年率-27.8%)と急減し、リーマン・ショック直後の2009年1~3月期(前期比-4.8%)を超えるマイナス成長を記録した。政府の緊急事態宣言に伴う外出自粛や欧米の都市封鎖(ロックダウン)などの影響により、個人消費が前期比-8.2%、設備投資が同-1.5%、輸出が同-18.5%と、内外需ともに大幅に減少した。・・・
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2020-08-20
マクロ経済・金融市場調査
研究員コラム
わが国経済の見通し : 2020年度・2021年度の景気予測(2020年8月改訂)
- 要約
- 2020年4~6月期の実質GDP(国内総生産)は前期比-7.8%(同年率-27.8%)と急減し、リーマン・ショック直後の2009年1~3月期(前期比-4.8%)を超えるマイナス成長を記録した。政府の緊急事態宣言に伴う外出自粛や欧米の都市封鎖(ロックダウン)などの影響により、個人消費が前期比-8.2%、設備投資が同-1.5%、輸出が同-18.5%と、内外需ともに大幅に減少した。・・・
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2020-08-31
神奈川・地域経済調査
テーマレポート
神奈川県内上場企業の決算集計結果 : 神奈川県内上場企業の2020年4月~6月期決算の集計結果
- 要約
- 1.神奈川県内上場企業115社(製造業70社、非製造業45社)の2020年4~6月期決算(2020年第1四半期、連結ベース)を当社で集計したところ、全産業の売上高は前年比22.2%減の2兆195億円、経常利益は同97.5%減の28億円に落ち込んだ。新型コロナの感染拡大の影響で県内企業の業績は厳しい結果となった。
2.売上高を業種別にみると、製造業は同26.7%減となった。自動車・同部品が新型コロナの影響で国内外の乗用車販売が落ち込んだことや、感染防止のため工場の操業が一時停止したことなどにより、同43.0%減と大きく落ち込んだ。また、一般機械が世界的な設備投資ニーズの冷え込みなどにより同22.8%減となった。一方、非製造業は同17.0%減となった。情報・通信が一部企業のゲーム関連の売上増などにより同17.5%増となったものの、運輸・倉庫(同28.6%減)や小売(同21.3%減)などは緊急事態宣言に伴う外出自粛の影響などで2割を超える減収となった。・・・
- 1.神奈川県内上場企業115社(製造業70社、非製造業45社)の2020年4~6月期決算(2020年第1四半期、連結ベース)を当社で集計したところ、全産業の売上高は前年比22.2%減の2兆195億円、経常利益は同97.5%減の28億円に落ち込んだ。新型コロナの感染拡大の影響で県内企業の業績は厳しい結果となった。
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2020-09-09
マクロ経済・金融市場調査
研究員コラム
わが国経済の見通し : 2020年度・2021年度の景気予測(2020年4~6月期2次QE後改訂)
- 要約
- 9月8日に内閣府が発表した実質GDP(国内総生産)の2次速報値(2次QE)によると、2020年4~6月期の実質GDP成長率は前期比-7.9%と、1次QE時の同-7.8%からわずかに下方修正された(図表1、2)。・・・
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2020-09-10
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : 緩やかな改善が続く神奈川県内製造業の労働生産性
- 要約
- ・2018年工業統計によると、神奈川では事業所数の減少が続き、従業者数も再び減少に転じた。一方、出荷額は前年に比べて伸びが鈍化したものの増勢を維持して、2009年以降で最も高い水準となった。
・経営課題として重要性が高い労働生産性の向上については、1人あたり付加価値額が前年比0.9%の伸びにとどまったものの、2年連続で上昇して、リーマン・ショック前の水準まで回復した。生産性の伸びが鈍化したのは、付加価値率が低下したためである。一方で労働装備率と有形固定資産回転率は前年に比べて改善した。・・・
- ・2018年工業統計によると、神奈川では事業所数の減少が続き、従業者数も再び減少に転じた。一方、出荷額は前年に比べて伸びが鈍化したものの増勢を維持して、2009年以降で最も高い水準となった。
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2020-09-10
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : 2020年・2021年の中国景気の見通し
- 要約
- ・2020年4~6月期の中国の実質GDP(国内総生産)は前年比+3.2%と、前期(同-6.8%)に比べて大幅に改善した。新型コロナの流行が沈静化する中、習近平体制が財政出動や金融緩和策といった景気浮揚策を本格的に展開し始めたことがこの背景にある。
・2020年7月末に開かれた「中国共産党中央政治局会議」では、習体制が2020年後半の経済運営について、中国経済を新型コロナ流行前の成長ペースに復調させるために、「雇用の維持」などに引き続き取り組むとした。また習体制は「内需拡大の戦略」を強調し、「最終消費」の拡大や「新型インフラ建設」にも注力する方針を示した。・・・
- ・2020年4~6月期の中国の実質GDP(国内総生産)は前年比+3.2%と、前期(同-6.8%)に比べて大幅に改善した。新型コロナの流行が沈静化する中、習近平体制が財政出動や金融緩和策といった景気浮揚策を本格的に展開し始めたことがこの背景にある。
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2020-09-10
産業動向調査
マーケット情報
外食需要動向 : 外食需要動向(2020年7月)
- 要約
- ・2020年7月の1世帯あたり実質外食支出金額は、全国、関東地方とも3か月連続で前月の水準を上回ったものの、7月は6月に比べて小幅な増加に留まり、回復のペースは鈍い。
・7月の外食産業売上高(名目値)は前年同月比15.0%減と、6月の同21.9%減に比べて減収率が6.9ポイント縮小した。
・外食チェーンの客足の戻りはオフィス街や繁華街で鈍く、住宅地や郊外で先行しているようだ。背景には、コロナ禍によるリモートワークの活用や、宴会や会食の自粛の継続などがあるとみられる。
- ・2020年7月の1世帯あたり実質外食支出金額は、全国、関東地方とも3か月連続で前月の水準を上回ったものの、7月は6月に比べて小幅な増加に留まり、回復のペースは鈍い。
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2020-09-14
マクロ経済・金融市場調査
景気観測
Economic View(マクロ) : No.30「働き方改革」の効果に関する実証分析
- 要約
- わが国では、2016年以降、働き方改革関連法(残業時間の上限規制、有給休暇の年5日取得義務化など)の施行が視野に入る中で、働き方改革という言葉が広く普及し、労働時間を抑制する取り組みが進められてきた。本稿では、慶應義塾大学が作成している「日本家計パネル調査(KHPS/JHPS)」を用いて、働き方改革関連法施行に向けた取り組みの効果を検証した。分析の主要な結論は以下の通りである(図表)。・・・
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2020-09-15
神奈川・地域経済調査
テーマレポート
企業経営予測調査 : 企業経営予測調査(2020年9月調査)
- 要約
- 神奈川県内中堅・中小企業の2020年9月末時点における業況判断D.I.(全産業ベース、業況が「良い」-「悪い」、回答社数構成比、%)は▲47と前回6月調査から14ポイント上昇した。前回6月調査では3か月間の低下幅がデータが確認できる1989年以降で最大の36ポイントの低下となったことに比べると、戻り幅は小幅にとどまった。・・・
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2020-09-24
マクロ経済・金融市場調査
景気観測
Economic View(マクロ) : No.31 2020年・2021年の中国景気の見通し(2020年8月改訂)
- 要約
- 2020年4~6月期の中国の実質GDP(国内総生産)は前年比+3.2%と、前期(同-6.8%)に比べて大幅に改善した。新型コロナの流行が沈静化する中、習近平体制が財政出動や金融緩和策といった景気浮揚策を本格的に展開し始めたことがこの背景にある。また7月以降の月次指標も、景気回復が続いていることを示唆している。・・・
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2020-09-24
マクロ経済・金融市場調査
研究員コラム
中国経済の見通し : 2020年・2021年の中国景気の見通し(2020年8月改訂)
- 要約
- 2020年4~6月期の中国の実質GDP(国内総生産)は前年比+3.2%と、前期(同-6.8%)に比べて大幅に改善した。新型コロナの流行が沈静化する中、習近平体制が財政出動や金融緩和策といった景気浮揚策を本格的に展開し始めたことがこの背景にある。また7月以降の月次指標も、景気回復が続いていることを示唆している。・・・
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2020-10-02
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
日銀短観 : 日銀短観(2020年9月調査)
- 要約
- ・新型コロナの影響による経済活動の制限が緩和され、業況判断DIは上昇に転じたが、上昇幅は小幅。
・その一方、2020年度の収益計画と設備投資計画は製造業・非製造業ともに一段と下方修正された。
・雇用人員判断DIはほぼ横ばいで推移。雇用環境の改善の遅れが、国内需要回復の重荷に。
- ・新型コロナの影響による経済活動の制限が緩和され、業況判断DIは上昇に転じたが、上昇幅は小幅。
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2020-10-08
神奈川・地域経済調査
マーケット情報
かながわ経済情報 : 神奈川県「短観」2020年9月調査 底這いとなった県内企業の業況判断DI
- 要約
- ・業況判断DI(「良い」-「悪い」・%ポイント、全産業)は▼30の大幅な「悪い」超。6月調査(▼29)から1p(ポイント)の低下(悪化)と底を這う動きとなり、県内企業の景況感の沈滞が明らかに。
・20年度の売上計画(全産業)は6月調査から3.1%下方修正され前年比-4.5%。19年度(同-2.1%)に続き減収の見込み。経常利益計画も6月調査から6.6%の下方修正、前年比約2割(-20.4%)の減益。
・20年度の設備投資計画は、前年比8.8%のマイナス。9月調査時点における計画値としては、17年度の同-1.2%を大きく下回るなど、県内企業の設備投資に対する慎重な姿勢が明りょうに。
・生産・営業設用設備判断DI(「過剰」-「不足」・%ポイント、全産業)は+7。6月調査(+8)比で+1pとわずかに「過剰」超幅が縮小。雇用人員判断DI(「過剰」-「不足」・%ポイント、全産業)も、前回調査の▼7から今回▼10へと、3p「不足」超幅が拡大。
- ・業況判断DI(「良い」-「悪い」・%ポイント、全産業)は▼30の大幅な「悪い」超。6月調査(▼29)から1p(ポイント)の低下(悪化)と底を這う動きとなり、県内企業の景況感の沈滞が明らかに。
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2020-10-12
神奈川・地域経済調査
テーマレポート
企業経営予測調査 : 企業経営予測調査(2020年9月特別)
- 要約
- 【来春の新卒採用の計画人数は増加の見通しだが、採用抑制の動きもみられる】
神奈川県内中堅・中小企業の2021年春の新卒採用は、今春(2020年)の新卒採用人数に対して8.7%増となる計画(全産業ベース)であるものの、昨年調査(23.9%増)に比べて伸び率は大幅に鈍化する見通し。また、採用予定なしとする企業の割合も50.1%と過半を占める。加えて、採用予定はあるものの予定人数は「減少」とする企業の割合も14.0%に上昇(昨年調査比1.1ポイント上昇)した。
【新卒採用の人数が確保できなくとも、対応策を取らない企業の割合が増加】
採用予定人数の確保の見通しについては、「確保できない」とする企業の割合が32.7%と低下(昨年調査44.1%)し、「ほぼ確保できる」とする企業の割合が56.4%に上昇(昨年調査45.8%)した。また、新卒採用以外の方法で、必要な雇用人員を確保するための対応策については、「中途採用の実施」が過半を占める。しかし、その割合は低下しており、「特に対応せず」とする割合が上昇した。
【今冬のボーナスでは支給総額を増加する企業の割合はさらに低下する】
今冬のボーナス支給の状況について、「支給する」企業の割合が昨年冬の86.1%から73.2%に低下する見込みとなっている。その中でも支給総額を「増加」すると回答した企業の割合は8.4%と昨年調査の12.9%からさらに低下した。他方、支給について「未定」とする企業の割合が20.5%となり、昨年調査の8.7%から大きく上昇した。
- 【来春の新卒採用の計画人数は増加の見通しだが、採用抑制の動きもみられる】
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2020-10-12
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : 7~9月期以降、持ち直しへ転じた日本経済
- 要約
- ・日本経済は2020年4~6月期を底に、最悪期を脱しつつある。日銀『短観(2020年9月調査、全国)』によると、企業の景況感は製造業、非製造業ともに小幅ながらも改善した。実体面においても6月以降は輸出が中国や米国向けを中心に底打ちし、個人消費も財(商品)への支出がコロナショック前の水準を上回るなど持ち直しへ向かっている。ただ、個人消費は「新しい生活様式」の下で、外食やレジャー消費の動きが弱く、サービス消費の戻りが鈍い。
・一方、企業収益の悪化を受けて、設備投資は7月以降も低調な状態が続いている。また、雇用情勢の悪化が続いていることも、個人消費回復の重荷となっている。日本経済の回復の持続性には不安が残る状況といえよう。
- ・日本経済は2020年4~6月期を底に、最悪期を脱しつつある。日銀『短観(2020年9月調査、全国)』によると、企業の景況感は製造業、非製造業ともに小幅ながらも改善した。実体面においても6月以降は輸出が中国や米国向けを中心に底打ちし、個人消費も財(商品)への支出がコロナショック前の水準を上回るなど持ち直しへ向かっている。ただ、個人消費は「新しい生活様式」の下で、外食やレジャー消費の動きが弱く、サービス消費の戻りが鈍い。
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2020-10-12
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : 県内企業の景況感は改善が小幅にとどまる
- 要約
- ・浜銀総研「企業経営予測調査」の2020年9月調査では、県内企業の景況感が前回6月調査から改善した。緊急事態宣言の解除などを受けて小売や飲食店・宿泊などで景況感が改善した。ただし、前回調査で大幅に景況感が悪化したことに比べると改善幅は小幅にとどまっている。また、先行きに対する企業の見方は厳しく、コロナ禍の影響から回復を予想する時期は前回調査に比べて遅くなっている。
・日銀横浜支店『短観(神奈川県分)』の9月調査では、県内企業の業績計画が前回6月調査の計画から一段と下方修正された。足元のコロナの感染状況を踏まえると、今後さらに実績が下振れする可能性がある。
・県内各地の人出は横浜駅周辺などで緊急事態宣言後に急速に回復したものの、夏場以降は前年水準を下回る推移となっている。横浜中華街駅周辺などの観光地ではさらに弱い動きになっている。ただし、9月中旬の連休中には人出が回復する動きもみられた。今後の回復に期待したい。
- ・浜銀総研「企業経営予測調査」の2020年9月調査では、県内企業の景況感が前回6月調査から改善した。緊急事態宣言の解除などを受けて小売や飲食店・宿泊などで景況感が改善した。ただし、前回調査で大幅に景況感が悪化したことに比べると改善幅は小幅にとどまっている。また、先行きに対する企業の見方は厳しく、コロナ禍の影響から回復を予想する時期は前回調査に比べて遅くなっている。
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2020-10-14
産業動向調査
マーケット情報
外食需要動向 : 外食需要動向(2020年8月)
- 要約
- ・2020年8月の1世帯あたり実質外食支出金額は全国で前月比1.9%減(前年同月比36.5%減)、関東地方は前月比5.3%増(前年同月比36.5%減)となり、4~5月の底からの急な戻りは一服した。
・8月の外食産業の売上高(名目値)は前年同月比16.0%減、客数は同18.4%減となった。6月以降の減少率が急速に縮小する動きが止まった。
・特に、8月は居酒屋業態で客数の再度の落ち込みが鮮明となった。東京都などの営業時間短縮の再要請や、急速な業績悪化に伴う不採算店舗の閉鎖や統合などが影響したと考えられる。
- ・2020年8月の1世帯あたり実質外食支出金額は全国で前月比1.9%減(前年同月比36.5%減)、関東地方は前月比5.3%増(前年同月比36.5%減)となり、4~5月の底からの急な戻りは一服した。
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2020-11-12
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : コロナ・ショックで産業・企業の変化が加速する
- 要約
- ・新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による外出等の自粛や諸外国における都市封鎖に起因する経済活動の停滞(以下「コロナ禍」と総称する)は、長期的な視点でも経済活動の転換点になった可能性がある。
・コロナ禍は、それ以前から減速懸念が出ていたわが国経済に対して、ショックとも呼べる経済の急停止を招いた。このような有事においては、平時には想定できない劇的な変化が生じることがある。今回の場合は、電子マネー/キャッシュレス決済やリモートワークなど、利便性が認識されながらも、普及が進んでこなかった行動様式や製品・サービスなどが、半ば強制される形で利用され、普及した。・・・
- ・新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による外出等の自粛や諸外国における都市封鎖に起因する経済活動の停滞(以下「コロナ禍」と総称する)は、長期的な視点でも経済活動の転換点になった可能性がある。
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2020-11-12
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : コロナ禍とCASEで変わる自動車・同部品業界
- 要約
- ・自動車・自動車部品業界は、C(コネクティッド)、A(Autonomous=自動運転)、S(シェアリング)、E(電動化)の4つの頭文字をとって「CASE」と呼ばれる100年に一度の変革期の只中にある。CASEは、駆動方式が変わるだけでなく、ネットワーク化や自動運転により、利用の仕方そのものを大きく変える可能性を持っている。
・こうした変革期にコロナ禍が生じたことで、CASEによる変化がさらに加速する可能性がある。例えば、コロナ禍によって、都市部の公共交通機関の過密状態が見直される可能性がある中、CASEは都市部のモビリティを再設計するアイデアを提供している。・・・
- ・自動車・自動車部品業界は、C(コネクティッド)、A(Autonomous=自動運転)、S(シェアリング)、E(電動化)の4つの頭文字をとって「CASE」と呼ばれる100年に一度の変革期の只中にある。CASEは、駆動方式が変わるだけでなく、ネットワーク化や自動運転により、利用の仕方そのものを大きく変える可能性を持っている。
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2020-11-13
産業動向調査
マーケット情報
外食需要動向 : 外食需要動向(2020年9月)
- 要約
- ・2020年9月の1世帯あたり実質外食支出金額は全国が前月比12.3%増(前年同月比23.4%減)、関東地方が前月比12.1%増(前年同月比23.7%減)となった。全国、関東地方とも、8月に比べて大きく伸長したものの、実質外食支出金額の水準は前年同月の75%強に留まった。
・9月の外食産業売上高(名目値)は前年同月比14.0%減となった。減収率は7月以降ほぼ横ばいであり、外食産業売上高はWithコロナに於ける常態的な水準を試す過程に入ったとみることも出来よう。
・ディナーレストランやファミリーレストランではGo To トラベルや四連休などの影響で客数回復の増勢が強まったが、他方、居酒屋では店舗数の純減が進んだ。
- ・2020年9月の1世帯あたり実質外食支出金額は全国が前月比12.3%増(前年同月比23.4%減)、関東地方が前月比12.1%増(前年同月比23.7%減)となった。全国、関東地方とも、8月に比べて大きく伸長したものの、実質外食支出金額の水準は前年同月の75%強に留まった。
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2020-11-17
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
GDP速報 : GDP速報(2020年7~9月)
- 要約
- ・7~9月期の実質GDP成長率は前期比+5.0%、前期比年率換算では+21.4%と大幅なプラス成長に転じた。内訳をみると、前期に激減した輸出や個人消費が大きく伸びた。世界的に経済活動が再開され外出自粛が緩和したことなどが、国内外の需要の回復につながった。ただし、実質GDPはコロナショック前の2019年10~12月期の水準を依然として大きく下回っている。他方、企業の設備投資や雇用の動きは引き続き鈍く、景気の回復には依然として弱さが残っている。
・10~12月期には、①景気の底打ちを受けて設備投資がようやく下げ止まるとみられる。ただ、②欧米の新型コロナウイルス感染再拡大による世界経済の回復ペースの鈍化が輸出の重荷になること、③特別定額給付金など各種経済対策の効果の弱まりや繰り延べ需要の一巡によって個人消費が大幅に減速することから、実質GDP成長率は2期連続のプラス成長となるものの、その増勢は大きく鈍化しよう。
- ・7~9月期の実質GDP成長率は前期比+5.0%、前期比年率換算では+21.4%と大幅なプラス成長に転じた。内訳をみると、前期に激減した輸出や個人消費が大きく伸びた。世界的に経済活動が再開され外出自粛が緩和したことなどが、国内外の需要の回復につながった。ただし、実質GDPはコロナショック前の2019年10~12月期の水準を依然として大きく下回っている。他方、企業の設備投資や雇用の動きは引き続き鈍く、景気の回復には依然として弱さが残っている。
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2020-11-19
神奈川・地域経済調査
景気観測
Economic View(神奈川・地域) : No.32 神奈川県民の在宅勤務可能性を探る
- 要約
- 新型コロナウイルスの感染が拡大する中、感染拡大防止のために多くの企業で在宅勤務の導入が進んだ。本稿では、小寺(2020)に基づき、神奈川県及び県内各地域においてどの程度の就業者が在宅勤務可能(実際に在宅勤務をしたのかではなく、仕事の特性などから考えて実施しようと思えば在宅勤務が可能)であるのかを検証した。・・・
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2020-11-20
マクロ経済・金融市場調査
研究員コラム
わが国経済の見通し : 2020年度・2021年度の景気予測(2020年11月改訂)
- 要約
- 2020年7~9月期の実質GDP(国内総生産)は前期比+5.0%(同年率+21.4%)と大幅なプラス成長に転じた。世界的な経済活動の再開を受けて輸出が前期比+7.0%と大幅に増加した。また個人消費も、特別定額給付金の効果や緊急事態宣言の解除に伴う繰り延べ需要(ペントアップ・ディマンド)の顕在化などによって、同+4.7%と大きく増加した。一方、企業の設備投資は回復が遅れており、同-3.4%と2四半期連続の減少となった。・・・
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2020-11-20
マクロ経済・金融市場調査
景気観測
Economic View(マクロ) : No.33 2020年度・2021年度の景気予測(2020年11月改訂)
- 要約
- 2020年7~9月期の実質GDP(国内総生産)は前期比+5.0%(同年率+21.4%)と大幅なプラス成長に転じた。世界的な経済活動の再開を受けて輸出が前期比+7.0%と大幅に増加した。また個人消費も、特別定額給付金の効果や緊急事態宣言の解除に伴う繰り延べ需要(ペントアップ・ディマンド)の顕在化などによって、同+4.7%と大きく増加した。一方、企業の設備投資は回復が遅れており、同-3.4%と2四半期連続の減少となった。・・・
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2020-11-24
神奈川・地域経済調査
研究員コラム
県民ボーナスの見通し : 2020年冬の県民ボーナスの見通し
- 要約
- ・民間企業に勤める神奈川県民1人あたりの今冬のボーナスは、企業業績の急速な悪化などを反映して前年比8.1%減の43.9万円になると予測した。また、雇用者数と支給対象者割合もともに前年を下回ることから、民間のボーナス総支給額は同14.6%減になる見込みである。
・公務員の1人あたり支給額は、2020年10月の神奈川県人事委員会の給与勧告において今冬の期末・勤勉手当の支給月数が0.075か月引き下げられたことなどから、前年比3.2%減を見込む。民間と公務員とを合わせた官民計の1人あたり支給額は同7.1%減、官民計の支給総額は同13.3%減になる見通しである。・・・
- ・民間企業に勤める神奈川県民1人あたりの今冬のボーナスは、企業業績の急速な悪化などを反映して前年比8.1%減の43.9万円になると予測した。また、雇用者数と支給対象者割合もともに前年を下回ることから、民間のボーナス総支給額は同14.6%減になる見込みである。
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2020-12-10
マクロ経済・金融市場調査
景気観測
Economic View(マクロ) : No.34 2021年のドル・円レートの展望
- 要約
- ・2020年のドル・円レートを振り返ると、世界的な新型コロナの感染拡大を受けて、3月上旬にはリスクオフの円買いで一時1ドル=101円台まで円が急上昇した後、中旬には基軸通貨としてのドル買いが入り、一気に111円台までドルが反発するなど乱高下した。その後はFRBが長期に渡って緩和的な金融政策を続ける方針を明確に示したことや、10月ごろから米国で新型コロナの感染再拡大が懸念されたことなどから、緩やかに円高・ドル安が進む展開となった。この結果、2020年のドル・円レートの年間変動幅は約11円と、過去最少の2019年(約8円)より拡大したものの、2000年以降の年間変動幅の平均値(約15円)に比べれば小幅な変動となった。・・・
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2020-12-10
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : 神奈川県民の在宅勤務可能性を探る
- 要約
- ・新型コロナウイルスの感染が拡大する中、感染拡大防止のために多くの企業で在宅勤務の導入が進んだ。本稿では、小寺(2020)に基づき、神奈川県及び県内各地域においてどの程度の就業者が在宅勤務可能(実際に在宅勤務をしたのかではなく、仕事の特性などから考えて実施しようと思えば在宅勤務が可能)であるのかを検証した。・・・
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2020-12-10
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : 在宅勤務の拡大と雇用情勢、労働時間への影響
- 要約
- ・内閣府「V-RESAS」を用いて、緊急事態宣言発出以降の神奈川県内の職種別求人情報数をみると、在宅勤務がしにくい職種ほど求人数の落ち込みが大きく、こうした職種の労働需要が極めて弱くなっていることが分かる。コロナ禍では、在宅勤務がしにくい職種に就く就業者ほど高い失業リスクに晒されている可能性がある。トピックス(1)で示した地域別の在宅勤務可能割合も併せて考えると、新型コロナが再び猛威を振るえば、県東部に比べて県西部の方が雇用情勢の悪化傾向が強く出る恐れがある。・・・
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2020-12-10
マクロ経済・金融市場調査
研究員コラム
わが国経済の見通し : 2020年度・2021年度の景気予測(2020年7~9月期2次QE後改訂)
- 要約
- 12月8日に内閣府が発表した実質GDP(国内総生産)の2次速報値(2次QE)は、前期比+5.3%と、1次QE(同+5.0%)から上方修正された(図表1、2)。・・・
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2020-12-11
神奈川・地域経済調査
テーマレポート
企業経営予測調査 : 企業経営予測調査(2020年12月調査)
- 要約
- 神奈川県内中堅・中小企業の2020年12月末時点における業況判断D.I.(全産業ベース、業況が「良い」-「悪い」、回答社数構成比、%)は▲38と前回9月調査から8ポイント上昇した。前回9月調査では6月調査に比べ15ポイントの上昇であったが、直近3か月の戻り幅はさらに小幅にとどまった。・・・
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2020-12-14
産業動向調査
マーケット情報
外食需要動向 : 外食需要動向(2020年10月)
- 要約
- ・2020年10月の1世帯あたり実質外食支出金額は全国が前月比14.8%増(前年同月比4.2%減)、関東地方が前月比16.6%増(同7.0%減)と、前月比で高い伸びとなった。10月から始まった「Go To イート」が家計の外食需要を喚起したとみられる。
・10月の外食産業売上高(名目値)も前年同月比5.7%減と、減収率が9月(同14.0%減)から縮小した。Go Toキャンペーンによって外食産業売上高も回復の動きが強まった。
・業態別では、ファストフードの売上高が前年同月の水準を回復した一方、ファミリーレストランの売上高は戻りが遅れるなど、回復感には引き続き、業態による大きな差がみられる。
- ・2020年10月の1世帯あたり実質外食支出金額は全国が前月比14.8%増(前年同月比4.2%減)、関東地方が前月比16.6%増(同7.0%減)と、前月比で高い伸びとなった。10月から始まった「Go To イート」が家計の外食需要を喚起したとみられる。
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2020-12-15
神奈川・地域経済調査
テーマレポート
神奈川県内上場企業の決算集計結果 : 神奈川県内上場企業の2020年7月~9月期決算の集計結果
- 要約
- 1.神奈川県内上場企業119社(製造業73社、非製造業46社)の2020年7~9月期決算(2021年3月期第2四半期、連結ベース)を当社で集計したところ、全産業の売上高は前年比15.4%減の2兆3,661億円、経常利益は同37.9%減の972億円となった。緊急事態宣言の発出などの影響で業績が大きく落ち込んだ4~6月期に比べると、減収率、減益率ともに縮小したものの、県内企業の業績は厳しい状況が続いている。
2.売上高を業種別にみると、製造業は同20.4%減となった。電気機械が半導体関連の需要増などにより同3.9%減と減収率が縮小したものの、自動車・同部品が乗用車や商用車などの販売低迷により同38.9%減と、4~6月期(同43.0%減)に続いて大幅な落ち込みとなった。一方、非製造業は同9.2%減となった。情報・通信が一部企業のゲーム関連の売上増などにより同4.7%増となったものの、運輸・倉庫が外出の手控えやテレワーク普及の影響などにより、同22.2%減と2割を超える減収となった。・・・
- 1.神奈川県内上場企業119社(製造業73社、非製造業46社)の2020年7~9月期決算(2021年3月期第2四半期、連結ベース)を当社で集計したところ、全産業の売上高は前年比15.4%減の2兆3,661億円、経常利益は同37.9%減の972億円となった。緊急事態宣言の発出などの影響で業績が大きく落ち込んだ4~6月期に比べると、減収率、減益率ともに縮小したものの、県内企業の業績は厳しい状況が続いている。
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2020-12-17
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
日銀短観 : 日銀短観(2020年12月調査)
- 要約
- ・業況判断DIは製造業、非製造業ともに2期連続で改善。ただ、先行きのDIは非製造業で悪化。
・2020年度の収益計画は大幅な減収減益見通しが続き、同年度の設備投資計画は一段と下方修正。
・新型コロナウイルスの感染再拡大により、先行きの国内外の需給判断は慎重な見方が根強い。
- ・業況判断DIは製造業、非製造業ともに2期連続で改善。ただ、先行きのDIは非製造業で悪化。
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2021-01-14
マクロ経済・金融市場調査
景気観測
Economic View(マクロ) : No.35「新卒採用の2021年問題」は本当に起こるのか?
- 要約
- 新型コロナによる企業業績の悪化で、新卒採用を巡る状況にも大きな変化が生じている。こうした状況下、本稿では、当社が2019年2月に指摘した「新卒採用の2021年問題」が今後本当に起こりうるのかを検討する。この新卒採用の2021年問題とは、大学を卒業し、新たに企業で働き始める者(いわゆる新卒)の人口が2022年以降減少トレンドに入るため、2022年4月に入社する新卒の採用時期である2021年頃から採用内定者の確保が徐々に難しくなるという問題である。・・・
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2021-01-15
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : 2021年のわが国経済と金融の見通し
- 要約
- ・2020年7~9月期の日本の実質GDP(国内総生産)は前期比5.3%増と、大幅なプラス成長に転じた。世界的な経済活動の再開や経済対策を受けて、輸出や個人消費が大幅に増加した。ただ、日本経済全体ではこのように持ち直しつつあるものの、新型コロナの感染拡大の影響が業種によって大きく異なるため、回復のペースも業種によってばらつきが見られる。特に飲食や宿泊などの生活娯楽関連サービス業の回復が鈍い。・・・
- ・2020年7~9月期の日本の実質GDP(国内総生産)は前期比5.3%増と、大幅なプラス成長に転じた。世界的な経済活動の再開や経済対策を受けて、輸出や個人消費が大幅に増加した。ただ、日本経済全体ではこのように持ち直しつつあるものの、新型コロナの感染拡大の影響が業種によって大きく異なるため、回復のペースも業種によってばらつきが見られる。特に飲食や宿泊などの生活娯楽関連サービス業の回復が鈍い。・・・
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2021-01-15
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : 2021年度の神奈川県内景気の見通し
- 要約
- ・2020年の神奈川県内景気は新型コロナの影響で大きく落ち込んだ。個人消費は緊急事態宣言が発出された4~5月にかけて大きく落ち込み、その後の回復は鈍いものとなった。輸出は欧米諸国の都市封鎖の影響などで春先に大幅に減少したものの、夏場以降は中国景気の回復などを受けて上向きの動きが現れた。設備投資は企業の投資判断が慎重化したことから弱い動きとなった。経済活動の停滞により、雇用・所得情勢は悪化した。・・・
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2021-01-19
産業動向調査
マーケット情報
外食需要動向 : 外食需要動向(2020年11月)
- 要約
- ・2020年11月の1世帯あたり実質外食支出金額は全国が前月比3.1%減(前年同月比15.0%減)、関東地方が前月比0.3%増(前年同月比15.5%減)と、ともに伸び悩み、10月までの回復傾向にブレーキがかかった。
・11月の外食産業売上高(名目値)も前年同月比7.8%減と、減収率は10月から拡大(悪化)した。
・業態別では、パブ・居酒屋の売上高の落ち込みが大きい。店舗数の純減に加えて、一部の自治体から酒類を提供する飲食店等に対して営業時間の短縮が要請された影響も大きかったとみられる。
- ・2020年11月の1世帯あたり実質外食支出金額は全国が前月比3.1%減(前年同月比15.0%減)、関東地方が前月比0.3%増(前年同月比15.5%減)と、ともに伸び悩み、10月までの回復傾向にブレーキがかかった。
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2021-01-27
神奈川・地域経済調査
研究員コラム
神奈川県内経済見通し : 2021年度の神奈川県内経済見通し
- 要約
- 1.2020年後半の神奈川県経済は昨年5月の緊急事態宣言の解除を受けて回復の動きを示したものの、コロナの感染が再び拡大したことから足元で回復の動きが弱まっている。統計データが公表されている昨年11月頃までの経済指標をみると、個人消費にはGOTOトラベルなどの政策効果により持ち直しの動きが現れた。企業部門では、コロナの感染が先行して収束した中国向け輸出が回復基調をたどり、夏場以降は米国やアジア向け輸出にも上向きの動きが現れた。一方、設備投資については、コロナの感染に収束の見通しが立たず、景気の先行き不透明感が強まるなかで投資計画の先送りが広がった。また、経済活動が制約されるなかで、雇用情勢は厳しい状況が続き、所得情勢は悪化した。現時点では統計データが公表されていないため確認できないものの、年末が近づくにつれてコロナの感染者が急増したことから、消費は再び弱い動きになっているとみられ、企業の投資判断は一段と慎重化していると考えられる。・・・
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2021-01-27
神奈川・地域経済調査
景気観測
Economic View(神奈川・地域) : No.36 2021年度の神奈川県内経済見通し
- 要約
- 1.2020年後半の神奈川県経済は昨年5月の緊急事態宣言の解除を受けて回復の動きを示したものの、コロナの感染が再び拡大したことから足元で回復の動きが弱まっている。統計データが公表されている昨年11月頃までの経済指標をみると、個人消費にはGOTOトラベルなどの政策効果により持ち直しの動きが現れた。企業部門では、コロナの感染が先行して収束した中国向け輸出が回復基調をたどり、夏場以降は米国やアジア向け輸出にも上向きの動きが現れた。一方、設備投資については、コロナの感染に収束の見通しが立たず、景気の先行き不透明感が強まるなかで投資計画の先送りが広がった。また、経済活動が制約されるなかで、雇用情勢は厳しい状況が続き、所得情勢は悪化した。現時点では統計データが公表されていないため確認できないものの、年末が近づくにつれてコロナの感染者が急増したことから、消費は再び弱い動きになっているとみられ、企業の投資判断は一段と慎重化していると考えられる。・・・
- 1.2020年後半の神奈川県経済は昨年5月の緊急事態宣言の解除を受けて回復の動きを示したものの、コロナの感染が再び拡大したことから足元で回復の動きが弱まっている。統計データが公表されている昨年11月頃までの経済指標をみると、個人消費にはGOTOトラベルなどの政策効果により持ち直しの動きが現れた。企業部門では、コロナの感染が先行して収束した中国向け輸出が回復基調をたどり、夏場以降は米国やアジア向け輸出にも上向きの動きが現れた。一方、設備投資については、コロナの感染に収束の見通しが立たず、景気の先行き不透明感が強まるなかで投資計画の先送りが広がった。また、経済活動が制約されるなかで、雇用情勢は厳しい状況が続き、所得情勢は悪化した。現時点では統計データが公表されていないため確認できないものの、年末が近づくにつれてコロナの感染者が急増したことから、消費は再び弱い動きになっているとみられ、企業の投資判断は一段と慎重化していると考えられる。・・・
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2021-02-09
産業動向調査
マーケット情報
外食需要動向 : 外食需要動向(2020年12月)
- 要約
- ・2020年12月の1世帯あたり実質外食支出金額は全国が前月比18.6%減(前年同月比31.4%減)、関東地方が前月比13.8%減(前年同月比22.8%減)と急減した。
・12月の外食産業売上高(名目値)も前年同月比15.5%減と、減収幅が大きく拡大(悪化)した。
・業態別売上高では、パブ・居酒屋(前年同月比60.9%減)とディナーレストラン(同41.9%減)の落ち込みが大きい。顧客の外出自粛の強まりに加えて、一部の地域では自治体からの要請による営業時間の短縮がおこなわれた影響が大きかったとみられる。
- ・2020年12月の1世帯あたり実質外食支出金額は全国が前月比18.6%減(前年同月比31.4%減)、関東地方が前月比13.8%減(前年同月比22.8%減)と急減した。
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2021-02-10
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : 2021年度介護報酬改定の注目ポイント
- 要約
- ・2021年度は3年に1度の介護報酬改定の年であり、4月より新たな報酬が適用される。報酬全体の増減率である改定率は+0.70%で、前回改定(2018年度)の+0.54%を上回り、2回連続のプラス改定となった。・・・
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2021-02-10
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : 神奈川県内の中小企業におけるDX成功事例
- 要約
- ・新型コロナウイルス感染症の流行を契機に、生活や仕事のあらゆる場面でデジタル技術の活用が意識されるようになった。大手企業では従来からあったDX(デジタル・トランスフォーメーション:デジタル技術を活用して、組織やビジネスモデルの変革を行うこと)の動きが加速し、行政でもデジタル庁の設置が計画されている。コロナ禍を契機としたDXの取り組みは、今後ますます本格化していく。これまでデジタル技術の導入に消極的であった中小企業も、いよいよDXに取り組む必要が出てきた。・・・
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2021-02-16
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
GDP速報 : GDP速報(2020年10~12月)
- 要約
- ・2020年10~12月期の実質GDP成長率は前期比+3.0%と、7~9月期(同+5.3%)からは減速したものの比較的高めの成長率を維持した。需要項目別にみると、中国など海外経済の回復継続を背景に輸出が同+11.1%と大きく増加した。また、7~9月期に企業収益が最悪期を脱したことなどから、設備投資も同+4.5%と底打ちした。個人消費は、特別定額給付金の効果の一巡や新型コロナの感染再拡大の影響により同+2.2%と減速した。
・2021年1~3月期の実質GDP成長率は前期比マイナスとなる公算が大きい。まず、国内では緊急事態宣言が再び発出されたことにより外出自粛などが強化され、個人消費が落ち込むと予想される。また、設備投資も、緊急事態宣言の影響を強く受ける非製造業を中心に回復が足踏みする可能性があるほか、輸出も欧州経済の失速などによりやや減速すると考えられる。1月に成立した第3次補正予算の効果が本格化するのは4~6月期以降とみられるため、1~3月期の景気を押し上げる力は限定的であろう。
- ・2020年10~12月期の実質GDP成長率は前期比+3.0%と、7~9月期(同+5.3%)からは減速したものの比較的高めの成長率を維持した。需要項目別にみると、中国など海外経済の回復継続を背景に輸出が同+11.1%と大きく増加した。また、7~9月期に企業収益が最悪期を脱したことなどから、設備投資も同+4.5%と底打ちした。個人消費は、特別定額給付金の効果の一巡や新型コロナの感染再拡大の影響により同+2.2%と減速した。
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2021-02-22
マクロ経済・金融市場調査
研究員コラム
わが国経済の見通し : 2021年度・2022年度の景気予測(2021年2月改訂)
- 要約
- 2020年10~12月期の実質GDP(国内総生産)は前期比+3.0%と、2四半期連続のプラス成長となった。内訳をみると、輸出が同+11.1%と増勢を強め、景気をけん引した。また、個人消費は同+2.2%と減速したものの、2期連続で増加。さらに設備投資は同+4.5%と3期ぶりに増加した。・・・
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2021-02-22
マクロ経済・金融市場調査
景気観測
Economic View(マクロ) : No.37 2021年度・2022年度の景気予測(2021年2月改訂)
- 要約
- 2020年10~12月期の実質GDP(国内総生産)は前期比+3.0%と、2四半期連続のプラス成長となった。内訳をみると、輸出が同+11.1%と増勢を強め、景気をけん引した。また、個人消費は同+2.2%と減速したものの、2期連続で増加。さらに設備投資は同+4.5%と3期ぶりに増加した。・・・
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2021-02-26
神奈川・地域経済調査
テーマレポート
神奈川県内上場企業の決算集計結果 : 神奈川県内上場企業の2020年10月~12月期決算の集計結果
- 要約
- 1.神奈川県内上場企業120社(製造業72社、非製造業48社)の2020年10~12月期決算(2021年3月期第3四半期、連結ベース)を当社で集計したところ、全産業の売上高は前年比4.4%減の2兆6,599億円、経常利益は同2.9%減の1,509億円となった。なお、業績変動の大きなプラント建設を除くベースでは、売上高が同3.8%減の2兆4,186億円、経常利益が同7.5%増の1,388億円となった。前年比の比較対象となる19年10~12月期は消費増税後の反動減が業績を下押ししていたため、今期は増加率が高めに出やすくなっていたことに注意が必要であるものの、プラント建設を除くベースの経常利益が前年水準を上回るのは19年1~3月期(同5.0%増)以来、7四半期ぶりである。緊急事態宣言発出などの影響で業績が大きく落ち込んだ昨年4~6月期を底として、県内企業の業績の回復が進んでいる様子がうかがえる。・・・
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2021-03-10
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : 対応が迫られる「新卒採用の2021年問題」
- 要約
- ・本稿では、新型コロナの影響を踏まえ、当社が2019年2月に指摘した「新卒採用の2021年問題」が今後本当に起こりうるのかを改めて検討する。新卒採用の2021年問題とは、大学を卒業し、新たに企業で働き始める者(いわゆる新卒)の人口が2022年以降減少トレンドに入るため、2022年4月に入社する新卒の採用時期である2021年頃から採用内定者の確保が難しくなるという問題である。・・・
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2021-03-10
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : 東京圏における新卒採用の考察
- 要約
- ・2000年以降、東京圏(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)の大学を卒業し、東京圏に残って就業する者が増加した。これは卒業後に地元に戻って就職をするUターンを志向する学生が減ったためである。この点から東京圏の企業は非東京圏の企業に比べ新卒を確保しやすかったと考えられる。・・・
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2021-03-10
マクロ経済・金融市場調査
研究員コラム
わが国経済の見通し : 2021年度・2022年度の景気予測(2020年10~12月期2次QE後改訂)
- 要約
- 3月9日に内閣府より発表された実質GDP(国内総生産)の2次速報値(2次QE)は、前期比+2.8%と1次QE(同+3.0%)から若干の下方修正となった(図表1、2)。
今回の修正は、3月2日に財務省より発表された「法人企業統計」などを受けて、在庫投資が前期比寄与度-0.6%と1次QE(同-0.4%)から下方修正されたことが主因であり、2020年10~12月期までの日本経済が持ち直し基調にあったとの見方を大きく変える結果ではない。他の需要項目では、設備投資が前期比+4.3%と1次QE(同+4.5%)からやや下方修正された。また、住宅投資も同+0.0%と1次QE(同+0.1%)に比べ若干の下方修正となった。・・・
- 3月9日に内閣府より発表された実質GDP(国内総生産)の2次速報値(2次QE)は、前期比+2.8%と1次QE(同+3.0%)から若干の下方修正となった(図表1、2)。
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2021-03-15
産業動向調査
マーケット情報
外食需要動向 : 外食需要動向(2021年1月)
- 要約
- ・2021年1月の1世帯あたり実質外食支出金額は全国が前月比15.3%減(前年同月比44.6%減)、関東地方が前月比17.0%減(前年同月比43.1%減)となった。
・1月の外食産業売上高(名目値)も前年同月比21.0%減であったが、減収幅は2020年4月の「緊急事態宣言」発出時(同39.6%減)ほどではない。
・業態別では、夜間の店内飲食が中心のパブ・居酒屋は外出自粛と営業時短要請によって売上高が落ち込んだ。他方、テイクアウトやデリバリーの利用が浸透し、洋風ファストフードは増収を維持した。
- ・2021年1月の1世帯あたり実質外食支出金額は全国が前月比15.3%減(前年同月比44.6%減)、関東地方が前月比17.0%減(前年同月比43.1%減)となった。
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2021-03-16
神奈川・地域経済調査
テーマレポート
企業経営予測調査 : 企業経営予測調査(2021年3月調査)
- 要約
- 神奈川県内中堅・中小企業の2021年3月末時点における業況判断D.I.(全産業ベース、業況が「良い」-「悪い」、回答社数構成比、%)は▲35と前回12月調査から3ポイント上昇した。新型コロナウイルス感染症の陽性者が再び増加し、1月には11都府県に緊急事態宣言が再び発出される状況となったものの、県内の中堅・中小企業の業況判断D.I.は、全体では悪化することはなかった。・・・
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2021-04-02
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
日銀短観 : 日銀短観(2021年3月調査)
- 要約
- ・業況判断DI(全規模)は製造業、非製造業ともに3期連続で改善。ただ、先行きのDIはともに悪化。
・2021年度の設備投資計画は前年比プラス。2020年度に見送った投資案件の一部がずれ込んだ可能性。
・製造業の雇用人員判断DIが「不足」超へ転じるなど、企業の人手不足感は徐々に強まっている。
- ・業況判断DI(全規模)は製造業、非製造業ともに3期連続で改善。ただ、先行きのDIはともに悪化。
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2021-04-06
神奈川・地域経済調査
テーマレポート
企業経営予測調査 : 企業経営予測調査(2021年3月特別)
- 要約
- 【中堅・中小企業における賃上げの動きは明確に鈍くなった】
神奈川県内の中堅・中小企業の2021年春の賃上げ状況について集計したところ、「賃上げを予定する」企業の割合は54.6%となった。この割合は、前年調査に比べ9.9ポイント低下した。これほどの明確な低下は、同じ内容でアンケートを行っている2010年以降初めてのことである。
【賃上げ幅を「縮小する」と回答した企業の割合が、特に非製造業で増加】
「賃上げを予定する」企業のうち、前年に比べて賃上げ幅を「拡大する」と回答した企業の割合は8.5%であり、反対に「縮小する」とした企業の割合は20.3%となった。前年調査に比べると、「拡大する」「縮小する」とした企業の割合が、それぞれ上昇している。非製造業では、新型コロナの影響が強く出ている業種と、そうではない業種とで、二極化の動きがみられる。
【「自社の業績」に対する懸念の強まりが賃上げペースを抑制】
賃上げを検討する際に最も重視する項目は、「自社の業績」が66.7%(前年調査比2.3ポイント上昇)と多く、次いで「雇用の維持・確保」が22.9%(同2.0ポイント低下)となった。企業が重視する項目の割合については、コロナ禍前は人手不足感の高まりを背景に、「自社の業績」の割合が低下し、「雇用の維持・確保」の割合が上昇する傾向にあった。しかし昨年と同様、今回の調査でも「自社の業績」に対する懸念が強まっており、賃上げの判断に影響を与えていることがうかがわれる。
- 【中堅・中小企業における賃上げの動きは明確に鈍くなった】
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2021-04-12
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : 4~6月期以降、日本経済は再び回復へ
- 要約
- ・日銀の『短観(2021年3月調査)』(全国)の業況判断DI(全規模)は製造業・非製造業ともに改善した。もっとも、2回目の緊急事態宣言発出の影響が直撃したサービス消費関連の業種では同DIが大幅な「悪い」超となった。一方、4~6月期以降、日本経済は再度回復軌道に復帰すると見込まれる。『短観』の21年度収益計画が前年比プラスの見通しとなっていることも、先行き景気回復への期待が高まっていることを示唆している。・・・
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2021-04-12
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : 県内企業の景況感は改善の動きが弱まる
- 要約
- ・浜銀総研「企業経営予測調査」の2021年3月調査によると、県内企業の景況感は改善の動きが弱まった。輸出の持ち直しなどを背景に製造業の景況感が改善基調を維持する一方、緊急事態宣言の再発出の影響により非製造業の改善が足踏みした。また、先行きに対する企業の見方も慎重である。製造業ではD.I.の上昇が見込まれる一方、非製造業では低下が見込まれており、明暗の分かれる結果になった。・・・
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2021-04-15
産業動向調査
マーケット情報
外食需要動向 : 外食需要動向(2021年2月)
- 要約
- ・2021年2月の1世帯あたり実質外食支出金額は全国が前月比16.1%増(前年同月比33.3%減)、関東地方が前月比15.0%増(前年同月比32.7%減)と、1月の水準を上回った。
・2月の外食産業売上高(名目値)は前年同月比22.3%減で、減収率は1月(同21.0%減)よりも拡大(悪化)した。ただし、前年の閏年の影響を除けば2月の減収率は1月よりも縮小(良化)していた可能性がある。
・10都府県で「緊急事態宣言」が発出されていたが、「自粛」が緩みつつあることに加えて、営業時間の変更やデリバリーの活用などの対応が進みつつあるとみられる。
- ・2021年2月の1世帯あたり実質外食支出金額は全国が前月比16.1%増(前年同月比33.3%減)、関東地方が前月比15.0%増(前年同月比32.7%減)と、1月の水準を上回った。
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2021-05-14
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : コロナ禍を契機に変化する神奈川県の人口移動
- 要約
- ・コロナ禍が発生したタイミングである2020年4月以降の神奈川県の人口移動をみると、神奈川県への転入超過数が拡大している。内訳をみると、東京圏以外の地域からの転入超過数は縮小したものの、東京圏(主に東京23区)からの転入超過数の増加がそれを補っている。・・・
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2021-05-14
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : 急激な乗客の減少に直面する鉄道会社
- 要約
- ・首都圏の鉄道会社は2021年3月のダイヤ改正にあわせて終電時刻の繰り上げを実施した。これは、コロナ禍を契機として、それ以前から既に進行していた深夜時間帯の鉄道利用の減少に対して、鉄道各社が対応した動きといえる。・・・
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2021-05-19
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
GDP速報 : GDP速報(2021年1~3月)
- 要約
- ・2021年1~3月期の実質GDPは前期比-1.3%と、20年10~12月期(同+2.8%)までのプラス成長から一転してマイナス成長となった。マイナス成長となるのは20年4~6月期以来だ。需要項目別にみると、海外経済の回復を背景に輸出が同+2.3%と堅調に増加したものの、その一方で、21年1月に2回目の緊急事態宣言が発出されたことにより、個人消費が同-1.4%と20年4~6月期以来の減少に転じた。
・2021年4月にも3回目となる緊急事態宣言が発出された。今回は、2回目よりも今のところ期間が短いものの、経済活動の制限が厳しいため、景気への悪影響が大きくなることが予想される。このため、4~6月期の実質GDPは2四半期連続のマイナス成長となる可能性が出てきたといえよう。
- ・2021年1~3月期の実質GDPは前期比-1.3%と、20年10~12月期(同+2.8%)までのプラス成長から一転してマイナス成長となった。マイナス成長となるのは20年4~6月期以来だ。需要項目別にみると、海外経済の回復を背景に輸出が同+2.3%と堅調に増加したものの、その一方で、21年1月に2回目の緊急事態宣言が発出されたことにより、個人消費が同-1.4%と20年4~6月期以来の減少に転じた。
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2021-05-20
産業動向調査
マーケット情報
外食需要動向 : 外食需要動向(2021年3月)
- 要約
- ・2021年3月の1世帯あたり実質外食支出金額は全国が前月比1.0%減(前年同月比1.8%増)、関東地方が前月比0.9%減(前年同月比1.3%減)となり、ほぼ2月並みの水準となった。
・3月の外食産業売上高(名目値)はコロナ禍による影響がなかった一昨年(2019年3月)の売上高と比較すると19.6%減となった。
・業態別では、洋風ファストフード業態が相対的に堅調である。テイクアウトやデリバリーなどが利用できることで、本来であれば他業態を利用していたと思われる顧客が流入していると考えられる。
- ・2021年3月の1世帯あたり実質外食支出金額は全国が前月比1.0%減(前年同月比1.8%増)、関東地方が前月比0.9%減(前年同月比1.3%減)となり、ほぼ2月並みの水準となった。
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2021-05-21
神奈川・地域経済調査
研究員コラム
県民ボーナスの見通し : 2021年夏の県民ボーナスの見通し
- 要約
- ・民間企業に勤める神奈川県民1人あたりの今夏のボーナスは、企業業績の悪化などを反映して前年比2.5%減の44.0万円になると予測した。加えて、雇用者数と支給対象者割合がともに前年を下回ることから、民間のボーナス総支給額は同7.0%減になる見込みである。
・公務員の1人あたり支給額は、2020年10月の神奈川県人事委員会の給与勧告において今夏の期末・勤勉手当の支給月数が0.025か月引き下げられたことなどから、前年比1.1%減を見込む。民間と公務員とを合わせた官民計の1人あたり支給額は同2.1%減、官民計の支給総額は同6.3%減になる見通しである。・・・
- ・民間企業に勤める神奈川県民1人あたりの今夏のボーナスは、企業業績の悪化などを反映して前年比2.5%減の44.0万円になると予測した。加えて、雇用者数と支給対象者割合がともに前年を下回ることから、民間のボーナス総支給額は同7.0%減になる見込みである。
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2021-05-24
マクロ経済・金融市場調査
研究員コラム
わが国経済の見通し : 2021年度・2022年度の景気予測(2021年5月改訂)
- 要約
- 2021年1~3月期の実質GDP(国内総生産)は前期比-1.3%と、3四半期ぶりにマイナス成長へ転じた。需要項目別にみると、2回目の緊急事態宣言発出で個人消費が同-1.4%と大きく落ち込みGDP全体を押し下げたほか、設備投資も同-1.4%と減少した。その一方、海外経済が堅調に推移する中で、輸出は同+2.3%と3四半期連続で増加した。・・・
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2021-05-24
マクロ経済・金融市場調査
景気観測
Economic View(マクロ) : No.38 2021年度・2022年度の景気予測(2021年5月改訂)
- 要約
- 2021年1~3月期の実質GDP(国内総生産)は前期比-1.3%と、3四半期ぶりにマイナス成長へ転じた。需要項目別にみると、2回目の緊急事態宣言発出で個人消費が同-1.4%と大きく落ち込みGDP全体を押し下げたほか、設備投資も同-1.4%と減少した。その一方、海外経済が堅調に推移する中で、輸出は同+2.3%と3四半期連続で増加した。・・・
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2021-05-28
神奈川・地域経済調査
テーマレポート
神奈川県内上場企業の決算集計結果 : 神奈川県内上場企業の2021年3月期決算の集計結果
- 要約
- 1.神奈川県内上場企業121社(連結ベース、製造業72社、非製造業49社)の2021年3月期決算(2020年度)を当社で集計したところ、全産業の売上高は10兆991億円で前年比10.6%の減収となり、経常利益は4,456億円と同19.1%の減益となった。業績変動の大きなプラント建設を除くベースでは、売上高が同10.6%減、経常利益が同20.0%減となり、2019年度に続いて2年連続の減収減益になった。
2.売上高を業種別にみると、製造業(同12.4%減)では、自動車・同部品が年度前半を中心とした海外工場の閉鎖や販売落ち込みなどの影響により同23.2%減と減収率が大きくなった。一方、非製造業(同8.6%減)では、情報・通信がゲーム関連企業の売上増などにより同13.9%増と前年水準を上回ったものの、運輸・倉庫が鉄道会社の旅客収入の減少などにより同15.8%減と落ち込んだ。・・・
- 1.神奈川県内上場企業121社(連結ベース、製造業72社、非製造業49社)の2021年3月期決算(2020年度)を当社で集計したところ、全産業の売上高は10兆991億円で前年比10.6%の減収となり、経常利益は4,456億円と同19.1%の減益となった。業績変動の大きなプラント建設を除くベースでは、売上高が同10.6%減、経常利益が同20.0%減となり、2019年度に続いて2年連続の減収減益になった。
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2021-06-09
マクロ経済・金融市場調査
研究員コラム
わが国経済の見通し : 2021年度・2022年度の景気予測(2021年1~3月期2次QE後改訂)
- 要約
- 6月8日に内閣府より発表された実質GDP(国内総生産)の2次速報(2次QE)は、前期比-1.0%と1次QE(同-1.3%)から0.3ポイントの上方修正となった(図表1、2)。
今回の修正では、6月1日に財務省より発表された「法人企業統計」などを受けて、設備投資が前期比-1.2%と1次QE(同-1.4%)から上方修正されたほか、民間在庫(寄与度)が同+0.4%ポイント(1次QEは同+0.3%ポイント)と上昇修正された。また、医療費の基礎統計を反映して政府消費が同-1.1%(1次QEは同-1.8%)へ大きめの上方修正となった。もっとも、景気の基調判断を大きく変える結果ではなく、2021年1~3月期の日本経済は、2回目の緊急事態宣言の影響などにより、総じてみれば持ち直しの動きが一服したと判断される。・・・
- 6月8日に内閣府より発表された実質GDP(国内総生産)の2次速報(2次QE)は、前期比-1.0%と1次QE(同-1.3%)から0.3ポイントの上方修正となった(図表1、2)。
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2021-06-09
産業動向調査
マーケット情報
外食需要動向 : 外食需要動向(2021年4月)
- 要約
- ・2021年4月の1世帯あたり実質外食支出金額は全国が前月比0.1%減(前年同月比87.8%増)、関東地方が前月比4.5%増(前年同月比115.2%増)となった。
・4月の外食産業売上高(名目値)は前年同月比36.7%増だが、コロナ禍による影響がなかった一昨年(2019年4月)の売上高と比較すると19.5%減となった。
・洋風ファストフード業態の4月の客単価は前年同月比10.4%減となった。2020年4月から続いていた客単価の上昇が一巡した。
- ・2021年4月の1世帯あたり実質外食支出金額は全国が前月比0.1%減(前年同月比87.8%増)、関東地方が前月比4.5%増(前年同月比115.2%増)となった。
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2021-06-10
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : 2019年全国家計構造調査でみる消費動向の変化
- 要約
- ・今年2月公表の総務省「全国家計構造調査」によると、2019年の消費支出は前回2014年調査比5.1%減少した。消費支出に占める各費目の割合をみると、共働き世帯の増加で調理食品の需要が伸びたことから食料が2014年比で上昇し、高齢化が一段と進んだことから保健医療の割合も伸びた。・・・
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2021-06-10
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : 全国家計構造調査でみる神奈川県の消費動向
- 要約
- ・本稿ではトピックス1で確認した内容を地域別に分析した。まず、キャッシュレス決済についてみると、神奈川県はキャッシュレス決済が進んだ地域であり、県内地域ごとにみると、特に横浜・川崎と県央でキャッシュレス決済が選好されていることが分かった。・・・
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2021-06-15
神奈川・地域経済調査
テーマレポート
企業経営予測調査 : 企業経営予測調査(2021年6月調査)
- 要約
- 神奈川県内中堅・中小企業の2021年6月末時点における業況判断D.I.(全産業ベース、業況が「良い」-「悪い」、回答社数構成比、%)は▲25と前回3月調査から10ポイント上昇した。新型コロナウイルスの感染者数が依然として高水準にあり、県内には「まん延防止等重点措置」が適用された地域はあったものの、県内の中堅・中小企業の業況判断D.I.は、製造業を中心に改善傾向となっている。・・・
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2021-06-15
神奈川・地域経済調査
景気観測
Economic View(神奈川・地域) : No.39 神奈川県 住民基本台帳人口 2021.1.1
- 要約
- 2021年1月1日現在の住民基本台帳記載の神奈川県の人口総数は9,220,245人となった。全国人口が減少過程にあるなかで前年を10,803人上回ったとはいえ、年間増加率が近年の+0.2%程度から昨年は+0.1%に半減するなど、増勢は明らかに鈍化した。・・・
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2021-07-02
神奈川・地域経済調査
テーマレポート
企業経営予測調査 : 企業経営予測調査(2021年6月特別)
- 要約
- 2020年度に設備投資を実施した県内中堅・中小企業の割合は55.0%となり、昨年の同時期に調査した2019年度の設備投資の実施割合54.8%と同程度となった。設備投資の目的(複数回答)は、「更新・維持補修」が大勢を占めるが、製造業においては「合理化・省力化」、「増産・拡販」の割合が高まった。他方、設備投資を実施しなかった理由は「現状施設で十分」との回答が最も多いものの、「自社の業績悪化」の割合も高まった。コロナ禍の影響を強く受けた2020年度は、製造業ではコロナ対応も含めた合理化・省力化投資が増加する一方で、業績悪化から不要不急の設備投資を先送りする企業の行動が読み取れる。・・・
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2021-07-02
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
日銀短観 : 日銀短観(2021年6月調査)
- 要約
- 【全国企業】
・業況判断DI(全規模・全産業)は4期連続で改善。製造業の改善は顕著だが、非製造業の改善は鈍い。
・2021年度の設備投資計画(全規模・全産業)は前年比+9.3%。企業収益の改善や設備過剰感の後退を受けて、前年の落ち込み(同-8.5%)を取り戻すように、回復が鮮明となった。
・雇用人員判断DI(全規模・全産業)は「不足」超幅が拡大。企業の人手不足感はさらに強まる。
【神奈川県内企業】
・神奈川県内企業の業況判断DI(全規模・全産業)は4と、20年3月調査以来の「良い」超へ転じた。
- 【全国企業】
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2021-07-09
産業動向調査
マーケット情報
外食需要動向 : 外食需要動向(2021年5月)
- 要約
- ・2021年5月の1世帯あたり実質外食支出金額は全国が前月比10.6%減(前年同月比39.5%増)、関東地方が前月比10.3%減(前年同月比63.7%増)となった。
・5月の外食産業売上高(名目値)は前年同月比19.8%増だが、コロナ禍による影響がなかった一昨年(2019年5月)の売上高と比較すると19.8%減となった。
・パブ・居酒屋業態の売上高は2019年5月比で88.0%減となり、1回目の「緊急事態宣言」が発出されていた2020年4月、5月並みの落ち込みとなった。
- ・2021年5月の1世帯あたり実質外食支出金額は全国が前月比10.6%減(前年同月比39.5%増)、関東地方が前月比10.3%減(前年同月比63.7%増)となった。
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2021-07-12
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : 2021、22年度の神奈川県内景気の見通し
- 要約
- ・2021年前半の神奈川県内景気はコロナの影響で回復の動きが鈍くなった。緊急事態宣言の発出やまん延防止等重点措置の適用などにより、個人消費が弱い動きとなった。海外景気の回復により輸出は増加したものの、設備投資には計画を先送りする動きがみられた。・・・
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2021-07-12
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : 県内企業の景況感は製造業中心に改善
- 要約
- ・浜銀総研「企業経営予測調査」の2021年6月調査によると、県内企業の景況感は製造業中心に改善した。海外経済の回復やデジタル関連需要の拡大などを背景に製造業の景況感が着実に改善する一方、神奈川県内において「まん延防止等重点措置」が適用され、経済活動の制限が続いた影響で非製造業の改善は小幅にとどまった。・・・
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2021-07-16
神奈川・地域経済調査
景気観測
Economic View(神奈川・地域) : No.40 2021・22年度の神奈川県内経済見通し
- 要約
- 1.2021年前半の神奈川県内景気は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で回復の動きが鈍くなった。緊急事態宣言の発出やまん延防止等重点措置の適用などにより、消費者の外出自粛意識が高まり、個人消費が弱い動きとなった。一方、企業部門では、輸出が海外景気の回復により増加基調で推移し、生産活動も回復しつつある。もっとも、設備投資計画を先送りする動きがみられ、設備投資は鈍い動きになった模様である。また、県内の雇用所得情勢は飲食店や宿泊業などのサービス業中心に企業業績の回復が遅れており、厳しい状況が続いた。・・・
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2021-07-16
神奈川・地域経済調査
研究員コラム
神奈川県内経済見通し : 2021・2022年度の神奈川県内経済見通し
- 要約
- 1.2021年前半の神奈川県内景気は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で回復の動きが鈍くなった。緊急事態宣言の発出やまん延防止等重点措置の適用などにより、消費者の外出自粛意識が高まり、個人消費が弱い動きとなった。一方、企業部門では、輸出が海外景気の回復により増加基調で推移し、生産活動も回復しつつある。もっとも、設備投資計画を先送りする動きがみられ、設備投資は鈍い動きになった模様である。また、県内の雇用所得情勢は飲食店や宿泊業などのサービス業中心に企業業績の回復が遅れており、厳しい状況が続いた。・・・
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2021-07-20
マクロ経済・金融市場調査
景気観測
Economic View(マクロ) : No.41 景気回復のけん引役を期待される設備投資※一部修正しました
- 要約
- 実質GDPベースの設備投資は、2019年10月の消費税率引き上げや2020年入り後の新型コロナの影響で大幅に落ち込んだものの、20年7~9月期を底に持ち直しの動きが現れている。
コロナ禍においても、1.企業の期待成長率が底割れしていないこと、2.海外経済の回復を受けて製造業の生産活動が順調に回復していること、3.企業の設備過剰感が和らいできていること、4.企業のキャッシュフローが改善傾向にあること、5.緩和的な金融環境が続いていることなどから、先行き設備投資の改善基調が明瞭となり、景気回復のけん引役の一つとなることが期待される。実証分析からは、大企業においては設備過剰感が和らいでいくこと、また中小企業ではキャッシュフローの改善が続くことが、先行きの設備投資動向にとって重要であることが示唆される。・・・
- 実質GDPベースの設備投資は、2019年10月の消費税率引き上げや2020年入り後の新型コロナの影響で大幅に落ち込んだものの、20年7~9月期を底に持ち直しの動きが現れている。
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2021-08-10
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : 世界で加速する脱炭素化の動きと困難な現実
- 要約
- ・脱炭素化(カーボンニュートラル)の議論は、1992年の国連気候変動枠組条約(UNFCCC)の採択から本格化。その後、1997年の京都議定書の採択を経て、2015年に「パリ協定」が採択された。この実施年となる2020年の前後から、各国が脱炭素化の具体的な目標を公表し、実践段階に入った。・・・
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2021-08-10
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : 自動車業界は脱炭素に向けて電動化を推進
- 要約
- ・パリ協定が実施期間に入り、脱炭素化が実践段階となった。自動車業界においても脱炭素化への取り組みが加速しつつある。自動車業界においては、電動車の普及がその主たる取り組みとなろう。・・・
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2021-08-13
産業動向調査
マーケット情報
外食需要動向 : 外食需要動向(2021年6月)
- 要約
- ・2021年6月の1世帯あたり実質外食支出金額は全国が前月比3.5%増(前年同月比6.3%減)、関東地方が前月比0.8%増(前年同月比6.0%増)となり、関東地方の前月比増加率は全国を下回った。
・6月の外食産業売上高(名目値)は、1回目の「緊急事態宣言」解除後の前年同月と比べて0.1%増だが、コロナ禍による影響がなかった一昨年(2019年6月)の売上高と比較すると22.6%減となった。
・パブ・居酒屋業態の客単価は2019年6月比で21.9%減となり、前月(5月)に比べて下落幅が拡大した。「緊急事態宣言」や「まん防」で酒類提供の制限や営業時間の短縮があった影響と考えられる。
- ・2021年6月の1世帯あたり実質外食支出金額は全国が前月比3.5%増(前年同月比6.3%減)、関東地方が前月比0.8%増(前年同月比6.0%増)となり、関東地方の前月比増加率は全国を下回った。
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2021-08-16
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
GDP速報 : GDP速報(2021年4~6月)
- 要約
- ・2021年4~6月期の実質GDPは前期比+0.3%と、2四半期ぶりにプラス成長に転じた。需要項目別にみると、海外経済の回復を背景に輸出が同+2.9%と4四半期連続で増加し、好調さがうかがえる結果となった。個人消費は4~6月期に3回目の緊急事態宣言等が発出されたが、同+0.8%と増加に転じた。ただ、1~3月期(同-1.0%)の落ち込みを考慮すると、個人消費の持ち直しは鈍い。
・7月には東京都などに4回目の緊急事態宣言が発出された。4回目の緊急事態宣言が経済活動に与える下押し圧力を試算すると、今のところ3回目よりは軽微となるが、足元で新型コロナの新規感染者数が過去最多を更新する中で、個人消費の持ち直しは緩やかなものにとどまろう。7~9月期の景気の回復力も鈍いものになると予想される。
- ・2021年4~6月期の実質GDPは前期比+0.3%と、2四半期ぶりにプラス成長に転じた。需要項目別にみると、海外経済の回復を背景に輸出が同+2.9%と4四半期連続で増加し、好調さがうかがえる結果となった。個人消費は4~6月期に3回目の緊急事態宣言等が発出されたが、同+0.8%と増加に転じた。ただ、1~3月期(同-1.0%)の落ち込みを考慮すると、個人消費の持ち直しは鈍い。
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2021-08-23
マクロ経済・金融市場調査
研究員コラム
わが国経済の見通し : 2021年度・2022年度の景気予測(2021年8月改訂)
- 要約
- 2021年4~6月期の実質GDP(国内総生産)は前期比+0.3%と、2四半期ぶりのプラス成長となった。ただ、1~3月期の落ち込み(同-0.9%)の一部しか取り戻せておらず、景気回復の足取りは依然として重いといえよう。需要項目別には、海外経済の回復を背景に輸出が同+2.9%と4四半期連続で増加した。また内需についても、4月に3回目の緊急事態宣言等が発出されたにも関わらず、個人消費が同+0.8%と増加に転じた。設備投資(同+1.7%)や住宅投資(同+2.1%)、政府支出(同+0.5%)も増加した。・・・
- 2021年4~6月期の実質GDP(国内総生産)は前期比+0.3%と、2四半期ぶりのプラス成長となった。ただ、1~3月期の落ち込み(同-0.9%)の一部しか取り戻せておらず、景気回復の足取りは依然として重いといえよう。需要項目別には、海外経済の回復を背景に輸出が同+2.9%と4四半期連続で増加した。また内需についても、4月に3回目の緊急事態宣言等が発出されたにも関わらず、個人消費が同+0.8%と増加に転じた。設備投資(同+1.7%)や住宅投資(同+2.1%)、政府支出(同+0.5%)も増加した。・・・
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2021-08-23
マクロ経済・金融市場調査
景気観測
Economic View(マクロ) : No.42 2021年度・2022年度の景気予測(2021年8月改訂)
- 要約
- 2021年4~6月期の実質GDP(国内総生産)は前期比+0.3%と、2四半期ぶりのプラス成長となった。ただ、1~3月期の落ち込み(同-0.9%)の一部しか取り戻せておらず、景気回復の足取りは依然として重いといえよう。需要項目別には、海外経済の回復を背景に輸出が同+2.9%と4四半期連続で増加した。また内需についても、4月に3回目の緊急事態宣言等が発出されたにも関わらず、個人消費が同+0.8%と増加に転じた。設備投資(同+1.7%)や住宅投資(同+2.1%)、政府支出(同+0.5%)も増加した。・・・
- 2021年4~6月期の実質GDP(国内総生産)は前期比+0.3%と、2四半期ぶりのプラス成長となった。ただ、1~3月期の落ち込み(同-0.9%)の一部しか取り戻せておらず、景気回復の足取りは依然として重いといえよう。需要項目別には、海外経済の回復を背景に輸出が同+2.9%と4四半期連続で増加した。また内需についても、4月に3回目の緊急事態宣言等が発出されたにも関わらず、個人消費が同+0.8%と増加に転じた。設備投資(同+1.7%)や住宅投資(同+2.1%)、政府支出(同+0.5%)も増加した。・・・
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2021-09-03
神奈川・地域経済調査
テーマレポート
神奈川県内上場企業の決算集計結果 : 神奈川県内上場企業の2021年4月~6月期決算の集計結果
- 要約
- 1.神奈川県内上場企業120社(製造業72社、非製造業48社)の2021年4~6月期決算(2021年度第1四半期、連結ベース)を当社で集計したところ、全産業の売上高は前年比21.5%増の2兆5,035億円となり、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要が売上高を押し上げた2019年7~9月期(同0.7%増)以来の増収となった。一方、経常利益は同5.5倍の1,432億円となり、2021年1~3月期に続く増益となった。
2.売上高を業種別にみると、製造業は同24.7%増となり2四半期連続の増収となった。海外景気の回復による輸出の増加を受けて、加工型業種を中心に2割を超える増収となった。一方、非製造業は同18.3%増となり、2019年7~9月期(同4.5%増)以来の増収となった。情報・通信がゲーム関連企業、卸売が半導体商社などの増収により3割前後の売上増となった。・・・
- 1.神奈川県内上場企業120社(製造業72社、非製造業48社)の2021年4~6月期決算(2021年度第1四半期、連結ベース)を当社で集計したところ、全産業の売上高は前年比21.5%増の2兆5,035億円となり、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要が売上高を押し上げた2019年7~9月期(同0.7%増)以来の増収となった。一方、経常利益は同5.5倍の1,432億円となり、2021年1~3月期に続く増益となった。
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2021-09-09
マクロ経済・金融市場調査
研究員コラム
わが国経済の見通し : 2021年度・2022年度の景気予測(2021年4~6月期2次QE後改訂)
- 要約
- 9月8日に内閣府より発表された実質GDP(国内総生産)の2次速報(2次QE)は、前期比+0.5%(1次QEは前期比+0.3%)と0.2ポイントの上方修正となった(図表1、2)。
今回の改訂では、9月1日に財務省より発表された「法人企業統計」などを受けて、設備投資が前期比+2.3%(1次QEは前期比+1.7%)と上方修正されたほか、個人消費も同+0.9%(同+0.8%)と上方修正された。また、政府最終消費支出も6月分の医療費の結果などを反映して、同+1.3%(同+0.5%)と上方修正された。一方、公的固定資本形成は同-1.7%(同-1.5%)の下方修正となった。全体として、景気の基調判断を大きく変える結果ではなく、2021年4~6月期の日本経済は、3回目の緊急事態宣言の影響などにより、回復の足取りが依然として重い状況にあったことが確認された。・・・
- 9月8日に内閣府より発表された実質GDP(国内総生産)の2次速報(2次QE)は、前期比+0.5%(1次QEは前期比+0.3%)と0.2ポイントの上方修正となった(図表1、2)。
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2021-09-10
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : 企業経営予測調査でみるコロナショックの影響
- 要約
- ・浜銀総研が実施している「企業経営予測調査」によれば、コロナショックによる神奈川県内企業の業況の悪化はリーマンショック時並みであったものの、底打ち後の回復ペースはリーマンショック時よりも速い。輸出の回復を受けて製造業の業況は持ち直しており、非製造業も多くの業種が回復へ向かっている。ただ、新型コロナの感染が収束しない中で、外出自粛の影響を直接受ける飲食店・宿泊の業況が依然として低迷している。・・・
- ・浜銀総研が実施している「企業経営予測調査」によれば、コロナショックによる神奈川県内企業の業況の悪化はリーマンショック時並みであったものの、底打ち後の回復ペースはリーマンショック時よりも速い。輸出の回復を受けて製造業の業況は持ち直しており、非製造業も多くの業種が回復へ向かっている。ただ、新型コロナの感染が収束しない中で、外出自粛の影響を直接受ける飲食店・宿泊の業況が依然として低迷している。・・・
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2021-09-10
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : 改善基調の持続が期待される設備投資
- 要約
- ・実質GDP(国内総生産)ベースの設備投資は、2019年10月の消費税率引き上げや2020年入り後の新型コロナの影響で大幅に落ち込んだものの、20年7~9月期を底に持ち直しの動きが現れている。・・・
- ・実質GDP(国内総生産)ベースの設備投資は、2019年10月の消費税率引き上げや2020年入り後の新型コロナの影響で大幅に落ち込んだものの、20年7~9月期を底に持ち直しの動きが現れている。・・・
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2021-09-13
産業動向調査
マーケット情報
外食需要動向 : 外食需要動向(2021年7月)
- 要約
- ・2021年7月の1世帯あたり実質外食支出金額は全国が前月比17.9%増(前年同月比4.6%増)、関東地方が前月比10.5%増(前年同月比11.6%増)となった。
・7月の外食産業売上高(名目値)は前年同月比2.1%増となった。コロナ禍による影響がなかった2019年7月の売上高と比較すると13.7%減となり、減収率は6月に比べて縮小(良化)した。
・7月も酒類を提供する飲食店に対する休業や営業時間短縮の要請が続いていたが、洋風ファストフード業態ではテイクアウトやデリバリーの利用増加が売上高を押し上げたとみられる。
- ・2021年7月の1世帯あたり実質外食支出金額は全国が前月比17.9%増(前年同月比4.6%増)、関東地方が前月比10.5%増(前年同月比11.6%増)となった。
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2021-09-14
神奈川・地域経済調査
テーマレポート
企業経営予測調査 : 企業経営予測調査(2021年9月調査)
- 要約
- 神奈川県内中堅・中小企業の2021年9月末時点における業況判断D.I.(全産業ベース、業況が「良い」-「悪い」、回答社数構成比、%)は▲23と前回6月調査から2ポイント上昇した。新型コロナウイルスの感染者数が急増し、県下にも緊急事態宣言が発出されていたものの、県内の中堅・中小企業の業況判断D.I.は、製造業、非製造業ともに上昇した。・・・
- 神奈川県内中堅・中小企業の2021年9月末時点における業況判断D.I.(全産業ベース、業況が「良い」-「悪い」、回答社数構成比、%)は▲23と前回6月調査から2ポイント上昇した。新型コロナウイルスの感染者数が急増し、県下にも緊急事態宣言が発出されていたものの、県内の中堅・中小企業の業況判断D.I.は、製造業、非製造業ともに上昇した。・・・
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2021-09-28
マクロ経済・金融市場調査
景気観測
Economic View(マクロ) : No.43 テレワークの普及と東京圏で進む郊外への人口移動
- 要約
- 東京圏の2020年の転入超過数(転入者数−転出者数)を2019年と比べると、東京都区部で大幅な縮小となった一方で、郊外部(武蔵野線、南武線で囲まれた地域の外側)ではやや拡大しており、コロナ禍前までの東京都区部への人口集中の動きに変化が現れたことが確認できる。
東京都区部で転入超過が縮小したのは、コロナ禍の影響で前年と比べて転入者数が減少するとともに、転出者数が増えたためである。東京都区部からの転出を詳細にみると、都区部内での移動を除くと、藤沢市、三鷹市、横浜市中区、小金井市、川崎市宮前区、川崎市高津区、船橋市、鎌倉市、つくば市などへの転出者数が前年比で拡大しており、東京都区部から郊外部への人の移動が生じていることが分かる。・・・
- 東京圏の2020年の転入超過数(転入者数−転出者数)を2019年と比べると、東京都区部で大幅な縮小となった一方で、郊外部(武蔵野線、南武線で囲まれた地域の外側)ではやや拡大しており、コロナ禍前までの東京都区部への人口集中の動きに変化が現れたことが確認できる。
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2021-10-01
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
日銀短観 : 日銀短観(2021年9月調査)
- 要約
- 【全国企業】
・業況判断DI(全規模・全産業)は5四半期連続で改善。ただ、先行きのDIは、製造業、非製造業ともに悪化が見込まれており、今後の業況の回復を慎重に見ていることがうかがえる。
・2021年度の設備投資計画(ソフトウエア・研究開発を含み、土地投資を除く設備投資額)は、全規模・全産業で前年比+9.3%(前回調査からの修正率は0.0%)と、2020年度実績(前年比-8.5%)で減少した分を取り戻すようにしっかりと回復する見通しだ。
【神奈川県内企業】
・神奈川県内企業の業況判断DI(全規模・全産業)は4と、前回調査と同水準。
- 【全国企業】
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2021-10-12
神奈川・地域経済調査
テーマレポート
企業経営予測調査 : 企業経営予測調査(2021年9月特別)
- 要約
- 【来春の新卒採用の計画人数は、今春に続いて抑制傾向がみられる】
県内中堅・中小企業の2022年春の新卒採用人数は、今春(2021年)の新卒採用人数に対して2.9%増に留まる計画(全産業ベース)で、昨年9月調査における今春の新卒採用計画の同8.7%増からさらに低い伸び率に留まる見込み。また、採用予定なしとする企業の割合も53.5%と過半を占め、昨年9月調査から3.4ポイント上昇した。県内の中堅・中小企業の来春の新卒採用計画は、景気回復の弱さとコロナ禍の影響の長期化により抑制傾向が続く。
【必要な雇用人員の確保のために、中途採用やパート・アルバイトを利用する企業は増加】
採用予定人数の確保の見通しについては、「確保できる」が10.1%、「ほぼ確保できる」が57.1%、「確保できない」が32.7%となり、それぞれの回答割合は昨年からあまり変わらなかった。また、新卒採用以外の方法で、必要な雇用人員を確保するための対応策については、「中途採用の実施」が73.6%、「パート・アルバイト、派遣社員の採用」が43.6%と、それぞれ昨年9月調査に比べて割合が上昇する一方、「特に対応せず」とする割合(15.8%)が低下した。昨年は人員の確保に慎重であった中堅・中小企業にも前向きの姿勢がみられる。
【今冬のボーナスでは支給総額を増加する企業の割合は増加に転じる】
今冬のボーナス支給の状況について、「支給する」企業の割合が昨年冬の73.2%から81.3%に上昇する見込みとなっている。また、その中でも支給総額を「増加」と回答した企業の割合は16.4%と昨年調査に比べほぼ倍増し、「減少」と回答した企業の割合は11.1%となり半減した。中堅・中小企業のボーナス支払能力が改善しつつあると読みとれる。
- 【来春の新卒採用の計画人数は、今春に続いて抑制傾向がみられる】
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2021-10-13
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : 県内企業の景況感は改善の動きが鈍る
- 要約
- ・浜銀総研「企業経営予測調査」の2021年9月調査によると、県内企業の景況感は改善の動きが鈍っている。半導体などの部品調達難の影響で製造業のD.I.の上昇に一服感がみられ、夏場のコロナの感染拡大の影響で非製造業の景況感改善も小幅にとどまった。また、先行きに対する企業の見方も慎重である。・・・
- ・浜銀総研「企業経営予測調査」の2021年9月調査によると、県内企業の景況感は改善の動きが鈍っている。半導体などの部品調達難の影響で製造業のD.I.の上昇に一服感がみられ、夏場のコロナの感染拡大の影響で非製造業の景況感改善も小幅にとどまった。また、先行きに対する企業の見方も慎重である。・・・
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2021-10-13
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : 個人消費の本格的な回復には時間を要する見込み
- 要約
- ・神奈川県内の個人消費はコロナの感染者数が増加する局面で大きく落ち込み、感染者数が減少する局面で回復してきた。ただし、消費が回復する局面でも回復力は弱く、感染拡大時に落ち込んだ分の消費を取り戻すような力強さはみられない。・・・
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2021-10-13
産業動向調査
マーケット情報
外食需要動向 : 外食需要動向(2021年8月)
- 要約
- ・2021年8月の1世帯あたり実質外食支出金額は全国が前月比21.3%減(前年同月比14.7%減)、関東地方が前月比19.9%減(前年同月比15.2%減)となった。
・8月の外食産業売上高(名目値)は前年同月比8.6%減となった。コロナ禍前の2019年8月の売上高との比較では24.4%減となり、減収率は7月に比べて拡大(悪化)した。
・多くの外食業態が減収となる中、ファストフード業態は増収を確保した。テイクアウトやデリバリなどの利用割合の上昇が下支えになったとみられる。
- ・2021年8月の1世帯あたり実質外食支出金額は全国が前月比21.3%減(前年同月比14.7%減)、関東地方が前月比19.9%減(前年同月比15.2%減)となった。
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2021-11-11
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : コロナ禍を契機に東京圏で進む郊外への人口移動
- 要約
- ・東京圏の2020年の転入超過数(転入者数-転出者数)を2019年と比べると、東京23区で大幅な縮小となった一方で、郊外部(武蔵野線、南武線で囲まれた地域の外側)では拡大しており、コロナ禍前までの東京23区への人口集中の動きに変化が現れたことが確認できる。・・・
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2021-11-11
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : コロナ禍による神奈川県各地域の人口移動の変化
- 要約
- ・コロナ禍を契機に発生した東京23区からの人口流出では、1都3県の中で神奈川県がその3割の転出先となり最も多くなった。・・・
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2021-11-12
産業動向調査
マーケット情報
外食需要動向 : 外食需要動向(2021年9月)
- 要約
- ・2021年9月の1世帯あたり実質外食支出金額は全国が前月比6.7%増(前年同月比21.5%減)、関東地方が前月比15.3%増(前年同月比12.6%減)となった。
・9月の外食産業売上高(名目値)は前年同月比8.2%減となった。コロナ禍前の2019年9月の売上高との比較では21.7%減となり、年初から続く2019年比8割の水準で大きく変化していない。
・但し、業態別の売上高をみると、ファストフード業態はコロナ禍前と同等の水準を確保する一方、パブ・居酒屋業態は昨年(2020年)4月、5月に次ぐ大幅な落ち込みとなった。
- ・2021年9月の1世帯あたり実質外食支出金額は全国が前月比6.7%増(前年同月比21.5%減)、関東地方が前月比15.3%増(前年同月比12.6%減)となった。
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2021-11-16
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
GDP速報 : GDP速報(2021年7~9月)
- 要約
- ・2021年7~9月期の実質GDPは前期比-0.8%と、1~3月期以来のマイナス成長となった。需要項目別にみると、輸出が同-2.1%と20年4~6月期以来の減少となった。個人消費はサービス消費が低迷する中、耐久財消費が大きく落ち込み、同-1.1%と再び減少した。その他、設備投資が同-3.8%、住宅投資が同-2.6%などと、多くの項目が減少した。
・10~12月期の日本経済は、9月末で4回目の緊急事態宣言が解除されたことなどを受けて、個人消費を中心にプラス成長に転じると見込まれる。ただ、新型コロナの感染に対する人々の警戒感が依然として強いことなどを踏まえると、景気の回復力は力強さに欠けるものとなろう。
- ・2021年7~9月期の実質GDPは前期比-0.8%と、1~3月期以来のマイナス成長となった。需要項目別にみると、輸出が同-2.1%と20年4~6月期以来の減少となった。個人消費はサービス消費が低迷する中、耐久財消費が大きく落ち込み、同-1.1%と再び減少した。その他、設備投資が同-3.8%、住宅投資が同-2.6%などと、多くの項目が減少した。
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2021-11-18
マクロ経済・金融市場調査
研究員コラム
わが国経済の見通し : 2021年度・2022年度の景気予測(2021年11月改訂)
- 要約
- 2021年7~9月期の実質GDP(国内総生産)は前期比-0.8%と、1~3月期以来のマイナス成長となった。新型コロナの感染拡大による4回目の緊急事態宣言発出などを受けて個人消費が同-1.1%と再び減少した。また部品不足による自動車の大幅減産を受けて輸出が同-2.1%と20年4~6月期以来の減少となった。設備投資も部品不足など供給制約の影響などから同-3.8%と落ち込んだ。・・・
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2021-11-18
マクロ経済・金融市場調査
景気観測
Economic View(マクロ) : No.44 2021年度・2022年度の景気予測(2021年11月改訂)
- 要約
- 2021年7~9月期の実質GDP(国内総生産)は前期比-0.8%と、1~3月期以来のマイナス成長となった。新型コロナの感染拡大による4回目の緊急事態宣言発出などを受けて個人消費が同-1.1%と再び減少した。また部品不足による自動車の大幅減産を受けて輸出が同-2.1%と20年4~6月期以来の減少となった。設備投資も部品不足など供給制約の影響などから同-3.8%と落ち込んだ。・・・
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2021-11-25
神奈川・地域経済調査
研究員コラム
県民ボーナスの見通し : 2021年冬の県民ボーナスの見通し
- 要約
- ・民間企業に勤める神奈川県民1人あたりの今冬のボーナスは、企業業績の改善などを反映して前年比0.4%増の44.7万円になると予測した。雇用者数が前年並みとなり、支給対象者割合が前年を上回ることから、民間のボーナス総支給額は同0.8%増になる見込みである。
・公務員の1人あたり支給額は、2021年10月の神奈川県人事委員会の給与勧告において今冬の期末・勤勉手当の支給月数が0.125か月引き下げられたことなどから、前年比5.7%減を見込む。民間と公務員とを合わせた官民計の1人あたり支給額は同0.4%減、官民計の支給総額は同横ばいになる見通しである。
・今冬の民間1人あたりのボーナス支給額はほぼ前年並みにとどまっており、冬場の個人消費を大きく押し上げる力はないと考えられる。ただ、今年度の企業業績は前年を大きく上回る計画であり、こうした良好な業績が反映される来夏のボーナスは大企業を中心に明確に増加すると見込まれる。
- ・民間企業に勤める神奈川県民1人あたりの今冬のボーナスは、企業業績の改善などを反映して前年比0.4%増の44.7万円になると予測した。雇用者数が前年並みとなり、支給対象者割合が前年を上回ることから、民間のボーナス総支給額は同0.8%増になる見込みである。
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2021-12-06
神奈川・地域経済調査
テーマレポート
神奈川県内上場企業の決算集計結果 : 神奈川県内上場企業の2021年7月~9月期決算の集計結果
- 要約
- 1.神奈川県内上場企業120社(製造業72社、非製造業48社)の2021年7~9月期決算(2022年3月期第2四半期、連結ベース)を当社で集計したところ、全産業の売上高は前年比7.1%増の2兆4,731億円、経常利益は同84.2%増の1,238億円となった。夏場の新型コロナの感染拡大や半導体等部品調達難などの影響が一部の業種に現れたことなどから、業績の改善がやや鈍ったものの、総じてみれば県内企業の業績は改善が続いている。
2.売上高を業種別にみると、製造業は前年比8.3%増となった。素材型が市況の回復などにより同21.8%増、一般機械が設備投資の回復により同10.3%増と2桁の増収となるなど、全ての業種で増収となった。一方、非製造業は同5.7%増となった。変動の大きいプラント建設が同7.9%減、新型コロナの感染拡大の影響などが現れた小売が同2.6%減と減収に転じたものの、そのほかの業種は増収が続いた。・・・
- 1.神奈川県内上場企業120社(製造業72社、非製造業48社)の2021年7~9月期決算(2022年3月期第2四半期、連結ベース)を当社で集計したところ、全産業の売上高は前年比7.1%増の2兆4,731億円、経常利益は同84.2%増の1,238億円となった。夏場の新型コロナの感染拡大や半導体等部品調達難などの影響が一部の業種に現れたことなどから、業績の改善がやや鈍ったものの、総じてみれば県内企業の業績は改善が続いている。
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2021-12-08
マクロ経済・金融市場調査
研究員コラム
わが国経済の見通し : 2021年度・2022年度の景気予測(2021年7~9月期2次QE後改訂)
- 要約
- 本日、内閣府より発表された2021年7~9月期の実質GDP(国内総生産)の2次速報(2次QE)は前期比-0.9%と、1次QE(前期比-0.8%)から0.1ポイントの下方修正となった(図表1、2)。
今回の改定では、12月1日に財務省より発表された「法人企業統計」などを受けて、設備投資が前期比-2.3%(1次QEは前期比-3.8%)と上方修正されたほか、住宅投資も同-1.6%(同-2.6%)と上方修正された。一方、個人消費は同-1.3%(同-1.1%)と下方修正され、それ以外でも公共投資が同-2.0%(同-1.5%)、政府消費が同+1.0%(同+1.1%)へとそれぞれ下方修正された。21年7~9月期の日本経済は、新型コロナの感染拡大や、部品の調達難による自動車の減産などが影響し、景気の回復が足踏みしたことが改めて確認された。・・・
- 本日、内閣府より発表された2021年7~9月期の実質GDP(国内総生産)の2次速報(2次QE)は前期比-0.9%と、1次QE(前期比-0.8%)から0.1ポイントの下方修正となった(図表1、2)。
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2021-12-10
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : コロナ禍における神奈川県内の雇用情勢
- 要約
- ・コロナショックの影響で全国、神奈川県の雇用情勢は大きく悪化した。ただ、就業者数(従業者数+休業者数)の水準をみると、コロナショック前の景気拡大局面が始まった2013年1~3月期を上回っており、大きな経済ショックの割には就業者数の減少度合いは限定的であった。・・・
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2021-12-10
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : コロナ禍における神奈川県内の観光関連消費
- 要約
- ・新型コロナ感染症の流行で観光関連消費が全国的に激減し、神奈川県でも2020年の延べ観光客数が前年比47.0%減となった。
・もっとも、①国外居住の宿泊者数が少なく、②国内の遠方からの宿泊者が少ない、という神奈川県の構造的特徴は、コロナ禍が神奈川県の宿泊業に与える悪影響を抑制する方向に作用したと考えられる。・・・
- ・新型コロナ感染症の流行で観光関連消費が全国的に激減し、神奈川県でも2020年の延べ観光客数が前年比47.0%減となった。
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2021-12-10
産業動向調査
マーケット情報
外食需要動向 : 外食需要動向(2021年10月)
- 要約
- ・2021年10月の1世帯あたり実質外食支出金額は全国が前月比38.5%増(前年同月比4.3%減)、関東地方が前月比37.8%増(前年同月比3.3%増)となった。
・10月の外食産業売上高(名目値)は前年同月比0.5%減、コロナ禍前の2019年10月の売上高との比較も6.1%減となり、9月に比べて減収率が縮小(改善)した。
・外食産業全体の客数はほぼ前年並みとなった(前年同月比1.6%減)。パブ・居酒屋業態の客数(同31.3%減)についても、相対的には落ち込みが大きいものの、9月以前と比べ大きく改善した。
- ・2021年10月の1世帯あたり実質外食支出金額は全国が前月比38.5%増(前年同月比4.3%減)、関東地方が前月比37.8%増(前年同月比3.3%増)となった。
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2021-12-10
神奈川・地域経済調査
テーマレポート
企業経営予測調査 : 企業経営予測調査(2021年12月調査)
- 要約
- 神奈川県内中堅・中小企業の2021年12月末時点における業況判断D.I.(全産業ベース、業況が「良い」-「悪い」、回答社数構成比、%)は▲18と前回9月調査から5ポイント上昇した。12月に入りオミクロン型変異株の感染拡大の懸念が生じているものの、県内の中堅・中小企業の景況感はおおむね回復傾向が続いているものと判断される。
業種別の業況判断D.I.は、製造業が▲16となり前回調査から4ポイント上昇した。また、非製造業では▲20となり同4ポイントの上昇となった。製造業では、電子部品・デバイスや食料品、輸送機械などで業況判断D.I.が上昇したが、資源価格高騰の影響などから金属製品や鉄鋼・非鉄では業況判断D.I.が低下した。一方の非製造業では、コロナ禍が小康状態となったことで、飲食店・宿泊、小売、サービスなどの業況判断D.I.が上昇となったが、資源価格高騰の影響を受けたとみられる卸売や運輸・倉庫では業況判断D.I.が低下した。
3か月先(2022年3月末)の予想(全産業ベース)は▲16と、12月末実績から2ポイント上昇する見込み。製造業では12月末比4ポイント、非製造業では同2ポイント、それぞれ上昇が見込まれており、緩やかながら景況感の改善は続くと考えられる。・・・
- 神奈川県内中堅・中小企業の2021年12月末時点における業況判断D.I.(全産業ベース、業況が「良い」-「悪い」、回答社数構成比、%)は▲18と前回9月調査から5ポイント上昇した。12月に入りオミクロン型変異株の感染拡大の懸念が生じているものの、県内の中堅・中小企業の景況感はおおむね回復傾向が続いているものと判断される。
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2021-12-13
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
日銀短観 : 日銀短観(2021年12月調査)
- 要約
- 【全国企業】
・業況判断DI(全規模・全産業)は6四半期連続で上昇。緊急事態宣言の解除を受けて非製造業のDIが大幅に上昇した。ただ、先行きのDIは、製造業、非製造業ともに低下が見込まれており、今後の業況の回復を慎重に見ていることがうかがえる。
・2021年度の経常利益計画(全規模・全産業)は前年比+28.0%(前回9月調査からの修正率は11.3%)と大幅に上方修正され、2020年度(前年比-20.1%)に落ち込んだ分を取り戻す見通し。
【神奈川県内企業】
・業況判断DI(全規模・全産業)は3と前回調査から小幅に低下。先行きは非製造業で慎重な見方。
- 【全国企業】
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2021-12-23
マクロ経済・金融市場調査
景気観測
Economic View(マクロ) : No.45 2022年のドル・円レートの展望
- 要約
- 2021年のドル・円レートは、円安・ドル高基調での推移となった。その主因は、米国の長期金利の上昇による日米金利差(米国-日本)の拡大である。2021年1~3月期には、米バイデン政権下での追加経済対策や新型コロナワクチンの普及などによる米景気の回復期待から米長期金利が上昇し、日米金利差の拡大を見込む円売り・ドル買いが優勢となった。4月以降、米長期金利が水準を切り下げる中でドル・円レートは円高・ドル安気味の推移となったものの、9月下旬のFOMC(米公開市場委員会)などを受けてFRB(米連邦準備委員会)の利上げ観測が高まると米長期金利が再び上昇し、11月下旬には一時1ドル=115円台まで円安・ドル高が進行した。また資源価格の高騰を受けた輸入の増加などにより、日本の貿易赤字が秋口に拡大したことも、9月以降の円売り・ドル買いを促す要因になったとみられる。・・・
- 2021年のドル・円レートは、円安・ドル高基調での推移となった。その主因は、米国の長期金利の上昇による日米金利差(米国-日本)の拡大である。2021年1~3月期には、米バイデン政権下での追加経済対策や新型コロナワクチンの普及などによる米景気の回復期待から米長期金利が上昇し、日米金利差の拡大を見込む円売り・ドル買いが優勢となった。4月以降、米長期金利が水準を切り下げる中でドル・円レートは円高・ドル安気味の推移となったものの、9月下旬のFOMC(米公開市場委員会)などを受けてFRB(米連邦準備委員会)の利上げ観測が高まると米長期金利が再び上昇し、11月下旬には一時1ドル=115円台まで円安・ドル高が進行した。また資源価格の高騰を受けた輸入の増加などにより、日本の貿易赤字が秋口に拡大したことも、9月以降の円売り・ドル買いを促す要因になったとみられる。・・・
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2022-01-04
マクロ経済・金融市場調査
景気観測
Economic View(マクロ) : No.46 アフターコロナの労働市場
- 要約
- コロナ禍の下での企業の人手不足感の変化は、過去に景気が悪化した時期のそれとは異なるものとなっている。日銀『短観』の雇用人員判断DI(「過剰」−「不足」)をみると、コロナ禍が始まって以降、DIが「過剰」超とはならず、「不足」超のままとなっている。この理由の1つとして、日本型雇用慣行の揺らぎがあると考えられる。すなわち、年功賃金のメリットを享受しづらくなった若年層が現時点で高い賃金を提示する企業や、ワーク・ライフ・バランスが相対的に充実した企業への転職を選択するようになったと考えられる。結果、待遇面で優れた一部の企業に若年層が集まる一方、それ以外の企業では若年層の確保が困難となり、人手不足感が解消しづらくなったと推察される。・・・
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2022-01-13
産業動向調査
マーケット情報
外食需要動向 : 外食需要動向(2021年11月)
- 要約
- ・2021年11月の1世帯あたり実質外食支出金額は全国が前月比3.7%減(前年同月比3.2%減)、関東地方が前月比0.1%減(前年同月比3.0%増)となった。
・11月の外食産業売上高(名目値)は前年同月比0.2%減と、ほぼ前年水準並みとなった。また、コロナ禍前の2019年11月の売上高との比較では8.2%減となった。
・外食産業全体の客数は前年同月比0.9%減、客単価は同0.7%増となり、両指標とも前年同月の水準をほぼ回復した。
- ・2021年11月の1世帯あたり実質外食支出金額は全国が前月比3.7%減(前年同月比3.2%減)、関東地方が前月比0.1%減(前年同月比3.0%増)となった。
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2022-01-14
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : 2022年度の神奈川県内景気の見通し
- 要約
- ・2021年の神奈川県内景気はコロナの感染拡大や半導体などの部品調達難の影響で回復の動きが鈍くなった。個人消費はコロナの感染拡大で緊急事態宣言が発出された年初や夏場に落ち込んだ。企業部門では、部品調達難の影響で完成車メーカーの減産が広がり、夏場以降に輸出や生産が弱い動きとなった。また、原材料などの仕入価格上昇も企業業績を圧迫した。・・・
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2022-01-14
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : 県内の中堅・中小企業の景況感は改善が続いている
- 要約
- ・神奈川県内の中堅・中小企業の2021年12月末時点における業況判断D.I.(「良い」-「悪い」)は▲18と、前回9月調査から5ポイント上昇した。県内企業の景況感は2020年9月調査以降、改善傾向が続いている。
・前回9月調査からの業種ごとの業況判断D.I.の変化をみると、ばらつきが鮮明になった。上昇した業種は、製造業では電子部品・デバイスや食料品、輸送機械、また非製造業では飲食店・宿泊、小売、サービスなど。コロナ禍が小康状態となったことで、業況が改善したとみられる。・・・
- ・神奈川県内の中堅・中小企業の2021年12月末時点における業況判断D.I.(「良い」-「悪い」)は▲18と、前回9月調査から5ポイント上昇した。県内企業の景況感は2020年9月調査以降、改善傾向が続いている。
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2022-02-10
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : 世帯数や世帯構成の変化が地域消費に与える影響
- 要約
- ・地域の総消費支出(世帯数×1世帯当たり消費支出)の推移を考える上で、世帯に関する情報(世帯数や世帯構成の変化)は重要である。地域の世帯数が増加していたとしても、それが少子高齢化による単身世帯や2人世帯の増加によるものであれば、1世帯当たりの消費支出が減少し、地域の消費規模が縮小することもあり得るためである。・・・
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2022-02-10
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : 中堅・中小企業でも求められる脱炭素化の取り組み
- 要約
- ・浜銀総研が県内の中堅・中小企業向けに実施しているアンケート調査「企業経営予測調査」によれば、2021年12月時点でカーボンニュートラル(脱炭素化)に取り組むとした企業の割合は、回答企業の約4割にとどまる。
・さらに、取り組むとした企業においても、実際に具体的な取り組みを始めている企業は2割に満たず、約4割の企業は情報収集などの段階にとどまっており、わからないとの回答も多かった。・・・
- ・浜銀総研が県内の中堅・中小企業向けに実施しているアンケート調査「企業経営予測調査」によれば、2021年12月時点でカーボンニュートラル(脱炭素化)に取り組むとした企業の割合は、回答企業の約4割にとどまる。
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2022-02-14
産業動向調査
マーケット情報
外食需要動向 : 外食需要動向(2021年12月)
- 要約
- ・2021年12月の1世帯あたり実質外食支出金額は全国が前月比14.4%増(前年同月比22.6%増)、関東地方が前月比3.9%増(前年同月比31.6%増)となり、全国、関東地方とも、国内で新型コロナウイルスの感染が拡大した2020年3月以降では、最も高い水準となった。
・12月の外食産業売上高は前年同月比9.5%増となった。前年(2020年12月)は第3波の感染拡大が始まったタイミングであり、外食産業売上高が落ち始めていたという特殊要因はあるものの、それでもなお、2021年12月の外食産業売上高は堅調な結果と評価出来る。
- ・2021年12月の1世帯あたり実質外食支出金額は全国が前月比14.4%増(前年同月比22.6%増)、関東地方が前月比3.9%増(前年同月比31.6%増)となり、全国、関東地方とも、国内で新型コロナウイルスの感染が拡大した2020年3月以降では、最も高い水準となった。
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2022-02-15
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
GDP速報 : GDP速報(2021年10~12月)
- 要約
- ・2021年10~12月期の実質GDPは前期比+1.3%と、21年4~6月期以来2四半期ぶりのプラス成長となった。需要項目別にみると、個人消費はサービス消費と耐久財消費の双方が回復に向かい、同+2.7%と強めの伸びとなったほか、輸出(同+1.0%)と設備投資(同+0.4%)は自動車生産の回復を受け増加した。一方、住宅投資(同-0.9%)と政府消費(同-0.3%)、公共投資(同-3.3%)は減少となった。
・2022年1~3月期の日本経済を展望すると、オミクロン型変異株の感染が猛威を振るう中、サービス消費が弱い動きとなるほか、工場の操業停止などにより自動車生産も減産を余儀なくされていることから、景気が再び弱い動きになると見込まれる。資源価格高騰による景気押し下げにも注意が必要だ。
- ・2021年10~12月期の実質GDPは前期比+1.3%と、21年4~6月期以来2四半期ぶりのプラス成長となった。需要項目別にみると、個人消費はサービス消費と耐久財消費の双方が回復に向かい、同+2.7%と強めの伸びとなったほか、輸出(同+1.0%)と設備投資(同+0.4%)は自動車生産の回復を受け増加した。一方、住宅投資(同-0.9%)と政府消費(同-0.3%)、公共投資(同-3.3%)は減少となった。
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2022-02-18
神奈川・地域経済調査
研究員コラム
神奈川県内経済見通し : 2022年度の神奈川県内経済見通し
- 要約
- 1.2021年の神奈川県内景気はコロナの感染拡大や半導体などの部品調達難の影響で回復の動きが鈍くなった。個人消費はコロナの感染拡大で緊急事態宣言が発出された年初や夏場に落ち込んだ。企業部門では夏場以降、部品調達難の影響で自動車関連を中心に減産が広がり、それにつれて輸出も弱い動きとなった。また、原材料などの仕入価格上昇も企業業績を圧迫した。・・・
- 1.2021年の神奈川県内景気はコロナの感染拡大や半導体などの部品調達難の影響で回復の動きが鈍くなった。個人消費はコロナの感染拡大で緊急事態宣言が発出された年初や夏場に落ち込んだ。企業部門では夏場以降、部品調達難の影響で自動車関連を中心に減産が広がり、それにつれて輸出も弱い動きとなった。また、原材料などの仕入価格上昇も企業業績を圧迫した。・・・
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2022-02-18
神奈川・地域経済調査
景気観測
Economic View(神奈川・地域) : No.47 2022年度の神奈川県内経済見通し
- 要約
- 1.2021年の神奈川県内景気はコロナの感染拡大や半導体などの部品調達難の影響で回復の動きが鈍くなった。個人消費はコロナの感染拡大で緊急事態宣言が発出された年初や夏場に落ち込んだ。企業部門では夏場以降、部品調達難の影響で自動車関連を中心に減産が広がり、それにつれて輸出も弱い動きとなった。また、原材料などの仕入価格上昇も企業業績を圧迫した。・・・
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2022-02-21
マクロ経済・金融市場調査
研究員コラム
わが国経済の見通し : 2022年度・2023年度の景気予測(2022年2月改訂)
- 要約
- 2021年10~12月期の実質GDP(国内総生産)は前期比+1.3%と、2四半期ぶりのプラス成長となった。緊急事態宣言が9月末で解除されたことなどを受けて、個人消費がサービス消費を中心に同+2.7%と急回復した。また、供給制約の緩和により自動車の生産が回復したことを受けて、輸出(同+1.0%)や設備投資(同+0.4%)も増加に転じた。・・・
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2022-02-21
マクロ経済・金融市場調査
景気観測
Economic View(マクロ) : No.48 2022年度・2023年度の景気予測(2022年2月改訂)
- 要約
- 2021年10~12月期の実質GDP(国内総生産)は前期比+1.3%と、2四半期ぶりのプラス成長となった。緊急事態宣言が9月末で解除されたことなどを受けて、個人消費がサービス消費を中心に同+2.7%と急回復した。また、供給制約の緩和により自動車の生産が回復したことを受けて、輸出(同+1.0%)や設備投資(同+0.4%)も増加に転じた。・・・
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2022-03-02
神奈川・地域経済調査
テーマレポート
神奈川県内上場企業の決算集計結果 : 神奈川県内上場企業の2021年10月~12月期決算の集計結果
- 要約
- 1.神奈川県内上場企業118社(製造業72社、非製造業46社)の2021年10~12月期決算(2022年3月期第3四半期、連結ベース)を当社で集計したところ、全産業の売上高は前年比0.7%減の2兆5,115億円となり3四半期ぶりの減収に転じた。一方、経常利益は同1.9%増の1,470億円となったものの、増益率は低下した。半導体等の部品調達難の影響で完成車メーカーが減産を余儀なくされたことや、原材料価格上昇の影響などにより、県内企業の業績は改善が足踏みした模様である。
2.売上高を業種別にみると、製造業は前年比5.4%減となった。素材型が市況の回復などにより同6.7%増となったほか、一般機械(同9.7%増)と電気機械(同7.1%増)が設備投資の回復などにより増収を維持したものの、自動車・同部品が部品調達難による減産の影響で同32.0%減と大幅な減収となった。一方、非製造業は同5.1%増となった。変動の大きいプラント建設が同10.1%減となり、前年の販売が好調となっていた情報・通信がほぼ前年水準並みとなったものの、そのほかの業種は増収となった。・・・
- 1.神奈川県内上場企業118社(製造業72社、非製造業46社)の2021年10~12月期決算(2022年3月期第3四半期、連結ベース)を当社で集計したところ、全産業の売上高は前年比0.7%減の2兆5,115億円となり3四半期ぶりの減収に転じた。一方、経常利益は同1.9%増の1,470億円となったものの、増益率は低下した。半導体等の部品調達難の影響で完成車メーカーが減産を余儀なくされたことや、原材料価格上昇の影響などにより、県内企業の業績は改善が足踏みした模様である。
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2022-03-04
マクロ経済・金融市場調査
景気観測
Economic View(マクロ) : No.49 日本経済への打撃となるコストプッシュ・インフレ
- 要約
- 2021年春頃以降、国際商品市況の高騰と円安を受けて輸入物価が急上昇している。輸入物価の上昇はエネルギーや食料品などを中心に消費者物価へ波及しており、足元の消費者物価の前年比上昇率は携帯電話通信料などの特殊要因を除くと1%台半ばに達する。過去の物価と消費動向に関する分析から、こうしたコストプッシュ型の物価上昇は家計の消費行動を慎重化させる傾向があることが分かり、先行き、消費の回復を抑制するリスクに注意が必要だ。・・・
- 2021年春頃以降、国際商品市況の高騰と円安を受けて輸入物価が急上昇している。輸入物価の上昇はエネルギーや食料品などを中心に消費者物価へ波及しており、足元の消費者物価の前年比上昇率は携帯電話通信料などの特殊要因を除くと1%台半ばに達する。過去の物価と消費動向に関する分析から、こうしたコストプッシュ型の物価上昇は家計の消費行動を慎重化させる傾向があることが分かり、先行き、消費の回復を抑制するリスクに注意が必要だ。・・・
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2022-03-10
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : Withコロナ環境への適応を進める居酒屋チェーン
- 要約
- ・居酒屋チェーンはアルコール飲料を中心とするメニュー構成であるため、コロナ禍における営業時間の短縮やアルコール飲料提供の制限の影響を強く受けたうえ、弁当のテイクアウト等の展開が遅れた。
・居酒屋チェーンの多くは、駅前立地で、通勤客の宴会や法人需要を収益の柱としていた。そのメニューは、アルコール飲料を軸に構成されており、料理・食事は標準化され、効率化が優先されていたと考えられる。・・・
- ・居酒屋チェーンはアルコール飲料を中心とするメニュー構成であるため、コロナ禍における営業時間の短縮やアルコール飲料提供の制限の影響を強く受けたうえ、弁当のテイクアウト等の展開が遅れた。
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2022-03-10
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : 2022年度診療報酬改定の注目ポイント
- 要約
- 2022年度は2年に一度の医療サービスの価格や要件を見直す診療報酬改定が行われる年度で、4月より新たな報酬が適用される。
2022年度改定における医師などの技術料・サービス料に相当する「本体」の改定率は、前回改定(2020年度、+0.55%)を下回る+0.43%となった。このうち、看護職員の処遇改善に充当される費用などを除いた実質的な引き上げ幅は+0.23%にとどまる。前回改定よりも引き上げ幅が小さい厳しい改定だったといえる。・・・
- 2022年度は2年に一度の医療サービスの価格や要件を見直す診療報酬改定が行われる年度で、4月より新たな報酬が適用される。
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2022-03-10
マクロ経済・金融市場調査
研究員コラム
わが国経済の見通し : 2022年度・2023年度の景気予測(2021年10~12月期2次QE後改訂)
- 要約
- 3月9日に内閣府より発表された2021年10~12月期の実質GDP(国内総生産)の2次速報(2次QE)は、前期比+1.1%と1次QE(前期比+1.3%)から0.2%ポイントの下方修正となった(図表1、2)。今回の改定では、3月2日に財務省より発表された「法人企業統計」などを受けて、設備投資が前期比+0.3%(1次QEは前期比+0.4%)と下方修正された。そのほか、個人消費が同+2.4%(同+2.7%)、住宅投資が同-1.0%(同-0.9%)、公共投資が同-3.8%(同-3.3%)、政府消費が同-0.4%(同-0.3%)、輸出が同+0.9%(同+1.0%)と、いずれも推計に用いる基礎統計の追加などにより、下方修正された。もっとも、2四半期ぶりのプラス成長であることに変わりはなく、21年10~12月期に新型コロナの感染が収束に向かうもとで、日本経済が回復に向かっていたことが改めて確認された。・・・
- 3月9日に内閣府より発表された2021年10~12月期の実質GDP(国内総生産)の2次速報(2次QE)は、前期比+1.1%と1次QE(前期比+1.3%)から0.2%ポイントの下方修正となった(図表1、2)。今回の改定では、3月2日に財務省より発表された「法人企業統計」などを受けて、設備投資が前期比+0.3%(1次QEは前期比+0.4%)と下方修正された。そのほか、個人消費が同+2.4%(同+2.7%)、住宅投資が同-1.0%(同-0.9%)、公共投資が同-3.8%(同-3.3%)、政府消費が同-0.4%(同-0.3%)、輸出が同+0.9%(同+1.0%)と、いずれも推計に用いる基礎統計の追加などにより、下方修正された。もっとも、2四半期ぶりのプラス成長であることに変わりはなく、21年10~12月期に新型コロナの感染が収束に向かうもとで、日本経済が回復に向かっていたことが改めて確認された。・・・
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2022-03-16
神奈川・地域経済調査
テーマレポート
企業経営予測調査 : 企業経営予測調査(2022年3月調査)
- 要約
- 神奈川県内中堅・中小企業の2022年3月末時点における業況判断D.I.(全産業ベース、業況が「良い」-「悪い」、回答社数構成比、%)は▲26と前回2021年12月調査から8ポイント低下した。年初の1月以降のオミクロン型変異株の感染拡大や、原燃料コストの高騰などにより、景況感の改善が止まったものとみられる。さらに、調査票の回収が始まった2月末には、ロシアによるウクライナ侵攻が始まり、今後の見通しをさらに難しくしている。・・・
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2022-03-17
産業動向調査
マーケット情報
外食需要動向 : 外食需要動向(2022年1月)
- 要約
- ・2022年1月の1世帯あたり実質外食支出金額は全国が前月比21.8%減(前年同月比30.9%増)、関東地方が前月比20.9%減(前年同月比25.6%増)と、ともに大きく落ち込んだ。新型コロナウイルス感染者増加の影響を受けた。
・1月の外食産業売上高は前年同月比12.2%増となった。2019年水準との比較では、2022年1月の売上高は11.5%減と、2021年12月(8.0%減)から減少幅が拡大(悪化)した。
・外食業界でも値上げの動きが本格化しつつある。さらに、ロシアのウクライナ侵攻に伴って原燃料価格高騰に拍車がかかり、ロシア産水産物の調達懸念が出てくる可能性がある。
- ・2022年1月の1世帯あたり実質外食支出金額は全国が前月比21.8%減(前年同月比30.9%増)、関東地方が前月比20.9%減(前年同月比25.6%増)と、ともに大きく落ち込んだ。新型コロナウイルス感染者増加の影響を受けた。
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2022-03-31
神奈川・地域経済調査
景気観測
Economic View(神奈川・地域) : No.50 円安や資源・食料の価格上昇が県内産業へ与える影響
- 要約
- 神奈川県内の産業は円安の恩恵を受けにくくなっている。小野寺、落合、田原(2019)に倣った試算を行うと、全国と同様に神奈川県においても、円安の産業へのプラスの効果は、2010年代以降、製造業において複数の業種で縮小した。グローバル化の進展やリーマン・ショック後の円高などにより、県内から海外等への生産拠点の移転が一段と進み、円安による輸出額増加の効果が小さくなったためと考えられる。・・・
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2022-04-01
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
日銀短観 : 日銀短観(2022年3月調査)
- 要約
- 【全国企業】
・業況判断DI(全規模・全産業)は0と、前回調査比2ポイント低下。ウクライナ危機、まん延防止等重点措置の影響などにより、製造業、非製造業ともにDIが低下した。また、先行きのDIも、製造業、非製造業ともに今回調査からさらに低下する見込み。
・2022年度の経常利益計画(全規模・全産業)は前年比-0.9%と、減益見通しのスタートとなった。ウクライナ危機で加速した資源価格高騰の影響などにより、製造業を中心に利益計画が慎重化している。
【神奈川県内企業】
・業況判断DI(全規模・全産業)は6と前回調査から上昇。ただ、資源価格高騰の影響を受けやすい業種を中心に、業況の先行きに対する見方が慎重化。
- 【全国企業】
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2022-04-08
神奈川・地域経済調査
景気観測
Economic View(神奈川・地域) : No.51 テレワークの普及と居住地選択に関する実証分析
- 要約
- コロナ禍以降、東京都区部で転入超過率(転入超過数/人口)がマイナスとなる一方で、東京都区部の郊外部では転入超過率がプラスとなっている。この理由の1つとしてテレワークの普及が考えられる。すなわち、テレワークでの勤務が可能となった人々が東京都区部から郊外部へ移動している可能性が指摘できる。本稿では、こうした事象が実際に起こっているのかを計量経済学の手法を用いて検証した。・・・
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2022-04-08
産業動向調査
マーケット情報
外食需要動向 : 外食需要動向(2022年2月)
- 要約
- ・2022年2月の1世帯あたり実質外食支出金額は全国が前月比13.1%減(前年同月比9.6%減)、関東地方が前月比14.9%減(前年同月比7.0%減)と2か月連続で減少した。
・2月の外食産業売上高は前年同月比4.8%増となった。緊急事態宣言が出ていた前年と比べると増収だが、増収率は前月(1月、同12.2%増)から減速した。
・ロシアのウクライナ侵攻による食材価格等の上昇は、この先、本格化するとみられる。外食業界はもう一段のコスト上昇を見据え、価格転嫁への顧客理解を得る努力が必要となろう。
- ・2022年2月の1世帯あたり実質外食支出金額は全国が前月比13.1%減(前年同月比9.6%減)、関東地方が前月比14.9%減(前年同月比7.0%減)と2か月連続で減少した。
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2022-04-11
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : 日本経済を襲うコストプッシュ・インフレ
- 要約
- ・国際商品市況の高騰と円安による輸入物価の上昇を受け、日本の消費者物価上昇率は携帯電話通信料などの特殊要因を除くと2%を超えている。
・こうしたコストプッシュ型の物価上昇は家計の消費行動を慎重化させる傾向があり、先行き、消費の回復を抑制するリスクに注意が必要である。また、建設コストも顕著に上昇しており、住宅投資や設備投資へ及ぼす悪影響にも警戒を要する。・・・
- ・国際商品市況の高騰と円安による輸入物価の上昇を受け、日本の消費者物価上昇率は携帯電話通信料などの特殊要因を除くと2%を超えている。
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2022-04-11
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : 資源・食料の価格上昇が県内産業へ与える影響
- 要約
- ・資源、食料の輸入価格の上昇(仕入価格の上昇)に対応する企業の行動には、その上昇分を製品価格に(1)転嫁する、(2)転嫁しないという2つの選択肢がある。企業は(1)の選択では、値上げで顧客が離れることから売上が減少する恐れがあり、(2)の選択では利益が圧迫されることになる。資源、食料の輸入価格上昇が企業の生産する製商品・サービス価格に完全に転嫁された場合の価格上昇率(理論値)を計算すれば、これを企業が被る悪影響の度合いとみなすことができる。これは、この理論的な価格上昇率が大きい企業ほど、(1)または(2)を選択した場合に、苦境に陥る可能性が高いと考えられるためである。・・・
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2022-04-11
神奈川・地域経済調査
テーマレポート
企業経営予測調査 : 企業経営予測調査(2022年3月特別)
- 要約
- 【中堅・中小企業における賃上げの動きはコロナ禍前に向けて戻りつつある】
神奈川県内の中堅・中小企業の2022年春の賃上げ状況について集計したところ、「賃上げを予定する」企業の割合は63.8%となった。この割合は、前年調査に比べ9.2ポイント上昇した。「賃上げを予定する」企業の割合は、コロナ禍を契機に2020年3月調査、2021年3月調査と2年連続して低下していたが、今回調査ではコロナ禍前に向けて戻りつつある。
【賃上げ幅は「前年並み」と回答した企業の割合が7割超】
「賃上げを予定する」企業に対して賃上げ幅を聞いたところ、「前年並み」と回答した企業の割合が71.9%(前年調査64.6%)となった。また、前年に比べて賃上げ幅を「拡大する」と回答した企業の割合は14.5%に上昇し、「縮小する」とした企業の割合は7.4%に低下した。前年調査では「縮小する」の割合が増加していたが、賃上げ幅についてもコロナ禍前の動きに戻りつつある。・・・
- 【中堅・中小企業における賃上げの動きはコロナ禍前に向けて戻りつつある】
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2022-04-13
マクロ経済・金融市場調査
景気観測
Economic View(マクロ) : No.53 今後のドル・円レートの展望(2022年4月)
- 要約
- 2022年3月中旬以降、円安・ドル高の動きが加速している。この背景にあるのは、(1)FRB(米連邦準備理事会)の金融引き締め観測や、(2)原油価格の高騰に伴う日本の貿易赤字拡大観測などである。4月11日には一時1ドル=125円77銭と、2015年6月以来、6年10か月ぶりの円安水準をつけた。・・・
- 2022年3月中旬以降、円安・ドル高の動きが加速している。この背景にあるのは、(1)FRB(米連邦準備理事会)の金融引き締め観測や、(2)原油価格の高騰に伴う日本の貿易赤字拡大観測などである。4月11日には一時1ドル=125円77銭と、2015年6月以来、6年10か月ぶりの円安水準をつけた。・・・
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2022-04-13
神奈川・地域経済調査
景気観測
Economic View(神奈川・地域) : No.52 休業と人員不足が混在する神奈川県内雇用
- 要約
- コロナ禍により神奈川県の雇用情勢は悪化した。コロナ禍前と比較した2021年10~12月期の本県の就業者数の減少幅は、リーマン・ショック後の最悪期を超えている。
ただ、就業者数の減少は、企業の生産活動の落ち込みと比べて限定的であったと考えられる。産業連関表を用いて生産活動の落ち込みから予想される神奈川県の就業者の減少人数を試算すると、実際の減少人数よりも大きい。計算の方法上、試算値は過大になりやすいことに留意する必要があるが、休業者数の増加がこの結果に影響したと考えられる。・・・
- コロナ禍により神奈川県の雇用情勢は悪化した。コロナ禍前と比較した2021年10~12月期の本県の就業者数の減少幅は、リーマン・ショック後の最悪期を超えている。
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2022-05-09
マクロ経済・金融市場調査
景気観測
Economic View(マクロ) : No.54 商品市況高の長期化が住宅・建設投資の重荷に
- 要約
- 国際商品市況の高騰を主因に日本の輸入物価が急上昇している。2021年以降の商品市況高の背景として、(1)世界経済の急ピッチな回復、(2)脱炭素シフト、(3)世界的な天候不順、(4)物流の混乱、(5)世界的な金融緩和、さらに(6)ロシアの軍事侵攻、が挙げられる。
輸入物価の上昇はエネルギーを中心に消費者物価へ波及しており、足元の消費者物価の前年比上昇率は、一時的な撹乱要因である携帯電話通信料の影響を除くと、2%を超える伸びとなる。・・・
- 国際商品市況の高騰を主因に日本の輸入物価が急上昇している。2021年以降の商品市況高の背景として、(1)世界経済の急ピッチな回復、(2)脱炭素シフト、(3)世界的な天候不順、(4)物流の混乱、(5)世界的な金融緩和、さらに(6)ロシアの軍事侵攻、が挙げられる。
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2022-05-12
産業動向調査
マーケット情報
外食需要動向 : 外食需要動向(2022年3月)
- 要約
- ・2022年3月の1世帯あたり実質外食支出金額は全国が前月比6.5%増(前年同月比0.3%増)、関東地方が前月比10.2%増(前年同月比2.7%増)となった。全国、関東地方とも、前月比プラスは3か月ぶりである。
・3月の外食産業売上高は前年同月比5.9%増となった。新型コロナの第6波がピークを越え、人流が増加したことで、増収率は前月(2月、同4.8%増)から加速した。
・外食産業全体では客数増(前年同月比2.2%増)と客単価上昇(同3.6%増)の両面で、売上高を押し上げた。
- ・2022年3月の1世帯あたり実質外食支出金額は全国が前月比6.5%増(前年同月比0.3%増)、関東地方が前月比10.2%増(前年同月比2.7%増)となった。全国、関東地方とも、前月比プラスは3か月ぶりである。
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2022-05-16
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : 長引く半導体不足の要因と半導体市場の見通し
- 要約
- ・車載用から始まった半導体の供給不足は、その後、パソコン用や産業機器用、ガス給湯器用、オフィス機器用など、あらゆる分野に広がった。
・車載用半導体は、少量多品種での生産であるものの、求められる性能は年々向上しており、設備の新設には巨額な投資が必要である。そのため、車載用半導体メーカーは、その投資回収を行うことが困難になりつつあり、生産の一部を受託生産を行うファウンドリに外注している。・・・
- ・車載用から始まった半導体の供給不足は、その後、パソコン用や産業機器用、ガス給湯器用、オフィス機器用など、あらゆる分野に広がった。
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2022-05-16
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : セルフ化に活路を見出す給油所業界
- 要約
- ・全国の給油所の数は、電動化、電気自動車(BEV)の普及を前に、2021年度末には1994年のピークに比べて半減している。1990年代からの規制緩和と過当競争によるものである。
・また、自動車の延べ走行距離は伸びているものの、燃費の改善により、ガソリンの消費量は減少に転じている。・・・
- ・全国の給油所の数は、電動化、電気自動車(BEV)の普及を前に、2021年度末には1994年のピークに比べて半減している。1990年代からの規制緩和と過当競争によるものである。
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2022-05-23
マクロ経済・金融市場調査
研究員コラム
わが国経済の見通し : 2022年度・2023年度の景気予測(2022年5月改訂)
- 要約
- 2022年1~3月期の実質GDP(国内総生産)は前期比-0.2%と2四半期ぶりのマイナス成長となった。輸出や設備投資が増加したものの、コロナの感染拡大の影響で個人消費がわずかに減少し、ワクチンの輸入増でGDPの控除項目である輸入のマイナス寄与が拡大した。・・・
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2022-05-23
マクロ経済・金融市場調査
景気観測
Economic View(マクロ) : No.55 2022年度・2023年度の景気予測(2022年5月改訂)
- 要約
- 2022年1~3月期の実質GDP(国内総生産)は前期比-0.2%と2四半期ぶりのマイナス成長となった。輸出や設備投資が増加したものの、コロナの感染拡大の影響で個人消費がわずかに減少し、ワクチンの輸入増でGDPの控除項目である輸入のマイナス寄与が拡大した。・・・
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2022-05-24
神奈川・地域経済調査
テーマレポート
神奈川県内上場企業の決算集計結果 : 神奈川県内上場企業の2022年3月期決算の集計結果
- 要約
- 1.神奈川県内上場企業(連結ベース、製造業70社、非製造業44社の計114社)の2022年3月期決算(2021年度)を当社で集計したところ、全産業の売上高は12兆7,249億円で前年比11.8%増と3年ぶりの増収となった。一方の経常利益は同54.5%増の8,345億円と2年ぶりの増益となり、114社ベースで確認可能な2015年度以降での最高益となった。
2.売上高は大幅な増収となった。まず製造業は前年比12.7%増となった。業種別には、すべての業種が増収となった。なかでも一般機械(同19.5%増)と自動車・同部品(同15.4%増)は前年からの反動増もあって高めの伸びとなった。一方の非製造業も同10.2%の増収となった。業種別にはプラント建設(同2.9%減)を除く全業種が増収となった。なかでも半導体への需要増を反映して卸売(同24.4%増)が大幅増収となったほか、情報・通信(同12.1%増)が前年に続く増収となり、運輸・倉庫(同10.6%増)や小売(同6.8%増)なども増収に転じた。・・・
- 1.神奈川県内上場企業(連結ベース、製造業70社、非製造業44社の計114社)の2022年3月期決算(2021年度)を当社で集計したところ、全産業の売上高は12兆7,249億円で前年比11.8%増と3年ぶりの増収となった。一方の経常利益は同54.5%増の8,345億円と2年ぶりの増益となり、114社ベースで確認可能な2015年度以降での最高益となった。
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2022-05-25
神奈川・地域経済調査
研究員コラム
県民ボーナスの見通し : 2022年夏の県民ボーナスの見通し
- 要約
- ・民間企業に勤める神奈川県民1人あたりの今夏のボーナスは、2021年度企業業績の改善などを受けて前年比0.7%増の44.6万円になると予測した。雇用者数は前年比で増加し、支給対象者割合も前年を上回る見通しであることから、民間のボーナス総支給額は同2.3%増になる見込みである。
・公務員の1人あたり支給額は、2021年10月の神奈川県人事委員会の給与勧告において今夏の期末・勤勉手当の支給月数が0.075か月引き下げられたことなどを踏まえて、前年比3.4%減を見込む。その結果、民間と公務員を合わせた官民計の1人あたり支給額は同横ばい、官民計の支給総額は同1.6%増になると予測した。
・今夏の民間ボーナスは増加すると予測したが、(1)ボーナスの水準がコロナ禍前と比べて依然として低いこと、(2)足元では物価高によって月々の生活費が上昇していることなどから、勤労者にとって所得環境改善の実感は乏しいものとなろう。
- ・民間企業に勤める神奈川県民1人あたりの今夏のボーナスは、2021年度企業業績の改善などを受けて前年比0.7%増の44.6万円になると予測した。雇用者数は前年比で増加し、支給対象者割合も前年を上回る見通しであることから、民間のボーナス総支給額は同2.3%増になる見込みである。
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2022-06-09
産業動向調査
マーケット情報
外食需要動向 : 外食需要動向(2022年4月)
- 要約
- ・2022年4月の1世帯あたり実質外食支出金額は全国が前月比13.6%増(前年同月比18.4%増)、関東地方が前月比8.2%増(前年同月比6.3%増)となり、2か月連続で前月の水準を上回った。
・4月の外食産業売上高は前年同月比13.5%増となり、増収率は前月(3月、同5.9%増)から拡大(良化)した。
・パブ・居酒屋業態の客数は、コロナ禍前(2019年)に比べると水準は低いものの、4月の前年同月比の伸びは高く、ようやく業況改善の光が見えてきたといえよう。
- ・2022年4月の1世帯あたり実質外食支出金額は全国が前月比13.6%増(前年同月比18.4%増)、関東地方が前月比8.2%増(前年同月比6.3%増)となり、2か月連続で前月の水準を上回った。
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2022-06-09
マクロ経済・金融市場調査
研究員コラム
わが国経済の見通し : 2022年度・2023年度の景気予測(2022年1~3月期2次QE後改訂)
- 要約
- 6月8日に内閣府より公表された2022年1~3月期の実質GDP(国内総生産)の2次速報値(2次QE)は前期比-0.1%(前期比年率-0.5%)と、1次速報値(1次QE)の同-0.2%(同年率-1.0%)から上方修正された(図表1)。内訳をみると、6月1日に財務省から公表された1~3月期の「法人企業統計」の結果などを受けて、在庫投資の寄与度(1次QE:前期比+0.2%ポイント→2次QE:同+0.5%ポイント)が0.3%ポイント上方修正されたほか、個人消費(1次QE:前期比-0.0%→2次QE:同+0.1%)も上方修正されて小幅な増加となった。その一方で、設備投資(同+0.5%→同-0.7%)が下方修正されて前期比マイナスに転じたほか、公共投資(同-3.6%→同-3.9%)なども下方修正された。・・・
- 6月8日に内閣府より公表された2022年1~3月期の実質GDP(国内総生産)の2次速報値(2次QE)は前期比-0.1%(前期比年率-0.5%)と、1次速報値(1次QE)の同-0.2%(同年率-1.0%)から上方修正された(図表1)。内訳をみると、6月1日に財務省から公表された1~3月期の「法人企業統計」の結果などを受けて、在庫投資の寄与度(1次QE:前期比+0.2%ポイント→2次QE:同+0.5%ポイント)が0.3%ポイント上方修正されたほか、個人消費(1次QE:前期比-0.0%→2次QE:同+0.1%)も上方修正されて小幅な増加となった。その一方で、設備投資(同+0.5%→同-0.7%)が下方修正されて前期比マイナスに転じたほか、公共投資(同-3.6%→同-3.9%)なども下方修正された。・・・
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2022-06-10
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : 日本経済は円安のプラス効果が現れにくい環境に
- 要約
- ・今年3月中旬以降、為替レートの円安傾向が強まっている。この先も日米金融政策の方向性の違いなどを背景に円弱含みの展開が見込まれており、日本経済に対する円安の影響が注目されている。
・円安が日本経済に与える影響については、プラスの影響として、(1)財・サービス輸出の押し上げ効果と(2)企業収益の押し上げ効果が、またマイナスの影響として、(3)輸入物価上昇による企業や家計の負担増加、などが考えられる。マクロ経済モデルで試算すると、円安は実質GDPを押し上げる結果となることから、これまでの日本では、マイナスの影響よりもプラスの影響の方が大きかったと考えられる。・・・
- ・今年3月中旬以降、為替レートの円安傾向が強まっている。この先も日米金融政策の方向性の違いなどを背景に円弱含みの展開が見込まれており、日本経済に対する円安の影響が注目されている。
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2022-06-10
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : 2022年・2023年の中国景気の見通し
- 要約
- ・中国では3月にコロナ感染が急拡大し、複数の都市で移動制限が強化された。また4月以降は、上海全市が都市封鎖に追い込まれ、オフィスの営業や工場の操業が停止された。中国景気は足元で大幅に減速している。
・この状況下、今秋に共産党大会を控える習体制は4月からコロナ感染の初期対応を厳格化しながら、年間の成長率目標(5.5%)の実現に向けて、財政出動や金融緩和といった景気対策の強化に取り組んでいる。・・・
- ・中国では3月にコロナ感染が急拡大し、複数の都市で移動制限が強化された。また4月以降は、上海全市が都市封鎖に追い込まれ、オフィスの営業や工場の操業が停止された。中国景気は足元で大幅に減速している。
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2022-06-16
神奈川・地域経済調査
テーマレポート
企業経営予測調査 : 企業経営予測調査(2022年6月調査)
- 要約
- 神奈川県内中堅・中小企業の2022年6月末時点における業況判断D.I.(全産業ベース、業況が「良い」-「悪い」、回答社数構成比、%)は▲24と前回3月調査から1ポイント上昇した。業況判断D.I.は、前回3月調査ではオミクロン型変異株の感染拡大や資源価格等の高騰を受けて7四半期ぶりに下落したものの、今回6月調査では大きく変化しなかった。・・・
- 神奈川県内中堅・中小企業の2022年6月末時点における業況判断D.I.(全産業ベース、業況が「良い」-「悪い」、回答社数構成比、%)は▲24と前回3月調査から1ポイント上昇した。業況判断D.I.は、前回3月調査ではオミクロン型変異株の感染拡大や資源価格等の高騰を受けて7四半期ぶりに下落したものの、今回6月調査では大きく変化しなかった。・・・
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2022-06-29
神奈川・地域経済調査
景気観測
Economic View(神奈川・地域) : No.56 円安の影響などで膨らむ神奈川3港の輸出金額
- 要約
- 2022年3月以降、円安・ドル高が急速に進んだ。これを受けて神奈川3港(横浜港、川崎港、横須賀港)の金額ベース(名目)の輸出は4月に大きく膨らんだ。ただ、円安進行などによる価格変動の影響を取り除いた数量(実質)ベースでみると、輸出はこのところ弱含んでいることが分かる。こうした状況を映じて県内企業の生産活動も足元で弱い動きとなっている。・・・
- 2022年3月以降、円安・ドル高が急速に進んだ。これを受けて神奈川3港(横浜港、川崎港、横須賀港)の金額ベース(名目)の輸出は4月に大きく膨らんだ。ただ、円安進行などによる価格変動の影響を取り除いた数量(実質)ベースでみると、輸出はこのところ弱含んでいることが分かる。こうした状況を映じて県内企業の生産活動も足元で弱い動きとなっている。・・・
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2022-07-01
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
日銀短観 : 日銀短観(2022年6月調査)
- 要約
- 【全国企業】
・業況判断DI(全規模・全産業)は2と、前回3月調査比2ポイント上昇。資源価格の高騰や中国の都市封鎖の影響などを背景に製造業のDIは同1ポイント低下の1となった一方、新型コロナウイルスの影響が弱まったことを受けて、非製造業のDIは同6ポイント上昇の4となった。
・2022年度の経常利益計画(全規模・全産業)は前年比-3.6%と、減益計画が継続。仕入価格の上昇が長期化する中で、特に製造業の利益見通しが厳しくなっている。
・2022年度の設備投資計画(ソフトウエア・研究開発を含み、土地投資額を除く、全規模・全産業)は前年比+13.1%と2桁増の計画。ただし、21年度から先送りされた投資案件が押し上げている可能性が高いことに要注意。
【神奈川県内企業】
・業況判断DI(全規模・全産業)は3と前回調査から低下。資源価格高騰の影響が顕著に現れた。
- 【全国企業】
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2022-07-07
神奈川・地域経済調査
テーマレポート
企業経営予測調査 : 企業経営予測調査(2022年6月特別)
- 要約
- 2021年度に設備投資を実施した県内中堅・中小企業の割合は57.0%となり、昨年の同時期に調査した2020年度の設備投資の実施割合55.0%から2.0ポイントの上昇となった。設備投資の目的(複数回答)は、「更新・維持補修」が大勢を占めるものの、製造業、非製造業ともに「増産・拡販」や「研究開発」の割合が高まっており、コロナ禍下で先送りされた設備投資や、温暖化対応なども含めたポストコロナを睨んだ研究開発投資の再開が確認できる。他方、設備投資を実施しなかった理由として「資金調達が困難」や「設備価格の上昇」の割合が高まった。世界的なインフレの加速、資材等の価格上昇が、設備投資動向にも影響していることがうかがえる。・・・
- 2021年度に設備投資を実施した県内中堅・中小企業の割合は57.0%となり、昨年の同時期に調査した2020年度の設備投資の実施割合55.0%から2.0ポイントの上昇となった。設備投資の目的(複数回答)は、「更新・維持補修」が大勢を占めるものの、製造業、非製造業ともに「増産・拡販」や「研究開発」の割合が高まっており、コロナ禍下で先送りされた設備投資や、温暖化対応なども含めたポストコロナを睨んだ研究開発投資の再開が確認できる。他方、設備投資を実施しなかった理由として「資金調達が困難」や「設備価格の上昇」の割合が高まった。世界的なインフレの加速、資材等の価格上昇が、設備投資動向にも影響していることがうかがえる。・・・
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2022-07-12
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : 2022・2023年度の神奈川県内経済見通し
- 要約
- ・2022年4~6月期の神奈川県内経済は新型コロナウイルスの影響が弱まり、宿泊、外食などのサービス消費を中心に回復基調が続いた。ただ、輸出については中国の都市封鎖の影響を受けて伸び悩んだ。
・今後を展望すると、22年7~9月期は中国経済の持ち直しを受けた輸出(2ページ)の回復や、経済活動の正常化による個人消費(6ページ)の回復などにより、県内経済の回復テンポは一時的に加速すると予想する。しかし、22年度後半の県内経済は、(1)海外経済の減速で輸出が再び減速すること、(2)サービス消費などの急回復が一巡すること、(3)仕入価格の高止まりや物価高が企業利益(3ページ)や家計消費の下押し要因として残ることなどから、次第に回復テンポが鈍化すると見込む。・・・
- ・2022年4~6月期の神奈川県内経済は新型コロナウイルスの影響が弱まり、宿泊、外食などのサービス消費を中心に回復基調が続いた。ただ、輸出については中国の都市封鎖の影響を受けて伸び悩んだ。
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2022-07-19
産業動向調査
マーケット情報
外食需要動向 : 外食需要動向(2022年5月)
- 要約
- ・2022年5月の1世帯あたり実質外食支出金額は全国が前月比5.6%増(前年同月比35.6%増)、関東地方が前月比10.3%増(前年同月比30.7%増)となった。
・5月の外食産業売上高は、前年同月比20.4%増となり、増収率は前月(4月、同13.5%増)から拡大(良化)した。3年ぶりに何の規制もない大型連休となったことで、外食機会が増加したと考えられる。
・5月は全ての業態で売上高が前年同月の水準を上回っており、人流増加の影響が全ての業態に及んだ。
- ・2022年5月の1世帯あたり実質外食支出金額は全国が前月比5.6%増(前年同月比35.6%増)、関東地方が前月比10.3%増(前年同月比30.7%増)となった。
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2022-07-22
神奈川・地域経済調査
景気観測
Economic View(神奈川・地域) : No.57 2022・23年度の神奈川県内経済見通し
- 要約
- 2022年4~6月期の神奈川県内経済は、新型コロナウイルスの影響が弱まり、個人消費を中心に回復基調が続いた。すなわち、3月のまん延防止等重点措置の適用解除以降、宿泊、外食などのサービス消費や百貨店販売額に持ち直しの動きがみられた。一方、輸出は中国の都市封鎖の影響を受けて伸び悩んだ。・・・
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2022-07-22
神奈川・地域経済調査
研究員コラム
神奈川県内経済見通し : 2022・2023年度の神奈川県内経済見通し
- 要約
- 2022年4~6月期の神奈川県内経済は、新型コロナウイルスの影響が弱まり、個人消費を中心に回復基調が続いた。すなわち、3月のまん延防止等重点措置の適用解除以降、宿泊、外食などのサービス消費や百貨店販売額に持ち直しの動きがみられた。一方、輸出は中国の都市封鎖の影響を受けて伸び悩んだ。・・・
- 2022年4~6月期の神奈川県内経済は、新型コロナウイルスの影響が弱まり、個人消費を中心に回復基調が続いた。すなわち、3月のまん延防止等重点措置の適用解除以降、宿泊、外食などのサービス消費や百貨店販売額に持ち直しの動きがみられた。一方、輸出は中国の都市封鎖の影響を受けて伸び悩んだ。・・・
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2022-08-10
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : 国勢調査でみる神奈川県の共働き世帯の動向
- 要約
- ・2020年の神奈川県の女性の労働力率は2000年比で上昇した。これは子育て世代の女性の労働力率が上昇したためであり、いわゆるM字カーブ(図表1)はかなりの程度解消しているようにみえる。この動きは、世帯動向という視点からみると、共働き世帯の増加という形で現れている。
・県内市区町村ごとに共働き世帯の増加率(2000年→2020年)をみると、最も高いのが川崎市中原区となり、次いで横浜市都筑区、横浜市西区、川崎市麻生区、川崎市幸区、開成町の順となっている。共働き世帯は専業主婦世帯に比べて消費支出が大きいため、共働き世帯の増加率が大きかった地域では相応に消費規模が下支えされたと推察される。・・・
- ・2020年の神奈川県の女性の労働力率は2000年比で上昇した。これは子育て世代の女性の労働力率が上昇したためであり、いわゆるM字カーブ(図表1)はかなりの程度解消しているようにみえる。この動きは、世帯動向という視点からみると、共働き世帯の増加という形で現れている。
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2022-08-10
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : 神奈川県内の新設住宅着工戸数の見通し
- 要約
- ・本稿では、2022年度~2023年度における神奈川県内の住宅着工戸数について見通しを行った。その結果、2022年度は前年比-0.9%、2023年度は同+4.5%と予測する。
・近年の県内における住宅着工戸数を振り返ると、消費税率引き上げの影響により2019年度前半から急減し、新型コロナの感染が拡大した2020年度は底這いで推移した。しかし続く2021年度は、都心からの人口流入や建売住宅の在庫調整一巡などを背景に、着工戸数に回復に向けた動きが現れた。・・・
- ・本稿では、2022年度~2023年度における神奈川県内の住宅着工戸数について見通しを行った。その結果、2022年度は前年比-0.9%、2023年度は同+4.5%と予測する。
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2022-08-10
産業動向調査
マーケット情報
外食需要動向 : 外食需要動向(2022年6月)
- 要約
- ・2022年6月の1世帯あたり実質外食支出金額は全国が前月比0.4%減(前年同月比33.5%増)、関東地方が前月比1.1%増(前年同月比30.8%増)となり、全国、関東地方とも5月並みの水準にとどまった。
・6月の外食産業売上高は前年同月比19.9%増となり、2か月連続で高い伸びとなった。
・外食産業売上高はコロナ禍前の水準の9割超まで持ち直しているが、未だコロナ禍前の水準を回復するには至っていない。
- ・2022年6月の1世帯あたり実質外食支出金額は全国が前月比0.4%減(前年同月比33.5%増)、関東地方が前月比1.1%増(前年同月比30.8%増)となり、全国、関東地方とも5月並みの水準にとどまった。
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2022-08-10
マクロ経済・金融市場調査
研究員コラム
はまぎん金融経済レポート : はまぎん金融経済レポート2022.8
- 要約
- 日本経済 :夏場の景気は回復の動きが強まりにくい見込み
【トピック】GDPの産業別内訳の四半期公表が始まる
米国経済 :2期連続のマイナス成長だが景気後退との判断は早計
ユーロ圏経済:4~6月期の成長率は加速、年後半は減速へ
中国経済 :都市封鎖解除などにより景気回復の動きが広がる
【トピック】販売済み住宅の工事停止・延期の増加が住宅市場回復の足かせに
- 日本経済 :夏場の景気は回復の動きが強まりにくい見込み
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2022-08-18
神奈川・地域経済調査
テーマレポート
神奈川県内上場企業の決算集計結果 : 神奈川県内上場企業の2022年4~6月期決算の集計結果
- 要約
- 1.神奈川県内上場企業113社の2022年4~6月期決算(2022年度第1四半期、連結ベース)を当社で集計したところ、全産業の売上高は前年比13.6%増の3兆3,230億円、経常利益も同12.4%増の2,270億円となった。売上高、経常利益ともに第1四半期としてはコロナ前である2019年度の水準を超えた。増収増益は2021年1~3月期から1年半続いており、県内上場企業の業績が引き続き改善していることが確認された。
2.売上高は6四半期連続の増収となった。まず製造業は前年比14.9%増となった。業種別には、海外部門がけん引した自動車・同部品が同20.3%増と大幅増収となったほか、自動化・効率化を図る設備投資需要の増大などを背景に一般機械(同11.3%増)や電気機械(同11.7%増)も売り上げを伸ばした。一方の非製造業は同11.3%増と5四半期連続の増収となった。業種別には、半導体商社を主体に卸売が同27.1%増と大幅な増収が続き、運輸・倉庫も鉄道会社の業績持ち直しなどを反映して同11.4%増となった。・・・
- 1.神奈川県内上場企業113社の2022年4~6月期決算(2022年度第1四半期、連結ベース)を当社で集計したところ、全産業の売上高は前年比13.6%増の3兆3,230億円、経常利益も同12.4%増の2,270億円となった。売上高、経常利益ともに第1四半期としてはコロナ前である2019年度の水準を超えた。増収増益は2021年1~3月期から1年半続いており、県内上場企業の業績が引き続き改善していることが確認された。
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2022-08-19
マクロ経済・金融市場調査
景気観測
Economic View(マクロ) : No.58 2022年度・2023年度の景気予測(2022年8月改訂)
- 要約
- 2022年4~6月期の実質GDP(国内総生産)は前期比+0.5%とプラス成長になった。コロナの感染者数が減少傾向をたどり個人消費の増勢が拡大したほか、設備投資や輸出も増加した。・・・
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2022-08-19
マクロ経済・金融市場調査
研究員コラム
わが国経済の見通し : 2022年度・2023年度の景気予測(2022年8月改訂)
- 要約
- 2022年4~6月期の実質GDP(国内総生産)は前期比+0.5%とプラス成長になった。コロナの感染者数が減少傾向をたどり個人消費の増勢が拡大したほか、設備投資や輸出も増加した。・・・
- 2022年4~6月期の実質GDP(国内総生産)は前期比+0.5%とプラス成長になった。コロナの感染者数が減少傾向をたどり個人消費の増勢が拡大したほか、設備投資や輸出も増加した。・・・
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2022-08-25
マクロ経済・金融市場調査
景気観測
Economic View(マクロ) : No.59 円安は企業の利益にとってプラスか
- 要約
- ドル円相場の変動が大きくなっている。日米金利差の拡大を背景として、ドル円レートは2022年3月以降、急速にドル高・円安が進んだ。しかし、7月末には米国の景気後退懸念の高まりなどから日米金利差が縮小し、ドル円レートは一転してドル安・円高になる場面もみられている。依然として、実質実効為替レートでみて半世紀ぶりの円安水準が続いているものの、物価高、海外経済の動向次第で相場が円高に振れるリスクがあり、円相場の先行きは見通しが立てづらくなっている。・・・
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2022-09-09
マクロ経済・金融市場調査
研究員コラム
わが国経済の見通し : 2022年度・2023年度の景気予測(2022年4~6月期2次QE後改訂)
- 要約
- 9月8日に内閣府より公表された2022年4~6月期の実質GDP(国内総生産)の2次速報値(2次QE)は前期比+0.9%(前期比年率+3.5%)と、1次速報値(1次QE)の同+0.5%(同年率+2.2%)から上方修正された(図表1)。内訳をみると、9月1日に財務省から公表された4~6月期の「法人企業統計」の結果などを受けて、設備投資(1次QE:前期比+1.4%→2次QE:同+2.0%)が比較的大きめに上方修正されたほか、個人消費(同+1.1%→同+1.2%)や政府消費支出(同+0.5%→同+0.7%)などが上方修正された。また、在庫投資の寄与度(1次QE:前期比-0.4%ポイント→2次QE:同-0.3%ポイント)も0.1%ポイント上方修正された。・・・
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2022-09-12
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : 急成長する中国の新エネルギー車関連産業(前編)
- 要約
- ・中国は13年連続で世界最大の自動車市場だが、自国の自動車企業の競争力が依然として弱い。また、中国は経済発展に伴う大気汚染の深刻化や石油の海外依存度上昇という問題も抱えている。そのため中国政府は、習近平体制の2012年から、本格的に新エネルギー車(NEV)産業の育成に取り組み始めた。
・習体制によるNEV産業の育成策を整理すると、(1)飴と鞭(アメとムチ)の手法の活用、(2)公正さと公平さの重視、(3)新規参入規制の緩和、(4)IT・通信技術の取り込みの促進、という4つの特徴を見出すことができる。・・・
- ・中国は13年連続で世界最大の自動車市場だが、自国の自動車企業の競争力が依然として弱い。また、中国は経済発展に伴う大気汚染の深刻化や石油の海外依存度上昇という問題も抱えている。そのため中国政府は、習近平体制の2012年から、本格的に新エネルギー車(NEV)産業の育成に取り組み始めた。
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2022-09-12
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : 急成長する中国の新エネルギー車関連産業(後編)
- 要約
- ・中国のNEV産業はの従来型の自動車産業に比べて、急速に成長している。そのと比べた特徴としては、ほか、中国民間企業の活発な開発活動や強い競争力、水平分業型のサプライチェーンの形成、海外事業への積極的な展開などがといった特徴が挙げられる。
・一方、車載用バッテリー電池の発火事故の頻発や、充電スタンド不足、低い製品力、電力を供給する発電所の再生可能新エネルギー開発発展の出遅れなど中国のNEV産業の課題も残されている。・・・
- ・中国のNEV産業はの従来型の自動車産業に比べて、急速に成長している。そのと比べた特徴としては、ほか、中国民間企業の活発な開発活動や強い競争力、水平分業型のサプライチェーンの形成、海外事業への積極的な展開などがといった特徴が挙げられる。
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2022-09-12
マクロ経済・金融市場調査
研究員コラム
はまぎん金融経済レポート : はまぎん金融経済レポート2022.9
- 要約
- 日本経済 :2022年度・2023年度の景気予測(2022年8月改訂)
米国経済 :景気は減速基調、物価に落ち着きの兆し
【トピック】8月に「インフレ抑制法」が成立
ユーロ圏経済:物価高に加えて、猛暑が景気を下押し
中国経済 :習体制による景気対策強化などにより、22年後半には成長率が回復
- 日本経済 :2022年度・2023年度の景気予測(2022年8月改訂)
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2022-09-13
産業動向調査
マーケット情報
外食需要動向 : 外食需要動向(2022年7月)
- 要約
- ・2022年7月の1世帯あたり実質外食支出金額は、全国が前月比1.5%増(前年同月比14.6%増)、関東地方が前月比2.5%増(前年同月比21.3%増)と、増加傾向を維持した。
・7月の外食産業売上高は、客数、客単価ともに伸びたことで、前年同月比14.5%増であった。
・7月は中旬以降が、新型コロナウイルスの感染再拡大(第7波)の時期にあたる。しかし、地方自治体等による休業要請などはなく、家計の外食支出は前月比で増加し、外食産業売上高への影響は限定的であった。
- ・2022年7月の1世帯あたり実質外食支出金額は、全国が前月比1.5%増(前年同月比14.6%増)、関東地方が前月比2.5%増(前年同月比21.3%増)と、増加傾向を維持した。
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2022-09-14
神奈川・地域経済調査
テーマレポート
企業経営予測調査 : 企業経営予測調査(2022年9月調査)
- 要約
- 神奈川県内中堅・中小企業の2022年9月末時点における業況判断D.I.(全産業ベース、業況が「良い」-「悪い」、回答社数構成比、%)は▲20と前回6月調査から4ポイント上昇した。感染症対策と社会経済活動の両立により、県内の中堅・中小企業の景況感は前回6月調査時点での予想に沿って改善しつつある。・・・
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2022-10-03
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
日銀短観 : 日銀短観(2022年9月調査)
- 要約
- 【全国企業】
・業況判断DI(全規模・全産業)は3となり、前回6月調査比1ポイント上昇した。新型コロナウイルスの感染拡大の影響はありながらも、経済活動の正常化が進んだことで、非製造業のDIが同1ポイント上昇の5となった。一方、製造業のDIは同1ポイント低下の0となった。製造業では資源価格高騰の影響を受けやすい素材業種の業況が悪化傾向にある。
・2022年度の経常利益計画(全規模・全産業)は前年比+1.1%と、増益の計画に転じた。もっとも、急速な円安進行による恩恵を受けた大企業・製造業の上方修正が大きく、製造業の中でも中小企業の修正率は大企業・製造業を大幅に下回った。
・2022年度の設備投資計画(ソフトウエア・研究開発を含み、土地投資額を除く、全規模・全産業)は、利益計画の上方修正を受けて前年比+14.9%と、前回調査(同+13.1%)に比べて一段と伸び率が拡大した。
【神奈川県内企業】
・業況判断DI(全規模・全産業)は4となり、前回調査比1ポイント上昇。製造業・非製造業別で業況の方向感に差。
- 【全国企業】
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2022-10-11
神奈川・地域経済調査
テーマレポート
企業経営予測調査 : 企業経営予測調査(2022年9月特別)
- 要約
- 【来春の新卒採用の計画人数は、コロナ禍の2年間に抑制された反動もあり増加へ】
県内中堅・中小企業の2023年春の新卒採用人数は、今春(2022年)の新卒採用人数に対して20.9%増の計画(全産業ベース)で、コロナ禍前の2019年調査時(23.9%)以来の高い伸びとなる見込み。感染症対策と社会活動の両立の中で、過去2年間抑制されてきた反動もあり、採用人数が増加する見通しとなった。
【過半の企業で必要な雇用人員の確保がほぼできるものの、採用環境は厳しくなる方向】
採用予定人数の確保の見通しについては、「確保できる」が11.2%、「ほぼ確保できる」が54.4%、「確保できない」が34.3%となり、「確保できない」と回答する企業の割合が若干ながら上昇した。今後の採用環境は昨年よりもやや厳しくなる方向とみられる。
そのため、新卒採用以外の方法で、必要な雇用人員を確保するための対応策については、「中途採用の実施」が78.9%、「パート・アルバイト、派遣社員の採用」が44.6%、「高齢者雇用の実施」が21.9%と、それぞれ昨年9月調査に比べて割合が上昇した。必要な雇用人員確保のための方策を打つ企業が増加している。
【今冬のボーナス支給については依然として慎重な見方も多い】
今冬のボーナス支給の状況について、「支給する」企業の割合が昨年冬の81.3%から81.0%に若干低下した。その中でも支給総額の「金額未定」と回答した企業の割合が11.2%と昨年9月調査から2.3ポイント上昇した。世界的なインフレの加速や円安、地政学リスクの高まりなどから、ボーナス支給に対しては慎重な見方をする企業が多いと考えられる。
- 【来春の新卒採用の計画人数は、コロナ禍の2年間に抑制された反動もあり増加へ】
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2022-10-13
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : 2022年度下期のドル・円レートの展望
- 要約
- ・2022年3月以降、外為市場では円安・ドル高が加速している。9月下旬には一時1ドル=145円90銭と、約24年ぶりの円安・ドル高水準をつけた。こうした急激な円安・ドル高の主因は、1)日米の金融政策の方向性の明確な違いである。また、2)資源高を背景とする日本の貿易収支赤字の拡大も、実需面から円安・ドル高の支援材料となっている。
・インフレの抑制に向けてFRBは9月のFOMCで3会合連続となる0.75%の利上げを決定し、FOMC参加者による政策金利見通し(ドットチャート)では当面大幅な利上げを続ける方針が示された。一方、日銀は9月の金融政策決定会合でも大規模な金融緩和策の維持を決めており、市場では少なくとも黒田総裁の任期満了(23年4月)まで現行の政策が維持されるとの見方が強まっている。こうした日米の金融政策の違いを背景に、当面、円安・ドル高の流れが継続する可能性が高いといえよう。・・・
- ・2022年3月以降、外為市場では円安・ドル高が加速している。9月下旬には一時1ドル=145円90銭と、約24年ぶりの円安・ドル高水準をつけた。こうした急激な円安・ドル高の主因は、1)日米の金融政策の方向性の明確な違いである。また、2)資源高を背景とする日本の貿易収支赤字の拡大も、実需面から円安・ドル高の支援材料となっている。
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2022-10-13
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : 円安の神奈川県内経済への影響
- 要約
- ・「経済・産業トピックス(1」で述べているように、少なくとも2022年中は現在の歴史的な円安水準が続くとみられる。円安のメリットには、(Ⅰ)輸出の押し上げ効果や、(Ⅱ)企業利益の押し上げ効果などがある。
・しかし、(Ⅰ)については、過去に比べて、為替レートの動向と神奈川県の輸出の関係性は薄れており、さらに、県内の複数の業種が輸出増のメリットを受けにくくなっている。また、(Ⅱ)についても、県内企業の分析結果からは、非製造業は円安の恩恵を享受しにくいことが示唆される。・・・
- ・「経済・産業トピックス(1」で述べているように、少なくとも2022年中は現在の歴史的な円安水準が続くとみられる。円安のメリットには、(Ⅰ)輸出の押し上げ効果や、(Ⅱ)企業利益の押し上げ効果などがある。
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2022-10-13
マクロ経済・金融市場調査
研究員コラム
はまぎん金融経済レポート : はまぎん金融経済レポート2022.10
- 要約
- 日本経済 :企業の景況感は足元で横ばいも、この先の景気は回復へ
【トピック】輸入物価の伸び鈍化により来年には消費者物価の上昇率も低下へ
米国経済 :景気は緩やかに減速、住宅ローン金利は6%台に
ユーロ圏経済:内外の政治的要因により一段と強まる先行き不透明感
中国経済 :緩慢な景気回復を受けて、習体制は追加の景気対策を決定
【トピック】中国NEV市場は民間企業主導で今後も成長が続く
- 日本経済 :企業の景況感は足元で横ばいも、この先の景気は回復へ
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2022-10-17
産業動向調査
マーケット情報
外食需要動向 : 外食需要動向(2022年8月)
- 要約
- ・2022年8月の1世帯あたり実質外食支出金額は、台風上陸等の天候要因で前月比マイナスとなった。ただし、前年同月比では3割超の増加である。また、8月の外食産業売上高は前年同月比18.0%増と堅調に推移している。行動制限がないことによる、これらの回復基調に変化はないとみる。
・ただし、外食産業売上高の推移をコロナ前の2019年と比較すると、今年8月は客単価が上昇する一方で客足が鈍っており、前述の天候要因に加え、「値上げ」の影響も顕在化し始めた可能性があると考える。
- ・2022年8月の1世帯あたり実質外食支出金額は、台風上陸等の天候要因で前月比マイナスとなった。ただし、前年同月比では3割超の増加である。また、8月の外食産業売上高は前年同月比18.0%増と堅調に推移している。行動制限がないことによる、これらの回復基調に変化はないとみる。
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2022-11-11
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : 中小企業にも迫る脱炭素の波
- 要約
- ・脱炭素の波がいよいよ中小企業にも迫ってきた。日本政策投資銀行の調査によると、大手製造業の7割以上が脱炭素の実現に向けた中長期ビジョンの策定や検討を行っており、これらの計画の中には取引先での排出量削減を目標に掲げているケースも少なくない。また、取引先企業による脱炭素目標の設定や達成を取引継続の要素とみている大企業もあり、脱炭素はサプライチェーン全体で取り組むべき事象として捉えられている。・・・
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2022-11-11
マクロ経済・金融市場調査
研究員コラム
はまぎん金融経済レポート : はまぎん金融経済レポート2022.11
- 要約
- 日本経済 :個人消費や設備投資に支えられて景気は緩やかに回復
【トピック】物価高克服などを目的とした総合経済対策を実施へ
米国経済 :インフレ抑制が遅れる中、FRBは0.75%の利上げを連続実施
ユーロ圏経済:景気は急減速、今冬はガス不足が懸念材料
中国経済 :景気の回復が依然鈍い中で、人民元相場が一段と下落
【トピック】物価高克服などを目的とした総合経済対策を実施へ
- 日本経済 :個人消費や設備投資に支えられて景気は緩やかに回復
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2022-11-17
神奈川・地域経済調査
テーマレポート
神奈川県内上場企業の決算集計結果 : 神奈川県内上場企業の2022年7~9月期決算の集計結果
- 要約
- 1.神奈川県内上場企業114社の2022年7~9月期決算(2022年度第2四半期、連結ベース)を当社で集計したところ、全産業ベースの売上高は前年比23.2%増の3兆6,803億円、経常利益も同54.5%増の2,404億円となった。増収増益は2021年1~3月期から7四半期続いており、県内上場企業の業績は引き続き改善していることが確認された。
2.売上高は7四半期連続の増収となった。まず製造業は円安を背景とする海外部門の押し上げなどから前年比24.4%増となった。業種別には、電気機械が同29.0%増と大幅増収となったほか、自動車・同部品(同27.8%増)や一般機械(同18.3%増)についても売り上げを伸ばした。一方の非製造業も同21.0%増となった。業種別には、海外部門がけん引したプラント建設が同34.6%増と売上高を伸ばし、半導体商社を主体に卸売も同30.4%増と引き続き大幅増となったほか、運輸・倉庫(同13.9%増)やサービス(同15.0%増)なども堅調な増収となった。・・・
- 1.神奈川県内上場企業114社の2022年7~9月期決算(2022年度第2四半期、連結ベース)を当社で集計したところ、全産業ベースの売上高は前年比23.2%増の3兆6,803億円、経常利益も同54.5%増の2,404億円となった。増収増益は2021年1~3月期から7四半期続いており、県内上場企業の業績は引き続き改善していることが確認された。
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2022-11-17
産業動向調査
マーケット情報
外食需要動向 : 外食需要動向(2022年9月)
- 要約
- ・2022年9月の1世帯あたり実質外食支出金額は8月に比べて増加した。9月も8月と同様に台風等の天候要因はあったものの、外食支出金額(季調済)は2022年5~7月の水準に戻りつつある。
・9月の外食産業売上高は10か月連続で前年同月の水準を上回り、回復が続いている。
・ただし、外食産業においてもコスト上昇分を価格に転嫁する事例が増加している。今後は、家計の節約志向の高まりが外食支出金額の抑制につながることが懸念される。
- ・2022年9月の1世帯あたり実質外食支出金額は8月に比べて増加した。9月も8月と同様に台風等の天候要因はあったものの、外食支出金額(季調済)は2022年5~7月の水準に戻りつつある。
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2022-11-18
神奈川・地域経済調査
研究員コラム
県民ボーナスの見通し : 2022年冬の県民ボーナスの見通し
- 要約
- ・民間企業に勤める神奈川県民1人あたりの今冬のボーナスは、2022年度上期の企業業績の回復を受けて、前年比1.4%増の45.6万円になると予測した。支給対象者割合が前年比ほぼ横ばいとなるものの、雇用者数は前年比で増加するため、民間のボーナス総支給額は同2.6%増になると見込んだ。
・公務員の1人あたり支給額は、2022年10月の神奈川県人事委員会の給与勧告において今冬の期末・勤勉手当の支給月数が、前年に比べて0.175か月引き上げられたことなどを踏まえ、前年比7.6%増になると予測した。その結果、民間と公務員を合わせた官民計の1人あたり支給額は同2.1%増、官民計の支給総額は同3.3%増になる見通しである。
・今冬の民間ボーナスは支給総額でみれば着実に増加するため、クリスマス・年末商戦の小売販売は前年に比べて持ち直すと予想される。ただ、物価高の影響で、勤労者がボーナスの増額によって消費活動を活発化させる効果は限定的になると考えられる。
- ・民間企業に勤める神奈川県民1人あたりの今冬のボーナスは、2022年度上期の企業業績の回復を受けて、前年比1.4%増の45.6万円になると予測した。支給対象者割合が前年比ほぼ横ばいとなるものの、雇用者数は前年比で増加するため、民間のボーナス総支給額は同2.6%増になると見込んだ。
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2022-11-21
マクロ経済・金融市場調査
研究員コラム
わが国経済の見通し : 2022年度・2023年度の景気予測(2022年11月改訂)
- 要約
- 2022年7~9月期の実質GDP(国内総生産)は前期比-0.3%と4四半期ぶりのマイナス成長になった。コロナの感染第7波により個人消費が伸び悩んだほか、控除項目である輸入が大幅に増加した。・・・
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2022-11-21
マクロ経済・金融市場調査
景気観測
Economic View(マクロ) : No.60 2022年度・2023年度の景気予測(2022年11月改訂)
- 要約
- 2022年7~9月期の実質GDP(国内総生産)は前期比-0.3%と4四半期ぶりのマイナス成長になった。コロナの感染第7波により個人消費が伸び悩んだほか、控除項目である輸入が大幅に増加した。・・・
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2022-12-08
産業動向調査
マーケット情報
外食需要動向 : 外食需要動向(2022年10月)
- 要約
- ・2022年10月の1世帯あたり実質外食支出金額は前月比2桁%の高い伸びとなった。10月から「全国旅行支援」が開始され、旅行等の外出機会が一段と増加したことから、家計の外食機会も増加したとみられる。
・10月の外食産業売上高は11か月連続で前年同月の水準を上回り、コロナ禍前の水準を回復した。
・ファストフード業態では客単価の伸び(前年同月比6.7%増)が客数の伸び(同3.0%増)を上回った。大手ハンバーガーチェーンなどで値上げを実施しており、その影響が出たものとみられる。
- ・2022年10月の1世帯あたり実質外食支出金額は前月比2桁%の高い伸びとなった。10月から「全国旅行支援」が開始され、旅行等の外出機会が一段と増加したことから、家計の外食機会も増加したとみられる。
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2022-12-09
マクロ経済・金融市場調査
研究員コラム
わが国経済の見通し : 2022年度・2023年度の景気予測(2022年7~9月期2次QE後改訂)
- 要約
- 12月8日に内閣府より公表された2022年7~9月期の実質GDP(国内総生産)の2次速報値(2次QE)は前期比-0.2%(前期比年率-0.8%)と、1次速報値(1次QE)の同-0.3%(同年率-1.2%)から上方修正された(図表1)。・・・
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2022-12-12
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : ポストコロナにおける外食チェーンの値上げ戦略
- 要約
- ・1990年代中盤以降、わが国の外食チェーンは「値上げ」を手控える傾向にあった。外食チェーンが「値上げ」をしなくても済んだ理由として、固定費の面からは、業務の標準化・マニュアル化を進めてパート・アルバイトの雇用比率を高めることで、人件費を抑制してきたことがあげられる。
・しかし、人口減少に伴う慢性的な人手不足や、非正規社員と正社員との格差是正などを背景に、近年、パート・アルバイトの時給が上昇している。コロナ禍の影響も加わり、2021年度には外食チェーンの収益性が急激に悪化した。事業環境が厳しさを増す中で、外食チェーンは「値上げ」に踏み切っており、今後も「値上げ」の流れが続く可能性がある。・・・
- ・1990年代中盤以降、わが国の外食チェーンは「値上げ」を手控える傾向にあった。外食チェーンが「値上げ」をしなくても済んだ理由として、固定費の面からは、業務の標準化・マニュアル化を進めてパート・アルバイトの雇用比率を高めることで、人件費を抑制してきたことがあげられる。
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2022-12-12
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : テレワークの普及で鈍る東京オフィス需要の改善力
- 要約
- ・新型コロナの感染拡大を受け、横浜・東京の両ビジネス地区でオフィス空室率が上昇した。特に、東京ビジネス地区の上昇幅は、雇用情勢の悪化だけでは説明できないほど大きい。東京都区部にはテレワークの導入に積極的な産業が多く集積しており、東京ビジネス地区のオフィス需要はテレワーク普及の影響を強く受けているためと考えられる。
・一方、横浜市の産業構造はテレワーク普及の影響が相対的に小さい。従って横浜ビジネス地区では、今後、雇用情勢の改善に伴いオフィス需要が増加しよう。また、県外からの企業の転入傾向が続いていることも、オフィス需要の拡大要因となる。・・・
- ・新型コロナの感染拡大を受け、横浜・東京の両ビジネス地区でオフィス空室率が上昇した。特に、東京ビジネス地区の上昇幅は、雇用情勢の悪化だけでは説明できないほど大きい。東京都区部にはテレワークの導入に積極的な産業が多く集積しており、東京ビジネス地区のオフィス需要はテレワーク普及の影響を強く受けているためと考えられる。
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2022-12-12
神奈川・地域経済調査
テーマレポート
企業経営予測調査 : 企業経営予測調査(2022年12月調査)
- 要約
- 神奈川県内中堅・中小企業の2022年12月末時点における業況判断D.I.(全産業ベース、業況が「良い」-「悪い」、回答社数構成比、%)は▲13と前回9月調査から7ポイント上昇した。製造業、非製造業ともに業況の改善が進んだ。ただし、業種によってはこれまでの回復基調に陰りが見られる点には注意が必要となろう。・・・
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2022-12-12
マクロ経済・金融市場調査
研究員コラム
はまぎん金融経済レポート : はまぎん金融経済レポート2022.12
- 要約
- 日本経済 :10~12月期は個人消費のけん引で景気回復が続く見込み
【トピック】実質賃金の減少は2023年度も続く見込み
米国経済 :景気が減速する中、物価の上昇ペースが和らぐ
ユーロ圏経済:今冬、エネルギー供給難による深刻な景気後退は回避へ
中国経済 :不動産市場への支援強化などにより、23年には成長率が高まる
- 日本経済 :10~12月期は個人消費のけん引で景気回復が続く見込み
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2022-12-15
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
日銀短観 : 日銀短観(2022年12月調査)
- 要約
- 【全国企業】
・業況判断DI(全規模・全産業)は6となり、前回9月調査比3ポイント上昇した。経済活動の正常化が一段と進んだことから非製造業の業況改善が明瞭となった。他方、海外経済減速の影響により、製造業の景況感は改善の動きが鈍い。
・2022年度の経常利益計画(全規模・全産業)は前年比+7.5%となり、前回調査比で上昇修正された。もっとも、急速な円安進行の恩恵を受けた大企業・製造業の上期の業績が大きく上方修正されたことの影響が大きく、下期については、減益見通しが続いている。
・2022年度の設備投資計画(ソフトウエア・研究開発を含み、土地投資額を除く、全規模・全産業)は前回調査比でわずかに下方修正されたものの、前年比+14.3%と、近年の中では強めの計画が維持された。
【神奈川県内企業】
・業況判断DI(全規模・全産業)は9となり、前回調査比5ポイント上昇した。非製造業の業況改善が鮮明である。
- 【全国企業】
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2022-12-23
神奈川・地域経済調査
研究員コラム
神奈川県内経済見通し : 2023年度の神奈川県内経済見通し
- 要約
- 2022年夏以降の神奈川県内経済は、経済活動の正常化を受けて、総じてみれば回復が続いた。輸出は、春頃に上海都市封鎖の影響で弱含んでいた中国向けが夏場にいったん持ち直した。ただ、秋以降、海外経済が製造業を中心に減速傾向を強めたこともあり、神奈川県の輸出も伸び悩んだ。一方、個人消費は、新型コロナウイルスの感染状況が経済に与える影響が次第に弱まっていることもあり、雇用の回復を支えに、総じてみれば底堅い推移となった。特に、百貨店での衣料品の消費や、旅行や外食といったサービス消費は、コロナ禍以降抑制されてきた分、持ち直しの動きが強かった。・・・
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2022-12-23
神奈川・地域経済調査
景気観測
Economic View(神奈川・地域) : No.61 2023年度の神奈川県内経済見通し
- 要約
- 2022年夏以降の神奈川県内経済は、経済活動の正常化を受けて、総じてみれば回復が続いた。輸出は、春頃に上海都市封鎖の影響で弱含んでいた中国向けが夏場にいったん持ち直した。ただ、秋以降、海外経済が製造業を中心に減速傾向を強めたこともあり、神奈川県の輸出も伸び悩んだ。一方、個人消費は、新型コロナウイルスの感染状況が経済に与える影響が次第に弱まっていることもあり、雇用の回復を支えに、総じてみれば底堅い推移となった。特に、百貨店での衣料品の消費や、旅行や外食といったサービス消費は、コロナ禍以降抑制されてきた分、持ち直しの動きが強かった。・・・
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2023-01-05
マクロ経済・金融市場調査
景気観測
Economic View(マクロ) : No.62 2023年のドル・円レートの展望
- 要約
- ・2022年のドル・円レートを振り返ると、3月中旬以降、円安・ドル高の流れが加速し、10月下旬には一時1ドル=151円94銭と、およそ32年ぶりの円安・ドル高水準をつけた。この大幅な円安・ドル高をもたらした主因は、①FRB(米連邦準備理事会)の急ピッチな利上げに伴う日米金利差の拡大と、②資源高などを背景とする日本の貿易赤字の拡大である。ただその後、日本政府・日銀による連続的な円買い・ドル売り介入の実施や、FRBが利上げのペースを緩めるとの観測、さらに日銀が12月20日に金融緩和策の一部修正を行ったことなどから、年末には1ドル=130円台前半まで円が反発した。・・・
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2023-01-12
産業動向調査
マーケット情報
外食需要動向 : 外食需要動向(2022年11月)
- 要約
- ・2022年11月の1世帯あたり実質外食支出金額は、全国、関東地方とも、前月比マイナスとなった。
・11月の外食産業売上高をみると、客数の伸び率が10月に比べて大幅に鈍化した。
・和風ファストフード、麺類ファストフード、焼き肉ファミリーレストランでは、11月の客数が前年割れとなった。外食の各業態の値上げや生活必需品の価格上昇で、家計の節約志向が強まった可能性があろう。
- ・2022年11月の1世帯あたり実質外食支出金額は、全国、関東地方とも、前月比マイナスとなった。
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2023-01-16
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : 2023年度の日本経済の見通し
- 要約
- ・2022年の日本経済を振り返ると、新型コロナウイルスの影響が残る中で、資源高や円安による物価上昇が景気を下押ししたものの、経済活動の正常化を受けて、景気は緩やかに回復した。
・2023年の海外経済の動向を展望すると、米国経済はインフレやFRBの大幅利上げの影響で23年前半に景気が後退局面入りすると予想される。また、欧州経済はウクライナ危機に伴うエネルギー価格の高止まりやECBの大幅利上げにより、23年を通じて低迷が見込まれる。一方、中国経済はゼロコロナ政策の緩和措置や不動産会社への支援強化などの効果により23年後半には景気が次第に持ち直してくることになろう。・・・
- ・2022年の日本経済を振り返ると、新型コロナウイルスの影響が残る中で、資源高や円安による物価上昇が景気を下押ししたものの、経済活動の正常化を受けて、景気は緩やかに回復した。
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2023-01-16
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : 2023年度の神奈川県内経済の見通し
- 要約
- ・2022年度の神奈川県内経済は新型コロナウイルスの影響が弱まり、経済活動の正常化が進んだため、総じてみれば持ち直しが続いた。
・23年度の国内外の経済は、トピックス①で述べたように減速する見通しである。こうした中で、神奈川県においても輸出や企業業績の回復ペースが鈍化すると見込まれる。また、個人消費もコロナ禍からの回復過程で生じたサービス消費需要などの押し上げが22年度末までに一巡し、23年度は雇用所得情勢の回復に沿ったペースに減速するとみる。・・・
- ・2022年度の神奈川県内経済は新型コロナウイルスの影響が弱まり、経済活動の正常化が進んだため、総じてみれば持ち直しが続いた。
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2023-01-16
マクロ経済・金融市場調査
研究員コラム
はまぎん金融経済レポート : はまぎん金融経済レポート2023.1
- 要約
- 日本経済 :2023年度の景気予測
米国経済 :景気が減速する中で、FRBは12月に利上げ幅を縮小
【トピック】知財投資などに支えられて23年も設備投資は底堅く推移
ユーロ圏経済:ECBは12月に利上げ幅を0.75%から0.5%に縮小
中国経済 :コロナの感染急拡大を背景に、景気は足元で大幅に悪化
【トピック】習体制はゼロコロナからウィズコロナへと政策を転換
- 日本経済 :2023年度の景気予測
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2023-02-10
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : 経済センサスからみた神奈川県の特徴
- 要約
- ・総務省・経済産業省「令和3年経済センサス活動調査」(速報値)によると、2021年6月1日時点の神奈川県の民営事業所数(事業内容等不詳の事業所を除く)は28.1万か所、民営事業所の従業者数は348.1万人と、それぞれ全国4位の規模となった。
・事業所数や従業者数の産業別構成比をみると、神奈川県は「不動産業,物品賃貸業」や「学術研究,専門・技術サービス業」、「教育,学習支援業」、「医療,福祉」など個人向けに事業を行う業種や専門的なサービス業の集積度が相対的に高い地域であることが分かる。・・・
- ・総務省・経済産業省「令和3年経済センサス活動調査」(速報値)によると、2021年6月1日時点の神奈川県の民営事業所数(事業内容等不詳の事業所を除く)は28.1万か所、民営事業所の従業者数は348.1万人と、それぞれ全国4位の規模となった。
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2023-02-10
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : 神奈川県における2010年代以降の製造業の動向
- 要約
- ・総務省・経済産業省「令和3年経済センサス活動調査」(確報値)によると、2021年6月1日時点の県内製造業の事業所数、従業者数は2012年比で減少した。ただし、従業者数を業種別にみると、化学工業と食料品製造業は増加となっており、両業種の存在感が県内で強まったことが分かる。
・2020年の労働生産性を業種別にみると、多くの業種で伸び悩んだようにみえるが、これはコロナ禍の影響で需要が急減したためである。いかに効率的な生産体制を構築しても需要がなければそれを活かすことできず、見かけ上、労働生産性は低くなる。需要がコロナ禍前の状況に戻れば、これまで設備投資を増やすとともに、付加価値率を高めてきた効果が現れ、労働生産性が高まると予想される。特に化学工業では、これまで積極的な設備投資が行われてきたため、今後高い労働生産性の発揮が期待される。
- ・総務省・経済産業省「令和3年経済センサス活動調査」(確報値)によると、2021年6月1日時点の県内製造業の事業所数、従業者数は2012年比で減少した。ただし、従業者数を業種別にみると、化学工業と食料品製造業は増加となっており、両業種の存在感が県内で強まったことが分かる。
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2023-02-10
マクロ経済・金融市場調査
研究員コラム
はまぎん金融経済レポート : はまぎん金融経済レポート2023.2
- 要約
- 日本経済 :昨年終盤から景気回復の動きが鈍る 2
【トピック】韓国からなどを中心に急速に回復する訪日外国人数
米国経済 :インフレと景気が減速する中、FRBは利上げ幅を縮小
ユーロ圏経済:高インフレを抑制するためにECBは大幅利上げを継続
中国経済 :10~12月期は成長率が低下するも、年明け後は改善の兆し
【トピック】コロナの感染規模が縮小する中、市民生活の正常化が進む
- 日本経済 :昨年終盤から景気回復の動きが鈍る 2
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2023-02-14
産業動向調査
マーケット情報
外食需要動向 : 外食需要動向(2022年12月)
- 要約
- ・外食産業売上高は、値上げによる客単価上昇が押し上げ要因となり、前年同月比で増収が続く。
・ただし、物価上昇分を差し引いた実質では、家計の外食支出金額は2か月連続で前月比マイナスとなった。
・値上げの影響もあり、2022年初めから続いてきたコロナ禍からの客数の戻りは一巡しつつあるとみる。
- ・外食産業売上高は、値上げによる客単価上昇が押し上げ要因となり、前年同月比で増収が続く。
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2023-02-16
神奈川・地域経済調査
テーマレポート
神奈川県内上場企業の決算集計結果 : 神奈川県内上場企業の2022年10~12月期決算の集計結果
- 要約
- 1.神奈川県内上場企業115社の2022年10~12月期決算(2022年度第3四半期、連結ベース)を当社で集計したところ、全産業ベースの売上高は前年比24.4%増の3兆9,543億円、経常利益も同25.7%増の2,568億円となった。増収増益は2021年1~3月期から8四半期続いており、県内上場企業の業績は引き続き改善傾向にあることが確認された。
2.売上高は8四半期連続の増収となった。まず製造業は円安を背景とする海外部門の押し上げなどから前年比27.1%の増収となった。業種別には、自動車・同部品が同39.4%増と大幅増収となったほか、一般機械(同18.1%増)や電気機械(同16.6%増)なども増収が続いた。一方の非製造業も同19.6%増となった。業種別には、巣ごもり需要の剥落などから減収となった情報・通信を除くすべての業種が売り上げを伸ばした。海外部門がけん引したプラント建設が同51.5%増と売上高を大幅に伸ばし、半導体商社を主体に卸売も同29.0%増と大幅な増収が続いたほか、サービス(同11.9%増)や小売(同4.4%増)なども増収となった。・・・
- 1.神奈川県内上場企業115社の2022年10~12月期決算(2022年度第3四半期、連結ベース)を当社で集計したところ、全産業ベースの売上高は前年比24.4%増の3兆9,543億円、経常利益も同25.7%増の2,568億円となった。増収増益は2021年1~3月期から8四半期続いており、県内上場企業の業績は引き続き改善傾向にあることが確認された。
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2023-02-20
マクロ経済・金融市場調査
研究員コラム
わが国経済の見通し : 2023年度・2024年度の景気予測(2023年2月改訂)
- 要約
- 2022年10~12月期の実質GDP(国内総生産)は前期比+0.2%と2四半期ぶりに増加したものの、小幅な成長にとどまった。サービス消費を中心に個人消費が増加したものの、海外経済の先行き不透明感の強まりなどにより設備投資が減少に転じた。続く23年1~3月期も、経済活動の正常化が進む中で引き続きサービス消費中心に個人消費が増加するものの、欧米景気の減速の影響により輸出が鈍い動きになることから、小幅な成長が続くと見込まれる。この結果、22年度の実質GDPは前年比+1.3%となり、21年度(同+2.6%)から成長率が減速すると予測した。・・・
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2023-02-20
マクロ経済・金融市場調査
景気観測
Economic View(マクロ) : No.63 2023年度・2024年度の景気予測(2023年2月改訂)
- 要約
- 2022年10~12月期の実質GDP(国内総生産)は前期比+0.2%と2四半期ぶりに増加したものの、小幅な成長にとどまった。サービス消費を中心に個人消費が増加したものの、海外経済の先行き不透明感の強まりなどにより設備投資が減少に転じた。続く23年1~3月期も、経済活動の正常化が進む中で引き続きサービス消費中心に個人消費が増加するものの、欧米景気の減速の影響により輸出が鈍い動きになることから、小幅な成長が続くと見込まれる。この結果、22年度の実質GDPは前年比+1.3%となり、21年度(同+2.6%)から成長率が減速すると予測した。・・・
- 2022年10~12月期の実質GDP(国内総生産)は前期比+0.2%と2四半期ぶりに増加したものの、小幅な成長にとどまった。サービス消費を中心に個人消費が増加したものの、海外経済の先行き不透明感の強まりなどにより設備投資が減少に転じた。続く23年1~3月期も、経済活動の正常化が進む中で引き続きサービス消費中心に個人消費が増加するものの、欧米景気の減速の影響により輸出が鈍い動きになることから、小幅な成長が続くと見込まれる。この結果、22年度の実質GDPは前年比+1.3%となり、21年度(同+2.6%)から成長率が減速すると予測した。・・・
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2023-03-10
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : コロナ禍前水準を回復できない就業者数
- 要約
- ・コロナ禍が落ち着く中、企業の人手不足が再び深刻化している。この背景には、(Ⅰ)就業者数が既にピークアウトしつつあることや、(Ⅱ)これまで女性や高齢者の労働参加が進んできたため、さらに彼ら/彼女らの労働参加を促すことが難しくなっていることがある。今後も(Ⅰ)、(Ⅱ)の傾向は変化しないため、先行き人手不足は一層深刻化するだろう。
・こうした中、(a)外国人労働者を受け入れ、15歳以上人口を増やすこと、(b)労働生産性を引き上げ、少ない労働者数でより多くの収益を上げるようにすることが、一段と重要になる。(a)は2010年代以降、技能実習生などが増加したことで進んだが、人手不足の強まりを反転させるには至らなかった。従って、人手不足解消のカギは(b)が握っているといえる。・・・
- ・コロナ禍が落ち着く中、企業の人手不足が再び深刻化している。この背景には、(Ⅰ)就業者数が既にピークアウトしつつあることや、(Ⅱ)これまで女性や高齢者の労働参加が進んできたため、さらに彼ら/彼女らの労働参加を促すことが難しくなっていることがある。今後も(Ⅰ)、(Ⅱ)の傾向は変化しないため、先行き人手不足は一層深刻化するだろう。
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2023-03-10
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : 建設業の人材確保に関する事例紹介
- 要約
- ・トピックス①で述べたように、神奈川県でも近い将来、働き手が減っていく見込みであり、今後、県内の建設業はさらに深刻な人手不足に直面することになる。また、建設業では他の業種に比べて就業者の高齢化が進んでおり、10年後にはその多くが引退すると予想される。このままでは、彼ら/彼女らの技能が、若年層に伝わらないままとなってしまう恐れがある。
・本稿では山口県の建設会社、(株)コプロス(従業員数121名、2023年3月1日現在)の事例から人材確保のヒントを探る。同社は2014年に新卒採用を開始した後、採用数を徐々に増やしており、近年は毎年10名程度の新卒を確保している。また、新卒定着率が約9割という高さを誇る。・・・
- ・トピックス①で述べたように、神奈川県でも近い将来、働き手が減っていく見込みであり、今後、県内の建設業はさらに深刻な人手不足に直面することになる。また、建設業では他の業種に比べて就業者の高齢化が進んでおり、10年後にはその多くが引退すると予想される。このままでは、彼ら/彼女らの技能が、若年層に伝わらないままとなってしまう恐れがある。
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2023-03-10
マクロ経済・金融市場調査
研究員コラム
わが国経済の見通し : 2023年度・2024年度の景気予測(2022年10~12月期2次QE後改訂)
- 要約
- 3月9日に内閣府より公表された2022年10~12月期の実質GDP(国内総生産)の2次速報値(2次QE)は前期比+0.0%(前期比年率+0.1%)と、1次速報値(1次QE)の同+0.2%(同年率+0.6%)から下方修正された(図表1)。内訳をみると、公共投資(1次QE:前期比-0.5%→2次QE:同-0.3%)や輸出(同+1.4%→同+1.5%)などが上方修正されたものの、個人消費が1次QEの同+0.5%から、同+0.3%に下方修正された。個人消費の形態別内訳をみると、全ての財、サービス項目が小幅に下方修正された。なお、設備投資は1次QEと同じ増減率(前期比-0.5%)、在庫投資も1次QEと同じ寄与度(同-0.5%ポイント)になった。・・・
- 3月9日に内閣府より公表された2022年10~12月期の実質GDP(国内総生産)の2次速報値(2次QE)は前期比+0.0%(前期比年率+0.1%)と、1次速報値(1次QE)の同+0.2%(同年率+0.6%)から下方修正された(図表1)。内訳をみると、公共投資(1次QE:前期比-0.5%→2次QE:同-0.3%)や輸出(同+1.4%→同+1.5%)などが上方修正されたものの、個人消費が1次QEの同+0.5%から、同+0.3%に下方修正された。個人消費の形態別内訳をみると、全ての財、サービス項目が小幅に下方修正された。なお、設備投資は1次QEと同じ増減率(前期比-0.5%)、在庫投資も1次QEと同じ寄与度(同-0.5%ポイント)になった。・・・
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2023-03-10
マクロ経済・金融市場調査
研究員コラム
はまぎん金融経済レポート : はまぎん金融経済レポート2023.3
- 要約
- 日本経済 :企業活動が弱含む中で、個人消費の景気下支えに期待
【トピック】レジャー関連消費が消費全体を底上げへ
米国経済 :暖冬や年金支給額の増加を背景に景気は底堅く推移
ユーロ圏経済:企業の景況感は大幅に改善、ECBの大幅利上げは継続へ
中国経済 :習体制が政策の力点を景気回復に移行し、23年の景気は改善へ
- 日本経済 :企業活動が弱含む中で、個人消費の景気下支えに期待
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2023-03-15
神奈川・地域経済調査
テーマレポート
企業経営予測調査 : 企業経営予測調査(2023年3月調査)
- 要約
- 神奈川県内中堅・中小企業の2023年3月末時点における業況判断D.I.(全産業ベース、業況が「良い」-「悪い」、回答社数構成比、%)は▲14となり、前回2022年12月調査から1ポイント低下した。製造業では、金利上昇により欧米経済の減速が鮮明になっていることを受けて景況感が悪化。他方、行動制限の解消に伴って国内の経済活動が活発になっていることなどから、非製造業の景況感は良化した。国内外の景気動向の違いを背景に、製造業と非製造業で業況判断D.I.の方向感が大きく分かれた。・・・
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2023-03-15
産業動向調査
マーケット情報
外食需要動向 : 外食需要動向(2023年1月)
- 要約
- ・家計の実質外食支出金額は2022年夏を上回る水準で底堅く推移している。
・コロナ禍下での行動制限の緩和が進み、外食に対する心理的抵抗が弱まっている。外食産業の客数の伸びは、2022年11月から12月にかけて鈍化していたが、2023年1月は10月以前のペースに戻った。
・この先、外食の値上げの影響や、コロナ禍で変化した外食行動の定着が懸念材料となろう。
- ・家計の実質外食支出金額は2022年夏を上回る水準で底堅く推移している。
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2023-04-04
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
日銀短観 : 日銀短観(2023年3月調査)
- 要約
- 【全国企業】
・業況判断DI(全規模・全産業)は5となり、前回22年12月調査比1ポイント悪化。製造業は海外経済減速の影響などにより同6ポイント悪化。非製造業は外出機会の増加等による需要増で同2ポイント改善。
・円安修正や資源価格低下による輸入物価の低下により、仕入価格判断DI(大企業)は低下。
・2023年度の設備投資計画(全規模・全産業)は前年比+4.4%。コロナ禍以降の同時期調査としては、最も高い伸び。
【神奈川県内企業】
・県内企業の業況は原材料価格の高止まりなどで3四半期ぶりに悪化。先行きの業況も足踏みが続く。
- 【全国企業】
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2023-04-07
神奈川・地域経済調査
テーマレポート
企業経営予測調査 : 企業経営予測調査(2023年3月特別)
- 要約
- 【中堅・中小企業における賃上げの動きは2010年以降では最も大きくなっている】
神奈川県内の中堅・中小企業の2023年春の賃上げ状況について集計したところ、「賃上げを予定する」企業の割合は72.0%となった。この割合は、前年調査に比べ8.2ポイントの上昇であるのと同時に、2010年以降の調査で最も大きな割合となっている。
【賃上げ幅を「拡大する」と回答した企業の割合が高まる】
「賃上げを予定する」企業に対して賃上げ幅を聞いたところ、「前年並み」と回答した企業の割合が約半数を占めるものの割合は低下し、「拡大する」と回答した企業の割合が高まった。賃上げだけでなく賃上げ幅を引き上げる動きが強まりつつある一方で、前年並みの賃上げ幅とする企業が約半数を占めることから、賃上げ幅の拡大に慎重である中堅・中小企業もまだ多いことが確認できる。・・・
- 【中堅・中小企業における賃上げの動きは2010年以降では最も大きくなっている】
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2023-04-12
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : 新たな局面を迎える日本の金融政策
- 要約
- ・日本の金融政策が新たな局面を迎えている。日銀は2022年12月に、債券市場の機能度回復を目的に、長期金利の許容変動幅を拡大した。しかしながら、23年2月の「債券市場サーベイ」では、市場の機能度に対する市場参加者の見方が一段と悪化した。3月中旬に欧米の金融システム不安を受けて日本の10年国債利回りが大幅に低下し、イールドカーブの歪みが一時解消する場面はあったものの、依然として10年国債の取引が成立しない日があるなど、債券市場の円滑な取引には支障が生じている。
・こうした中、4月に日銀の新総裁として元日銀審議委員の植田氏が就任する。植田氏は2月の衆院での所信聴取で、「現在の日銀の金融政策が適切だ」と発言し、現行の金融緩和を継続する姿勢を強調した。ただその一方で、「イールドカーブ・コントロールが様々な副作用を生じさせている面は否定できない」とも述べており、将来的な政策の修正に含みを残した。・・・
- ・日本の金融政策が新たな局面を迎えている。日銀は2022年12月に、債券市場の機能度回復を目的に、長期金利の許容変動幅を拡大した。しかしながら、23年2月の「債券市場サーベイ」では、市場の機能度に対する市場参加者の見方が一段と悪化した。3月中旬に欧米の金融システム不安を受けて日本の10年国債利回りが大幅に低下し、イールドカーブの歪みが一時解消する場面はあったものの、依然として10年国債の取引が成立しない日があるなど、債券市場の円滑な取引には支障が生じている。
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2023-04-12
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : 2023年・2024年の中国景気の見通し
- 要約
- ・中国では、ゼロコロナからウィズコロナへの政策転換を背景に、2022年11月から12月にかけてコロナ感染が急拡大し、経済活動が停滞した。しかし23年の年明け後は、コロナの新規感染者数が急速に減少したことで市民の生活が正常化に向かい、足元の景気にも改善の動きが現れている。
・3月に開かれた全国人民代表大会で、習体制は23年の実質GDP(国内総生産)成長率の年間目標を「5%前後」に設定し、それを実現する目的で金融と財政の両面で国内需要を拡大するという方針を掲げた。・・・
- ・中国では、ゼロコロナからウィズコロナへの政策転換を背景に、2022年11月から12月にかけてコロナ感染が急拡大し、経済活動が停滞した。しかし23年の年明け後は、コロナの新規感染者数が急速に減少したことで市民の生活が正常化に向かい、足元の景気にも改善の動きが現れている。
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2023-04-12
マクロ経済・金融市場調査
研究員コラム
はまぎん金融経済レポート : はまぎん金融経済レポート2023.4
- 要約
- 日本経済 :海外景気の減速などで強まる日本経済の先行き不透明感
【トピック】今年の春闘賃上げ率は、昨年に比べて大きく上昇
米国経済 :懸念される銀行破綻の後遺症
ユーロ圏経済:景気が持ち直す中で、米金融不安が飛び火
中国経済 :景気は上向くも勢いは緩やか、住宅市場には底入れの兆し
【トピック】習体制は3期目の全人代で民間企業発展への支援方針を明示
- 日本経済 :海外景気の減速などで強まる日本経済の先行き不透明感
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2023-04-17
産業動向調査
マーケット情報
外食需要動向 : 外食需要動向(2023年2月)
- 要約
- ・2月の家計の実質外食支出金額は全国、関東地方とも、昨年(2022年)10月の「全国旅行支援」の開始月に次ぐ水準となった。コロナ禍による行動制約はほとんど見られなくなり、外食需要はほぼ正常化したとみる。
・他方、食材等の値上がりやエネルギーコストの上昇に伴って、メニューの値上げの動きが続いている。値上げは客単価の上昇要因となる一方で、顧客が低価格業態へ流出するなど客数減の要因ともなるため注意が必要であろう。
- ・2月の家計の実質外食支出金額は全国、関東地方とも、昨年(2022年)10月の「全国旅行支援」の開始月に次ぐ水準となった。コロナ禍による行動制約はほとんど見られなくなり、外食需要はほぼ正常化したとみる。
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2023-04-19
神奈川・地域経済調査マクロ経済・金融市場調査
景気観測
Economic View(神奈川・地域) : No.64 コロナ禍前水準を回復できない就業者数
- 要約
- ・新型コロナウイルスの経済への影響が弱まり、経済活動の正常化が進む中で、企業の人手不足が再び深刻化している。日本銀行の「短観(2023年3月調査)」によれば、全規模・全産業の雇用人員判断DIは、全国が-32、神奈川県が-29となっており、コロナ禍前並みの大幅な「不足」超となった。
・人手不足の背景には、(Ⅰ)働き手となる15歳以上人口が減少し就業者数が既にピークアウトしつつあることや、(Ⅱ)女性や高齢者の労働参加が進み、彼ら/彼女らの労働参加を促すことが難しくなりつつあることがある。これら(Ⅰ)、(Ⅱ)の要因は長期的な傾向であるため、先行きも人手不足は一層深刻化するだろう。・・・
- ・新型コロナウイルスの経済への影響が弱まり、経済活動の正常化が進む中で、企業の人手不足が再び深刻化している。日本銀行の「短観(2023年3月調査)」によれば、全規模・全産業の雇用人員判断DIは、全国が-32、神奈川県が-29となっており、コロナ禍前並みの大幅な「不足」超となった。
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2023-05-15
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : 神奈川県における高齢者の人口移動の動向
- 要約
- ・高齢者の人口移動は、高齢者向けの施設や住宅などのシニア向けビジネスに影響を与える重要な要素である。本稿では、施設等に入居する需要が高まることが想定される75歳以上人口に焦点をあてて、神奈川県における人口移動の動向を分析した。
・神奈川県の75歳以上人口は転入超過が続いており、2022年は東京圏、非東京圏のいずれからも転入超過だった。特に都区部からの転入超過数が多かった。これは、神奈川県が都区部に比べて高齢者向けの施設や住宅の供給量が多く、価格も安いため、都区部から神奈川県へ移動する人が相対的に多くなっているためと考えられる。・・・
- ・高齢者の人口移動は、高齢者向けの施設や住宅などのシニア向けビジネスに影響を与える重要な要素である。本稿では、施設等に入居する需要が高まることが想定される75歳以上人口に焦点をあてて、神奈川県における人口移動の動向を分析した。
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2023-05-15
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : コロナ禍を契機とした各種の変化が定着する
- 要約
- ・世界的な新型コロナウイルス感染症の感染拡大とその影響(コロナ禍)は、依然として収束が見えない。他方、コロナ禍により人々の行動に様々な変化が生じており、それが定着しつつある。例えば、リモートワークの一般化や、電子マネーの活用である。また、経済活動の回復局面では、資源などの需給バランスが崩れて物価が高騰し、経済に大きな影響を与えた。
・こうした変化の背後には、コロナ禍を契機として、地球環境問題に端を発する脱炭素の推進や、労働力不足と働き方改革への対応など、企業活動を制約する様々な課題が表面化したことがある。・・・
- ・世界的な新型コロナウイルス感染症の感染拡大とその影響(コロナ禍)は、依然として収束が見えない。他方、コロナ禍により人々の行動に様々な変化が生じており、それが定着しつつある。例えば、リモートワークの一般化や、電子マネーの活用である。また、経済活動の回復局面では、資源などの需給バランスが崩れて物価が高騰し、経済に大きな影響を与えた。
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2023-05-15
マクロ経済・金融市場調査
研究員コラム
はまぎん金融経済レポート : はまぎん金融経済レポート2023.5
- 要約
- 日本経済 :1~3月期は輸出が弱含む一方で個人消費が底堅く推移
【トピック】2070年の日本の人口は3割減の8,700万人に
米国経済 :1~3月期の実質GDPは個人消費を牽引役に底堅く推移
ユーロ圏経済:金融不安が沈静化する中、ECBは0.25%の利上げを実施
中国経済 :景気回復に力強さを欠く中、習体制は需要拡大方針を強調
【トピック】中国でNEVシフトが進む中、日系自動車企業は迅速な対応が急務
- 日本経済 :1~3月期は輸出が弱含む一方で個人消費が底堅く推移
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2023-05-18
産業動向調査
マーケット情報
外食需要動向 : 外食需要動向(2023年3月)
- 要約
- ・3月の家計の実質外食支出金額は、季調済前月比では2月を下回ったが、高い水準を維持した。
・3月の外食産業売上高は、客数の戻りと客単価の上昇によって、全体としてコロナ禍前並みの水準が続いた。
・パブ・居酒屋業態でも、1店舗当たりの売上高はコロナ禍前の8割の水準まで戻った。ただし同時に、消費者行動の変化を見極め、それにどのように対応するかが問われる局面に入ったとみる。
- ・3月の家計の実質外食支出金額は、季調済前月比では2月を下回ったが、高い水準を維持した。
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2023-05-18
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
GDP速報 : GDP速報(2023年1~3月)
- 要約
- ・2023年1~3月期の実質GDPは、前期比+0.4%と3四半期ぶりのプラス成長となった。
・海外景気減速の影響から輸出が減少したものの、経済活動正常化の進展により個人消費の回復が続き、また、設備投資も増加に転じた。
・4~6月期は、欧米を中心とした海外景気の減速を受けて輸出の低迷が続く一方で、個人消費がサービス消費を中心に引き続き回復し、緩やかなプラス成長が続くと見込む。
- ・2023年1~3月期の実質GDPは、前期比+0.4%と3四半期ぶりのプラス成長となった。
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2023-05-22
神奈川・地域経済調査
テーマレポート
神奈川県内上場企業の決算集計結果 : 神奈川県内上場企業の2023年3月期決算の集計結果
- 要約
- 1.神奈川県内上場企業(連結ベース、製造業69社、非製造業45社の計114社)の2023年3月期決算(2022年度)を当社で集計したところ、全産業の売上高は15兆4,289億円で前年比18.8%増、一方の経常利益も同26.3%増の1兆799億円となって2年連続で増収増益となった。また114社ベースで確認可能な2015年度以降において、2年連続で最高益を更新した。
2.売上高は前年に続いて大幅な増収となった。まず製造業は前年比19.6%増となった。業種別には、2年連続で全業種が増収となった。なかでも自動車・同部品がアジアなど海外売上高を主体に同25.6%増と大幅増収となったほか、電気機械(同15.8%増)など加工組立型の伸びが高めとなった。一方の非製造業も同17.5%の増収となった。業種別にはプラント建設(同33.0%増)と卸売(同26.8%増)が大幅な増収となったほか、サービス(同12.2%増)や小売(同10.1%増)なども増収幅が拡大した。・・・
- 1.神奈川県内上場企業(連結ベース、製造業69社、非製造業45社の計114社)の2023年3月期決算(2022年度)を当社で集計したところ、全産業の売上高は15兆4,289億円で前年比18.8%増、一方の経常利益も同26.3%増の1兆799億円となって2年連続で増収増益となった。また114社ベースで確認可能な2015年度以降において、2年連続で最高益を更新した。
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2023-05-23
マクロ経済・金融市場調査
景気観測
Economic View(マクロ) : No.65 持続的な賃金上昇は実現するのか?
- 要約
- ・2023年の春闘での賃上げ率は30年ぶりの高水準となり、今後もこうした賃上げが続くかどうかに注目が集まっている。筆者は、現状のままではわが国において賃金が持続的に上昇する可能性は低いと考えている。これは、(1)日本では企業が実質労働生産性(物的生産性)の向上を賃上げではなく、価格の引き下げに使う(安い財やサービスを提供するために生産性を向上させる)傾向があり、名目賃金を規定する付加価値生産性(物的生産性×価格)が伸びにくく、また(2)日本型雇用慣行のために賃上げ圧力が生じにくいためである。(2)については、日本型雇用慣行というシステムのために、転職市場(終身雇用、年功賃金のために転職しない方が得になる)や労働組合(企業別労働組合のために労使の関係が良好で強い交渉を行えない)が十分機能せず、賃金上昇圧力が高まりにくいということである。・・・
- ・2023年の春闘での賃上げ率は30年ぶりの高水準となり、今後もこうした賃上げが続くかどうかに注目が集まっている。筆者は、現状のままではわが国において賃金が持続的に上昇する可能性は低いと考えている。これは、(1)日本では企業が実質労働生産性(物的生産性)の向上を賃上げではなく、価格の引き下げに使う(安い財やサービスを提供するために生産性を向上させる)傾向があり、名目賃金を規定する付加価値生産性(物的生産性×価格)が伸びにくく、また(2)日本型雇用慣行のために賃上げ圧力が生じにくいためである。(2)については、日本型雇用慣行というシステムのために、転職市場(終身雇用、年功賃金のために転職しない方が得になる)や労働組合(企業別労働組合のために労使の関係が良好で強い交渉を行えない)が十分機能せず、賃金上昇圧力が高まりにくいということである。・・・
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2023-05-24
マクロ経済・金融市場調査
研究員コラム
わが国経済の見通し : 2023年度・2024年度の景気予測(2023年5月改訂)
- 要約
- 2023年1~3月期の実質GDP(国内総生産)は前期比+0.4%と3四半期ぶりに増加した。個人消費が耐久財やサービス消費の増加により増勢を強めた。また、企業の経常利益が高水準で推移する中で、設備投資も再び増加した。一方、輸出は海外景気の減速などにより6期ぶりに減少した。・・・
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2023-05-24
マクロ経済・金融市場調査
景気観測
Economic View(マクロ) : No.66 2023年度・2024年度の景気予測(2023年5月改訂)
- 要約
- 2023年1~3月期の実質GDP(国内総生産)は前期比+0.4%と3四半期ぶりに増加した。個人消費が耐久財やサービス消費の増加により増勢を強めた。また、企業の経常利益が高水準で推移する中で、設備投資も再び増加した。一方、輸出は海外景気の減速などにより6期ぶりに減少した。・・・
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2023-05-26
神奈川・地域経済調査
研究員コラム
県民ボーナスの見通し : 2023年夏の県民ボーナスの見通し
- 要約
- ・民間企業に勤める神奈川県民1人あたりの今夏のボーナスは、企業業績の改善や賞与の算定基礎となる基本給の増加を反映して前年比3.4%増の46.8万円になると予測した。加えて、雇用者数と支給対象者割合がともに前年を上回ることから、民間のボーナス総支給額は同4.4%増になる見込みである。
・公務員の1人あたり支給額は、2022年10月の神奈川県人事委員会の給与勧告において今夏の期末・勤勉手当の支給月数が0.05か月引き上げられたことなどから、前年比2.6%増を見込む。民間と公務員とを合わせた官民計の1人あたり支給額は同3.3%増、官民計の支給総額は同4.2%増になる見通しである。
・消費者物価上昇率は高めの推移となっており、引き続き物価高が消費の下押し要因となっている。こうした中、今夏の民間1人あたりのボーナス支給額が増加することは消費活動を下支えする要因になると考えられ、夏場の県内個人消費の減少は回避される公算が大きい。
- ・民間企業に勤める神奈川県民1人あたりの今夏のボーナスは、企業業績の改善や賞与の算定基礎となる基本給の増加を反映して前年比3.4%増の46.8万円になると予測した。加えて、雇用者数と支給対象者割合がともに前年を上回ることから、民間のボーナス総支給額は同4.4%増になる見込みである。
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2023-06-02
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
法人企業統計 : 法人企業統計(2023年1~3月)
- 要約
- ・海外景気の減速などにより製造業が減益となる一方、経済活動の正常化などにより非製造業が増益に。
・製造業、非製造業ともに設備投資の増勢が強まる。
・6月8日に公表されるGDP2次速報の設備投資は1次速報から上方修正の公算。
- ・海外景気の減速などにより製造業が減益となる一方、経済活動の正常化などにより非製造業が増益に。
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2023-06-08
マクロ経済・金融市場調査
研究員コラム
わが国経済の見通し : 2023年度・2024年度の景気予測(2023年1~3月期2次QE後改訂)
- 要約
- 6月8日に内閣府より公表された2023年1~3月期の実質GDP(国内総生産)の2次速報値(2次QE)は前期比+0.7%(同年率+2.7%)と、1次速報値(1次QE)の同+0.4%(同年率+1.6%)から上方修正された(図表1)。内訳をみると6月1日に財務省から公表された1~3月期の「法人企業統計」の結果を受けて、設備投資が1次QEの同+0.9%から同+1.4%に上方修正されたほか、在庫投資の寄与度が1次QEの同+0.1%ポイントから同+0.4%ポイントに上方修正された。その一方で、個人消費(1次QE:前期比+0.6%→2次QE:同+0.5%)や公共投資(同+2.4%→同+1.5%)などは下方修正された。・・・
- 6月8日に内閣府より公表された2023年1~3月期の実質GDP(国内総生産)の2次速報値(2次QE)は前期比+0.7%(同年率+2.7%)と、1次速報値(1次QE)の同+0.4%(同年率+1.6%)から上方修正された(図表1)。内訳をみると6月1日に財務省から公表された1~3月期の「法人企業統計」の結果を受けて、設備投資が1次QEの同+0.9%から同+1.4%に上方修正されたほか、在庫投資の寄与度が1次QEの同+0.1%ポイントから同+0.4%ポイントに上方修正された。その一方で、個人消費(1次QE:前期比+0.6%→2次QE:同+0.5%)や公共投資(同+2.4%→同+1.5%)などは下方修正された。・・・
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2023-06-12
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : 中小企業で広がるSBT認定取得
- 要約
- ・中小企業向けSBT(Science Based Targets)の認定を取得した企業数が国内で急増している。SBTとは、国際的な気候変動に関する協定である「パリ協定」と整合した、企業が設定する温室効果ガスの削減目標を指す。企業は、SBTの認定を取得することで、「パリ協定」を順守した脱炭素経営を行っていることを、グローバルにアピールできる。
・SBTには事業規模を問わない通常のSBTに加え、従業員数500人未満の非子会社・独立系企業を対象とした中小企業向けSBTがある。中小企業向けSBTは自社の取り組みのみで完結でき、費用や承認プロセスの負担が通常のSBTよりも軽い。また、削減目標や目標年数が設定されているため、分かりやすく、取り組みやすい制度となっている。・・・
- ・中小企業向けSBT(Science Based Targets)の認定を取得した企業数が国内で急増している。SBTとは、国際的な気候変動に関する協定である「パリ協定」と整合した、企業が設定する温室効果ガスの削減目標を指す。企業は、SBTの認定を取得することで、「パリ協定」を順守した脱炭素経営を行っていることを、グローバルにアピールできる。
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2023-06-12
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : ITの活用で在庫管理を効率化する衣料品小売
- 要約
- ・アパレルの在庫管理においてデジタル技術の活用が加速している。衣料品小売においては「ユニクロ」に代表されるSPA(製造小売)や「ZOZO TOWN」などのEC(電子商取引)モールの存在感が大きくなっている。その多くはIT(情報技術)を活用して、在庫管理を効率化している。
・歴史的には、衣料品小売は百貨店がその多くを占める時代が続いた。百貨店は「消化仕入」という独特の商習慣を導入することで、在庫管理(在庫リスク)をアパレル側の負担とし、自らはリスクを負わなかった。・・・
- ・アパレルの在庫管理においてデジタル技術の活用が加速している。衣料品小売においては「ユニクロ」に代表されるSPA(製造小売)や「ZOZO TOWN」などのEC(電子商取引)モールの存在感が大きくなっている。その多くはIT(情報技術)を活用して、在庫管理を効率化している。
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2023-06-12
マクロ経済・金融市場調査
研究員コラム
はまぎん金融経済レポート : はまぎん金融経済レポート2023.6
- 要約
- 日本経済 :2023年度・2024年度の景気予測(2023年5月改訂)
米国経済 :内需をけん引役に粘り強い景気の拡大が持続
【トピック】債務上限問題を巡る危機が土壇場で回避
ユーロ圏経済:物価高や利上げの影響により景気が減速
中国経済 :習体制の支援策もあり、23年の景気は消費を中心に緩やかな回復へ
- 日本経済 :2023年度・2024年度の景気予測(2023年5月改訂)
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2023-06-16
神奈川・地域経済調査
テーマレポート
企業経営予測調査 : 企業経営予測調査(2023年6月調査)
- 要約
- 神奈川県内中堅・中小企業の2023年6月末時点における業況判断D.I.(全産業ベース、業況が「良い」-「悪い」、回答社数構成比、%ポイント)は▲15となり、前回2023年3月調査から2ポイント低下した。社会経済活動が正常化するにつれて業況の改善が鮮明になる業種がある一方で、欧米の金利上昇やそれに伴う景気減速により景況感の悪化が顕在化する業種があるなど、業種毎に方向性が大きく分かれた。・・・
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2023-06-20
産業動向調査
マーケット情報
外食需要動向 : 外食需要動向(2023年4月)
- 要約
- ・外出機会の増加により、家計の実質外食支出金額は全国、関東地方とも、高い水準を維持している。
・外食産業では値上げの動きが続いているものの、客離れは顕在化していない。
・行動制約の解消に伴う客数の戻りが一巡した後は、値上げによる客離れのリスクが高まる。
- ・外出機会の増加により、家計の実質外食支出金額は全国、関東地方とも、高い水準を維持している。
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2023-07-04
神奈川・地域経済調査
景気観測
Economic View(神奈川・地域) : No.67 2023・24年度の神奈川県内経済見通し
- 要約
- 2023年1~5月の神奈川県内経済は緩やかな回復が続いた。すなわち、輸出は、製造業を中心とした海外経済の減速を受けて、財輸出が減少傾向となった。一方、インバウンド需要の持ち直しによりサービス輸出は持ち直した模様だ。個人消費は、旅行、外食などのサービス消費がコロナ禍で抑制されてきた反動もあり回復した。また、自動車部品の供給制約が緩和する中で、自動車販売も持ち直した。さらに設備投資も、研究開発投資や物流施設の建設を中心に堅調に推移したとみられる。・・・
- 2023年1~5月の神奈川県内経済は緩やかな回復が続いた。すなわち、輸出は、製造業を中心とした海外経済の減速を受けて、財輸出が減少傾向となった。一方、インバウンド需要の持ち直しによりサービス輸出は持ち直した模様だ。個人消費は、旅行、外食などのサービス消費がコロナ禍で抑制されてきた反動もあり回復した。また、自動車部品の供給制約が緩和する中で、自動車販売も持ち直した。さらに設備投資も、研究開発投資や物流施設の建設を中心に堅調に推移したとみられる。・・・
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2023-07-04
神奈川・地域経済調査
研究員コラム
神奈川県内経済見通し : 2023・2024年度の神奈川県内経済見通し
- 要約
- 2023年1~5月の神奈川県内経済は緩やかな回復が続いた。すなわち、輸出は、製造業を中心とした海外経済の減速を受けて、財輸出が減少傾向となった。一方、インバウンド需要の持ち直しによりサービス輸出は持ち直した模様だ。個人消費は、旅行、外食などのサービス消費がコロナ禍で抑制されてきた反動もあり回復した。また、自動車部品の供給制約が緩和する中で、自動車販売も持ち直した。さらに設備投資も、研究開発投資や物流施設の建設を中心に堅調に推移したとみられる。・・・
- 2023年1~5月の神奈川県内経済は緩やかな回復が続いた。すなわち、輸出は、製造業を中心とした海外経済の減速を受けて、財輸出が減少傾向となった。一方、インバウンド需要の持ち直しによりサービス輸出は持ち直した模様だ。個人消費は、旅行、外食などのサービス消費がコロナ禍で抑制されてきた反動もあり回復した。また、自動車部品の供給制約が緩和する中で、自動車販売も持ち直した。さらに設備投資も、研究開発投資や物流施設の建設を中心に堅調に推移したとみられる。・・・
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2023-07-04
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
日銀短観 : 日銀短観(2023年6月調査)
- 要約
- 【全国企業】
・業況判断DI(全規模・全産業)は8と、前回3月調査比3ポイント上昇した。原材料高の一服や、半導体などの部品の供給制約緩和による自動車生産の持ち直しを背景に、製造業のDIは同3ポイント上昇した。また、新型コロナウィルスの感染症法上の分類が「5類」へ移行し、経済活動の正常化が一段と進展したことを受けて、非製造業のDIは同2ポイント上昇した。
・2023年度の経常利益計画(全規模・全産業)は前年比-5.8%と、前回調査に比べて減益幅が拡大した。ただし、これは2022年度の経常利益が大きく上方修正されたためであり、経常利益の水準としては前回調査時よりも上昇している。
・2023年度の設備投資計画(ソフトウェア・研究開発を含み、土地投資額を除く、全規模・全産業)は前年比+12.4%と上方修正。コロナ禍による先行き不透明感が軽減し、企業が、先送りしていた更新投資などの設備投資の動きを本格化させているとみられる。・・・
【神奈川県内企業】
・県内企業の業況は部品の供給制約緩和や経済活動の正常化を受けて改善した。
- 【全国企業】
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2023-07-05
神奈川・地域経済調査
テーマレポート
企業経営予測調査 : 企業経営予測調査(2023年6月特別)
- 要約
- 2022年度に設備投資を実施した県内中堅・中小企業の割合は61.1%となり、昨年の同時期に調査した2021年度の設備投資の実施割合57.0%から4.1ポイントの上昇となった。設備投資の目的(複数回答)は、「更新・維持補修」が大勢を占めるものの、製造業、非製造業ともに「増産・拡販」の割合が高まっており、経済活動の活性化に伴って能力増強のニーズが高まっている。・・・
- 2022年度に設備投資を実施した県内中堅・中小企業の割合は61.1%となり、昨年の同時期に調査した2021年度の設備投資の実施割合57.0%から4.1ポイントの上昇となった。設備投資の目的(複数回答)は、「更新・維持補修」が大勢を占めるものの、製造業、非製造業ともに「増産・拡販」の割合が高まっており、経済活動の活性化に伴って能力増強のニーズが高まっている。・・・
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2023-07-10
産業動向調査
マーケット情報
外食需要動向 : 外食需要動向(2023年5月)
- 要約
- ・家計の実質外食支出金額は全国、関東地方とも、5月は前月比で減少となったものの高水準を維持。
・外出機会の増加で外食産業全体の来店客数は増加しており、値上げの影響が見えにくくなっている。
・コロナ禍からの回復をけん引した洋風ファストフード業態では客数の回復に一服感がみられる。
- ・家計の実質外食支出金額は全国、関東地方とも、5月は前月比で減少となったものの高水準を維持。
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2023-07-12
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : 2023・2024年度の神奈川県内経済見通し
- 要約
- ・2023年1~5月の神奈川県内経済は、財輸出が減少傾向で推移したものの、個人消費を中心とした緩やかな回復が続いた。
・2023年度の県内経済成長率は+1.3%となり、22年度比で減速するとみる(最終ページ図表13)。輸出は米欧を中心に海外経済の減速が続くため伸び悩むだろう。また、個人消費も物価高による家計の購買力低下が重荷となり、食料品などを中心に減速しよう。一方、企業の仕入コストが低下に向かうことは、県内産業にとって強い追い風になる。また本県は、これまで国内旅行需要が全国以上に回復する傾向にあった。これらを踏まえて、県内経済成長率は全国よりも高い成長率を維持すると見込んだ。・・・
- ・2023年1~5月の神奈川県内経済は、財輸出が減少傾向で推移したものの、個人消費を中心とした緩やかな回復が続いた。
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2023-07-12
マクロ経済・金融市場調査
研究員コラム
はまぎん金融経済レポート : はまぎん金融経済レポート2023.7
- 要約
- 日本経済 :企業の設備投資意欲は旺盛、個人消費も回復が続く
【トピック】構造的な賃上げと成長分野への投資促進を掲げた「骨太の方針2023」
米国経済 :政策効果により製造業の設備投資が活発化
ユーロ圏経済:企業の景況感は6月に大きく悪化
中国経済 :景気回復のテンポが弱まる中、人民銀は利下げを実施
【トピック】地方財政悪化が懸念されるも、習体制は追加の財政出動の可能性
- 日本経済 :企業の設備投資意欲は旺盛、個人消費も回復が続く
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2023-08-10
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : 経済センサスでみる藤沢市の産業構造
- 要約
- ・総務省・経済産業省「令和3年経済センサス活動調査」(確報値)によると、2021年6月1日時点の藤沢市の民営事業所数(事業内容等不詳の事業所を除く)は13.2千か所、民営事業所の従業者数は162.0千人と、それぞれ神奈川県内の市町村の中では4番目の規模となっている。
・事業所数や従業者数の産業別構成比をみると、神奈川県は個人向けに事業を行う業種や専門的なサービス業の集積度が相対的に高い地域であるが、藤沢市はこうした産業構成上の特徴がより強く現れている地域である。・・・
- ・総務省・経済産業省「令和3年経済センサス活動調査」(確報値)によると、2021年6月1日時点の藤沢市の民営事業所数(事業内容等不詳の事業所を除く)は13.2千か所、民営事業所の従業者数は162.0千人と、それぞれ神奈川県内の市町村の中では4番目の規模となっている。
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2023-08-10
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : 求められる車載用蓄電池のリユース、リサイクルの加速
- 要約
- ・日本においても電気自動車(BEV:Battery Electric Vehicle)の販売が加速し始めた。自動車各社は2030~35年頃をめどに、新車販売台数に占めるBEVの比率を飛躍的に高める方針を示しており、搭載する蓄電池の確保が当面の課題となる。
・BEVに搭載されるリチウムイオン電池(LIB:Lithium Ion Battery)の容量は、これまでの電動化車両の主力であったハイブリッド車(HEV)の蓄電池と比べてけた違いの大きさである。BEVが本格的に普及する2035年に必要とされる車載用蓄電池の容量は、2020年の生産容量の約14倍に拡大すると予想されている。必要な生産能力を確保するためには、蓄電池業界は現有生産能力と同じ規模の能力増強を毎年行う必要がある。・・・
- ・日本においても電気自動車(BEV:Battery Electric Vehicle)の販売が加速し始めた。自動車各社は2030~35年頃をめどに、新車販売台数に占めるBEVの比率を飛躍的に高める方針を示しており、搭載する蓄電池の確保が当面の課題となる。
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2023-08-10
産業動向調査
マーケット情報
外食需要動向 : 外食需要動向(2023年6月)
- 要約
- ・家計の実質外食支出金額は、全国、関東地方とも、前月比では2か月連続の減少となった。
・外出機会の増加や訪日外国人の増加で来店客数は増加しており、名目の外食産業売上高は前年同月比で増加しているものの、物価上昇を加味した実質外食支出に頭打ち感が出ている。
・業態別に店舗数の減少を加味した1店舗当たりの売上高を算出すると、パブ・居酒屋業態でも6月は2019年比96.4%となり、ほぼコロナ禍前の水準まで回復したことが確認できる。
- ・家計の実質外食支出金額は、全国、関東地方とも、前月比では2か月連続の減少となった。
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2023-08-10
マクロ経済・金融市場調査
研究員コラム
はまぎん金融経済レポート : はまぎん金融経済レポート2023.8
- 要約
- 日本経済 :物価高の影響が続く中、個人消費の回復ペースは緩やかに
【トピック】日銀が金融政策を微修正
米国経済 :4~6月期の実質GDPは設備投資の増加などで堅調推移
ユーロ圏経済:4~6月期の成長率は持ち直したが、景況感には黄信号
中国経済 :投資や輸出の弱含みにより、景気回復の動きは弱い
【トピック】習体制は景気下支え策を強化する姿勢を鮮明に
- 日本経済 :物価高の影響が続く中、個人消費の回復ペースは緩やかに
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2023-08-16
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
GDP速報 : GDP速報(2023年4~6月)
- 要約
- ・23年4~6月期の実質GDPは、前期比+1.5%(同年率+6.0%)と3四半期連続のプラス成長となった。
・内訳をみると、個人消費は物価高の影響から財消費が減少し、3四半期ぶりのマイナス成長となった。また、設備投資はソフトウェア関連投資が増加する一方、機械関連投資が減少し、前期比横ばいとなった。他方、輸出は自動車を中心とした財輸出が増加するとともに、インバウンド消費などのサービス輸出が増加し、増勢が強まった。一方で、輸入は、国内需要の鈍さやコロナワクチンの輸入減などを反映して、減少した。4~6月期の実質GDPは外需の押し上げにより高成長になったものの、国内需要は弱い動きとなっており、景気の基調は決して強くないと判断できる。
・23年7~9月期の実質GDPは、小幅なマイナス成長になると見込む。個人消費は物価高の影響により財消費が弱含む一方で、夏場のレジャー消費などが下支えし増加に転じると見込む。また、設備投資も大企業の設備投資意欲が旺盛になっていることなどを踏まえると強含むことになろう。その一方で、欧米景気の減速などを受けて財輸出中心に輸出が弱含むことなどから、外需の寄与がマイナスに転じると見込んだ。
- ・23年4~6月期の実質GDPは、前期比+1.5%(同年率+6.0%)と3四半期連続のプラス成長となった。
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2023-08-22
マクロ経済・金融市場調査
研究員コラム
わが国経済の見通し : 2023年度・2024年度の景気予測(2023年8月改訂)
- 要約
- 2023年4~6月期の実質GDP(国内総生産)は前期比+1.5%と高い伸びになった。自動車輸出の回復やインバウンド需要の増加により輸出が増加に転じ、一方で輸入が減少したことから海外需要(輸出-輸入)が成長率を大幅に押し上げる形となった。一方、物価高などの影響で個人消費が3四半期ぶりに減少し、設備投資の伸びも横ばいに低下するなど、国内需要は弱めの動きとなった。・・・
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2023-08-22
マクロ経済・金融市場調査
景気観測
Economic View(マクロ) : No.68 2023年度・2024年度の景気予測(2023年8月改訂)
- 要約
- 2023年4~6月期の実質GDP(国内総生産)は前期比+1.5%と高い伸びになった。自動車輸出の回復やインバウンド需要の増加により輸出が増加に転じ、一方で輸入が減少したことから海外需要(輸出-輸入)が成長率を大幅に押し上げる形となった。一方、物価高などの影響で個人消費が3四半期ぶりに減少し、設備投資の伸びも横ばいに低下するなど、国内需要は弱めの動きとなった。・・・
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2023-09-04
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
法人企業統計 : 法人企業統計(2023年4~6月)
- 要約
- ・全産業ベースでの経常利益(季節調整値)は過去最高の水準を更新。非製造業が過去最高に。
・設備投資の伸び率は全産業ベースで前年比+4.5%と低下。製造業、非製造業ともに増加幅が縮小。
・9月8日に公表されるGDP2次速報の設備投資は1次速報から下方修正される公算大。
- ・全産業ベースでの経常利益(季節調整値)は過去最高の水準を更新。非製造業が過去最高に。
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2023-09-08
産業動向調査
マーケット情報
外食需要動向 : 外食需要動向(2023年7月)
- 要約
- ・行動制約のない夏休みとなった7月の実質外食支出金額(季調済)は、3か月ぶりに増加に転じた。伸び率は全国で前月比9.5%増、関東地方では同8.3%増となり、リベンジ消費が本格化した今春の伸びを上回る。
・ただし、夏季の旅行やレジャー等に伴う外食需要が一巡すれば、物価上昇が再び実質外食支出金額の抑制要因となる懸念がある。
・業態別に店舗数の減少を加味した1店舗当たりの客数を算出すると、外食業態全体では7月に2019年比102.0%となり、コロナ禍前の水準を回復した。
- ・行動制約のない夏休みとなった7月の実質外食支出金額(季調済)は、3か月ぶりに増加に転じた。伸び率は全国で前月比9.5%増、関東地方では同8.3%増となり、リベンジ消費が本格化した今春の伸びを上回る。
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2023-09-11
マクロ経済・金融市場調査
研究員コラム
わが国経済の見通し : 2023年度・2024年度の景気予測(2023年4~6月期2次QE後改訂)
- 要約
- 9月8日に内閣府から公表された2023年4~6月期の実質GDP(国内総生産)の2次速報値(2次QE)は前期比+1.2%(同年率+4.8%)と、1次速報値(1次QE)の同+1.5%(同年率+6.0%)から下方修正された(次ページ、図表1)。・・・
- 9月8日に内閣府から公表された2023年4~6月期の実質GDP(国内総生産)の2次速報値(2次QE)は前期比+1.2%(同年率+4.8%)と、1次速報値(1次QE)の同+1.5%(同年率+6.0%)から下方修正された(次ページ、図表1)。・・・
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2023-09-12
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : 2023年度・2024年度の日本経済の見通し
- 要約
- ・2023年4~6月期の実質GDP(国内総生産)成長率は前期比+1.5%と高い伸びになった。国内需要が弱めの動きになったものの、海外需要(輸出-輸入)が成長率を大幅に押し上げた。
・2023年度を展望すると、この先の景気は鈍い動きになると見込まれる。経済活動の正常化によりサービス消費が増加するものの、物価高の影響により個人消費は小幅な伸びにとどまるだろう。・・・
- ・2023年4~6月期の実質GDP(国内総生産)成長率は前期比+1.5%と高い伸びになった。国内需要が弱めの動きになったものの、海外需要(輸出-輸入)が成長率を大幅に押し上げた。
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2023-09-12
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : 2023年・2024年の中国経済の見通し
- 要約
- ・中国の2023年4~6月期の実質GDP(国内総生産)は前期比0.8%増と1~3月期と比べて大幅に減速した。・・・
・2023年7月下旬に開かれた「中国共産党中央政治局会議」では、習体制が2023年後半の経済運営について、スラム地域の再開発プロジェクトの推進などを通じて、国内需要の拡大を図る方針を打ち出した。・・・
- ・中国の2023年4~6月期の実質GDP(国内総生産)は前期比0.8%増と1~3月期と比べて大幅に減速した。・・・
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2023-09-12
マクロ経済・金融市場調査
研究員コラム
はまぎん金融経済レポート : はまぎん金融経済レポート2023.9
- 要約
- 日本経済 :2023年度・2024年度の景気予測(2023年8月改訂)
米国経済 :雇用情勢の改善がやや鈍る一方、個人消費は堅調推移
【トピック】一服感が強まる設備投資
ユーロ圏経済:企業の景況感が一段と悪化
中国経済 :景気下支え策の強化により景気は緩やかな回復へ
- 日本経済 :2023年度・2024年度の景気予測(2023年8月改訂)
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2023-09-15
神奈川・地域経済調査
テーマレポート
企業経営予測調査 : 企業経営予測調査(2023年9月調査)
- 要約
- 神奈川県内中堅・中小企業の2023年9月末時点における業況判断D.I.(全産業ベース、業況が「良い」-「悪い」、回答社数構成比、%ポイント)は▲13となり、前回2023年6月調査から2ポイント上昇した。4年ぶりの行動制約がないホリデーシーズンとなり、物販やサービス関連業種を中心に業況が改善した。他方、在庫調整や輸入物価等の高騰、人手不足などから、素材や部品業界などの業況が悪化した。製造業、非製造業を問わず業況は比較的良いとみられるものの、業種ごとのばらつきは顕著になった。・・・
- 神奈川県内中堅・中小企業の2023年9月末時点における業況判断D.I.(全産業ベース、業況が「良い」-「悪い」、回答社数構成比、%ポイント)は▲13となり、前回2023年6月調査から2ポイント上昇した。4年ぶりの行動制約がないホリデーシーズンとなり、物販やサービス関連業種を中心に業況が改善した。他方、在庫調整や輸入物価等の高騰、人手不足などから、素材や部品業界などの業況が悪化した。製造業、非製造業を問わず業況は比較的良いとみられるものの、業種ごとのばらつきは顕著になった。・・・
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2023-10-03
神奈川・地域経済調査
景気観測
Economic View(神奈川・地域) : No.69 事業所を開業しやすい環境にある神奈川県
- 要約
- 2022年に政府が「スタートアップ育成5か年計画」を掲げるなど、スタートアップ企業を育成することで経済成長を促すことに対して、注目が集まっている。企業の参入や退出は生産性と密接に関わっているとされ、開業率(既存企業に対してどのくらい新しい企業が生まれたかを示す指標)が低い日本がこれを高めることは、経済成長にとって重要であると考えられる。・・・
- 2022年に政府が「スタートアップ育成5か年計画」を掲げるなど、スタートアップ企業を育成することで経済成長を促すことに対して、注目が集まっている。企業の参入や退出は生産性と密接に関わっているとされ、開業率(既存企業に対してどのくらい新しい企業が生まれたかを示す指標)が低い日本がこれを高めることは、経済成長にとって重要であると考えられる。・・・
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2023-10-03
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
日銀短観 : 日銀短観(2023年9月調査)
- 要約
- 【全国企業】
・業況判断DI(全規模・全産業)は10と、2四半期連続で改善した。部品の供給制約緩和による自動車生産の回復が続いたことなどを受けて、製造業の同DIは2期連続で改善した。また、夏場のレジャー消費やインバウンド需要の回復などを受けて、非製造業の同DIは6期連続で改善した。・・・
・2023年度の経常利益計画(全規模・全産業)は前年比-2.7%と、減益ながらも前回調査に比べて上方修正された。円安の進行や価格転嫁の進展などが利益を押し上げたとみられる。
・2023年度の設備投資計画(ソフトウェア・研究開発を含み、土地投資額を除く、全規模・全産業)は前年比+13.3%と、前回調査から上方修正された。企業の設備投資意欲は依然として強いと考えられる。・・・
【神奈川県内企業】
・製造業で業況が改善となる一方で、非製造業ではやや悪化。全体としての企業の業況は横ばいで推移。
- 【全国企業】
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2023-10-06
神奈川・地域経済調査
テーマレポート
企業経営予測調査 : 企業経営予測調査(2023年9月特別)
- 要約
- 【来春の新卒採用の計画人数は、2023年実績比で概ね横ばいにとどまる見込み】
県内中堅・中小企業の2024年春の新卒採用人数(計画)は、今春(2023年)の新卒採用人数(実績、全産業ベース)に対して概ね横ばい(3.3%増)にとどまり、昨年調査時点での2023年春の新卒採用人員計画(20.9%増)に比べると伸び率は大きく鈍化する見込み。・・・
【過半の企業で必要な雇用人員の確保できず、採用環境は厳しくなる方向】
採用予定人数の確保の見通しについては、「確保できる」が7.5%、「ほぼ確保できる」が41.6%、「確保できない」が50.9%となった。「確保できない」と回答する企業の割合が、同様の調査を行っている2007年以降では最も高くなり、採用環境が厳しいことが確認できる。・・・
【今冬のボーナス支給は、賃金上昇に伴って「増加」と回答した企業の割合が増加】
今冬のボーナス支給の状況について、「支給する」と回答した企業の割合が81.9%となり、ほぼ昨年調査(81.0%)並みとなった。ただし、支給総額については「増加」と回答した企業の割合が21.6%(前年調査:14.0%)に上昇した。・・・
- 【来春の新卒採用の計画人数は、2023年実績比で概ね横ばいにとどまる見込み】
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2023-10-11
産業動向調査
マーケット情報
外食需要動向 : 外食需要動向(2023年8月)
- 要約
- ・8月の実質外食支出金額(季調済)は、全国、関東地方とも、高水準ながら前月をやや下回る結果となった。お盆の時期に襲来した台風7号による交通機関の乱れなどの要因もあったと考えられる。
・外食産業売上高においては、パブ・居酒屋やファミリーレストランなどで客足の回復が続いている。
・この先も外食の値上げが続くと考えられるため、外食需要の拡大には物価上昇を上回る家計所得の増加が不可欠となる。
- ・8月の実質外食支出金額(季調済)は、全国、関東地方とも、高水準ながら前月をやや下回る結果となった。お盆の時期に襲来した台風7号による交通機関の乱れなどの要因もあったと考えられる。
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2023-10-12
マクロ経済・金融市場調査
研究員コラム
はまぎん金融経済レポート : はまぎん金融経済レポート2023.10
- 要約
- 日本経済 :企業の景況感は足元で改善も、先行きは慎重な見方
【トピック】今後の消費者物価上昇率は次第に鈍化へ
米国経済 :景気は堅調さを維持、政府機関の閉鎖による混乱は回避
ユーロ圏経済:景気は低迷、ECBは利上げ打ち止めの可能性を示唆
中国経済 :景気回復の動きは弱いものの、消費や投資に底入れの兆し
【トピック】NEVシフトが進む中、日系企業のNEV販売も増加
- 日本経済 :企業の景況感は足元で改善も、先行きは慎重な見方
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2023-10-13
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : 近年の横浜市の人口動態について
- 要約
- ・2023年8月末の横浜市の人口(住民基本台帳の人口)は375.5万人とコロナ禍前の2019年8月末比で増加した。しかし、ここ3年ほどは自然減(出生数-死亡数)を社会増(転入数-転出数)でカバーすることができない状況となっており、横浜市の人口は減少局面に入ったとみられる。
・市内を区ごとにみると、コロナ禍前と比べて人口が増えているのは港北区や神奈川区、都筑区、中区など東京都心へのアクセスが良い地域である。一方で、減少している区は金沢区、旭区、泉区、磯子区などとなった。・・・
- ・2023年8月末の横浜市の人口(住民基本台帳の人口)は375.5万人とコロナ禍前の2019年8月末比で増加した。しかし、ここ3年ほどは自然減(出生数-死亡数)を社会増(転入数-転出数)でカバーすることができない状況となっており、横浜市の人口は減少局面に入ったとみられる。
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2023-10-13
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : 事業所を開業しやすい環境にある神奈川県
- 要約
- ・わが国では、生産性と密接な関わりがあるとされる開業率(既存企業数に対してどのくらい新しい企業が生まれたかを示す指標)を引き上げることが、課題となっている。政府も2022年に「スタートアップ育成5か年計画」を掲げた。
・こうした中、2021年の「経済センサス活動調査(確報集計)」によれば、神奈川県の開業率 (事業内容等不詳を含まない民営事業所数ベース、2016~21年)は全国5位の高さであり、注目に値する。・・・
- ・わが国では、生産性と密接な関わりがあるとされる開業率(既存企業数に対してどのくらい新しい企業が生まれたかを示す指標)を引き上げることが、課題となっている。政府も2022年に「スタートアップ育成5か年計画」を掲げた。
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2023-11-10
産業動向調査
マーケット情報
外食需要動向 : 外食需要動向(2023年9月)
- 要約
- ・9月の実質外食支出金額(季調済)は、全国で前月比1.6%増、関東地方では同0.8%増と高水準が続く。
・外食産業売上高は、残暑の影響でビールやアイスクリームなどの売り上げが堅調であった。しかし、客数の前年同月比増加率は全体で7.5%増となり、8月(前年同月比8.4%増)に比べて縮小した。
・洋風ファミリーレストラン業態や居酒屋業態においては、価格訴求、つまり値下げによる集客キャンペーンの動きが出てきている。価格転嫁による客単価の上昇が難しくなりつつあるとみる。
- ・9月の実質外食支出金額(季調済)は、全国で前月比1.6%増、関東地方では同0.8%増と高水準が続く。
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2023-11-13
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : 神奈川県内の建売住宅販売市場の現状と展望
- 要約
- ・神奈川県内の建売住宅販売市場を振り返ると、2021年以降、建設資材価格の高騰を背景とする住宅価格の上昇が重荷となり、成約件数が減少傾向で推移している。建売住宅の成約件数が弱含む中で、販売在庫が積み上がっており、足元の在庫水準は警戒域に近づいていると言えよう。
・今後の住宅取得需要を大きく左右するのは、家計の住宅取得能力である。住宅取得能力に影響を及ぼす各種要因(住宅価格、家計所得、ローン金利)について先行きを展望すると、まず①目下、高止まりが続く建売住宅の販売価格については、木材・木製品・林産物などの輸入物価が既に前年比マイナスに転じており、また住宅の在庫調整圧力が徐々に高まっている点も踏まえれば、24年度には緩やかに低下すると見込まれる。・・・
- ・神奈川県内の建売住宅販売市場を振り返ると、2021年以降、建設資材価格の高騰を背景とする住宅価格の上昇が重荷となり、成約件数が減少傾向で推移している。建売住宅の成約件数が弱含む中で、販売在庫が積み上がっており、足元の在庫水準は警戒域に近づいていると言えよう。
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2023-11-13
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : コロナ禍後の売上回復が早い居酒屋店舗の特色
- 要約
- ・パブ・居酒屋業態の1店舗当たり売上高が、漸くコロナ禍前の水準まで回復した。ただし、それはコロナ禍下で3割も店舗数が減少するという極めて厳しい状況があったことによる。
・上場居酒屋チェーン企業についてみると、コロナ禍後の業績回復に差が生じている。個人客や小グループ客主体の専門店型居酒屋は相対的に売上高の回復が早い。他方、企業や組織の宴会需要の受け皿となってきた総合居酒屋はコロナ禍下での退店の増加が、売上高の回復を鈍くしている。・・・
- ・パブ・居酒屋業態の1店舗当たり売上高が、漸くコロナ禍前の水準まで回復した。ただし、それはコロナ禍下で3割も店舗数が減少するという極めて厳しい状況があったことによる。
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2023-11-13
マクロ経済・金融市場調査
研究員コラム
はまぎん金融経済レポート : はまぎん金融経済レポート2023.11
- 要約
- 日本経済 :秋口以降、景気回復の動きがやや鈍る
【トピック】先行きの貿易赤字は拡大する公算大
米国経済 :景気は回復基調を維持、FRBは政策金利を据え置き
ユーロ圏経済:7~9月期はマイナス成長、景気の低迷が続く
中国経済 :景気対策の効果で景気には底入れの兆し
【トピック】中国政府が住宅販売制度の見直しに取り組む
- 日本経済 :秋口以降、景気回復の動きがやや鈍る
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2023-11-17
マクロ経済・金融市場調査
研究員コラム
わが国経済の見通し : 2023年度・2024年度の景気予測(2023年11月改訂)
- 要約
- 2023年7~9月期の実質GDP(国内総生産、1次速報)は前期比-0.5%と3四半期ぶりのマイナス成長となった。物価高の影響などから個人消費が小幅に減少したほか、機械関連投資などが弱含み設備投資も減少が続いた。また、輸出についても、アジア向けを中心に財輸出が伸び悩むとともに、インバウンド(訪日外国人)需要の増加一服によりサービス輸出が減少した。・・・
- 2023年7~9月期の実質GDP(国内総生産、1次速報)は前期比-0.5%と3四半期ぶりのマイナス成長となった。物価高の影響などから個人消費が小幅に減少したほか、機械関連投資などが弱含み設備投資も減少が続いた。また、輸出についても、アジア向けを中心に財輸出が伸び悩むとともに、インバウンド(訪日外国人)需要の増加一服によりサービス輸出が減少した。・・・
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2023-11-17
マクロ経済・金融市場調査
景気観測
Economic View(マクロ) : No.70 2023年度・2024年度の景気予測(2023年11月改訂)
- 要約
- 2023年7~9月期の実質GDP(国内総生産、1次速報)は前期比-0.5%と3四半期ぶりのマイナス成長となった。物価高の影響などから個人消費が小幅に減少したほか、機械関連投資などが弱含み設備投資も減少が続いた。また、輸出についても、アジア向けを中心に財輸出が伸び悩むとともに、インバウンド(訪日外国人)需要の増加一服によりサービス輸出が減少した。・・・
- 2023年7~9月期の実質GDP(国内総生産、1次速報)は前期比-0.5%と3四半期ぶりのマイナス成長となった。物価高の影響などから個人消費が小幅に減少したほか、機械関連投資などが弱含み設備投資も減少が続いた。また、輸出についても、アジア向けを中心に財輸出が伸び悩むとともに、インバウンド(訪日外国人)需要の増加一服によりサービス輸出が減少した。・・・
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2023-11-28
神奈川・地域経済調査
研究員コラム
県民ボーナスの見通し : 2023年冬の県民ボーナスの見通し
- 要約
- ・民間企業に勤める神奈川県民1人あたりの今冬のボーナスは、賞与の算定基礎となる基本給の増加や中小企業での業績改善などを反映して前年比2.7%増の46.6万円になると予測した。また、雇用者数と支給対象者割合も前年を上回ることから、民間のボーナス総支給額は同4.5%増になる見込みである。
・物価高の影響で家計の節約志向は強まっているが、今冬のボーナス増が支えとなり、年末の個人消費の腰折れは回避される見通しである。
- ・民間企業に勤める神奈川県民1人あたりの今冬のボーナスは、賞与の算定基礎となる基本給の増加や中小企業での業績改善などを反映して前年比2.7%増の46.6万円になると予測した。また、雇用者数と支給対象者割合も前年を上回ることから、民間のボーナス総支給額は同4.5%増になる見込みである。
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2023-12-08
マクロ経済・金融市場調査
研究員コラム
わが国経済の見通し : 2023年度・2024年度の景気予測(2023年7~9月期2次QE後改訂)
- 要約
- 本日、内閣府より公表された2023年7~9月期の実質GDP(国内総生産)の2次速報値(2次QE)は前期比-0.7%(前期比年率-2.9%)と、1次速報値(1次QE)の同-0.5%(同年率-2.1%)から下方修正された(次ページ、図表1)。・・・
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2023-12-12
神奈川・地域経済調査
テーマレポート
企業経営予測調査 : 企業経営予測調査(2023年12月調査)
- 要約
- 神奈川県内中堅・中小企業の2023年12月末時点における業況判断D.I.(全産業ベース、業況が「良い」-「悪い」、回答社数構成比、%ポイント)は▲6となり、前回9月の調査から7ポイント上昇した。業況が改善した業種は、自動車の生産が正常化した輸送機械や金属製品、コストの上昇を価格に転嫁する動きがみえる不動産、運輸・倉庫、小売などである。ただし、景況感の動きは業種ごとのばらつきが大きくなっている。・・・
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2023-12-12
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : 神奈川県における高齢者向け施設の整備・運営の動向
- 要約
- ・神奈川県内の高齢者向け施設の定員数は、2018年から2023年までの5年間で13.8%増加している。中でも、住宅型有料老人ホームが44.7%増、サービス付き高齢者向け住宅が25.1%増と高い伸びを示している。
・近年の高齢者向け施設の整備・運営の動向を分析したところ、最近(2020年度以降)整備された有料老人ホームの方が、それより前に整備された施設に比べて月額利用料が安い施設の割合が高くなっていた。またサービス形態についてみると、医療依存度が高い患者の受け入れに特化したホスピス型ホームが増加していた。・・・
- ・神奈川県内の高齢者向け施設の定員数は、2018年から2023年までの5年間で13.8%増加している。中でも、住宅型有料老人ホームが44.7%増、サービス付き高齢者向け住宅が25.1%増と高い伸びを示している。
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2023-12-12
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : 電気自動車の量産に向けて変化が押し寄せる部品業界
- 要約
- ・CO₂排出量の削減に向けて、電気自動車(BEV:Battery Electric Vehicle)の導入が進みつつある。自動車の電動化の目標年とされる2030年が近づき、国内の自動車メーカーによる、BEVの量産化に向けた車両開発や生産設備の検討、部品サプライヤの選定などが本格化しつつあるのだ。
・BEVの開発や量産に向けて、自動車各社は大手企業を中核に協業が加速している。開発コストを分担し、ノウハウを共有することが目的である。・・・
- ・CO₂排出量の削減に向けて、電気自動車(BEV:Battery Electric Vehicle)の導入が進みつつある。自動車の電動化の目標年とされる2030年が近づき、国内の自動車メーカーによる、BEVの量産化に向けた車両開発や生産設備の検討、部品サプライヤの選定などが本格化しつつあるのだ。
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2023-12-12
マクロ経済・金融市場調査
研究員コラム
はまぎん金融経済レポート : はまぎん金融経済レポート2023.12
- 要約
- 日本経済 :7~9月期はマイナス成長も10~12月期は持ち直しへ
【トピック】政府の物価高対策は24年度前半までの個人消費を下支え
米国経済 :インフレが減速する一方、雇用情勢に悪化の兆し
ユーロ圏経済:景気の低迷が続く中で、インフレは大幅に減速
中国経済 :景気対策の強化などにより2024年も5%超の成長が継続
- 日本経済 :7~9月期はマイナス成長も10~12月期は持ち直しへ
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2023-12-14
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
日銀短観 : 日銀短観(2023年12月調査)
- 要約
- ・業況判断DI(全規模・全産業)は13と前回調査比3ポイント上昇し、3期連続で改善した。部品の供給制約緩和による自動車生産の回復が続いたことなどを受けて、製造業の同DIは3期連続で改善した。また、インバウンド需要の回復などを受けて、非製造業の同DIは7期連続で改善した。ただし、先行きの同DIは、製造業、非製造業ともに悪化が見込まれている。
・2023年度の経常利益計画(全規模・全産業)は前年比+4.0%と、前回調査比で上方修正され、増益計画に転じた。もっとも、上期の業績が大きく上方修正された影響が大きく、下期については減益見通しが続いている。先行きに慎重な見方をしている企業が多いことがうかがえる。
・2023年度の設備投資計画(ソフトウェア・研究開発を含み、土地投資額を除く、全規模・全産業)は前年比+12.6%と、前回調査比で下方修正されたものの、近年の中では強めの計画が維持された。・・・
【神奈川県内企業】
・価格転嫁の進展や経済活動の正常化などで製造業、非製造業ともに業況が改善した。
- ・業況判断DI(全規模・全産業)は13と前回調査比3ポイント上昇し、3期連続で改善した。部品の供給制約緩和による自動車生産の回復が続いたことなどを受けて、製造業の同DIは3期連続で改善した。また、インバウンド需要の回復などを受けて、非製造業の同DIは7期連続で改善した。ただし、先行きの同DIは、製造業、非製造業ともに悪化が見込まれている。
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2023-12-14
産業動向調査
マーケット情報
外食需要動向 : 外食需要動向(2023年10月)
- 要約
- ・10月の実質外食支出金額(季調済)は、全国が前月比8.4%増、関東地方が同6.7%増と高い伸びとなった。10月としては季節外れに気温が高い日が多かったことから、飲食店での飲酒代や喫茶代の増加が、実質外食支出金額を押し上げる要因になったとみている。
・ただし、10月の外食産業の客数の増加率は前年同月比3.6%増にとどまり、9月の同7.5%増からは伸び率が縮小(悪化)した。消費者の節約志向の高まりが観測される。
- ・10月の実質外食支出金額(季調済)は、全国が前月比8.4%増、関東地方が同6.7%増と高い伸びとなった。10月としては季節外れに気温が高い日が多かったことから、飲食店での飲酒代や喫茶代の増加が、実質外食支出金額を押し上げる要因になったとみている。
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2023-12-27
神奈川・地域経済調査
景気観測
Economic View(神奈川・地域) : No.71 2024年度の神奈川県内経済見通し
- 要約
- 2023年6~12月の神奈川県内経済は回復基調にあるものの、そのペースは次第に鈍化した。輸出は、世界的に製造業が調整局面にあったため、財輸出が伸び悩んだ。また、個人消費も増勢が緩やかになった。物価高の長期化などにより、財消費に加えて、サービス消費の回復ペースも鈍化したためである。ただ、供給制約の緩和により自動車の輸出や県内の新車販売が押し上げられたことは景気の下支えになった。・・・
- 2023年6~12月の神奈川県内経済は回復基調にあるものの、そのペースは次第に鈍化した。輸出は、世界的に製造業が調整局面にあったため、財輸出が伸び悩んだ。また、個人消費も増勢が緩やかになった。物価高の長期化などにより、財消費に加えて、サービス消費の回復ペースも鈍化したためである。ただ、供給制約の緩和により自動車の輸出や県内の新車販売が押し上げられたことは景気の下支えになった。・・・
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2023-12-27
神奈川・地域経済調査
研究員コラム
神奈川県内経済見通し : 2024年度の神奈川県内経済見通し
- 要約
- 2023年6~12月の神奈川県内経済は回復基調にあるものの、そのペースは次第に鈍化した。輸出は、世界的に製造業が調整局面にあったため、財輸出が伸び悩んだ。また、個人消費も増勢が緩やかになった。物価高の長期化などにより、財消費に加えて、サービス消費の回復ペースも鈍化したためである。ただ、供給制約の緩和により自動車の輸出や県内の新車販売が押し上げられたことは景気の下支えになった。・・・
- 2023年6~12月の神奈川県内経済は回復基調にあるものの、そのペースは次第に鈍化した。輸出は、世界的に製造業が調整局面にあったため、財輸出が伸び悩んだ。また、個人消費も増勢が緩やかになった。物価高の長期化などにより、財消費に加えて、サービス消費の回復ペースも鈍化したためである。ただ、供給制約の緩和により自動車の輸出や県内の新車販売が押し上げられたことは景気の下支えになった。・・・
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2023-12-28
マクロ経済・金融市場調査
景気観測
Economic View(マクロ) : No.72 2024年のドル・円レートの展望
- 要約
- 2023年のドル・円レートを振り返ると、FRBの連続的な利上げ実施や、その後の米金融引き締め長期化観測などを背景に円安・ドル高が進展し、11月中旬には一時1ドル=151円92銭と、2022年10月以来の円安・ドル高水準をつけた。しかしその後、米国の物価指標の鈍化やFRB高官の発言などを受けて、FRBの利上げ局面が終了したとの見方や先行きの利下げが意識され、円買い・ドル売りが優勢となった。日銀による早期の政策修正観測もあり、12月半ばには一時1ドル=140円台まで円が上昇する場面もあった。・・・
- 2023年のドル・円レートを振り返ると、FRBの連続的な利上げ実施や、その後の米金融引き締め長期化観測などを背景に円安・ドル高が進展し、11月中旬には一時1ドル=151円92銭と、2022年10月以来の円安・ドル高水準をつけた。しかしその後、米国の物価指標の鈍化やFRB高官の発言などを受けて、FRBの利上げ局面が終了したとの見方や先行きの利下げが意識され、円買い・ドル売りが優勢となった。日銀による早期の政策修正観測もあり、12月半ばには一時1ドル=140円台まで円が上昇する場面もあった。・・・
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2024-01-12
産業動向調査
マーケット情報
外食需要動向 : 外食需要動向(2023年11月)
- 要約
- ・2023年11月の実質外食支出金額(季調済)は、関東地方で前月比2.1%増となったものの、全国で見ると同2.8%減となった。
・支出額の品目別内訳をみると、飲酒代が増加していることから、関東地方(主に東京都心と考えられる)を中心に宴会需要が回復していると考えられる。他方、日常の外食は支出を抑制する動きが強くなっているとみる。
・外食産業の客数動向をみると、値下げを断行した低価格帯のファミリーレストランの業態で客数が高い伸びとなった。コスト上昇が続く中でも、価格競争が激化していることが窺われる。
- ・2023年11月の実質外食支出金額(季調済)は、関東地方で前月比2.1%増となったものの、全国で見ると同2.8%減となった。
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2024-01-16
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : 2024年度の日本経済の見通し
- 要約
- ・2023年の日本経済を振り返ると、新型コロナウイルスの影響が弱まり、経済活動が正常化する中で、景気は回復傾向で推移した。ただし、物価高が足かせとなり、回復の勢いを欠く展開となった。
・2024年の海外経済の動向を展望すると、米国経済はFRBによる金融引き締めの影響が本格的に表れ、年前半には成長率が大きく低下しよう。ただし、年央にはFRBが利下げを開始し、次第に景気が上向くと見込まれる。中国経済は緩やかな回復が続くと見込まれる。23年に政府が相次いで打ち出した公共インフラ投資などが景気を支えることになろう。・・・
- ・2023年の日本経済を振り返ると、新型コロナウイルスの影響が弱まり、経済活動が正常化する中で、景気は回復傾向で推移した。ただし、物価高が足かせとなり、回復の勢いを欠く展開となった。
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2024-01-16
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : 2024年度の神奈川県内経済の見通し
- 要約
- ・県内経済成長率は2023年度を+1.1%、24年度を+1.3%と予測した。24年度は成長ペースがやや加速すると見込んでいる。
・まず、本県からの輸出は、世界的な製造業の調整局面の終了を受けて、24年半ば以降、伸びが高まっていくと予想される。また、県内企業の設備投資については、業績改善に人手不足の強まりが相まって、省力化投資が促されるとみる。個人消費は、物価高が落ち着く中で県内雇用所得情勢が実質ベースでも持ち直し、回復すると見込まれる。本県はテレワークの普及が進んでおり、PCなど関連機器の買い替え需要も顕在化しよう。・・・
- ・県内経済成長率は2023年度を+1.1%、24年度を+1.3%と予測した。24年度は成長ペースがやや加速すると見込んでいる。
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2024-01-16
マクロ経済・金融市場調査
研究員コラム
はまぎん金融経済レポート : はまぎん金融経済レポート2024.1
- 要約
- 日本経済 :2024年度の景気予測
米国経済 :物価の減速を受けてFRBは利上げ局面の終了を示唆
【トピック】米消費者物価上昇率の現状と今後の見通し
ユーロ圏経済:EUが財政規律の見直しに関して合意
中国経済 :住宅販売は大幅減が続き、個人消費も伸び悩む
【トピック】習体制は新しい産業システムの構築に注力へ
- 日本経済 :2024年度の景気予測
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2024-02-13
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : 中小企業への脱炭素要請がますます強まる展開へ
- 要約
- ・上場企業では、気候変動に関する情報開示が必須となりつつある。そして気候変動に関する情報開示の動きは、業界を代表するような大企業から、中小企業へと広がっていくのは間違いない。
・そこで、気候変動に関する情報開示が現状どの程度の規模の企業まで広がっているのかを把握すべく、上場企業の中でも時価総額の小さい小型株に焦点を当てて、TCFD提言(気候変動に関する情報開示のフレームワーク)に沿った情報開示の実態調査を行った。・・・
- ・上場企業では、気候変動に関する情報開示が必須となりつつある。そして気候変動に関する情報開示の動きは、業界を代表するような大企業から、中小企業へと広がっていくのは間違いない。
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2024-02-13
産業動向調査
マーケット情報
外食需要動向 : 外食需要動向(2023年12月)
- 要約
- ・2023年12月の実質外食支出金額(季調済)は、全国、関東地方とも前月比マイナスとなった。
・全国の値は2か月連続で減少したことから、総じてみれば、繁忙期である年末の外食需要は弱含み。
・2024年年初には能登半島地震が発生するなど、年始も外食需要には停滞感が漂う。物価の上昇を価格に転嫁する動きが続く一方で、価格競争も激化しており外食業界の先行き不透明感は強くなっている。
- ・2023年12月の実質外食支出金額(季調済)は、全国、関東地方とも前月比マイナスとなった。
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2024-02-13
マクロ経済・金融市場調査
研究員コラム
はまぎん金融経済レポート : はまぎん金融経済レポート2024.2
- 要約
- 日本経済 :個人消費の持ち直しなどにより、景気は緩やかに回復
【トピック】単身世帯に比べて戻りが鈍い2人以上世帯の消費支出
米国経済 :インフレが和らぐ中、景気は堅調を維持
ユーロ圏経済:景気の低迷が続く中、海運の混乱が新たな懸念材料に
中国経済 :景気回復の動きが鈍る中、人民銀は預金準備率を引き下げ
【トピック】NEVシフトが続く中、NEV対応で明暗を分ける日系企業
- 日本経済 :個人消費の持ち直しなどにより、景気は緩やかに回復
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2024-02-21
マクロ経済・金融市場調査
景気観測
Economic View(マクロ) : No.73 2024年度・2025年度の景気予測(2024年2月改訂)
- 要約
- 2023年10~12月期の実質GDP(国内総生産、1次速報)は前期比-0.1%と2四半期連続のマイナス成長となった。知的財産権等使用料の一時的な増加などによりサービス輸出が大幅に増加し、輸出は3期連続で増加した。その一方で、物価高の影響などから個人消費が3期連続で減少し、設備投資も機械関連投資が弱含んだことなどから3期連続で減少するなど、国内需要は弱い動きが続いた。・・・
- 2023年10~12月期の実質GDP(国内総生産、1次速報)は前期比-0.1%と2四半期連続のマイナス成長となった。知的財産権等使用料の一時的な増加などによりサービス輸出が大幅に増加し、輸出は3期連続で増加した。その一方で、物価高の影響などから個人消費が3期連続で減少し、設備投資も機械関連投資が弱含んだことなどから3期連続で減少するなど、国内需要は弱い動きが続いた。・・・
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2024-02-21
マクロ経済・金融市場調査
研究員コラム
わが国経済の見通し : 2024年度・2025年度の景気予測(2024年2月改訂)
- 要約
- 2023年10~12月期の実質GDP(国内総生産、1次速報)は前期比-0.1%と2四半期連続のマイナス成長となった。知的財産権等使用料の一時的な増加などによりサービス輸出が大幅に増加し、輸出は3期連続で増加した。その一方で、物価高の影響などから個人消費が3期連続で減少し、設備投資も機械関連投資が弱含んだことなどから3期連続で減少するなど、国内需要は弱い動きが続いた。・・・
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2024-03-01
マクロ経済・金融市場調査
景気観測
Economic View(マクロ) : No.74 マイナス金利政策の解除は正常化の通過点
- 要約
- 日本でも金融政策の正常化が進むとの期待が高まっている。金融市場は既にマイナス金利政策の解除後も利上げが進むことを意識している。市場予想通りの利上げの実施は、金融引き締めとなるのだろうか。この判断には、自然利子率に期待インフレ率を足し合わせた名目中立金利の把握が必要である。・・・
- 日本でも金融政策の正常化が進むとの期待が高まっている。金融市場は既にマイナス金利政策の解除後も利上げが進むことを意識している。市場予想通りの利上げの実施は、金融引き締めとなるのだろうか。この判断には、自然利子率に期待インフレ率を足し合わせた名目中立金利の把握が必要である。・・・
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2024-03-12
神奈川・地域経済調査
産業マンスリー
かながわ経済情報 : 経済センサスでみる小田原市の産業構造
- 要約
- ・総務省・経済産業省「令和3年経済センサス活動調査」(確報値)によると、2021年6月1日時点の小田原市の民営事業所数(事業内容等不詳の事業所を除く)は7.5千か所、民営事業所の従業者数は82.1千人と、それぞれ神奈川県内の市町村の中では8番目の規模となっている。
・小田原市内を地域別にみると、酒匂川の西部では、様々なサービス業の集積度が高い一方で、東部では建設業や製造業、運輸業,郵便業といった業種の構成比が相対的に高いことが分かった。・・・
- ・総務省・経済産業省「令和3年経済センサス活動調査」(確報値)によると、2021年6月1日時点の小田原市の民営事業所数(事業内容等不詳の事業所を除く)は7.5千か所、民営事業所の従業者数は82.1千人と、それぞれ神奈川県内の市町村の中では8番目の規模となっている。
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2024-03-12
マクロ経済・金融市場調査
研究員コラム
わが国経済の見通し : 2024年度・2025年度の景気予測(2023年10~12月期2次QE後改訂)
- 要約
- 3月11日に内閣府より公表された2023年10~12月期の実質GDP(国内総生産)の2次速報値(2次QE)は前期比+0.1%(前期比年率+0.4%)と、1次速報値(1次QE)の同-0.1%(同年率-0.4%)から上方修正され、2四半期ぶりのプラス成長となった(次ページ、図表1)。3月4日に公表された23年10~12月期の「法人企業統計」などを受けて、設備投資(1次QE:前期比-0.1%→2次QE:同+2.0%)が大幅に上方修正され、成長率を押し上げた。もっとも、個人消費(同-0.2%→同-0.3%)が下方修正されたことなどを受けて、民間需要の寄与度は横ばい(同-0.2%ポイント→同+0.0%ポイント)にとどまった。・・・
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2024-03-12
マクロ経済・金融市場調査
研究員コラム
はまぎん金融経済レポート : はまぎん金融経済レポート2024.3
- 要約
- 日本経済 :年明け後の企業活動は低調だが景気の腰折れは回避の公算
【トピック】中小企業の持続的な賃上げには収益力の向上が必要に
米国経済 :景気の回復が続く中で、一部に弱い動きも
ユーロ圏経済:弱まる景気の減速感、賃金上昇にピークアウトの兆し
中国経済 :不動産市場の回復支援の強化などから2024年は5%成長へ
- 日本経済 :年明け後の企業活動は低調だが景気の腰折れは回避の公算
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2024-03-14
産業動向調査
マーケット情報
外食需要動向 : 外食需要動向(2024年1月)
- 要約
- ・2024年1月の実質外食支出金額(季調済)は、全国、関東地方とも前月比マイナスとなり、足元の外食需要の減速感が強まっている。
・2024年1月の外食産業売上高は堅調であったものの、今後の需要鈍化が懸念される。
・ファミリーレストラン業態では新年の「ハレ」の日需要の取り込みに成功したが、今後、顧客はより低価格業態へとシフトする可能性がある。
- ・2024年1月の実質外食支出金額(季調済)は、全国、関東地方とも前月比マイナスとなり、足元の外食需要の減速感が強まっている。
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2024-03-15
神奈川・地域経済調査
テーマレポート
企業経営予測調査 : 企業経営予測調査(2024年3月調査)
- 要約
- 神奈川県内中堅・中小企業の2024年3月末時点における業況判断D.I.(全産業ベース、業況が「良い」-「悪い」、回答社数構成比、%ポイント)は▲9となり、前回2023年12月の調査から4ポイント低下した。また、3か月先(6月末)の業況判断D.I.も連続して低下する見通しであり、県内の中堅・中小企業の業況は悪化の方向に転じた可能性がある。・・・
- 神奈川県内中堅・中小企業の2024年3月末時点における業況判断D.I.(全産業ベース、業況が「良い」-「悪い」、回答社数構成比、%ポイント)は▲9となり、前回2023年12月の調査から4ポイント低下した。また、3か月先(6月末)の業況判断D.I.も連続して低下する見通しであり、県内の中堅・中小企業の業況は悪化の方向に転じた可能性がある。・・・
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2024-03-19
マクロ経済・金融市場調査
景気観測
Economic View(マクロ) : No.75 マイナス金利政策解除後の住宅市場
- 要約
- 日本の金融政策が正常化に向かう中で、金利上昇による経済への影響に注目が集まっている。特に利上げは、住宅ローン金利の上昇を通じて、家計の住宅購入行動に大きな影響を与えることが懸念されている。そこで本レポートでは、利上げによって住宅着工戸数(全国)がどの程度変化するのかを考えたい。ここでは、金利負担も考慮されている住宅取得能力指数と、住宅着工戸数の関係性を推計し、利上げの住宅着工戸数への影響を簡易的に試算した。・・・
- 日本の金融政策が正常化に向かう中で、金利上昇による経済への影響に注目が集まっている。特に利上げは、住宅ローン金利の上昇を通じて、家計の住宅購入行動に大きな影響を与えることが懸念されている。そこで本レポートでは、利上げによって住宅着工戸数(全国)がどの程度変化するのかを考えたい。ここでは、金利負担も考慮されている住宅取得能力指数と、住宅着工戸数の関係性を推計し、利上げの住宅着工戸数への影響を簡易的に試算した。・・・
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2024-04-01
マクロ経済・金融市場調査
研究員コラム
研究員コラム : 注目される日銀の2026年度の物価見通し 北田英治
- 要約
- 日本銀行(以下、日銀)は3月19日の金融政策決定会合で、マイナス金利政策を含む大規模緩和の解除を決めた(図表1)。公表文には、「賃金と物価の好循環を確認し、(中略)2%の物価安定の目標が持続的・安定的に実現していくことが見通せる状況に至ったと判断した。」ことが、17年ぶりの利上げに踏み切った理由として書かれている。植田総裁は会合後の記者会見で、このタイミングで政策変更を決めた要因として、「今回の春季労使交渉の第1回の回答」が大きな判断材料になったと述べており、連合が3月15日に発表した賃上げ率が5.28%と33年ぶりに5%を超えたことが政策変更の決定打となったことを明かした。
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2024-04-01
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
マーケット情報 : HRIマーケット情報(2024年4月1日)
- 要約
- ・2023年度は、日銀が約17年ぶりの利上げを実施。また、日本株式は歴史的な大幅(日経平均+44%、TOPIX+38%)上昇。
・日本市場は、今週から新年度入りするが、直近では為替市場で「円安ドル高」が進み1990年以来の1ドル=152円台を視野に入れた展開に。足元では、「米国の利下げはいつ?(どのくらい?)」、そして「日本は、いつ追加利上げする?(できるのか?)」といったことが、重要なテーマとなっている。・・・
- ・2023年度は、日銀が約17年ぶりの利上げを実施。また、日本株式は歴史的な大幅(日経平均+44%、TOPIX+38%)上昇。
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2024-04-03
神奈川・地域経済調査
景気観測
景気観測 : 景気観測(神奈川)2024年4月3日(第1号)
- 要約
- ・サービス輸出に含まれるインバウンド消費は増加基調を維持する一方、財の輸出は弱い動き。
・県内企業の設備投資は2024年度も前年比増加見通し。
・雇用所得情勢に厳しさが残る中で、個人消費の回復は緩慢。
- ・サービス輸出に含まれるインバウンド消費は増加基調を維持する一方、財の輸出は弱い動き。
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2024-04-03
マクロ経済・金融市場調査
研究員コラム
研究員コラム : インフレで「日銀短観」の業況判断DIに上方バイアスが発生か 北田英治
- 要約
- 最近気になるのは、「日銀短観」の業況判断DIが前回調査比で改善したからと言って、必ずしも同期の実質GDPがプラス成長にならないケースが頻発していることである。例えば、直近では、2023年9月調査の全規模・全産業ベースの業況判断DIが前回調査比で2ポイント改善したにもかかわらず、23年7~9月期の実質GDPは前期比-0.8%と大幅なマイナス成長となった。
このようなアンバランスな組み合わせが頻発している背景には、デフレの時代が終了してインフレの時代に入ったことにあると考える。企業の景況感に大きな影響を与える売上高は名目値であり、例えば家計の名目賃金が増加すれば、小売業などの売上高も増加しやすくなる。一方で、実質GDPの約6割を占める実質個人消費は物価高で実質賃金が目減りすれば回復の足取りが重くなる。インフレ下では「日銀短観」の業況判断DIが上振れしやすくなっている点に注意する必要があろう。
- 最近気になるのは、「日銀短観」の業況判断DIが前回調査比で改善したからと言って、必ずしも同期の実質GDPがプラス成長にならないケースが頻発していることである。例えば、直近では、2023年9月調査の全規模・全産業ベースの業況判断DIが前回調査比で2ポイント改善したにもかかわらず、23年7~9月期の実質GDPは前期比-0.8%と大幅なマイナス成長となった。
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2024-04-08
産業動向調査
テーマレポート
テーマレポート : 2024年度介護報酬改定のポイント 清水徹
- 要約
- ・本稿では、3年に1度行われる介護報酬改定について、2024年度改定のポイントと介護事業所への影響を解説する。
・報酬全体の増減率である改定率は+1.59%で、前回改定(2021年度)の+0.70%を上回り、3回連続のプラス改定となった。このうち、+0.98%分が介護職員の処遇改善分としての引き上げ(2024年6月施行)であり、通常の改定による引き上げは+0.61%分である。・・・
- ・本稿では、3年に1度行われる介護報酬改定について、2024年度改定のポイントと介護事業所への影響を解説する。
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2024-04-08
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
マーケット情報 : HRIマーケット情報(2024年4月8日)
- 要約
- ・米国の堅調な経済と粘着性の高いインフレを背景に、FRB高官からは早期の利下げに慎重な発言が相次ぎ、先週は米金利が大幅に上昇し、それを受けて世界的に株価指数が下落した。また、イスラエルとイランが戦闘状態に陥る可能性など、地政学リスクが急速に台頭。原油など商品市場の高騰に影響を与え、さらなるインフレ圧力の連想に繋がっている。
・株式市場では一定の自律反発は期待できるが、今週もFOMC議事要旨(3月開催分)や米CPI(3月)など、FRBの金融政策を占う上で重要な指標の発表が予定されている。それらを確認しながら、米金利上昇がどこで止まるのかが、ポイントになろう。
- ・米国の堅調な経済と粘着性の高いインフレを背景に、FRB高官からは早期の利下げに慎重な発言が相次ぎ、先週は米金利が大幅に上昇し、それを受けて世界的に株価指数が下落した。また、イスラエルとイランが戦闘状態に陥る可能性など、地政学リスクが急速に台頭。原油など商品市場の高騰に影響を与え、さらなるインフレ圧力の連想に繋がっている。
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2024-04-09
神奈川・地域経済調査
研究員コラム
研究員コラム : 県内企業の省力化投資への期待が高まる 白須光樹
- 要約
- ・「短観(2024年3月調査、神奈川県分)」をみると、県内企業の2024年度の設備投資計画は、設備の過剰感が残る中でも前年比増加の見通し。
・この理由の1つには、人手不足の強まりが県内企業の省力化投資を後押ししている可能性が考えられる。
・2024年度の設備投資計画は、非製造業で製造業以上に高い伸びが見込まれており、計画の一部は省力化投資の可能性がある。
- ・「短観(2024年3月調査、神奈川県分)」をみると、県内企業の2024年度の設備投資計画は、設備の過剰感が残る中でも前年比増加の見通し。
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2024-04-10
マクロ経済・金融市場調査
研究員コラム
研究員コラム : 積み上がる投機筋の円売りポジションをどう見る? 北田英治
- 要約
- 投機筋の円先物ポジション(対ドル)が2013年12月以来の大幅な円売り持ちとなっている。投機筋による大幅な円売りポジションの存在は、外為市場における円安観測の強さを示す一方で、将来的な円売りポジションの縮小(円の買い戻し)により円高を加速させる可能性を内包している。足元のドル・円相場は、日本政府・日銀による円買い介入を警戒しながら円安・ドル高の進行余地を探るような展開となっているものの、いずれFRBの利下げが現実味を帯びてくれば、大幅に膨れ上がった投機筋の円売りポジションの調整(縮小)が円高・ドル安を加速させる要因となり得る点に注意したい。
- 投機筋の円先物ポジション(対ドル)が2013年12月以来の大幅な円売り持ちとなっている。投機筋による大幅な円売りポジションの存在は、外為市場における円安観測の強さを示す一方で、将来的な円売りポジションの縮小(円の買い戻し)により円高を加速させる可能性を内包している。足元のドル・円相場は、日本政府・日銀による円買い介入を警戒しながら円安・ドル高の進行余地を探るような展開となっているものの、いずれFRBの利下げが現実味を帯びてくれば、大幅に膨れ上がった投機筋の円売りポジションの調整(縮小)が円高・ドル安を加速させる要因となり得る点に注意したい。
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2024-04-10
神奈川・地域経済調査
研究員コラム
研究員コラム : 海外製造業の景況感底打ちは神奈川3港の輸出の追い風に 白須光樹
- 要約
- ・2024年4月1日に発表された米国の3月のISM(米サプライマネジメント協会)製造業景気指数は、好不調の分かれ目である50を上回り、底入れが明瞭となった。
・神奈川県の輸出の中で大きな割合を占める一般機械の輸出は、海外製造業の景況感にやや遅れて連動する性質がある。
・このため、足元で弱含んでいる神奈川県の輸出だが、一般機械を中心に先行きは回復基調に転じると予想される。
- ・2024年4月1日に発表された米国の3月のISM(米サプライマネジメント協会)製造業景気指数は、好不調の分かれ目である50を上回り、底入れが明瞭となった。
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2024-04-11
マクロ経済・金融市場調査
景気観測
景気観測 : 景気観測(欧州)2024年4月10日(第1号)
- 要約
- 「サービス業の景況感が改善」
・3月のユーロ圏総合PMIは50.3と、好不調の節目となる50を10か月ぶりに上回った。コスト上昇圧力が幾分弱まっていることがサービス業の景況感の改善に寄与したと考えられる。
・直近の経済指標は、建設が持ち直した一方、小売売上高や鉱工業生産が低迷した。
・3月の消費者物価指数は前年比+2.4%と2月の同+2.6%を下回った。インフレ圧力が着実に弱まっていることを受け、ECB(欧州中央銀行)が6月の理事会で利下げを実施する可能性が高まっている。
- 「サービス業の景況感が改善」
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2024-04-11
マクロ経済・金融市場調査
景気観測
景気観測 : 景気観測(米国)2024年4月10日(第1号)
- 要約
- 「景気拡大のペースがやや減速」
・3月のISM非製造業総合指数や総合PMIは前月に比べ低下した。また、小売売上高が事前予想を下回り、住宅以外の民間建設支出に頭打ち感が出ている。景気拡大のペースはやや減速している。
・一方、3月は非農業部門雇用者数が予想を上回る大幅増となり、雇用の増勢が継続している。
・雇用の増加が予想を上回ったことなどを受け、4月に入り長期金利は上昇した。
- 「景気拡大のペースがやや減速」
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2024-04-15
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
マーケット情報 : HRIマーケット情報(2024年4月15日)
- 要約
- ・先週は10日に発表された3月の米CPIが市場予想を上回り、FRBの利下げ開始が遅れるとの見方が一段と強まった。それを受けて米長期金利が大幅に上昇し、米国株は下落。外為市場では円安ドル高が進み、12日には一時1ドル=153円39銭と1990年6月以来、約34年ぶりの円安・ドル高水準を付けた。
・今週のドル円は、日本政府・日銀による為替介入(円買いドル売り)を警戒しながら、ドルの上昇余地を試す展開が見込まれる。外為市場で円安ドル高が進めば、日経平均株価の押し上げ要因となる。ただ、中東の地政学リスクへの警戒感が高まれば原油価格が上昇し、日本株の下押し圧力となろう。
- ・先週は10日に発表された3月の米CPIが市場予想を上回り、FRBの利下げ開始が遅れるとの見方が一段と強まった。それを受けて米長期金利が大幅に上昇し、米国株は下落。外為市場では円安ドル高が進み、12日には一時1ドル=153円39銭と1990年6月以来、約34年ぶりの円安・ドル高水準を付けた。
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2024-04-15
マクロ経済・金融市場調査
景気観測
景気観測 : 景気観測(日本)2024年4月15日(第1号)
- 要約
- 「企業の景況感が小幅に悪化」
・認証不正の影響で自動車関連の生産が減少し、企業の景況感は足元で小幅に悪化している。
・日銀短観の事業計画では、24年度は増収減益を見込むものの、企業の設備投資意欲は強い。
・今後は消費者物価上昇率の鈍化や賃上げの実施に伴い、個人消費の回復が期待される。
・日銀の金融政策変更による直接的な影響は今のところ軽微。ただし、円安の進行には要注意。
- 「企業の景況感が小幅に悪化」
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2024-04-17
産業動向調査
産業マンスリー
産業マンスリー : 産業マンスリー 4月号
- 要約
- 製造業、非製造業ともに年末年始から1~3月期にかけて、下振れしていた業況について底入れが確認できる状況になりつつある。
製造業においては、テクノロジーの足元の業況は、半導体をはじめとする電子部品・デバイスの在庫調整が概ね一巡し、メモリ価格の上昇が顕著になっている。また、自動車、自動車部品業界でも、新車販売は世界的に伸び悩んでいるものの、認証不正による生産・出荷停止の影響は4月以降底入れする見込みである。
他方、非製造業においては、これまで、非製造業の多くを占める内需産業においては物価上昇に伴う消費の減速の影響が懸念されていたが、2024年春闘が昨年に引き続き高水準で決着しつつあることを背景に、需要の下振れリスクが後退しつつあるとみる。
- 製造業、非製造業ともに年末年始から1~3月期にかけて、下振れしていた業況について底入れが確認できる状況になりつつある。
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2024-04-17
神奈川・地域経済調査
テーマレポート
テーマレポート : 県内の中堅・中小企業の景況感に悪化懸念企業経営予測調査(2024年3月調査) 城浩明
- 要約
- ・神奈川県内の中堅・中小企業の2024年3月末時点における業況判断DI(全産業)は▲10となり、前回調査(2023年12月調査)から5ポイント低下した。また、先行き(2024年6月予想)の業況判断DIは▲15と、さらに5ポイント低下する見込みである。県内の中堅・中小企業の景況感は、コロナ禍入り直後2020年6月末の▲61を底に回復傾向にあったものの、2023年12月末をピークに悪化方向に転じた可能性がある。・・・
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2024-04-19
マクロ経済・金融市場調査
研究員コラム
研究員コラム : 年内2回(0.5%)の追加利上げは不自然ではない 白須光樹
- 要約
- ・海外金利の連動から逸脱すると、為替レートは大きく変動する。
・円安は物価上昇率や賃金上昇率の上振れ要因の1つであり、金融政策運営上、無視できない。
・米国の利下げは遅れる公算が大きく、日本銀行による年内2回(0.5%)の追加利上げは不自然ではない。
- ・海外金利の連動から逸脱すると、為替レートは大きく変動する。
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2024-04-22
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
マーケット情報 : HRIマーケット情報(2024年4月22日)
- 要約
- ・米国の粘着性の強いインフレを背景に、パウエルFRB議長からは「物価上昇圧力が根強く続いた場合は、金融当局は必要な限り金利を据え置くことが可能」と言った発言まで出る状況に。FRBは2022年の利上げ局面において、物価やFFレートの見通しを大きく見誤った。そして、ようやく利下げを見据えた2024年においても、その判断に相当苦慮している。市場では、米金利が断続的に上昇し、それを受けて世界的に株式市場が軽い調整局面に。足元では、イスラエルとイランが戦闘状態に陥るなど地政学リスクも加わり引き続き注意が必要な状況。
・今週、日本では日銀金融政策決定会合(25~26日)後の植田総裁の会見や展望レポートに注目が集まる。また米国ではGDP(2024年1~3月)速報値や個人消費支出(3月)など、重要な指標の発表が予定されている。材料も多く、予断を許さない状況が続く。
- ・米国の粘着性の強いインフレを背景に、パウエルFRB議長からは「物価上昇圧力が根強く続いた場合は、金融当局は必要な限り金利を据え置くことが可能」と言った発言まで出る状況に。FRBは2022年の利上げ局面において、物価やFFレートの見通しを大きく見誤った。そして、ようやく利下げを見据えた2024年においても、その判断に相当苦慮している。市場では、米金利が断続的に上昇し、それを受けて世界的に株式市場が軽い調整局面に。足元では、イスラエルとイランが戦闘状態に陥るなど地政学リスクも加わり引き続き注意が必要な状況。
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2024-04-23
マクロ経済・金融市場調査
研究員コラム
研究員コラム : 赤ちゃんはつらいよ。「赤ちゃん物価」上昇率は過去最高 遠藤裕基
- 要約
- 浜銀総合研究所では、総務省「消費者物価指数」から赤ちゃん関連商品(粉ミルク、乳児服、紙おむつ(乳幼児用)、人形、玩具自動車)の価格指数を抽出して統合した「赤ちゃん物価指数」を作成している。
2023年度の「赤ちゃん物価指数」は前年比+6.9%と、消費税増税などの影響があった2014年度以来の高い伸びとなった。また、赤ちゃんにとって特に必要な粉ミルク、乳児服、紙おむつ(乳幼児用)のみを合成した「赤ちゃん物価指数(おもちゃ除く)」は同+6.8%と、赤ちゃん物価指数の作成に必要な統計が揃う1991年度以降で、最も高い伸び率を記録した。特に粉ミルクの伸び率(同+13.8%)の高さが際立った。
- 浜銀総合研究所では、総務省「消費者物価指数」から赤ちゃん関連商品(粉ミルク、乳児服、紙おむつ(乳幼児用)、人形、玩具自動車)の価格指数を抽出して統合した「赤ちゃん物価指数」を作成している。
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2024-04-23
産業動向調査
研究員コラム
研究員コラム : 「円安メリット」は企業を潤すのか? 城浩明
- 要約
- 今日の製造業における「円安メリット」の多くは、海外事業の業績を円換算した際の「換算差」によるもので、実際に手にすることができる円建キャッシュフローが増える輸出額の増加ではない。したがって、「円安メリット」によって連結業績が改善していても、国内事業の賃金支払い余力が高まるなどの「実利」が伴っていない。
むしろ、電機や家庭用品など、海外生産、海外調達を推進した業界では、「円安デメリット」が発生していることもある。自社の海外工場などから逆輸入する製品は、外貨建の仕入価格(輸入価格)に変化がなくても、円安に伴って円建の仕入価格(輸入価格)が上昇する。したがって、国内で販売する製品価格に対して、円安による価格上昇分を転嫁することが出来なければ国内事業の業績が悪化する。
- 今日の製造業における「円安メリット」の多くは、海外事業の業績を円換算した際の「換算差」によるもので、実際に手にすることができる円建キャッシュフローが増える輸出額の増加ではない。したがって、「円安メリット」によって連結業績が改善していても、国内事業の賃金支払い余力が高まるなどの「実利」が伴っていない。
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2024-04-24
産業動向調査
研究員コラム
研究員コラム : 割安な日本的「過剰品質」製品は価格設定の適正化を目指せ 城浩明
- 要約
- 品質を重視した日本の製品は、世界的にも高く評価されているといわれている。しかし、そうした日本製品の多くは、品質重視の設計や開発、部品等の調達にかけたコストに見合わない安い価格での販売を余儀なくされているのではないだろうか。これを日本的「過剰品質」と呼びたい。もし、世界的にも高く評価されている理由が、品質と価格が見合っておらずコストパフォーマンスが良いということであるならば、日本製品は、これまでの「過剰品質」に見合うように価格を適正化(値上げ)する余地があることになる。
- 品質を重視した日本の製品は、世界的にも高く評価されているといわれている。しかし、そうした日本製品の多くは、品質重視の設計や開発、部品等の調達にかけたコストに見合わない安い価格での販売を余儀なくされているのではないだろうか。これを日本的「過剰品質」と呼びたい。もし、世界的にも高く評価されている理由が、品質と価格が見合っておらずコストパフォーマンスが良いということであるならば、日本製品は、これまでの「過剰品質」に見合うように価格を適正化(値上げ)する余地があることになる。
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2024-04-25
マクロ経済・金融市場調査
景気観測
景気観測 : 景気観測(中国)2024年4月 1〜3月期の実質GDPは伸びが小幅に高まる
- 要約
- ・輸出と投資の緩やかな増加から、1〜3月期の実質GDP(国内総生産)成長率はやや上昇。
・ただ、雇用・所得情勢の弱含みや住宅価格の下落に伴う逆資産効果を背景に、個人消費は減速。
・足元では、住宅販売の大幅な減少が続き、企業の生産活動の回復にも一服感がみられる。
・政府は不動産企業への資金支援を強化し、耐久消費財の買い替えなどの内需拡大策にも着手。
- ・輸出と投資の緩やかな増加から、1〜3月期の実質GDP(国内総生産)成長率はやや上昇。
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2024-04-30
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
マーケット情報 : HRIマーケット情報(2024年4月30日)
- 要約
- ・先週、日銀は金融政策決定会合で現行の金融政策の維持を決定。長期国債の買い入れ額についても継続することに。その決定を受け円安ドル高が急速に進展。29日アジア時間には一時160円超えの円安ドル高に突入し、政府・日銀による円買い介入が入ったとされる。一方、今週予定されているFOMCでも金融政策の現状維持が見込まれ、場合によっては会合後のパウエルFRB議長の会見が、利下げに消極的なタカ派に一段と寄る可能性も予想される。いまだに止まっていない米金利上昇に加えて、円安ドル高を背景に、円金利にも上昇圧力がかかりやすい展開となろう。
・一方で、中東情勢は双方(イスラエルとイラン)が一時停戦案を模索していると伝わったことで、過度な警戒は一時後退したが予断を許さない状況。
・今週、東京市場はゴールデンウィークのため3日間のみだが、材料も多く各種市場が荒れた展開となる可能性に注意が必要。
- ・先週、日銀は金融政策決定会合で現行の金融政策の維持を決定。長期国債の買い入れ額についても継続することに。その決定を受け円安ドル高が急速に進展。29日アジア時間には一時160円超えの円安ドル高に突入し、政府・日銀による円買い介入が入ったとされる。一方、今週予定されているFOMCでも金融政策の現状維持が見込まれ、場合によっては会合後のパウエルFRB議長の会見が、利下げに消極的なタカ派に一段と寄る可能性も予想される。いまだに止まっていない米金利上昇に加えて、円安ドル高を背景に、円金利にも上昇圧力がかかりやすい展開となろう。
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2024-05-01
マクロ経済・金融市場調査
研究員コラム
研究員コラム : 日銀の追加利上げは最短で今年9月か 北田英治
- 要約
- ・日銀は4月26日の決定会合で金融政策の現状維持を決めた。円安進行に対する何らかの対応を期待していた金融市場では、日銀の現状維持決定を受けて円売りが加速した。
・植田総裁の記者会見は、足元の円安進行が日銀の早期利上げに直結することはないと感じさせるものとなった。為替レートの変動(円安進行)が金融政策(利上げ)に影響を及ぼすには、「輸入物価の上昇→国内物価の上昇→賃金の上昇」という波及を見極める必要があり、結果として相当の時間を要するとみられる。
・一方、「展望レポート(2024年4月)」には、「消費者物価の基調的な上昇率は、(中略)見通し期間後半には『物価安定の目標』と概ね整合的な水準で推移すると考えられる。」と明記された。今後、こうした物価の見通しが実現する確度が高まってくれば、日銀の追加利上げが近づくということになろう。
・8月15日に公表される4~6月期の実質GDP(国内総生産、一次速報値)などで景気の持ち直しを確認した上で、日銀が9月19日~20日の会合で追加利上げを決めるというのが、現時点で想定される最も早いタイミングでの政策変更と考える。
- ・日銀は4月26日の決定会合で金融政策の現状維持を決めた。円安進行に対する何らかの対応を期待していた金融市場では、日銀の現状維持決定を受けて円売りが加速した。
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2024-05-02
神奈川・地域経済調査
景気観測
景気観測 : 景気観測(神奈川)2024年5月 県内景気の回復ペースは依然緩やか
- 要約
- ・サービス輸出に含まれるインバウンド消費は増加基調。ただ、財の輸出は依然として弱い動き。
・2月の県内製造業の生産活動は上向いたものの、強いとは言い難い。
・賃金上昇は物価上昇に追い付いておらず、家計の購買力は高まっていない。
・財の消費は数量ベースで弱めの動きとなった模様。3月のサービス消費は歓送迎会などの復活で一時的に回復の動きが強まったものの、基調的な回復ペースは緩やかとみる。
- ・サービス輸出に含まれるインバウンド消費は増加基調。ただ、財の輸出は依然として弱い動き。
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2024-05-07
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
マーケット情報 : HRIマーケット情報(2024年5月7日)
- 要約
- ・先週、先々週と日米の金融政策決定会合が開催され、日本では「日銀が円安によって一時的に物価上昇率が高まるだけでは金融政策(利上げ)で対応することはない」ことを、そして米国では「FRBの次の政策金利変更が利上げではない」ことを確認。実際、急速な円安ドル高に対して日本政府・日銀は円買いドル売り介入で対応したとみられ、為替は大幅な円高ドル安に。一方、米国では3月中旬から続いた金利上昇に、ようやく一服感も。
・今週、日本では主要企業の決算発表がピークを迎える。各社の利益計画は、足元の市場金利上昇などを背景に、慎重な内容となることが予想されるが、為替の面からは想定レートの大勢が1ドル=140円台とみられ、円安による上方修正含みの発表が期待される。「米金利上昇」、「円安ドル高」、「内外株安」そして地政学リスクからの「原油高」・・・と市場が大荒れした先月。今月は、少し落ち着いた相場展開を期待したい。
- ・先週、先々週と日米の金融政策決定会合が開催され、日本では「日銀が円安によって一時的に物価上昇率が高まるだけでは金融政策(利上げ)で対応することはない」ことを、そして米国では「FRBの次の政策金利変更が利上げではない」ことを確認。実際、急速な円安ドル高に対して日本政府・日銀は円買いドル売り介入で対応したとみられ、為替は大幅な円高ドル安に。一方、米国では3月中旬から続いた金利上昇に、ようやく一服感も。
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2024-05-13
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
マーケット情報 : HRIマーケット情報(2024年5月13日)
- 要約
- ・FOMC(4/30~5/1)でパウエル議長が利上げの可能性は低いと発言したことや、米雇用統計が市場予想を下回ったことなどから、3月中旬から続いた米金利上昇は一服し、市場の話題は「いつから米国が利下げするのか?」に回帰。米金利の落ち着きとともに、米国のNYダウは8連騰し、史上最高値更新を視野に入れる水準まで上昇した。欧州でも独国DAXや英国FTSEなど主要な株価指数が、連日史上最高値を更新している。一方、日本は日銀金融政策決定会合(4月)で、想定以上にタカ派な意見があったことが判明し、にわかに早期追加利上げに対する警戒感が台頭。ただし、ドル円については、気づけば1ドル=156円を再度うかがう円安に。日本の各市場は、方向感も出にくく、居所を探る展開が続く。
・今週は、日本のGDP(2024/1~3)速報値(5/16)や、米国の物価関連指標(5/14PPI・5/15CPI)に注目が集まる。
- ・FOMC(4/30~5/1)でパウエル議長が利上げの可能性は低いと発言したことや、米雇用統計が市場予想を下回ったことなどから、3月中旬から続いた米金利上昇は一服し、市場の話題は「いつから米国が利下げするのか?」に回帰。米金利の落ち着きとともに、米国のNYダウは8連騰し、史上最高値更新を視野に入れる水準まで上昇した。欧州でも独国DAXや英国FTSEなど主要な株価指数が、連日史上最高値を更新している。一方、日本は日銀金融政策決定会合(4月)で、想定以上にタカ派な意見があったことが判明し、にわかに早期追加利上げに対する警戒感が台頭。ただし、ドル円については、気づけば1ドル=156円を再度うかがう円安に。日本の各市場は、方向感も出にくく、居所を探る展開が続く。
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2024-05-14
マクロ経済・金融市場調査
景気観測
景気観測 : 景気観測(日本)2024年5月 景気は鈍い動きが続く
- 要約
- ・物価高の影響で個人消費は鈍い動き。円安の進行などにより消費者心理は改善が一服。
・工場の稼働が停止していた一部自動車メーカーの生産再開を受けて、生産指数は上向く。
・為替レートの円安傾向が強まり、輸入物価の上昇を通じた物価高への懸念が強まる。
・日銀の展望レポートでは、2%の「物価安定の目標」が概ね実現する見通しが示される。
- ・物価高の影響で個人消費は鈍い動き。円安の進行などにより消費者心理は改善が一服。
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2024-05-14
マクロ経済・金融市場調査
景気観測
景気観測 : 景気観測(欧州)2024年5月 サービス業主導で景気は持ち直し
- 要約
- ・2024年1〜3月期のユーロ圏の実質GDPは前期比+0.3%となり、3期ぶりにプラスに転換。
・サービス業の回復により、4月の総合PMIは51.7と、2か月連続で節目の50を上回った。
・4月の消費者物価指数は前月と同じ上昇率となったものの、コア指数は上昇率が鈍化。
・ECBは4月の政策理事会で政策金利を据え置いた。金利据え置きは5会合連続。
・政策理事会後のラガルド総裁の発言やコア消費者物価上昇率の鈍化を受け、金融市場では次回6月のECB会合で利下げが実施されるとの観測が強まった。
- ・2024年1〜3月期のユーロ圏の実質GDPは前期比+0.3%となり、3期ぶりにプラスに転換。
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2024-05-14
マクロ経済・金融市場調査
景気観測
景気観測 : 景気観測(米国)2024年5月 景況感が悪化、雇用の伸びも減速
- 要約
- ・2024年1〜3月期の米実質GDPは前期比年率+1.6%と23年10〜12月期の同+3.4%から低下した。
・4月のISM非製造業景況指数は49.4と前月から低下し、好不況の節目である50を下回った。
・4月の雇用統計では、雇用の減速と賃金上昇率の低下が示された。
・5月1日のFOMCでは政策金利が据え置かれ、声明文ではインフレに対する警戒感が示された。
・一方、会合後のパウエル議長の発言により、FRBが金融引き締めに転じるとの懸念は和らいだ。
- ・2024年1〜3月期の米実質GDPは前期比年率+1.6%と23年10〜12月期の同+3.4%から低下した。
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2024-05-17
産業動向調査
産業マンスリー
産業マンスリー : 産業マンスリー 5月号
- 要約
- 製造業においては、在庫調整の一巡や、生産下振れからの回復などが確認された。また、4月末から5月前半に行われた3月期決算企業の決算発表でも、主要な上場企業からは概ね良好な業績が発表された。他方、電子部品・デバイスの最終需要の回復の遅れや、2024年度のグローバル生産台数が概ね微増にとどまるといった自動車各社の事業計画なども明らかになり、2024年度の業況の改善が、従来の想定よりも遅れる印象が強くなった。製造業の業況は回復局面を迎えているが、力強さに欠けると言わねばならないだろう。
他方、非製造業については業種によるばらつきが大きい。外食では、3月に外出機会の増加で外食支出額が持ち直したが、パブ・居酒屋業態の売上高は伸び悩んだ。また小売では、4月に気温の上昇にってカジュアル衣料の販売が好調となったものの、紳士服の販売は低調に終わった。消費者の節約志向は高まっており、消費行動が選択的になっている状況がうかがわれる。また、不動産価格の高騰が続く中、住宅販売の業況は依然として厳しく、みなとみらい地区での新規供給の影響もあり、オフィス賃貸の先行きにも不透明感が強くなっている。
医療・介護分野では、コロナ禍の影響が一巡しつつあることが確認される。
- 製造業においては、在庫調整の一巡や、生産下振れからの回復などが確認された。また、4月末から5月前半に行われた3月期決算企業の決算発表でも、主要な上場企業からは概ね良好な業績が発表された。他方、電子部品・デバイスの最終需要の回復の遅れや、2024年度のグローバル生産台数が概ね微増にとどまるといった自動車各社の事業計画なども明らかになり、2024年度の業況の改善が、従来の想定よりも遅れる印象が強くなった。製造業の業況は回復局面を迎えているが、力強さに欠けると言わねばならないだろう。
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2024-05-20
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
マーケット情報 : HRIマーケット情報(2024年5月20日)
- 要約
- ・先週は、注目された4月の米CPIが市場予想を下回る伸びとなり、FRBが利下げを先送りするとの懸念が後退したため、米国株が大幅に上昇。17日にNYダウは終値ベースで史上初の4万ドル台となった。また4月の米CPIを受けて米長期金利が大幅に低下し、ドル円は16日の東京市場で一時1ドル153円60銭まで円が上昇した。ただその後は、FRB高官が早期の利下げに慎重な見方を示したことから円売りドル買いが優勢となり、結局、1ドル155円台後半まで円は下落した。一方、日本の長期金利は、日銀の国債買い入れオペの減額を受けて、水準を切り上げた。
・今週は注目度の高い米経済指標の発表もなく、ドル円はもみ合いを見込む。一方、株式市場では米国株が上値を試す展開となっており、この点が日本株の追い風となろう。22日に予定されている米半導体大手エヌビディアの決算発表に注目。
- ・先週は、注目された4月の米CPIが市場予想を下回る伸びとなり、FRBが利下げを先送りするとの懸念が後退したため、米国株が大幅に上昇。17日にNYダウは終値ベースで史上初の4万ドル台となった。また4月の米CPIを受けて米長期金利が大幅に低下し、ドル円は16日の東京市場で一時1ドル153円60銭まで円が上昇した。ただその後は、FRB高官が早期の利下げに慎重な見方を示したことから円売りドル買いが優勢となり、結局、1ドル155円台後半まで円は下落した。一方、日本の長期金利は、日銀の国債買い入れオペの減額を受けて、水準を切り上げた。
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2024-05-20
マクロ経済・金融市場調査
研究員コラム
研究員コラム : 家計の貯蓄率がマイナスとなる中で弱含む個人消費 北田英治
- 要約
- ・内閣府が発表した24年1~3月期の実質GDP(国内総生産)統計によると、個人消費は前期比-0.7%と4四半期連続で減少した。1~3月期は、品質不正問題による一部自動車メーカーの生産・出荷停止という特殊要因が耐久財消費の大幅な落ち込みに繋がったものの、この特殊要因が仮に無かったとしても、個人消費は非常に緩慢な回復にとどまっていたと推察される。個人消費の回復力が弱い最大の理由は、物価高の影響である。24年1~3月期の名目雇用者報酬は前期比+0.7%と2期連続で増加したものの、実質雇用者報酬は同-0.4%と2期ぶりに減少した。
・実質雇用者報酬の減少が続く中で、家計の消費支出を支えているのは、コロナ禍による支出の抑制過程で積み上がった「超過貯蓄」の取り崩しである。2022年末時点で約47兆円に達していたと試算される超過貯蓄は、23年1~3月期から取り崩しが始まっており、特に23年7~9月期以降は家計の貯蓄率がマイナスに転じる中で取り崩し額が増加している。足元の物価高の影響で、家計は可処分所得を上回る支出を余儀なくされているといえよう。
・24年4~6月期には、自動車の挽回生産(それに伴う出荷)が進むことなどもあり、個人消費が5四半期ぶりに前期比で増加して実質GDP成長率がプラスに転じると予想される。ただ、個人消費の安定的な回復には、実質ベースの雇用者報酬の増加が欠かせない。実質賃金が果たしていつプラスに転じるのかが、引き続き景気の先行きを展望する上での最大の注目点となろう。
- ・内閣府が発表した24年1~3月期の実質GDP(国内総生産)統計によると、個人消費は前期比-0.7%と4四半期連続で減少した。1~3月期は、品質不正問題による一部自動車メーカーの生産・出荷停止という特殊要因が耐久財消費の大幅な落ち込みに繋がったものの、この特殊要因が仮に無かったとしても、個人消費は非常に緩慢な回復にとどまっていたと推察される。個人消費の回復力が弱い最大の理由は、物価高の影響である。24年1~3月期の名目雇用者報酬は前期比+0.7%と2期連続で増加したものの、実質雇用者報酬は同-0.4%と2期ぶりに減少した。
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2024-05-23
マクロ経済・金融市場調査
テーマレポート
テーマレポート : 2024・25年度の景気予測(2024年5月改訂) マクロ経済調査チーム
- 要約
- ・2024年度の日本経済は、4~6月期には、自動車の生産回復を受けて耐久財等の個人消費などが増加するため、プラス成長に転じるだろう。続く7~9月期も高めの成長になると予想される。賃上げの実施や所得税・住民税の定額減税の効果で個人消費が高めの伸びになろう。年度後半は、実質賃金が増加に転じ、個人消費が緩やかに増加すると見込んだ。海外景気の減速により輸出が伸び悩むものの、設備投資は増加基調が続くだろう。
・25年度は成長率が次第に高まると予測した。25年の春闘でも、高めの賃上げが実現すると見込んだ。物価上昇率の緩やかな低下と相まって実質賃金の増加が続くことから、個人消費は緩やかな増加基調を維持しよう。利下げの効果で米景気が回復に向かうため輸出の増勢が次第に強まるだろう。輸出の増加を受けて企業業績が改善することから設備投資の伸びも高まると見込んだ。
- ・2024年度の日本経済は、4~6月期には、自動車の生産回復を受けて耐久財等の個人消費などが増加するため、プラス成長に転じるだろう。続く7~9月期も高めの成長になると予想される。賃上げの実施や所得税・住民税の定額減税の効果で個人消費が高めの伸びになろう。年度後半は、実質賃金が増加に転じ、個人消費が緩やかに増加すると見込んだ。海外景気の減速により輸出が伸び悩むものの、設備投資は増加基調が続くだろう。
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2024-05-23
マクロ経済・金融市場調査
研究員コラム
研究員コラム : 補償賃金仮説と「配属ガチャ」手当のススメ? 遠藤裕基
- 要約
- ・勤務地や配属先が入社してみないと分からないという意味で、配属ガチャはリスクであり、リスクがあるのであれば、それに見合った賃金プレミアムを払ってはどうか。要は配属ガチャを受け入れる者には、そのリスク分を手当などの形で明確にし、支払ってはどうかという提案である。当然、配属ガチャリスクを負いたくない者の賃金は相対的に低くなる。
・企業側も転勤や配置転換の重要性を認識しているからこそ、こうした運用を続けているはずである。同じ企業内で様々な仕事を経験することで、人的資本を形成することにはそれなりに意味がある。これを一律にやめて、転勤も配置転換もしませんというのも選択肢ではあるが、せっかくの人的資本形成の機会をすべて放棄することもないだろう。例えば、転勤や配置転換の有無でコースを分け(結果として賃金に差をつけ)て、採用を行うということもできるはずである。学生側も、自身が配属ガチャリスクを負うかどうかを選択できる方が、はるかに納得感が高まると考えられる。
- ・勤務地や配属先が入社してみないと分からないという意味で、配属ガチャはリスクであり、リスクがあるのであれば、それに見合った賃金プレミアムを払ってはどうか。要は配属ガチャを受け入れる者には、そのリスク分を手当などの形で明確にし、支払ってはどうかという提案である。当然、配属ガチャリスクを負いたくない者の賃金は相対的に低くなる。
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2024-05-24
神奈川・地域経済調査
テーマレポート
テーマレポート : 2024年夏の神奈川県民ボーナスの見通し 白須光樹
- 要約
- ・民間企業に勤める神奈川県民1人当たりの今夏のボーナスは、春闘での高い賃上げ率を受けた基本給の増加や、県内企業の業績改善により、前年比+3.3%(51.3万円)になると予測した。
・また、雇用者数は、緩やかながらも前年比増加すると見込んでいるほか、支給対象者割合は前年並みの水準を維持すると予想している。これらの要素を踏まえて計算した神奈川県民の民間のボーナス総支給額は、前年比+3.8%となる見通しである。
・このように、神奈川県民1人当たりのボーナスは今夏も堅調に増加すると予測する。ただ、横浜市の消費者物価指数(働き手の生活実感に近い「持家の帰属家賃を除く総合」)は、2024年4月に前年比+3.3%と、ボーナスの伸び率の予測値と同じになった。ボーナスの実質的な購買力は前年からほとんど変化していないと予想され、ボーナス商戦が大いに盛り上がるという展開は期待しづらいと考えられる。
- ・民間企業に勤める神奈川県民1人当たりの今夏のボーナスは、春闘での高い賃上げ率を受けた基本給の増加や、県内企業の業績改善により、前年比+3.3%(51.3万円)になると予測した。
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2024-05-24
マクロ経済・金融市場調査
景気観測
景気観測 : 景気観測(中国)2024年5月 国内需要は回復の動きが鈍い
- 要約
- ・個人消費は減速基調で推移、固定資産投資も増勢が弱まる。
・住宅市場では、住宅販売が引き続き大幅減となるなど、市況の悪化が継続。
・輸出は前年水準を小幅に上回り、生産にも持ち直しの動きが表れる。
・中国当局は過剰な住宅在庫の買い取りを地方政府に指示するなど、住宅市場の支援策を一段と強化。
- ・個人消費は減速基調で推移、固定資産投資も増勢が弱まる。
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2024-05-27
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
マーケット情報 : HRIマーケット情報(2024年5月27日)
- 要約
- ・先週、米国の長期金利が再度上昇に転じた。月初のFOMCで、一部にあった追加利上げ観測は一掃できたものの、その後も米国経済の堅調さを示す各種経済指標が続き、複数のFRB高官から利下げに消極的な発言が相次ぐなど利下げの道筋が見えてこない状況が背景。一方、日本も日銀の金融政策正常化観測が強まり、10年国債利回りは約12年ぶりの1.0%超まで上昇。株式市場は、日本では戻りを試したいが上値が重く、米国では高値更新後の利益確定売りで反落。5月最終週となる今週、各種市場とも方向感なく、もみ合いながら居所を探る展開となろう。
・今週は、週末31日に公表される日本の東京都区部CPI(5月)や米個人所得・個人消費支出(4月)などに注目が集まる。
- ・先週、米国の長期金利が再度上昇に転じた。月初のFOMCで、一部にあった追加利上げ観測は一掃できたものの、その後も米国経済の堅調さを示す各種経済指標が続き、複数のFRB高官から利下げに消極的な発言が相次ぐなど利下げの道筋が見えてこない状況が背景。一方、日本も日銀の金融政策正常化観測が強まり、10年国債利回りは約12年ぶりの1.0%超まで上昇。株式市場は、日本では戻りを試したいが上値が重く、米国では高値更新後の利益確定売りで反落。5月最終週となる今週、各種市場とも方向感なく、もみ合いながら居所を探る展開となろう。
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2024-05-31
産業動向調査
研究員コラム
研究員コラム : 製造業の調整局面は終了しつつあり最終需要の回復待ち 城浩明
- 要約
- 工作機械受注や半導体出荷額等の業界統計を踏まえて、足元の製造業全般の業況を概観すると、昨年までのような半導体の供給制約はなく、生産や在庫の調整局面は終了しつつある。このあとは、実質賃金の上昇などにより最終需要が回復することで、製造業の業況の改善が加速すると期待される。
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2024-06-03
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
マーケット情報 : HRIマーケット情報(2024年6月3日)
- 要約
- ・日銀の金融政策正常化観測が強まったことで日本国債は先週も続落し、10年国債利回りは一時1.10%まで上昇する場面も。5月は月間で約0.20%上昇となった。日本の株式市場は企業の決算発表が大方好決算だったにもかかわらず、金利上昇が重荷となり月間でほぼ横這いに。一方で米国の5月は、4月の反動もあり金利低下&株式上昇という結果に。ただし、米国経済の堅調さを示す各種経済指標が続き、複数のFRB高官から利下げに消極的な発言が相次ぐなど、利下げの道筋がまだ見えてこない状況。5月は日米市場ともに、各国金融政策に対する思惑の影響を大きく受けた。
・来週にかけて日米欧の金融政策決定会合が開催されるため、今週は各種市場とも方向感を出しづらく、もみ合いながら居所を探る展開となろう。 ただし、今週日本では新発長期国債入札が、また米国では米雇用統計の発表など、重要なイベントがあるため波乱の展開にも注意が必要。
- ・日銀の金融政策正常化観測が強まったことで日本国債は先週も続落し、10年国債利回りは一時1.10%まで上昇する場面も。5月は月間で約0.20%上昇となった。日本の株式市場は企業の決算発表が大方好決算だったにもかかわらず、金利上昇が重荷となり月間でほぼ横這いに。一方で米国の5月は、4月の反動もあり金利低下&株式上昇という結果に。ただし、米国経済の堅調さを示す各種経済指標が続き、複数のFRB高官から利下げに消極的な発言が相次ぐなど、利下げの道筋がまだ見えてこない状況。5月は日米市場ともに、各国金融政策に対する思惑の影響を大きく受けた。
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2024-06-04
神奈川・地域経済調査産業動向調査
研究員コラム
研究員コラム : イースター休暇と神奈川県内インバウンド消費の関係 白須光樹
- 要約
- ・2024年のイースター休暇が3月だったこともあり、本年3月の訪日客数は過去最高だった。
・神奈川県はキリスト教徒の多い欧米や豪州からの宿泊客が相対的に多く、イースター休暇時の訪日動向は重要である。
・神奈川県のインバウンド消費をより一層拡大するためには、欧米や豪州からの訪日客について詳細な調査を実施する必要があろう。
- ・2024年のイースター休暇が3月だったこともあり、本年3月の訪日客数は過去最高だった。
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2024-06-04
産業動向調査マクロ経済・金融市場調査
研究員コラム
研究員コラム : 日本人気の高さが支える訪日中国人観光客数の回復 白鳳翔
- 要約
- ・出遅れていた訪日中国人観光客数の回復が足元では着実に進行。
・中国のアウトバウンドという方向からみても、2024年に入ってからは、日本向けの回復水準が主要国の中の上位に位置。
・足元の訪日中国人観光客数の着実な回復の背景には、1つ欠かせない理由として日本観光の人気の高さが挙げられる。
・ただ、中国の雇用・所得情勢の悪化懸念から、先行き訪日中国人観光客数の回復が必ずしも順調に進まない可能性があることにも要注意。
- ・出遅れていた訪日中国人観光客数の回復が足元では着実に進行。
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2024-06-05
マクロ経済・金融市場調査
研究員コラム
研究員コラム : 低下基調で推移する企業の労働分配率 北田英治
- 要約
- ・2024年1~3月期の「法人企業統計」によると、全産業(金融業、保険業を除く)ベースの経常利益(季節調整値)は前期比+6.7%の28.1兆円となり、3四半期ぶりに過去最高水準を更新した。
・「法人企業統計」を基に労働分配率を計算すると、24年1~3月期には全規模ベースで61.2%(4四半期後方移動平均値)となり、1年前に比べて1.9%ポイント低下した。足元の労働分配率の絶対的な水準が低いことは、企業にとって先行きの賃上げ余力が大きいことを示唆している。24年の春闘賃上げ率が5.17%(連合の第5回回答集計)と33年ぶりに5%を超えた背景には、企業収益の改善によって労働分配率が低下し、企業の賃上げ余力が十分に残されていたことがあると考えられる。
・今後、24年の高水準の賃上げが企業の人件費の一段の増加に繋がることなどを踏まえると、先行き労働分配率が上昇基調に転じ、1年後の25年の企業の賃上げ余力が24年に比べて小さくなる可能性がある。人手不足感が一段と強まる状況下、企業にとって高い水準の賃上げを持続するためには、①価格転嫁の継続と、②労働生産性の向上に向けた取り組みなどによる、収益構造の強化が重要となろう。
- ・2024年1~3月期の「法人企業統計」によると、全産業(金融業、保険業を除く)ベースの経常利益(季節調整値)は前期比+6.7%の28.1兆円となり、3四半期ぶりに過去最高水準を更新した。
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2024-06-05
神奈川・地域経済調査
景気観測
景気観測 : 景気観測(神奈川)2024年6月 サービス輸出とサービス消費を支えに緩やかな回復が続く
- 要約
- ・財の輸出はなお低調。インバウンド消費は好調に推移した。
・3月の県内製造業の生産活動は上向いたが、基調としては大きく変化していない。
・今春の春闘を反映する前のデータでは、賃金上昇は物価上昇になお追い付かず、家計の購買力の低下が続いた。
・個人消費は物価高の影響で財の消費は勢いを欠いている。サービス消費は回復の勢いが落ちているとみられるものの、4月も堅調さを保った。
- ・財の輸出はなお低調。インバウンド消費は好調に推移した。
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2024-06-07
マクロ経済・金融市場調査
研究員コラム
研究員コラム : 上昇傾向が続くキャットフード価格 北田英治
- 要約
- ・総務省の「消費者物価指数」を品目別に見ると、2023年度の「ペットフード(キャットフード)」は前年比+27.0%と大幅に上昇したことが分かる。
・この背景には、コロナ禍の落ち込みから世界経済が回復する中で、肉や魚、穀物などのキャットフードの原材料価格が上昇していることや、円安の進行によって海外からの輸入コストが増加していることがあると考えられる。
・加えて、愛猫に最適なものを食べさせたいという飼い主のニーズに応じて、最近、キャットフードの高付加価値化が進んでおり、そのことが価格の上昇に繋がっているとみられる。
- ・総務省の「消費者物価指数」を品目別に見ると、2023年度の「ペットフード(キャットフード)」は前年比+27.0%と大幅に上昇したことが分かる。
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2024-06-10
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
マーケット情報 : HRIマーケット情報(2024年6月10日)
- 要約
- ・6月第1週は日米ともに、「金利低下」&「株高」となった。特に米国では市場参加者の多くが利下げを期待しているせいなのか、「景気減速」、「物価上昇率低下」もしくは「労働市場逼迫の緩和」など利下げの連想につながる経済指標に反応しやすい状況。先週がまさにその展開で、週初からISM製造業景況感指数等が米国の「景気減速」を意識させ、利下げ期待が先行(金利大幅低下)するも、週末の雇用統計が「労働市場逼迫の加速」を示す結果だったことで、少し冷静にさせられた展開(金利上昇)に。市場は日米ともに、米金融政策に関する思惑に大きく影響を受けた。
・今週、いよいよ日米の金融政策決定会合が開催される。また米国のCPI(5月)の発表もある。重要イベントの結果待ちで、各種市場とも方向感を出しづらく、もみ合いながら居所を探る展開となろう。
- ・6月第1週は日米ともに、「金利低下」&「株高」となった。特に米国では市場参加者の多くが利下げを期待しているせいなのか、「景気減速」、「物価上昇率低下」もしくは「労働市場逼迫の緩和」など利下げの連想につながる経済指標に反応しやすい状況。先週がまさにその展開で、週初からISM製造業景況感指数等が米国の「景気減速」を意識させ、利下げ期待が先行(金利大幅低下)するも、週末の雇用統計が「労働市場逼迫の加速」を示す結果だったことで、少し冷静にさせられた展開(金利上昇)に。市場は日米ともに、米金融政策に関する思惑に大きく影響を受けた。
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2024-06-11
マクロ経済・金融市場調査
景気観測
景気観測 : 景気観測(米国)2024年6月 景気の粘り強い回復が持続
- 要約
- ・4月分の経済指標は実質個人消費が前月を下回り、また鉱工業生産指数が横ばいとなるなど、景気回復の動きの一部に弱さが見られた。
・4月の物価指標は、インフレの抑制傾向が持続していることを示した。
・5月の経済指標は、雇用者数が予想外に増加し、賃金の伸びが加速した。ISM非製造業景況指数や総合PMI指数も大幅に上昇した。4月の経済指標はやや弱含みであったが、足元の景気は再加速しており、粘り強い回復が持続している。
・6月11〜12日に開催のFOMC(公開市場委員会)では、金融政策の現状維持が確実視されている。今回のFOMCでは年4回公表される経済見通しが更新される。前回3月の見通しからの変更が注目される。
- ・4月分の経済指標は実質個人消費が前月を下回り、また鉱工業生産指数が横ばいとなるなど、景気回復の動きの一部に弱さが見られた。
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2024-06-11
マクロ経済・金融市場調査
景気観測
景気観測 : 景気観測(欧州)2024年6月 企業の景況感の改善が持続、6月6日にECBは0.25%の利下げを実施
- 要約
- ・サービス業の回復が続くとともに製造業の景況感が持ち直しており、5月の総合PMIは12か月ぶりの高水準に上昇。
・4月は失業率が低下し、1〜3月期の妥結賃金の上昇率は23年10〜12月期から幾分上昇した。4月の小売売上高は復活祭の要因などから減少したものの、雇用所得環境の改善が続く中、個人消費は緩やかに持ち直しているとみられる。
・3月は鉱工業、建設業ともに生産活動が回復した。
・6月6日、欧州中央銀行(ECB)は政策金利を0.25%ポイント引き下げた。ただし、ECBの経済見通しでインフレが上方修正されたことを受け、金融市場の早期追加利下げ期待は後退した。
- ・サービス業の回復が続くとともに製造業の景況感が持ち直しており、5月の総合PMIは12か月ぶりの高水準に上昇。
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2024-06-11
マクロ経済・金融市場調査
テーマレポート
テーマレポート : 2024・25年度の景気予測(2024年1〜3月期2次QE後改訂) 小泉司
- 要約
- ・2024年1〜3月期の実質GDP(国内総生産)の2次速報値(2次QE)は前期比-0.5%と、1次QEと同じ伸びになった。
・6月に入り、複数の自動車メーカーから新たな認証不正問題が公表され、一部の車種で出荷が停止されることになった。今回の改訂では、6月以降の自動車生産の回復のテンポが遅れることを見込み、24年度上期の成長率を小幅に下方修正した。24年度通期では実質GDP成長率を+0.4%と、前回予測(+0.5%)から下方修正し、続く25年度の実質成長率は+1.2%に据え置いた。
- ・2024年1〜3月期の実質GDP(国内総生産)の2次速報値(2次QE)は前期比-0.5%と、1次QEと同じ伸びになった。
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2024-06-14
マクロ経済・金融市場調査
テーマレポート
テーマレポート : 日銀の国債保有が無ければ足元の長期金利は2% 白須光樹
※一部修正しました
- 要約
- ・日本銀行は今後、国債保有額を減少させていくと予想され、長期金利(10年物国債金利)は上昇しやすい環境になると考えられる。
・日本銀行が国債を保有することによる長期金利のリスクプレミアムの下押し効果を推計したところ、1%超との結果が得られた。これを踏まえると、日本銀行の国債保有がゼロの場合の長期金利の水準は足元で2%程度との計算になる。
・日本政府の財政状況を踏まえると、2%の金利水準は高めであり、日本銀行は保有国債の減額について、ゆっくりとしたペースで進めざるを得ないだろう。
- ・日本銀行は今後、国債保有額を減少させていくと予想され、長期金利(10年物国債金利)は上昇しやすい環境になると考えられる。
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2024-06-14
マクロ経済・金融市場調査
景気観測
景気観測 : 景気観測(日本)2024年6月 景気は上向くが、今後に不透明感も
- 要約
- ・乗用車販売の回復により個人消費は上向く。ただし、物価高により消費の回復の基調は鈍い。
・設備投資は増加一服も、企業業績は好調で、今後の回復が期待される。
・自動車の生産再開で生産や輸出は上向くも、新たな認証不正により生産回復には不透明感も。
・日銀の金融政策正常化への見方から長期金利は上昇傾向に。為替レートは横ばい圏で推移。
- ・乗用車販売の回復により個人消費は上向く。ただし、物価高により消費の回復の基調は鈍い。
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2024-06-17
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
マーケット情報 : HRIマーケット情報(2024年6月17日)
- 要約
- ・先週、米国ではFOMCにおいて7会合連続で政策金利が据え置かれ、注目の政策金利見通しは、今年の利下げ回数が前回(3月)の3回から1回に縮小。一方、日本では日銀が国債買入れ減額について、方針は決定したものの具体的な計画については次回会合に先送りした。「なかなか利下げ(金融緩和)できない米国」と「なかなか利上げ(金融引き締め)できない日本」という現状をあらためて確認した週であった。今後も、物価や雇用・賃金の動向などを確認しながら、日米の金融政策を占っていくことが続く。
・中銀ウイーク(FOMC・日銀決定会合)を通過した今週、株式市場はアク抜け感から一旦は相場が上向きになる可能性が高い。しかしながら、米国に対する市場の見方は、利下げの見通しから景気の温度(景気減速)へとシフトしつつある。引き続き、慎重に見極めながら相場に向かいたい。
- ・先週、米国ではFOMCにおいて7会合連続で政策金利が据え置かれ、注目の政策金利見通しは、今年の利下げ回数が前回(3月)の3回から1回に縮小。一方、日本では日銀が国債買入れ減額について、方針は決定したものの具体的な計画については次回会合に先送りした。「なかなか利下げ(金融緩和)できない米国」と「なかなか利上げ(金融引き締め)できない日本」という現状をあらためて確認した週であった。今後も、物価や雇用・賃金の動向などを確認しながら、日米の金融政策を占っていくことが続く。
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2024-06-17
産業動向調査
産業マンスリー
産業マンスリー : 産業マンスリー 6月号
- 要約
- 2024年6月の産業マンスリーの天気マークでは、自動車と自動車部品の現状及び6か月先について、それぞれ「雨」から「曇り」に上方修正した。他方、医療・介護(調剤薬局)の現状を「薄曇り」から「曇り」へ、小売(紳士服)の現状を「曇り」から「雨」に下方修正した。
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2024-06-17
マクロ経済・金融市場調査
テーマレポート
テーマレポート : 2024年後半のドル・円レートの展望 北田英治
- 要約
- ・2024年後半のドル・円レートを展望すると、当面はドル高値圏でのもみ合いが継続すると見込まれる。日米金利差がしばらくは縮小しにくいとの見方が円売り・ドル買い圧力として働く一方で、日本政府・日銀による円買い介入への警戒感がドルの上値を抑えよう。早ければ9月には日銀が追加利上げを実施するとみられ、他方、FRBは遅くても12月には利下げに転じると予想される。FRBの利下げが現実味を帯びてくれば、日米金利差の縮小に伴って円買い・ドル売り圧力が高まり、円高・ドル安基調に転じると見込まれる。ただ、新NISAを活用した投資信託経由の対外証券投資の増加などが引き続き円売り圧力として働くため、円高・ドル安の進行スピードは緩やかなものとなろう。
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2024-06-20
神奈川・地域経済調査
研究員コラム
研究員コラム : 増えてんの?減ってんの?都道府県別空き家事情 遠藤裕基
- 要約
- ・総務省「令和5年住宅・土地統計調査」で空き家の状況をみると、全国(2023年10月1日時点)で899.5万戸と前回2018年調査時点比6.0%増加となった。
・都道府県別に空き家の増減率をみると、最も高いのが北海道の同18.6%増加で、次いで大分県(同18.0%増加)、福井県(同17.1%増加)、富山県(同16.2%増加)、秋田県(同14.0%増加)の順番となっている。
・一方で、空き家が減少した府県もある。最も減少率が大きかったのが、沖縄県(同4.1%減少)、次いで神奈川県(同3.8%減少)、埼玉県(同3.8%減少)、山梨県(同3.0%減少)、滋賀県(同0.9%減少)の順番となっている。
- ・総務省「令和5年住宅・土地統計調査」で空き家の状況をみると、全国(2023年10月1日時点)で899.5万戸と前回2018年調査時点比6.0%増加となった。
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2024-06-24
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
マーケット情報 : HRIマーケット情報(2024年6月24日)
- 要約
- ・先週は米経済指標の改善やFRB高官が利下げに慎重な見方を示したことなどから米長期金利が上昇し、外為市場では円安・ドル高が進展。21日には一時1ドル=159円87銭と、4月下旬以来およそ2か月ぶりの円安・ドル高水準を付けた。円安の進行で日銀の金融政策正常化を巡る思惑も強まっている。
・今週は24日に日銀が金融政策決定会合の「主な意見」(6月13〜14日開催)を公表する。金融政策の正常化に前向きな意見が並べば、国内金利の上昇圧力が高まろう。一方、外為市場では1ドル=160円台を試す動きが出やすく、日本政府・日銀による円買い介入との駆け引きとなろう。28日に発表される5月の米PCE物価指数がインフレ鎮静化への期待を高めれば、FRBの早期利下げ観測からドル買いの勢いが衰える可能性もある。
- ・先週は米経済指標の改善やFRB高官が利下げに慎重な見方を示したことなどから米長期金利が上昇し、外為市場では円安・ドル高が進展。21日には一時1ドル=159円87銭と、4月下旬以来およそ2か月ぶりの円安・ドル高水準を付けた。円安の進行で日銀の金融政策正常化を巡る思惑も強まっている。
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2024-06-25
マクロ経済・金融市場調査
景気観測
景気観測 : 景気観測(中国)2024年6月 内需回復の動きは依然鈍い
- 要約
- ・個人消費は緩慢な回復にとどまり、固定資産投資も減速。
・住宅価格の下落幅が一段と拡大するなど、住宅市場はまだ底がみえない状況。
・輸出が改善するものの、内需回復の鈍さから生産は再び減速。
・元安の圧力が依然強い中、金融当局は利下げを再度見送った。
- ・個人消費は緩慢な回復にとどまり、固定資産投資も減速。
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2024-06-27
神奈川・地域経済調査
テーマレポート
テーマレポート : 都道府県別「子育て世代の女性の働きやすさ指標」 遠藤裕基
- 要約
- ・浜銀総合研究所では、都道府県別「子育て世代の女性の働きやすさ指標」を作成した。同指標は子育て世代の女性の働きやすさと相関があるとみられる、「保育所定員率」や「三世代同居率」、「男性の家事負担率」など9つの指標について合成したものである。
・神奈川県の数値は全都道府県中37番目である。神奈川県では、「学童保育登録率」、「保育所定員率」が同指標の下押し要因となっている。子育て世代の女性の働きやすさを考えた場合、神奈川県では子供の預けやすさが全国比での課題と考えることができる。
・県内の子育て世代の女性の働きやすさをさらに改善するためには、これまでと同様に公的な保育サービスの拡充を進めていくことが必要であろう。加えて、男女間賃金格差の是正を通じて、性別役割分業意識の見直しを図っていくことも重要である。
- ・浜銀総合研究所では、都道府県別「子育て世代の女性の働きやすさ指標」を作成した。同指標は子育て世代の女性の働きやすさと相関があるとみられる、「保育所定員率」や「三世代同居率」、「男性の家事負担率」など9つの指標について合成したものである。
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2024-07-01
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
マーケット情報 : HRIマーケット情報(2024年7月1日)
- 要約
- ・先週、FOMCで投票権を持つボウマンFRB理事が、「政策金利の引き下げが適切だという段階にはない」と、早期利下げに慎重な発言をしたことから、FRBは利下げ開始時期を時間をかけて見極めることになるだろうとの観測が台頭し米金利は大幅に上昇。その影響を受けて、歴史的な円安ドル高が進展。一方で、円安を止めるには円買い介入だけでは限界があるとの見方から、日銀が早めに追加利上げに動くとの観測も浮上し、円金利も上昇気味に。今月も、月末に予定されている日米の金融政策決定会合の行方を占いながら、相場に向かっていくことに。
・今週は5日に米雇用統計の発表を控えるほか、海外で政治イベントが多い。6月30日投開票の仏議会選で右派勢力が躍進との速報。7月7日の決戦投票に向けリスク回避の動きも予想される。また7月4日の英総選挙も与党の劣勢が予想されている。様々な市場にとって波乱要因になる可能性も。
- ・先週、FOMCで投票権を持つボウマンFRB理事が、「政策金利の引き下げが適切だという段階にはない」と、早期利下げに慎重な発言をしたことから、FRBは利下げ開始時期を時間をかけて見極めることになるだろうとの観測が台頭し米金利は大幅に上昇。その影響を受けて、歴史的な円安ドル高が進展。一方で、円安を止めるには円買い介入だけでは限界があるとの見方から、日銀が早めに追加利上げに動くとの観測も浮上し、円金利も上昇気味に。今月も、月末に予定されている日米の金融政策決定会合の行方を占いながら、相場に向かっていくことに。
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2024-07-01
マクロ経済・金融市場調査
研究員コラム
研究員コラム : 急増する家計の外貨建て資産 北田英治
- 要約
- ・日本銀行が6月27日に発表した2024年1〜3月期の「資金循環統計(速報)」によると、24年3月末時点の家計の金融資産残高は前年比7.1%増の2,199兆円と、6四半期連続で過去最高を更新した。
・資金循環勘定を基に家計の外貨建て資産額を試算すると、24年3月末時点で前年比30.9%増の約81兆円に達したとみられる。
・家計における投資信託経由の対外証券投資の増加は、外為市場で円安要因として働いている。先行き一段と円安が進行する場合には、そのことが家計のさらなる外貨建て投資の誘因となる可能性がある。
- ・日本銀行が6月27日に発表した2024年1〜3月期の「資金循環統計(速報)」によると、24年3月末時点の家計の金融資産残高は前年比7.1%増の2,199兆円と、6四半期連続で過去最高を更新した。
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2024-07-03
マクロ経済・金融市場調査
研究員コラム
研究員コラム : 日銀短観(2024年6月調査)が示唆する3つのこと 北田英治
- 要約
- ・日本銀行が7月1日に発表した「短観(2024年6月調査)」からは、以下の3点が読み取れる。
(1)景気の変動と関連深いとされる大企業の業況判断DIが、全産業ベースで前回3月調査比横ばいにとどまったことから、24年4〜6月期の日本経済の回復は鈍いとみられる。
(2)販売価格判断DIが大企業、中小企業ともに前回調査から上昇している。また企業の販売価格の見通しも前回調査から上方修正されている。企業の値上げに対する意欲は引き続き強い。
(3)2024年度の企業の設備投資計画は6月調査としては比較的高い伸びとなった。大企業のみならず中小企業においても高めの投資計画を立てており、企業の設備投資意欲が強いことがうかがえる。
- ・日本銀行が7月1日に発表した「短観(2024年6月調査)」からは、以下の3点が読み取れる。
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2024-07-03
神奈川・地域経済調査
景気観測
景気観測 : 景気観測(神奈川)2024年7月 サービス主導の緩やかな回復が続く
- 要約
- ・財の輸出は低調であるものの、下げ止まりの兆しが現れた。インバウンド消費は好調を維持した模様。
・県内企業の設備投資計画は前年比増加の見通しを維持。ただ、増勢は前年に比べて鈍化している可能性が高い。
・4月の実質賃金(家計の購買力)も低下が続いた。今春の春闘における賃上げは十分には反映されていないとみられる。
・個人消費の回復は継続しているものの、物価高の影響により全般的に勢いを欠いていると考えられる。
- ・財の輸出は低調であるものの、下げ止まりの兆しが現れた。インバウンド消費は好調を維持した模様。
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2024-07-05
マクロ経済・金融市場調査
研究員コラム
研究員コラム : 中高年世代の賃上げは小幅 小泉司
- 要約
- ・今年の春闘賃上げ率は昨年を大きく上回る結果となった。
・ただ年齢別にみると、若い世代の賃上げ率が高い伸びになる一方、中高年世代では相対的に低い伸びになると予想される。
・中高年世代は消費支出が大きくなる世代である。こうした世代の消費が伸び悩めば、賃上げによる個人消費の押し上げ効果が薄まる可能性があろう。
- ・今年の春闘賃上げ率は昨年を大きく上回る結果となった。
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2024-07-05
神奈川・地域経済調査
テーマレポート
テーマレポート : 2024年度・2025年度の神奈川県内経済見通し 白須光樹
- 要約
- ・神奈川県の実質県内経済成長率は2024年度が+0.8%、25年度は+1.0%になると予測。24年度後半になると、海外製造業が上向く中で、本県の主要な輸出財である一般機械を中心に財輸出は回復するとみる。人手不足の深刻化を受けて、予測期間中、やや高めの賃金上昇率が続くとみられる一方、物価高の長期化も予想され、個人消費の回復は緩やかなものにとどまろう。本予測期間終盤にかけて、3回の追加利上げの実施(1回を0.25%とする)を想定しているが、本県は全国に比べて住宅投資や設備投資は減少しにくいと見込む。
・持続的な賃上げの実現は中長期的に重要な論点。賃金水準を長期的に引き上げていくためには、労働生産性の向上が不可欠である。行政機関としては、持続可能な賃上げの実現のためにも、対内直接投資の拡大等を通じた県内産業の生産性の向上を図ることも一案だ。
- ・神奈川県の実質県内経済成長率は2024年度が+0.8%、25年度は+1.0%になると予測。24年度後半になると、海外製造業が上向く中で、本県の主要な輸出財である一般機械を中心に財輸出は回復するとみる。人手不足の深刻化を受けて、予測期間中、やや高めの賃金上昇率が続くとみられる一方、物価高の長期化も予想され、個人消費の回復は緩やかなものにとどまろう。本予測期間終盤にかけて、3回の追加利上げの実施(1回を0.25%とする)を想定しているが、本県は全国に比べて住宅投資や設備投資は減少しにくいと見込む。
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2024-07-08
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
マーケット情報 : HRIマーケット情報(2024年7月8日)
- 要約
- ・先週、米国の労働需給が多少緩和したことを示す統計が続き、米国の早期利下げ観測が急速に復活台頭しリスクオン相場に。日本株式市場では、日経平均株価が3か月半ぶりに、そしてTOPIXもようやく1989年12月の高値を34年半ぶりに更新。米株市場では、NYダウが戻りを試す展開となる中、S&P500とNasdaqは最高値更新。今週も米物価指標(CPI、PPI)などを確認しながら、このトレンドの持続性を確認していくことに。
・英国では、総選挙で与党が惨敗。最大野党だった労働党によるスターマー政権が誕生。また仏総選挙の決選投票では、極右政党は失速したものの左派が最大勢力との速報で、左派・中道・極右の三つ巴状況に。また東京都知事選は小池現都知事が再選。これで一連の選挙ネタを通過したことになるが、米大統領選ではバイデン氏が撤退するのではないかとの観測も浮上。米国の政治動向からは引き続き目を離せない状況に。
- ・先週、米国の労働需給が多少緩和したことを示す統計が続き、米国の早期利下げ観測が急速に復活台頭しリスクオン相場に。日本株式市場では、日経平均株価が3か月半ぶりに、そしてTOPIXもようやく1989年12月の高値を34年半ぶりに更新。米株市場では、NYダウが戻りを試す展開となる中、S&P500とNasdaqは最高値更新。今週も米物価指標(CPI、PPI)などを確認しながら、このトレンドの持続性を確認していくことに。
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2024-07-09
マクロ経済・金融市場調査
景気観測
景気観測 : 景気観測(米国)2024年7月 景気は減速へ、インフレの抑制基調が持続
- 要約
- ・6月の経済指標は、景気が減速していることを示した。ISM非製造業景況指数が景気の好不調の判断の基準となる50を下回り、失業率が上昇するなど雇用指標も弱含みとなった。
・5月の物価上昇率はインフレが抑制基調にあることを示した。7月2日にパウエル議長はインフレ抑制が進みつつある一方、利下げに着手するためには経済データによる確信が必要という見解を示した。物価上昇や雇用市場の減速を受け、金融市場では9月に利下げが実施されるとの見方が強まっている。
・5月の個人消費は前月の減少からリバウンドしたものの、力強さに欠ける回復となった。金融引き締め効果が浸透してきた影響もあって、コア耐久財受注や民間部門の非住宅建設支出は減少した。住宅市場に関しては、新規着工、販売ともに減少した。
- ・6月の経済指標は、景気が減速していることを示した。ISM非製造業景況指数が景気の好不調の判断の基準となる50を下回り、失業率が上昇するなど雇用指標も弱含みとなった。
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2024-07-09
マクロ経済・金融市場調査
景気観測
景気観測 : 景気観測(欧州)2024年7月 企業の景況感の改善の動きが一服、フランスは解散総選挙が景気の圧迫要因に
- 要約
- ・6月の総合PMIは景況感の判断基準となる50超を維持したものの、前月に比べ低下した。製造業は輸出受注、サービス業は需要の低迷により、年初来続いていたPMIの上昇が一服した。
・フランスでは6月9日、マクロン大統領が国民議会の解散を決定し、6月30日(第1回投票)と7月7日(決選投票)に総選挙が実施された。政治の先行き不透明感が6月のフランスの景況感や長期金利に影響を及ぼした。決選投票では初回投票で1位だった極右政党の国民連合は失速し、極右政権の誕生は回避される見通しとなった。
・6月の消費者物価上昇率は前年比+2.5%と、前月の同+2.6%から低下した。ただし、人手不足を背景にサービス物価が高止まりしている。7月18日の欧州中央銀行理事会では、追加利下げが見送られる可能性が高い。
・4月は鉱工業、建設業ともに生産活動が低迷した。
- ・6月の総合PMIは景況感の判断基準となる50超を維持したものの、前月に比べ低下した。製造業は輸出受注、サービス業は需要の低迷により、年初来続いていたPMIの上昇が一服した。
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2024-07-10
マクロ経済・金融市場調査
景気観測
景気観測 : 景気観測(日本)2024年7月 景気回復の動きは緩やか
- 要約
- ・日銀短観における企業の景況感は概ね横ばい。2024年度の事業計画は増収減益を維持。
・乗用車販売の回復で個人消費は上向く。ただし、実質賃金は依然として減少が続く。
・企業の設備投資は増加基調。一方、新たな認証不正問題などにより、生産や輸出は鈍い動き。
・円安・ドル高が進展。日銀の金融政策の正常化が早まるとの見方から長期金利は上昇。
- ・日銀短観における企業の景況感は概ね横ばい。2024年度の事業計画は増収減益を維持。
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2024-07-10
神奈川・地域経済調査
テーマレポート
テーマレポート : 県内の中堅・中小企業の景況感の悪化は軽微企業経営予測調査(2024年6月調査) 城浩明
- 要約
- ・神奈川県内の中堅・中小企業の2024年6月末時点における業況判断DIは▲12となり、前回2024年3月の調査から2ポイント低下した。ただし、3月末時点での6月末予想(▲15)に対しては3ポイントの上振れとなった。県内の中堅・中小企業の景況感は2023年12月末の▲5をピークに低下傾向となったが、2024年6月末の業況判断DIは事前の予想ほどには悪化せず、底堅く推移した。
・3か月先(2024年9月末)の予想(全産業ベース)は▲9と、6月末実績比で3ポイント上昇の見込み。ただし、製造業と非製造業で予想の方向感が分かれた。製造業では自動車関連の減産影響の一巡や価格転嫁の進捗で業況判断DIが上昇する。他方、非製造業は業況判断DIの低下が見込まれている。物価上昇に伴う需要減速の懸念があると考えられる。
- ・神奈川県内の中堅・中小企業の2024年6月末時点における業況判断DIは▲12となり、前回2024年3月の調査から2ポイント低下した。ただし、3月末時点での6月末予想(▲15)に対しては3ポイントの上振れとなった。県内の中堅・中小企業の景況感は2023年12月末の▲5をピークに低下傾向となったが、2024年6月末の業況判断DIは事前の予想ほどには悪化せず、底堅く推移した。
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2024-07-16
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
マーケット情報 : HRIマーケット情報(2024年7月16日)
- 要約
- ・先週、米国のCPI(6月)が予想以上に鈍化したことを受けて米金利が低下。足元では、9月にも米国が利下げを開始するのではないかとの見方がコンセンサスに。米国の利下げ観測が、内外の株式市場にとって好材料となり、米国ではNYダウ・S&P500・Nasdaqと主要な株式指数が最高値を更新。また日本でも日経平均株価・TOPIXともに最高値を更新した。今週もリスクオン相場の継続が予想される。
・ただし、日本株式は7月以降の急上昇で、高値警戒感が強まっていることや、日本当局が円買いドル売り介入を断続的に実施(観測)したことで、円高ドル安が進んでいることから、利益確定売りに押される展開が予想される。また、米大統領選におけるバイデン氏の撤退論に加え、トランプ候補暗殺未遂事件が政治的にどのような影響を及ぼすかを予想するのは難しく、米国の政治動向には注視が必要。
- ・先週、米国のCPI(6月)が予想以上に鈍化したことを受けて米金利が低下。足元では、9月にも米国が利下げを開始するのではないかとの見方がコンセンサスに。米国の利下げ観測が、内外の株式市場にとって好材料となり、米国ではNYダウ・S&P500・Nasdaqと主要な株式指数が最高値を更新。また日本でも日経平均株価・TOPIXともに最高値を更新した。今週もリスクオン相場の継続が予想される。
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2024-07-18
産業動向調査
産業マンスリー
産業マンスリー : 産業マンスリー 7月号
- 要約
- 2024年7月号の産業マンスリーにおいては、観光の天気マーク(業況判断)について、現状を上方修正し、6か月先を下方修正した。足元は、インバウンド需要の拡大を背景に観光需要はコロナ禍前の水準を回復。先行きについては円安の一巡からやや弱含みとの見方である。
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2024-07-22
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
マーケット情報 : HRIマーケット情報(2024年7月22日)
- 要約
- ・先週は日米両国の要人が円安・ドル高をけん制する発言を行ったことを受けて円買い・ドル売りが膨らみ、18日の東京市場では一時1ドル=155円38銭と、円が約1か月ぶりの高値をつける場面もあった。一方、株式市場では「米国が対中半導体規制でさらに厳しいルールを検討している」との報道(17日)を受けて日本でも値がさの半導体関連株に売りが膨らんだ。18日には円高が嫌気されて輸出関連株も軟調に推移し、日経平均株価は大幅に下落した。
・今週は25日の米GDP(4~6月)や26日の米PCE(6月)に注目。インフレの鈍化を示す内容となれば、FRBの早期利下げ観測が強まり、米長期金利の低下とドル安に繋がる可能性がある。なお、米民主党のバイデン大統領が再選出馬を断念する中、今後の米大統領選を巡る動きに引き続き要注意。
- ・先週は日米両国の要人が円安・ドル高をけん制する発言を行ったことを受けて円買い・ドル売りが膨らみ、18日の東京市場では一時1ドル=155円38銭と、円が約1か月ぶりの高値をつける場面もあった。一方、株式市場では「米国が対中半導体規制でさらに厳しいルールを検討している」との報道(17日)を受けて日本でも値がさの半導体関連株に売りが膨らんだ。18日には円高が嫌気されて輸出関連株も軟調に推移し、日経平均株価は大幅に下落した。
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2024-07-25
マクロ経済・金融市場調査
景気観測
景気観測 : 景気観測(中国)2024年7月 4〜6月期は実質成長率が低下
- 要約
- ・消費や投資といった内需の減速から、4〜6月期の実質GDP(国内総生産)成長率は低下。
・ただ、中国企業が集積回路などの高付加価値品の輸出に注力したことなどから、輸出は増勢が拡大。
・足元でも、住宅市況の悪化に歯止めがかかっておらず、また、鉱工業生産は2か月連続で減速。
・習体制は「三中全会」で内需拡大や住宅市場支援に取り組む方針を決定。中央銀行は利下げを実施。
- ・消費や投資といった内需の減速から、4〜6月期の実質GDP(国内総生産)成長率は低下。
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2024-07-26
神奈川・地域経済調査
研究員コラム
研究員コラム : 2024年の最低賃金をどう評価するか 遠藤裕基
- 要約
- ・わが国の最低賃金は2024年10月から1,054円となる見込み(改定額+50円、改定率+5%)。
・インフレ率やフルタイム労働者の賃金とのバランスから判断して、今回の改定は妥当である。
・8月には各都道府県で最低賃金改定の議論がなされる。フルタイム労働者の賃金とのバランスからみると、東京都と神奈川県は最低賃金の引き上げにもっと積極的になってもよいと考えられる。
- ・わが国の最低賃金は2024年10月から1,054円となる見込み(改定額+50円、改定率+5%)。
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2024-07-29
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
マーケット情報 : HRIマーケット情報(2024年7月29日)
- 要約
- ・米国発のハイテク株安に加え、急速かつ大幅な円高を受け、日本の株式市場は利益確定売りが旺盛に。日経平均株価は、11日の最高値(42,224円)から、わずか10営業日で▲4,557円(▲11.3%)と大幅に下落し、調整局面入りとの見方も。
・今週、日銀金融政策決定会合・米FOMCという日米の金融イベント(ともに30-31日)を無難に通過すると、株式市場は大幅下落に対する自律反発が期待される。また、米国ではアップル、アマゾン、インテルなど主要企業の決算発表が予定されており、内容を見極めたいところ。ハイテク株が全体的に底入れを見せてこないと、相場全体の明確な下げ止まりは期待できない。また上昇した場合にも、戻り売りが増えることも予想されることから、上値は重いだろう。
- ・米国発のハイテク株安に加え、急速かつ大幅な円高を受け、日本の株式市場は利益確定売りが旺盛に。日経平均株価は、11日の最高値(42,224円)から、わずか10営業日で▲4,557円(▲11.3%)と大幅に下落し、調整局面入りとの見方も。
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2024-08-01
神奈川・地域経済調査産業動向調査
研究員コラム
研究員コラム : 神奈川県での出産費用はいくら? 清水徹
- 要約
- ・浜銀総合研究所では、「出産なび」のデータを用いて神奈川県内の施設における出産費用の集計を行った。
・2023年度の出産費用総額の平均値は、出産施設全体で63万円、無痛分娩に対応していない施設では59万円だった。
- ・浜銀総合研究所では、「出産なび」のデータを用いて神奈川県内の施設における出産費用の集計を行った。
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2024-08-01
産業動向調査
研究員コラム
研究員コラム : ジェット燃料の価格高騰と不足が旅行の制約に? 白須光樹
- 要約
- ・ジェット燃料(航空機燃料)の価格高騰と国内空港での供給不足が起きている。
・価格高騰は航空運賃の上昇につながっている可能性がある。
・供給不足は外国エアラインの新規就航などへの影響が懸念されている。
・これらの問題が長期化すれば、日本の観光産業の良好な業況に水を差しかねない。
- ・ジェット燃料(航空機燃料)の価格高騰と国内空港での供給不足が起きている。
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2024-08-01
マクロ経済・金融市場調査
研究員コラム
研究員コラム : 日銀の利上げ打ち止めの目途は1%前後か 白須光樹
- 要約
- ・7月31日の日銀の追加利上げは、海外金利の動向や円安の日本経済への影響を踏まえれば、ごく自然な政策判断。
・名目中立金利(景気を加速も減速もさせない金利)を推計すると、1%前後との結果が得られる。
・従って、日銀の利上げの打ち止めの目途は、1%前後と予想する。
- ・7月31日の日銀の追加利上げは、海外金利の動向や円安の日本経済への影響を踏まえれば、ごく自然な政策判断。
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2024-08-05
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
マーケット情報 : HRIマーケット情報(2024年8月5日)
- 要約
- ・先週、日銀はサプライズで追加利上げを決定。一方、FRBはパウエル議長が9月利下げ開始の可能性を示唆し、日米の金融政策の方向性の違いが明確に。これにより為替市場では、一気に円高の展開となり2022年から続いてきた円安トレンドは調整局面に。さらに、米国の各種経済指標が予想以上に米景気の減速を示したことで、米経済のソフトランディングに黄色信号が点灯。内外株式市場は軟調な展開となり下値不安が、なかなか払拭できない状況。
・今週は、様々な市場が調整局面のさなかにあり、各々居所を探る展開となろう。そのうえでも、まずは日米共に長期国債の入札(日本:10年債/6日、30年債/8日、米国:10年債/7日、30年債/8日)に注目が集まる。
- ・先週、日銀はサプライズで追加利上げを決定。一方、FRBはパウエル議長が9月利下げ開始の可能性を示唆し、日米の金融政策の方向性の違いが明確に。これにより為替市場では、一気に円高の展開となり2022年から続いてきた円安トレンドは調整局面に。さらに、米国の各種経済指標が予想以上に米景気の減速を示したことで、米経済のソフトランディングに黄色信号が点灯。内外株式市場は軟調な展開となり下値不安が、なかなか払拭できない状況。
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2024-08-06
神奈川・地域経済調査
景気観測
景気観測 : 景気観測(神奈川)2024年8月 回復基調継続も、引き続き浮揚感に乏しい
- 要約
- ・財の輸出には弱さが残っているものの、下げ止まり感がみられる。インバウンド消費は引き続き拡大基調で推移。
・5月の生産指数は、生産用機械が下振れたものの、基調としては4月比でやや改善した。
・5月の実質賃金(家計の購買力)はなお低下。ただ、内訳を詳しくみると、今春の春闘における賃上げ効果が徐々に反映され始めている状況がうかがえる。
・個人消費は、財が横ばい、サービスも緩慢な伸びにとどまった模様で、全体的に大きな変化がみられなかった。
- ・財の輸出には弱さが残っているものの、下げ止まり感がみられる。インバウンド消費は引き続き拡大基調で推移。
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2024-08-08
マクロ経済・金融市場調査
景気観測
景気観測 : 景気観測(日本)2024年8月 緩やかに景気が回復する中で、日銀は政策金利を引き上げ
- 要約
- ・4〜6月期の個人消費は増加に転じる。6月の実質賃金は前年水準を上回る。
・新たな認証不正問題などにより、生産や輸出が伸び悩む。企業の設備投資意欲は旺盛。
・日銀が政策金利を引き上げ。日銀の見通しに沿った動きならば、利上げを続ける方針を示す。
・米国の早期利下げ観測の高まりなどで円高が進行。米景気の後退懸念などで株価は大幅低下。
- ・4〜6月期の個人消費は増加に転じる。6月の実質賃金は前年水準を上回る。
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2024-08-09
マクロ経済・金融市場調査
景気観測
景気観測 : 景気観測(米国)2024年8月 インフレの抑制基調が続く中、雇用が予想以上に悪化
- 要約
- ・4~6月期の実質GDP(国内総生産)は前期比年率+2.8%と1~3月期の同+1.4%から加速した。
・6月の経済指標は、生産活動やコア耐久財受注が上向いた一方、個人消費の増勢が弱含みとなった。
・6月の物価指標は、インフレの減速が持続していることを示した。7月末に開催された連邦公開市場委員会(FOMC)では事前の予想通り、政策金利が据え置かれた。その後公表された雇用統計の結果が予想外に悪かったことを受け、金融市場では9月の0.5%の利下げが確実視されている。
・7月のISM非製造業景況指数は改善し、景気の好不調の判断の基準となる50を上回った。この一方で、雇用統計では非農業部門雇用者数が事前予想を下回り、失業率が予想外に上昇した。雇用統計公表後の翌週には、景気の後退懸念などを背景に株価が大幅に下落した。
- ・4~6月期の実質GDP(国内総生産)は前期比年率+2.8%と1~3月期の同+1.4%から加速した。
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2024-08-09
マクロ経済・金融市場調査
景気観測
景気観測 : 景気観測(欧州)2024年8月 4〜6月期は前期比0.3%成長、足元の景気に足踏み感
- 要約
- ・2024年4~6月期のユーロ圏実質GDP(域内総生産)は前期比+0.3%となり、成長率は1~3月期と同じとなった。
・5月の鉱工業生産と建設活動は低迷し、輸出(原数値)も前年割れとなった。6月の小売売上高指数も低下しており、ユーロ圏経済は内外需ともに冴えない動きとなっている。
・6月に利下げが実施されたことを受け、企業向け貸出には底入れの兆候がみられる。
・7月の消費者物価上昇率は幾分加速した。ここにきて物価の安定化の動きがやや停滞していることを受け、7月18日にECB(欧州中央銀行)は、主要政策金利を据え置いた。
・7月のユーロ圏の総合PMI(購買担当者景気指数)は50.2と好不況の判断基準となる50の近くに低下した。ユーロ圏の景気は、足踏み感がみられ始めている。
- ・2024年4~6月期のユーロ圏実質GDP(域内総生産)は前期比+0.3%となり、成長率は1~3月期と同じとなった。
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2024-08-13
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
マーケット情報 : HRIマーケット情報(2024年8月13日)
- 要約
- ・先週、歴史的な乱高下を伴った日本株式市場を筆頭に、様々な市場が調整局面を迎えた。調整の背景とされる①日銀のタカ派転換懸念は、内田副総裁の発言を機に後退。また、②米景気の悪化懸念についても、新規失業保険申請件数の減少等を受けて小康状態に。懸念①②ともに、見極めるには、もう少し時間が必要と思われるが、市場は徐々に落ち着きを取り戻しつつある。
・今週、日本ではGDP(4-6月)(15日)、米国ではPPI(13日)、CPI(14日)、小売売上高(15日)など、重要な指標の発表が続く。いつ米経済のハードランディング論が再燃してもおかしくない。また、市場が落ち着けば日銀の利上げ観測も再燃する可能性がある。さらには、中東情勢も緊張状態が続いており予断を許さない状況。今週も、値動きが激しい展開が継続する可能性に注意。
- ・先週、歴史的な乱高下を伴った日本株式市場を筆頭に、様々な市場が調整局面を迎えた。調整の背景とされる①日銀のタカ派転換懸念は、内田副総裁の発言を機に後退。また、②米景気の悪化懸念についても、新規失業保険申請件数の減少等を受けて小康状態に。懸念①②ともに、見極めるには、もう少し時間が必要と思われるが、市場は徐々に落ち着きを取り戻しつつある。
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2024-08-19
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
マーケット情報 : HRIマーケット情報(2024年8月19日)
- 要約
- ・先週は、7月の米小売売上高が市場予想を上回ったことなどを受けて過度な米景気懸念が後退し、米国株が戻りを試す展開となった。また外為市場では、7月の米小売売上高を受けてFRBが大幅な利下げに動くとの観測が後退したため、円売り・ドル買いが膨らんだ。米国株の上昇に加えて円安・ドル高が追い風となり、週末16日には日経平均株価が3万8千円台を回復した。
・今週の注目はジャクソンホール会議(22日~24日)におけるパウエルFRB議長の発言。足元のインフレ鈍化を受けてパウエル議長が先行きの利下げに前向きな発言をする可能性が大きいとみられる。ただ市場の一部には、依然として9月のFOMCで0.5%の大幅利下げを見込む向きもあり、パウエル議長が大幅な利下げを示唆しない場合には、むしろ米長期金利上昇とドル買い圧力が高まる可能性に注意したい。
- ・先週は、7月の米小売売上高が市場予想を上回ったことなどを受けて過度な米景気懸念が後退し、米国株が戻りを試す展開となった。また外為市場では、7月の米小売売上高を受けてFRBが大幅な利下げに動くとの観測が後退したため、円売り・ドル買いが膨らんだ。米国株の上昇に加えて円安・ドル高が追い風となり、週末16日には日経平均株価が3万8千円台を回復した。
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2024-08-19
産業動向調査
産業マンスリー
産業マンスリー : 産業マンスリー 8月号
- 要約
- 2024年8月の産業マンスリーの天気マーク(業況判断)について、テクノロジーの6か月先を「曇り」から「薄曇り」に上方修正し、鉄道の6か月先を「薄曇り」から「曇り」に下方修正する。
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2024-08-19
マクロ経済・金融市場調査
研究員コラム
研究員コラム : 日銀の7月利上げの妥当性を示した4〜6月期GDP統計 北田英治
- 要約
- ・内閣府が8月15日に発表した2024年4~6月期の実質GDPは前期比+0.8%と、2四半期ぶりのプラス成長となった。4~6月期のプラス成長は前期の特殊要因(一部自動車メーカーの認証不正問題の影響)の反動という側面が強く特に驚きはないものの、4~6月期の実質雇用者報酬が11四半期ぶりに前年水準を上回った点は注目される。
・実質ベースの個人消費を形態別にみると、4~6月期は自動車を含む耐久財消費が大幅に増加したほか、半耐久財消費や非耐久財消費、サービス消費が概ね底堅く推移している。この背景には、実質ベースの家計所得の改善があると考えられる。
・4~6月期のGDP統計は個人消費の底堅さや家計所得の大幅な改善を示しており、日銀が7月末の会合で追加利上げに踏み切ったことの妥当性を示すものであると言えよう。
・日銀は「見通しが実現していくとすれば、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整する」方針を示しており、3か月に1度の「展望レポート」を軸に政策変更を検討することが基本線であると考えられる。金融市場の安定が大前提であるものの、24年11月15日に公表される7~9月期のGDP統計で個人消費の底堅さや、実質ベースの雇用者報酬の増加継続が確認できれば、日銀の追加利上げが視野に入ってこよう。「展望レポート」の発表と合わせて政策変更を行うのであれば、日銀が25年1月の決定会合で追加利上げを決めるというのが、現時点で想定される最も早いタイミングでの政策変更ではないだろうか。
- ・内閣府が8月15日に発表した2024年4~6月期の実質GDPは前期比+0.8%と、2四半期ぶりのプラス成長となった。4~6月期のプラス成長は前期の特殊要因(一部自動車メーカーの認証不正問題の影響)の反動という側面が強く特に驚きはないものの、4~6月期の実質雇用者報酬が11四半期ぶりに前年水準を上回った点は注目される。
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2024-08-22
マクロ経済・金融市場調査
テーマレポート
テーマレポート : 2024・25年度の景気予測(2024年8月改訂) マクロ経済調査チーム
- 要約
- ・2024年度の日本経済は、賃上げの広がりなどにより個人消費が増加することなどから7~9月期も堅調に推移するだろう。年度後半についても緩やかな回復が続くと見込んだ。実質賃金が前年水準を上回って推移し、個人消費は緩やかに増加するだろう。企業収益が高水準で推移する下、設備投資も増加基調で推移しよう。輸出は海外景気の回復の鈍さを背景に小幅な増加にとどまると見込んだ。
・25年度は成長率が徐々に高まると予測した。25年の春闘でも、高めの賃上げが実現すると見込んだ。物価上昇率の緩やかな低下と相まって実質賃金の増加が続くことから、個人消費は緩やかな増加基調を維持しよう。利下げの効果で米景気が緩やかに持ち直し、輸出の増勢が次第に強まるだろう。輸出の増加を受けて企業業績が改善することから設備投資の伸びも高まると見込んだ。
- ・2024年度の日本経済は、賃上げの広がりなどにより個人消費が増加することなどから7~9月期も堅調に推移するだろう。年度後半についても緩やかな回復が続くと見込んだ。実質賃金が前年水準を上回って推移し、個人消費は緩やかに増加するだろう。企業収益が高水準で推移する下、設備投資も増加基調で推移しよう。輸出は海外景気の回復の鈍さを背景に小幅な増加にとどまると見込んだ。
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2024-08-26
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
マーケット情報 : HRIマーケット情報(2024年8月26日)
- 要約
- ・先週末、日米中銀トップの発言イベントがあった。日本では植田日銀総裁が国会閉会中審査において、金融引き締めに前向きな「タカ派」色を出さず、バランスのとれた発言に徹したため、新たな材料にならなかった。一方で、米国ではパウエルFRB議長が、ジャクソンホール会議で講演し、近く金融緩和に転じる姿勢を示したことを受け、海外市場では米金利低下そして円高ドル安の展開に。
・今週は、先週と比べると注目される材料に欠くが、日本では雇用関連統計や東京都区部CPIの発表(30日)が、また米国ではPCEデフレータの発表(30日)が予定されている。結果次第では、改めて日銀の追加利上げ観測や、米景気のハードランディング観測が再燃する可能性も。また、株式市場では、29日に予定されている米半導体大手エヌビディアの決算発表に注目が集まる。
- ・先週末、日米中銀トップの発言イベントがあった。日本では植田日銀総裁が国会閉会中審査において、金融引き締めに前向きな「タカ派」色を出さず、バランスのとれた発言に徹したため、新たな材料にならなかった。一方で、米国ではパウエルFRB議長が、ジャクソンホール会議で講演し、近く金融緩和に転じる姿勢を示したことを受け、海外市場では米金利低下そして円高ドル安の展開に。
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2024-08-26
マクロ経済・金融市場調査
景気観測
景気観測 : 景気観測(中国)2024年8月 景気回復の足取りは依然鈍い
- 要約
- ・固定資産投資は増勢が弱まり、個人消費も緩慢な回復にとどまる。
・住宅投資が大幅に減少するなど、住宅市場は市況の悪化に歯止めがかからない状況が続く。
・輸出が底堅く推移するものの、内需の弱含みから生産は3か月連続で減速。
・習体制は内需拡大などを図るため、「都市化5か年行動計画」を公表。
- ・固定資産投資は増勢が弱まり、個人消費も緩慢な回復にとどまる。
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2024-08-30
神奈川・地域経済調査
研究員コラム
研究員コラム : 10年で10倍近く伸びたアイスクリームの輸出額 遠藤裕基
- 要約
- ・2022年のアイスクリームの出荷額は4,159億円で10年前の2012年と比べて34%の増加(金額では1,054億円の増加)となった。
・2022年の出荷額を都道府県別にみると、最も金額が大きいのが埼玉県の942.6億円、次いで群馬県(597.3億円)、静岡県(311.2億円)、滋賀県(234.7億円)、福岡県(222.2億円)の順番となっている。
・2023年のアイスクリームの輸出は数量ベースで1万138トン、金額ベースで79.7億円となった。10年前の2013年と比べると、数量では6.3倍、金額では9.3倍となっている。
- ・2022年のアイスクリームの出荷額は4,159億円で10年前の2012年と比べて34%の増加(金額では1,054億円の増加)となった。
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2024-09-02
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
マーケット情報 : HRIマーケット情報(2024年9月2日)
- 要約
- ・市場では、FRBの9月利下げ開始が確実視され、もはやその利下げ幅が論点に。そんな中、先週米国で発表されたGDP改定値やPCEデフレータが、消費の堅調さやインフレの落ち着きを示したことから、米経済のソフトランディング期待が膨らみ、FRBの大幅な利下げ観測はやや後退。NYダウは、連日最高値を更新し、米金利は断続的に上昇。為替は、日米金利差拡大を反映してドル高に。一方で、国内金利は日銀が利上げを継続するスタンスを明確にしているものの、比較的落ち着いた展開となっている。
・今週、国内では新発長期国債の入札(3日:10年、5日:30年)結果に、また米国では米雇用統計(6日)など雇用関連指標に注目が集まる。
- ・市場では、FRBの9月利下げ開始が確実視され、もはやその利下げ幅が論点に。そんな中、先週米国で発表されたGDP改定値やPCEデフレータが、消費の堅調さやインフレの落ち着きを示したことから、米経済のソフトランディング期待が膨らみ、FRBの大幅な利下げ観測はやや後退。NYダウは、連日最高値を更新し、米金利は断続的に上昇。為替は、日米金利差拡大を反映してドル高に。一方で、国内金利は日銀が利上げを継続するスタンスを明確にしているものの、比較的落ち着いた展開となっている。
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2024-09-03
マクロ経済・金融市場調査
テーマレポート
テーマレポート : 2024年・2025年の中国経済の見通し 白鳳翔
- 要約
- ・2024年4~6月期の中国の実質GDPは前年比+4.7%と、前期に比べて成長率が低下した。個人消費は住宅価格の下落に伴う逆資産効果などから減速し、固定資産投資も住宅投資の大幅減などから増勢が弱まった。
・中国では2024年の春以降、政府が工業分野における生産設備の更新などを積極的に推進し、また過剰な住宅在庫の買い取り支援などによる住宅市場の支援策を強化している。ただ、銀行による融資審査の慎重化や地方政府の財政難といった問題などから、政府の対策の効果が表れるまでには時間がかかると考えられる。
・先行きの中国経済を展望すると、2024年後半は、住宅市場の低迷を背景に、実質GDP成長率が緩やかに低下するだろう。続く2025年については、住宅市場支援策の効果などから景気が緩やかに持ち直す見込みである。2024年の中国の実質GDP成長率を+4.8%、2025年を+4.6%と予測した。
- ・2024年4~6月期の中国の実質GDPは前年比+4.7%と、前期に比べて成長率が低下した。個人消費は住宅価格の下落に伴う逆資産効果などから減速し、固定資産投資も住宅投資の大幅減などから増勢が弱まった。
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2024-09-04
神奈川・地域経済調査
景気観測
景気観測 : 景気観測(神奈川)2024年9月 海外需要に明るさがみられる一方、県内需要は横ばいが続く
- 要約
- ・財の輸出に下げ止まりの兆しがみられる。インバウンド消費は拡大基調継続。
・6月の製造業の生産活動は方向感を欠いた動きとなった。
・6月の実質賃金(家計の購買力)は前年割れ。しかし、今春の賃上げの効果で名目の所定内給与は高めの伸び率で推移。
・個人消費は全体として横ばい圏内で推移。物価高の継続で方向感の出にくい展開に。
- ・財の輸出に下げ止まりの兆しがみられる。インバウンド消費は拡大基調継続。
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2024-09-09
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
マーケット情報 : HRIマーケット情報(2024年9月9日)
- 要約
- ・先週、市場では米経済の減速や米労働市場の軟化を背景に、米金利が大幅に低下、それを受けた急速な円高ドル安、そして株式市場が世界的に下落し、リスクオフモードの展開に。日経平均は、6日の海外市場で先物が暴落。それを受け、今週の日経平均は、35千円の攻防でのスタートが見込まれる。足元の円高が株式市場の足枷となり、また13日がメジャーSQ(先物オプション特別清算指数算出)ということで、足元の不安定な値動きを背景にヘッジ対応の動きが活発になる等、大幅下落となる可能性に注意が必要。
・来週に日米中央銀行の会合を控える中、様々な市場が徐々に会合待ちモードへ移行すると思われるが、今週はボラティリティの高い状況が続く可能性に注意が必要だろう。
- ・先週、市場では米経済の減速や米労働市場の軟化を背景に、米金利が大幅に低下、それを受けた急速な円高ドル安、そして株式市場が世界的に下落し、リスクオフモードの展開に。日経平均は、6日の海外市場で先物が暴落。それを受け、今週の日経平均は、35千円の攻防でのスタートが見込まれる。足元の円高が株式市場の足枷となり、また13日がメジャーSQ(先物オプション特別清算指数算出)ということで、足元の不安定な値動きを背景にヘッジ対応の動きが活発になる等、大幅下落となる可能性に注意が必要。
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2024-09-10
マクロ経済・金融市場調査
テーマレポート
テーマレポート : 2024・25年度の景気予測(2024年4〜6月期2次QE後改訂) 小泉司
- 要約
- ・2024年4〜6月期の実質GDP(国内総生産)の2次速報値(2次QE)は前期比+0.7%と、1次QEから小幅に下方改定された。
・今回の2次QEを受けて、2024年度の実質GDP成長率を前年比+0.4%と前回予測(同+0.5%)から小幅に下方改訂し、25年度を同+1.0%に据え置いた。もっとも、24年度の見通しを下方修正したのは、2次QEにおいて4〜6月期の実質GDP成長率が下方改定されたことが主因であり、先行きの予測のシナリオに大きな変更はない。
- ・2024年4〜6月期の実質GDP(国内総生産)の2次速報値(2次QE)は前期比+0.7%と、1次QEから小幅に下方改定された。
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2024-09-11
マクロ経済・金融市場調査
景気観測
景気観測 : 景気観測(米国)2024年9月 一部に弱い動きがみられる中、個人消費支出物価指数の前年比伸び率は横ばい
- 要約
- ・8月のISM非製造業景況指数はほぼ横ばいとなり、米国経済は緩やかに回復している。8月の非農業部門雇用者数が事前予想を下回った一方、賃金の伸びが加速しており、強弱が混じる結果となった。雇用は減速基調にあるものの、急激な悪化は回避されていると考えられる。
・7月は、個人消費が底堅く推移した一方、設備投資は鈍化した。鉱工業生産や住宅着工は低迷した。
・7月の個人消費物価指数は、前年比伸び率が前月から変わらずとなった。8月にパウエルFRB議長は、9月17~18日に開催される連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げを実施することを示唆した。米国経済は一部に弱い動きがみられるものの、現状では景気の失速懸念やディスインフレの加速を裏付ける材料は見当たらない。9月の利下げ幅は0.25%となり、0.5%の大幅な利下げは見送られる可能性が高いと考えられる。
- ・8月のISM非製造業景況指数はほぼ横ばいとなり、米国経済は緩やかに回復している。8月の非農業部門雇用者数が事前予想を下回った一方、賃金の伸びが加速しており、強弱が混じる結果となった。雇用は減速基調にあるものの、急激な悪化は回避されていると考えられる。
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2024-09-11
マクロ経済・金融市場調査
景気観測
景気観測 : 景気観測(欧州)2024年9月 インフレが減速、9月の利下げが確実な状況
- 要約
- ・8月のユーロ圏の総合PMI(購買担当者景気指数)は、五輪開催の効果もあってフランスの景況感が大きく改善したことなどから上昇した。
・8月の消費者物価上昇率は前年比+2.2%と、7月の同+2.6%から大幅に低下した。4~6月期の妥結賃金の伸びも鈍化している。これらは物価安定が進捗していることを裏付ける材料であり、金融市場は、ECB(欧州中央銀行)が9月12日の政策理事会で利下げすることを確実視している。
・7月の小売売上高指数はほぼ横ばいとなった一方、8月の消費者信頼感指数は悪化しており、個人消費は低迷が続いている。6月の建設活動は持ち直しに転じたものの、鉱工業生産は不振が続いている。
・6月の利下げ後、銀行貸出は持ち直し始めている。9月に実施が予想される追加利下げにより、設備投資や耐久財消費などが後押しされることが期待される。
- ・8月のユーロ圏の総合PMI(購買担当者景気指数)は、五輪開催の効果もあってフランスの景況感が大きく改善したことなどから上昇した。
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2024-09-13
マクロ経済・金融市場調査
景気観測
景気観測 : 景気観測(日本)2024年9月 個人消費の増加などにより、景気は緩やかに回復
- 要約
- ・個人消費は耐久財消費の増加などにより緩やかに回復。賃金は2か月連続で高い伸び。
・4〜6月期の経常利益は過去最高益を更新も、設備投資の先行指標には伸び悩む動きがみられる。
・7月の輸出は2か月連続で増加。ただし、米中向け輸出には弱い動きがみられる。
・日米の金融政策の方向性の違いなどから円高・ドル安が進展。足元で株価が軟調な展開に。
- ・個人消費は耐久財消費の増加などにより緩やかに回復。賃金は2か月連続で高い伸び。
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2024-09-17
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
マーケット情報 : HRIマーケット情報(2024年9月17日)
- 要約
- ・先週、注目された8月の米CPI(11日)が市場予想を上回り、FRBの大幅利下観測は一旦後退したものの、13日には米紙ウォール・ストリート・ジャーナルの報道などを受けてFRBが大幅利下げに動くとの観測が再燃。これを受けて米長期金利は低下し、米国株は上昇。為替レートは円高・ドル安となった。
・今週は日米で金融政策を決める重要な会合が開催される。FOMC(17日~18日)での注目は利下げ幅と政策金利見通し。利下げ幅については0.25%という見方と0.5%という見方が交錯しているが、市場は既に年内の利下げ幅を0.25%×5回程度織り込んでおり、市場予想ほどハト派な結果にはなりにくいと見込む。一方、日本では植田日銀総裁の記者会見(20日)に注目が集まる。総裁が追加利上げに意欲的な姿勢を示せば日本株には逆風か。
- ・先週、注目された8月の米CPI(11日)が市場予想を上回り、FRBの大幅利下観測は一旦後退したものの、13日には米紙ウォール・ストリート・ジャーナルの報道などを受けてFRBが大幅利下げに動くとの観測が再燃。これを受けて米長期金利は低下し、米国株は上昇。為替レートは円高・ドル安となった。
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2024-09-17
産業動向調査
産業マンスリー
産業マンスリー : 産業マンスリー 9月号
- 要約
- 天気マーク(業況判断)について、医療・介護(調剤薬局)の現状及び6か月先の判断を「曇り」から「雨」に下方修正する。
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2024-09-24
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
マーケット情報 : HRIマーケット情報(2024年9月24日)
- 要約
- ・先週、FRBが政策金利の0.50%引き下げを決定し、約4年半ぶりに利下げ路線への転換を果たした。FOMC後のパウエルFRB議長の会見で、今後の緩和を急がないことが示唆されたことや、米小売売上高等の経済指標が市場予想を上回り、米経済の底堅さが再認識されたことで、米経済がソフトランディングに向かうとの期待が広がった。一方、日銀は予想通り金融政策の現状維持を決定したが、公表文では個人消費についての判断を上方修正し、利上げ路線にいることを市場はあらためて確認。市場は、米金利上昇&円安ドル高そして内外株高といった展開に。
・現状、FOMCの見通しでは年内に追加0.50%程度の利下げが見込まれている。ただし、市場ではより大幅な利下げへの期待も燻っている。今後は、FRB高官の発言に加え、各種経済指標等を確認しながら、日米金融政策のスピード感を探る展開が続く。
- ・先週、FRBが政策金利の0.50%引き下げを決定し、約4年半ぶりに利下げ路線への転換を果たした。FOMC後のパウエルFRB議長の会見で、今後の緩和を急がないことが示唆されたことや、米小売売上高等の経済指標が市場予想を上回り、米経済の底堅さが再認識されたことで、米経済がソフトランディングに向かうとの期待が広がった。一方、日銀は予想通り金融政策の現状維持を決定したが、公表文では個人消費についての判断を上方修正し、利上げ路線にいることを市場はあらためて確認。市場は、米金利上昇&円安ドル高そして内外株高といった展開に。
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2024-09-24
マクロ経済・金融市場調査
研究員コラム
研究員コラム : 日銀の次の利上げは早くて来年1月か 北田英治
- 要約
- ・日銀は9月20日の金融政策決定会合で、0.25%の政策金利を据え置くことを決めた。植田総裁は会合後の記者会見で、これまで示してきた利上げ方針は維持したものの、政策判断にあたっては「時間的余裕」があると述べ、追加利上げを急がない姿勢を示した。
・今回の植田総裁の会見で注目すべきは、今後の追加利上げを判断する上で重要な点として、①賃金上昇の継続や、②賃上げのサービス価格への転嫁継続、③来年の春季労使交渉に向けての動き、などを挙げた点である。特に次回の利上げ時期との関連では、「来年の春季労使交渉に向けての動き」が重要なカギを握ると考えられる。
・筆者は8月19日付の研究員コラムにおいて、日銀の次回利上げの時期は早くて来年1月の会合との予想を示した。今回の植田総裁の記者会見を受けて、来年1月の追加利上げの可能性が高まったとみている。すなわち、「来年の春季労使交渉に向けての動き」が少し見えてくるのは、おそらく年末から年明けにかけてではないだろうか。金融市場が安定していることが大前提とはなるが、日銀が来年1月24日の決定会合で追加利上げを決めるというのが、現時点で想定される最も早いタイミングでの政策変更だと予想する。
- ・日銀は9月20日の金融政策決定会合で、0.25%の政策金利を据え置くことを決めた。植田総裁は会合後の記者会見で、これまで示してきた利上げ方針は維持したものの、政策判断にあたっては「時間的余裕」があると述べ、追加利上げを急がない姿勢を示した。
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2024-09-26
産業動向調査
研究員コラム
研究員コラム : 旅行需要復活の水面下で起こる宿泊から日帰りへのシフト 白須光樹
- 要約
- ・延べ宿泊者数は、日本人、外国人ともにコロナ禍前のトレンドラインに復帰。国内の宿泊旅行需要はコロナ禍から完全回復。
・一方、先行きの国内の宿泊旅行需要は楽観視できない。特に、旅費の高騰で日本人の宿泊旅行ニーズが低下していることは気がかり。
・今後、近距離旅行のニーズが高まる可能性も。
- ・延べ宿泊者数は、日本人、外国人ともにコロナ禍前のトレンドラインに復帰。国内の宿泊旅行需要はコロナ禍から完全回復。
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2024-09-26
マクロ経済・金融市場調査
景気観測
景気観測 : 景気観測(中国)2024年9月 国内需要は回復の動きが依然鈍い
- 要約
- ・個人消費は減速し、固定資産投資も緩慢な回復にとどまる。
・住宅市場では、住宅価格の下落幅が一段と拡大するなど、市況の悪化が継続。
・輸出が堅調に増加するものの、国内需要の弱含みなどを背景に生産は減速基調で推移。
・人民銀総裁は預金準備率の引き下げなどの金融緩和策を表明。
- ・個人消費は減速し、固定資産投資も緩慢な回復にとどまる。
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2024-09-30
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
マーケット情報 : HRIマーケット情報(2024年9月30日)
- 要約
- ・先週末の自民党総裁選は、予想以上に市場に混乱をもたらした。追加利上げに否定的な高市氏が優勢と見られてから、「高市トレード」が先行し、 「円安、株高、金利低下」の流れが強まっていたが、逆転で石破氏が自民党新総裁に選出されたことで、「高市トレード」の逆回転が進むことに。(東京27日夕刻には、為替市場では1ドル=143円割れまで円高が進み、株式市場では日経平均先物が2,400円超の下落となった。)
・今週は、週末4日に米国で雇用統計の発表を控えているため、動きづらい状況が予想されるが、各種市場で「高市トレード」の逆回転後の居所を探る展開となろう。また、石破政権の政策内容や予想される来月の衆議院解散と総選挙の結果を見極めたいとするムードが強まる可能性もあり、投票まで約1か月となった米大統領選に加えて、日本の政治情勢も確認しながら相場に向かうことが必要だろう。
- ・先週末の自民党総裁選は、予想以上に市場に混乱をもたらした。追加利上げに否定的な高市氏が優勢と見られてから、「高市トレード」が先行し、 「円安、株高、金利低下」の流れが強まっていたが、逆転で石破氏が自民党新総裁に選出されたことで、「高市トレード」の逆回転が進むことに。(東京27日夕刻には、為替市場では1ドル=143円割れまで円高が進み、株式市場では日経平均先物が2,400円超の下落となった。)
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2024-10-03
神奈川・地域経済調査
研究員コラム
研究員コラム : 生活実感の改善は乏しいが、県内の賃金上昇は確かである 白須光樹
- 要約
- ・県内事業所の基本給(所定内給与)は、前年比プラス基調が定着。7月には県内でも実質賃金がプラスに。
・ただ、物価高で生活実感の改善は乏しい。
・県内企業の生産性向上による賃上げの持続化、円安修正による物価上昇ペースの減速が実現しない限り、生活実感の大幅改善は期待薄。
- ・県内事業所の基本給(所定内給与)は、前年比プラス基調が定着。7月には県内でも実質賃金がプラスに。
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2024-10-04
神奈川・地域経済調査
景気観測
景気観測 : 景気観測(神奈川)2024年10月 県内景気は企業部門を中心に緩やかな回復
- 要約
- ・輸出は、インバウンド消費の活況が続く中、財の輸出にも底打ち感。
・業績計画の上方修正を受けて、県内企業の設備投資計画は堅調な結果。研究開発投資も積極化。
・7月の実質賃金(家計の購買力)は、2023年11月以来の前年比プラスに。名目の所定内給与が上昇基調を維持した。
・個人消費については、財消費の伸びが高まった。ただ、猛暑や台風がプラスマイナス双方に作用しており、全体としては方向感が出にくい状況であった。
- ・輸出は、インバウンド消費の活況が続く中、財の輸出にも底打ち感。
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2024-10-07
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
マーケット情報 : HRIマーケット情報(2024年10月7日)
- 要約
- ・先週、米国では発表された経済指標の多くが米経済の底堅さを示したことや、パウエルFRB議長が、「利下げを急いでいるわけではない」との考えを示したことを受けて、11月のFOMCでの大幅利下げ観測が後退。他方日本では、タカ派とみられていた石破総理が早期の追加利上げに否定的な見解を示したことから、日銀の早期追加利上げ観測が後退。結果として「米金利上昇、ドル高円安」が加速した。
・今週は、米国の物価関連指標(10日:CPI、11日:PPI)の結果を見ながら、先週の流れが持続するかどうか確認することに。ただし、緊迫化が進んでいる中東情勢による影響から、リスクオフの展開となる可能性には注意が必要。
- ・先週、米国では発表された経済指標の多くが米経済の底堅さを示したことや、パウエルFRB議長が、「利下げを急いでいるわけではない」との考えを示したことを受けて、11月のFOMCでの大幅利下げ観測が後退。他方日本では、タカ派とみられていた石破総理が早期の追加利上げに否定的な見解を示したことから、日銀の早期追加利上げ観測が後退。結果として「米金利上昇、ドル高円安」が加速した。
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2024-10-07
神奈川・地域経済調査
テーマレポート
テーマレポート : 価格転嫁が進捗、24年度県内企業業績は増益に 白須光樹
- 要約
- ・2024年10月1日発表の「短観(神奈川県分、2024年9月調査)」によると、神奈川県内企業の2024年度の経常利益計画は、減益見通しから増益見通しに上方修正された。
・製造業では、特に上期の業績が大きく上方修正されている。「短観(神奈川県分)」の結果を用いた分析では、県内製造業で業績の改善が進んだ背景には、①仕入コストの上昇圧力が一時期に比べ緩和していること、②仕入コスト上昇分の価格転嫁が進捗していること、の2点があると考えられる。
・非製造業は製造業に比べて価格転嫁が遅れており、先行きの業績改善ペースは緩やかなものにとどまると予想される。
- ・2024年10月1日発表の「短観(神奈川県分、2024年9月調査)」によると、神奈川県内企業の2024年度の経常利益計画は、減益見通しから増益見通しに上方修正された。
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2024-10-07
マクロ経済・金融市場調査
景気観測
景気観測 : 景気観測(米国)2024年10月 FRBは9月のFOMCで0.5%の大幅利下げを決定。
ただ市場では、次回11月FOMCで の利下げ幅は0.25%との見方が優勢。
- 要約
- ・9月のISM景況指数は製造業で前月から横ばいとなる一方、非製造業では大幅に上昇し、サービス業と製造業との業況の乖離が鮮明となった。
・9月の非農業部門雇用者数は前月比25.4万人の増加と、8月の増加数を大幅に上回り、過去6か月で最大の伸びとなった。また、9月の失業率は8月に比べ低下(改善)した。
・8月の実質個人消費は前月から伸びが鈍化したものの、4か月連続で増加し、個人消費の底堅さを示した。
・FRBは9月のFOMCで0.5%の大幅利下げを決定した。パウエル議長は会見で、今後の利下げのペースについて「会議ごとに判断していく」と述べた。9月の米雇用統計などを受けて、金融市場では11月のFOMCでの利下げ幅は0.25%にとどまるとの見方が強まっている。
- ・9月のISM景況指数は製造業で前月から横ばいとなる一方、非製造業では大幅に上昇し、サービス業と製造業との業況の乖離が鮮明となった。
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2024-10-08
マクロ経済・金融市場調査
景気観測
景気観測 : 景気観測(欧州)2024年10月 インフレ圧力が弱まる中、ECBは9月の理事会で0.25%の追加利下げを決定
- 要約
- ・9月のユーロ圏の総合PMI(購買担当者景気指数)は49.6と、パリ五輪による特需の反動もあり、前月(51.0)から低下。好不況の目安である50を7か月ぶりに下回った。
・9月の消費者物価上昇率は前年比+1.8%と8月の同+2.2%から低下し、3年3か月ぶりに2%を下回った。
・7月のユーロ圏鉱工業生産指数は前月比-0.3%と6月に続いて弱い動きとなった。一方、8月の小売売上高指数は3か月ぶりに上昇。また9月の消費者信頼感指数は2か月ぶりに改善した。
・欧州中央銀行(ECB)は9月12日の政策理事会で0.25%の追加利下げを決定した。インフレ圧力が弱まる中で、金利先物市場では次回10月の理事会での0.25%の利下げをほぼ織り込んでいる。
- ・9月のユーロ圏の総合PMI(購買担当者景気指数)は49.6と、パリ五輪による特需の反動もあり、前月(51.0)から低下。好不況の目安である50を7か月ぶりに下回った。
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2024-10-11
マクロ経済・金融市場調査
研究員コラム
研究員コラム : 24年9月米雇用統計は日銀の追加利上げにも影響する可能性 白須光樹
- 要約
- ・2024年9月の米雇用統計は米景気の堅調さを確認する内容に。
・この結果、米国の利下げ見通しは変化し、為替レートの円安修正もいったん止まった。
・9月の米雇用統計の結果は、日本銀行の利上げ判断を後押しする材料の1つになったと考えられる。
- ・2024年9月の米雇用統計は米景気の堅調さを確認する内容に。
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2024-10-15
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
マーケット情報 : HRIマーケット情報(2024年10月15日)
- 要約
- ・米国では先々週の雇用統計に続き、先週発表のCPIも市場予想を上回り、また一部のFRB高官が11月FOMCでの利下げ見送りの可能性を示唆する等、利下げペースの減速が強く意識される状況となった。米金利は大幅上昇し、それを受けて為替は1ドル=149円台後半までドル高に。一方で、米経済のソフトランディング期待が高まった結果、米株式は買い優勢となり主要指数(NYダウ、SP500)が最高値を更新。
・日本株も、堅調な米国株や円安ドル高を背景に、戻りを試す展開となり、日経平均は7月以来の4万円をうかがう展開に。先週、海外投資家が7週間ぶりに買い越し(東証プライム市場)に回帰。今週も日本株は良好な需給環境に支えられ、上値を試す展開が予想される。蘭ASML(16日)や台湾TSMC(17日)等のハイテク企業の決算発表もあり、その結果次第では、大型テック株へ物色が波及する可能性に期待したい。
- ・米国では先々週の雇用統計に続き、先週発表のCPIも市場予想を上回り、また一部のFRB高官が11月FOMCでの利下げ見送りの可能性を示唆する等、利下げペースの減速が強く意識される状況となった。米金利は大幅上昇し、それを受けて為替は1ドル=149円台後半までドル高に。一方で、米経済のソフトランディング期待が高まった結果、米株式は買い優勢となり主要指数(NYダウ、SP500)が最高値を更新。
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2024-10-15
マクロ経済・金融市場調査
景気観測
景気観測 : 景気観測(日本)2024年10月 夏場の個人消費が弱含むも、企業の景況感は小幅に改善
- 要約
- ・日銀短観における企業の景況感は小幅に改善。2024年度の事業計画は増収減益を維持。
・台風の影響などで夏場の消費は弱含む。賞与の押し上げ効果が弱まり、実質賃金は再び減少。
・短観の設備投資計画は大幅な増加を見込むものの、前回調査から小幅に下方修正。
・米FRBが慎重に利下げを進めるとの見方などから、円安・ドル高が進展。日経平均株価は上昇。
- ・日銀短観における企業の景況感は小幅に改善。2024年度の事業計画は増収減益を維持。
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2024-10-17
産業動向調査
産業マンスリー
産業マンスリー : 産業マンスリー 10月号
- 要約
- 天気マーク(業況判断)について、不動産(オフィス)の6か月先の判断を「雨」から「曇り」に、小売(紳士服)の現状の判断を「雨」から「曇り」にそれぞれ上方修正する。
- 天気マーク(業況判断)について、不動産(オフィス)の6か月先の判断を「雨」から「曇り」に、小売(紳士服)の現状の判断を「雨」から「曇り」にそれぞれ上方修正する。
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2024-10-21
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
マーケット情報 : HRIマーケット情報(2024年10月21日)
- 要約
- ・先週の日経平均株価は、オランダの半導体製造装置ASMLホールディングが15日に発表した決算が需要の弱さを示す低調な内容となったことが嫌気されて、東京市場でも半導体関連株に売りが膨らみ、週間ベースで下落した。一方、NYダウは、半導体関連株が売られる場面はあったものの、9月の米小売売上高が市場予想以上に増加したことなどが好感され、週間ベースで上昇した。ドル円は予想を上回る9月の米小売売上高などを受けて円安ドル高となった。
・今週の日本株はもみ合いを見込む。27日投開票の衆院選で与党自民党の議席数が過半数に届かない可能性があるとの一部報道もあり、株式市場では選挙結果を見極めたいと様子見ムードが強まろう。また、ドル円も今週はもみ合いが見込まれる。今週は米国の物価や雇用に関連する重要な指標の発表がない上に、米大統領選が近づいていることもあり、外為市場でも積極的な売買が手控えられると予想される。
- ・先週の日経平均株価は、オランダの半導体製造装置ASMLホールディングが15日に発表した決算が需要の弱さを示す低調な内容となったことが嫌気されて、東京市場でも半導体関連株に売りが膨らみ、週間ベースで下落した。一方、NYダウは、半導体関連株が売られる場面はあったものの、9月の米小売売上高が市場予想以上に増加したことなどが好感され、週間ベースで上昇した。ドル円は予想を上回る9月の米小売売上高などを受けて円安ドル高となった。
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2024-10-22
神奈川・地域経済調査
研究員コラム
研究員コラム : 日本シリーズでも頑張れ、横浜DeNAベイスターズ 〜横浜の街を熱く盛り上げてくれ!〜 北田英治
- 要約
- ・横浜市に本拠地を置く横浜DeNAベイスターズは、阪神タイガース、読売ジャイアンツとのクライマックスシリーズを制し、7年ぶりの日本シリーズ進出を果たした。10月26日(土)から横浜スタジアムで日本シリーズが始まり、福岡ソフトバンクホークスを迎え撃つ。横浜DeNAベイスターズの快進撃が続けば横浜の街が盛り上がり、横浜スタジアム内での飲食や公式グッズの購入だけでなく、球場周辺を中心とする飲食店や小売店などの売り上げ増加などを通じて、地元経済にも様々なプラス効果があろう。
- ・横浜市に本拠地を置く横浜DeNAベイスターズは、阪神タイガース、読売ジャイアンツとのクライマックスシリーズを制し、7年ぶりの日本シリーズ進出を果たした。10月26日(土)から横浜スタジアムで日本シリーズが始まり、福岡ソフトバンクホークスを迎え撃つ。横浜DeNAベイスターズの快進撃が続けば横浜の街が盛り上がり、横浜スタジアム内での飲食や公式グッズの購入だけでなく、球場周辺を中心とする飲食店や小売店などの売り上げ増加などを通じて、地元経済にも様々なプラス効果があろう。
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2024-10-28
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
マーケット情報 : HRIマーケット情報(2024年10月28日)
- 要約
- ・昨日の衆院選で、与党が過半数割れとなり政局に突入することに。石破内閣の退陣や自公以外の政党の連立政権入りの可能性もあり、政治の不透明感の高まりから、株価は下押しするだろう。先週、為替市場で円安ドル高となったものの「円安・株高」の展開とはならなかった。衆院選を控え、投資家が様子見姿勢を強めていたことが考えられる。上値は重いものの、結果は別として選挙イベント通過により、値ごろ感から押し目買いが入るようになれば、下落も一時的なもので終わるだろう。
・今週、日本では日銀の金融政策決定会合(30~31日)後の総裁会見や同日に発表される「展望レポート」で、追加利上げに対するスタンスを確認したい。また、米国では来週に大統領選を控えているが、個人消費支出(31日)、雇用統計(1日)等の重要指標にも注目が集まる。
- ・昨日の衆院選で、与党が過半数割れとなり政局に突入することに。石破内閣の退陣や自公以外の政党の連立政権入りの可能性もあり、政治の不透明感の高まりから、株価は下押しするだろう。先週、為替市場で円安ドル高となったものの「円安・株高」の展開とはならなかった。衆院選を控え、投資家が様子見姿勢を強めていたことが考えられる。上値は重いものの、結果は別として選挙イベント通過により、値ごろ感から押し目買いが入るようになれば、下落も一時的なもので終わるだろう。
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2024-10-29
マクロ経済・金融市場調査
景気観測
景気観測 : 景気観測(中国)2024年10月 7〜9月期の実質成長率は2期連続の低下
- 要約
- ・投資や消費の減速から、7〜9月期の実質GDP(国内総生産)成長率は2期連続で低下。
・ただ、自動車や船舶の大幅な増加などから、輸出は増勢が拡大。
・住宅市況の悪化には依然として歯止めがかからない状況。
・習体制は大幅な利下げを実施するなど、住宅市場の支援策を一段と強化。
- ・投資や消費の減速から、7〜9月期の実質GDP(国内総生産)成長率は2期連続で低下。
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2024-10-30
マクロ経済・金融市場調査
研究員コラム
研究員コラム : やはり紙おむつが高すぎる件 遠藤裕基
- 要約
- ・総務省「消費者物価指数」で紙おむつ(乳幼児用)の価格(2020年=100)をみると、2024年9月時点で120.1となっており、2020年比で2割高になっている。
・ほぼ同様の製品ということで、紙おむつ(大人用)や生理用ナプキンの価格(2020年=100)もみると、2024年9月時点でいずれの品目も2020年比で2割高を超える水準となっている。
・こうした使用頻度の高い、必需品については、現物支給やクーポン券(定額のクーポンで、それよりも高い製品の購入については、差額を自費で負担)の発行、消費税の軽減税率の適用などの政策的なサポートがあってもよいのではないだろうか。
- ・総務省「消費者物価指数」で紙おむつ(乳幼児用)の価格(2020年=100)をみると、2024年9月時点で120.1となっており、2020年比で2割高になっている。
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2024-11-05
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
マーケット情報 : HRIマーケット情報(2024年11月5日)
- 要約
- ・先週は、5日に控える米大統領選において、財政拡張的な政策を掲げるトランプ氏が激戦州で優勢との報道を背景に、米金利が上昇。それを受けた米株式市場は、金利上昇を特に嫌気したハイテク株が上値を抑えた。また、日本では日銀がタカ派化したともとられる総裁会見(31日)により、早期追加利上げ観測が高まり、週末には国内金利に上昇圧力がかかった。
・今週、いよいよ米大統領選挙、そしてFOMCと重要イベントが続く。結果次第で様々な市場が大きく乱高下する可能性もあり、注意が必要。接戦が予想される米大統領選は、速やかに結果が判明しない可能性もあるが、イベント通過後の反動も視野に入れておく必要があろう。
- ・先週は、5日に控える米大統領選において、財政拡張的な政策を掲げるトランプ氏が激戦州で優勢との報道を背景に、米金利が上昇。それを受けた米株式市場は、金利上昇を特に嫌気したハイテク株が上値を抑えた。また、日本では日銀がタカ派化したともとられる総裁会見(31日)により、早期追加利上げ観測が高まり、週末には国内金利に上昇圧力がかかった。
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2024-11-06
マクロ経済・金融市場調査
景気観測
景気観測 : 景気観測(米国)2024年11月 24年7〜9月期の実質GDP成長率は前期に
比べて減速したものの、民間需要は堅調さを維持
- 要約
- ・2024年7〜9月期の米国の実質GDP(国内総生産)は前期比年率+2.8%と、4〜6月期の同+3.0%からやや減速した。ただ、国内民間最終需要の増加ペースは加速しており、景気の基調はしっかりしていると判断できる。
・9月の実質個人消費は前月比+0.4%と8月の同+0.2%から伸びが加速し、5か月連続で増加した。
・10月の非農業部門雇用者数は前月比1.2万人の増加と、9月(同22.3万人増)から伸びが大幅に鈍化した。航空機大手ボーイングのストライキや大型ハリケーンの被害といった一時的な要因が影響しているとみられる。一方、10月の失業率は4.1%と前月から横ばい。
・10月のISM製造業景況指数は46.5と前月(47.2)から低下し、2023年7月以来の低水準となった。
- ・2024年7〜9月期の米国の実質GDP(国内総生産)は前期比年率+2.8%と、4〜6月期の同+3.0%からやや減速した。ただ、国内民間最終需要の増加ペースは加速しており、景気の基調はしっかりしていると判断できる。
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2024-11-06
マクロ経済・金融市場調査
景気観測
景気観測 : 景気観測(欧州)2024年11月 ECBは9月、10月と2会合連続で0.25%の追加利下げを決定
- 要約
- ・2024年7〜9月期のユーロ圏実質GDP(域内総生産)は前期比+0.4%と、4〜6月期の同+0.2%から伸びが高まった。パリ五輪の一時的な特需もあり、フランスの成長率が高まった。
・10月の消費者物価上昇率は前年比+2.0%と、3か月ぶりに伸びが加速した。
・10月のユーロ圏の総合PMI(購買担当者景気指数)は49.7と前月(49.6)から小幅に上昇したものの、好不況の目安である50を2か月連続で下回った。
・欧州中央銀行(ECB)は10月17日の政策理事会で0.25%の追加利下げを決定。声明文では、当面の利下げペースについては「データ次第」との説明を維持した。直近の経済指標を受けて、金利先物市場では次回12月の理事会での0.25%の利下げを織り込んでいる。
- ・2024年7〜9月期のユーロ圏実質GDP(域内総生産)は前期比+0.4%と、4〜6月期の同+0.2%から伸びが高まった。パリ五輪の一時的な特需もあり、フランスの成長率が高まった。
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2024-11-06
マクロ経済・金融市場調査
研究員コラム
研究員コラム : 日銀は10月の会合で政策の自由度を確保 北田英治
- 要約
- ・日銀は10月31日の金融政策決定会合で、0.25%の政策金利を据え置くことを決めた。注目された記者会見で、植田総裁は、前回9月会合で多用した「時間的余裕がある」という表現については、今回、「不要」と考えたと言明した。「時間的余裕がある」という表現が、市場では次回会合での利上げは無いことを示すキーワードと受け止められていただけに、今回、その使用をやめることによって、日銀は金融政策の自由度を取り戻したと言えよう。
・こうした植田総裁の発言を受けて、市場の一部では日銀が次回12月の会合で追加利上げを行うとの見方も出ている。ただ、11月1日に発表された10月の米雇用統計が予想以上に弱かったことや、日米の政治情勢が非常に不透明であることなどを踏まえると、日銀の12月利上げのハードルは依然として高いと考えられる。
・筆者は植田総裁が9月の会合後の会見で「利上げを判断する上で重視する指標」として「来年の春季労使交渉に向けての動き」を挙げた点に着目している。来年の春闘の動きが少し見えてくるのは、おそらく年末から年明けにかけてではないだろうか。為替レートが再び1ドル=160円に迫れば、12月の会合で利上げを行う可能性が高まるが、そうでなければ日銀が来年1月の会合で追加利上げを決めるというのが、現時点で想定される最も早いタイミングでの政策変更だと予想する。
- ・日銀は10月31日の金融政策決定会合で、0.25%の政策金利を据え置くことを決めた。注目された記者会見で、植田総裁は、前回9月会合で多用した「時間的余裕がある」という表現については、今回、「不要」と考えたと言明した。「時間的余裕がある」という表現が、市場では次回会合での利上げは無いことを示すキーワードと受け止められていただけに、今回、その使用をやめることによって、日銀は金融政策の自由度を取り戻したと言えよう。
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2024-11-07
神奈川・地域経済調査
景気観測
景気観測 : 景気観測(神奈川)2024年11月 県内景気は緩やかに回復も、個人消費はなお浮揚感を欠く
- 要約
- ・輸出は、財の輸出の底打ち感が強まっており、インバウンド消費も引き続き拡大基調。
・8月の県内製造業の生産活動は、一部業種で弱い動きがみられるものの、基調としてはなお横ばい圏内にあるとみる。
・8月の実質賃金(家計の購買力)は再び前年割れ。名目の所定内給与の上昇基調は変わっていないものの、物価高の長期化が購買力改善の重荷となっている。
・9月の個人消費については、財消費が減少し、サービス消費は横ばいとなった模様。スーパーの販売減が顕著で、8月に台風の影響で発生した買いだめ需要が剥落したとみられる。
- ・輸出は、財の輸出の底打ち感が強まっており、インバウンド消費も引き続き拡大基調。
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2024-11-07
神奈川・地域経済調査マクロ経済・金融市場調査
研究員コラム
研究員コラム : トランプ氏関税大幅引き上げなら輸出回復に暗雲、生産性停滞 リスクも 白須光樹
- 要約
- ・トランプ氏再選によって米国の輸入関税が大幅に引き上げられるリスクが高まった。
・米中貿易摩擦が激化した2019年の経済情勢を振り返ると、米国の関税が大幅に引き上げられた場合、日本経済や神奈川県経済への影響は不可避。
・加えて、生産性が低下するリスクもあり、中長期的な経済成長に影響が及ぶ可能性にも注意が必要である。
- ・トランプ氏再選によって米国の輸入関税が大幅に引き上げられるリスクが高まった。
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2024-11-11
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
マーケット情報 : HRIマーケット情報(2024年11月11日)
- 要約
- ・先週は、今年最大のイベントである米大統領選を通過し、トランプ前大統領の返り咲きに、株式市場は好反応を見せた。一方FOMCでは、事前の予想通り、0.25%の利下げが決定され、市場へのサプライズはなかった。
・今週、日本では企業の決算発表がピーク(約1,400社)を迎える。決算内容を見極めたいと様子見ムードが強まる可能性はあるが、先週のイベントに備えて、日本株を買い控えていた投資家の押し目買い意欲は強いと推測。これまでに発表された国内企業決算では、市場予想を上回る内容となった企業は少なく、株価の大幅な上昇は見込みづらいが、内外金利や為替動向次第では、日経平均が再度40千円をトライする展開に期待。
- ・先週は、今年最大のイベントである米大統領選を通過し、トランプ前大統領の返り咲きに、株式市場は好反応を見せた。一方FOMCでは、事前の予想通り、0.25%の利下げが決定され、市場へのサプライズはなかった。
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2024-11-12
マクロ経済・金融市場調査
景気観測
景気観測 : 景気観測(日本)2024年11月 国内需要を中心に、景気は回復の動きが鈍い
- 要約
- ・9月の個人消費は2か月連続で減少。続く10月の消費マインドも弱含んでいる。
・設備投資の先行指標が弱含んで推移しており、足元の設備投資は鈍い動きになっている模様。
・輸出は伸びが高まる。訪日外客数(インバウンド)は夏場に水準がやや低下。
・日銀は10月会合で政策金利を据え置き。米景気堅調の見方から円安・ドル高が進む。
- ・9月の個人消費は2か月連続で減少。続く10月の消費マインドも弱含んでいる。
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2024-11-15
神奈川・地域経済調査
テーマレポート
テーマレポート : トランプ氏再選で関税による景気下振れリスクが高まる
−対米輸出関税上昇のみでも、県内経済成長率を最大で-0.3%pt弱下押し− 白須光樹
- 要約
- ・2025年に米大統領に就任予定のトランプ氏は、関税の大幅な引き上げを掲げている。
・日本の対米輸出品に対する関税が引き上げられた場合の成長率への影響を、様々な仮定を置きながら試算すると、日本経済で-0.2%ポイント程度、神奈川県経済で-0.3%ポイント弱との結果が得られた。
・日本経済の潜在成長率が+0.6%(内閣府、日本銀行、2024年11月現在)、神奈川県経済の25年度の成長率見通しが+1.0%(当社24年7月予測)であることを踏まえると、25年度の日本経済や神奈川県経済の見通しは、米国の関税政策の動向次第で大きく変動するリスクがある。
- ・2025年に米大統領に就任予定のトランプ氏は、関税の大幅な引き上げを掲げている。
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2024-11-18
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
マーケット情報 : HRIマーケット情報(2024年11月18日)
- 要約
- ・先週は、トランプ次期政権による政策がインフレ圧力を高めるとの見方が根強い中で米長期金利が大幅に上昇し、外為市場では日米金利差の拡大観測から円安・ドル高が進行した。一方、株式市場では、NYダウが週初11日に最高値を更新したものの、その後は利益確定の売りが優勢となった。日本でも米国株の下落を受けて幅広い銘柄が売られ、日経平均株価が下落した。
・今週の外為市場の注目は、18日に予定されている植田日銀総裁の講演。総裁が12月の会合での利上げに向けて踏み込んだ発言をすれば、日本の長期金利に上昇圧力がかかり、円が買い戻される可能性もある。一方、株式市場では20日に予定されている米エヌビディアの決算発表が注目材料。人工知能(AI)半導体の成長性が改めて評価されるようなら、日本の半導体関連株にも買いが入ると予想される。
- ・先週は、トランプ次期政権による政策がインフレ圧力を高めるとの見方が根強い中で米長期金利が大幅に上昇し、外為市場では日米金利差の拡大観測から円安・ドル高が進行した。一方、株式市場では、NYダウが週初11日に最高値を更新したものの、その後は利益確定の売りが優勢となった。日本でも米国株の下落を受けて幅広い銘柄が売られ、日経平均株価が下落した。
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2024-11-18
マクロ経済・金融市場調査
研究員コラム
研究員コラム : 日銀の追加利上げの追い風となる7〜9月期GDP統計 北田英治
- 要約
- ・内閣府が11月15日に発表した2024年7~9月期の実質GDP(国内総生産)は前期比+0.2%と、4~6月期(同+0.5%)に比べて減速したものの、2期連続のプラス成長を確保した。7~9月期の実質GDPを支えたのは主として個人消費であり、個人消費増加の背景には雇用・所得情勢の緩やかな改善がある。7~9月期の実質雇用者報酬は前年比+0.9%と、2四半期連続で前年水準を上回った。
・日銀の植田総裁は9月の会合後の記者会見で、今後の追加利上げを判断する上で重要な点として、①賃金上昇の継続、②賃上げのサービス価格への転嫁継続、③来年の春季労使交渉に向けての動き、などを挙げた。今回のGDP統計で示された実質雇用者報酬の2期連続増加は、上記①の動きを示すものであり、日銀の追加利上げにとって追い風となろう。
- ・内閣府が11月15日に発表した2024年7~9月期の実質GDP(国内総生産)は前期比+0.2%と、4~6月期(同+0.5%)に比べて減速したものの、2期連続のプラス成長を確保した。7~9月期の実質GDPを支えたのは主として個人消費であり、個人消費増加の背景には雇用・所得情勢の緩やかな改善がある。7~9月期の実質雇用者報酬は前年比+0.9%と、2四半期連続で前年水準を上回った。
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2024-11-19
神奈川・地域経済調査マクロ経済・金融市場調査
テーマレポート
テーマレポート : 25年春闘賃上げ率5%弱、県内ベア3%前後へ 白須光樹
- 要約
- ・2025年の春闘賃上げ率は、失業率が低水準で推移する中、インフレ率の高止まりと労働生産性の上昇により、+4.8%になるとの予測値が得られた。
・この結果を基に、2025年の県内事業所のベースアップ分の賃金上昇率を試算すると、+3.1%との結果になった。
・来年も高い賃金上昇が実現する予想だが、物価上昇率も高止まりするリスクがある。物価上昇を上回る賃金上昇の実現には、労働生産性の持続的な引き上げが不可欠。
- ・2025年の春闘賃上げ率は、失業率が低水準で推移する中、インフレ率の高止まりと労働生産性の上昇により、+4.8%になるとの予測値が得られた。
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2024-11-21
マクロ経済・金融市場調査
テーマレポート
テーマレポート : 2024・25年度の景気予測(2024年11月改訂) マクロ経済調査チーム
- 要約
- ・24年度後半の日本経済は、緩やかな回復が続くだろう。定額減税の押し上げ効果がはく落する中で、実質賃金の伸び悩みにより個人消費の増勢が鈍るものの、企業収益が高水準で推移する下で設備投資が緩やかに増加するだろう。輸出については、米景気の減速で財輸出がやや鈍い動きになるものの、インバウンド需要の支えで小幅な増加が続くとみられる。
・25年度も緩やかな成長が続き、後半にやや成長率が高まると見込んだ。25年の春闘で高めの賃上げが実現する一方、物価上昇率も高めの伸びとなるため、年度を通じてみると、実質賃金は概ね横ばいで推移しよう。ただし、年度後半には、物価の伸びが緩やかに低下するため、小幅ながらも実質賃金が上向いてこよう。このため、個人消費は総じて鈍い動きになるものの、年度後半には伸びがやや高まると見込んだ。一方、高水準の企業収益などを支えに、設備投資は緩やかに持ち直すだろう。また、年前半に米国景気、年後半に中国景気が減速するため、輸出は小幅な伸びにとどまると見込んだ。
- ・24年度後半の日本経済は、緩やかな回復が続くだろう。定額減税の押し上げ効果がはく落する中で、実質賃金の伸び悩みにより個人消費の増勢が鈍るものの、企業収益が高水準で推移する下で設備投資が緩やかに増加するだろう。輸出については、米景気の減速で財輸出がやや鈍い動きになるものの、インバウンド需要の支えで小幅な増加が続くとみられる。
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2024-11-25
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
マーケット情報 : HRIマーケット情報(2024年11月25日)
- 要約
- ・継続的な利下げの有無に注目が集まる米国については、このところパウエル議長を含めた複数のFRB高官から「利下げを慎重に進める考え」が相次いで示された結果、足元では12月のFOMCで利下げを見込む確率が半分程度まで低下。一方で、日銀による早々の追加利上げの有無が注目される日本では、先週植田日銀総裁が「政策調整のタイミングについては先行きの経済、物価、金融情勢次第だ」と述べ、12月利上げについて明確な地ならしをしなかった。
・今週も日本では29日発表のCPI(都区部11月)を、また米国では26日発表のFOMC議事要旨(11月開催分)や27日公表の個人所得・個人消費支出(10月)等を確認しながら、日米の金融政策のスケジュール感を探る展開が続くことになるが、緊迫化するウクライナ情勢には注意が必要。
- ・継続的な利下げの有無に注目が集まる米国については、このところパウエル議長を含めた複数のFRB高官から「利下げを慎重に進める考え」が相次いで示された結果、足元では12月のFOMCで利下げを見込む確率が半分程度まで低下。一方で、日銀による早々の追加利上げの有無が注目される日本では、先週植田日銀総裁が「政策調整のタイミングについては先行きの経済、物価、金融情勢次第だ」と述べ、12月利上げについて明確な地ならしをしなかった。
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2024-11-26
神奈川・地域経済調査
テーマレポート
テーマレポート : 2024年冬の神奈川県民ボーナスの見通し 白須光樹
- 要約
- ・民間企業に勤める神奈川県民1人当たりの今冬のボーナスは、前年比+2.5%(48.7万円)になると予測した。
・また、神奈川県民の民間のボーナス総支給額は、前年比+4.4%との予測になった。
・ボーナスの総支給額の伸び率は消費者物価上昇率を上回る見込みである。県内家計全体でみれば、購買力が改善すると予想され、ボーナスが冬の県内個人消費の一定の下支えとなろう。
- ・民間企業に勤める神奈川県民1人当たりの今冬のボーナスは、前年比+2.5%(48.7万円)になると予測した。
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2024-11-27
マクロ経済・金融市場調査
景気観測
景気観測 : 景気観測(中国)中国景気に底入れの兆し
- 要約
- ・固定資産投資と個人消費は底入れの動きを示し、輸出も増勢が拡大。
・需要の緩やかな持ち直しを背景に、生産は底堅く推移し、企業の景況感もやや上向く展開。
・ただ、企業の労働需要は依然として停滞し、住宅市場も底がみえない状況が継続。
・習体制は、10兆元の財政出動によって地方政府の隠れ債務を削減する方針を打ち出す。
- ・固定資産投資と個人消費は底入れの動きを示し、輸出も増勢が拡大。
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2024-12-02
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
マーケット情報 : HRIマーケット情報(2024年12月02日)
- 要約
- ・先週は、米国のトランプ次期大統領による保護主義的な政策が改めて警戒され、日経平均株価が大幅に下落する場面があった。一方、外為市場では、FRBの追加利下げ観測や日銀の追加利上げ観測が強まり、円買いドル売りが優勢となった。週末29日には一時1ドル=149円47銭と、10月下旬以来の円高ドル安水準を付けた。
・今週は米国でISM製造業景気指数(2日)や雇用統計(6日)など重要な経済指標が相次いで発表される。市場はFRBの12月利下げをまだ十分に織り込んでおらず、米経済指標を受けて追加利下げの織り込みが進む可能性がある。外為市場では、日米金利差の縮小観測から、今週も円買いドル売り圧力が高まりやすい地合いが続くと予想される。
- ・先週は、米国のトランプ次期大統領による保護主義的な政策が改めて警戒され、日経平均株価が大幅に下落する場面があった。一方、外為市場では、FRBの追加利下げ観測や日銀の追加利上げ観測が強まり、円買いドル売りが優勢となった。週末29日には一時1ドル=149円47銭と、10月下旬以来の円高ドル安水準を付けた。
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2024-12-04
神奈川・地域経済調査
景気観測
景気観測 : 景気観測(神奈川)2024年12月 県内景気は外需がけん引し、緩やかに回復
- 要約
- ・輸出は、財輸出が持ち直し基調、インバウンド消費も拡大基調を維持。
・9月の県内製造業の生産活動は上昇したものの、基調としては横ばい圏内で推移。
・9月の実質賃金(家計の購買力)は前年割れが続く。ただ、名目所定内給与は引き続き上昇基調。
・10月の個人消費について、財消費の動きをみると、百貨店・スーパーの販売額が弱含む中、乗用車販売が持ち直した。他方、サービス消費は横ばい圏内で推移した。
- ・輸出は、財輸出が持ち直し基調、インバウンド消費も拡大基調を維持。
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2024-12-06
マクロ経済・金融市場調査
景気観測
景気観測 : 景気観測(欧州)2024年12月 ユーロ圏企業の景況感は製造業だけでなくサービス業でも弱含み
- 要約
- ・11月のユーロ圏の総合PMI(購買担当者景気指数)は48.3と前月(50.0)から低下し、好不況の目安である50を再び下回った。サービス業のPMIが10か月ぶりに節目の50を割り込むとともに、製造業も再び低下した。
・10月のユーロ圏小売売上高指数は前月比-0.5%と、4か月ぶりに低下した。
・11月のユーロ圏消費者物価指数(速報値)は前年比+2.3%と、2か月連続で伸びが加速した。一方、エネルギーや食品などを除いたコア指数は同+2.7%と、10月と同じ伸びになった。
・ユーロ圏景気の回復が鈍い中で、金利先物市場ではECB(欧州中央銀行)が次回12月12日の理事会で0.25%の追加利下げを決定すると予想している。
- ・11月のユーロ圏の総合PMI(購買担当者景気指数)は48.3と前月(50.0)から低下し、好不況の目安である50を再び下回った。サービス業のPMIが10か月ぶりに節目の50を割り込むとともに、製造業も再び低下した。
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2024-12-09
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
マーケット情報 : HRIマーケット情報(2024年12月09日)
- 要約
- ・先週、日銀の植田総裁が、追加利上げ時期について「近づいている」と述べたと伝わったことや、金融引き締めに慎重な「ハト派」で知られる中村審議委員が利上げに前向きと思われる発言をしたことが、金利上昇圧力となるも、「日銀、利上げ見送り」という一部通信社のコラムや、韓国の政治混乱が金利の低下材料とされ、国内金利はほぼ横這いで推移した。一方で、堅調な米株の影響や公的年金(GPIF)の運用目標引き上げ期待、米国の対中半導体規制強化で主要同盟国を適用除外としたこと等を追い風に日経平均は堅調に推移した。
・今週は、日米の各市場とも翌週に決定会合ウィークを控え、徐々に様子見ムードが強まることが予想されるが、日本では9日発表のGDP(7-9月改定値)や、週末13日発表の日銀短観等を確認しながら、また米国では11日発表のCPI等を材料に、日米金融政策の行方を占うことになる。
- ・先週、日銀の植田総裁が、追加利上げ時期について「近づいている」と述べたと伝わったことや、金融引き締めに慎重な「ハト派」で知られる中村審議委員が利上げに前向きと思われる発言をしたことが、金利上昇圧力となるも、「日銀、利上げ見送り」という一部通信社のコラムや、韓国の政治混乱が金利の低下材料とされ、国内金利はほぼ横這いで推移した。一方で、堅調な米株の影響や公的年金(GPIF)の運用目標引き上げ期待、米国の対中半導体規制強化で主要同盟国を適用除外としたこと等を追い風に日経平均は堅調に推移した。
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2024-12-10
マクロ経済・金融市場調査
景気観測
景気観測 : 景気観測(米国)2024年12月 10月の実質個人消費が6か月連続で増加するなど、米国景気は引き続き底堅く推移
- 要約
- ・11月のISM景況指数は製造業で前月から上昇した。一方、非製造業では低下し、サービス業の景況感の改善度合いがやや弱まっていることが示唆された。
・11月の非農業部門雇用者数は前月比22.7万人の増加と、10月(同3.6万人増)から伸びが大幅に拡大した。一方、11月の失業率は4.2%と10月に比べてやや上昇(悪化)した。
・10月の実質個人消費は前月比+0.1%と9月から減速したものの、6か月連続で増加した。
・FRBは11月のFOMCで0.25%の利下げを決定した。パウエル議長は会見で、今後の経済データ次第で利下げペースを決める姿勢を強調した。金利先物市場では、FRBが次回12月17日〜18日のFOMCで0.25%の追加利下げを決定することをほぼ織り込んでいる。
- ・11月のISM景況指数は製造業で前月から上昇した。一方、非製造業では低下し、サービス業の景況感の改善度合いがやや弱まっていることが示唆された。
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2024-12-10
マクロ経済・金融市場調査
テーマレポート
テーマレポート : 2024・25年度の景気予測(2024年7〜9月期2次QE後改訂) 小泉司
- 要約
- ・2024年7〜9月期の実質GDP(国内総生産)の2次速報値(2次QE)は前期比+0.3%と、1次QEから小幅に上方改定された。
・今回の2次QEを受けて、2024年度の実質GDP成長率を前年比+0.4%と前回予測(同+0.2%)から上方修正し、25年度を同+0.8%に据え置いた。もっとも、24年度の見通しを上方修正したのは、年次推計の遡及改定や7〜9月期の実質GDP成長率の上方改定が主因であり、先行きの予測のシナリオに大きな変更はない。
- ・2024年7〜9月期の実質GDP(国内総生産)の2次速報値(2次QE)は前期比+0.3%と、1次QEから小幅に上方改定された。
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2024-12-12
マクロ経済・金融市場調査
景気観測
景気観測 : 景気観測(日本)2024年12月 個人消費の伸び悩みなどにより、景気は回復の動きが鈍い
- 要約
- ・個人消費は鈍い動き。家計はメリハリのある消費活動を行っている模様。
・7〜9月期の経常利益は減益に転じる。10〜12月期の機械受注額は増加の見通しに。
・10月の輸出は5か月ぶりに減少。一方、同月の訪日外客数は過去最高水準を更新。
・日米の金融政策決定会合を控え、足元の為替相場は横ばいの動き。
- ・個人消費は鈍い動き。家計はメリハリのある消費活動を行っている模様。
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2024-12-13
神奈川・地域経済調査
テーマレポート
テーマレポート : 2025年の横浜の賃貸オフィス市場の見通し 遠藤裕基
- 要約
- ・2025年の横浜ビジネス地区の賃貸オフィス市場を展望すると、日本経済、神奈川県経済の回復などを前提にオフィス需要は引き続き拡大していくと見込まれる。このため、新築ビルの供給増が予定されている中でも空室率の大幅な上昇は回避されよう。
・他方で、募集賃料については、先行きの景気回復を前提とすると上昇を見込みたくなるが、横浜ビジネス地区の賃料は対東京比ですでに割高な水準にある。こうした状況も踏まえると、募集賃料は極めて緩やかな上昇、ないし、ほぼ横ばいでの推移にとどまると予想される。
- ・2025年の横浜ビジネス地区の賃貸オフィス市場を展望すると、日本経済、神奈川県経済の回復などを前提にオフィス需要は引き続き拡大していくと見込まれる。このため、新築ビルの供給増が予定されている中でも空室率の大幅な上昇は回避されよう。
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2024-12-16
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
マーケット情報 : HRIマーケット情報(2024年12月16日)
- 要約
- ・先週、米株式市場でハイテク株が買われ、11日にはナスダック総合株価指数が過去最高値を更新した。日本の株式市場でも半導体関連株を中心に買いが入り、12日には日経平均株価が一時心理的節目の4万円を上回る場面もあった。一方、外為市場では、米ブルームバーグ通信などの報道を受けて、日銀が翌週の会合で追加利上げを見送るとの観測が強まり、円安ドル高が進展。週末13日には一時1ドル=153円80銭まで円安ドル高が進む場面もあった。
・今週は日米で金融政策を決める重要な会合が開催される。市場では、FRBの0.25%利下げをほぼ織り込む一方で、日銀が利上げを見送るとの見方が強まっている。そのため、もし市場予想に反して日銀が追加利上げを決めれば、国内金利に上昇圧力がかかるとともに、ドル円レートが円高ドル安方向に振れる可能性があり、注意を要しよう。
- ・先週、米株式市場でハイテク株が買われ、11日にはナスダック総合株価指数が過去最高値を更新した。日本の株式市場でも半導体関連株を中心に買いが入り、12日には日経平均株価が一時心理的節目の4万円を上回る場面もあった。一方、外為市場では、米ブルームバーグ通信などの報道を受けて、日銀が翌週の会合で追加利上げを見送るとの観測が強まり、円安ドル高が進展。週末13日には一時1ドル=153円80銭まで円安ドル高が進む場面もあった。
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2024-12-19
産業動向調査
産業マンスリー
産業マンスリー : 産業マンスリー 12月号
- 要約
- テクノロジー、自動車、外食、不動産、医療・介護、観光等の産業別の業況や今後の見通し、注目トピックスを解説。
今月より、小売(スーパー)の業況判断の掲載を開始。
医療介護(調剤薬局)では、6か月先の業況判断を「雨」から「曇り」に引き上げ。
- テクノロジー、自動車、外食、不動産、医療・介護、観光等の産業別の業況や今後の見通し、注目トピックスを解説。
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2024-12-19
マクロ経済・金融市場調査
研究員コラム
研究員コラム : 2025年の日銀の政策金利は1%へ 白須光樹
- 要約
- ・2024年12月19日の日銀金融政策決定会合では追加利上げが見送られたものの、12月13日の「短観」からは企業の物価見通しの2%前後での安定などが確認された。
・日本の名目中立金利は1%程度と推計され、実質金利などでみても、現在の金融環境は極めて緩和的。2025年中に政策金利が1%に到達しても不思議ではない。
・2025年は、米大統領に就任予定のトランプ氏による政策がかく乱要因になると予想され、日銀は難しい金融政策運営を迫られよう。
- ・2024年12月19日の日銀金融政策決定会合では追加利上げが見送られたものの、12月13日の「短観」からは企業の物価見通しの2%前後での安定などが確認された。
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2024-12-23
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
マーケット情報 : HRIマーケット情報(2024年12月23日)
- 要約
- ・先週、日米の金融政策決定会合はコンセンサス(日本=変更なし、米国=25bp利下げ)通りだったが、会合後の両トップの会見は、「日銀は想定以上にハト派」そして「FRBは想定以上にタカ派」と評価された。特に植田日銀総裁の会見が、利上げ先送りと捉えられ、その後に円安ドル高が加速し、20日には1ドル=157円93銭(7月以来)まで円が売られる場面もあった。
・今週からクリスマス休暇に入る投資家も多く市場参加者は限られることから、各市場ともに大きなトレンドは出にくくなることが予想されるが、国内では25日の植田日銀総裁の講演に注目が集まる。先週の決定会合後の会見が約3円の円安を招いたことから、利上げ先送り観測の火消しに回るかどうかがポイント。もし先週の会見と変わらずと受け止められると、更なる円安ドル高の可能性も。
- ・先週、日米の金融政策決定会合はコンセンサス(日本=変更なし、米国=25bp利下げ)通りだったが、会合後の両トップの会見は、「日銀は想定以上にハト派」そして「FRBは想定以上にタカ派」と評価された。特に植田日銀総裁の会見が、利上げ先送りと捉えられ、その後に円安ドル高が加速し、20日には1ドル=157円93銭(7月以来)まで円が売られる場面もあった。
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2024-12-23
マクロ経済・金融市場調査
研究員コラム
研究員コラム : 日銀の次回利上げ時期はやはり来年1月の会合か 北田英治
- 要約
- ・日銀は12月19日の金融政策決定会合で政策金利の据え置きを決定した。利上げを見送った理由として、植田総裁は記者会見で、「日銀の見通しが実現していく確度は多少なりとも上がっている。ただ次の利上げの判断に至るまでには、もう1ノッチ(段階)ほしい。そこには賃金上昇の持続性も入る。」と述べた。
・植田総裁は今回の会見で、春闘のモメンタム(勢い)について「次回会合までにある程度の情報は入るが、大きな姿が分かるのは3月、4月のタイミングになる。どこで政策判断ができるかは、その他の情報とセットで考えざるをえない。」と述べている。この点から、次の利上げ時期は、①1月23日~24日、②3月18日~19日、③4月30日~5月1日のいずれかの決定会合が有力となろう。
・日銀は今回の会合後に公表した「多角的レビュー」の中で、「非伝統的な金融政策手段は、短期金利操作の完全な代替手段にはなりえず、可能な限りゼロ金利制約に直面しないような政策運営が望ましい」と記している。ここからは、日銀が将来起こり得る利下げ局面に備えて、少しでも利下げの余地を確保したい(政策金利の水準を中立水準に少しでも近づけておきたい)と考えていることがうかがえる。こうした点を踏まえれば、やはり日銀は来年1月23日~24日の会合で追加利上げを決める可能性が大きいのではないだろうか。
- ・日銀は12月19日の金融政策決定会合で政策金利の据え置きを決定した。利上げを見送った理由として、植田総裁は記者会見で、「日銀の見通しが実現していく確度は多少なりとも上がっている。ただ次の利上げの判断に至るまでには、もう1ノッチ(段階)ほしい。そこには賃金上昇の持続性も入る。」と述べた。
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2024-12-23
神奈川・地域経済調査マクロ経済・金融市場調査
テーマレポート
テーマレポート : 米通商政策の不確実性が25年度設備投資を下押しか 白須光樹
- 要約
- ・輸入品に対する関税の大幅引き上げを掲げているトランプ氏の政策により、2025年は日本の輸出製造業の経営の不確実性が高まると予想される。
・通商政策の不確実性や業況の見通しに対する不確実性と、製造業の設備投資の関係性を推計すると、不確実性の高まりが設備投資を抑制することが確認できる。
・2025年度は、全国、神奈川県ともに高い省力化投資ニーズが続くと見込まれる。一方で、通商政策の不確実性が設備投資を下押しするリスクに注意が必要である。
- ・輸入品に対する関税の大幅引き上げを掲げているトランプ氏の政策により、2025年は日本の輸出製造業の経営の不確実性が高まると予想される。
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2024-12-23
マクロ経済・金融市場調査
景気観測
景気観測 : 景気観測(中国)2024年12月 習体制が大規模な景気対策を実施する方針を示す
- 要約
- ・固定資産投資の伸び悩みと、個人消費や輸出の減速により、中国景気は回復の動きが再び鈍化。
・生産が堅調に増加しているものの、需要の弱含みを背景に、在庫は積み上がっている可能性。
・住宅市況には住宅販売など一部で悪化に歯止めがかかる動きが表れる。
・習体制は、2025年にリーマンショック後以来の大規模な景気刺激策を打ち出す方針を掲げる。
- ・固定資産投資の伸び悩みと、個人消費や輸出の減速により、中国景気は回復の動きが再び鈍化。
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2024-12-24
神奈川・地域経済調査
テーマレポート
テーマレポート : 横浜DeNAベイスターズ日本一による経済波及効果
─経済波及効果は全国で517億円、神奈川県で246億円─ 湯口勉・北田英治
- 要約
- ・2024年、横浜市に本拠地を置く横浜DeNAベイスターズは、阪神タイガース、読売ジャイアンツとのクライマックスシリーズを制し、7年ぶりの日本シリーズ進出を果たした。そして日本シリーズでは、横浜DeNAベイスターズが福岡ソフトバンクホークスを打ち破り、1998年以来、26年ぶりの日本一に輝いた。横浜市内では百貨店や商業施設、家電販売店などで盛大な優勝記念セールが開催され、また11月30日には横浜ハンマーヘッドから日本大通りにかけて優勝パレードが開催されるなど、地元・横浜は歓喜に溢れた。
・このような横浜DeNAベイスターズの活躍は、地域に住む人や地域で働く人、地域を訪れる人に元気と活力を与え、地元・横浜経済にも様々なプラス効果を及ぼしている。そこで浜銀総合研究所では、今般、横浜DeNAベイスターズのご協力を得ながら、日本銀行横浜支店と共同で、横浜DeNAベイスターズの日本一による経済波及効果を試算した。
・試算によると、①日本シリーズにおける横浜スタジアム来場者の消費額(チケット、飲食、物販、交通費等)、②横浜DeNAベイスターズのファンによる球場外での消費額(飲食、物販)、③日本一優勝セールにおける消費額(百貨店、スーパー、家電販売店等)、④日本一優勝パレードの来場者による消費額(飲食、物販、交通費等)など、横浜DeNAベイスターズ日本一に伴う支出増加額の合計は全国で280億円となる。また、こうした新規需要を基に経済波及効果を計測すると、全国で発生する経済波及効果の総計は517億円、また神奈川県内への経済波及効果は246億円となった。
- ・2024年、横浜市に本拠地を置く横浜DeNAベイスターズは、阪神タイガース、読売ジャイアンツとのクライマックスシリーズを制し、7年ぶりの日本シリーズ進出を果たした。そして日本シリーズでは、横浜DeNAベイスターズが福岡ソフトバンクホークスを打ち破り、1998年以来、26年ぶりの日本一に輝いた。横浜市内では百貨店や商業施設、家電販売店などで盛大な優勝記念セールが開催され、また11月30日には横浜ハンマーヘッドから日本大通りにかけて優勝パレードが開催されるなど、地元・横浜は歓喜に溢れた。
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2024-12-25
神奈川・地域経済調査
テーマレポート
テーマレポート : 2025年度の神奈川県内経済見通し
−3つの「上昇」は継続、米関税引き上げの影響で25年度末にかけて減速へ− 白須光樹・井町淳哉
- 要約
- ・先行きの神奈川県内経済を展望すると、実質県内経済成長率は2024年度が+0.8%、25年度は+0.5%になると予測する。25年度の本県経済最大のリスクは、トランプ関税の影響だ。本予測では、予測期間終盤までに米中貿易摩擦が激化した19年並みに製造業の生産活動が減速すると想定。他方、賃金は、景気後退時にも解消しない近年の人手不足傾向等を背景に、高い上昇率を予想。また、非製造業の価格転嫁が進捗し、物価上昇率も高止まりする公算が大きいとみる。これらの動きは程度の差はあれ、全国でみられるため、景気減速にもかかわらず、日本銀行の追加利上げは継続と予想。
・以上を踏まえて、主要項目別にみると、輸出は、米国の関税引き上げの影響が次第に顕在化し、25年度については、次第に減速感を強めると予想。設備投資は、人手不足対応のための省力化投資需要と、米国の通商政策をめぐる不確実性の高まりによる需要減が交錯する展開を見込む。個人消費は、実質雇用者所得が前年比小幅なプラス圏で推移すると見込んでおり、回復ペースは緩やかなものにとどまろう。
- ・先行きの神奈川県内経済を展望すると、実質県内経済成長率は2024年度が+0.8%、25年度は+0.5%になると予測する。25年度の本県経済最大のリスクは、トランプ関税の影響だ。本予測では、予測期間終盤までに米中貿易摩擦が激化した19年並みに製造業の生産活動が減速すると想定。他方、賃金は、景気後退時にも解消しない近年の人手不足傾向等を背景に、高い上昇率を予想。また、非製造業の価格転嫁が進捗し、物価上昇率も高止まりする公算が大きいとみる。これらの動きは程度の差はあれ、全国でみられるため、景気減速にもかかわらず、日本銀行の追加利上げは継続と予想。
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2025-01-06
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
マーケット情報 : HRIマーケット情報(2025年1月6日)
- 要約
- ・2024年は、歴史に残る年となった。日経平均が約35年ぶりに最高値を更新し、大納会は1989年末の38,915円を超える39,895円で取引を終え、年末ベースの最高値を記録した。また、7月にドル円が約37年半ぶりに1ドル=162円手前まで円安ドル高が進んだ。さらには日銀が3月に約18年ぶりの利上げを行い、12月下旬には10年国債利回りが、約13年半ぶりの水準となる1.11%まで上昇する場面があった。
・2025年の市場では、「米国の継続的利下げの有無」と「日銀の早期追加利上げの有無」が当面のテーマとなろう。今週、日本では新発国債入札で債券市場の需給環境の確認を、また米国では雇用関連統計等を確認しながら、金利の方向感を探ることになる。
- ・2024年は、歴史に残る年となった。日経平均が約35年ぶりに最高値を更新し、大納会は1989年末の38,915円を超える39,895円で取引を終え、年末ベースの最高値を記録した。また、7月にドル円が約37年半ぶりに1ドル=162円手前まで円安ドル高が進んだ。さらには日銀が3月に約18年ぶりの利上げを行い、12月下旬には10年国債利回りが、約13年半ぶりの水準となる1.11%まで上昇する場面があった。
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2025-01-09
神奈川・地域経済調査
景気観測
景気観測 : 景気観測(神奈川)2025年1月 県内景気は内需に持ち直す動きがみられ、緩やかに回復
- 要約
- ・輸出については、財輸出の回復が足踏み。インバウンド消費は好調も、増勢は鈍化傾向。
・県内企業の設備投資は堅調な計画を維持。特に、研究開発投資は前年度比で加速する見込み。また、企業の価格転嫁意欲も衰えず。
・10月も実質賃金(家計の購買力)は前年割れ。ただ、名目所定内給与の上昇基調は継続。
・11月の個人消費は、財消費に持ち直しの動き。衣料品販売の増加や地元球団の優勝セールが、百貨店・スーパーの販売額を押し上げたとみられる。他方、サービス消費は、引き続き横ばい圏内で推移した。
- ・輸出については、財輸出の回復が足踏み。インバウンド消費は好調も、増勢は鈍化傾向。
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2025-01-10
マクロ経済・金融市場調査
景気観測
景気観測 : 景気観測(欧州)2025年1月 ECBは24年9月、10月、12月と3会合連続で0.25%の追加利下げを決定
- 要約
- ・12月のユーロ圏の総合PMI(購買担当者景気指数)は49.6と前月(48.3)から上昇したものの、好不況の目安である50を2か月連続で下回った。
・11月のユーロ圏小売売上高指数は前月比+0.1%と、小幅ながらも再び上昇した。一方、12月のユーロ圏消費者信頼感指数は-14.5と、2か月連続で悪化した。
・12月のユーロ圏消費者物価指数(速報値)は前年比+2.4%と、3か月連続で伸びが加速した。一方、エネルギーや食品などを除いたコア指数は同+2.7%と、4か月連続で同じ伸びとなった。
・欧州中央銀行(ECB)は12月12日の政策理事会で、主要政策金利の中銀預金金利を3.25%から3.0%に引き下げることを決めた。利下げは9月から3会合連続で、今回の利下げ局面では4回目。
- ・12月のユーロ圏の総合PMI(購買担当者景気指数)は49.6と前月(48.3)から上昇したものの、好不況の目安である50を2か月連続で下回った。
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2025-01-14
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
マーケット情報 : HRIマーケット情報(2025年1月14日)
- 要約
- ・日本では、2025年仕事始めであった先週、日経平均は一時4万円台を回復したものの、米金利上昇やトランプ政権の政策への警戒感から週央以降は続落。ドル円は、米長期金利の上昇による日米金利差拡大や好調な米経済指標を背景に円安ドル高が進展。複数のFRB高官が利下げに慎重な発言をしたこともドル買いを支えた。国内金利は米金利上昇に加え、中期国債の増発計画が売り材料となり、新発の5年債利回りや10年債利回りは、2009年や2011年以来の高水準まで上昇した。
・今週は、米金利上昇が止まらない中、米PPI(14日)、米CPI(15日)等の重要指標の発表が予定されており、各種市場はFRBの追加利下げペースに対する思惑に影響を受ける時間帯が続こう。翌週20日にトランプ次期米大統領の就任式を控えていることが、積極的なポジションをとる行動を手控えさせるものの、米インフレ上昇、米利下げの先送りが連想される材料に、市場は反応しやすいだろう。
- ・日本では、2025年仕事始めであった先週、日経平均は一時4万円台を回復したものの、米金利上昇やトランプ政権の政策への警戒感から週央以降は続落。ドル円は、米長期金利の上昇による日米金利差拡大や好調な米経済指標を背景に円安ドル高が進展。複数のFRB高官が利下げに慎重な発言をしたこともドル買いを支えた。国内金利は米金利上昇に加え、中期国債の増発計画が売り材料となり、新発の5年債利回りや10年債利回りは、2009年や2011年以来の高水準まで上昇した。
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2025-01-14
マクロ経済・金融市場調査
景気観測
景気観測 : 景気観測(米国)2025年1月 FRBは24年12月のFOMCで3会合連続の利下げを決定したものの、パウエル議長は先行きの利下げに慎重姿勢を示す
- 要約
- ・24年12月のISM(米供給管理協会)の製造業景況指数は49.3(11月は48.4)と2か月連続で上昇した。好不調の分かれ目となる50を9か月連続で下回ったものの、9か月ぶりの水準に回復した。
・12月の非農業部門雇用者数は前月比25.6万人の増加と、11月(同21.2万人増)から伸びが拡大した。一方、12月の失業率は4.1%と、11月から0.1%ポイント低下(改善)した。
・11月の実質個人消費は前月比+0.3%と10月の同+0.1%から伸びが加速し、7か月連続で増加した。
・FRBは12月のFOMCで0.25%の利下げを決定した。ただパウエル議長は会見で、「(利下げの)プロセスは新たな段階に入った」と明言。金融引き締めが大幅に緩められたとして「政策金利のさらなる調整を検討する際には、より慎重になることができる」と強調した。
- ・24年12月のISM(米供給管理協会)の製造業景況指数は49.3(11月は48.4)と2か月連続で上昇した。好不調の分かれ目となる50を9か月連続で下回ったものの、9か月ぶりの水準に回復した。
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2025-01-15
マクロ経済・金融市場調査
テーマレポート
テーマレポート : 2025年のドル・円レートの展望 北田英治
- 要約
- ・2025年のドル・円レートを展望すると、FRBの利下げ継続と日銀の利上げ継続を受けて、日米の金利差が縮小することが円買い・ドル売り要因となろう。ただ日米金利差の縮小ペースが緩やかであることから、円高・ドル安の進行も緩やかになると見込まれる。また実需面では、日本の貿易赤字の縮小が円高要因となる一方で、サービス収支赤字の拡大が円安要因になるとみられる。以上から、25年末のドル・円レートは1ドル=140円台半ば程度と予想する。なお、第2次トランプ政権の政策運営(追加関税の実施や不法移民の強制送還など)を受けて米国のインフレが再燃する場合にはFRBの利下げが停止となり、円売り・ドル買い圧力が高まる可能性がある点などには注意を要しよう。
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2025-01-16
マクロ経済・金融市場調査
景気観測
景気観測 : 景気観測(日本)2025年1月 個人消費は鈍い動きが続くも、企業の景況感は小幅に改善
- 要約
- ・日銀短観における企業の景況感は小幅に改善。ただし、2024年度下期は増収減益の計画。
・個人消費は7〜9月期を下回る水準で推移。実質賃金は4か月連続で前年割れに。
・短観の24年度の設備投資計画は2桁増を維持。機械投資の先行指標に回復の兆し。
・米FRBが慎重に利下げを進めるとの見方などから、円安・ドル高が進展。
- ・日銀短観における企業の景況感は小幅に改善。ただし、2024年度下期は増収減益の計画。
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2025-01-20
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
マーケット情報 : HRIマーケット情報(2025年1月20日)
- 要約
- ・先週は日銀の氷見野副総裁の会見などを受けて、日銀が翌週の決定会合で追加利上げを決めるとの思惑が広がり、日本の長期金利が一時大幅に上昇した。一方、米国では24年12月のCPIやウォラーFRB理事の発言などを受けて、FRBの追加利下げが遅れるとの過度な懸念が後退し、長期金利が大幅に低下した。米長期金利の低下を受けて米株式相場は上昇し、外為市場では円高ドル安が進んだ。円は一時1ドル=154円98銭と、およそ1か月ぶりの高値を付ける場面もあった。
・今週は、20日にトランプ米大統領の就任式、23〜24日に日銀の金融政策決定会合と重要なイベントが相次ぐ。市場では日銀の追加利上げ観測が高まっているものの、トランプ氏の就任演説によって金融市場が混乱すれば、日銀の利上げが先送りされる可能性もある。トランプ氏が就任後に打ち出す政策の内容が最大の注目点となろう。
- ・先週は日銀の氷見野副総裁の会見などを受けて、日銀が翌週の決定会合で追加利上げを決めるとの思惑が広がり、日本の長期金利が一時大幅に上昇した。一方、米国では24年12月のCPIやウォラーFRB理事の発言などを受けて、FRBの追加利下げが遅れるとの過度な懸念が後退し、長期金利が大幅に低下した。米長期金利の低下を受けて米株式相場は上昇し、外為市場では円高ドル安が進んだ。円は一時1ドル=154円98銭と、およそ1か月ぶりの高値を付ける場面もあった。
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2025-01-20
産業動向調査
産業マンスリー
産業マンスリー : 産業マンスリー 1月号
- 要約
- テクノロジー、自動車、外食、不動産、医療・介護、観光等の産業別の業況や今後の見通し、注目トピックスを解説。
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2025-01-27
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
マーケット情報 : HRIマーケット情報(2025年1月27日)
- 要約
- ・先週、日銀は金融政策決定会合で、追加利上げ(政策金利:無担保コール翌日物金利の誘導目標0.25%→0.50%)を決定し、政策金利を約17年ぶりの水準とした。また、来年度のCPI(前年比)見通しを大幅に引き上げて、更なる利上げを示唆した。これを受けて、国内金利は、特に中期債(2年債、5年債)を中心に大幅に上昇し、2008年以来の高水準に達した。一方で、米国ではトランプ大統領が就任即時の関税引き上げを見送ったことが安心感となり、世界的に株式市場が堅調な展開に。
・今週のFOMC(28-29日)では、政策金利の据え置きが見込まれ、焦点は今後の金融政策に対する考え方となろう。先週、トランプ大統領が原油価格の下落を条件に、FRBに利下げを求めると表明したこともあり、FOMC後のパウエル議長の発言に注目が集まる。
- ・先週、日銀は金融政策決定会合で、追加利上げ(政策金利:無担保コール翌日物金利の誘導目標0.25%→0.50%)を決定し、政策金利を約17年ぶりの水準とした。また、来年度のCPI(前年比)見通しを大幅に引き上げて、更なる利上げを示唆した。これを受けて、国内金利は、特に中期債(2年債、5年債)を中心に大幅に上昇し、2008年以来の高水準に達した。一方で、米国ではトランプ大統領が就任即時の関税引き上げを見送ったことが安心感となり、世界的に株式市場が堅調な展開に。
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2025-01-28
マクロ経済・金融市場調査
研究員コラム
研究員コラム : 日銀の植田総裁は今後も利上げを続ける方針を示す 北田英治
- 要約
- ・日銀は1月24日の金融政策決定会合で0.25%の追加利上げを決定した。植田総裁は会見で、今後の金融政策について「現在の実質金利が極めて低い水準にあることを踏まえ、経済物価の見通しが実現していけば、それに応じて政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していく」と述べ、今後も利上げを続ける方針を表明した。
・また、植田総裁は、景気を熱しも冷ましもしない中立金利について、日銀の分析例として「1~2.5%くらいの間で分布している」と言及し、「現在の政策金利が0.5%になったとしても(中立金利には)まだ相応の距離があるとみている」と述べた。中立金利の水準が何%なのかピンポイントでは分からないものの、最低でも1%程度であるのであれば、この先0.25%の利上げを少なくとも2回実施しても、日本経済全体への影響はあまり大きくないということになる。
・現時点で日銀の追加利上げの時期を予測することは難しいが、これまでの利上げのペースが維持されると想定すれば、次回の利上げ時期は早くて今年7月の決定会合となろう。7月の会合であれば、「経済・物価情勢の展望」も公表されることから、日銀の考え方をより丁寧に説明することも可能となる。
- ・日銀は1月24日の金融政策決定会合で0.25%の追加利上げを決定した。植田総裁は会見で、今後の金融政策について「現在の実質金利が極めて低い水準にあることを踏まえ、経済物価の見通しが実現していけば、それに応じて政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していく」と述べ、今後も利上げを続ける方針を表明した。
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2025-01-29
マクロ経済・金融市場調査
景気観測
景気観測 : 景気観測(中国)2025年1月 2024年10〜12月期の実質成長率は3期ぶりに上昇
- 要約
- ・輸出の持ち直しなどにより、10〜12月期の実質GDP(国内総生産)成長率は3期ぶりに上昇。
・もっとも、企業の労働需要は依然として停滞し、固定資産投資も伸び悩む状況。
・昨年終盤は生産が回復基調を辿ったものの、年明け後には企業の景況感が弱含む。
・政府による住宅在庫の買い取りの本格化を背景に、住宅市況には一部で底入れの動きが表れる。
- ・輸出の持ち直しなどにより、10〜12月期の実質GDP(国内総生産)成長率は3期ぶりに上昇。
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2025-02-03
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
マーケット情報 : HRIマーケット情報(2025年2月3日)
- 要約
- ・先週のFOMCでは4会合ぶりに政策金利の据え置きが決定され、会合後にはパウエルFRB議長が「政策スタンスの調整を急ぐ必要はない」と発言。市場の米金利は落ち着いた動きとなっているものの、「長めの利下げ停止期間に入ったか?」と見る市場参加者も。一方、日本では氷見野日銀副総裁が、中立金利の上振れに言及したことで、国内金利の利上げ到達点が切り上がる可能性が意識され、先高観が強まった。好調な米経済に加え、トランプ大統領による関税政策から連想されるインフレ懸念が、日米の長期金利を下がりにくい状況にしつつある。
・今週は、米国ではISM景況指数(3日:製造業、5日:非製造業)や雇用統計(7日)の発表に注目が集まる。また日本では10年国債入札(4日)で、需給の確認をしたい。トランプ大統領の関税政策を警戒しながら、神経質な展開が続く。
- ・先週のFOMCでは4会合ぶりに政策金利の据え置きが決定され、会合後にはパウエルFRB議長が「政策スタンスの調整を急ぐ必要はない」と発言。市場の米金利は落ち着いた動きとなっているものの、「長めの利下げ停止期間に入ったか?」と見る市場参加者も。一方、日本では氷見野日銀副総裁が、中立金利の上振れに言及したことで、国内金利の利上げ到達点が切り上がる可能性が意識され、先高観が強まった。好調な米経済に加え、トランプ大統領による関税政策から連想されるインフレ懸念が、日米の長期金利を下がりにくい状況にしつつある。
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2025-02-05
神奈川・地域経済調査
景気観測
景気観測 : 景気観測(神奈川)2025年2月 物価高の影響が再び強まり県内景気は横ばい圏内の動き
- 要約
- ・輸出については、財輸出が弱い動きになっている。インバウンド消費も、増勢は鈍化傾向。
・11月の県内製造業の生産活動は上昇した。ただ、基調としては横ばい圏内と判断する。
・11月の雇用情勢は横ばい圏内で推移。一方、物価高の長期化で実質賃金(家計の購買力)は前年割れが続いた。
・12月の個人消費については、物価高の影響が再び強まる中、単月では百貨店・スーパーの販売額が減少した。他方、サービス消費は宴会需要の増加といった季節性の消費が下支えした模様。
- ・輸出については、財輸出が弱い動きになっている。インバウンド消費も、増勢は鈍化傾向。
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2025-02-10
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
マーケット情報 : HRIマーケット情報(2025年2月10日)
- 要約
- ・先週は、日銀の追加利上げ観測が高まり、国内金利は上昇。10年国債利回りは週末7日に1.300%と13年10か月ぶりの高水準をつけた。外為市場では、トランプ米大統領による追加関税が警戒されて投資家のリスク回避姿勢が強まり、低リスク通貨とされる円が買われた。また日銀の追加利上げ観測も円相場を押し上げ、7日には一時1ドル=150円93銭と、円は昨年12月上旬以来の高値を付けた。日経平均株価はトランプ政権の追加関税への警戒や円高・ドル安を受けて、大幅に下落した。
・今週は、米国への対抗措置として、中国が10日に米国産品に追加関税を課す。米中両首脳の協議が進展しない場合には、投資家のリスク回避姿勢が強まり、日本株に悪影響を及ぼそう。また外為市場においても、トランプ米政権の関税政策を巡る不透明感を背景に、低リスク通貨とされる円が買われやすい状況が続くと予想される。
- ・先週は、日銀の追加利上げ観測が高まり、国内金利は上昇。10年国債利回りは週末7日に1.300%と13年10か月ぶりの高水準をつけた。外為市場では、トランプ米大統領による追加関税が警戒されて投資家のリスク回避姿勢が強まり、低リスク通貨とされる円が買われた。また日銀の追加利上げ観測も円相場を押し上げ、7日には一時1ドル=150円93銭と、円は昨年12月上旬以来の高値を付けた。日経平均株価はトランプ政権の追加関税への警戒や円高・ドル安を受けて、大幅に下落した。
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2025-02-10
マクロ経済・金融市場調査
景気観測
景気観測 : 景気観測(欧州)2025年2月 24年10〜12月期のユーロ圏経済はゼロ成長。ドイツとフランスはマイナス成長
- 要約
- ・2024年10〜12月期のユーロ圏実質GDP(域内総生産)は前期比+0.0%と、7〜9月期の同+0.4%から大幅に減速した。
・25年1月のユーロ圏の総合PMI(購買担当者景気指数)は50.2と前月(49.6)から上昇し、好不況の目安である50を3か月ぶりに上回った。
・1月のユーロ圏消費者物価指数は前年比+2.5%と、4か月連続で伸びが加速した。一方、エネルギーや食品などを除いたコア指数は同+2.7%と、5か月連続で同じ伸びとなった。
・欧州中央銀行(ECB)は1月30日の理事会で、主要政策金利の中銀預金金利を3.0%から2.75%に引き下げることを決めた。利下げは昨年9月から4会合連続で、今回の利下げ局面では5回目。
- ・2024年10〜12月期のユーロ圏実質GDP(域内総生産)は前期比+0.0%と、7〜9月期の同+0.4%から大幅に減速した。
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2025-02-10
マクロ経済・金融市場調査
景気観測
景気観測 : 景気観測(米国)2025年2月 24年10〜12月期の実質GDP成長率は減速したものの、個人消費が引き続き景気を下支え
- 要約
- ・24年10~12月期の米国の実質GDP(国内総生産)は前期比年率+2.3%と、7~9月期の同+3.1%から減速した。ただ、国内民間最終需要は同+3.2%と堅調に推移しており、景気の基調はしっかりしていると判断できる。
・25年1月のISM(米供給管理協会)の製造業景況指数は50.9(24年12月は49.2)と3か月連続で上昇した。好不調の分かれ目となる50を上回るのは22年10月以来。
・1月の非農業部門雇用者数は前月比14.3万人の増加と、24年12月(同30.7万人増)から伸びが鈍化した。ただ、直近3か月間をみると月平均で23.7万人増加しており、労働市場は底堅く推移している。
・FRBは1月のFOMCで政策金利の据え置きを決めた。パウエル議長は会見で「経済は好調さを維持しており、政策スタンスの調整を急ぐ必要はない」と述べた。
- ・24年10~12月期の米国の実質GDP(国内総生産)は前期比年率+2.3%と、7~9月期の同+3.1%から減速した。ただ、国内民間最終需要は同+3.2%と堅調に推移しており、景気の基調はしっかりしていると判断できる。
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2025-02-12
マクロ経済・金融市場調査
景気観測
景気観測 : 景気観測(日本)2025年2月 個人消費が伸び悩んでおり、景気は回復の動きが鈍い
- 要約
- ・実質賃金は11、12月に前年水準を上回ったものの、10〜12月期の個人消費は弱含んだ。
・機械投資の先行指標が上向き、建設投資の先行指標にも下げ止まりの動きがみられる。
・輸出は10〜12月期に3期ぶりに減少。12月の訪日外客数(インバウンド)は単月で過去最高水準。
・日銀は1月会合で政策金利を引き上げ。日銀の追加利上げ観測などから円高・ドル安が進む。
- ・実質賃金は11、12月に前年水準を上回ったものの、10〜12月期の個人消費は弱含んだ。
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2025-02-17
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
マーケット情報 : HRIマーケット情報(2025年2月17日)
- 要約
- ・先週は、注目された1月の米CPIが市場予想を上回ったことから、FRBの早期利下げ観測が一段と後退し、米長期金利が上昇したため、1ドル=154円台後半までドルが買われる場面があった。また日銀による早期利上げが意識される中で、米長期金利が上昇したこともあり、日本の10年国債利回りは一時1.370%と14年10か月ぶりの高水準をつけた。日経平均株価は米国株の上昇や円安ドル高を受けて、3週ぶりに上昇した。
・今週は、19日に予定されている日銀の高田審議委員の講演が注目される。タカ派的だった田村審議委員の講演(6日)をなぞるような内容となれば、再び円買い圧力が高まろう。ただ、トランプ政権の関税政策には要注意。関税が過激になれば、米インフレの再加速でFRBの利下げが困難になるとの連想からドルが買われる可能性もある。
- ・先週は、注目された1月の米CPIが市場予想を上回ったことから、FRBの早期利下げ観測が一段と後退し、米長期金利が上昇したため、1ドル=154円台後半までドルが買われる場面があった。また日銀による早期利上げが意識される中で、米長期金利が上昇したこともあり、日本の10年国債利回りは一時1.370%と14年10か月ぶりの高水準をつけた。日経平均株価は米国株の上昇や円安ドル高を受けて、3週ぶりに上昇した。
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2025-02-17
産業動向調査
産業マンスリー
産業マンスリー : 産業マンスリー 2月号
- 要約
- テクノロジー、自動車、外食、不動産、医療・介護、観光等の産業別の業況や今後の見通し、注目トピックスを解説。
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2025-02-21
マクロ経済・金融市場調査
テーマレポート
テーマレポート : 2025・26年度の景気予測(2025年2月改訂) マクロ経済調査チーム
- 要約
- 25年度の日本経済は緩やかな回復が続くだろう。年度後半には実質賃金が前年水準を上回り、個人消費の伸びがいくぶん高まると予測した。米中間の貿易摩擦が強まることで中国景気が減速することなどにより、輸出の伸びは小幅にとどまると見込んだ。他方、企業収益が高水準で推移する中で、設備投資は増加が続くだろう。25年度の実質GDPは前年比+1.0%になると予測した。
26年度の日本経済も緩やかな成長が続くだろう。実質賃金が前年水準を小幅に上回って推移する中で、個人消費は小幅な増加が続くと見込まれる。米国経済が底堅く推移する下で対米輸出が増加基調で推移し、輸出全体としては緩やかに増加すると想定した。設備投資については、高水準の企業収益などを支えに、引き続き増加基調で推移すると見込んだ。26年度の実質GDPは前年比+0.9%になると予測した。
- 25年度の日本経済は緩やかな回復が続くだろう。年度後半には実質賃金が前年水準を上回り、個人消費の伸びがいくぶん高まると予測した。米中間の貿易摩擦が強まることで中国景気が減速することなどにより、輸出の伸びは小幅にとどまると見込んだ。他方、企業収益が高水準で推移する中で、設備投資は増加が続くだろう。25年度の実質GDPは前年比+1.0%になると予測した。
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2025-02-25
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
マーケット情報 : HRIマーケット情報(2025年2月25日)
- 要約
- ・先週、ドル円は一時148円85銭まで大幅な円高が進んだ。米関税政策やウクライナ停戦交渉の不透明感によるリスク回避の円買いや、日銀の追加利上げ観測が円買い材料となった。国内金利は大幅に上昇したが、週末に植田日銀総裁の金利上昇を牽制する発言を受け、上昇に一服感も。日経平均は、円高や米関税懸念が足枷となり上値が重く小幅下落した。
・FRBは政策金利維持の方針を示す一方、日銀の追加利上げ観測が強まり、円買い材料が多く、今週もドル円は円高基調が続く可能性が高い。国内金利は、長期金利の上昇が一服し、もみ合いの展開か。日経平均は、円高や米関税懸念が重しとなり、上値の重い展開となろう。注目の経済指標としては、28日の東京都区部CPI(2月)や米PCE物価指数(1月)。また、株式市場では、米エヌビディア決算発表(27日)に期待が集まる。
- ・先週、ドル円は一時148円85銭まで大幅な円高が進んだ。米関税政策やウクライナ停戦交渉の不透明感によるリスク回避の円買いや、日銀の追加利上げ観測が円買い材料となった。国内金利は大幅に上昇したが、週末に植田日銀総裁の金利上昇を牽制する発言を受け、上昇に一服感も。日経平均は、円高や米関税懸念が足枷となり上値が重く小幅下落した。
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2025-02-25
マクロ経済・金融市場調査
テーマレポート
テーマレポート : 2025年の中国の不動産市場は底入れへ 白鳳翔
- 要約
- ・中国の不動産市場は2021年に急激に落ち込み、それ以降も低迷している。ただ、24年末から25年初頭にかけて、不動産市場の動向を示す指標の一部で悪化に歯止めがかかり始めた。
・中国の不動産市場が2021年以降に低迷したのは、中国政府がそれ以前の不動産価格の高騰を抑えるために、20年から21年にかけて不動産関連の規制を強化したためである。その後、不動産市場の低迷を受けて、習体制は22年に不動産市場の回復に向けた支援を開始し、以降も数次に渡って支援策を強化してきた。24年も1月と5月、10月の3回に渡って支援策を強化している。25年についても、習体制は不動産市場に対する大規模な支援策を継続する方針である。
・2025年には、不動産市場に対する大規模な支援の効果で、住宅販売が緩やかに上向き、住宅価格も徐々に持ち直すと予想される。ただ、26年も中国の不動産市場が順調に回復していくためには、中国政府が不動産市場に対する強力な支援を続けることが必要だと考える。
- ・中国の不動産市場は2021年に急激に落ち込み、それ以降も低迷している。ただ、24年末から25年初頭にかけて、不動産市場の動向を示す指標の一部で悪化に歯止めがかかり始めた。
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2025-02-28
マクロ経済・金融市場調査
景気観測
景気観測 : 景気観測(中国)2025年2月 景気回復の動きは鈍い
- 要約
- ・春節期間の国内商戦は盛り上がりを欠き、消費者物価も低い伸びで推移。
・新車販売は減少し、自動車販売会社の在庫過剰感も強まる。
・住宅価格は、住宅在庫の買い取りを積極化している都市を中心に、底入れの動きがみられる。
・元安圧力が強い中、金融当局は追加の金融緩和には踏み込みにくい状況。
- ・春節期間の国内商戦は盛り上がりを欠き、消費者物価も低い伸びで推移。
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2025-03-03
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
マーケット情報 : HRIマーケット情報(2025年3月3日)
- 要約
- ・先週は、25日に米消費者心理の悪化を示す指標の発表を受けて、米長期金利が大幅に低下し、ドル売りが優勢となった。一時1ドル=148円57銭と約4か月半ぶりの円高・ドル安水準を付ける場面もあった。しかし27日には、米長期金利の低下が一服したことを受けて日米金利差の縮小観測が後退し、ドルが買い戻された。一方、日経平均株価は米ハイテク株安やトランプ政権の関税政策などが警戒されて大幅に下落し、週末28日には約5か月ぶりの安値で引けた。
・今週は米国で2月のISM景況指数(3日:製造業、5日:非製造業)や雇用統計(7日)など重要な経済指標が相次いで発表される。このところ米景気の減速懸念が広がっているだけに、これらの指標が弱い内容となれば、市場は素直に米株安、米長期金利低下、ドル安で反応しよう。5日に予定されている日銀の内田副総裁の講演も注目材料。
- ・先週は、25日に米消費者心理の悪化を示す指標の発表を受けて、米長期金利が大幅に低下し、ドル売りが優勢となった。一時1ドル=148円57銭と約4か月半ぶりの円高・ドル安水準を付ける場面もあった。しかし27日には、米長期金利の低下が一服したことを受けて日米金利差の縮小観測が後退し、ドルが買い戻された。一方、日経平均株価は米ハイテク株安やトランプ政権の関税政策などが警戒されて大幅に下落し、週末28日には約5か月ぶりの安値で引けた。
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2025-03-07
神奈川・地域経済調査
景気観測
景気観測 : 景気観測(神奈川)2025年3月 物価高などが重荷になり、県内景気は横ばいの動きが続く
- 要約
- ・財輸出については、1月単月では上向いたものの、基調としては弱めの動き。インバウンド消費は高水準ながらも、伸びの鈍化が鮮明に。
・12月の県内製造業の生産活動は低下したものの、基調としては横ばい圏内と判断。
・1月の県内雇用情勢に大きな変化はなかった。12月の実質賃金(家計の購買力)については、なお前年割れが続くものの、マイナス幅が縮小した。
・1月の個人消費については、物価高の影響が財消費、サービス消費の双方の重荷となっている。
- ・財輸出については、1月単月では上向いたものの、基調としては弱めの動き。インバウンド消費は高水準ながらも、伸びの鈍化が鮮明に。
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2025-03-10
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
マーケット情報 : HRIマーケット情報(2025年3月10日)
- 要約
- ・先週は、トランプ米大統領の日々変化する関税政策に対する発言が市場を揺るがす中、米インフレ圧力の低下や景気減速感の高まりを受けて、米国では株式が大幅に下落。一方、日本では、混沌とするウクライナ支援問題を受けて高まる地政学リスクが安全資産としての円買いを支える中、公表された今年の春闘の高い賃上げ要求を受けて、日銀の追加利上げ観測がさらに円高圧力となり、日本株も上値の重い状況に。
・今週も、トランプ政権の関税政策やウクライナ支援問題を背景に、予断を許さない状況が続く。市場はグローバルに不安定な展開が想定される中、イベントとしては、米国では物価関連指標(12日:CPI、13日:PPI)の発表が、また日本では新発国債入札(10日:5年、12日:20年)が注目される。
- ・先週は、トランプ米大統領の日々変化する関税政策に対する発言が市場を揺るがす中、米インフレ圧力の低下や景気減速感の高まりを受けて、米国では株式が大幅に下落。一方、日本では、混沌とするウクライナ支援問題を受けて高まる地政学リスクが安全資産としての円買いを支える中、公表された今年の春闘の高い賃上げ要求を受けて、日銀の追加利上げ観測がさらに円高圧力となり、日本株も上値の重い状況に。
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2025-03-10
マクロ経済・金融市場調査
景気観測
景気観測 : 景気観測(欧州)2025年3月 2月のユーロ圏総合PMIは2か月連続で節目の50を上回る
- 要約
- ・25年2月のユーロ圏の総合PMI(購買担当者景気指数)は50.2(前月も50.2)と、好不況の目安である50を2か月連続で上回った。
・2月のユーロ圏消費者物価指数は前年比+2.4%と、前月(同+2.5%)から伸びが鈍化した。また、エネルギー、食品、アルコール、たばこを除くコア指数も同+2.6%と伸びが鈍化した。
・欧州中央銀行(ECB)は3月6日の理事会で、主要政策金利の中銀預金金利を2.75%から2.5%に引き下げることを決めた。利下げは昨年9月から5会合連続で、今回の利下げ局面では6回目。
- ・25年2月のユーロ圏の総合PMI(購買担当者景気指数)は50.2(前月も50.2)と、好不況の目安である50を2か月連続で上回った。
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2025-03-10
マクロ経済・金融市場調査
景気観測
景気観測 : 景気観測(米国)2025年3月 年明け後の米景気に減速の兆し
- 要約
- ・25年2月のISM(米供給管理協会)の製造業景況指数は50.3と前月(50.9)から低下した。一方、2月の非製造業景況指数は53.5と前月の52.8から上昇した。
・2月の非農業部門雇用者数は前月比15.1万人の増加と、1月(同12.5万人増)から伸びがやや高まった。ただ、年明け後の雇用者数の伸びは平均で月13.8万人増となり、24年10〜12月期の月平均20.9万人増から減速している。
・1月の実質個人消費は前月比-0.5%(24年12月は同+0.5%)と、1年ぶりに減少した。
- ・25年2月のISM(米供給管理協会)の製造業景況指数は50.3と前月(50.9)から低下した。一方、2月の非製造業景況指数は53.5と前月の52.8から上昇した。
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2025-03-12
マクロ経済・金融市場調査
テーマレポート
テーマレポート : 2025・26年度の景気予測(2024年10〜12月期2次QE後改訂) 小泉司
- 要約
- ・2024年10〜12月期の実質GDP(国内総生産)の2次速報値(2次QE)は前期比+0.6%と、1次QEから小幅に下方改定された。
・今回の2次QEを受けて、2024年度と25年度の実質GDP成長率を前回2月予測から小幅に下方修正し、26年度を据え置いた。もっとも、24、25年度の見通しを下方修正したのは、24年10〜12月期の実質GDP成長率の下方改定が主因であり、予測のシナリオに変更はない。
- ・2024年10〜12月期の実質GDP(国内総生産)の2次速報値(2次QE)は前期比+0.6%と、1次QEから小幅に下方改定された。
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2025-03-14
マクロ経済・金融市場調査
景気観測
景気観測 : 景気観測(日本)2025年3月 個人消費の伸び悩みなどにより、景気は回復の動きが鈍い
- 要約
- ・個人消費は鈍い動き。実質賃金が再び前年割れに転じ、消費マインドは引き続き弱含んでいる。
・10〜12月期の経常利益は増益に転じるも、設備投資の先行指標は増勢に力強さを欠く。
・1月の輸出は2か月ぶりに減少。一方、同月の訪日外客数は過去最高水準を更新。
・日銀による早期利上げ観測の高まりなどにより、為替相場は円高・ドル安傾向。
- ・個人消費は鈍い動き。実質賃金が再び前年割れに転じ、消費マインドは引き続き弱含んでいる。
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2025-03-17
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
マーケット情報 : HRIマーケット情報(2025年3月17日)
- 要約
- ・先週は、トランプ米大統領による関税政策の不透明感や、貿易摩擦の激化による米景気悪化への懸念から、米国株が大幅に下落した。米株安を受けて日経平均も一時大きく下落したが、売り一巡後は自律反発狙いの買いなどが入り、週間ベースではやや上昇した。一方、外為市場では、米景気への懸念から「低リスク通貨」とされる円が買われ、11日には一時1ドル=146円54銭と、5か月ぶりの円高ドル安となる場面もあった。ただその後は持ち高調整の円売りドル買いが優勢となった。
・今週も米国の関税政策の動向には要注意。また、18~19日には日米で金融政策を決める重要な会合が開催される。日銀もFRBも政策金利の据え置きが見込まれる中で、植田日銀総裁やパウエルFRB議長が足元の景気や物価をどのように判断しているのかが注目される。
- ・先週は、トランプ米大統領による関税政策の不透明感や、貿易摩擦の激化による米景気悪化への懸念から、米国株が大幅に下落した。米株安を受けて日経平均も一時大きく下落したが、売り一巡後は自律反発狙いの買いなどが入り、週間ベースではやや上昇した。一方、外為市場では、米景気への懸念から「低リスク通貨」とされる円が買われ、11日には一時1ドル=146円54銭と、5か月ぶりの円高ドル安となる場面もあった。ただその後は持ち高調整の円売りドル買いが優勢となった。
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2025-03-17
産業動向調査
産業マンスリー
産業マンスリー : 産業マンスリー 3月号
- 要約
- テクノロジー、自動車、外食、不動産、医療・介護、観光等の産業別の業況や今後の見通し、注目トピックスを解説。
- テクノロジー、自動車、外食、不動産、医療・介護、観光等の産業別の業況や今後の見通し、注目トピックスを解説。
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2025-03-21
マクロ経済・金融市場調査
景気観測
景気観測 : 景気観測(中国)2025年3月 景気回復の動きは依然として鈍い
- 要約
- ・個人消費や固定資産投資には底入れの動きがみられるものの、輸出の増勢は大幅に鈍化。
・外需の不振により、生産は減速し、鉱工業製品販売率も大幅に低下。
・住宅販売が再び減少するなど、住宅市況には弱含みの動きがみられる。
・習体制は、全人代で内需拡大や不動産支援に向けた財政資金を拡大する方針を明らかに。
- ・個人消費や固定資産投資には底入れの動きがみられるものの、輸出の増勢は大幅に鈍化。
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2025-03-21
マクロ経済・金融市場調査
研究員コラム
研究員コラム : 「5%前後」の成長目標を掲げた習体制の意図 白鳳翔
- 要約
- ・習体制が2025年の実質GDP(国内総生産)成長率の年間目標を2024年と同水準の「5%前後」に設定したが、この「5%前後」の成長率目標を実現するには、ハードルが非常に高いと考えられる。
・まず、最大の要因は、2024年に中国経済を下支えしていた輸出が、2025年には一転して、経済成長の足かせとなる可能性が高いことである。次に、不動産
市場が依然として不安定である点が挙げられる。
・この状況下で、習体制があえて2025年の経済成長率目標を2024年と同じ「5%前後」に掲げた理由は、過度な人民元安を阻止するためだと考える。
・今後、習体制が過度な人民元安を阻止するためには、5%を大きく下回るような景気減速を回避しなければならず、景気対策を強化する必要があろう。
- ・習体制が2025年の実質GDP(国内総生産)成長率の年間目標を2024年と同水準の「5%前後」に設定したが、この「5%前後」の成長率目標を実現するには、ハードルが非常に高いと考えられる。
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2025-03-24
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
マーケット情報 : HRIマーケット情報(2025年3月24日)
- 要約
- ・先週、ドル円は日銀決定会合後の植田総裁のタカ派発言や、FRBが年内2回の利下げ見通しを維持したことで、円買いが進む場面もあったが、その後持ち高調整の円売りが優勢となり円安が進展。国内金利は、週前半に米金利低下を受けて低下したが、日銀総裁の発言やCPIの上振れにより週後半は上昇した。日経平均は米株高やバフェット氏の商社株買い増し報道を受け買われ、一時3万8千円を超える場面もあったが、戻り売りに上値を抑えられ週後半は小幅続落した。
・今週の各種市場は、もみ合いが予想される。ドル円は円高基調ながら米長期金利の高止まりや円買いポジションの調整が円の上値を抑える要因となろう。国内金利は、日銀の利上げ観測が金利上昇圧力となるも、来年度を見据えた機関投資家の債券買いも見込まれ一進一退か。そして株式市場は、米国の相互関税が予定されている4月2日までは、動きづらいとの見方が大勢。その前に、今週は各種経済指標で米国経済の状況を確認しておきたい。
- ・先週、ドル円は日銀決定会合後の植田総裁のタカ派発言や、FRBが年内2回の利下げ見通しを維持したことで、円買いが進む場面もあったが、その後持ち高調整の円売りが優勢となり円安が進展。国内金利は、週前半に米金利低下を受けて低下したが、日銀総裁の発言やCPIの上振れにより週後半は上昇した。日経平均は米株高やバフェット氏の商社株買い増し報道を受け買われ、一時3万8千円を超える場面もあったが、戻り売りに上値を抑えられ週後半は小幅続落した。
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2025-03-27
マクロ経済・金融市場調査
研究員コラム
研究員コラム : 広がるミドル層の転職〜賃金の伸び悩みと人手不足がミドル層の転職を後押し〜 井町淳哉
- 要約
- ・近年、正社員の転職が増加している。2024年には転職者数が99万人に達し、過去最多を記録した。この中でも特に、ミドル層(35〜54歳)の増加が顕著で、前年比で6万人増加している。
・ミドル層の転職活動が活発化している背景を、労働者側の視点と企業側の視点から考えてみる。まず、労働者側の視点では、現職の賃金に対する不満と、転職後の賃金上昇への期待が転職意欲を押し上げていると考えられる。
・一方、企業側の視点では、深刻な人手不足が続く中で、即戦力となるミドル層の採用ニーズが高まっていることが考えられる。
・今後もミドル層の転職者数は増加すると予想される。その理由として、転職希望者の数が実際の転職者数を大きく上回っていることなどがある。
- ・近年、正社員の転職が増加している。2024年には転職者数が99万人に達し、過去最多を記録した。この中でも特に、ミドル層(35〜54歳)の増加が顕著で、前年比で6万人増加している。
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2025-03-31
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
マーケット情報 : HRIマーケット情報(2025年3月31日)
- 要約
- ・先週の金融市場は、為替・金利・株式ともに不安定な動きとなった。ドル円は乱高下しながら小幅に円安ドル高が進み、国内金利は米金利上昇や日銀の利上げ継続観測を背景に、約16年半ぶりの高水準まで大幅に上昇するも、週末には株安を受けて急低下。株式市場では、日経平均が週前半に3万8千円台を回復するも、週末には米国の追加関税の報道や配当権利落ちの影響で急落し、前週末比下落で終了。
・今週の金融市場も、方向感が定まらず不安定な展開が予想される。4月2日に詳細が判明する予定の米政府による相互関税の詳細に注目が集まるが、為替市場では「ドル買いorドル売り」どちらの材料ともなり得る状況。また、株式市場では下落リスクがあるものの、事前の織り込みや関税規模縮小の可能性を踏まえ、反発の余地も残っている。国内金利は、日銀の追加利上げ観測と、機関投資家の期初の買いにより、需給バランスが拮抗か。
- ・先週の金融市場は、為替・金利・株式ともに不安定な動きとなった。ドル円は乱高下しながら小幅に円安ドル高が進み、国内金利は米金利上昇や日銀の利上げ継続観測を背景に、約16年半ぶりの高水準まで大幅に上昇するも、週末には株安を受けて急低下。株式市場では、日経平均が週前半に3万8千円台を回復するも、週末には米国の追加関税の報道や配当権利落ちの影響で急落し、前週末比下落で終了。
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2025-03-31
神奈川・地域経済調査マクロ経済・金融市場調査
研究員コラム
研究員コラム : トランプ米大統領による自動車関税引き上げの影響−日本経済、神奈川県経済の景気後退リスクが高まる− 白須光樹
- 要約
- ・トランプ米大統領は、2025年4月3日に米国の自動車関税を引き上げる見通しである。
・日本経済と神奈川県経済への影響を試算したところ、成長率は-0.1%強下押しされるとの結果が得られた。
・米国政府が既に発動している関税の影響や、今後さらに関税を引き上げる品目が広がると予想されることを踏まえると、景気後退リスクが高まっていると言えるのではないか。
- ・トランプ米大統領は、2025年4月3日に米国の自動車関税を引き上げる見通しである。
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2025-04-01
マクロ経済・金融市場調査
研究員コラム
研究員コラム : 「日銀短観」は日銀の早期利上げの背中を押せず 北田英治
- 要約
- ・「日銀短観(2025年3月調査)」によると、大企業・製造業の業況判断DIは+12となり、前回調査比2ポイント低下した。製造業のDIの悪化は4四半期ぶりである。米国のトランプ政権による追加関税導入を受けて、鉄鋼などの業種で景況感が悪化した。
・また、25年度の企業の設備投資計画(含むソフトウエア、研究開発)は、全規模・全産業ベースで前年比+2.2%と、前年同時期の24年度計画(同+4.5%)に比べて伸びが大幅に縮小した。米トランプ関税の導入などによって先行きの不透明感が強まる中で、企業が設備投資に対してやや慎重になっている可能性がある。
・一方、今回の日銀短観では、企業のインフレ予想の上昇や、企業の値上げ継続の意向が示された。この点は、日銀の追加利上げにとってプラスの要因となろう。ただ製造業の景況感悪化や、企業の設備投資の慎重化を踏まえると、今回の日銀短観が日銀の早期利上げの背中を強く押したとは言えないと考えられる。筆者は従前より、日銀の次の利上げ時期は今年7月の会合の可能性が高いと予想している。現時点では、その見通しを維持したい。
- ・「日銀短観(2025年3月調査)」によると、大企業・製造業の業況判断DIは+12となり、前回調査比2ポイント低下した。製造業のDIの悪化は4四半期ぶりである。米国のトランプ政権による追加関税導入を受けて、鉄鋼などの業種で景況感が悪化した。
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2025-04-04
神奈川・地域経済調査
景気観測
景気観測 : 景気観測(神奈川)2025年4月 足元の県内景気は横ばいも、先行きの不透明感が高まる
- 要約
- ・2月の財輸出は急増。米追加関税発動前の駆け込み需要が発現した模様。インバウンド消費は高水準ながらも、伸び悩んでいる。
・県内企業の設備投資は2025年度も前年比増加の見込み。ただし、業種別では、製造業が増加の見込みである一方、非製造業は減少の計画となっている。
・1月の実質賃金(家計の購買力)については、前年割れが続いている。
・2月の個人消費は、横ばい圏内の動き。食料品価格の高騰が消費の重荷となっている。
- ・2月の財輸出は急増。米追加関税発動前の駆け込み需要が発現した模様。インバウンド消費は高水準ながらも、伸び悩んでいる。
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2025-04-04
神奈川・地域経済調査マクロ経済・金融市場調査
研究員コラム
研究員コラム : トランプ米大統領による相互関税の影響−日本経済、神奈川県経済の景気後退リスクが一層高まる− 白須光樹
- 要約
- ・トランプ米大統領は2025年4月9日(米国東部夏時間)に相互関税を導入する予定であることを発表した。
・米相互関税の経済への直接的な影響について試算したところ、全国、神奈川県ともに、実質経済成長率が-0.3%前後下押しされるとの結果が得られた。
・関税発動を前に、足元では米国の消費者などによる駆け込み需要が発生している模様で、神奈川県を含む日本からの米国向けの輸出が2月に急増している。この先1年程度の景気を考える上では、世界貿易の縮小を通じた世界経済減速の影響にも警戒が必要であり、全国、神奈川県ともに景気後退リスクが一層高まっている。
- ・トランプ米大統領は2025年4月9日(米国東部夏時間)に相互関税を導入する予定であることを発表した。
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2025-04-07
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
マーケット情報 : HRIマーケット情報(2025年4月7日)
- 要約
- ・トランプ米大統領による、市場の想定を超えた「相互関税」の衝撃が、世界をリスクオフの渦に巻き込んでいる。先週、日米の主要株式指数は、総じて8~9%下落し、6~10か月前の水準まで戻ってしまった。一方、長期金利は米国で約0.26%低下し、日本に至っては約0.35%と大幅に低下した。4月早々に、投資家は各種投資計画の見直しを余儀なくされている。
・今週の市場も、世界的な景気後退懸念やスタグフレーション警戒からリスクオフの展開が持続しよう。当面のテーマとなった関税問題は、トランプ大統領が「相互関税に関しては、米政府は協議の扉を開けている」と言っていることから、ここからは政府間協議に注目が集まる。また、米株のVIX指数(恐怖指数:Volatility Index)が40を超えるなど、各種市場で行き過ぎとのサインも出始めており、不安定ながらも反転の機会を探る週となろう。
- ・トランプ米大統領による、市場の想定を超えた「相互関税」の衝撃が、世界をリスクオフの渦に巻き込んでいる。先週、日米の主要株式指数は、総じて8~9%下落し、6~10か月前の水準まで戻ってしまった。一方、長期金利は米国で約0.26%低下し、日本に至っては約0.35%と大幅に低下した。4月早々に、投資家は各種投資計画の見直しを余儀なくされている。
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2025-04-08
マクロ経済・金融市場調査
景気観測
景気観測 : 景気観測(欧州)2025年4月 ユーロ圏企業の景況感に改善の動き
- 要約
- ・25年3月のユーロ圏の総合PMI(購買担当者景気指数)は50.9(前月は50.2)と、好不況の目安である50を3か月連続で上回った。業種別には、製造業が3か月連続で改善するとともに、サービス業が3か月ぶりに改善した。
・3月のユーロ圏消費者物価指数は前年比+2.2%と、前月(同+2.3%)から伸びが鈍化した。また、エネルギー、食品、アルコール、たばこを除くコア指数も同+2.4%(前月は同+2.6%)と伸びが鈍化した。
・2月のユーロ圏小売売上高指数は前月比+0.3%と5か月ぶりに上昇した。
- ・25年3月のユーロ圏の総合PMI(購買担当者景気指数)は50.9(前月は50.2)と、好不況の目安である50を3か月連続で上回った。業種別には、製造業が3か月連続で改善するとともに、サービス業が3か月ぶりに改善した。
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2025-04-08
マクロ経済・金融市場調査
景気観測
景気観測 : 景気観測(米国)2025年4月 景気が減速する一方で、人々のインフレ期待が高まる
- 要約
- ・25年3月のISM(米供給管理協会)の製造業景況指数は49.0と前月(50.3)から低下し、好不調の分かれ目となる50を3か月ぶりに下回った。また3月の非製造業景況指数は50.8と前月の53.5から大幅に低下し、24年6月以来、9か月ぶりの低水準となった。
・3月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数は前月比22.8万人の増加と、2月(同11.7万人増)から伸びが高まった。米トランプ政権による大規模な関税措置の影響が出始める前の時点において、労働市場が底堅かったことが示された。
・2月の実質個人消費は前月比+0.1%と増加に転じたものの、前月(同-0.6%)の大幅な落ち込みに比べると戻りは限定的となった。
- ・25年3月のISM(米供給管理協会)の製造業景況指数は49.0と前月(50.3)から低下し、好不調の分かれ目となる50を3か月ぶりに下回った。また3月の非製造業景況指数は50.8と前月の53.5から大幅に低下し、24年6月以来、9か月ぶりの低水準となった。
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2025-04-09
神奈川・地域経済調査マクロ経済・金融市場調査
研究員コラム
研究員コラム : 米相互関税の影響が大きいと予想される業種で株価が急落 白須光樹
- 要約
- ・米相互関税発表後、世界的に株価が急落している。
・株価の動向を詳しくみると、日本株においては、米相互関税の影響が大きいと予想される輸送用機器や機械といった業種で株価が軟調である。
・既に2025年3月の日本銀行「短観」において、米相互関税の影響が大きいと予想される業種では、先行きの業況の見通しや業績計画が弱含んでいた。4月の米相互関税の影響を織り込んで、企業から一段と厳しい業績見通しが発表され、株価の調整が長期化するリスクに注意が必要である。
- ・米相互関税発表後、世界的に株価が急落している。
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2025-04-09
マクロ経済・金融市場調査
景気観測
景気観測 : 景気観測(日本)2025年4月 企業の景況感は良好ながら、景気の先行きには不透明感も
- 要約
- ・日銀短観における企業の景況感は横ばい。先行きは小幅な悪化を見込むものの、トランプ米大統領が公表した「相互関税」の影響を織り込んでおらず、見通し以上に悪化する可能性も。
・個人消費の基調は鈍い動きになっている。春闘賃上げ率は昨年を上回る高い伸びに。
・短観の25年度の設備投資計画は慎重なスタート。機械投資の先行指標は増勢が鈍化。
・米国の「相互関税」の公表を受けて、日経平均株価は急落し、円高・ドル安が進展。
- ・日銀短観における企業の景況感は横ばい。先行きは小幅な悪化を見込むものの、トランプ米大統領が公表した「相互関税」の影響を織り込んでおらず、見通し以上に悪化する可能性も。
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2025-04-11
産業動向調査
研究員コラム
研究員コラム : 米国による自動車追加関税の影響と各メーカーの動向 奥山要一郎
- 要約
- ・米国による輸入自動車に対する25%の追加関税が4月2日に発動された。
・米国新車市場の49%が輸入車。トヨタは米国販売の23%を日本から輸入しており、各社で関税負担の懸念が高まっている。
・今回の追加関税額は大手6社の営業利益の2割に相当。中でも、米国での輸入比率が高いメーカーほど影響を被ると思われる。
・各社は当面、在庫活用などで価格を据え置くと見られる。ただ、ビジネスモデルの練り直しを求められ、事業の不確実性が増していくだろう。
- ・米国による輸入自動車に対する25%の追加関税が4月2日に発動された。
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2025-04-14
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
マーケット情報 : HRIマーケット情報(2025年4月14日)
- 要約
- ・先週も、トランプ政権による「関税政策」が世界の金融市場を混乱させた。特に米国では、10年国債の利回りが大幅に上昇し、週間の上昇幅(約0.50%)は米国同時テロ後の2001年11月以来、23年5か月ぶりの大きさとなった。「相互関税」の発表以降、軟調となっている米株に加えて、先週は通貨ドルも他通貨に対して売られ始め、トリプル安となり米国売りの様相を呈している。
・今週も、米国の資産や通貨ドルからマネーが逃避する流れが継続することが予想される。重要な経済指標の発表もないことから、引き続きトランプ米大統領の発言や中国の反応に注意が必要だろう。もちろん、米中対立の緩和があれば、各種マーケットの急反発が予想されるが、もはや市場参加者の多くが望むところでもある。
- ・先週も、トランプ政権による「関税政策」が世界の金融市場を混乱させた。特に米国では、10年国債の利回りが大幅に上昇し、週間の上昇幅(約0.50%)は米国同時テロ後の2001年11月以来、23年5か月ぶりの大きさとなった。「相互関税」の発表以降、軟調となっている米株に加えて、先週は通貨ドルも他通貨に対して売られ始め、トリプル安となり米国売りの様相を呈している。
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2025-04-17
産業動向調査
産業マンスリー
産業マンスリー : 産業マンスリー 4月号
- 要約
- テクノロジー、自動車、外食、不動産、医療・介護、観光等の産業別の業況や今後の見通し、注目トピックスを解説。
今月は、テクノロジー、外食、観光の6か月先の業況判断を下方修正。
- テクノロジー、自動車、外食、不動産、医療・介護、観光等の産業別の業況や今後の見通し、注目トピックスを解説。
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2025-04-21
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
マーケット情報 : HRIマーケット情報(2025年4月21日)
- 要約
- ・先週は、トランプ米政権の関税政策を巡る過度な警戒感が後退し、日経平均が4週ぶりに上昇した。これを受けて相対的に安全な資産とされる債券が売られ、日本の長期金利は小幅に上昇。一方、外為市場では米株安や米景気を巡る不透明感などを背景に低リスク通貨とされる円を買う動きが優勢となった。日米の関税交渉で円安が議題になるとの観測もあり、17日の東京市場の朝方には一時1ドル=141円62銭と約7か月ぶりの円高ドル安水準を付ける場面もあった。
・今週は、日米財務相会談(24日で最終調整)が予定されており、円安是正の議論が進むとの思惑から円が買われやすいと予想される。ただ、投機筋による円のロングポジションが積み上がっているため、相場が落ち着いてくればポジション調整目的の円売りが入る可能性もある。その他、IMFは22日に世界経済見通しを発表する。世界のGDP成長率がどの程度下方修正されるのか注目される。
- ・先週は、トランプ米政権の関税政策を巡る過度な警戒感が後退し、日経平均が4週ぶりに上昇した。これを受けて相対的に安全な資産とされる債券が売られ、日本の長期金利は小幅に上昇。一方、外為市場では米株安や米景気を巡る不透明感などを背景に低リスク通貨とされる円を買う動きが優勢となった。日米の関税交渉で円安が議題になるとの観測もあり、17日の東京市場の朝方には一時1ドル=141円62銭と約7か月ぶりの円高ドル安水準を付ける場面もあった。
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2025-04-25
マクロ経済・金融市場調査
景気観測
景気観測 : 景気観測(中国)2025年4月 米国の対中関税の引き上げを受けて、官民一体で輸出企業を支援
- 要約
- ・個人消費の改善などにより、2025年1〜3月期の実質GDP(国内総生産)は堅調な成長を維持。
・もっとも、米トランプ政権による対中関税の引き上げを背景に、輸出は大幅に減速。
・住宅販売が減少傾向で推移するなど、住宅市場は低迷が続いている。
・米トランプ政権の大幅な関税引き上げを受けて、官民一体となって輸出企業への支援に注力。
- ・個人消費の改善などにより、2025年1〜3月期の実質GDP(国内総生産)は堅調な成長を維持。
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2025-04-25
神奈川・地域経済調査
研究員コラム
研究員コラム : 人口移動の「東京都区部一極集中」再び。でもドーナツ化の兆しも? 遠藤裕基
- 要約
- ・4月24日に総務省より2024年の「住民基本台帳移動報告」の市区町村別の結果が公表された。
・2024年の市区町村別転入超過数をみると、再び東京都区部が上位となっており、首都圏(本稿では1都4県)における人口移動の傾向は、「都区部の転入超過数が相対的に高い」という意味で、概ねコロナ禍前に戻ったと考えられる。
・ただ、都区部でも、相対的に台東区、墨田区といった城東エリアや、板橋区、足立区、北区といった城北エリアで転入超過率が相対的に高くなっており、コロナ禍からの戻りといっても都区部の中でも差がある。
- ・4月24日に総務省より2024年の「住民基本台帳移動報告」の市区町村別の結果が公表された。
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2025-04-28
マクロ経済・金融市場調査
マーケット情報
マーケット情報 : HRIマーケット情報(2025年4月28日)
- 要約
- ・先週は、関税政策を巡り米中双方が態度を軟化するとの報道を受けた、貿易摩擦の緩和期待や、トランプ米大統領がパウエルFRB議長について、解任するつもりはないと話したことで、FRBの独立性が損なわれて金融市場が不安定化するとの警戒も緩和し、リスクオフの巻き戻しの展開となり、株高&円安ドル高が進展した。
・トランプ関税に対する警戒感が後退する中で、今週から日本では悪くないタイミングで決算発表シーズンを迎える。株価が不安要素をある程度織り込んでいるため、慎重な新年度の業績見通しが示されても、悪材料視されにくく、外需株やハイテク株に見直し買いが入る可能性から、日本株は戻りを試す展開を予想。重要イベントとしては、日本では日銀決定会合(4/30-5/1)に、また米国ではGDP速報値(1Q、4/30)や雇用統計(4月、5/2)の発表などに注目が集まる。
- ・先週は、関税政策を巡り米中双方が態度を軟化するとの報道を受けた、貿易摩擦の緩和期待や、トランプ米大統領がパウエルFRB議長について、解任するつもりはないと話したことで、FRBの独立性が損なわれて金融市場が不安定化するとの警戒も緩和し、リスクオフの巻き戻しの展開となり、株高&円安ドル高が進展した。
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